説明

車両用灯具

【課題】半導体型光源をヒートシンク部材に精度良く組付けることができる車両用灯具の提供を図る。
【解決手段】半導体型光源10は、ヒートシンク部材20の棚部23上で給電部材40のホルダー部41で押え付けられ、該ホルダー部41が固定フレーム50で押え付けられて棚部23上に組付けられる。棚部23上に設けたストッパー部31とホルダー部41に設けた板ばね部材43とにより半導体型光源10が前後方向に挟圧されて位置決めされ、固定フレーム50は棚部23の上面に突設した係止突起37と、棚部23の前端面に突設した係止突起38とに跨って係着して棚部23に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のヘッドランプを始めとして、リヤコンビネーションランプやフォグランプ等に用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用灯具として例えば特許文献1に示されているように、光源として発光ダイオード(LED)等の半導体型光源を用い、これをリフレクタと共にヒートシンク部材(固定部材)に組付けて、半導体型光源の発熱を該ヒートシンク部材により拡散して放熱するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−302714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の車両用灯具にあっては、半導体型光源は給電アタッチメント部材に位置決めして固定配置され、この給電アタッチメント部材をヒートシンク部材に嵌挿固定することにより、該半導体型光源がヒートシンク部材の所定部位に配置されるようにしている。
【0005】
このため、半導体型光源と給電アタッチメント部材との組付誤差、および給電アタッチメント部材とヒートシンク部材との組付誤差が集積されて、半導体型光源とリフレクタ,シェード,投影レンズ等との光学的位置関係に狂いが生じて、配光性能に悪影響を及ぼしてしまうことは否めない。
【0006】
一方、前記半導体型光源の背面とヒートシンク部材の光源取付面とに、相互に係合するロケートピンとロケート孔とを設けて、これらロケートピンとロケート孔との係合により半導体型光源を位置決めして、直接、前記光源取付面に固定することも行われてはいるが、前記ロケートピンとロケート孔の加工精度管理が困難で、この場合も半導体型光源と他の光学系部材との位置関係に微妙な狂いを生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は半導体型光源をヒートシンク部材の光源取付面上に精度良く組付けることができて、配光性能を向上することができる車両用灯具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両用灯具は、半導体型光源と、該半導体型光源の出射光の一部を所定の方向に向けて反射するリフレクタと、前記半導体型光源の直射光および前記リフレクタの反射光を集光して灯具前方に向けて照射する投影レンズとを備えた光学系ユニットと、縦壁の上下方向中間位置に灯具前方に向けて略水平に突出する棚部を有し、該棚部上に前記光学系ユニットを配置したヒートシンク部材と、を備え、前記半導体型光源を、前記ヒートシンク部材の棚部上で、該半導体型光源の周縁部を面直方向に押え付けて該半導体型光源と電気的に接続される平板状のホルダー部を備えた給電部材と、前記棚部上に係着固定されて、前記ホルダー部の周縁部を面直方向に押え付ける固定フレームと、により固定する構造であって、前記半導体型光源は、前記棚部の後側部上に突設されて該半導体型光源の後端面に係止するストッパー部と、該ストッパー部と対峙して前記ホルダー部に一体的に設けられて、前記半導体型光源の前端面に弾接する板ばね部材との対向的な挟圧により灯具前後方向に位置決めされている一方、前記ヒートシンク部材は、その棚部上の後側部と、該棚部の前端面とに係止突起が形成され、前記固定フレームがこれら前後の係止突起に跨って係着固定されていることを主要な特徴としている。
【0009】
前記半導体型光源は、その下面をヒートシンク部材の棚部上に重合して、該半導体型光源の後端面を該棚部上に突設されたストッパー部に面接触して当接係止することにより、該半導体型光源の配設基準位置が定められる。そして、前記半導体型光源の上方より前記棚部上に給電部材のホルダー部を宛がい、該ホルダー部に一体的に設けられた板ばね部材により前記半導体型光源の前端面を前記ストッパー部側に向けて押圧することによって、該半導体型光源の配設位置が確定され、更に、前記ホルダー部の周縁部を上方より固定フレームで押え付けて、該固定フレームを前記棚部上に係着固定することによって、前記半導体型光源が前記棚部上に適正に組付けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ヒートシンク部材の棚部上に突設したストッパー部に半導体型光源の後端面を突当てて面接触させることにより、該棚部上における半導体型光源の配設基準位置が定められ、このストッパー部と給電部材におけるホルダー部の板ばね部材との前後方向に対向的な挟圧によって該半導体型光源の配設位置が確定されるので、前記従来の給電アタッチメントに予め半導体型光源を組付けて、該給電アタッチメントをヒートシンク部材に組付けるものと異なり、半導体型光源を直接ヒートシンク部材の所定位置に定置することができて、半導体型光源の組付精度を高めることができる。
