車両用発光装置
【課題】 電源投入時に直流電源の能力を活用してフィラメント光源に直流電力を供給すること。
【解決手段】 電源スイッチ26の投入時に、車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせてバイパス回路18からハロゲンバルブ20に直接供給し、その後、スイッチングレギュレータ12によって安定化された直流電力をハロゲンバルブ20に供給する。この結果、電源投入時に、車載バッテリ28の能力を活用してハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができる。
【解決手段】 電源スイッチ26の投入時に、車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせてバイパス回路18からハロゲンバルブ20に直接供給し、その後、スイッチングレギュレータ12によって安定化された直流電力をハロゲンバルブ20に供給する。この結果、電源投入時に、車載バッテリ28の能力を活用してハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントを有するフィラメント光源を駆動するための車両用発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィラメント光源としては、白熱バルブやハロゲンバルブ(ハロゲンランプ)が知られている。これらフィラメント光源は、通電時に突入電流が流れると、寿命が低下するので、通電開始時に、白熱バルブに対して電圧の印加・非印加を交互に繰り返して、突入電流を低減するようにしたものや、スイッチング電源を発熱電球用定電流定電圧電源として構成し、この電源で定電流動作と定電圧動作を同時に行って、白熱電球の点灯時の突入電流を抑制するようにしたものが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
一方、ハロゲンバルブにバッテリ電圧を印加すると、図15に示すように、バッテリ電圧の増加に応じて光束が増加する電圧−光束特性Aを示す。このため、バッテリ電圧を直接ハロゲンバルブに印加すると、バッテリ電圧が上昇した場合、光束が増大すると同時にハロゲンバルブに大きな電圧が印加され、特に、定格電圧よりも高い電圧がハロゲンバルブに印加されたときには、ハロゲンバルブの寿命低下や故障が懸念される。逆に、バッテリ電圧が定格電圧よりも低下したときには、定格以下の光束となり、自動車用光源としての安全性の確保が困難になる。また、バッテリ電圧が急変すると、それに応じて光束も変動し、運転者に幻惑を与える虞がある。そこで、バッテリ電圧を昇降圧可能な安定化電源として、スイッチングレギュレータを用い、このスイッチングレギュレータを介してハロゲンバルブに電圧を印加し、図15の特性Bで示すように、ハロゲンバルブに常に一定の電圧を印加する構成が考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−165012号公報(第6頁から第8頁、図2、図3)
【特許文献2】特開平8−241133号公報 (第3頁から第5頁、図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、スイッチングレギュレータを用いても、ハロゲンバルブに常に一定の電圧を供給するには、大電力を出力可能なものが必要となり、コストアップとなる。すなわち、バッテリをハロゲンバルブに直接接続すると、バッテリとハロゲンバルブ間のワイヤーハーネスのインピーダンスにもよるが、図16に示すように、点灯開始時に、30A以上のピーク電流が流れ、そのときの電力は400W以上になることがある。また、点灯開始から50ms後においても、10A以上の電流が流れており、そのときの電力は150W近くになる。これだけの大電力をハロゲンバルブに投入しても、ハロゲンバルブの光束の立ち上がりは、図17に示すように、点灯開始から200ms後で約50%であり、300ms後でやっと90%以上になる。一方、光束が90%以上となる定常状態における電力は60W程度である。このように、ハロゲンバルブは、定常状態では60W程度の電力を消費するだけで済むが、点灯開始時には数百W以上の電力を必要とするため、ハロゲンバルブを駆動するスイッチングレギュレータとしては、瞬間的には数百W以上の電力を出力可能なものが必要となり、スイッチングレギュレータの大型化とコストアップが余儀なくされる。
【0006】
また、定電流回路を用いてハロゲンバルブを点灯した場合、点灯開始から約0.8秒間は全く発光せず、1.5秒後に光束が定格に到達することがあり、定電流回路としてのみ機能し、出力能力のないスイッチングレギュレータでは、商品性や安全性を満たすことができなくなる。
【0007】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、電源投入時に直流電源の能力を活用してフィラメント光源に直流電力を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に係る車両用発光装置は、フィラメントを有する光源と、直流電源からの入力電力を安定化し、安定化された直流電力を前記フィラメント光源に供給する電力供給制御手段と、前記直流電源の投入時に前記直流電源からの入力電力を前記電力供給制御手段をバイパスさせて前記フィラメント光源に供給するバイパス手段とを備えた構成とした。
【0009】
(作用)フィラメント光源に直流電力を供給するに際して、直流電源の投入時に直流電源からの入力電力を電力供給制御手段をバイパスさせてフィラメント光源に供給し、その後、電力供給制御手段によって安定化された直流電力をフィラメント電源に供給するようにしたため、電源投入時に直流電源の能力を活用してフィラメント光源に直流電力を供給することができ、電力供給制御手段の電力容量および出力能力を小さくしても、フィラメント光源の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0010】
請求項2に係る車両用発光装置においては、請求項1に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源が安定点灯した以降は動作を停止させてなる構成とした。
【0011】
(作用)電力供給制御手段が起動したときから、フィラメント光源が安定点灯するまでは直流電源からの入力電力をバイパス手段を介してフィラメント光源に供給し、それ以降バイパス手段の動作を停止させるようにしたため、直流電源の機能と電力供給制御手段の機能を有効に活用して、フィラメント光源に直流電力を供給することができる。すなわち、バイパス手段を用いて直流電源からの入力電力をフィラメント光源に供給する時間が電力供給制御手段の立ち上がり期間に比べて長すぎると、電源電圧(バッテリ電圧)の変動の影響を受け、電源電圧の変化に応じてフィラメント光源の印加電圧や光束が変化し、電力供給制御手段を設けた意味がなくなる。従って、電力供給制御手段が起動したときから、フィラメント光源が安定点灯するまでは、少なくとも直流電源からの入力電力をバイパス手段を介してフィラメント光源に供給し、それ以降バイパス手段の動作を停止させることで、電力供給制御手段の電力容量および出力能力を小さくしても、フィラメント光源の光束の立ち上がりを速くすることができることになる。
【0012】
請求項3に係る車両用発光装置においては、請求項2に記載の車両用発光装置において、前記電力供給制御手段は、前記バイパス手段が動作している期間のうち少なくとも初期の期間中は前記フィラメント光源に対して直流電力を供給するための動作を停止してなる構成とした。
【0013】
(作用)電力供給制御手段が、バイパス手段が動作している期間のうち少なくとも初期の期間中はフィラメント光源に対して直流電力を供給するための動作を停止することで、電力供給制御手段の立ち上がりに伴う影響をフィラメント光源に与えるのを防止できる。
【0014】
請求項4に係る車両用発光装置においては、請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記直流電源からの入力電圧を規定の電圧にクランプして出力する電圧クランプ回路を備えた構成とした。
【0015】
(作用)バイパス手段を電圧クランプ回路で構成すると、直流電源の出力電圧が定格電圧よりも高くなっても、電圧クランプ回路によって規定の電圧にクランプされ、フィラメント光源には規定の電圧が印加されるので、過電圧あるいは過電流からフィラメント光源を保護することができる。
【0016】
請求項5に係る車両用発光装置においては、請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源の消灯時間を計測する時間計測手段を備え、前記フィラメント光源の消灯時間が短いほど前記バイパス動作時間を短くする構成とした。
【0017】
(作用)フィラメント光源の消灯時間を計測し、フィラメント光源の消灯時間が短いほどバイパス手段によるバイパス動作時間を短くするようにしたため、電源スイッチが開放した後、再び投入されるまでの消灯時間が短い程、バイパス手段によるバイパス動作時間を短くすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る車両用発光装置によれば、フィラメント光源の光束の立ち上がりを速くすることができるとともに、装置の小型化及びコスト低減に寄与することができる。
【0019】
請求項2によれば、直流電源の機能と電力供給制御手段の機能を有効に活用して、フィラメント光源に直流電力を供給することができる。
【0020】
請求項3によれば、電力供給制御手段の立ち上がりに伴う影響をフィラメント光源に与えるのを防止できる。
【0021】
請求項4によれば、過電圧あるいは過電流からフィラメント光源を保護することができる。
【0022】
請求項5によれば、電源スイッチが開放した後、再び投入されるまでの消灯時間が短い程、バイパス手段によるバイパス動作時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態を実施例に従って説明する。図1は、本発明の第1実施例を示す車両用発光装置の回路構成図、図2は、スイッチングレギュレータの回路構成図、図3は、制御回路の回路構成図、図4は、制御回路の動作を説明するための波形図、図5は、制御用電源の回路構成図、図6は、バイパス手段の第1実施例を示す回路構成図、図7は、本発明の第2実施例を示す車両用発光装置の要部回路構成図、図8は、バイパス手段の第2実施例を示す回路構成図、図9は、バッテリを用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図、図10は、定電流回路を用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図、図11は、バイパス手段の第3実施例を示す回路構成図、図12は、バイパス手段の第4実施例を示す回路構成図、図13は、バイパス手段の第5実施例を示す回路構成図、図14は、バイパス手段の第6実施例を示す電圧クランプ回路の回路構成図である。
