説明

車両用電源装置

【課題】車両用電源装置の動作中(車両運転中)に、充電抵抗短絡用スイッチ(CHS)の短絡故障を検出する。
【解決手段】抵抗と、該抵抗を短絡するための自己消弧形半導体の短絡用スイッチとを含むCHSユニット10と、架線から前記CHSユニットを介して供給される直流電力を交流電力に変換するインバータ8と、前記インバータの直流側端子に並列に接続されたフィルタコンデンサと、前記インバータの直流側入力電圧を検出する電圧検出器4と、前記短絡用スイッチを制御する制御部20とを具備し、前記制御部は、導通状態の前記短絡用スイッチを所定時間オフさせ、スイッチをオフする前とオフさせている期間中に前記フィルタコンデンサ電圧を前記電圧検出器にて測定し、オン及びオフ時の電圧差が所定値よりも小さい場合に、前記短絡用スイッチは短絡故障していると判断することを特徴とする車両用電源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車等で使用される車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に鉄道車両に搭載される車両用電源装置は、架線から電力を受け取り、電車の照明や空調装置などに電源を供給する。この車両用電源装置は、IGBTなどの半導体素子のスイッチングデバイスによりスイッチングして交流や直流を生成する装置であり、例えば直流電圧を交流電圧に変換するインバータなどがある。
【0003】
このような車両用電源装置では、インバータの入力側フィルタコンデンサに電荷を運転開始時に蓄積する際に、突入電流を抑制するため、一定時間の間は充電用抵抗器を介してフィルタコンデンサに架線電圧が供給される回路構成としている。電荷が蓄積された後、充電用抵抗器を短絡するためのスイッチがオンする。この充電抵抗短絡用スイッチ(CHS)はGTOやIGBTなどの半導体素子を用いるのが一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CHSは通常、車両用電源装置の動作中は導通状態となっているため、CHSの短絡故障は一般に、車両用電源装置起動時のみの検出可能であり、動作中には検出出来ない。そのため、動作中に短絡故障が発生した場合、故障は次回の起動時まで検出できない。短絡故障した状態で車両用電源装置を起動すると突入電流が流れ、関連する電気部品にダメージを与える可能性がある。
【0005】
従って実施形態は、装置動作中(車両運転中)にCHSの短絡故障を検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置動作中に極短時間CHSをオフし、フィルタコンデンサ電圧の変化に基づいて、CHSの短絡故障の有無を確認する。
【0007】
すなわち一実施形態に係る車両用電源装置は、抵抗と、該抵抗を短絡するための自己消弧形半導体の短絡用スイッチとを含むCHSユニットと、架線から前記CHSユニットを介して供給される直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータの直流側端子に並列に接続されたフィルタコンデンサと、前記インバータの直流側入力電圧を検出する電圧検出器と、前記短絡用スイッチを制御する制御部とを具備し、前記制御部は、導通状態の前記短絡用スイッチを所定時間オフさせ、スイッチをオフする前とオフさせている期間中に前記フィルタコンデンサ電圧を前記電圧検出器にて測定し、オン及びオフ時の電圧差が所定値よりも小さい場合に、前記短絡用スイッチは短絡故障していると判断する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態の車両用電源装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の制御部の構成例を示す図である。
【図3】第1実施形態の制御部の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】第1実施形態の制御部の動作の変形例を示すタイミングチャートである。
【図5】第2実施形態の制御部の構成を示す図である。
【図6】第2実施形態の制御部の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】第3実施形態の車両用電源装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る車両用電源装置について、図面を参照して説明する。尚、CHSの故障には、短絡故障(オフ状態とならない)と開放故障(オン状態とならない)があるが、実施形態では短絡故障を対象とする。