【0011】
しかも、前記ストッパー部と半導体型光源との相互の面接触の精度を出せばよいので、加工精度管理が容易で半導体型光源の前後方向の位置決めを正確に行えて、他のリフレクタ等との光学的位置関係に狂いを生じることがなく、これにより配光性能を向上することができる。
【0012】
また、前述の配光性能上の効果とは別に、前述のように板ばね部材が給電部材のホルダー部に一体的に設けられているので、別途、半導体型光源位置決め用のばね部材をヒートシンク部材に組付けるものと異なり、部品点数を削減できて組付工数を低減することができる。しかも、前記ホルダー部の板ばね部材のばね反力を利用して、給電部材をヒートシンク部材に対して前後方向の位置精度を出して仮り保持固定することが可能であるため、該給電部材の組付け性を向上することができる。
【0013】
更に、前記ヒートシンク部材の棚部には、その上面の後側部と前端面とに係止突起が突設され、前記固定フレームをこれら前後の係止突起に跨って係着固定するようにしているため、ビス等による締結固定とは異なり該固定フレームをワンタッチで取付けることができて、その装着作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における灯具ユニットを示す分解斜視図。
【図2】灯具ユニットの断面図。
【図3】半導体型光源の位置決め状態を示す斜視図。
【図4】半導体型光源と給電部材の板ばね端子との配置関係を示す断面斜視図。
【図5】給電部材の組付状態を示す斜視図。
【図6】固定フレームの組付状態を示す斜視図。
【図7】給電部材を示す斜視図。
【図8】給電部材を反転して示す斜視図。
【図9】図8の小突起部形成部分を示す拡大図。
【図10】給電部材のコネクタ部形成部分を示す拡大斜視図。
【図11】板ばね部材の形成部分を示す拡大斜視図。
【図12】固定フレームを示す拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を車両用ヘッドランプを例に採って図面と共に詳述する。
図1,図2に示すヘッドランプの灯具ユニット1は、光学系ユニット2と、該光学系ユニット2が配設されるヒートシンク部材20と、を備えている。
【0016】
前記光学系ユニット2はプロジェクタタイプとして構成され、半導体型光源10と、半導体型光源10から射出された光の一部を反射する凹型の反射面11aを有するリフレクタ11と、半導体型光源10の直射光および前記リフレクタ11の反射光を集光して灯具前方に向けて照射する投影レンズ12と、を備えている。
【0017】
この灯具ユニット1が図外のランプハウジングと素通しのアウターレンズとで形成される灯室内に配設されて、ヘッドランプが構成される。
【0018】
前記光学系ユニット2におけるリフレクタ11の反射面11aは、楕円または楕円を基本とする反射面、例えば、回転楕円面または楕円を基本とした自由曲面からなる。図2の鉛直断面において、リフレクタ11の反射面11aは、例えば楕円をその長軸に沿って半分にした半楕円の形状を有し、反射面11aの前端部側は半円状のフード部11Aとされている。
【0019】
このリフレクタ11は、例えば光不透過性の合成樹脂材で形成され、リフレクタ11の内面にアルミ蒸着や銀塗装を施して前記反射面11aが形成される。
【0020】
前記リフレクタ11の反射面11aは第1焦点F1と第2焦点F2とを備え、この第1焦点F1またはその近傍に前記半導体型光源10の発光部10aが配設される。これにより、半導体型光源10から射出される光のうち、リフレクタ11の反射面11aにより反射された光は、該リフレクタ11の第2焦点F2またはその近傍に集光される。
【0021】
前記半導体型光源10は、例えば発光ダイオード(LED)や有機ELおよび無機ELを含むエレクトロルミネッセンス(EL)など、半導体に電圧を印加することによって得られるルミネッセンス(発光現象)を利用した光源である。
【0022】
この半導体型光源10は、平面方形の基板10Aを有し、該基板10Aの左右両側上面に光源側端子10bを構成する正極側および負極側の端子が前後方向に帯状に配設され、また、前記発光部10aを覆って透明なドーム状カバー10cが付設されている。
【0023】
前記投影レンズ12は、少なくとも何れか一方の側面が球面または略球面の形状を有する凸レンズである。本実施形態では、投影レンズ12の両側面が凸型の略球面形状を有し、灯具前方側の側面(前面)は灯具後方側の側面(後面)に比べて曲率半径が小さい。投影レンズ12の形状はこれに限らず、レンズ光軸方向の厚みが中心から外周にかけて薄くなる凸レンズであればよく、例えば、灯具後方側の側面(後面)が略平坦な面とされた平凸レンズであってもよい。
【0024】
この投影レンズ12は、水平または略水平なレンズ光軸Z1を有し、前記リフレクタ11の第1焦点F1および第2焦点F2はこのレンズ光軸Z1上に設定される。これにより、リフレクタ11の第2焦点F2またはその近傍に集束した光は、投影レンズ12を透過する際にレンズ光軸Z1に対して平行もしくは略平行な光束に集光されて灯具前方へ投射される。
【0025】
前記半導体型光源10はハロゲンランプやHIDランプ(高輝度放電ランプ)に比べて発熱量が小さいため、投影レンズ12としてガラスレンズよりも軽量な合成樹脂製のレンズ、例えばアクリル製のレンズが使用される。
【0026】
