説明

車両用灯具の配光制御装置、車両用灯具の配光制御システム

【課題】簡素な構成によって自車の前照灯による配光状態を制御する。
【解決手段】配光制御システムは、画像処理装置の検出結果に基づいて対象車両の各外縁の位置を示す角度θ1、θ2を求め、それに基づいて自車両の前照灯による照射範囲を規定する角度を算出し、その算出結果に基づいて配光状態を制御するための配光信号を出力する。照射範囲を規定する角度は角度θ1、角度θ2とによりそれぞれ定められる。前記自車両の右側前照灯による照射範囲を規定する角度は、第1の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を角度θ2から減算することによって定め、左側前照灯による照射範囲を規定する角度は、第2の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を角度θ1に加算することによって定められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具の配光状態を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具として、前方の車両の状態に応じて自車の前照灯の走行灯(ドライビングビーム)の点灯を制御するもの(ADB: Adaptive Driving Beam)が知られている。かかる車両用灯具は、前方に車両が存在する場合に、例えばその車両の部分だけ照明がカットされるように自車の前照灯の配光状態を制御する。このような車両用灯具の先行例は、例えば特開平7−108873号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
上記のような先行例の車両用灯具は、自車の前方の所定位置(例えばフロントウィンドウ中央上部)にカメラを設置し、そのカメラによって撮像された対象車両(先行車または対向車)の車体、もしくは尾灯や前照灯の位置を画像処理によって検出する。そして、検出された先行車や対向車の部分に自車の走行灯による光が照射されないように配光制御が行われる。
【0004】
ところで、先行例の車両用灯具においては、カメラによる撮像画像に基づいて検出される対象車両の位置に応じて、自車の前照灯による照射範囲を求める必要があり、そのためには対象車両と自車との距離を検出する必要がある。したがって、自車にはレーダーやステレオカメラなどの距離計測手段が備わっている必要がある。しかしながら、レーダー等の距離計測手段を備えた場合には、前照灯による照射範囲をより精密に演算できるものの、システムとして構成が複雑になり、コスト増を招くという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−108873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に係る具体的態様は、より簡素な構成によって自車の前照灯による配光状態を制御し得る技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様の配光制御システムは、車両用灯具による配光状態を制御するためのものであって、(a)自車両の前方に存在する対象車両を撮像するための撮像装置と、(b)撮像装置から出力される画像データに基づいて対象車両の左右の各外縁を検出する画像処理装置と、(c)画像処理装置による検出結果に基づいて配光状態を制御するための配光信号を出力する配光制御装置を含む。そして、配光制御装置は、(d)画像処理装置から得られる検出結果に基づいて、自車両の略中央を基準とした対象車両の右外縁の位置を示す角度θ1と左外縁の位置を示す角度θ2を求める車両角度検出部と、(e)角度θ1、θ2に基づいて、自車両の右側前照灯による照射範囲を規定する角度α1、α2及び自車両の左側前照灯による照射範囲を規定する角度β1、β2を算出する照射範囲算出部と、(f)角度α1、α2、β1、β2に基づいて配光状態を制御するための配光信号を出力する配光信号出力部を有する。照射範囲算出部は、(g)角度α1を角度θ1、角度β2を角度θ2とそれぞれ定め、(h)角度α2を、第1の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を角度θ2から減算することによって定め、(i)角度β1を、第2の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を角度θ1に加算することによって定める。
【0008】
