説明

車両用視認補助装置

【課題】通常の運転姿勢のまま車体前端などの車体部位を認識することを可能にするとともに、車体前端などの車体部位を停止線などの対象線に合わせることを可能にする。
【解決手段】車両10の車体部位17が平面上に投影された基準線21を、予め平坦な地面24上に描かれた対象線23に合わせるための認識線31〜33を備え、運転者28が対象線に基準線21を合わせることを補助する車両用視認補助装置30であって、認識線31〜33は、運転者28の視線29と基準線21とを含む平面S1内に、且つ車室12を含む車体11の曲面27上に又は車室12を含む車体11の少なくとも2つの異なる面25,26上に設けられるとともに、運転者28のアイポイント28aを所定の位置に設定するときに直線状に認識され、アイポイント28aを所定の状態に保った状態で、認識線31〜33と対象線23とが一直線に合わさるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車幅、前端位置若しくは後端位置などを運転者が認識しやすくする車両用視認補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者が車両の端部に関連する基準線(例えば前端)を地面上の対象線(停止線または駐車場の白線)等に合わせる場合は、運転席に着座している時の自分の視点から基準線に一致する目安(目印)を運転者が車両に任意に設定して、目安(目印)に対象線を合わせるようにしていた。
しかし、この場合には、自分の視点のズレ、目安(目印)と対象線とが一致したと判断する誤差(個人差)などによって、なかなか対象線に基準線が合わなかった。
【0003】
このような対象線に基準線を合わせるために運転者を補助する車両用視認補助装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−14720公報
【0004】
特許文献1の車両用視認補助装置は、ドアミラーに第1の目印部を設けるとともに、フロントバンパに第2の目印部を設け、これらの第1・第2の目印部を結んだ仮想延長線が地面に交差する交点が車両の前端位置になるように、第1・第2の目印部を設定したものである。
これにより、運転者が第1・第2の目印部を重ね合わせて見ることで、車両の前端位置を認識することができる。
【0005】
しかし、車両用視認補助装置では、車両外部に設けられたドアミラー及びフロントバンパに設けられた第1・第2の目印部を同時に視界に入れる必要があり、運転者が運転席からフロントドアの窓を開けて頭を車外に出してから認識する必要があった。
この場合、雨の日等では頭が濡れる恐れがあるとともに、通常の運転姿勢から移動してする必要があった。そこで、通常の運転姿勢のまま車両の前端を認識できれば、一層好ましい。
【0006】
また、車両用視認補助装置では、第1・第2の目印部を結んだ仮想延長線が地面に交差する交点、及び第1・第2の目印部は、すべて点として捕らえている。従って、車幅方向に関して車両の前端の一点は合わせることができるものの、例えば、車両の前端を通る車幅方向の線(駐車場の指示線等)など車幅外方の線に合わせることはできず、斜めに車両を駐車してしまう恐れがあった。そこで、車幅外方の線に合わせることができれば、さらに利便性が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、通常の運転姿勢のまま車体前端などの車体部位を認識することができるとともに、車体前端などの車体部位を停止線などの対象線に合わせるときの利便性の向上を図ることができる車両用視認補助装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車両の車体部位若しくは車体部位から所定の距離離れた線が平面上に投影された基準線を、予め平坦な地面上に描かれた対象線に合わせるための認識線を備え、運転者が対象線に基準線を合わせることを補助する車両用視認補助装置であって、認識線は、運転者の視線と基準線とを含む平面内に、且つ車室を含む車体の曲面上に又は車室を含む車体の少なくとも2つの異なる面上に設けられるとともに、運転者のアイポイントを所定の位置に設定するときに直線状に認識され、アイポイントを所定の状態に保った状態で、認識線と対象線とが一直線に合わさることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、2つの異なる面が、法線方向が異なることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、認識線の周囲に、アイポイントが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、車室内に、投影装置が設けられ、この投影装置によって認識線を投影することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、車両が所定の車速を下回るときから、投影装置で認識線を投影するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、認識線が、車両の車両用ミラーを通して視認されるものであり、認識線が、基準線の延長を車体のリヤウインドウに描いた延長線と、リヤウインドウの枠体下面に描かれ、所定のアイポイントのときに延長線と一直線に視認される補助線とから構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、延長線が、リヤウインドウに設けられた熱線によって形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、車両用視認補助装置は、車両の車体部位若しくは車体部位から所定の距離離れた線が平面上に投影された基準線を、予め平坦な地面上に描かれた対象線に合わせるための認識線を備え、運転者が車体前端などの車体部位(基準線)を停止線などの対象線に合わせるときの補助をする。