この投影レンズ12は、その周縁部がレンズホルダー13に抱持固定され、該レンズホルダー13を介して前記ヒートシンク部材20に取付けられている。
【0027】
前記レンズホルダー13は耐熱性の適宜の合成樹脂材からなり、略半円筒状の胴部後端に立上がり壁13aを備え、該立上がり壁13aを前記ヒートシンク部材20の後述する縦壁21の棚部23の下方に突設したボス部26にビス18により締結して、該ヒートシンク部材20に取付けられている。
【0028】
このレンズホルダー13の立上がり壁13aの上端には、略水平な庇部13bが灯具後方に向けて延設されている。この庇部13bは、前記投影レンズ12のレンズ光軸Z1上に略一致し、前端縁はシェード14を構成している。
【0029】
前記シェード14は前記リフレクタ11の第2焦点F2位置またはその近傍位置に設定されており、前記半導体型光源10から射出されてリフレクタ11の反射面11aで反射された反射光の一部を遮断して、残りの反射光でカットオフラインを有する所定の配光パターン、例えば、すれ違い用配光パターン(ロービーム)を形成するものである。
【0030】
また、前記庇部13bの一般上面の前記シェード14の後方平坦面は、前記リフレクタ11の反射面11aを第1反射面とした場合に、該第1反射面11aで前記シェード14よりも灯具後方位置に反射された反射光を、投影レンズ12の上方部分に向けて斜め上向き方向に反射させる第2反射面15として形成されている。
【0031】
一方、前記リフレクタ11のフード部11Aの前端部上側部位には、前記半導体型光源10から射出される光の一部を、前記シェード14の直前位置(灯具前方位置)に向けて反射させる第3反射面16が形成されている。この第3反射面16は、前記フード部11Aの前端部上側部位に、内側に向けて断面逆三角形状に突出する膨出部11Aを形成することにより、その内側の後方の前傾した斜面で形成される。
【0032】
また、前記シェード14の直前部位(灯具前方位置)には、前記第3反射面16で反射された反射光を、投影レンズ12の上側部に向けて反射させる第4反射面17が形成されている。この第4反射面17は斜め下方に傾斜した傾斜面として形成され、これら第3,第4反射面16,17は、前記ロービーム配光パターンよりも上方位置に配光パターンを形成するオーバーヘッドサイン用の反射面を構成するものである。
【0033】
前記レンズホルダー13側の第2反射面15および第4反射面17は、リフレクタ11の第1反射面11aおよび第3反射面16と同様に、アルミ蒸着や銀塗装を施して形成される。
【0034】
また、前記レンズホルダー13の胴部は、前述のように半円筒状の下半部で構成されていて上半部が開放されており、レンズホルダー13内に熱が籠もることがないようにされている。
【0035】
前記ヒートシンク部材20は、熱伝導率が高い金属材料、例えばアルミダイカスト製として構成される。
【0036】
このヒートシンク部材20は、前記光学系ユニット2を構成する半導体型光源10,リフレクタ11,および投影レンズ12を前述のように光学的に集約して配置する基台を兼ねて、前記半導体型光源10で発生した熱を放熱するもので、縦壁21の少なくとも背面(本実施形態では前面にも)には複数枚の放熱用の縦型フィン22が左右方向に適宜等間隔に列設されている。
【0037】
前記ヒートシンク部材20の縦壁21には、その上下方向中間位置に灯具前方に向けて略水平に突出する棚部23が一体成形され、この棚部23上に前記光学系ユニット2が組付けられている。
【0038】
本実施形態では、前記棚部23が左右一対設けられていて、各棚部23上に光学系ユニット2を組付けて2灯タイプの灯具ユニット1を構成するようにしている。
【0039】
左右の棚部23とその縦壁21は前後方向に位相を異にして、つまり、前後方向に任意の寸法でずらして形成されている。また、棚部23は、左右で上下方向にも位相を異にして形成される場合もある。これら左右の棚部23の位相の相違は、車体のキャラクターラインによって定まるヘッドランプのデザイン上の理由によるもので、勿論、左右の棚部23が同位相で形成される場合もある。
【0040】
前記左右の棚部23に組付けられる光学系ユニット2の一方が、光軸調整の基準となる基準光学ユニットとして構成され、他方が付加光学ユニットとして構成される。
【0041】
基準光学ユニットは、例えば上縁に斜めに立上がるカットラインを有する配光パターンを形成する一方、付加光学ユニットは、上縁が水平カットラインとなる配光パターンを形成して、これら基準光学ユニットの配光パターンと付加光学ユニットの配光パターンとが合成されて、上縁に所定のカットオフラインを有するすれ違い配光パターンが形成されるように構成されている。
【0042】
前記灯具ユニット1の光軸調整のため、ヒートシンク部材20の縦壁21の所定部位には、図外の前後方向エイミング調整ボルトと水平方向エイミング調整ボルトの各連結部24と、光軸調整の傾動支点となるピボット25とが設けられている。
また、前記縦壁21には、前述のように棚部23の下方部位に、前記レンズホルダー13を取付けるためのボス部26が突設されている。
一方、前記棚部23の上面には、図3に示すようにその略中央部分に、前記半導体型光源10を定置するための台座部30が突出成形されている。
【0043】
この台座部30は平面方形に形成され、その左右方向の幅寸法は前記半導体型光源10の基板10Aの左右方向の幅寸法と略同一または若干短く形成されている。