【0024】
これらの図において、車両用灯具を構成する車両用発光装置10は、図1に示すように、点灯制御装置として、スイッチングレギュレータ12、制御用電源14、制御回路16、バイパス回路18、抵抗R1、R2を備えて構成されており、スイッチングレギュレータ12には、フィラメントを有するフィラメント光源としてのハロゲンバルブ(ハロゲンランプ)20が接続されている。
【0025】
ハロゲンバルブ20としては、互いに直列に接続された複数個のものを用いたり、互いに直列に接続された複数個のものを光源ブロックとして、複数個の光源ブロックを並列接続したものを用いたりすることもできる。また、ハロゲンバルブ20は、ヘッドランプ、ストップ&テールランプ、フォグランプ、ターンシグナルランプなどの各種車両用灯具の光源として構成することができる。
【0026】
スイッチングレギュレータ12は、図2に示すように、トランスT1、コンデンサC1、NMOSトランジスタ22、ダイオードD1、コンデンサC2を備えて構成されている。トランスT1の一次側にはコンデンサC1が並列に接続されていると共に、NMOSトランジスタ22が直列に接続されている。コンデンサC1の一端側は電源入力端子24、電源スイッチ26を介して車載バッテリ(直流電源)28のプラス端子に接続され、他端側は電源入力端子30を介して車載バッテリ28のマイナス端子に接続されていると共に、接地されている。NMOSトランジスタ22はドレインがトランスT1の一次側に接続され、ソースが接地され、ゲートが制御回路16に接続されている。トランスT1の二次側にはダイオードD1を介してコンデンサC2が並列に接続されており、ダイオードD1とコンデンサC2との接続点は、出力端子32を介してハロゲンバルブ20の一端側に接続されるようになっている。トランスT1の二次側の一端側は、コンデンサC2の一端側と共に接地され、出力端子34を介してハロゲンバルブ20の他端側に接続されるようになっている。出力端子32と接地間には抵抗R1、R2が挿入されており、抵抗R1、R2は、出力端子32と接地間の電圧を分圧し、分圧によって得られた電圧を、電圧検出端子36を介して制御回路16にフィードバックするようになっている。
【0027】
NMOSトランジスタ22は、制御回路16から出力されるオンオフ信号(スイッチング信号)に応答してオンオフ動作するスイッチング素子として構成されている。NMOSトランジスタ22がオン動作したときには、車載バッテリ28からの入力電圧が電磁エネルギーとしてトランスT1に蓄積され、NMOSトランジスタ22のオフ動作時に、トランスT1に蓄積された電磁エネルギーが発光エネルギーとしてトランスT1の二次側からダイオードD1を介してハロゲンバルブ20に放出されるようになっている。
【0028】
この場合、スイッチングレギュレータ12と制御回路16は、車載バッテリ28からの入力電力を安定化し、安定化された直流電力をハロゲンバルブ20に供給する電力供給制御手段として構成されており、制御回路16は、安定化されて直流電力をスイッチングレギュレータ12からハロゲンバルブ20に供給するために、電圧検出端子36の電圧と規定の電圧とを比較し、この比較結果に応じてスイッチングレギュレータ12の出力電流を制御するように構成されている。
【0029】
具体的には、スイッチングレギュレータ12を制御するための制御回路16は、図3に示すように、コンパレータ38、エラーアンプ40、ノコギリ波発生器42、基準電圧44、抵抗R3、R5、コンデンサC3を備えて構成されている。コンパレータ38の出力端子46はNMOSトランジスタ22のゲートに直接或いは電流増幅用のプリアンプ(図示せず)を介して接続されており、抵抗R3の一端に接続された入力端子48は電圧検出端子36に接続されている。入力端子48には電圧検出端子36からフィードバックされる電圧が印加されるようになっており、抵抗R3を介してエラーアンプ40の負入力端子に印加するようになっている。エラーアンプ40は、負入力端子に印加された電圧と基準電圧44との差に応じた電圧を閾値Vthとして、コンパレータ38の正入力端子に出力するようになっている。コンパレータ38は、ノコギリ波発生器42から負入力端子にノコギリ波Vsを取り込み、このノコギリ波Vsと閾値Vthとを比較し、この比較結果に応じたオンオフ信号をNMOSトランジスタ22のゲートに出力するようになっている。
【0030】
例えば、図4(a)、(b)に示すように、閾値Vthのレベルがノコギリ波Vsのほぼ中間にあるときにはオンデューティがほぼ50%のオンオフ信号を出力するようになっている。一方、スイッチングレギュレータ12の出力電圧が減少したことに伴って、電圧検出端子36からフィードバックされる電圧のレベルが基準電圧44よりも低くなったときには、エラーアンプ40の出力による閾値Vthのレベルが高くなり、図4(c)、(d)に示すように、コンパレータ38からは、オンデューティが50%よりも高いオンデューティのオンオフ信号が出力される。この結果、スイッチングレギュレータ12の出力電圧は増加することになる。
【0031】
逆に、スイッチングレギュレータ12の出力電圧が増加することに伴って、電圧検出端子36からフィードバックされる電圧のレベルが基準電圧44よりも高くなり、エラーアンプ40の出力による閾値Vthのレベルが低下したときには、図4(e)、(f)に示すように、コンパレータ38からは、オンデューティが50%よりも低いオンオフ信号が出力される。この結果、スイッチングレギュレータ12の出力電圧は減少する。なお、ノコギリ波発生器42の代わりに、三角波(三角波信号)を発生する三角波発生器を用いることもできる。
【0032】
また、制御回路16には、制御用電源14から電力が供給されるようになっており、制御用電源14は、図5に示すように、シリーズレギュレータとして、NPNトランジスタ50、抵抗R6、ツェナーダイオードZD1、コンデンサC4を備えて構成されている。NPNトランジスタ50は、コレクタが電源入力端子24を介して電源スイッチ26に接続され、エミッタが出力端子52を介して制御回路16に接続されている。NPNトランジスタ50は、電源入力端子24から電源電圧が印加されたときに、ツェナーダイオードZD1の両端に生じるツェナー電圧に応じた電圧をエミッタから出力端子52を介して、制御回路16に出力するようになっている。
【0033】
一方、バイパス回路18は、図6に示すように、PMOSトランジスタ54、NPNトランジスタ56、ツェナーダイオードZD2、抵抗R7、R8、R9、R10を備えて構成されている。尚、D2は寄生ダイオードである。PMOSトランジスタ54は、バイパス動作を実行するスイッチ素子として、ソースが入力端子58を介して電源入力端子24に接続され、ドレインが出力端子60を介して出力端子32に接続され、ゲートが抵抗R8を介してNPNトランジスタ56のコレクタに接続されており、ソース・ゲート間に耐圧(10V程度)を確保するためのツェナーダイオードZD2が並列接続されている。NPNトランジスタ56は、エミッタが接地され、ベースが抵抗R10、制御端子62を介して、制御回路16に接続されている。
【0034】
バイパス回路18は、直流電源の投入または開放を制御する電源スイッチ26が投入され、スイッチングレギュレータ12、制御用電源14、制御回路16に電力が供給されたときに、制御端子62の電圧レベルがハイレベル(NPNトランジスタ56の閾値よりも高いレベル)とされ、NPNトランジスタ56がオンになるとともに、PMOSトランジスタ54がオンになり、PMOSトランジスタ54のバイパス動作の開始に伴って、車載バッテリ28からの入力電力(直流電力)をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、ハロゲンバルブ20に直接供給するバイパス手段として構成されている。すなわち、バイパス回路18は、電源スイッチ26の投入に伴って、スイッチングレギュレータ12が起動し、その出力電流(出力電力)が安定化領域に移行するときに、車載バッテリ28からの入力電力(直流電力)をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、ハロゲンバルブ20に直接供給するようになっている。
【0035】
本実施例によれば、ハロゲンバルブ20に直流電力を供給するに際して、電源スイッチ26の投入時に車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、バイパス回路18からハロゲンバルブ20に直接供給し、その後、スイッチングレギュレータ12によって安定化された直流電力をハロゲンバルブ20に供給するようにしたため、電源投入時に、車載バッテリ28の能力を活用してハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0036】
車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせるに際しては、図7に示すように、バイパス回路18の入力端子58をトランスT1の一次側巻線とNMOSトランジスタ22のドレインとの接続点に接続する構成を採用することもできる。この場合、バイパス回路18がバイパス動作したときの電流の経路は、電源入力端子24→トランスT1の一次側巻線→バイパス回路18→ハロゲンバルブ20となる。
【0037】
次に、バイパス手段の第2実施例を図8に従って説明する。本実施例は、バイパス手段として、バイパス回路18の他に、バイパス回路18のバイパス動作時間を規定するための要素として、充放電回路19を付加したものであり、他の構成は、第1実施例のものと同様である。
【0038】
具体的には、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作時間を規定するための充放電回路19は、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54のオフ動作を規定するための要素として、NPNトランジスタ64、ツェナーダイオードZD3、コンデンサC5、抵抗R11、R12、R13、R14、R15が設けられている。NPNトランジスタ64は、エミッタが接地され、コレクタが制御端子62に接続されているとともに、抵抗R11を介してVrefに接続され、ベースが抵抗R12に接続されているとともに、ツェナーダイオードZD3、抵抗R13を介してコンデンサC5の一端側に接続されている。
【0039】