運転者の視線と基準線とを含む平面内に、且つ車室を含む車体の曲面上に又は車室を含む車体の少なくとも2つの異なる面上に認識線を設けている。従って、その認識線が、運転者の視点を所定の位置に設定するときに直線状に認識されるようにしたので、運転者の体格にかかわらず、運転者の視点を所定の位置に合わせることができる。
運転者のアイポイントを所定の位置に設定するときに直線状に認識され、アイポイントを所定の状態に保った状態で、認識線と対象線とが一直線に合わさるようにしたので、一般的には運転席から認識することができない車体前端などの基準線を停止線などの対象線に合わせることができる。この結果、運転者が感覚的に判断していた車体前端などを運転席から運転姿勢を保ちつつ認識することができ、運転者の利便性の向上を図ることができる。
また、運転者の視線と基準線とを含む平面内に、且つ車室を含む車体の曲面上に又は車室を含む車体の少なくとも2つの異なる面上に認識線を設けるだけなので、例えば、カメラやディスプレイを用いて車体部位を認知する場合に比べ、車体部位を簡便な構成で知ることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、2つの異なる面が、法線方向が異なるので、2つの面を視認するアイポイントの位置若しくは視線の角度が異なれば、認識線が折れ曲がって認識されるので、所定のアイポイント(視点)の位置を把握しやすくなる。
【0017】
請求項3に係る発明では、認識線の周囲に、アイポイントが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形を設けた。アイポイント(視点)の位置が適正でない場合は認識補助図形が歪んで見えるので、所定のアイポイント(視点)の位置をより把握しやすくなる。
【0018】
請求項4に係る発明では、車室内に、投影装置が設けられ、この投影装置によって認識線を投影するようにしたので、必要な時のみ認識線を描くことができるので、認識線が不要な場合における車室内の外観性を向上させることができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、車両が所定の車速を下回るときから、投影装置で認識線を投影するようにしたので、車両の停止操作時の利便性を保つことができるとともに、通常走行時では使用することがない認識線を消すことができ、車室内の快適性が向上する。さらに、認識線が必要なときにだけ電源を投影装置に供給すればよいので、エネルギー供給の低減(省エネ)を図ることができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、認識線が、車両の車両用ミラーを通して視認されるものなので、車両用ミラーで視認される認識線に、車両用ミラーで視認される道路の路肩などの対象線を合わせていけば、幅寄せをすることができる。すなわち、運転者の利便性の向上を図ることができる。
また、認識線が、基準線の延長を車体のリヤウインドウに描いた延長線と、リヤウインドウの枠体下面に描かれ、所定のアイポイントのときに延長線と一直線に視認される補助線とから構成されたので、運転者は、所定のアイポイントの位置を把握することができる。
【0021】
請求項7に係る発明では、延長線が、リヤウインドウに設けられた熱線によって形成されたので、別途認識線を設ける必要はなく、構造を簡略化できる。この結果、車両用視認補助装置のコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用視認補助装置を採用した車両の側面図であり、図2は図1に示された車両の平面図であり、図3は本発明に係る第1実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【0023】
図1〜図3に示されたように、車両10は、車体11に開閉自在に設けられ運転者28が乗降する右前ドア14と、車室12内に設けられ、計器類(不図示)を視認可能に覆うとともにエアコンディショナのエアの吹き出し口15を配置したインストルメントパネル16と、車体部位(車体前端)17が平面上に投影された基準線21を、予め平坦な地面24上に描かれた対象線23に合わせる車両用視認補助装置30を備える。
右前ドア14は、車室12内側に内部を覆うドアトリム19を備える。
【0024】
基準線21は、詳細には、車体部位(車体前端)17を通り車幅方向に延ばされた線が平面上に投影された線である。
対象線23は、詳細には、停止線、駐車場に引かれたライン、縁石若しくは壁等を含む予め地面24に描かれた線である。
【0025】
車両用視認補助装置30は、運転者28のアイポイト28aを所定の位置に誘導し、運転者28が対象線23に基準線21を合わせることを補助する装置であり、ドアトリム19の上端傾斜面25に設けられた第1の認識線31と、ドアトリム19の垂直面26に設けられるとともに第1の認識線31に連続的に設けられた第2の認識線32と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられた第3の認識線33とから構成される。
【0026】
上端傾斜面25及び垂直面26は、車室12を含む車体11の少なくとも2つの異なる面の一例であり、法線方向が異なる。端部斜面27は、車室12を含む車体11の曲面の一つである。
第1〜第3の認識線31〜33は、塗装、デザイン形状若しくは発光体等で形成されたものを含む。
【0027】
第1〜第3の認識線31〜33は、運転者28の視線29と基準線21とを含む(通る)平面S1内に設けられ、運転者28のアイポイント28aの位置を車体前後方向に、車体幅方向に且つ車体高さ方向に合わせたときに、一直線状に認識されるように設けられる。
【0028】
すなわち、運転者28のアイポイント28aが平面S1内から外れた時(視線29がずれた時)には、第1〜第3の認識線31〜33の関係が直線以外に見える。しかし、第1〜第3の認識線31〜33が、運転者28の視線29と基準線21とを含む(通る)平面S1内であっても、車室12を含む車体11の単一平面のみに設けられている場合は、第1〜第3の認識線31〜33の関係は直線のまま変化しないので、運転者28は、アイポイント28aのずれに気づくことはできない。従って、第1〜第3の認識線31〜33は、曲面上又は少なくとも2つの異なる面上に設ける必要がある。
