説明

車両用灯具

【課題】車両の制動状態または急制動状態を判定する制動判定手段が異常状態になっても、光源が不点灯になるのを防止すること。
【解決手段】CPU32は、車速センサ48とハザード回路52およびストップ回路56からの信号をインターフェース回路24〜30を介して取り込み、車両の急制動時に、アンドゲート36、38に点滅信号を出力して、点灯スイッチ40、42によってストップランプ18、20を点滅させ、車両の制動時またはCPU32の異常時には、出力端子66、68をハイレベルに固定する。CPU32の異常時に、出力端子66、68がハイレベルに固定されると、インターフェース回路28、30の出力がハイレベルになったときに、アンドゲート36、38の論理積の条件が成立し、点灯スイッチ40、42がストップランプ18、20を連続点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の制動時に、光源(ストップランプ)を点灯し、車両の急制動時には、光源を点滅させることができる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のストップランプは、ブレーキペダルが踏まれたときに点灯し、後続車に対して制動状態であることを表示する構成となっている。
【0003】
車両のストップランプを点灯させるに際して、車両の制動時に、ストップランプを連続点灯させ、車両の急制動時には、ストップランプを点滅させ、かつストップランプを連続点灯したときとストップランプを点滅したときとの光度差をなくして、点滅時の視認性を高めるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−347191号公報(第3頁から第5頁、図2と図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたものは、ストップランプを点滅させるときに、点滅制御部からストップランプに供給する昇圧電圧を、連続点灯時にストップランプに供給する基準電圧よりも高電圧に設定し、ストップランプの点滅時の光度を所定のレベルに保持するようにしているので、ストップランプの点滅時と連続点灯時の光度差をなくし、ストップランプの視認性を高めることができる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載されたものは、ストップランプを点滅させるための点滅制御部が故障すると、ストップランプを点灯させることができなくなる。
【0007】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、車両の制動状態または急制動状態を判定する制動判定手段が異常状態になっても、光源が不点灯になるのを防止することができる車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に係る車両用灯具においては、車両の制動時に光源を点灯させる車両用灯具であって、電源と、前記車両の急制動を検出したときに前記光源を点滅させる制御手段を備え、前記電源と前記制御手段および前記光源は直列に接続されており、前記制御手段は、前記車両が制動状態であるか急制動状態であるかを判断し、急制動であると判断した場合には前記光源を点滅させる制動判定手段を有していて、前記制動判定手段が異常状態である場合には、前記光源を連続点灯させる構成とした。
【0009】
(作用)制動判定手段が、車両が急制動状態にあると判定したときには、制動判定手段によって光源を点滅させる。車両が制動状態にあると制動判定手段が判定したときには、制御手段によって光源を点灯させる。この際、制御手段は、制動判定手段が異常状態であるときには、光源を連続点灯させる。これにより、制動判定手段が異常状態になっても、光源を不点灯にさせることなく、連続点灯させるができ、走行の安全性の向上に寄与することができる。
【0010】
請求項2に係る車両用灯具においては、請求項1に記載の車両灯具において、前記制動判定手段の異常を検出する異常検出手段を備え、前記異常検出手段は、異常を検出した場合には、前記制動判定手段をリセットさせ、前記制動判定手段を正常に回復させてなる構成とした。
【0011】
(作用)制動判定手段の異常が異常検出手段によって検出されたときには、制動判定手段が、異常検出手段によってリセットされるので、リセットを条件として、制動判定手段を正常に回復させることができる。例えば、制動判定手段がCPUで構成されていて、CPUが暴走などによって異常状態になった場合、CPUをリセットさせることで、その後、プログラムが正常に起動し、CPUを正常に回復させることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から明らかなように、請求項1によれば、制動判定手段が異常状態になっても、光源を不点灯にさせることなく、連続点灯させるができ、走行の安全性の向上に寄与することができる。
【0013】
請求項2によれば、制動判定手段を正常に回復させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る車両用灯具の全体構成を示すブロック図、図2は、本発明の第1実施例を示す電子制御ユニットのブロック図、図3は、本発明の第2実施例を示す電子制御ユニットのブロック図である。