【0010】
図1は、車両用電源装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【0011】
架線からパンタグラフ7を介して車両用電源装置21に直流電力が供給され、車両用電源装置21は車輪9等を介して接地されている。車両用電源装置21は、電流検出器5、電圧検出器3、4、CHSユニット10、フィルタコンデンサ6、インバータ8、制御部20等で構成される。CHSユニット10は充電用抵抗2と自己消弧形半導体の充電抵抗短絡用スイッチ(CHS)1を含む。
【0012】
インバータ8はCVCF(定電圧定周波数)インバータであって、架線からパンタグラフ7、CHSユニット10を介して供給される直流電力を交流電力に変換する。フィルタコンデンサ6は、インバータ8に供給される直流電圧に含まれるノイズを除去し平滑化する。CHSユニット10は、入力フィルタコンデンサ6に電荷を最初に蓄積する際に突入電流を抑制するため、一定時間は短絡用スイッチ1をオフして抵抗2を介してコンデンサ6に架線電圧を供給し、電荷が蓄積された後、短絡用スイッチ1をオンして抵抗2を短絡する。
【0013】
インバータ8の出力交流電圧は、図示しない交流フィルタリアクトル及び交流フィルタコンデンサ、変圧器などを介して電車の空調、照明などの負荷に供給される。
【0014】
以下、本実施形態の動作を説明する。
【0015】
短絡用スイッチ1が導通状態で動作している場合に、電圧検出器4によりフィルタコンデンサ6の電圧を測定し、その測定した電圧値が制御部20に入力され、制御部20にて記憶される。その後、制御部20は短絡用スイッチ1を周期的に短時間オフする。スイッチ1がオフすると、短絡用スイッチ1を流れていた電流は充電用抵抗2を通って流れるようになり、充電用抵抗2の電圧降下によりフィルタコンデンサ6の電圧は、短絡用スイッチ1がオンしていた時に比べ低下する。
【0016】
制御部20では、短絡用スイッチ1がオフしている間に、電圧検出器4により再度測定されたフィルタコンデンサ6の電圧が入力され、その測定値を記憶する。短絡用スイッチ1がオフする前のフィルタコンデンサ6の電圧と、オフしている間のフィルタコンデンサ6の電圧の差分を計算し、その差分がある一定値以下であった場合に、制御部20では、短絡用スイッチ1は短絡故障していると判断する。
【0017】
図2は制御部20の構成例を示す図である。
【0018】
サンプルホルダ(SH)11、12は、フィルタコンデンサ電圧Vcをコントローラ16からのサンプル信号SMP1、SMP2に基づいて、それぞれ独立したタイミングでサンプリングする。尚、フィルタコンデンサ電圧Vcは一般に1000V以上の高圧であるため、サンプルホルダに直接入力することはできない。従ってフィルタコンデンサ電圧Vcは、分圧抵抗等で分圧してサンプルホルダに入力する。後述の他の実施形態でも同様に、 電圧Vcあるいは架線電圧は分圧してから制御部に入力される。
【0019】
減算器13はサンプルホルダ11、12の出力信号の差分ΔVを演算する。比較器14は基準電圧発生部15により発生された基準電圧Vrefと、減算器13からの差分ΔVを比較し、比較結果V3をコントローラ16に提供する。コントローラ16は短絡用スイッチ1(CHS)をオン・オフ制御するためのゲート信号Vgを発生する。またコントローラは、比較器14の比較結果V3に基づいて、短絡用スイッチ1が故障しているか否か判断し、故障していると判断した場合、運転台等に短絡用スイッチが故障していることを示す故障検知信号Vdtを出力する。
【0020】
図3は本実施形態の動作を示すタイミングチャートである。
【0021】
コントローラ16は時刻t1にサンプリング信号SMP1(1パルス)を出力し、その結果サンプルホルダ11は、時刻t1でのフィルタコンデンサ電圧Vc(V1)をサンプルホールドする。コントローラ16は時刻t2にローレベルゲート信号Vgを短絡用スイッチ1に出力する。その結果スイッチ1はオフし、架線からの電流が充電用抵抗2を流れ、フィルタコンデンサ6及びインバータ8に供給される。従ってフィルタコンデンサ電圧Vcは、充電用抵抗2の電圧降下の作用で低下する。
【0022】