【0029】
図4(a)〜(c)は図3に示された車両用視認補助装置の使用方法を示す説明図である。
(a)において、図1に示されたアイポイント28aがずれている(視線29がずれている)場合の車両用視認補助装置30が示され、第1〜第3の認識線31〜33の関係は、曲がって視認される。
【0030】
(b)において、運転者28(図1参照)は、アイポイント28aを車体前後方向に、車体幅方向に且つ車体高さ方向に移動し、第1〜第3の認識線31〜33が直線状に認識できる位置に合わせる。
【0031】
(c)において、アイポイント28aが所定の位置に設定した状態で、車両10(図1参照)を前進させ、第1〜第3の認識線31〜33を対象線(停車線)23に合わせる。これにより、図2に示された車体部位(車体前端)17を対象線(停車線)23に合わせることができる。
【0032】
図1〜図4に示されたように、車両用視認補助装置30は、車両10の車体部位若しくは車体部位から所定の距離離れた線が平面上に投影された基準線21を、予め平坦な地面24上に描かれた対象線23に合わせるための認識線31〜33を備え、運転者28が車体前端17などの車体部位(基準線21)を停止線などの対象線23に合わせるときの補助をするものである。
【0033】
運転者28の視線29と基準線21とを含む(通る)平面S1内に、且つ車室12を含む車体11の曲面27上に又は車室12を含む車体11の少なくとも2つの異なる面25,26上に認識線31〜33を設けている。従って、その認識線31〜33が、運転者28のアイポイント(視点)を所定の位置(平面S1上)に設定するときに直線状に認識されるようにしたので、運転者28の体格にかかわらず、運転者28のアイポイント(視点)を所定の位置に合わせることができる。
【0034】
運転者28のアイポイント28aを所定の位置に設定するときに直線状に認識され、アイポイント28aを所定の状態に保った状態で、認識線31〜33と対象線23とが一直線に合わさるようにしたので、一般的には運転席から認識することができない車体前端17などの基準線21を停止線などの対象線23に合わせることができる。この結果、運転者28が感覚的に判断していた車体前端17などを運転席18から運転姿勢を保ちつつ認識することができ、運転者28の利便性の向上を図ることができる。
【0035】
また、運転者28の視線29と基準線21とを含む(通る)平面S1内に、且つ車室12を含む車体11の曲面27上に又は車室12を含む車体11の少なくとも2つの異なる面25,26上に認識線31〜33を設けるだけなので、例えば、カメラやディスプレイを用いて車体部位を認知する場合に比べ、車体部位を簡便な構成で知ることができる。
【0036】
2つの異なる面である上端傾斜面25及び垂直面26が、法線方向が異なるので、2つの面を視認するアイポイント28aの位置若しくは視線29の角度が異なれば、認識線31〜33が折れ曲がって認識されるので、所定のアイポイント(視点)28aの位置を把握しやすくなる。
【0037】
図5は本発明に係る第2実施例の車両用視認補助装置の斜視図であり、第1実施例の車両用視認補助装置(図1〜図3)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
第2実施例の車両用視認補助装置40は、ドアトリム19の上端傾斜面25に設けられた第1の認識線41と、ドアトリム19の垂直面26に設けられるとともに第1の認識線41に連続的に描かれた第2の認識線42と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられた第3の認識線43とから構成される。
【0038】
第1〜第3の認識線41〜43は、アイポイント28a(図1参照)から視認するときに、対象線23と略同幅に視認される線幅を有するように設けられる。一般的に、停止線などの対象線(白線)23は一定の幅(例えば、15cm)に形成されているため、アイポイント28aから視認するときに、対象線23と略同幅に視認される線幅を有するように設けることで、地面(道路)24上に描かれた対象線(停止線などの白線)23と直感的に一致させることが容易になる。
【0039】
図6は本発明に係る第3実施例の車両用視認補助装置の斜視図であり、第1実施例の車両用視認補助装置(図1〜図3)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
第3実施例の車両用視認補助装置50は、ドアトリム19の上端傾斜面25に設けられた第1の認識線51と、ドアトリム19の垂直面26に設けられるとともに第1の認識線51に連続的に描かれた第2の認識線52と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられた第3の認識線53と、これらの認識線51〜53の周囲に、アイポイント28aが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形54とから構成される。
【0040】
認識補助図形54は、ドアトリム19の垂直面26に設けられる一方の半円部55と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられる他方の半円部56とからなる円であり、アイポイント28aが所定の位置であるときに真円に認識され、アイポイント28aが所定の位置から外れているときに歪んで認識される。
【0041】
第3実施例の車両用視認補助装置50では、認識線51〜53の周囲に、アイポイント28aが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形54を設けた。アイポイント(視点)28aの位置が適正でない場合は認識補助図形54が歪んで見えるので、所定のアイポイント(視点)28aの位置をより把握しやすくなる。すなわち、第1〜第3の認識線(線分)51〜53のみよりも、運転者28の目を所定のアイポイント28aの位置へ誘導しやすくなる。