NPNトランジスタ64は、電源スイッチ26の投入に伴ってVrefが生成されて、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオン(導通状態)になって、バイパス回路18によるバイパス動作が開始されたときには、オフ状態にある。この後、NPNトランジスタ64は、コンデンサC5に電荷が蓄積されていく充電過程で、コンデンサC5の両端電圧が、バイパス動作停止用の規定電圧=(NPNトランジスタ64のVBE)+(ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧)を超えたときに、オンになる。NPNトランジスタ64がオンになると、制御端子62がNPNトランジスタ64を介して接地され、NPNトランジスタ56がオフになるとともに、PMOSトランジスタ54がオフ(非道通状態)になり、バイパス回路18によるバイパス動作が停止されることになる。NPNトランジスタ64がオンになるタイミングは、抵抗R14とコンデンサC5から定まる時定数(充電時定数)と前記規定電圧によって決定され、これらが決定されると、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作時間が規定されることになる。このバイパス動作時間としては、スイッチングレギュレータ12が起動したときから、ハロゲンバルブ20が安定点灯するまでの時間であって、例えば、200ms〜500msに設定することができる。
【0040】
本実施例によれば、スイッチングレギュレータ12が起動したときから、ハロゲンバルブ20が安定点灯するまでは、車載バッテリ28からの入力電力をバイパス回路18を介してハロゲンバルブ20に供給し、ハロゲンバルブ20が安定点灯した以降はバイパス回路18の動作を停止するようにしたため、車載バッテリ28の機能とスイッチングレギュレータ12の機能を有効に活用して、ハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0041】
すなわち、バイパス回路18を用いて車載バッテリ28からの入力電力をハロゲンバルブ20に供給する時間がスイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間に比べて長すぎると、電源電圧(バッテリ電圧)の変動の影響を受け、電源電圧の変化に応じてハロゲンバルブ20の印加電圧や光束が変化し、スイッチングレギュレータ12を設けた意味がなくなる。従って、スイッチングレギュレータ12が起動したときから、ハロゲンバルブ20が安定点灯するまでは、少なくとも車載バッテリ28からの入力電力をバイパス回路18を介してハロゲンバルブ20に供給し、それ以降は、バイパス回路18の動作を停止することで、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができることになる。
【0042】
本実施例においては、コンデンサC5への充電を基準電圧Vrefから行っているが、基準電圧Vrefの代わりに、電源入力端子24に印加される入力電圧を用いることができる。この場合、電源入力端子24に印加される入力電圧の高さ(レベル)によってスイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間を調整することができる。すなわち、電源入力端子24に印加される入力電圧が高くなれば、コンデンサC5への充電が速くなり、バイパス回路18によるバイパス動作時間が短くなる。逆に、電源入力端子24に印加される入力電圧が低くなれば、コンデンサC5への充電が遅くなり、長い期間バイパス回路18からの入力電圧をハロゲンバルブ20に印加することができ、光束の立ち上がりをより一層促進させることができる。
【0043】
また、抵抗R14とコンデンサC5は、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54のオフ動作を規定するための時定数であって、コンデンサC5の充電時における充電時定数として用いられているが、抵抗R14とコンデンサC5は、抵抗R15とともに、コンデンサC5の放電時(電源スイッチ26の開放時)における放電時定数として用いられている。この放電時定数をハロゲンバルブ20の消灯時間、すなわち、電源スイッチ26の開放時間を考慮して設定すると、例えば、短い消灯時間(電源スイッチ26が開放した後、再び投入されるまでの時間)であれば、消灯時間が長いときよりもコンデンサC5の放電も少なく、再点灯時に直ぐにコンデンサC5の電圧が上昇し、バイパス回路18によるバイパス動作を即座に停止させることができる。つまり、コンデンサC5の充電時定数と放電時定数を規定する要素をコンデンサC5の充放電時間を計測する手段として用いるとともに、ハロゲンバルブ20の消灯時間を計測する時間計測手段として用い、時間計測手段の計測結果に従ってNPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54をオフ動作させることで、電源スイッチ26が開放した後、再び投入されるまでの消灯時間が短い程、バイパス回路18によるバイパス動作時間とスイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間を短くすることができ、速やかに定電流制御することができる。
【0044】
なお、ハロゲンバルブ20の消灯時間を計測する時間計測手段としては、抵抗、コンデンサを含む時定数回路の他に、電源スイッチ26の開放に応答して計時を開始し、電源スイッチ26が再び投入されるまでの時間を計測する計測手段をマイコンなどを用いて構成することができる。
【0045】
図9に、車載バッテリ28の出力電圧を直接ハロゲンバルブ20に印加し、短い消灯時間でハロゲンバルブ20を再点灯させたときの光束L1、電流I1および電圧V1の波形を示す。図10には、定電流回路を用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブ20を再点灯させたときの光束L2、電流I2および電圧V2の波形を示す。
【0046】
図9と図10から、定電流回路を用いてハロゲンバルブ20を点灯しても、光束L2の立ち上がりは、ハロゲンバルブ20を車載バッテリ28で直接点灯させた場合の光束L1の立ち上がり特性に近づくので、短い消灯時間であれば、定電流回路として機能するスイッチングレギュレータ12を用いても、バイパスさせる期間を短くしても良いといえる。
【0047】
次に、バイパス手段の第3実施例を図11に従って説明する。本実施例は、第2実施例のバイパス手段に、バイパス回路18によるバイパス動作期間中は、スイッチングレギュレータ12の動作を停止するための要素を充放電回路19に付加したものであり、他の構成は、第2実施例のものと同様である。
【0048】
具体的には、制御回路16の電圧検出端子36と充放電回路19の出力側に接続された制御端子62との間にダイオードD3が挿入されており、ダイオードD3のカソードが抵抗R1と抵抗R2との接続点および電圧検出端子36に接続され、アノードが制御端子62とNPNトランジスタ64のコレクタに接続されている。
【0049】
電源スイッチ26の投入に伴って基準電圧Vrefが生成されて、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオンになって、バイパス回路18によるバイパス動作が開始されると、基準電圧Vrefが抵抗R11、ダイオードD3を介して電圧検出端子36に印加され、ダイオードD3が導通状態となる。このとき、電圧検出端子36に印加される電圧は、例えば、制御回路16の基準電圧44の2倍以上に設定されているので、この電圧が、電圧検出端子36から制御回路16の入力端子48にフィードバックされると、エラーアンプ40の出力による閾値Vthのレベルがノコギリ波Vsのレベルよりも低下し、コンパレータ38からは、オンデューティが0%のオンオフ信号、すなわちオフ信号が出力され、NMOSトランジスタ22がオフとなって、スイッチングレギュレータ12の動作が即座に停止される。すなわち、スイッチングレギュレータ12は、バイパス回路18のバイパス動作の開始とともに、スイッチング動作が停止されることになる。
【0050】
一方、バイパス回路18によるバイパス動作が開始された後、スイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間が経過してハロゲンバルブ20が安定点灯すると、コンデンサC5の充電電圧の上昇に伴ってNPNトランジスタ64がオンになるとともに、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオフになって、バイパス回路18によるバイパス動作が停止され、ダイオードD3が非道通状態となる。このとき、電圧検出端子36には、ハロゲンバルブ20の両端電圧を抵抗R1、R2で分圧した電圧(バイパス動作開始時における電圧よりも低い電圧)が生じ、この電圧に従って、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作が開始される。
【0051】
本実施例によれば、スイッチングレギュレータ12の起動時に、バイパス回路18がバイパス動作する間は、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を停止するようにしたので、スイッチングレギュレータ12の立ち上がりに伴う影響をハロゲンバルブ20に与えるのを防止することができる。
【0052】
次に、バイパス手段の第4実施例を図12に従って説明する。本実施例は、第3実施例の充放電回路19に、バイパス回路18によるバイパス動作期間(バイパス回路18が動作している期間)のうち少なくとも最初の期間は、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を停止し、バイパス動作期間が経過する前に、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を開始するための要素を付加したものであり、他の構成は、第3実施例のものと同様である。
【0053】
具体的には、充放電回路19には、バイパス回路18がバイパス動作する時間を規定するための要素(NPNトランジスタ64、ツェナーダイオードZD3、コンデンサC5、抵抗R11、R12、R13、R14、R15)の他に、バイパス回路18がバイパス動作する期間が経過する前に、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を開始するための要素として、NPNトランジスタ66、ダイオードD3、ツェナーダイオードZD4、抵抗R16、R17、R18が設けられている。NPNトランジスタ66は、エミッタが接地され、コレクタがダイオードD3を介して電圧検出端子36に接続されているとともに、抵抗R16を介して基準電圧Vrefに接続され、ベースが抵抗R17に接続されているとともに、ツェナーダイオードZD4、抵抗R18を介してコンデンサC5の一端側に接続されている。