上記システムにおいては、画像処理装置から得られる検出結果に基づいて、対象車両の各外縁(例えば、前照灯または尾灯の端部など)の位置を、自車両の左右方向の略中央を基準とした角度θ1、θ2として検出する。そして、自車両の右側前照灯による光の照射範囲を削除する右側端を規定する角度α1については角度θ1を用い、自車両の左側前照灯による光の照射範囲を削除する左側端を規定する角度β2については角度θ2を用いる。一方で、自車両の右側前照灯による光の照射範囲を削除する左側端を規定する角度α2については第1の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を角度θ2から減算することによって定め、自車両の左側前照灯による光の照射範囲を削除する右側端を規定する角度β1については第2の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を角度θ1に加算することによって定める。ここで、角度θ1、θ2の差(θ1−θ2)の値は、自車両と対象車両の距離、自車両と対象車両の水平方向のずれ量(横ずれ量)、対象車両の車幅のそれぞれの大きさに応じて変化するパラメータとして利用できるものである。このため、第1の係数および第2の係数を適宜に設定し、この(θ1−θ2)を用いて角度θ1、θ2に補正を加えることで、自車両と対象車両の距離、自車両と対象車両の横ずれ量、対象車両の車幅を直接的に計測しなくともこれらの大きさに応じて角度α2、β1を可変に設定することができる。したがって、対象車両の室内等に光が照射されないような適切な光の照射範囲を簡単に設定することができる。上記システムでは、対象車両の各外縁の位置を示す角度θ1、θ2を検出するのみで、あとは簡単な演算によって光の照射範囲を定めることが可能であるため、高性能で高価な演算装置は不要であり、また、自車両と対象車両の間の距離を計測する手段も不要である。すなわち、より簡素な構成によって自車の前照灯による配光状態を制御し得る配光制御システムを実現できる。
【0009】
上記の配光制御システムにおいては、例えば、第1の係数と第2の係数のそれぞれは1よりも小さい値に設定されることが好ましい。また、第1の係数と第2の係数は、互いに等しく設定されてもよい。第1の係数、第2の係数は、例えば0.7〜0.9程度の値に設定することができ、0.8程度の値に設定することが好ましい。
【0010】
上記のように各係数を設定することにより、自車両と対象車両の距離、自車両と対象車両の横ずれ量、対象車両の車幅のそれぞれとして実用的な数値の範囲内でより好適な配光状態を規定する角度α2、β1を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態の車両用灯具の配光制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】車両角度検出部による処理内容を説明するための図である。
【図3】照射範囲算出部による処理内容を説明するための図である。
【図4】配光制御システムの動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、一実施形態の車両用灯具の配光制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示す配光制御システム1は、車両用灯具2による配光状態を制御するための信号(以下「配光信号」という)を生成し、出力するものであり、カメラ(撮像装置)11、画像処理装置12、配光制御装置13を含んで構成されている。
【0014】
カメラ11は、自車両の前方を撮像するためのものであり、車両の所定位置、例えばフロントウィンドウの中央上部に取り付けられる。このカメラ11により自車両の前方に存在する対象車両(先行車または対向車)が撮像され、その画像データがカメラ11から画像処理装置12へ出力される。
【0015】
画像処理装置12は、カメラ11から入力される画像データに対して所定の画像処理を実行する。例えば、画像処理装置12は、画像データを2値化し、輪郭検出する等の画像処理を実行することによって、対象車両のランプ(前照灯あるいは尾灯)の位置を検出する。
【0016】
配光制御装置13は、画像処理装置12による画像処理結果を取得し、それに基づいて、車両用灯具2へ供給するための配光信号を生成するものであり、車両角度検出部21、照射範囲算出部22および配光信号出力部23を含んで構成されている。この配光制御装置13は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにおいて所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0017】