【0042】
図7は本発明に係る第4実施例の車両用視認補助装置の斜視図であり、第1実施例の車両用視認補助装置(図1〜図3)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。図8は図7に示された車両用視認補助装置の原理図であり、図9(a),(b)は図7に示された車両用視認補助装置の作用説明図である。
【0043】
図7に示されたように、第4実施例の車両用視認補助装置60は、ドアトリム19の上端傾斜面25に設けられた第1の認識線61と、ドアトリム19の垂直面26に設けられるとともに第1の認識線61に連続的に描かれた第2の認識線62と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられた第3の認識線63と、これらの認識線61〜63の周囲に、アイポイント28a(図1参照)が所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形64とから構成される。
【0044】
認識補助図形64は、ドアトリム19の垂直面26に設けられる一方の半車体図65と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられる他方の半車体図66とからなり、ドアトリム19の垂直面26及び端部斜面27に亘って設けられた車体図であり、図8に示されたように、特定方向から視認したときに意味のある形状に認識可能である。
【0045】
図9(a)において、正しいアイポイント28a(図1参照)に設定された場合の認識補助図形(車体図)64の認識のされかたが示される。車体11との位置関係がより直感的に認識することができる。また、認識補助図形64が車体図なので、例えば、車両10の取り扱い説明書がなくとも、運転者28は車体前端17位置を合わせるための装置であることが認識可能である。
【0046】
図9(b)において、ずれたアイポイント28a(図1参照)に設定された場合の認識補助図形(車体図)64の認識のされかたが示される。認識補助図形64は、垂直面26及び端部斜面27に亘って設けられ、ドアトリム19の垂直面26及びインストルメントパネル16の端部斜面27ではそれぞれの法線方向が異なるので、アイポイント28aがずれると一方の半車体図65及び他方の半車体図66は連続した正しい図形には認識されない。従って、運転者28(図1参照)の目を所定のアイポイント28aの位置へ誘導しやすくなる。
【0047】
図10は本発明に係る第5実施例の車両用視認補助装置の斜視図であり、第1実施例の車両用視認補助装置(図1〜図3)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
第5実施例の車両用視認補助装置70は、ドアトリム19の上端傾斜面25に設けられた第1の前認識線71a及び第1の後認識線71bと、
ドアトリム19の垂直面26に設けられるとともに第1の前認識線71a及び第1の後認識線71bにそれぞれ連続的に描かれた第2の前認識線72a及び第2の後認識線72bと、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられた第3の前認識線73a及び第3の後認識線73bと、認識線71a〜73a,71b〜73bの周囲に、アイポイント28aが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形74とから構成される。
【0048】
認識補助図形74は、第2の前認識線72a及び第2の後認識線72bを含むとともに、ドアトリム19の垂直面26に設けられる一方の格子部75と、第3の前認識線73a及び第3の後認識線73bを含むとともに、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられる他方の格子部76とからなる格子図形であり、アイポイント28aが所定の位置であるときに格子に認識され、アイポイント28aが所定の位置から外れているときに歪んで認識される。従って、運転者28の目を所定のアイポイント28aの位置へ誘導しやすくなる。
【0049】
図11は本発明に係る第6実施例の車両用視認補助装置の斜視図であり、第1実施例の車両用視認補助装置(図1〜図3)に使用した部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
第6実施例の車両用視認補助装置80は、ドアトリム19の上端傾斜面25に設けられた第1の認識線81と、ドアトリム19の垂直面26に設けられるとともに第1の認識線81に連続的に描かれた第2の認識線82と、インストルメントパネル16の端部斜面27に設けられた第3の認識線83と、認識線81〜83の周囲に、アイポイント28aが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形84とから構成される。
【0050】
認識補助図形84は、上端傾斜面25及び垂直面26に跨って設けられた第1の円図形85と、垂直面26及び端部斜面27に跨って設けられた第2の円図形86と、端部斜面27に設けられた第3の円図形87とから構成される。
第1〜第3の円図形85〜87はアイポイント28aが所定の位置であるときに真円に認識され、アイポイント28aが所定の位置から外れているときに歪んで認識される。従って、運転者28の目を所定のアイポイント28aの位置へ誘導しやすくなる

【0051】
すなわち、複数の同一形状の図形(第1〜第3の円図形85〜87)を、複数面(上端傾斜面25及び垂直面26)からなるドアトリム19、若しくは曲面(端部斜面)27からなるインストルパネルなどの内装面に描写することで、特定のアイポイント28aから見た時にのみ、それらの像が同一形状となる。
複数図形(第1〜第3の円図形85〜87)の見え方の差異を認識させることにより、運転者28の目を所定のアイポイント28aへより誘導しやすくなる。
