説明

車両用灯器

【課題】 バルブ室の空気の出入を円滑に行え、従って、バルブの熱によって容易に損傷を受けにくい耐久的な車両用灯器を提供する。
【解決手段】 灯器本体1と該本体1の前面側開口端を前面レンズ2で閉塞して、構成したバルブ室3にバルブ4を装置する。前記灯器本体1の底壁の前端部と、同じく背面壁の上端部のそれぞれに前記バルブ室3の内外を連通する第一、第二の連通孔6,8を設ける。そして、底壁側の前記第一連通孔6を背面壁側の前記第二連通孔8に対して大径に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の貨物自動車の尾灯等に用いる車両用灯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
灯器本体(ボディ)内に収めたバルブはその点灯により発熱し、該発熱に伴う本体の損傷を防ぐために本体に透孔を設けて本体外と連通させ空気の出入により排熱を図るようにしている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】実公平4−12565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は空気の出入を単一な透(窓)孔で行うようにしているため、空気の出入操作が必ずしも円滑に行われない。
【0005】
本発明は、該空気の出入操作が円滑に行われ、従来例と較べ尚一層の排熱効果が有り、従って、バルブの熱によって容易に損傷しにくい車両用灯器を提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
灯器本体と該本体の前面側開口端を前面レンズで閉塞して、構成したバルブ室にバルブを装置して成り、前記灯器本体の底壁の前端部と、同じく背面壁の上端部のそれぞれに前記バルブ室の内外を連通する第一、第二の連通孔を設け、底壁側の前記第一連通孔を背面壁側の前記第二連通孔に対して大径にした、構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、点灯したバルブによって熱せられた空気はバルブ室上部へと流れ、該上部側に設けた第二連通孔を通じて外界へと放出される一方、バルブ室底壁側に設けた第一連通孔から大量の空気が送り込まれることから、熱による前記の流れと流入量による流れによってバルブ室内の急速な流れの対流が生じて第二連通孔からの空気の放出量は、その径が小径にも係らず大きくすることができる。
【0008】
従って、バルブ室上部側の第二連通孔は、小径にして所謂表面張力によって雨水の浸入しない程度のものにすることができ、バルブの発熱に対処し、しかも、結露しづらく、防水性能の有る車両用灯器として好適な製品を提供できる。
【実施例】
【0009】
図面は本発明に係る車両用灯器の一実施例を示し、図1は灯器の内部機構を省略して示した灯器の一部欠截背面図、図2は図1のa−a線断面図、図3は灯器の内部機構を省略して示した一部欠截平面図である。
【0010】
図中、Aは本発明に係る車両用灯器で、灯器Aは、前面を開口した方形箱状の灯器本体1の前記前面側の開口端を、該本体1に係離自在に取付けた前面レンズ2で閉塞してバルブ室3と成し、該バルブ室3にバルブ4を装置して、前記前面レンズ2を通じて照射するようにして用いるもので、上壁部片3aと底壁部片3bに突設して背面壁部3c方向に舌状に突出させた係止部片5を利用して車両側に装置した支持材に設けた窓孔に嵌脱自在に嵌着して、概し、尾灯として適用するものである。
【0011】
この灯器Aの、本体1を構成する前記底壁部片3bの前端側の中央部には第一連通孔6を設けて前記バルブ室3と外部とを連通させ、第一連通孔6は、その対向面位置に位置させた、底壁部片3b側の前記係止部片5の遮蔽によって、該係止部片5と前記底壁片3bとが成す間隙7を通じて外界と連通させてある。
【0012】
また、灯器本体1の前記背面壁部片3cの上端側には前記第一連通孔6より小径にして複数個の小さな第二連通孔(表面張力によって外部から水が入りにくい)8,…を設け、前記バルブ室3は、この第二連通孔8…を通じても外界と連通する。
【0013】
なお、実施例の灯器本体1と前面レンズ2は、ポリカーボネートを素材とするが、他の樹脂で構成しても必ずしも不都合はない。
【0014】
しかして、第一連通孔6を通じての、バルブ室3内への空気の導入と第二連通孔8を通じてのバルブ室3外部への空気の排出によってバルブ室3内において対流が生じ、その対流は連通孔6,8同士の位置の高低差とバルブ4による加熱および連通孔6,8同士の径の大きさの差とが相乗相俟って円滑に行われ、大きな放熱効果となって現われるのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】灯器の内部機構を省略して示した灯器の一部欠截背面図。
【図2】図1のa−a線断面図。
【図3】灯器の内部機構を省略して示した一部欠截平面図。
【符号の説明】
【0016】
1 容器本体
2 前面レンズ
3 バルブ室
4 バルブ
6 第一連通孔
8 第二連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯器本体と該本体の前面側開口端を前面レンズで閉塞して、構成したバルブ室にバルブを装置して成り、前記灯器本体の底壁の前端部と、同じく背面壁の上端部のそれぞれに前記バルブ室の内外を連通する第一、第二の連通孔を設け、底壁側の前記第一連通孔を背面壁側の前記第二連通孔に対して大径にした、車両用灯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−220386(P2007−220386A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37418(P2006−37418)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(598051082)日本ボデーパーツ工業株式会社 (9)
【出願人】(394015729)株式会社リバーストン (6)
【Fターム(参考)】