【0044】
前記台座部30の後側部には、左右方向に延在するストッパー部31が立設されている。このストッパー部31は、少なくともその前面を垂直面とした断面形状、例えば矩形断面形状に形成されていて、前記半導体型光源10の基板10Aの後端面と面直に係止するようにされている。
【0045】
前記棚部23の後側部、具体的には前記台座部30の後側部から前記縦壁21に亘る部位には開口部32が形成され、該開口部32に棚部23の前方かつ斜め上方から後述する給電部材40のコネクタ部42が挿入係合可能とされている。
【0046】
この開口部32の前壁には、図4に示すように前記コネクタ部42の後述する突当て面42aが当接する突起部33が左右方向に延在して一体成形されている。
【0047】
また、前記棚部23の上面には、前記給電部材40のコネクタ部42を前記開口部32に挿入する際に、該給電部材40をスライドガイドするための左右一対のガイドレール部34が突出成形されている。
【0048】
このガイドレール部34は、前記台座部30の両側に沿って対向的に前後方向に延在配置されている。また、該ガイドレール部34の前端部は、前記ストッパー部31の形成位置よりも前方に延出して形成されていると共に、少なくとも該前端部の各内側の側面は垂直に形成されて、これらガイドレール部34の前端部が前記半導体型光源10の基板10Aの左右側端面と面直に係止して、該半導体型光源10の左右方向の位置決めを行うストッパーとしての機能を併有するように構成されている。
【0049】
更に、前記棚部23の上面には、前記一対のガイドレール部34の各外側に離間した位置に、該棚部23の上面から若干隆起して前記給電部材40の後述するホルダー部41を載置する左右一対の座面35が前後方向に延在して一体成形されている。
【0050】
また、この棚部23の成形基部には、その上面と縦壁21の前面との隅部に沿って段部36が一体成形され、前記給電部材40を開口部32に挿入した際に、前記ホルダー部41の後端に突設された挿入規制リブ46が当接して、該コネクタ部42の挿入規制を行えるようにされている。
【0051】
そして、この段部36の上面と、棚部23の前端面とに、後述する固定フレーム50を係着固定する係止突起37,38が一体成形されている。
【0052】
前記段部36の上面の係止突起37は前記開口部38を挟んで左右一対設けられ、各上端にはフック爪37aが後方に向けて形成されている一方、棚部23の前端面の係止突起38は、該棚部23の前端面の左右方向中央部に前方に向けて横長に突設されている。
【0053】
本実施形態では、前記ガイドレール部34,座面35,および係止突起37,38は、何れも前記台座部30の左右方向中心を境にして左右線対称に形成されている。
【0054】
前記半導体型光源10は、前記棚部23の台座部30上に基板10Aを載置し、該基板10Aの後端面と左右側端面とを前記ストッパー部31および左右一対のガイドレール部34の各前端部内側面に面接触させて当接係止することによって、該半導体型光源10の配設基準位置が定められる。
【0055】
そして、この半導体型光源10は、その上方から順次棚部23上に組付けられる給電部材40と、固定フレーム50とによってヒートシンク部材20にしっかりと固定される。このとき、前記半導体型光源10の基板10Aは、前記ストッパー部31と、給電部材40の後述する板ばね部材43とによって灯具前後方向に対向的に挟圧され、配光性能を左右する前後方向の位置決めが適正に行われて、該半導体型光源10の配設位置が確定される。
【0056】
前記給電部材40は、耐熱性を有する適宜の合成樹脂材からなり、図7〜図10に示すように、前記半導体型光源10の周縁部、具体的には前記基板10Aの周縁部を上方から押え付けるホルダー部41と、該ホルダー部41の後端に灯具後方に向けて突設されて、電源側コネクタ48(図2参照)が接続されるコネクタ部42と、を備えている。
【0057】
前記ホルダー部41は平面方形の平板状に形成され、その周縁部に一段低く一体に有段成形されて前記ヒートシンク部材20における棚部23の座面35上に当接重合されるフランジ部41aを備えている。
【0058】
このホルダー部41の中央部には、前記半導体型光源10のドーム状カバー10cおよび基板10A上面の光源側端子10bが露出可能な平面方形の開窓部41bが形成されている。
【0059】
また、この開窓部41bの左右側縁部には、前記半導体型光源10の基板10Aの左右両側上面に設けられた光源側端子10bに電気的に導通可能な複数対の板ばね端子41cを一体的に備えている。これらの板ばね端子41cは、前記光源側端子10bを構成する左右に離間配置された正極側端子および負極側端子に対応して、複数本の正極側端子と負極側端子とが灯具前後方向に整然と左右対向的に列設配置されている。
【0060】
更に、前記開窓部41bの前縁部中央には、前記ヒートシンク部材20の棚部23上のストッパー部31と対峙して、該開窓部41bの中央側に向けて突出し、前記半導体型光源10の基板10Aの前端面に弾接する板ばね部材43を一体的に備えている。
【0061】
この板ばね部材43は、図11にも示すように前記開窓部41bの前縁部に固定された基部43aと、該基部43a端から分岐されて、側面略凹型に曲折成形された左右一対の板ばね片43bと、これら一対の板ばね片43b,43bの先端部間に連設されて略垂直に立上がり成形され、前記半導体型光源10の基板10Aの前端面に面直に当接する押圧片43cと、で構成されている。