【0052】
図12は本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の側面図であり、図13は図12に示された車両の平面図であり、図14は本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【0053】
図12〜図14に示されたように、車両100は、車体101に開閉自在に設けられ運転者118が乗降する右前ドア104と、車室102内に設けられ、計器類(不図示)を視認可能に覆うとともにエアコンディショナのエアの吹き出し口105を配置したインストルメントパネル106と、車体部位(車体前端)107が平面上に投影された第1の基準線111を、予め平坦な地面114上に描かれた対象線113にそれぞれ合わせる車両用視認補助装置120を備える。
【0054】
右前ドア104は、車室102内側に内部を覆うドアトリム109を備える。なお、右前ドア104、インストルメントパネル106、対象線113は、それぞれ図1〜図3に示された右前ドア14、インストルメントパネル16、対象線23に同一である。
【0055】
車両用視認補助装置120は、運転者118のアイポイト118aを所定の位置に誘導し、運転者118が対象線113に第1の基準線111をそれぞれ合わせることを補助する装置であり、サンバイザ(不図示)などを含む車室102のルーフ102aに設けられた左右の投影装置(ラインプロジェクタ)121,122と、これらの左右の投影装置121,122を制御する制御部123とから構成される。
【0056】
左の投影装置121は、運転者118の視線119aと第1の基準線111とを含む平面S2内で、ドアトリム109の上端傾斜面115、ドアトリム109の垂直面116及びインストルメントパネル106の端部斜面117を含む面上に、第1の認識線124を投影する装置である。
【0057】
右の投影装置122も、投影装置121と同様に第1の認識線124を投影している。左右2つの投影装置を設ける理由は、一つだけでは運転者118や助手席の乗員の頭部やステアリング等でラインが途切れてしまう恐れがある為である。(平面S2内にラインプロジェクタを配置すれば、あらゆる面に一本の認識線を引くことができる。しかしこの場合、運転者118の頭部118bが必ずラインプロジェクタ121,122の光線を遮ることになるので左右二つのラインプロジェクタを配置している。)
なお、左右の投影装置121,122は、運転者118の頭部118bを避けて配置されている。
【0058】
第1の認識線124は、第1の基準線111を車体前端(車体部位)107に設定したときに、基準線111を対象線113に合わせるためのラインであり、第1の認識線124が、ドアトリム109の上端傾斜面115、ドアトリム109の垂直面116及びインストルメントパネル106の端部斜面117において、直線状に視認されたときに所定のアイポイントに設定される。この状態で、対象線113に第1の認識線124を合わせることせることで、車両前端107を対象線113に合わせることができる。
【0059】
ここで、第1の認識線124に変えて、第2の認識線125を投影装置121,122で投影してもよい。第2の認識線125は、第2の基準線112を前輪103の車軸(車体部位)108に設定したときに、基準線112を対象線113に合わせるためのラインであり、第2の認識線125が、ドアトリム109の上端傾斜面115及びドアトリム109の垂直面116において、直線状に視認されたときに所定のアイポイント118aに設定される。この状態で、対象線113に第2の認識線125を合わせることで、車軸を対象線113に合わせることができる。
【0060】
また、左右の投影装置121、122は同時に投影することが好ましい。
また、制御部123は、車速センサ127から車速が入力され、車両100が所定の車速を下回るときから左右の投影装置121,122を選択的にON状態に制御し、この状態を車両100が停止してから所定時間内保持するように制御するものである。
【0061】
第7実施例の車両用視認補助装置120では、車室102内に、投影装置121,122が設けられ、この投影装置121,122によって認識線124,125を投影するようにしたので、必要な時のみ認識線124,125を描くことができるので、認識線124,125が不要な場合における車室102内の外観性を向上させることができる。
また、認識線124,125を長い範囲に亘って表示することができるので、認識線124,125が見つけやすくなる。
【0062】
第7実施例の車両用視認補助装置120では、車両100が所定の車速を下回るときから、投影装置121,122で認識線124,125を投影するようにしたので、車両100の停止操作時の利便性を保つことができるとともに、通常走行時では使用することがない認識線124,125を消すことができ、車室102内の快適性が向上する。さらに、認識線124,125が必要なときにだけ電源を投影装置121,122に供給すればよいので、エネルギー供給の低減(省エネ)を図ることができる。
なお、投影装置(ラインプロジェクタ)121で、同時に第2の認識線125を投影しても良い。また、投影装置(ラインプロジェクタ)121は、通常のプロジェクタによって歪ませたライン(認識線)を、平面S2内以外から投影したものであってもよい。この場合は、運転者等によって遮られることのない任意の場所を選ぶことができるので、プロジェクタは1台に減らすことができる。
【0063】
図15は本発明に係る第8実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の正面図であり、図16は図15に示された車両の平面図であり、図17は図15に示された車両の側面図であり、図18は本発明に係る第8実施例の車両用視認補助装置を車室内ミラー越しに見る車室内ミラーの正面図である。
【0064】