【0015】
図1において、車両用灯具10は、バッテリ(直流電源)12と、ブレーキスイッチ14と、電子制御ユニット(ESS ECU)16と、右側ストップランプ(R)18と、左側ストップランプ(L)20と、ハイマウントストップランプ22を備えている。
【0016】
バッテリ12は、ブレーキペダルの操作に応じて開閉するブレーキスイッチ14を介して電子制御ユニット16に直列に接続され、電子制御ユニット16は、右側ストップランプ(R)18と左側ストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22に直列に接続されている。
【0017】
右側ストップランプ(R)18と左側ストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22は、車両の制動状態表示用光源として、車両の後部側に配置されている。
【0018】
電子制御ユニット16は、制御手段として、図2に示すように、インターフェース回路24、26、28、30と、CPU(Central Processsing Unit)32と、ウォッチドッグ34と、アンドゲート36、38と、点灯スイッチ40、42と、異常検出器44、46を備えている。
【0019】
インターフェース回路24は、入力側が車速センサ48に接続され、出力側がCPU32の入力端子50に接続されている。インターフェース回路26は、入力側がハザード回路52に接続され、出力側がCPU32の入力端子54に接続されている。インターフェース回路28は、入力側がストップ回路56に接続され、出力側がCPU32の入力端子58とアンドゲート36の一方の入力端子に接続されている。インターフェース回路30は、入力側がストップ回路56に接続され、出力側がCPU32の入力端子60とアンドゲート38の一方の入力端子に接続されている。
【0020】
車速センサ48は、車速に応じた信号をインターフェース回路24を介してCPU32の出力する。ハザード回路52は、ハザードスイッチのオン時にハイレベルの信号を、ハザードスイッチのオフ時にローレベルの信号をそれぞれインターフェース回路26を介してCPU32に出力する。ストップ回路56は、ブレーキスイッチ14のオン時にハイレベルの信号を、ブレーキスイッチ14のオフ時にローレベルの信号をそれぞれインターフェース回路28、30を介してCPU32に出力する。
【0021】
CPU32は、クリア端子62とリセット端子64がそれぞれウォッチドッグ34に接続され、出力端子(R)66がプルアップ抵抗R1とアンドゲート36の他方の入力端子に接続され、出力端子(L)68がプルアップ抵抗R2とアンドゲート38の他方の入力端子に接続され、フィードバック端子70、72がそれぞれ異常検出器44、46に接続されている。
【0022】
アンドゲート36は、出力側が点灯スイッチ40を介して異常検出器44とストップランプ(R)18およびハイマウントストップランプ22に接続されている。アンドゲート38は、出力側が点灯スイッチ42を介して異常検出器46とストップランプ(L)20に接続されている。
【0023】
CPU32は、車速センサ48とハザード回路52およびストップ回路56からの信号をインターフェース回路24〜30を介して取り込み、取り込んだ信号を基に車両が制動状態にあるか、あるいは急制動状態にあるかを判定する制動判定手段として構成されている。
【0024】
この際、CPU32は、車両が制動状態にあると判定したときには、出力端子66、68からハイレベルの信号を出力し、車両が急制動状態にあると判定したときには、出力端子66、68から、4Hzでオン(ハイレベル)・オフ(ローレベル)状態が変化する点滅信号を出力する。
【0025】
具体的には、ブレーキペダルが踏まれたことに伴ってストップ回路56からインターフェース回路28、30を介して、ハイレベルの信号がCPU32に入力されたときには、CPU32は、車両が制動状態にあるとして、出力端子66、68をハイレベルに固定する。出力端子66、68がハイレベルに固定されているときには、アンドゲート36、38の一方の入力端子にはハイレベルの信号が入力されることなる。
【0026】
一方、ストップ回路56からインターフェース回路28、30を介して、ハイレベルの信号がCPU32に入力されたときには、このハイレベルの信号は、アンドゲート36、38の他方の入力端子に入力される。この結果、アンドゲート36、38の論理積の条件が満たされ、アンドゲート36、38から点灯スイッチ40、42にそれぞれハイレベルの信号が出力される。
【0027】
点灯スイッチ40、42は、例えば、点灯駆動回路として、NMOSトランジスタあるいはリレーを用いて構成されている。NMOSトランジスタを用いた場合、ドレインまたはソースに光源が接続される。リレーを用いた場合、リレー接点に光源が接続される。なお、NMOSトランジスタの代わりに、PMOSトランジスタを用いることもできる。
【0028】