【0062】
前記左右一対の板ばね片43bは、前記基部43a端から先端に至るに従って離間間隔が広がる平面略八の字状に形成され、前記押圧片43cが基部43aよりも幅広となるように構成されている。
【0063】
また、前記ホルダー部41の下面、具体的には前記フランジ部41aの後側辺の下面には、図8にも示すように前記左右一対のガイドレール部34,34の各外側面に摺接する溝部44が形成されている。
【0064】
前記開窓部41bの前後縁部の下面側は、図9に示すように一段高く有段成形されていて、前記半導体型光源10の基板10Aの上面で、前記光源側端子10bから外れた部分、例えば、基板10Aの4隅部面上にスポット的に当接して該基板10Aを押え付ける複数個の小突起部45が形成されている。
【0065】
また、このホルダー部41の後端には、前記ヒートシンク部材20の棚部23の成形基部、つまり、前記段部36の前面に当接して、前記コネクタ部42の前記開口部32への挿入規制を行う複数個の挿入規制リブ46が上下方向に突設されている。
【0066】
一方、前記コネクタ部42は、前記ホルダー部41の後端の左右方向中央部に灯具後方に向けて直状に突設されていて、これにより、給電部材40は、前記板ばね端子41c,板ばね部材43等を備えたホルダー部41と、コネクタ部42と共に左右線対称に形成されている。
【0067】
このコネクタ部42は、図10に示すようにその上面がホルダー部41の上面と面一な四角筒状に形成されていて、前記ホルダー部41よりも下方に突出している。このホルダー部41よりも下方に突出したコネクタ部42の前端は、前記ヒートシンク部材20の開口部32の前壁に設けられた突起部33に面直に当接する略垂直の突当て面42aとして形成されている。
【0068】
前記コネクタ部42にはコネクタ端子42bが配設され、このコネクタ端子42bの正極側端子および負極側端子が、前記ホルダー部41の板ばね端子41cの正極側端子と負極側端子に電気的に導通している。
【0069】
前記板ばね端子41cと、板ばね部材43と、コネクタ端子42bは、図4,図7,図8に示すように前記ホルダー部41の開窓部41bの四周囲からコネクタ部42に亘って、給電部材40の合成樹脂基材にインサート成形された一枚の金属プレート47に連設されている。
【0070】
この金属プレート47における前記コネクタ端子42bの正極側端子と負極側端子との連設部分は、金属プレート47のインサート成形後にプレス加工により打抜きして分断される。また、該金属プレート47における前記板ばね端子41cの正極側端子と板ばね部材43との連設部分、および該板ばね端子41cの負極側端子と板ばね部材43との連設部分が、同様に金属プレート47のインサート成形後に打抜き分断される。
【0071】
これにより、コネクタ端子42bと板ばね端子41cの正極側端子同士、負極側端子同士がそれぞれ電気的に導通し、板ばね部材43がこれらコネクタ端子42bおよび板ばね端子41cと、電気的に非導通とされている。
【0072】
前記金属プレート47の打抜き分断を容易とするため、前記給電部材40の合成樹脂基材の所要部位には前記金属プレート47が部分的に上下方向に露出するプレート露出孔40aが形成され、該プレート露出孔40aの部分で図外のプレス機によって金属プレート47が部分的に打抜き分断される。
【0073】
前記固定フレーム50は、所要の剛性を有する金属板材をもって形成されている。この固定フレーム50は、図6,図12に示すように前記ヒートシンク部材20の棚部23の前端縁に当接する前壁51と、該前壁51の上縁に灯具後方に向けて曲折成形されて、前記給電部材40の周縁部の前側部上、つまり、ホルダー部41のフランジ部41aの前側辺上面に当接するフランジ縁51aを備えている。フランジ縁51aの左右側部には、灯具後方に向けて延設されて、前記ホルダー部41のフランジ部41aの左右側辺上面に当接する一対の押え片52を備えている。
【0074】
前記固定フレーム50の前壁51の左右方向中央部、および左右一対の押え片52の後側端末部には、それぞれ横長の係止孔53,54を備えている。
【0075】
従って、前記固定フレーム50は、前記棚部23の上方で一対の押え片52の係止孔54を対応する棚部23上の係止突起37に斜め上方より挿入係着すると共に、前壁51の係止孔53を棚部23の前端面の係止突起38に挿入係着することによって、給電部材40のフランジ部41a上に装着される。これら係止突起37,38と、係止孔53,54との係合を確実に行わせるため、前記各押え片52の中央部分には、前記ホルダー部41側に向けて凸となる湾曲したばね部55が形成され、このばね部55が給電部材40のフランジ部41a面に弾接して撓み変形することによって、前記係止突起37,38と係止孔53,54との係合方向の付勢力が得られるようにしている。これにより、前記給電部材40と半導体型光源10の前記棚部23上への本固定が行われる。
【0076】
前記半導体型光源10のヒートシンク部材20への組付けは次のようにして行われる。
【0077】
先づ、半導体型光源10をその発光部10aを上向きにして、ヒートシンク部材20の棚部23の台座部30上に載置し、基板10Aを該台座部30上で摺動して、該基板10Aの後端面と左右の側部端面とを、ストッパー部31とガイドレール部34の前端部側面とにそれぞれ面接触により当接してセットする(図3参照)。