図15〜図18に示されたように、車両140は、車室142内に設けられ、側方及び後方を確認する車両用ミラー(車室内ミラー)143と、車室142後方に設けられ、後方の視認を可能にするリヤウインドウ144と、このリヤウインドウ144を支持する枠体145と、運転者の仮想アイポイント158aを所定の位置に誘導し、運転者が対象線153に基準線151,152を合わせることを補助する車両用視認補助装置160(図18参照)を備える。
【0065】
基準線151,152は、車体部位としての左右の車体側面147,148を地面154に投影したライン(車幅ライン)である。
対象線153は、左右の車体側面147,148に沿うラインであり、車幅そのもの、路肩、駐車場の車幅に沿って設けられるライン、縁石などがある。
【0066】
図18に示された車両用視認補助装置160は、車室142内に設けられる車両用ミラー143と、リヤウインドウ144及び枠体145の下面146に設けられる左右の認識線161,162とから構成される。
【0067】
左右の認識線161,162は、リヤウインドウ144に設けられた左右の延長線163,164と、枠体145の下面146に設けられる左右の補助線165,166とからなる。
リヤウインドウ144は、2つの異なる面の一つであり、枠体145の下面146は、リヤウインドウ144に略直交する面であって2つの異なる面の一つに相当する。
【0068】
左の延長線163及び左の補助線165は、基準線151に合わせて設けられたものであり、所定の仮想アイポイント158aを保った状態で、車室142内の車両用ミラー143を介して視認するときに、左の延長線163及び左の補助線165は直線状に視認されるように設けられる。
従って、左の延長線163及び左の補助線165は、仮想アイポイント158aにずれがあるときには、折れ曲がって視認されるので、所定の仮想アイポイント158aに誘導することができる。
【0069】
また、左の延長線163及び左の補助線165は、車両用ミラー143の裏側に仮想アイポイント158aを設定するときに、(左の)基準線151と仮想アイポイント158aとを含む平面S4内に視認されるように設けられている。右の延長線164及び左の補助線166は、(右の)基準線152と仮想アイポイント158aとを含む平面S5内に視認されるように設けられている。
【0070】
右の延長線164及び右の補助線166は、左の延長線163及び左の補助線165に対称の線である。
なお、左右の延長線163,164は、リヤウインドウ144に設けられた熱線によって形成され、左右の補助線165,166は、枠体145の下面146に描かれたものである。また、車両用ミラー143に延長線を描いたものでもよい。
【0071】
第8実施例の車両用視認補助装置160(図18参照)では、認識線161,162が、車両140の車両用ミラー143を通して視認されるものなので、車両用ミラー143で視認される認識線161,162に、車両用ミラー143で視認される道路の路肩などの対象線153に合わせていけば、幅寄せをすることができる。すなわち、運転者の利便性の向上を図ることができる。
【0072】
また、認識線161,162が、基準線151,152の延長を車体のリヤウインドウ144に描いた延長線163,164と、リヤウインドウ144の枠体145の下面146に描かれ、所定の仮想アイポイント158aのときに延長線163,164と一直線に視認される補助線165,166とから構成されたので、運転者は、所定の仮想アイポイント158aの位置を把握することができる。
【0073】
第8実施例の車両用視認補助装置160では、延長線163,164が、リヤウインドウ144に設けられた熱線によって形成されたので、別途認識線を設ける必要はなく、構造を簡略化できる。この結果、車両用視認補助装置160のコストの低減を図ることができる。
【0074】
図19は本発明に係る第9実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の側面図であり、図20は図19に示された車両の平面図であり、図21は本発明に係る第9実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【0075】
図19〜図21に示されたように、車両200は、車体201の側面の骨格をなすセンタピラー204と、このセンタピラー204に開閉自在に設けられ乗員が乗降する左後ドア205と、車体201後部に設けられ、荷物を出し入れするテールゲート206と、車室202内に設けられ、側方及び後方を幅広に確認する広角車室内ミラー203と、第1の基準線211及び第2の基準線212を予め平坦な地面214上に描かれた対象線213に合わせる車両用視認補助装置220を備える。
左後ドア205は、車室202内側に内部を覆うドアトリム209を備える。
【0076】
第1の基準線211は、詳細には、車体部位(車体後端)207を通り車幅方向に延ばされた線が平面上に投影された線である。
第2の基準線212は、詳細には、開放されたテールゲート206の車体部位(端部)208を通り車幅方向に延ばされた線が平面上に投影された線である。
対象線213は、詳細には、停止線、駐車場に引かれたライン、縁石若しくは壁等を含む予め地面214に描かれた線である。
【0077】
車両用視認補助装置220は、運転者の仮想アイポイント218aを所定の位置に誘導し、運転者が対象線213に第1・第2の基準線211,212を合わせることを補助する装置であり、車室202内に設けられた広角車室内ミラー203と、ドアトリム209の上端面215に設けられた第1の前認識線221及び第1の後認識線231と、ドアトリム209の垂直面216に設けられた第2の前認識線222及び第2後認識線232と、センタピラー204の内装面217に設けられた第3の前認識線223及び第3の後認識線233とから構成される。
【0078】
ドアトリム209の上端面215とドアトリム209の垂直面216とは2つの異なる面の一例であり、法線方向が異なる。センタピラー204の内装面217は曲面の一例である。
第1〜第3の前認識線221〜223及び第1〜第3の後認識線231〜233は、塗装、デザイン形状若しくは発光体等で形成されたものを含む。