【0054】
NPNトランジスタ66は、電源スイッチ26の投入に伴って基準電圧Vrefが生成されて、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオンになって、バイパス回路18によるバイパス動作が開始されたときには、NPNトランジスタ64と同様にオフ状態にある。このとき、基準電圧Vrefが抵抗R16、ダイオードD3を介して電圧検出端子36に印加され、ダイオードD3が導通状態となる。この結果、電圧検出端子36には、制御回路16の基準電圧44の2倍以上の電圧が印加され、制御回路16のNMOSトランジスタ22がオフとなって、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作が停止される。この後、コンデンサC5に電荷が蓄積されていく充電過程で、コンデンサC5の両端電圧が、スイッチング動作開始用の規定電圧=(NPNトランジスタ66のVBE)+(ツェナーダイオードZD4のツェナー電圧)を超えたときに、NPNトランジスタ66がオンになる。この場合、ツェナーダイオードZD4のツェナー電圧<ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧に設定されているので、NPNトランジスタ64がオンになる前(バイパス回路18によるバイパス動作期間が経過する前)に、NPNトランジスタ66がオンになる。NPNトランジスタ66がオンになると、ダイオードD3が非道通状態となって、電圧検出端子36には、ハロゲンバルブ20の両端電圧を抵抗R1、R2で分圧した電圧が生じ、この電圧に従って、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作が開始される。この後、コンデンサC5の両端電圧が、バイパス動作停止用の規定電圧=(NPNトランジスタ64のVBE)+(ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧)を超えると、NPNトランジスタ64がオンになる。NPNトランジスタ64がオンになると、制御端子62がNPNトランジスタ64を介して接地され、NPNトランジスタ56がオフになるとともに、PMOSトランジスタ54がオフになり、バイパス回路18によるバイパス動作が停止される。
【0055】
本実施例によれば、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作期間のうち少なくとも最初の期間は、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を停止し、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作期間が経過する前に、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を開始するようにしたので、スイッチングレギュレータ12の立ち上がりに伴う影響をハロゲンバルブ20に与えるのを防止することができるとともに、バイパス回路18によるバイパス動作が終了したときに、スイッチングレギュレータ12の出力電圧が瞬時低下したり、ハロゲンバルブ20の光量が低下したりするのを防止することができる。
【0056】
また、前記各実施例において、バイパス回路18を用いるに際しては、図13に示すように、PMOSトランジスタ54のドレインと出力端子60との間にダイオードD4を挿入し、ダイオードD4のアノードをPMOSトランジスタ54のドレインに接続し、カソードを出力端子60に接続する構成を採用することができる。
【0057】
すなわち、PMOSトランジスタ54のソース・ドレイン間に寄生ダイオードD2があるので、そのままでは、出力端子60から寄生ダイオードD2を介して入力端子58に逆方向電流が流れる虞があるが、逆流防止手段としてのダイオードD4をPMOSトランジスタ54のドレインと出力端子60との間に挿入することで、バイパス回路18に逆方向電流が流れるのをダイオードD4によって阻止することができる。
【0058】
なお、ダイオードD4の代わりに、電圧ドロップの低いスイッチ素子、例えば、MOSトランジスタ等を用い、このスイッチ素子を必要なタイミングのみ導通させるようにすることもできる。
【0059】
次に、バイパス手段の他の実施例を図14に従って説明する。本実施例は、バイパス手段として、バイパス回路18の代わりに、電圧クランプ回路21を用いたものである。
【0060】
電圧クランプ回路21は、NPNトランジスタ68、70、72、ツェナーダイオードZD5、抵抗R19、R20、R21、R22、R23、R24を備えて構成されている。NPNトランジスタ68は、コレクタが入力端子58を介して電源入力端子24に接続され、エミッタが出力端子60を介して出力端子32に接続され、ベースがNPNトランジスタ70のコレクタとツェナーダイオードZD5のカソードに接続されている。NPNトランジスタ70は、エミッタが接地され、ベースが抵抗R21、R22を介して、制御回路16の基準電圧VrefあるいはVccに接続されているとともに、抵抗R21を介してNPNトランジスタ72のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ72は位相反転用のトランジスタとして、エミッタが接地され、ベースが抵抗R24を介して制御端子62に接続されている。
【0061】
電圧クランプ回路21は、電源スイッチ26が投入され、スイッチングレギュレータ12、制御用電源14、制御回路16に電力が供給されたときに、制御端子62の電圧レベルがハイレベル(NPNトランジスタ72の閾値よりも高いレベル)になると、NPNトランジスタ72がオンになるとともに、NPNトランジスタ70がオフになる。このとき、入力端子58に入力されたバッテリ電圧が(NPNトランジスタ68のVBE)を超えると、NPNトランジスタ68がオンになり、車載バッテリ28からの入力電力(直流電力)がスイッチングレギュレータ12をバイパスして、電圧クランプ回路19からハロゲンバルブ20に直接供給される。この場合、ハロゲンバルブ20には、電圧クランプ回路21によってクランプされた電圧=(ツェナーダイオードZD5のツェナー電圧)−(NPNトランジスタ68のVBE)が印加される。
【0062】
本実施例によれば、ハロゲンバルブ20に直流電力を供給するに際して、電源スイッチ26の投入時に車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、電圧クランプ回路21からハロゲンバルブ20に直接供給するようにしたため、電源投入時に、車載バッテリ28の能力を活用してハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0063】
さらに、本実施例によれば、電圧クランプ回路21がバイパス動作を実行しているときには、ハロゲンバルブ20にクランプされた電圧を印加するようにしているため、電圧クランプ回路21によるバイパス動作期間中に、スイッチングレギュレータ12の回路素子が耐圧オーバーによって故障したり、ハロゲンバルブ20に大電流が流れたりするのを防止することができる。
【0064】
また、本実施例において、電圧クランプ回路21のバイパス動作期間を規定するために、図8、図11、図12の実施例で用いた充放電回路19を電圧クランプ回路21に接続することで、図8、図11、図12のものと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施例を示す車両用発光装置の回路構成図である。
【図2】スイッチングレギュレータの回路構成図である。
【図3】制御回路の回路構成図である。
【図4】制御回路の動作を説明するための波形図である。
【図5】制御用電源の回路構成図である。
【図6】バイパス手段の第1実施例を示す回路構成図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す車両用発光装置の要部回路構成図である。
【図8】バイパス手段の第2実施例を示す回路構成図である。
【図9】バッテリを用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図である。
【図10】定電流回路を用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図である。
【図11】バイパス手段の第3実施例を示す回路構成図である。
【図12】バイパス手段の第4実施例を示す回路構成図である。
【図13】バイパス手段の第5実施例を示す回路構成図である。
【図14】バイパス手段の第6実施例を示す電圧クランプ回路の回路構成図である。
【図15】バッテリ電圧をハロゲンバルブに印加したときの電圧−光束特性を示す特性図である。
【図16】バッテリでハロゲンバルブを点灯させたときの電圧・電流・光束の波形図である。
【図17】バッテリでハロゲンバルブを点灯させたときの電圧・電流・光束の波形図である。
【符号の説明】
【0066】
10 車両用発光装置
12 スイッチングレギュレータ
14 制御用電源
16 制御回路
18 バイパス回路
19 充放電回路
20 ハロゲンバルブ
21 電圧クランプ回路
22 NMOSトランジスタ
54 PMOSトランジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントを有するフィラメント光源を駆動するための車両用発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィラメント光源としては、白熱バルブやハロゲンバルブ(ハロゲンランプ)が知られている。これらフィラメント光源は、通電時に突入電流が流れると、寿命が低下するので、通電開始時に、白熱バルブに対して電圧の印加・非印加を交互に繰り返して、突入電流を低減するようにしたものや、スイッチング電源を発熱電球用定電流定電圧電源として構成し、この電源で定電流動作と定電圧動作を同時に行って、白熱電球の点灯時の突入電流を抑制するようにしたものが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
