説明

車両用灯具

【課題】 前面カバーが傾斜面として構成された灯具の発光面の均一な明るさと薄型化を図る。
【解決手段】 一方の端部に対して他方の端部がランプ後方に回り込んだ形状をしたランプハウジング内に第1光源21と第2光源22を配置し、かつ各光源の光を反射する第1と第2のメインリフレクタ41,42を備え、第2光源22は第1光源21よりもランプ後方に配置され、第2メインリフレクタ42は第1メインリフレクタ41よりもランプ後方の領域にまで延長され、第2光源22から出射されて第2メインリフレクタ41に投射される光は第1光源21から出射されて第1メインリフレクタ41に投射される光よりもランプ前方に大きな角度に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子を光源とし、均一な明るさの発光面を有する薄型の車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)等の発光素子を光源とする車両用灯具では、LEDから出射する光の指向性が高いので灯具の前面を均一な明るさの発光面として構成することが難しい。そのため、LEDから出射した光を拡散状態に反射するリフレクタを備えて灯具を構成することが行われている。特許文献1では灯具ボディ内の周縁又は側縁に沿って複数のLEDを配列するとともに、各LEDから出射された光を灯具中央領域に向けて反射する第1の反射面と、第1の反射面で反射された光を灯具の前面方向に向けて反射する第2の反射面を備えている。LEDから出射した光を第1の反射面で第2の反射面の広い領域に向けて反射し、この反射した光を第2の反射面に設けた微細な反射素子で反射することで灯具の前面の広い領域にわたって拡散かつ均一化した発光状態とすることが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−182407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の灯具は灯具ボディ内の周縁又は側縁に沿って配列した複数のLEDはほぼ同一平面上に配置されており、しかもLEDと第1及び第2の反射面が灯具光軸に対して点対称又は線対称となるように設計している。これは各LEDから出射した光が灯具の前面において均一な光度となるように第1及び第2の反射面を同一規格に構成したためであると推測される。そのため、灯具の前面が車両の車体形状に沿って片側に傾斜した傾斜面に構成された場合、例えば特許文献1の図1のように傾斜曲面として構成された場合には、灯具の一方の奥行き寸法が他方の奥行き寸法よりも大きくなってしまい、灯具の薄型化を図ることが困難になる。
【0005】
本発明の目的は発光素子を光源とし、前面カバーが傾斜面として構成された灯具においても均一な明るさの発光面を備えるとともに灯具の薄型化を図った車両用灯具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用灯具は、ランプボディと光透過性のある前面カバーを備え、一方の端部に対して他方の端部がランプ後方(ランプ光軸方向の後方、以下同じ)に回り込んだ形状をしたランプハウジングと、ランプハウジング内の一方の端部に配設された第1光源及びランプハウジング内の他方の端部に配設された第2光源と、ランプハウジング内の第1光源と第2光源との間に並んで配設され、第1光源側に位置される第1メインリフレクタと第2光源側に位置される第2メインリフレクタを備え、第2光源は第1光源よりもランプ後方に配置され、第2メインリフレクタは第1メインリフレクタよりもランプ後方の領域にまで延長され、第2光源から出射されて第2メインリフレクタに投射される光は第1光源から出射されて第1メインリフレクタに投射される光よりもランプ光軸と直交する面に対してランプ前方に大きな角度に向けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明における好ましい形態では、第1光源及び第2光源は発光光軸がランプ前面に向けられたLEDで構成され、第1光源と第2光源の前側にはそれぞれ各光源から出射した光を平行光として反射する第1サブリフレクタと第2サブリフレクタを備える。
【0008】
また、他の好ましい形態として、第1メインリフレクタは第1サブリフレクタで反射した光をランプ前方に向けて反射する複数の傾斜面を配列した階段形状に形成され、第2メインリフレクタは第2サブリフレクタで反射した光をランプ前方に向けて反射する複数の傾斜面を配列した階段形状に形成され、第1メインリフレクタと第2メインリフレクタの各傾斜面はランプ前面から見たときにほぼ等しい面積に形成される。
【0009】