【0079】
第1〜第3の前認識線221〜223は、広角車室内ミラー203の裏側に仮想アイポイント218aを設定するときに、仮想アイポイント218aと第1の基準線211を結ぶ平面S6内に設けられている。なお、運転者の視線219aと第1の基準線211とを含む平面S6内に設けられているものということもできる。
また、第1〜第3の前認識線221〜223は、運転者の仮想アイポイント218aの位置を車体前後方向に、車体幅方向に且つ車体高さ方向に合わせたときに、一直線状に認識されるように設けられる。
【0080】
第1〜第3の後認識線231〜233は、広角車室内ミラー203の裏側に仮想アイポイント218aを設定するときに、仮想アイポイント218aと第2の基準線212を結ぶ平面S7内に設けられている。なお、運転者の視線219bと第2の基準線212とを含む平面S7内に設けられているものということもできる。
また、第1〜第3の後認識線231〜233は、運転者の仮想アイポイント218aの位置を車体前後方向に、車体幅方向に且つ車体高さ方向に合わせたときに、一直線状に認識されるように設けられる。
【0081】
すなわち、第9実施例の車両用視認補助装置220では、第1〜第3の前認識線221〜223が一直線状に視認される状態で、第1〜第3の前認識線221〜223を対象線213に合わせることで、車体後端207を対象線213に合わせることができるとともに、第1〜第3の後認識線231〜233が一直線状に視認される状態で、第1〜第3の後認識線231〜233を対象線213に合わせることで、開放状態のテールゲート206の端部208を対象線213に合わせることができる。これにより、広角車室内ミラー203越しの車庫入れ等の車両200の後進時の運転操作の利便性の向上を図ることができる。第1〜第3の後認識線231〜233についても、第1〜第3の前認識線221〜223と同様である。
【0082】
図22は本発明に係る第10実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の斜視図であり、図23は図22に示された車両の車室の斜視図であり、図24は図23に示された車室に設けられる第2の反射鏡の斜視図である。
車両240は、車体241及び車室242に、運転者が対象線23(図24参照)に基準線21を合わせることを補助する車両用視認補助装置250が構成されている。
【0083】
車両用視認補助装置250は、ドアミラー246に設けられる第1の反射鏡254と、車室242内且つフロントピラー251廻りに設けられる第2の反射鏡255と、前ドア244のドアパネル245に設けられる第1の認識線(マーカ)261と、フェンダパネル252の前ドア244寄りに設けられる第2の認識線(側灯)262と、フェンダパネル252のホイールハウス253前方に設けられる第3の認識線(マーカ)263とから構成される。
【0084】
第1の反射鏡254及び第2の反射鏡255で、車体241の側方であって前下方を視認することができる前側方視認装置(前側方ミラー)256が構成されている。
【0085】
すなわち、車両用視認補助装置250では、ドアパネル245に設けられるマーカ261と、フェンダパネル252の前ドア244寄りに設けられる側灯262と、フェンダパネル252に且つホイールハウス253の前方に設けられるマーカ263とを認識線としたものであり、ドアパネル245、フェンダパネル252の前ドア244寄り及びフェンダパネル252のホイールハウス253前方は、それぞれ曲面形状が異なり、法線方向も大きく異なるので、これらの部位に設けられるマーカ261、側灯262及びマーカ263を認識線に利用することが可能となる。
【0086】
車両用視認補助装置250では、第1の反射鏡254、第2の反射鏡255、第1〜2の認識線から構成されたので、車体部位(車体前端)247を直接視認しつつ対象線23に車体部位247を合わせることができる。
【0087】
なお、車両用視認補助装置250では、第1の認識線(マーカ)261、第2の認識線(側灯)262及び第3の認識線(マーカ)253の3つの認識線を設けたが、これらの認識線261〜263の内、少なくとも2つの認識線を採用するものであってもよい。
【0088】
尚、第1実施例の車両用視認補助装置30では、図2に示すように、基準線21は、詳細には車体前端17を通り車幅方向に延ばされた線が平面上に投影された線であったが、これに限るものではなく、車体部位若しくは車体部位から所定の距離離れた線が平面上に投影されたものであればよい。
第1〜第3認識線31〜33の設けられる面は、車体の少なくとも2つの異なる面であればよく、面の数は任意である。
第1・第2の認識線31,32は、ドアトリム19の連続した上端傾斜面25及び垂直面26に設けられたが、同一部材の不連続面に設けられるものでもよい。
上端傾斜面25及び垂直面26は、法線方向が異なる2つの異なる面であったが、2つの異なる面は、段差のある法線方向が同一の面であってもよい。
【0089】
第6実施例の車両用視認補助装置80では、インストルパネル16やドアトリム19などの内装面に第1〜第3の円図形85〜87を描写したが、ドアミラーなどの外装面に描画するものであってよい。さらに、ナビゲーションなどの液晶画面上に表示(出力)するものであってもよい。
【0090】
第8実施例の車両用視認補助装置160では、左右の基準線151,152を左右の車体側面147,148に設定したが、左右の基準線は、左右の車体側面147,148よりも外側に設定したものであってもよい。
左右の延長線163,164は、リヤウインドウ144に設けられた熱線によって形成され、左右の補助線165,166は、枠体145の下面146に描かれた線であったが、発光体を用いたものでもよい。さらに、アイポイント158が所定の位置であることの認識を補助する任意形状の認識補助図形を付設したものであってもよい。
【0091】