点灯スイッチ40は、アンドゲート36からハイレベルの信号が入力されたときに、NMOSトランジスタあるいはリレーがオンになって、ストップランプ(R)18とハイマウントストップランプ22を点灯駆動することができる。点灯スイッチ42は、アンドゲート38からハイレベルの信号が入力されたときに、NMOSトランジスタあるいはリレーがオンになって、ストップランプ(L)20を点灯駆動することができる。
【0029】
このように、運転者がブレーキペダルを踏み込むことで、電子制御ユニット16は、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を点灯させることができる。
【0030】
一方、運転者がブレーキペダルの踏み込みを解除すると、ストップ回路56からローレベルの信号が出力され、このローレベルの信号は、インターフェース回路28、30を介して、CPU32の入力端子58、60に入力されるとともに、アンドゲート36、38に入力される。
【0031】
このとき、CPU32は、入力端子58、60に入力された信号のレベルがハイレベルからローレベルに反転したことに伴って、車両の制動状態が解除されたと判定するとともに、出力端子66、68のレベルをハイレベルに保持する。このため、アンドゲート36、38の一方の入力端子にはハイレベルの信号が入力された状態にあるが、アンドゲート36、38の他方の入力端子には、インターフェース回路28、30からローレベルの信号が入力される。
【0032】
この結果、アンドゲート36、38は、論理積の条件が満たされなくなり、出力側のレベルが、ハイレベルからローレベルに反転する。アンドゲート36、38のレベルがローレベルになると、点灯スイッチ40、42がオフとなり、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22が消灯する。
【0033】
このように、運転者がブレーキペダルの踏み込みを解除することで、電子制御ユニット16は、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を消灯させることができる。
【0034】
また、CPU32は、車速センサ48とハザード回路52およびストップ回路56からの信号をインターフェース回路24〜30を介して取り込み、例えば、車速が50km/h以上で走行中に、減速度が6m/s以上で、ハザードスイッチがオフ(ハザード回路52の出力がローレベル)、ブレーキペダルが踏み込まれ、ストップ回路56の出力がハイレベルにあるときには、緊急ブレーキ制御条件が満たされ、車両が急制動状態にあると判定し、出力端子66、68からアンドゲート36、38に点滅信号を出力する。
【0035】
アンドゲート36、38の一方の入力端子に点滅信号が入力されたときには、他方の入力端子には、インターフェース回路28、30からハイレベルの信号が入力されるため、アンドゲート36、38から点灯スイッチ40、42に点滅信号が出力される。これにより、点灯スイッチ40は、ストップランプ(R)18とハイマウントストップランプ22を点滅させ、点灯スイッチ42は、ストップランプ(L)20を点滅させる。
【0036】
このように、電子制御ユニット16は、緊急ブレーキ制御条件が満たされたときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を点滅させることができ、車両の急制動時に、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を緊急ブレーキランプとして点滅させることができる。
【0037】
なお、CPU32は、(1)車速が50km/h以上、(2)減速度が6m/s以上、(3)ハザードスイッチがオフ(ハザード回路52の出力がローレベル)、(4)ストップ回路56の出力がハイレベルであることを条件とする、緊急ブレーキ制御条件が成立しなくなったときには、車両が、急制動状態にはないと判定し、出力端子66、68をハイレベルに保持する。
【0038】
上述したように、電子制御ユニット16においては、CPU32が、車両が制動状態にあると判定したときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を連続点灯させ、車両が急制動状態にあると判定したときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を緊急ブレーキランプとして点滅させることができる。
【0039】
この際、CPU32は、車両が制動状態にあるか否かを判定したときには、出力端子66、68のレベルをハイレベルに保持するだけである。ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22に対する点消灯の制御は、主に、インターフェース回路28、30と、アンドゲート36、38および点灯スイッチ40、42を含む要素によって実行される。
【0040】
このため、CPU32が、車両が制動状態にあるか否かを判定することができない、異常状態にあるときでも、出力端子66、68のレベルをハイレベルに保持する構成を採用することで、CPU32の異常時にも、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を連続点灯させることができるようになっている。