車両角度検出部21は、画像処理装置12からの画像処理結果に基づいて、自車両の進行方向を基準として対象車両のランプ(前照灯または尾灯)の両端位置の相対的な位置を角度により求める。具体的には、車両角度検出部21は、自車両から見た対象車両の右端の角度θ1と左端の角度θ2を求める。
【0018】
照射範囲算出部22は、車両角度検出部21によって求められた角度θ1、θ2に基づいて、自車両の前照灯による照射範囲を定めるためのパラメータを算出する。パラメータの詳細については後述する。
【0019】
配光信号出力部23は、照射範囲算出部22によって算出される上記のパラメータに基づいて、車両用灯具2による配光制御に用いるための配光信号を生成し、出力する。この配光信号を受けた車両用灯具2は、配光信号により定まる光の照射範囲を実現するように、内蔵するアクチュエータ等(図示省略)を動作させる。
【0020】
本実施形態の配光制御システム1は上記構成を備えており、次にその動作を説明する。
【0021】
図2は、車両角度検出部21による処理内容を説明するための図である。図2では、自車両100と対象車両101の位置関係が模式的な平面図により示されている。図2に示すように自車両100の略中央から進行方向へ向かって基準軸oを設定する。また、この基準軸oと直交する方向に沿った距離を表す場合には基準軸oを挟んで右方向がプラス、左方向がマイナスと設定する。このとき、角度θ1、θ2は、それぞれ、自車両100の左右方向の略中央に配置されたカメラ11によって撮像された対象車両101の左右の各端部(本例ではランプ位置)と基準軸oとのなす角度である。車両角度検出部21はこれらの角度θ1、θ2を検出する。
【0022】
図3は、照射範囲算出部22による処理内容を説明するための図である。図3に示すように、自車両100の車幅(本例では前照灯の相互間距離)をAと定義し、自車両100と対象車両101の相互間の距離をBと定義し、基準軸oから対象車両101の右端(自車両100から見た見かけ上の右端)までの距離(横ずれ量)をCと定義し、対象車両101の車幅をDと定義する。例えば本実施形態では、距離Bについては自車両100の前照灯の位置から対象車両101の前照灯の位置まで距離をもって距離Bと定義され、また、横ずれ量Cについては自車両100の略中央(基準軸o)から対象車両101の右側前照灯(自車両100から見た見かけ上の右側前照灯)までの距離をもって横ずれ量Cと定義される。また、自車両100の右側前照灯が対象車両101を照射しないように光の照射範囲を削除する右側端と基準軸oとのなす角度をα1とし、左側端と基準軸oとのなす角度をα2とし、自車両100の左側前照灯が対象車両101を照射しないように光の照射範囲を削除する右側端と基準軸oとのなす角度をβ1とし、左側端と基準軸oとのなす角度をβ2とする。照射範囲算出部22は、車両角度検出部21によって検出された角度θ1、θ2に基づいてこれらの角度(非照射角度)α1、α2、β1、β2を算出する。これらの角度α1、α2、β1、β2は、対象車両101が先行車であればその側面鏡、対象車両101が対向車であればその車室内をそれぞれ照射しないような値に設定される。
【0023】
具体的には、まず角度α1と角度β2については、角度検出部21によって検出される角度θ1、θ2を用いてそれぞれ以下のように設定される。
α1=θ1 ・・・(1)
β2=θ2 ・・・(2)
この場合、角度α1を角度θ1とすることで、自車両100の右前照灯による光の照射範囲を削除する右側端は、自車両の車幅Aの1/2だけ対象車両101の端部から離れた位置になり、仮に自車両100の車幅Aが1mであれば左側端は対象車両101から0.5m離れた位置になる。同様に、角度β2を角度θ2とすることで、自車両100の左前照灯による光の照射範囲を削除する左側端は、自車両100の車幅Aの1/2だけ対象車両101の端部から離れた位置になり、仮に自車両100の車幅Aが1mであれば左側端は対象車両101から0.5m離れた位置になる。
【0024】
次に、角度α2、β1については、角度検出部によって検出される角度θ1、θ2を用いてそれぞれ以下のように設定される。
α2=θ2−k(θ1−θ2) ・・・(3)
β1=θ1+k(θ1−θ2) ・・・(4)
ここで、各計算式における係数kは、自車両100の右前照灯による光の照射範囲を削除する左側端と対象車両101の端部との距離Lが所望の値となり、自車両100の左前照灯による光の照射範囲を削除する右側端と対象車両101の端部との距離Qも所望の値となるようにそれぞれ設定される。以下に、各計算式の根拠を説明する。
【0025】