一方、ハロゲンバルブにバッテリ電圧を印加すると、図15に示すように、バッテリ電圧の増加に応じて光束が増加する電圧−光束特性Aを示す。このため、バッテリ電圧を直接ハロゲンバルブに印加すると、バッテリ電圧が上昇した場合、光束が増大すると同時にハロゲンバルブに大きな電圧が印加され、特に、定格電圧よりも高い電圧がハロゲンバルブに印加されたときには、ハロゲンバルブの寿命低下や故障が懸念される。逆に、バッテリ電圧が定格電圧よりも低下したときには、定格以下の光束となり、自動車用光源としての安全性の確保が困難になる。また、バッテリ電圧が急変すると、それに応じて光束も変動し、運転者に幻惑を与える虞がある。そこで、バッテリ電圧を昇降圧可能な安定化電源として、スイッチングレギュレータを用い、このスイッチングレギュレータを介してハロゲンバルブに電圧を印加し、図15の特性Bで示すように、ハロゲンバルブに常に一定の電圧を印加する構成が考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−165012号公報(第6頁から第8頁、図2、図3)
【特許文献2】特開平8−241133号公報 (第3頁から第5頁、図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、スイッチングレギュレータを用いても、ハロゲンバルブに常に一定の電圧を供給するには、大電力を出力可能なものが必要となり、コストアップとなる。すなわち、バッテリをハロゲンバルブに直接接続すると、バッテリとハロゲンバルブ間のワイヤーハーネスのインピーダンスにもよるが、図16に示すように、点灯開始時に、30A以上のピーク電流が流れ、そのときの電力は400W以上になることがある。また、点灯開始から50ms後においても、10A以上の電流が流れており、そのときの電力は150W近くになる。これだけの大電力をハロゲンバルブに投入しても、ハロゲンバルブの光束の立ち上がりは、図17に示すように、点灯開始から200ms後で約50%であり、300ms後でやっと90%以上になる。一方、光束が90%以上となる定常状態における電力は60W程度である。このように、ハロゲンバルブは、定常状態では60W程度の電力を消費するだけで済むが、点灯開始時には数百W以上の電力を必要とするため、ハロゲンバルブを駆動するスイッチングレギュレータとしては、瞬間的には数百W以上の電力を出力可能なものが必要となり、スイッチングレギュレータの大型化とコストアップが余儀なくされる。
【0006】
また、定電流回路を用いてハロゲンバルブを点灯した場合、点灯開始から約0.8秒間は全く発光せず、1.5秒後に光束が定格に到達することがあり、定電流回路としてのみ機能し、出力能力のないスイッチングレギュレータでは、商品性や安全性を満たすことができなくなる。
【0007】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、電源投入時に直流電源の能力を活用してフィラメント光源に直流電力を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に係る車両用発光装置は、フィラメントを有する光源と、直流電源からの入力電力を安定化し、安定化された直流電力を前記フィラメント光源に供給する電力供給制御手段と、前記直流電源の投入時に前記直流電源からの入力電力を前記電力供給制御手段をバイパスさせて前記フィラメント光源に供給するバイパス手段とを備えた構成とした。
【0009】
(作用)フィラメント光源に直流電力を供給するに際して、直流電源の投入時に直流電源からの入力電力を電力供給制御手段をバイパスさせてフィラメント光源に供給し、その後、電力供給制御手段によって安定化された直流電力をフィラメント電源に供給するようにしたため、電源投入時に直流電源の能力を活用してフィラメント光源に直流電力を供給することができ、電力供給制御手段の電力容量および出力能力を小さくしても、フィラメント光源の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0010】
請求項2に係る車両用発光装置においては、請求項1に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源が安定点灯した以降は動作を停止させてなる構成とした。
【0011】
(作用)電力供給制御手段が起動したときから、フィラメント光源が安定点灯するまでは直流電源からの入力電力をバイパス手段を介してフィラメント光源に供給し、それ以降バイパス手段の動作を停止させるようにしたため、直流電源の機能と電力供給制御手段の機能を有効に活用して、フィラメント光源に直流電力を供給することができる。すなわち、バイパス手段を用いて直流電源からの入力電力をフィラメント光源に供給する時間が電力供給制御手段の立ち上がり期間に比べて長すぎると、電源電圧(バッテリ電圧)の変動の影響を受け、電源電圧の変化に応じてフィラメント光源の印加電圧や光束が変化し、電力供給制御手段を設けた意味がなくなる。従って、電力供給制御手段が起動したときから、フィラメント光源が安定点灯するまでは、少なくとも直流電源からの入力電力をバイパス手段を介してフィラメント光源に供給し、それ以降バイパス手段の動作を停止させることで、電力供給制御手段の電力容量および出力能力を小さくしても、フィラメント光源の光束の立ち上がりを速くすることができることになる。
【0012】
請求項3に係る車両用発光装置においては、請求項2に記載の車両用発光装置において、前記電力供給制御手段は、前記バイパス手段が動作している期間のうち少なくとも初期の期間中は前記フィラメント光源に対して直流電力を供給するための動作を停止してなる構成とした。
【0013】
(作用)電力供給制御手段が、バイパス手段が動作している期間のうち少なくとも初期の期間中はフィラメント光源に対して直流電力を供給するための動作を停止することで、電力供給制御手段の立ち上がりに伴う影響をフィラメント光源に与えるのを防止できる。
【0014】
請求項4に係る車両用発光装置においては、請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記直流電源からの入力電圧を規定の電圧にクランプして出力する電圧クランプ回路を備えた構成とした。
【0015】
(作用)バイパス手段を電圧クランプ回路で構成すると、直流電源の出力電圧が定格電圧よりも高くなっても、電圧クランプ回路によって規定の電圧にクランプされ、フィラメント光源には規定の電圧が印加されるので、過電圧あるいは過電流からフィラメント光源を保護することができる。
【0016】
請求項5に係る車両用発光装置においては、請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源の消灯時間を計測する時間計測手段を備え、前記フィラメント光源の消灯時間が短いほど前記バイパス動作時間を短くする構成とした。
【0017】
(作用)フィラメント光源の消灯時間を計測し、フィラメント光源の消灯時間が短いほどバイパス手段によるバイパス動作時間を短くするようにしたため、電源スイッチが開放した後、再び投入されるまでの消灯時間が短い程、バイパス手段によるバイパス動作時間を短くすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る車両用発光装置によれば、フィラメント光源の光束の立ち上がりを速くすることができるとともに、装置の小型化及びコスト低減に寄与することができる。
【0019】
請求項2によれば、直流電源の機能と電力供給制御手段の機能を有効に活用して、フィラメント光源に直流電力を供給することができる。
【0020】
請求項3によれば、電力供給制御手段の立ち上がりに伴う影響をフィラメント光源に与えるのを防止できる。
【0021】
請求項4によれば、過電圧あるいは過電流からフィラメント光源を保護することができる。
【0022】
請求項5によれば、電源スイッチが開放した後、再び投入されるまでの消灯時間が短い程、バイパス手段によるバイパス動作時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態を実施例に従って説明する。図1は、本発明の第1実施例を示す車両用発光装置の回路構成図、図2は、スイッチングレギュレータの回路構成図、図3は、制御回路の回路構成図、図4は、制御回路の動作を説明するための波形図、図5は、制御用電源の回路構成図、図6は、バイパス手段の第1実施例を示す回路構成図、図7は、本発明の第2実施例を示す車両用発光装置の要部回路構成図、図8は、バイパス手段の第2実施例を示す回路構成図、図9は、バッテリを用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図、図10は、定電流回路を用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図、図11は、バイパス手段の第3実施例を示す回路構成図、図12は、バイパス手段の第4実施例を示す回路構成図、図13は、バイパス手段の第5実施例を示す回路構成図、図14は、バイパス手段の第6実施例を示す電圧クランプ回路の回路構成図である。
【0024】
これらの図において、車両用灯具を構成する車両用発光装置10は、図1に示すように、点灯制御装置として、スイッチングレギュレータ12、制御用電源14、制御回路16、バイパス回路18、抵抗R1、R2を備えて構成されており、スイッチングレギュレータ12には、フィラメントを有するフィラメント光源としてのハロゲンバルブ(ハロゲンランプ)20が接続されている。
【0025】
ハロゲンバルブ20としては、互いに直列に接続された複数個のものを用いたり、互いに直列に接続された複数個のものを光源ブロックとして、複数個の光源ブロックを並列接続したものを用いたりすることもできる。また、ハロゲンバルブ20は、ヘッドランプ、ストップ&テールランプ、フォグランプ、ターンシグナルランプなどの各種車両用灯具の光源として構成することができる。
【0026】
スイッチングレギュレータ12は、図2に示すように、トランスT1、コンデンサC1、NMOSトランジスタ22、ダイオードD1、コンデンサC2を備えて構成されている。トランスT1の一次側にはコンデンサC1が並列に接続されていると共に、NMOSトランジスタ22が直列に接続されている。コンデンサC1の一端側は電源入力端子24、電源スイッチ26を介して車載バッテリ(直流電源)28のプラス端子に接続され、他端側は電源入力端子30を介して車載バッテリ28のマイナス端子に接続されていると共に、接地されている。NMOSトランジスタ22はドレインがトランスT1の一次側に接続され、ソースが接地され、ゲートが制御回路16に接続されている。トランスT1の二次側にはダイオードD1を介してコンデンサC2が並列に接続されており、ダイオードD1とコンデンサC2との接続点は、出力端子32を介してハロゲンバルブ20の一端側に接続されるようになっている。トランスT1の二次側の一端側は、コンデンサC2の一端側と共に接地され、出力端子34を介してハロゲンバルブ20の他端側に接続されるようになっている。出力端子32と接地間には抵抗R1、R2が挿入されており、抵抗R1、R2は、出力端子32と接地間の電圧を分圧し、分圧によって得られた電圧を、電圧検出端子36を介して制御回路16にフィードバックするようになっている。