【0078】
次に、給電部材40のコネクタ部42を、棚部23の後側部の開口部32に前方斜め上方より傾けて挿入すると共に、給電部材40の姿勢を水平状態に下げてそのホルダー部41を前記半導体型光源10の基板10Aの周縁部上に上方から宛がってドーム状カバー10cを開窓部41bにくぐらせ、該ホルダー部41の板ばね部材43の押圧片43cを前記基板10Aの前端面に上方より摺接係合させる。これにより、前記基板10Aの前端面に板ばね部材43の押圧片43cが弾接して、該基板10Aは前記ストッパー部31と板ばね部材43とにより前後方向に挟圧されて、台座部30上での前後方向の取付位置が規定されると共に、左右のガイドレール部34の前端部によって左右方向の取付位置が規定される(図5参照)。
【0079】
このとき、前記給電部材40は、そのホルダー部41の下面の溝部44が前記ガイドレール部34に係合して左右方向の位置決めが行われる一方、前記板ばね部材43のばね反力によりコネクタ部42の突当て面42aが、前記開口部32の前壁の突起部33に面直に弾性的に当接係合して前後方向の位置決めが行われる。これにより、ホルダー部41の板ばね端子41cが前記基板10Aの光源側端子10b上に弾接して給電部材40と半導体型光源10とが電気的に導通すると共に、該基板10Aが台座部30上に押え付けられて、半導体型光源10と給電部材40との仮り固定が行われる(図4参照)。
【0080】
そこで、固定フレーム50を前述のようにその左右一対の押え片52,52の後端部の係止孔54を前記棚部23上の係止突起37のフック爪37aをくぐらせて該係止突起37に係着すると共に、前壁51の下端側をその弾性を利用して若干灯具前方へ撓ませて係止孔53を棚部23の前端面の係止突起38に挿入係着し、前記押え片52および前壁51のフランジ縁51aを給電部材40のフランジ部41a上に装着して半導体型光源10と給電部材40とを本固定することによって、該半導体型光源10を棚部23上に正確に位置決めした状態で、ヒートシンク部材20に対する組付けが終了する(図6参照)。
【0081】
前記リフレクタ11は、以上のようにして半導体型光源10をヒートシンク部材20に組付けた後、前記棚部23上に図外の位置決め手段により定位置に係着固定または締結固定され、同様に投影レンズ12がレンズホルダー13を介して前述のようにヒートシンク部材20のボス部26端にビス18固定して、該ヒートシンク部材20に組付けられる。
【0082】
以上の構成からなる本実施形態のヘッドランプによれば、ヒートシンク部材20の棚部23上に突設したストッパー部31に半導体型光源10の後端面を突当てて面接触させることにより、該棚部23上における半導体型光源10の配設基準位置が定められ、このストッパー部31と給電部材40におけるホルダー部41の板ばね部材43との前後方向に対向的な挟圧によって該半導体型光源10の配設位置が確定されるので、前記従来の給電アタッチメントに予め半導体型光源を組付けて、該給電アタッチメントをヒートシンク部材に組付けるものと異なり、半導体型光源10を直接ヒートシンク部材20の所定位置に定置することができて、半導体型光源10の組付精度を高めることができる。
【0083】
しかも、前記ストッパー部31と半導体型光源10との相互の面接触の精度を出せばよいので、加工精度管理が容易で半導体型光源10の前後方向の位置決めを正確に行えて、他のリフレクタ11等との光学的位置関係に狂いを生じることがなく、これにより配光性能を向上することができる。
【0084】
また、前述の配光性能上の効果とは別に、前述のように板ばね部材43が給電部材40のホルダー部41に一体的に設けられているので、別途、半導体型光源位置決め用のばね部材をヒートシンク部材に組付けるものと異なり、部品点数を削減できて組付工数を低減することができる。
【0085】
しかも、前記ホルダー部41の板ばね部材43のばね反力を利用して、給電部材40をヒートシンク部材20に対して前後方向の位置精度を出して仮り保持固定することが可能であるため、該給電部材40の組付け性を向上することができる。
【0086】
前記ヒートシンク部材20の棚部23の後側部から縦壁21に亘る隅部には開口部32が形成され、前記給電部材40はそのホルダー部41の後端に突出成形された四角筒状のコネクタ部42を、前記開口部32に棚部23の前方かつ斜め上方より挿入して、該コネクタ部42の前端の突当て面42aを該開口部32の前壁の突起部33に前記板ばね部材43のばね力により前後方向に面直に当接して弾性的に係合させている。このため、四角筒状のコネクタ部42自体が前記開口部32に挿入係合することと併せて、前記突当て面42aと突起部33とが面直に当接係合することによって、給電部材40のヒートシンク部材20に対する灯具前後方向の位置決めと、仮り保持固定とを適正に行うことができる。
【0087】
また、前記突当て面42aが突起部33に弾性的に面直に当接係合していることにより、車体振動等による給電部材40のガタツキを防止できると共に、コネクタ部42に電源側コネクタ48を灯具後方から差し込んだ際に、その挿入規制を行って給電部材40の位置ずれを防止することができる。しかも、コネクタ部42がホルダー部41の後端から灯具後方に突出しているため、前記電源側コネクタ48の着脱作業を灯具後方から容易に行えて作業性を高められると共に、該電源側コネクタ48の車体振動等による自重脱落を回避することができる。
【0088】