さらに他の好ましい形態として、第1光源と第2光源はそれぞれ複数のLEDで構成され、第1サブリフレクタと第2サブリフレクタはそれぞれ複数のLEDに対応した複数のリフレクタを連続して一体に形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前面カバーが傾斜面として構成された灯具においても第2光源を第1光源よりもランプ後方に後退させることでランプハウジングの薄型化が実現できる。また、第2メインリフレクタを第1メインリフレクタよりもランプ後方に延長することで第1と第2の両メインリフレクタの有効反射面の面積を等しくし、その上で第2光源から出射されて第2メインリフレクタに投射される光を第1光源から出射されて第1メインリフレクタに投射される光よりもランプ前方に大きな角度に向けることで両メインリフレクタの有効反射面で反射した光をランプの前面方向に向けて反射させることができるので、前面カバーの全面にわたって均一な明るさで発光させたランプを得ることができる。
【0011】
また、本発明の好ましい形態では、第1光源及び第2光源を発光光軸がランプ前面に向けられたLEDで構成し、第1光源と第2光源の前側には平行光として反射する第1サブリフレクタと第2サブリフレクタを備えるので、各光源からの光を第1メインリフレクタと第2メインリフレクタの各有効反射面においてランプの前面方向に向けて反射させることができ、明るさの均一化を高めることができる。特に、第1メインリフレクタと第2メインリフレクタの各有効反射面はランプ前面から見たときにほぼ等しい面積に形成することで明るさの均一化をより高めることができる。
【0012】
さらに他の好ましい形態では、第1サブリフレクタと第2サブリフレクタはそれぞれ第1光源と第2光源の各複数のLEDに対応した複数のリフレクタを連続して一体に形成することにより部品点数を削減し、ランプの小型化、特に薄型化を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1の一部を破断した正面図。
【図2】図1のII−II線拡大断面図。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図。
【図4】実施形態1の部分分解概略斜視図。
【図5】照射光路を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車のテールランプに適用した実施形態の一部を破断した正面図であり、右テールランプRTLの例を示している。図2は図1のII−II線拡大断面図、図3は図1のIII−III線拡大断面図、図4は部分分解概略斜視図である。これらの図において、実施形態1の右テールランプRTLは前面方向から見た形状が横長の矩形をした容器状をしたランプボディ11と、このランプボディ11の前面開口に取着された透明な赤色樹脂で形成された前面カバー12とでランプハウジング1が構成されている。このランプハウジング1の全体形状は図には示されない自動車の車体右後部の曲面形状に沿うように同図の左側領域から右側領域に向けて、すなわち自動車の車体の内側領域から外側領域に向けてランプの後方に向けて延びるように幾分湾曲した形状とされている。そのため、ランプボディ11の後面は内側領域は略平坦面であるが、外側領域の部分はランプ後方(ランプ光軸Lxに沿った後方)に向けて湾曲した回り込み形状とされている。前面カバー12は枠状のフレーム13を介して前記ランプボディ11の周縁に取着されている。前面カバー12自体は全体として内側領域から外側領域に向けて前面がランプ後方に向けて緩やかに後退された傾斜面として形成され、これによりランプハウジング1における奥行寸法の最大寸法を抑制した薄型のランプとして構成している。また、ランプのデザイン上の要求からここでは後述するように前面カバー12の前面の中央領域にはランプ前方に突出した山型の曲面部14が上下方向に3段にならんで配列されている。
【0015】
前記ランプハウジング1内の左右にはそれぞれ第1光源21と第2光源22が配列されている。第1光源21と第2光源22はそれぞれ上下に所定の間隔で配列した各3個のLED21L,22Lで構成されており、第1光源21の各LED21Lはランプハウジング1内の左側領域、すなわち内側領域に配列され、第2光源22の各LED22Lはランプハウジング1内の右側領域、すなわち外側領域に配列されている。これら第1光源21及び第2光源22の各LED21L,22Lは前記ランプボディ1の内面に密接するように支持された回路基板31,32にそれぞれ支持されており、そのため第2光源22の3個のLED22Lはランプボディ1の外側領域の前記した回り込み形状にしたがって第1光源21の3個のLED21Lよりもランプ後方に奥行寸法Daだけ後退した位置に配置されていることになる。前記第1光源21と第2光源22の各3個のLED21L,22Lはそれぞれ水平方向に対をなすように同じ高さ位置に対向して配列されるとともに、全てのLED21L,22Lはそれぞれの発光光軸La、すなわち発光して出射する光束の中心軸がランプ光軸Lx、すなわち自動車の前後方向と平行に向けられている。