第9実施例の車両用視認補助装置220では、広角車室内ミラー203は、幼児の様子を確認するチャイルドミラー等の車室内確認用のミラーであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る車両用視認補助装置は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る車両用視認補助装置を採用した車両の側面図である。
【図2】図1に示された車両の平面図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図4】図3に示された車両用視認補助装置の使用方法を示す説明図である。
【図5】本発明に係る第2実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図6】本発明に係る第3実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図7】本発明に係る第4実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図8】図7に示された車両用視認補助装置の原理図である。
【図9】図7に示された車両用視認補助装置の作用説明図である。
【図10】本発明に係る第5実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図11】本発明に係る第6実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図12】本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の側面図である。
【図13】図12に示された車両の平面図である。
【図14】本発明に係る第7実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図15】本発明に係る第8実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の正面図である。
【図16】図15に示された車両の平面図である。
【図17】図15に示された車両の側面図である。
【図18】本発明に係る第8実施例の車両用視認補助装置を車室内ミラー越しに見る車室内ミラーの正面図である。
【図19】本発明に係る第9実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の側面図である。
【図20】図19に示された車両の平面図である。
【図21】本発明に係る第9実施例の車両用視認補助装置の斜視図である。
【図22】本発明に係る第10実施例の車両用視認補助装置を採用した車両の斜視図である。
【図23】図22に示された車両の車室の斜視図である。
【図24】図23に示された車室に設けられる第2の反射鏡の斜視図である。
【符号の説明】
【0094】
10,100,140,200,240…車両、17…車体部位、21…基準線、23…対象線、24…地面、25…異なる面(上端傾斜面)、26…異なる面(垂直面)、27…曲面(端部斜面)、28…運転者、28a…アイポイント、29…視線、30,40,50,60,70,80,120,160,220,250…車両用視認補助装置、31〜33…認識線、54,64,74,84…認識補助図形、121,122…左右の投影装置(ラインプロジェクタ)、143…車両用ミラー、144…異なる面(リヤウインドウ)、145…枠体、146…下面、161,162…認識線、163,164…延長線、165,166…補助線、S1…平面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体部位若しくは車体部位から所定の距離離れた線が平面上に投影された基準線を、予め平坦な地面上に描かれた対象線に合わせるための認識線を備え、運転者が前記対象線に前記基準線を合わせることを補助する車両用視認補助装置であって、
前記認識線は、運転者の視線と前記基準線とを含む平面内に、且つ車室を含む前記車体の曲面上に又は車室を含む前記車体の少なくとも2つの異なる面上に設けられるとともに、運転者のアイポイントを所定の位置に設定するときに直線状に認識され、
前記アイポイントを所定の状態に保った状態で、前記認識線と前記対象線とが一直線に合わさることを特徴とする車両用視認補助装置。
【請求項2】
前記2つの異なる面は、法線方向が異なることを特徴とする請求項1記載の車両用視認補助装置。
【請求項3】
前記認識線の周囲に、前記アイポイントが所定の位置であることの認識を補助する認識補助図形を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用視認補助装置。
【請求項4】
前記車室内に、投影装置が設けられ、この投影装置によって前記認識線を投影することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両用視認補助装置。
【請求項5】
前記車両が所定の車速を下回るときから、前記投影装置で前記認識線を投影するようにしたことを特徴とする請求項4記載の車両用視認補助装置。
【請求項6】
前記認識線は、前記車両の車両用ミラーを通して視認されるものであり、
前記認識線は、前記基準線の延長を前記車体のリヤウインドウに描いた延長線と、前記リヤウインドウの枠体下面に描かれ、所定のアイポイントのときに前記延長線と一直線に視認される補助線とから構成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用視認補助装置。
【請求項7】
前記延長線は、前記リヤウインドウに設けられた熱線によって形成されたことを特徴とする請求項6記載の車両用視認補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−143339(P2010−143339A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321418(P2008−321418)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】