また、前記給電部材40のホルダー部41を開口部32に灯具前方より挿入した際には、該ホルダー部41の後端の複数個の挿入規制用の縦リブ46が、棚部23の成形基部の段部36の前面に当接係合するので、給電部材40の灯具後方への過度の押し込みによる前記板ばね部材43の押圧負荷、および電源側コネクタ48の離脱時における該板ばね部材43の押圧負荷を無くし、該板ばね部材43のヘタリを防止することができる。
【0089】
更に、前記ヒートシンク部材20の棚部23上には、前後方向に延在する一対のガイドレール部34,34が隆起成形されていて、前記給電部材40のコネクタ部42の前記開口部32への挿入時に、該給電部材40のホルダー部41の後端部下面に形成された溝部44がこれらガイドレール部34,34に係合するため、前記コネクタ部42の開口部32への挿入作業をスムーズに行えると共に、ホルダー部41の左右方向の位置ずれ、即ち、給電部材40の左右方向の位置ずれを無くして、該給電部材40による半導体型光源10の押え付けを適正に行うことができる。
【0090】
しかも、これらガイドレール部34,34の各前端部は、前記ストッパー部31よりも前方に延出していて、半導体型光源10の基板10Aの左右側端面に係止してその左右方向の位置決めを行うストッパーとして機能するため、前記ストッパー部31と板ばね部材43とにより配光性能を左右する半導体型光源10の前後方向の位置精度を高められることに加えて、左右方向の位置精度も高められて、前記シェード14と該半導体型光源10およびリフレクタ11との光学的な位置関係を設計通りに行えて、配光性能を一段と向上することができる。
【0091】
また、前記ヒートシンク部材20の棚部23には、その上面の後側部と前端面とに係止突起37,38が突設され、前記固定フレーム50をこれら前後の係止突起37,38に跨って係着固定するようにしているため、ビス等による締結固定とは異なり該固定フレーム50をワンタッチで取付けることができて、その装着作業性を向上することができる。しかも、棚部23の上面側の係止突起37の先端には、後方に向けてフック爪37aが形成されているので、固定フレーム50の後端部を斜め上方からこのフック爪37aに引掛けて、その係着部を支点に固定フレーム50の前端部を下側に向けて回動して、棚部23の前端面の係止突起38に係着すればよいので、係着作業の途中で固定フレーム50が係止突起37から外れることがなく、前記装着作業性をより一層簡単に行うことができる。
【0092】
前記給電部材40は、そのホルダー部41の後端から灯具後方に突出した前記コネクタ部42と、前記板ばね部材43とが、平面方形のホルダー部41の左右方向中央部に設けられていて、該給電部材40が左右線対称に形成されているため、本実施形態のようにヒートシンク部材20に光学系ユニット2を左右一対構成する場合に、仕様区分が無く左右の光学系ユニットに流用できて誤組付けを誘発することがなく、組付作業を単純化することができる。
【0093】
また、前記ホルダー部41には、半導体型光源10の基板10Aの左右側縁部上に設けられた光源側端子10b上に弾接する板ばね端子41cが一体的に設けられるが、この板ばね端子41cもホルダー部41の中央部に左右線対称に配設することによって、前記給電部材40の一元化を容易にすることができる。
【0094】
前記給電部材40のホルダー部41に一体的に設けられた前記板ばね部材43は、その付け根の基部43a端から分岐した左右一対の板ばね片43b,43bが側面略凹形に曲折成形されていて、それらの先端部間を連設して略垂直に立上がる押圧片43cが前記半導体型光源10の基板10Aの前端面に面直に当接するように構成されているので、これら板ばね片43b,43bの設定により、板ばね部材43を所定の低ばね荷重値に容易に設計することができる。これにより、板ばね部材43を構成する金属プレート47の金属疲労を無くし、半導体型光源10の前後方向の弾性的な挟圧保持を適切に行わせることができる。
【0095】
また、前記板ばね片43b,43bは、基部43a端から先端に至るに従って離間間隔が広がる平面略八の字状に形成され、前記押圧片43cが基部43aよりも幅広に形成されているため、板ばね部材43の全体を幅広に構成することなく半導体型光源10の保持面積を十分に確保できて、該板ばね部材43の小型化、延いては、ホルダー部41の設計、即ち、給電部材40の設計を構造上無理なく容易に行うことができる。
【0096】
このホルダー部41には、前述のように半導体型光源10の基板10A上の光源側端子10bに弾接する板ばね端子41cが一体的に設けられ、これら光源側端子10bと板ばね端子41cとの接触により、給電部材40と半導体型光源10とが電気的に接続されるため、該板ばね端子41cのばね作用により、半導体型光源10のずれ動きを無くして適切に押え付け保持することができる。
【0097】
また、前記ホルダー部41の下面には、半導体型光源10の基板10A上で、光源側端子10bから外れた四隅部にスポット的に当接する複数個の小突起部45が形成されているため、該基板10Aをこれら小突起部45との当接部分に前記板ばね端子41cのばね力を集中させて、半導体型光源10の所要の保持力を確保できると共に、板ばね端子41cの押圧負荷を軽減してヘタリを防止することができる。
【0098】