【0027】
NMOSトランジスタ22は、制御回路16から出力されるオンオフ信号(スイッチング信号)に応答してオンオフ動作するスイッチング素子として構成されている。NMOSトランジスタ22がオン動作したときには、車載バッテリ28からの入力電圧が電磁エネルギーとしてトランスT1に蓄積され、NMOSトランジスタ22のオフ動作時に、トランスT1に蓄積された電磁エネルギーが発光エネルギーとしてトランスT1の二次側からダイオードD1を介してハロゲンバルブ20に放出されるようになっている。
【0028】
この場合、スイッチングレギュレータ12と制御回路16は、車載バッテリ28からの入力電力を安定化し、安定化された直流電力をハロゲンバルブ20に供給する電力供給制御手段として構成されており、制御回路16は、安定化されて直流電力をスイッチングレギュレータ12からハロゲンバルブ20に供給するために、電圧検出端子36の電圧と規定の電圧とを比較し、この比較結果に応じてスイッチングレギュレータ12の出力電流を制御するように構成されている。
【0029】
具体的には、スイッチングレギュレータ12を制御するための制御回路16は、図3に示すように、コンパレータ38、エラーアンプ40、ノコギリ波発生器42、基準電圧44、抵抗R3、R5、コンデンサC3を備えて構成されている。コンパレータ38の出力端子46はNMOSトランジスタ22のゲートに直接或いは電流増幅用のプリアンプ(図示せず)を介して接続されており、抵抗R3の一端に接続された入力端子48は電圧検出端子36に接続されている。入力端子48には電圧検出端子36からフィードバックされる電圧が印加されるようになっており、抵抗R3を介してエラーアンプ40の負入力端子に印加するようになっている。エラーアンプ40は、負入力端子に印加された電圧と基準電圧44との差に応じた電圧を閾値Vthとして、コンパレータ38の正入力端子に出力するようになっている。コンパレータ38は、ノコギリ波発生器42から負入力端子にノコギリ波Vsを取り込み、このノコギリ波Vsと閾値Vthとを比較し、この比較結果に応じたオンオフ信号をNMOSトランジスタ22のゲートに出力するようになっている。
【0030】
例えば、図4(a)、(b)に示すように、閾値Vthのレベルがノコギリ波Vsのほぼ中間にあるときにはオンデューティがほぼ50%のオンオフ信号を出力するようになっている。一方、スイッチングレギュレータ12の出力電圧が減少したことに伴って、電圧検出端子36からフィードバックされる電圧のレベルが基準電圧44よりも低くなったときには、エラーアンプ40の出力による閾値Vthのレベルが高くなり、図4(c)、(d)に示すように、コンパレータ38からは、オンデューティが50%よりも高いオンデューティのオンオフ信号が出力される。この結果、スイッチングレギュレータ12の出力電圧は増加することになる。
【0031】
逆に、スイッチングレギュレータ12の出力電圧が増加することに伴って、電圧検出端子36からフィードバックされる電圧のレベルが基準電圧44よりも高くなり、エラーアンプ40の出力による閾値Vthのレベルが低下したときには、図4(e)、(f)に示すように、コンパレータ38からは、オンデューティが50%よりも低いオンオフ信号が出力される。この結果、スイッチングレギュレータ12の出力電圧は減少する。なお、ノコギリ波発生器42の代わりに、三角波(三角波信号)を発生する三角波発生器を用いることもできる。
【0032】
また、制御回路16には、制御用電源14から電力が供給されるようになっており、制御用電源14は、図5に示すように、シリーズレギュレータとして、NPNトランジスタ50、抵抗R6、ツェナーダイオードZD1、コンデンサC4を備えて構成されている。NPNトランジスタ50は、コレクタが電源入力端子24を介して電源スイッチ26に接続され、エミッタが出力端子52を介して制御回路16に接続されている。NPNトランジスタ50は、電源入力端子24から電源電圧が印加されたときに、ツェナーダイオードZD1の両端に生じるツェナー電圧に応じた電圧をエミッタから出力端子52を介して、制御回路16に出力するようになっている。
【0033】
一方、バイパス回路18は、図6に示すように、PMOSトランジスタ54、NPNトランジスタ56、ツェナーダイオードZD2、抵抗R7、R8、R9、R10を備えて構成されている。尚、D2は寄生ダイオードである。PMOSトランジスタ54は、バイパス動作を実行するスイッチ素子として、ソースが入力端子58を介して電源入力端子24に接続され、ドレインが出力端子60を介して出力端子32に接続され、ゲートが抵抗R8を介してNPNトランジスタ56のコレクタに接続されており、ソース・ゲート間に耐圧(10V程度)を確保するためのツェナーダイオードZD2が並列接続されている。NPNトランジスタ56は、エミッタが接地され、ベースが抵抗R10、制御端子62を介して、制御回路16に接続されている。
【0034】
バイパス回路18は、直流電源の投入または開放を制御する電源スイッチ26が投入され、スイッチングレギュレータ12、制御用電源14、制御回路16に電力が供給されたときに、制御端子62の電圧レベルがハイレベル(NPNトランジスタ56の閾値よりも高いレベル)とされ、NPNトランジスタ56がオンになるとともに、PMOSトランジスタ54がオンになり、PMOSトランジスタ54のバイパス動作の開始に伴って、車載バッテリ28からの入力電力(直流電力)をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、ハロゲンバルブ20に直接供給するバイパス手段として構成されている。すなわち、バイパス回路18は、電源スイッチ26の投入に伴って、スイッチングレギュレータ12が起動し、その出力電流(出力電力)が安定化領域に移行するときに、車載バッテリ28からの入力電力(直流電力)をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、ハロゲンバルブ20に直接供給するようになっている。
【0035】
本実施例によれば、ハロゲンバルブ20に直流電力を供給するに際して、電源スイッチ26の投入時に車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、バイパス回路18からハロゲンバルブ20に直接供給し、その後、スイッチングレギュレータ12によって安定化された直流電力をハロゲンバルブ20に供給するようにしたため、電源投入時に、車載バッテリ28の能力を活用してハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0036】
車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせるに際しては、図7に示すように、バイパス回路18の入力端子58をトランスT1の一次側巻線とNMOSトランジスタ22のドレインとの接続点に接続する構成を採用することもできる。この場合、バイパス回路18がバイパス動作したときの電流の経路は、電源入力端子24→トランスT1の一次側巻線→バイパス回路18→ハロゲンバルブ20となる。
【0037】
次に、バイパス手段の第2実施例を図8に従って説明する。本実施例は、バイパス手段として、バイパス回路18の他に、バイパス回路18のバイパス動作時間を規定するための要素として、充放電回路19を付加したものであり、他の構成は、第1実施例のものと同様である。
【0038】
具体的には、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作時間を規定するための充放電回路19は、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54のオフ動作を規定するための要素として、NPNトランジスタ64、ツェナーダイオードZD3、コンデンサC5、抵抗R11、R12、R13、R14、R15が設けられている。NPNトランジスタ64は、エミッタが接地され、コレクタが制御端子62に接続されているとともに、抵抗R11を介してVrefに接続され、ベースが抵抗R12に接続されているとともに、ツェナーダイオードZD3、抵抗R13を介してコンデンサC5の一端側に接続されている。
【0039】
NPNトランジスタ64は、電源スイッチ26の投入に伴ってVrefが生成されて、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオン(導通状態)になって、バイパス回路18によるバイパス動作が開始されたときには、オフ状態にある。この後、NPNトランジスタ64は、コンデンサC5に電荷が蓄積されていく充電過程で、コンデンサC5の両端電圧が、バイパス動作停止用の規定電圧=(NPNトランジスタ64のVBE)+(ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧)を超えたときに、オンになる。NPNトランジスタ64がオンになると、制御端子62がNPNトランジスタ64を介して接地され、NPNトランジスタ56がオフになるとともに、PMOSトランジスタ54がオフ(非道通状態)になり、バイパス回路18によるバイパス動作が停止されることになる。NPNトランジスタ64がオンになるタイミングは、抵抗R14とコンデンサC5から定まる時定数(充電時定数)と前記規定電圧によって決定され、これらが決定されると、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作時間が規定されることになる。このバイパス動作時間としては、スイッチングレギュレータ12が起動したときから、ハロゲンバルブ20が安定点灯するまでの時間であって、例えば、200ms〜500msに設定することができる。
【0040】
本実施例によれば、スイッチングレギュレータ12が起動したときから、ハロゲンバルブ20が安定点灯するまでは、車載バッテリ28からの入力電力をバイパス回路18を介してハロゲンバルブ20に供給し、ハロゲンバルブ20が安定点灯した以降はバイパス回路18の動作を停止するようにしたため、車載バッテリ28の機能とスイッチングレギュレータ12の機能を有効に活用して、ハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0041】