角度検出部21によって検出される角度θ1、θ2の差(θ1−θ2)を開き角と定義する。この開き角(θ1−θ2)の値は、自車両100と対象車両101の距離Bと、自車両100と対象車両101の横ずれ量Cと、対象車両101の車幅Dのそれぞれの大きさに応じて変化する。このため、開き角(θ1−θ2)を用いて角度θ1、θ2を補正することで、距離B、横ずれ量C、車幅Dを直接的に計測しなくともこれらの大きさに応じて角度α2、β1を可変に設定し、適切な光の照射範囲を設定することが可能になる。
【0026】
具体的には、図3に示す配置を前提にすると、自車両100の右前照灯による光の照射範囲を削除する左側端と対象車両101の端部との距離Lは以下の計算式によって表すことができる。
L=A/2+D+B×tan(α2)−C
=A/2+D+B×tan(θ2−k(θ1−θ2))−C ・・・(5)
ここで、角度θ1、θ2は以下のように表すことができる。
θ1=arctan(C/B)
θ2=arctan((C−D)/B)
よって、これらの角度θ1、θ2を(5)式に代入し、かつLとして好ましい値(例えば0.3m)を設定すれば、(5)式に基づいて係数kを求めることができる。例えば、自車両100の車幅Aを1mに設定し、距離Bを5m〜300mの間で可変に設定し、横ずれ量Cを−1m〜+50mの間で可変に設定し、対象車両101の車幅Dを1m〜2mの間で可変に設定し、距離Lが0.3m以上となるような係数kの値をシミュレーションすると、上記の(3)式における係数kを0.7〜0.9程度、より好ましくは0.8程度の値に設定することで角度α2として妥当な値を得られる。
【0027】
同様に、図3に示す配置を前提にすると、自車両100の左前照灯による光の照射範囲を削除する右側端と対象車両101の端部との距離Qは以下の計算式によって表すことができる。
Q=−A/2+B×tan(β1)−C
=−A/2+B×tan(θ1+k(θ1−θ2))−C ・・・(6)
ここで、上記のように角度θ1、θ2は以下のように表すことができる。
θ1=arctan(C/B)
θ2=arctan((C−D)/B)
よって、これらの角度θ1、θ2を(6)式に代入し、かつLとして好ましい値(例えば0.3m)を設定すれば、(6)式に基づいて係数kを求めることができる。例えば、自車両100の車幅Aを1mに設定し、距離Bを5m〜300mの間で可変に設定し、横ずれ量Cを−1m〜+50mの間で可変に設定し、対象車両101の車幅Dを1m〜2mの間で可変に設定し、距離Lが0.3m以上となるような係数kの値をシミュレーションすると、上記の(4)式における係数kを0.7〜0.9程度、より好ましくは0.8程度の値に設定することで角度β1として妥当な値を得られる。
【0028】
以上をまとめると、本実施形態の照射範囲設定部22は、角度検出部21によって検出される角度θ1、θ2に基づいて、角度α1については角度θ1と定め、角度β2については角度θ2と定める。また、角度α2については、上記(3)式において係数kを一例として0.8に設定し、θ2−0.8×(θ1−θ2)を演算することによって定め、角度β1については、上記(4)式において係数kを一例として0.8に設定し、θ1+0.8×(θ1−θ2)を演算することによって定める。
【0029】
図4は、配光制御システム1の動作手順を示すフローチャートである。
【0030】
カメラ11により自車両の前方に存在する対象車両が撮像されると(ステップS11)、カメラ11から出力される画像データに対して画像処理装置12が所定の画像処理を実行する(ステップS12)。
【0031】
次に、車両角度検出部21は、画像処理装置12による画像処理結果に基づいて、上記した角度θ1、θ2を検出する(ステップS13)。
【0032】
次に、照射範囲算出部22は、車両角度検出部21によって検出された角度θ1、θ2に基づいて、自車両の前照灯による光の照射範囲を設定するために必要な角度α1、α2、β1、β2のそれぞれを算出する。具体的には、照射範囲算出部22は、角度α1を角度θ1に設定し、角度β2をθ2に設定する(ステップS14)。また、照射範囲算出部22は、開き角(θ1−θ2)を求め、これを用いて上記した計算式に基づいて角度α2、β1を演算する(ステップS15)。
【0033】
次に、配光信号出力部23は、照射範囲算出部22によって算出される上記の角度α1、α2、β1、β2に基づいて、車両用灯具2による配光制御に用いるための配光信号を生成し、出力する(ステップS16)。
【0034】