そして、前記板ばね端子41cと、板ばね部材43と、コネクタ端子42bは、ホルダー部41の開窓部41bの四周囲からコネクタ部42に亘って、給電部材40の合成樹脂基材にインサート成形された一枚の金属プレート47に一体に連設形成されていて、該金属プレート47におけるコネクタ端子42bの正極側端子と負極側端子との連設部分と、板ばね端子41cの正極側端子および負極側端子と板ばね部材43との連設部分とがそれぞれ前記金属プレート47のインサート成形後に打抜き分断されて、コネクタ端子42bと板ばね端子41cの正極側端子同士、負極側端子同士が電気的に導通し、板ばね部材43がこれらコネクタ端子42bおよび板ばね端子41cと電気的に非導通として構成されることにより、給電部材40にコネクタ端子42b,板ばね端子41c,および板ばね部材43をインサート成形により一体構成する場合に、その成形工数を削減できて成形性が高められ、コストダウンに大きく寄与することができる。
【0099】
また、前述のようにコネクタ端子42bと板ばね端子41cと板ばね部材43とが、予め一枚の金属プレート47に一体に連設されているので、これらコネクタ端子42b,板ばね端子41c,板ばね部材43の配設位置にずれが生起することがなく、給電部材40の高品質化を実現することができる。
【0100】
しかも、前記金属プレート47は、前記板ばね部材43と、前記板ばね端子41cおよびコネクタ端子42bにおける正極側端子と負極側端子とが、給電部材40の左右方向中心線を境に線対称となるように連設配置されているので、前述の給電部材40の左右線対称構成とする部品の一元化を支障なく実現することができる。
【0101】
一方、前記固定フレーム50は、左右一対の押え片52,52の端末部の係止孔54を、ヒートシンク部材20の棚部23上の係止突起37に挿入係着すると共に、前壁51の係止孔53を棚部23の前端面の係止突起38に挿入係着することで、これら押え片52,52と前壁51のフランジ縁51aとで給電部材40のホルダー部41の周縁部を押え付けて前記棚部23に装着することができ、締結部材等を不要としてワンタッチで組付けることができて組付作業性を向上することができる。
【0102】
また、前記押え片52,52に形成された湾曲したばね部55によって、前記係止孔53,54と係止突起37,38との係着保持力を強化できると共に、ホルダー部41の押え付けを強化できるので、ガタツキの発生がなくより一層強固な組付けを行うことができる。
【0103】
そして、前記実施形態のように、ヒートシンク部材20の棚部23上への半導体型光源10,給電部材40,および固定フレーム50の組付けを、順次上方からの載置,挿入,または係着操作で行えて締結部材を不要とすることができるため、組付作業を簡素化して作業性を向上できることは勿論、ロボットによる組付けの自動化を容易にすることができる利点がある。
【0104】
なお、前記実施形態では、2つの光学系ユニット2を配設する構造を例示したが、この光学系ユニット2を3つ以上備えた多灯タイプ、あるいは単灯タイプの構造としてもよいことは勿論である。
【0105】
また、光学系ユニット2は、前記実施形態におけるプロジェクタタイプ以外の灯具構成にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
1…灯具ユニット
2…光学系ユニット
10…半導体型光源
11…リフレクタ
12…投影レンズ
20…ヒートシンク部材
21…縦壁
23…棚部
31…ストッパー部
37,38…係止突起
37a…フック爪
40…給電部材
41…ホルダー部
43…板ばね部材
50…固定フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体型光源と、該半導体型光源の出射光の一部を所定の方向に向けて反射するリフレクタと、前記半導体型光源の直射光および前記リフレクタの反射光を集光して灯具前方に向けて照射する投影レンズとを備えた光学系ユニットと、
縦壁の上下方向中間位置に灯具前方に向けて略水平に突出する棚部を有し、該棚部上に前記光学系ユニットを配置したヒートシンク部材と、を備え、
前記半導体型光源を、前記ヒートシンク部材の棚部上で、該半導体型光源の周縁部を面直方向に押え付けて該半導体型光源と電気的に接続される平板状のホルダー部を備えた給電部材と、前記棚部上に係着固定されて、前記ホルダー部の周縁部を面直方向に押え付ける固定フレームと、により固定する構造であって、
前記半導体型光源は、前記棚部の後側部上に突設されて該半導体型光源の後端面に係止するストッパー部と、該ストッパー部と対峙して前記ホルダー部に一体的に設けられて、前記半導体型光源の前端面に弾接する板ばね部材との対向的な挟圧により灯具前後方向に位置決めされている一方、
前記ヒートシンク部材は、その棚部上の後側部と、該棚部の前端面とに係止突起が形成され、前記固定フレームがこれら前後の係止突起に跨って係着固定されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記棚部上の係止突起は、少くとも左右一対設けられていて、フック爪が後方に向けて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−176859(P2010−176859A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15015(P2009−15015)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】