コントローラ16は時刻t3に、サンプルホルダ12にフィルタコンデンサ電圧Vc(V2)をサンプルホールドさせる。このサンプリング信号SMP2は、一定周期の連続クロック信号でよい。減算器13はフィルタコンデンサ電圧V1から電圧V2を減算し、差分電圧ΔVを出力する。
【0023】
比較器14は減算器13からの差分電圧ΔVと基準電圧発生部15からの基準電圧Vrefを比較し、比較結果V3をコントローラ16に出力する。コントローラ16は比較結果V3としてハイレベル信号を受信すると、スイッチ1は短絡故障していないと判断し、故障検知信号Vdetとしてローレベルを維持する。サンプルホルダ12はサンプリング周期ごとにフィルタコンデンサ電圧Vcをサンプリングし続ける。
【0024】
コントローラ16は短絡スイッチ1をオフした時刻t2から所定時間後の時刻t4にゲート信号Vgをハイレベルとし、スイッチ1をオンさせる。この結果、充電用抵抗2はスイッチ1により短絡され、架線から電流がスイッチ1を流れ、フィルタコンデンサ6及びインバータ8に供給される。従ってフィルタコンデンサ電圧は、架線電圧にまで上昇すなわち復帰する。
【0025】
サンプルホルダ12が、時刻t5でのフィルタコンデンサ電圧V2をサンプルホールドした時点で、サンプルホルダ11及び12の出力電圧V1及びV2は同一となる。この結果、減算器13は差分電圧ΔVとして0を出力し、比較器14は比較結果V3としてローレベル信号を出力する。コントローラ16は時刻t1からt5までの故障監視動作を周期的に繰り返し行う。
【0026】
次に、短絡用スイッチ1が短絡故障した場合の動作を説明する。図3の時刻t6でスイッチ1が短絡故障したと仮定する。
【0027】
コントローラ16は時刻t7にサンプリング信号SMP1(1パルス)を出力し、その結果サンプルホルダ11は、時刻t7でのフィルタコンデンサ電圧Vc(V1)をサンプルホールドする。コントローラ16は時刻t8にローレベルゲート信号Vgを短絡用スイッチ1に出力する。この場合、短絡用スイッチ1は短絡故障(短絡状態を維持)しているので、架線からの電流は短絡用スイッチ1を流れ続ける。従ってフィルタコンデンサ電圧Vcは変化しない。サンプルホルダ12はサンプリングを継続して行うが、その出力V2はサンプルホルダ11の出力値と同一である。従って比較器14は比較結果V3としてローレベル信号を出力し続ける。
【0028】
コントローラ16は短絡用スイッチ1をオフした時刻t8から所定時間T1以内に、比較器14から比較結果V3としてハイレベル信号が受信されない場合、故障検出信号Vdtとしてハイレベル信号を運転台等に出力し、スイッチ1が短絡故障していることを警告する。
【0029】
尚、CHSユニット10に流れ込む電流が小さいと、短絡用スイッチ1が正常動作している場合でも、オフしたときに検出される差電圧ΔVは小さいので、スイッチ1の確実な故障検出を行うことができない。従って、電流検出器5を用いてCHSユニット10に流れ込む電流を測定し、電流値が所定値以上の場合のみ、短絡用スイッチ1の故障監視を行ってもよい。
【0030】
次に第1実施形態の変形例を図4を参照して説明する。
【0031】
時刻t1、t2の動作は、上記実施形態と同様である。この変形例では、コントローラ16は時刻t3で、比較器14から比較結果V3としてハイレベル信号を受信すると、即座に短絡用スイッチ1をオン状態に戻す。以降の動作は上記実施形態と同様である。このように本実施形態では、短絡用スイッチ1のオフ期間が上記実施形態より短いので、充電用抵抗2に電流が流れることによるエネルギロスが少ない。
【0032】
次に第2実施形態を説明する。図5は制御部20の第2実施形態の構成を示す図である。
【0033】
第2実施形態では、前述の実施形態で使用された図2のサンプルホルダ11、12は使用されない。減算器13には、フィルタコンデンサ電圧Vc及び電圧検出器3にて検出された架線電圧Vwが入力される。
【0034】
図6は第2実施形態の動作を示すタイミングチャートである。電圧検出器3にて検出される架線電圧Vwは常に一定値Vw1であるとする。
【0035】
コントローラ16は時刻t1にローレベルゲート信号Vgを短絡用スイッチ1(CHS)に出力する。その結果スイッチ1はオフし、架線からの電流が充電用抵抗2を流れ、フィルタコンデンサ電圧Vcは、充電用抵抗2の電圧降下の作用で低下する。このとき減算器13は、架線電圧Vw1とフィルタコンデンサ電圧Vcとの差電圧ΔVを出力する。
【0036】