【0016】
前記ランプハウジング1内には前記第1光源21と第2光源22との間に第1メインリフレクタ41と第2メインリフレクタ42が配置されており、ここでは第1メインリフレクタ41と第2メインリフレクタ42は1つの光反射面部材として一体に形成されている。第1メインリフレクタ41は第1光源21の近傍からランプハウジング1の左右の略中央領域までの領域にわたって延在され中央領域側の端部をランプ前方に突出させるとともに、第1光源側から中央領域側に向けて平坦面41aと傾斜面41bを交互に配置した階段状に形成されている。第2メインリフレクタ42は第2光源22から第1メインリフレク41の中央領域側の端部に達するまでの領域にわたって延在され、中央領域側の端部をランプ前方に突出させるとともに、第1メインリフレクタ41とは逆に第1光源側から中央領域側に向けて平坦面42aと傾斜面42bを交互に配置した階段状に形成されている。前記したように第2光源22は第1光源21よりも寸法Daだけランプ後方に配置されているので、第2メインリフレクタ42の奥行寸法D2は第1メインリフレクタ41の奥行寸法D1よりも大きくされている。
【0017】
ここで、前記第1及び第2のメインリフレク41,42の各傾斜面41b,42bは有効反射面として構成されたものであり(以下、有効反射面と称する)、幾分凹状に湾曲した単一の凹曲面或いは複数の凹曲面を配列した曲面として構成されている。また、ランプ光軸Lxに垂直な面に対する第2メインリフレクタ42の有効反射面42bの角度θ2は第1メインリフレクタ41の有効反射面41bの角度θ1よりも大きな角度に設定されている。ここでは第1メインリフレクタ41の有効反射面41bはランプ光軸Lxに垂直な面に対して略45度の角度に傾斜されているが、第2メインリフレクタ42の有効反射面42bはランプ光軸Lxに対して45度よりも大きな角度に傾斜されている。しかし、その一方で第2メインリフレクタ42の奥行寸法D2は第1メインリフレクタ41の奥行寸法D1よりも大きいため、第2メインリフレクタ42の有効反射面42bは第1メインリフレクタ41の有効反射面41bよりも奥行方向の長さ寸法(幅寸法)を大きくすることができる。すなわち有効反射面42bの奥行方向の幅寸法W2を有効反射面41bの幅寸法W1よりも大きくしている。したがって第2メインリフレクタ42の有効反射面42bの傾斜角度θ2が第1メインリフレクタ41の有効反射面41bの傾斜角度θ1よりも大きくてもランプ前面方向から見たときの両有効反射面41b,42bの幅寸法、すなわちランプ前面の透視面積A1,A2は略等しく形成されている。
【0018】
前記ランプハウジング1内の前記第1光源21の前面領域には第1サブリフレクタ51が配置され、同じくランプハウジング1内の前記第2光源22の前面領域には第2サブリフレクタ52が配置されている。第1サブリフレクタ51は第1光源21の前面を覆っているが前記フレーム13によって外部に露見されることはない。第2サブリフレクタ52は第2光源22の前面を覆っているが前記フレーム13によってその大部分が外部に露見されることはない。第1サブリフレクタ51は第1光源21の各LED21Lを焦点とする3つの回転放物面51aを上下に連続した波形リフレクタとして構成されており、第1光源21の各LED21Lから出射された光をそれぞれ水平方向に反射して第1メインリフレクタ41に投射させるようになっている。同様に第2サブリフレクタ52は第2光源22の各LED22Lを焦点とする3つの回転放物面52aを上下に連続した波型リフレクタとして構成されており、第2光源22の各LED22Lから出射された光を水平方向に反射して第2メインリフレクタ42に投射させるようになっている。そして、第1サブリフレクタ51においては第1光源21からの光をランプ光軸Lxに対してほぼ垂直に近い角度方向に向けて反射している。これに対し、前記したように第2光源22は第1光源21よりもランプ後方に配置されており、第2サブリフレクタ52も第1サブリフレクタ51よりもランプ後方に配置されているため、後述するように第2サブリフレクタ52においては第1光源22からの光をランプ光軸Lxに対してほぼ垂直な方向よりも小角度だけランプ前方に向けて反射することになる。
【0019】
前記前面カバー12はフレーム13で囲まれる領域が有効発光面として構成されており、この有効発光面には前記したように上下3段に配置した水平方向の中央領域が前方に突出した山型となる曲面部14が形成されている。この曲面部14は鉛直方向の断面形状は前記第1光源21及び第2光源22の各3個のLED21L,22Lに対応する鉛直部分がそれぞれ前方に三角状に突出した形状とされている。この曲面部14の三角形の頂点に沿った稜部の裏面には微小な凹凸からなる光拡散素子14aが形成されており、曲面部14を透過して出射される光を拡散して出射させる構成とされている。