すなわち、バイパス回路18を用いて車載バッテリ28からの入力電力をハロゲンバルブ20に供給する時間がスイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間に比べて長すぎると、電源電圧(バッテリ電圧)の変動の影響を受け、電源電圧の変化に応じてハロゲンバルブ20の印加電圧や光束が変化し、スイッチングレギュレータ12を設けた意味がなくなる。従って、スイッチングレギュレータ12が起動したときから、ハロゲンバルブ20が安定点灯するまでは、少なくとも車載バッテリ28からの入力電力をバイパス回路18を介してハロゲンバルブ20に供給し、それ以降は、バイパス回路18の動作を停止することで、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができることになる。
【0042】
本実施例においては、コンデンサC5への充電を基準電圧Vrefから行っているが、基準電圧Vrefの代わりに、電源入力端子24に印加される入力電圧を用いることができる。この場合、電源入力端子24に印加される入力電圧の高さ(レベル)によってスイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間を調整することができる。すなわち、電源入力端子24に印加される入力電圧が高くなれば、コンデンサC5への充電が速くなり、バイパス回路18によるバイパス動作時間が短くなる。逆に、電源入力端子24に印加される入力電圧が低くなれば、コンデンサC5への充電が遅くなり、長い期間バイパス回路18からの入力電圧をハロゲンバルブ20に印加することができ、光束の立ち上がりをより一層促進させることができる。
【0043】
また、抵抗R14とコンデンサC5は、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54のオフ動作を規定するための時定数であって、コンデンサC5の充電時における充電時定数として用いられているが、抵抗R14とコンデンサC5は、抵抗R15とともに、コンデンサC5の放電時(電源スイッチ26の開放時)における放電時定数として用いられている。この放電時定数をハロゲンバルブ20の消灯時間、すなわち、電源スイッチ26の開放時間を考慮して設定すると、例えば、短い消灯時間(電源スイッチ26が開放した後、再び投入されるまでの時間)であれば、消灯時間が長いときよりもコンデンサC5の放電も少なく、再点灯時に直ぐにコンデンサC5の電圧が上昇し、バイパス回路18によるバイパス動作を即座に停止させることができる。つまり、コンデンサC5の充電時定数と放電時定数を規定する要素をコンデンサC5の充放電時間を計測する手段として用いるとともに、ハロゲンバルブ20の消灯時間を計測する時間計測手段として用い、時間計測手段の計測結果に従ってNPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54をオフ動作させることで、電源スイッチ26が開放した後、再び投入されるまでの消灯時間が短い程、バイパス回路18によるバイパス動作時間とスイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間を短くすることができ、速やかに定電流制御することができる。
【0044】
なお、ハロゲンバルブ20の消灯時間を計測する時間計測手段としては、抵抗、コンデンサを含む時定数回路の他に、電源スイッチ26の開放に応答して計時を開始し、電源スイッチ26が再び投入されるまでの時間を計測する計測手段をマイコンなどを用いて構成することができる。
【0045】
図9に、車載バッテリ28の出力電圧を直接ハロゲンバルブ20に印加し、短い消灯時間でハロゲンバルブ20を再点灯させたときの光束L1、電流I1および電圧V1の波形を示す。図10には、定電流回路を用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブ20を再点灯させたときの光束L2、電流I2および電圧V2の波形を示す。
【0046】
図9と図10から、定電流回路を用いてハロゲンバルブ20を点灯しても、光束L2の立ち上がりは、ハロゲンバルブ20を車載バッテリ28で直接点灯させた場合の光束L1の立ち上がり特性に近づくので、短い消灯時間であれば、定電流回路として機能するスイッチングレギュレータ12を用いても、バイパスさせる期間を短くしても良いといえる。
【0047】
次に、バイパス手段の第3実施例を図11に従って説明する。本実施例は、第2実施例のバイパス手段に、バイパス回路18によるバイパス動作期間中は、スイッチングレギュレータ12の動作を停止するための要素を充放電回路19に付加したものであり、他の構成は、第2実施例のものと同様である。
【0048】
具体的には、制御回路16の電圧検出端子36と充放電回路19の出力側に接続された制御端子62との間にダイオードD3が挿入されており、ダイオードD3のカソードが抵抗R1と抵抗R2との接続点および電圧検出端子36に接続され、アノードが制御端子62とNPNトランジスタ64のコレクタに接続されている。
【0049】
電源スイッチ26の投入に伴って基準電圧Vrefが生成されて、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオンになって、バイパス回路18によるバイパス動作が開始されると、基準電圧Vrefが抵抗R11、ダイオードD3を介して電圧検出端子36に印加され、ダイオードD3が導通状態となる。このとき、電圧検出端子36に印加される電圧は、例えば、制御回路16の基準電圧44の2倍以上に設定されているので、この電圧が、電圧検出端子36から制御回路16の入力端子48にフィードバックされると、エラーアンプ40の出力による閾値Vthのレベルがノコギリ波Vsのレベルよりも低下し、コンパレータ38からは、オンデューティが0%のオンオフ信号、すなわちオフ信号が出力され、NMOSトランジスタ22がオフとなって、スイッチングレギュレータ12の動作が即座に停止される。すなわち、スイッチングレギュレータ12は、バイパス回路18のバイパス動作の開始とともに、スイッチング動作が停止されることになる。
【0050】
一方、バイパス回路18によるバイパス動作が開始された後、スイッチングレギュレータ12の立ち上がり期間が経過してハロゲンバルブ20が安定点灯すると、コンデンサC5の充電電圧の上昇に伴ってNPNトランジスタ64がオンになるとともに、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオフになって、バイパス回路18によるバイパス動作が停止され、ダイオードD3が非道通状態となる。このとき、電圧検出端子36には、ハロゲンバルブ20の両端電圧を抵抗R1、R2で分圧した電圧(バイパス動作開始時における電圧よりも低い電圧)が生じ、この電圧に従って、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作が開始される。
【0051】
本実施例によれば、スイッチングレギュレータ12の起動時に、バイパス回路18がバイパス動作する間は、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を停止するようにしたので、スイッチングレギュレータ12の立ち上がりに伴う影響をハロゲンバルブ20に与えるのを防止することができる。
【0052】
次に、バイパス手段の第4実施例を図12に従って説明する。本実施例は、第3実施例の充放電回路19に、バイパス回路18によるバイパス動作期間(バイパス回路18が動作している期間)のうち少なくとも最初の期間は、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を停止し、バイパス動作期間が経過する前に、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を開始するための要素を付加したものであり、他の構成は、第3実施例のものと同様である。
【0053】
具体的には、充放電回路19には、バイパス回路18がバイパス動作する時間を規定するための要素(NPNトランジスタ64、ツェナーダイオードZD3、コンデンサC5、抵抗R11、R12、R13、R14、R15)の他に、バイパス回路18がバイパス動作する期間が経過する前に、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を開始するための要素として、NPNトランジスタ66、ダイオードD3、ツェナーダイオードZD4、抵抗R16、R17、R18が設けられている。NPNトランジスタ66は、エミッタが接地され、コレクタがダイオードD3を介して電圧検出端子36に接続されているとともに、抵抗R16を介して基準電圧Vrefに接続され、ベースが抵抗R17に接続されているとともに、ツェナーダイオードZD4、抵抗R18を介してコンデンサC5の一端側に接続されている。
【0054】
NPNトランジスタ66は、電源スイッチ26の投入に伴って基準電圧Vrefが生成されて、NPNトランジスタ56とPMOSトランジスタ54がオンになって、バイパス回路18によるバイパス動作が開始されたときには、NPNトランジスタ64と同様にオフ状態にある。このとき、基準電圧Vrefが抵抗R16、ダイオードD3を介して電圧検出端子36に印加され、ダイオードD3が導通状態となる。この結果、電圧検出端子36には、制御回路16の基準電圧44の2倍以上の電圧が印加され、制御回路16のNMOSトランジスタ22がオフとなって、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作が停止される。この後、コンデンサC5に電荷が蓄積されていく充電過程で、コンデンサC5の両端電圧が、スイッチング動作開始用の規定電圧=(NPNトランジスタ66のVBE)+(ツェナーダイオードZD4のツェナー電圧)を超えたときに、NPNトランジスタ66がオンになる。この場合、ツェナーダイオードZD4のツェナー電圧<ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧に設定されているので、NPNトランジスタ64がオンになる前(バイパス回路18によるバイパス動作期間が経過する前)に、NPNトランジスタ66がオンになる。NPNトランジスタ66がオンになると、ダイオードD3が非道通状態となって、電圧検出端子36には、ハロゲンバルブ20の両端電圧を抵抗R1、R2で分圧した電圧が生じ、この電圧に従って、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作が開始される。この後、コンデンサC5の両端電圧が、バイパス動作停止用の規定電圧=(NPNトランジスタ64のVBE)+(ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧)を超えると、NPNトランジスタ64がオンになる。NPNトランジスタ64がオンになると、制御端子62がNPNトランジスタ64を介して接地され、NPNトランジスタ56がオフになるとともに、PMOSトランジスタ54がオフになり、バイパス回路18によるバイパス動作が停止される。
【0055】