比較器14は減算器13からの差分電圧ΔVと基準電圧発生部15からの基準電圧Vrefを比較し、比較結果V3をコントローラ16に出力する。コントローラ16は比較結果V3の立ち上がりに応答してゲート信号Vgをハイレベルとし、短絡用スイッチ1をオンさせる。この結果フィルタコンデンサ電圧Vcは、架線電圧Vw1にまで上昇すなわち復帰する。
【0037】
次に、短絡用スイッチ1が短絡故障した場合の動作を説明する。図6の時刻t3でスイッチ1が短絡故障したと仮定する。
【0038】
コントローラ16は時刻t4に短絡用スイッチ1に対してローレベルゲート信号Vgを出力するが、スイッチ1はオフしないので、フィルタコンデンサ電圧Vcは変化せず、差電圧ΔVは発生しない。従って比較器14は比較結果V3としてローレベル信号を出力し続ける。
【0039】
コントローラ16は短絡用スイッチ1をオフした時刻t4から所定時間T1以内に、比較器14から比較結果V3としてハイレベル信号が受信されない場合、故障検出信号Vdtとしてハイレベル信号を運転台等に出力し、スイッチ1が短絡故障していることを警告する。
【0040】
以上のように第2実施形態では、コントローラ16がフィルタコンデンサ電圧Vcの立下り(比較結果V3の立ち上がり)に応答してゲート信号Vgをハイレベルとする。従って、短絡用スイッチ1がオフしている時間t1〜t2は、無視できるほど短い。
【0041】
第2実施形態では、短絡用スイッチ1の短絡故障監視において、充電用抵抗2によるエネルギロスが極めて少なく、インバータ8の入力電圧が実質的に変化しない。
【0042】
次に第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る車両用電源装置は、交流き電方式に対応する車両用電源装置である。
【0043】
図7は第3実施形態に係る車両用電源装置の構成を示す図である。
【0044】
この車両用電源装置21は、電力入力段に単相全波ダイオードブリッジ整流回路22を持ち、その後段にサイリスタ23の短絡用スイッチ及び充電用抵抗2を含むCHSユニット10が接続されている。
【0045】
サイリスタ23が導通状態で動作している場合に、電圧検出器4によりフィルタコンデンサ6の電圧を測定し記憶する。その後、サイリスタ23のゲートを短時間オフする。それにより、サイリスタ23が短絡故障していない揚合、サイリスタ23のアノードの電圧がカソードの電圧より低下した時にサイリスタ8はオフし、サイリスタ23を流れていた電流は、充電用抵抗2を通って流れるようになり、フィルタコンデンサ6の電圧は低下する。
【0046】
サイリスタ23のゲートをオフしている間に、電圧検出器4によりフィルタコンデンサ6の電圧を再度測定し記憶する。サイリスタ23のゲートをオフする前のフィルタコンデンサ6の電圧と、オフしているときのフィルタコンデンサ6の電圧の差分を計算し、その値がある一定の値以下であった場合に、サイリスタ8が短絡故障していると判断する。
【0047】
第3実施形態の制御部21の詳細な動作は、上記した第1及び第2実施形態と同様であるから割愛する。
【0048】
以上説明したように本発明の実施形態によれば、電源装置の動作中(車両運転中)に、充電抵抗短絡用スイッチの短絡故障を検知することが可能となる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1…充電抵抗短絡用スイッチ、2…充電用抵抗、3、4…電圧検出器、5…電流検出器、6…フィルタコンデンサ、8…インバータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗と、該抵抗を短絡するための自己消弧形半導体の短絡用スイッチとを含むCHSユニットと、
架線から前記CHSユニットを介して供給される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記インバータの直流側端子に並列に接続されたフィルタコンデンサと、
前記インバータの直流側入力電圧を検出する電圧検出器と、
前記短絡用スイッチを制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、導通状態の前記短絡用スイッチを所定時間オフさせ、スイッチをオフする前とオフさせている期間中に前記フィルタコンデンサ電圧を前記電圧検出器にて測定し、オン及びオフ時の電圧差が所定値よりも小さい場合に、前記短絡用スイッチは短絡故障していると判断することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記CHSユニットに流れ込む入力電流を検出する電流検出器を更に具備し、