【0020】
以上の構成の右テールランプRTLにおいては、図5に模式的に示すように、第1光源21(LED21L)が発光すると、第1光源21から出射した光は第1サブリフレクタ51で反射され、当該第1サブリフレクタ51の鉛直方向の幅寸法でランプ光軸Lxとほぼ垂直方向に向けられた水平方向の平行光として反射され、第1メインリフレクタ41に投射される。第1メインリフレクタ41に投射された光は第1メインリフレクタ41の有効反射面41bにおいてそれぞれ反射されるが、有効反射面41bが幾分凹面形状をしているためランプ光軸Lxに沿った方向を中心に多少拡散した光として反射される。また、第2光源22(LED22L)が発光すると、第2光源22から出射した光は第2サブリフレクタ52で反射され、当該第2サブリフレクタ52の鉛直方向の幅寸法でランプ光軸Lxとほぼ垂直方向よりも小角度だけ幾分ランプ前方に向けられた水平方向の平行光として反射され、第2メインリフレクタ42に投射される。すなわち、第2サブリフレクタ52で反射された光は第1サブリフレクタ51で反射された光よりもランプ光軸Lxに垂直な面に対して大きな角度で第2メインリフレクタ42に投射される。第2メインリフレクタ42に投射された光は第2メインリフレクタ42の有効反射面42bにおいてそれぞれ反射されるが、有効反射面42bが幾分凹面形状をしているためランプ光軸Lxに沿った方向を中心に多少拡散した状態で反射される。そして、これら第1メインリフレクタ41と第2メインリフレクタ42で反射された光は一体となって前面カバー12の有効発光面を透過してランプ前方に向けて照射される。このとき有効発光面の内面の一部に設けた曲面部14の光拡散素子14aによって透過光が大きな角度で拡散ないし散乱されるので、当該拡散ないし散乱光によって発光面に線状の強調した発光領域が形成されることになり、前面カバー12における発光面の意匠的な効果を高めることが可能である。なお、第1光源21から出射した光は第1サブリフレクタ51により前方への光が遮光されるため、第1光源21からの直接光がランプ前方に照射されることはない。同様に第2光源22から出射した光は第2サブリフレクタ52により遮光されるため第2光源22からの直接光がランプ前方に照射されることはない。これにより、前面カバー12の有効発光面において均一な光度の発光状態となる。
【0021】
このように、第1光源21からの光は第1サブリフレクタ51によってランプ光軸Lxに対して垂直に近い角度で反射されて第1メインリフレクタ41に投射され、さらに有効反射面41bにおいてランプ前方に向けて反射される。第2光源22からの光は第2サブリフレクタ52によってランプ光軸Lxに対して垂直に近い角度よりもランプ光軸Lxに垂直な面に対して角度θdだけランプ前方に向けた角度で反射されて第2メインリフレクタ42に投射され、さらに有効反射面42bにおいてランプ前方に向けて反射される。このとき、第1メインリフレクタ41と第2メインリフレクタ42の奥行寸法D1,D2の違いにかかわらず各メインリフレクタ41,42の各有効反射面41b,42bはランプの前面方向から見ると略同じ面積に形成されている。そのため、第1メインリフレクタ41で反射した光の明るさと第2メインリフレクタ42で反射した光の明るさは同じになる。すなわち、第1光源21と第2光源22がランプ光軸Lxに対して垂直な同一平面に配置されていなくても均一な発光が実現できる。そのため、前面カバー12を自動車の車体の曲面に沿って湾曲させた場合に、これに対応させてランプボディ11の後面を回り込み形状に構成することでランプハウジング1の最大厚み寸法(奥行き寸法)の増大を防止してランプの薄型化を実現することができ、またこのように薄型化を図った場合でも前面カバー12における均一な明るさでの発光が確保できる。
【0022】
実施形態1では第1サブリフレクタ51で反射した光をランプ光軸Lxに垂直な方向に向けて第1メインリフレクタ41に投射しているが、必ずしもこの方向に限定されるものではない。例えば、第1サブリフレクタ51で反射した光はランプ光軸Lxに垂直な方向よりもランプ前方に傾斜した方向に投射するようにしてもよい。ただし、この場合には、第2サブリフレクタ52で反射した光は第1サブリフレクタ51で反射した光よりも大きな角度でランプ前方に傾斜した方向となるように構成することが肝要であり、このようにすることで実施形態1のように回り込み形状をしたランプの薄型化を図る一方で均一な発光面を得ることができる。また、第1サブリフレクタ51や第2サブリフレクタ52を用いることなく、あるいはこれらに代えた光学要素を配設することによって第1及び第2の各光源21,22からの光をそれぞれ所定の傾斜方向で第1及び第2の各メインリフレクタ41,42に投射するように構成してもよい。前者の場合には第2光源22の発光光軸を第1光源21の発光光軸よりもランプ光軸LXに対して大きな角度で傾斜するように構成すればよい。また、後者の場合には光学要素として第2光源22から出射した光が第1光源21から出射した光よりもランプ光軸Lxに対して大きな角度で屈折して各メインリフレクタに投射するような全反射プリズムや集光レンズを用いた構成とすればよい。