【0041】
具体的には、CPU32は、電源オン時に1回だけパワーオンリセットされ、パワーオンリセット後、プログラムに従って動作を開始する。すなわち、CPU32は、電源がオンしたときからパワーオンリセットされる間は、プログラムに従った処理を実行しないことになり、この間に、ブレーキペダルが踏み込まれても、車両が制動状態にあると判定することができない。
【0042】
このため、CPU32は、電源がオンしたときからパワーオンリセットされる間は、出力端子66、68をハイインピーダンスとし、プルアップ抵抗R1、R2によって、出力端子66、68のレベルをハイレベルに保持することとしている。
【0043】
これにより、CPU32がパワーオンリセットされるときでも、ブレーキペダルが踏み込まれたときには、アンドゲート36、38の論理積の条件が満たされ、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を正常に点灯させることができる。
【0044】
また、CPU32は、クリア端子62から一定の周期でクリアパルスをウォッチドッグ34に出力し、ウォッチドッグ34は、異常検出手段として、クリアパルスの発生を監視し、クリアパルスの発生を条件にリセット信号の発生を禁止し、CPU32が暴走し、クリアパルスが一定の周期で発生しないときには、CPU32のリセット端子64にリセット信号を出力する。
【0045】
すなわち、CPU32は、その暴走時に、ウォッチドッグ34からのリセット信号によってリセットされる。このとき、CPU32は、プログラムに従った処理を実行しないことになり、リセット時に、ブレーキペダルが踏み込まれても、車両が制動状態にあると判定することができない。
【0046】
このため、CPU32は、ウォッチドッグ34からのリセット信号によってリセットされたときには、出力端子66、68をハイインピーダンスとし、プルアップ抵抗R1、R2によって、出力端子66、68のレベルをハイレベルに保持することとしている。
【0047】
これにより、CPU32が、ウォッチドッグ34からのリセット信号によってリセットされたときでも、ブレーキペダルが踏み込まれたときには、アンドゲート36、38の論理積の条件が成立するので、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を正常に連続点灯させることができる。
【0048】
また、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を点灯させるための点灯回路として、ストップランプ(R)18とハイマウントストップランプ22に対しては、インターフェース回路28、抵抗R1、アンドゲート36、点灯スイッチ40を含む右側点灯回路が用いられ、ストップランプ(L)20に対しては、インターフェース回路30、抵抗R2、アンドゲート38、点灯スイッチ42を含む左側点灯回路が用いられ、右側点灯回路と左側点灯回路は互いに独立し、二重系を構成している。
【0049】
このため、右側点灯回路または左側点灯回路の一方が故障しても、ストップランプ(R)18とハイマウントストップランプ22またはストップランプ(L)20のうち一方を点灯させることでき、走行の安全性に寄与することができる。
【0050】
また、CPU32は、例えば、出力端子66、68の半田不良などによってスイッチ回路40、42から規定の電圧が出力されず、異常検出器44、46からフィードバック端子70、72に異常検出信号が入力されたときには、出力端子66、68のレベルをハイレベルに保持することとしている。
【0051】
このため、出力端子66、68の半田不良などによってスイッチ回路40、42から規定の電圧が出力されない故障時でも、ブレーキペダルが踏み込まれたときには、アンドゲート36、38の論理積の条件が成立するので、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を正常に連続点灯させることができる。
【0052】
本実施例によれば、車両が制動状態にあるときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を連続点灯させ、車両が急制動状態にあるときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を点滅させることができる。
【0053】
また、本実施例によれば、CPU32が異常状態になったときでも、車両が制動状態または急制動状態にあるときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を不点灯にさせることなく、連続点灯させるができ、走行の安全性の向上に寄与することができる。
【0054】
次に、本発明の第2実施例を図3に基づいて説明する。本実施例は、プルアップ抵抗R1、R2の代わりに、ラッチ回路74を設け、CPU32の出力端子66、68とアンドゲート36、38の一方の入力端子とを抵抗R1、R2を介して直列に接続し、CPU32のリセット端子64と解除端子76をそれぞれラッチ回路74の入力端子78、80に接続し、ラッチ回路74の出力端子82、84を抵抗R1、R2とアンドゲート36、38の一方の入力端子との接続点にそれぞれ接続したものであり、その他の構成は、第1実施例と同様である。