前記制御部は、前記入力電流が所定電流値以上である場合にのみ、前記短絡用スイッチの短絡故障を判断することを特徴とする請求項1記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記短絡用スイッチのオン及びオフ時の電圧差が所定値を超えた場合には、前記短絡用スイッチをオフする所定時間の経過を待たずに、即座に前記短絡用スイッチをオンすることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用電源装置。
【請求項4】
抵抗と、該抵抗を短絡する自己消弧形半導体の短絡用スイッチとを含むCHSユニットと、
架線から前記CHSユニットを介して供給される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記インバータの直流側端子に並列に接続されたフィルタコンデンサと、
前記フィルタコンデンサの端子間に発生するフィルタコンデンサ電圧を検出する第1電圧検出器と、
前記短絡用スイッチに入力される架線電圧を検出する第2電圧検出器と、
前記短絡用スイッチを制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、導通状態の前記短絡用スイッチを所定時間オフさせ、前記第2電圧検出器にて検出される前記短絡用スイッチの電流入力側の(架線)電圧と、前記第1電圧検出器にて検出される前記短絡用スイッチの電流出力側の電圧をオフ期間中に測定し、前記入力側及び出力側の電圧の電圧差が所定値よりも小さい場合に、前記短絡用スイッチは短絡故障していると判断する車両用電源装置。
【請求項5】
前記CHSユニットに流れ込む入力電流を検出する電流検出器を更に具備し、
前記制御部は、前記入力電流が所定電流値以上である場合にのみ、前記短絡用スイッチの短絡故障を判断することを特徴とする請求項4記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記短絡用スイッチの前記入力側及び出力側の電圧の電圧差が所定値を超えた場合には、前記短絡用スイッチをオフする所定時間の経過を待たずに、即座に前記短絡用スイッチをオンすることを特徴とする請求項4又は5記載の車両用電源装置。
【請求項7】
架線から供給される交流電圧を全波整流して直流電圧に変換するダイオードブリッジ整流回路と、
抵抗と、該抵抗を短絡するためのサイリスタからなる短絡用スイッチとを含むCHSユニットと、
前記ダイオードブリッジ整流回路から前記電力前記CHSユニットを介して供給される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記インバータの直流側端子に並列に接続されたフィルタコンデンサと、
前記インバータの直流側入力電圧を検出する電圧検出器と、
前記短絡用スイッチを制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、導通状態の前記短絡用スイッチを所定時間オフさせ、スイッチをオフする前とオフさせている期間中に前記フィルタコンデンサ電圧を前記電圧検出器にて測定し、オン及びオフ時の電圧差が所定値よりも小さい場合に、前記短絡用スイッチは短絡故障していると判断することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項8】
前記CHSユニットに流れ込む入力電流を検出する電流検出器を更に具備し、
前記制御部は、前記入力電流が所定電流値以上である場合にのみ、前記短絡用スイッチの短絡故障を判断することを特徴とする請求項7記載の車両用電源装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記短絡用スイッチのオン及びオフ時の電圧差が所定値を超えた場合には、前記短絡用スイッチをオフする所定時間の経過を待たずに、即座に前記短絡用スイッチをオンすることを特徴とする請求項7又は8記載の車両用電源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−55844(P2013−55844A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193755(P2011−193755)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】