【0023】
ここで、第1メインリフレクタ41と第2メインリフレクタ42の有効反射面は連続した曲面あるいは傾斜した平面として構成してもよく、必ずしも実施形態のように複数の傾斜面を配列した階段構造にしなくてもよい。また、第1サブリフレクタ51と第2サブリフレクタ52は第1光源21と第2光源22の複数個のLED21L,22Lにそれぞれ対応した反射面を連続させた波型に構成しているが、それぞれ独立したリフレクタとして構成してもよい。第1光源21と第2光源22はLED等の発光素子で構成されたものに限られるものではなく、出射する光の指向性の高い光源であれば電球を光源とする灯具にも適用できる。さらに、前面カバー12は左右方向に傾斜した傾斜面として構成されたものに限られるものではなく、自動車の車体の曲面形状に対応して上下方向に傾斜した傾斜面として構成された前面カバーを有する灯具にも適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は光指向性のある光源を用いるとともに前面カバーが傾斜した構成の灯具であって、奥行寸法を低減した薄型化が要求され、かつ均一な明るさの発光面が要求される灯具に採用することが可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 ランプハウジング
11 ランプボディ
12 前面カバー
21 第1光源
22 第2光源
21L,22L LED
41 第1メインリフレクタ
42 第2メインリフレクタ
41b,42b 有効反射面
51 第1サブリフレクタ
52 第2サブリフレクタ







【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプボディと光透過性のある前面カバーを備え、一方の端部に対して他方の端部がランプ後方(ランプ光軸方向の後方、以下同じ)に回り込んだ形状をしたランプハウジングと、前記ランプハウジング内の前記一方の端部に配設された第1光源及び前記ランプハウジング内の前記他方の端部に配設された第2光源と、前記ランプハウジング内の前記第1光源と第2光源との間に並んで配設され、前記第1光源側に位置される第1メインリフレクタと前記第2光源側に位置される第2メインリフレクタを備え、前記第2光源は前記第1光源よりもランプ後方に配置され、前記第2メインリフレクタは前記第1メインリフレクタよりもランプ後方の領域にまで延長され、前記第2光源から出射されて前記第2メインリフレクタに投射される光は前記第1光源から出射されて前記第1メインリフレクタに投射される光よりもランプ光軸と直交する面に対してランプ前方に大きな角度に向けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第1光源及び第2光源は発光光軸がランプ前面に向けられたLEDで構成され、前記第1光源と第2光源の前側にはそれぞれ各光源から出射した光を平行光として反射する第1サブリフレクタと第2サブリフレクタを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1メインリフレクタは前記第1サブリフレクタで反射した光をランプ前方に向けて反射する複数の有効反射面としての傾斜面を配列した階段形状に形成され、前記第2メインリフレクタは前記第2サブリフレクタで反射した光をランプ前方に向けて反射する有効反射面としての複数の傾斜面を配列した階段形状に形成され、前記第1メインリフレクタと第2メインリフレクタの各有効反射面はランプ前面から見たときにほぼ等しい面積に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第1光源と第2光源はそれぞれ複数のLEDで構成され、前記第1サブリフレクタと第2サブリフレクタはそれぞれ前記複数のLEDに対応した複数のリフレクタを連続して一体に形成していることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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