【0055】
ラッチ回路74は、電源オン時またはCPU32の暴走時に、ウォッチドッグ34からのリセット信号をラッチし、出力端子82、84をハイレベルに保持し、その後、CPU32が正常に動作したことに伴って、CPU32の解除端子76から解除信号が入力されたときには、出力端子82、84をオープン(ハイインピーダンス)状態にする。
【0056】
すなわち、ラッチ回路74は、パワーオンリセット時またはCPU32の暴走時に、ウォッチドッグ34からのリセット信号によってリセットされたときには、出力端子82、84のレベルをハイレベルに保持することとしている。
【0057】
出力端子82、84のレベルがハイレベルに保持されると、CPU32の出力端子66、68のレベルによらず、アンドゲート36、38の一方の入力端子のレベルはハイレベルに保持される。
【0058】
このため、電源オン(パワーオンリセット)時またはCPU32の暴走時のように、CPU32が、車両が制動状態にあるか否かを判定できない異常状態になっても、ブレーキペダルが踏み込まれたときには、アンドゲート36、38の論理積の条件が成立するので、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を正常に連続点灯させることができる。
【0059】
一方、パワーオンリセット後またはCPU32の暴走後、CPU32がリセットされたことを条件に、CPU32のプログラムが正常に起動する。そして、CPU32が正常状態に復帰したときには、CPU32からラッチ回路74に解除信号が出力され、ランチ回路74の出力端子82、84がオープン状態になる。このため、電子制御ユニット16は、CPU32の判定結果に従って、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を連続点灯または点滅させることができる。
【0060】
本実施例によれば、車両が制動状態にあるときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を連続点灯させ、車両が急制動状態にあるときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を点滅させることができる。
【0061】
また、本実施例によれば、CPU32が異常状態になったときでも、車両が制動状態または急制動状態にあるときには、ストップランプ(R)18とストップランプ(L)20およびハイマウントストップランプ22を不点灯にさせることなく、連続点灯させることができ、走行の安全性の向上に寄与することができる。
【0062】
さらに、本実施例によれば、CPU32が異常状態になったときでも、ウォッチドッグ34からのリセット信号でCPU32をリセットさせることで、CPU32を正常に回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る車両用灯具の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す電子制御ユニットのブロック図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す電子制御ユニットのブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
10 車両用灯具
12 バッテリ
16 制御ECU
18 ストップランプ(R)
20 ストップランプ(L)
22 ハイマウントストップランプ
24〜30 インターフェース回路
32 CPU
34 ウォッチドッグ
36、38 アンドゲート
40、42 点灯スイッチ
48 車速センサ
52 ハザード回路
56 ストップ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の制動時に光源を点灯させる車両用灯具であって、
電源と、前記車両の急制動を検出したときに前記光源を点滅させる制御手段を備え、
前記電源と前記制御手段および前記光源は直列に接続されており、
前記制御手段は、前記車両が制動状態であるか急制動状態であるかを判断し、急制動であると判断した場合には前記光源を点滅させる制動判定手段を有していて、
前記制動判定手段が異常状態である場合には、前記光源を連続点灯させることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
請求項1に記載の車両灯具において、前記制動判定手段の異常を検出する異常検出手段を備え、
前記異常検出手段は、異常を検出した場合には、前記制動判定手段をリセットさせ、前記制動判定手段を正常に回復させてなることを特徴とする車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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