以上のように本実施形態の配光制御システムでは、開き角(θ1−θ2)をパラメータとして用いて角度θ1、θ2に補正を加えることで、自車両と対象車両の距離、自車両と対象車両の横ずれ量、対象車両の車幅を直接的に計測しなくともこれらの大きさに応じて角度α2、β1を可変に設定することができる。したがって、対象車両の室内等に光が照射されないような適切な光の照射範囲を簡単に設定することができる。上記システムでは、対象車両の各外縁の位置を示す角度θ1、θ2を検出するのみで、あとは簡単な演算によって光の照射範囲を定めることが可能であるため、高性能で高価な演算装置は不要であり、また、自車両と対象車両の間の距離を計測する手段も不要である。すなわち、より簡素な構成によって自車の前照灯による配光状態を制御し得る配光制御システムを実現できる。
【0035】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
【0036】
例えば、上記した実施形態においてはカメラ、画像処理装置および配光制御装置を含んで配光制御システムが構成されていたが、自車両に予めカメラおよび画像処理装置が備わっている場合には、それらのカメラ等と配光制御装置と組み合わせて配光制御システムを構築してもよい。また、カメラと画像処理装置とは一体に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…配光制御システム
2…車両用灯具
11…カメラ(撮像装置)
12…画像処理装置
13…配光制御装置
21…車両角度検出部
22…照射範囲算出部
23…配光信号出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具による配光状態を制御するための配光制御システムであって、
自車両の前方に存在する対象車両を撮像するための撮像装置と、
前記撮像装置から出力される画像データに基づいて前記対象車両の左右の各外縁を検出する画像処理装置と、
前記画像処理装置による検出結果に基づいて前記配光状態を制御するための配光信号を出力する配光制御装置、
を含み、
前記配光制御装置は、
前記画像処理装置から得られる前記検出結果に基づいて、前記自車両の略中央を基準とした前記対象車両の右外縁の位置を示す角度θ1と左外縁の位置を示す角度θ2を求める車両角度検出部と、
前記角度θ1、θ2に基づいて、前記自車両の右側前照灯による照射範囲を規定する角度α1、α2及び前記自車両の左側前照灯による照射範囲を規定する角度β1、β2を算出する照射範囲算出部と、
前記角度α1、α2、β1、β2に基づいて前記配光状態を制御するための配光信号を出力する配光信号出力部、
を有し、
前記照射範囲算出部は、
前記角度α1を前記角度θ1、前記角度β2を前記角度θ2とそれぞれ定め、
前記角度α2を、第1の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を前記角度θ2から減算することによって定め、
前記角度β1を、第2の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を前記角度θ1に加算することによって定める、
車両用灯具の配光制御システム。
【請求項2】
前記第1の係数と前記第2の係数のそれぞれが1よりも小さい値に設定された、請求項1に記載の配光制御システム。
【請求項3】
前記第1の係数と前記第2の係数が等しく設定された、請求項1又は2に記載の配光制御システム。
【請求項4】
車両用灯具による配光状態を制御するための配光制御装置であって、
自車両の前方に存在する対象車両の左右の各外縁を検出した結果が入力され、当該検出結果に基づいて、前記自車両の略中央を基準とした前記対象車両の右外縁の位置を示す角度θ1と左外縁の位置を示す角度θ2を求める車両角度検出部と、
前記角度θ1、θ2に基づいて、前記自車両の右側前照灯による照射範囲を規定する角度α1、α2及び前記自車両の左側前照灯による照射範囲を規定する角度β1、β2を算出する照射範囲算出部と、
前記角度α1、α2、β1、β2に基づいて前記配光状態を制御するための配光信号を出力する配光信号出力部、
を有し、
前記照射範囲算出部は、
前記角度α1を前記角度θ1、前記角度β2を前記角度θ2とそれぞれ定め、
前記角度α2を、第1の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を前記角度θ2から減算することによって定め、
前記角度β1を、第2の係数を(θ1−θ2)に乗算した値を前記角度θ1に加算することによって定める、
車両用灯具の配光制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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