本実施例によれば、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作期間のうち少なくとも最初の期間は、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を停止し、バイパス回路18がバイパス動作するバイパス動作期間が経過する前に、スイッチングレギュレータ12のスイッチング動作を開始するようにしたので、スイッチングレギュレータ12の立ち上がりに伴う影響をハロゲンバルブ20に与えるのを防止することができるとともに、バイパス回路18によるバイパス動作が終了したときに、スイッチングレギュレータ12の出力電圧が瞬時低下したり、ハロゲンバルブ20の光量が低下したりするのを防止することができる。
【0056】
また、前記各実施例において、バイパス回路18を用いるに際しては、図13に示すように、PMOSトランジスタ54のドレインと出力端子60との間にダイオードD4を挿入し、ダイオードD4のアノードをPMOSトランジスタ54のドレインに接続し、カソードを出力端子60に接続する構成を採用することができる。
【0057】
すなわち、PMOSトランジスタ54のソース・ドレイン間に寄生ダイオードD2があるので、そのままでは、出力端子60から寄生ダイオードD2を介して入力端子58に逆方向電流が流れる虞があるが、逆流防止手段としてのダイオードD4をPMOSトランジスタ54のドレインと出力端子60との間に挿入することで、バイパス回路18に逆方向電流が流れるのをダイオードD4によって阻止することができる。
【0058】
なお、ダイオードD4の代わりに、電圧ドロップの低いスイッチ素子、例えば、MOSトランジスタ等を用い、このスイッチ素子を必要なタイミングのみ導通させるようにすることもできる。
【0059】
次に、バイパス手段の他の実施例を図14に従って説明する。本実施例は、バイパス手段として、バイパス回路18の代わりに、電圧クランプ回路21を用いたものである。
【0060】
電圧クランプ回路21は、NPNトランジスタ68、70、72、ツェナーダイオードZD5、抵抗R19、R20、R21、R22、R23、R24を備えて構成されている。NPNトランジスタ68は、コレクタが入力端子58を介して電源入力端子24に接続され、エミッタが出力端子60を介して出力端子32に接続され、ベースがNPNトランジスタ70のコレクタとツェナーダイオードZD5のカソードに接続されている。NPNトランジスタ70は、エミッタが接地され、ベースが抵抗R21、R22を介して、制御回路16の基準電圧VrefあるいはVccに接続されているとともに、抵抗R21を介してNPNトランジスタ72のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ72は位相反転用のトランジスタとして、エミッタが接地され、ベースが抵抗R24を介して制御端子62に接続されている。
【0061】
電圧クランプ回路21は、電源スイッチ26が投入され、スイッチングレギュレータ12、制御用電源14、制御回路16に電力が供給されたときに、制御端子62の電圧レベルがハイレベル(NPNトランジスタ72の閾値よりも高いレベル)になると、NPNトランジスタ72がオンになるとともに、NPNトランジスタ70がオフになる。このとき、入力端子58に入力されたバッテリ電圧が(NPNトランジスタ68のVBE)を超えると、NPNトランジスタ68がオンになり、車載バッテリ28からの入力電力(直流電力)がスイッチングレギュレータ12をバイパスして、電圧クランプ回路19からハロゲンバルブ20に直接供給される。この場合、ハロゲンバルブ20には、電圧クランプ回路21によってクランプされた電圧=(ツェナーダイオードZD5のツェナー電圧)−(NPNトランジスタ68のVBE)が印加される。
【0062】
本実施例によれば、ハロゲンバルブ20に直流電力を供給するに際して、電源スイッチ26の投入時に車載バッテリ28からの入力電力をスイッチングレギュレータ12をバイパスさせて、電圧クランプ回路21からハロゲンバルブ20に直接供給するようにしたため、電源投入時に、車載バッテリ28の能力を活用してハロゲンバルブ20に直流電力を供給することができ、スイッチングレギュレータ12の電力容量および出力能力を小さくしても、ハロゲンバルブ20の光束の立ち上がりを速くすることができ、装置の小型化及びコスト低減に寄与することが可能になる。
【0063】
さらに、本実施例によれば、電圧クランプ回路21がバイパス動作を実行しているときには、ハロゲンバルブ20にクランプされた電圧を印加するようにしているため、電圧クランプ回路21によるバイパス動作期間中に、スイッチングレギュレータ12の回路素子が耐圧オーバーによって故障したり、ハロゲンバルブ20に大電流が流れたりするのを防止することができる。
【0064】
また、本実施例において、電圧クランプ回路21のバイパス動作期間を規定するために、図8、図11、図12の実施例で用いた充放電回路19を電圧クランプ回路21に接続することで、図8、図11、図12のものと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施例を示す車両用発光装置の回路構成図である。
【図2】スイッチングレギュレータの回路構成図である。
【図3】制御回路の回路構成図である。
【図4】制御回路の動作を説明するための波形図である。
【図5】制御用電源の回路構成図である。
【図6】バイパス手段の第1実施例を示す回路構成図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す車両用発光装置の要部回路構成図である。
【図8】バイパス手段の第2実施例を示す回路構成図である。
【図9】バッテリを用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図である。
【図10】定電流回路を用いて、短い消灯時間でハロゲンバルブを再点灯させたときの光束・電流・電圧の波形図である。
【図11】バイパス手段の第3実施例を示す回路構成図である。
【図12】バイパス手段の第4実施例を示す回路構成図である。
【図13】バイパス手段の第5実施例を示す回路構成図である。
【図14】バイパス手段の第6実施例を示す電圧クランプ回路の回路構成図である。
【図15】バッテリ電圧をハロゲンバルブに印加したときの電圧−光束特性を示す特性図である。
【図16】バッテリでハロゲンバルブを点灯させたときの電圧・電流・光束の波形図である。
【図17】バッテリでハロゲンバルブを点灯させたときの電圧・電流・光束の波形図である。
【符号の説明】
【0066】
10 車両用発光装置
12 スイッチングレギュレータ
14 制御用電源
16 制御回路
18 バイパス回路
19 充放電回路
20 ハロゲンバルブ
21 電圧クランプ回路
22 NMOSトランジスタ
54 PMOSトランジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメントを有する光源と、直流電源からの入力電力を安定化し、安定化された直流電力を前記フィラメント光源に供給する電力供給制御手段と、前記直流電源の投入時に前記直流電源からの入力電力を前記電力供給制御手段をバイパスさせて前記フィラメント光源に供給するバイパス手段とを備えてなる車両用発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源が安定点灯した以降は動作を停止させることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用発光装置において、前記電力供給制御手段は、前記バイパス手段が動作している期間のうち少なくとも初期の期間中は前記フィラメント光源に対して直流電力を供給するための動作を停止してなることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項4】
請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記直流電源からの入力電圧を規定の電圧にクランプして出力する電圧クランプ回路を備えてなることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項5】
請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源の消灯時間を計測する時間計測手段を備え、前記フィラメント光源の消灯時間が短いほど前記バイパス動作時間を短くすることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項1】
フィラメントを有する光源と、直流電源からの入力電力を安定化し、安定化された直流電力を前記フィラメント光源に供給する電力供給制御手段と、前記直流電源の投入時に前記直流電源からの入力電力を前記電力供給制御手段をバイパスさせて前記フィラメント光源に供給するバイパス手段とを備えてなる車両用発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源が安定点灯した以降は動作を停止させることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用発光装置において、前記電力供給制御手段は、前記バイパス手段が動作している期間のうち少なくとも初期の期間中は前記フィラメント光源に対して直流電力を供給するための動作を停止してなることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項4】
請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記直流電源からの入力電圧を規定の電圧にクランプして出力する電圧クランプ回路を備えてなることを特徴とする車両用発光装置。
【請求項5】
請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の車両用発光装置において、前記バイパス手段は、前記フィラメント光源の消灯時間を計測する時間計測手段を備え、前記フィラメント光源の消灯時間が短いほど前記バイパス動作時間を短くすることを特徴とする車両用発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−203946(P2007−203946A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27053(P2006−27053)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
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