説明

車両用駆動装置

【課題】エンジン動力遮断クラッチをロックアップクラッチ付流体伝動装置内に配置する駆動装置において、両クラッチの制御性と伝達トルク容量を向上させるとともに、クラッチ係合時の摩擦材の発熱量を低減させつつ流体駆動装置の大型化、ひいては駆動装置の大型化を抑制することができる車両用駆動装置を提供すること。
【解決手段】ロックアップクラッチ40及びエンジン動力遮断クラッチ50のそれぞれを、アクチュエータ45,55を備える多板式クラッチとし、ロックアップクラッチ40の摩擦板41をトーラス35の外径側に配置するとともに、エンジン動力遮断クラッチ50をロックアップクラッチよりも小径に構成して、エンジン動力遮断クラッチ50をトルクコンバータ13内に設ける。また、エンジン動力遮断クラッチ50の外径側において、モータ・ジェネレータ14をエンジン動力遮断クラッチ50の摩擦板51と軸方向でオーバーラップさせて配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源としてエンジンとモータとを有するハイブリッド車輌の駆動装置に関する。詳しくは、ロックアップクラッチ付きの流体伝動装置内にエンジン動力遮断クラッチを備える車両用駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車輌に搭載される駆動装置として、駆動源が発生した回転をロックアップクラッチ付きの流体伝動装置を介して変速機構に伝達するものが広く採用されている。そして、この種の駆動装置には、エンジンの駆動力を流体伝動装置に対して伝達又は遮断するエンジン動力遮断クラッチが備わっている。ここで、ロックアップクラッチは、動力源が発生させた駆動力を流体を介さずに変速機構に伝達するためのものであり、車速があらかじめ設定された速度に達すると作動(ロックアップ)して、伝達ロスをなくすことにより燃費を改善するようになっている。
【0003】
このようなロックアップ付流体伝動装置を備える駆動装置の1つして、エンジン動力遮断クラッチをロックアップクラッチ付流体伝動装置内に配置したものがある(特許文献1)。この駆動装置では、流体伝動装置のカバーと両クラッチのピストンとの間に設けられる各チャンバーにそれぞれ油圧を供給し、各チャンバー間で圧力差を発生させることにより、エンジン動力遮断クラッチ及びロックアップクラッチをそれぞれ作動させるようになっている。
【特許文献1】特開2000−110916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した駆動装置では、各チャンバーに供給される油圧の圧力差により、エンジン動力遮断クラッチとロックアップクラッチとの動作が制御されるため、その制御性が悪いという問題があった。また、エンジン動力遮断クラッチ及びロックアップクラッチは、単板式のものであるために、伝達トルク容量が比較的小さいという問題、及び摩擦材面積が小さいため、クラッチ係合時の摩擦材の発熱量が高くなるという問題もあった。
【0005】
ここで、エンジン動力遮断クラッチとロックアップクラッチとの制御性及び伝達トルク容量を向上させるために、エンジン動力遮断クラッチ及びロックアップクラッチを、上記した単板式のものから油圧アクチュエータを備える多板式のものに置き換えることが考えられる。ところが、両クラッチを単板式のものから多板式のものへと単に置き換えただけでは、流体駆動装置が大型化してしまうという新たな問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、エンジン動力遮断クラッチをロックアップクラッチ付流体伝動装置内に配置する駆動装置において、両クラッチの制御性と伝達トルク容量を向上させるとともに、クラッチ係合時の摩擦材の発熱量を低減させつつ流体駆動装置の大型化、ひいては駆動装置の大型化を抑制することができる車両用駆動装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するためになされた本発明は、変速機構と、前記変速機構よりエンジン取付側に配設され、ロックアップクラッチを備える流体伝動装置と、ロータ及びステータを備え、前記ロータを前記流体伝動装置の入力部に連結する電動機と、エンジンの駆動力を前記流体伝動装置に対して伝達又は遮断するエンジン動力遮断クラッチとを有する車両用駆動装置において、前記ロックアップクラッチは、複数の摩擦板と、前記摩擦板を押圧する油圧アクチュエータとを備え、前記流体伝動装置内にてトーラスよりエンジン取付側に配置され、かつ前記摩擦板が前記トーラスの外径部と前記流体伝動装置のフロントカバーとの間に配置されており、前記エンジン動力遮断クラッチは、複数の摩擦板と、前記摩擦板を押圧する油圧アクチュエータとを備え、前記流体伝動装置内にて前記トーラスよりエンジン取付側に配置され、かつ前記ロックアップクラッチの外径よりも小径に構成されており、前記電動機は、前記エンジン動力遮断クラッチの外径側にて、前記エンジン動力遮断クラッチ用摩擦板と軸方向に重なり合って配置されていることを特徴とする。
【0008】
この車両用駆動装置では、ロックアップクラッチとエンジン動力遮断クラッチとが、それぞれ多板式のクラッチで構成され、各クラッチの摩擦板がそれぞれの油圧アクチュエータによって押圧される。従って、ロックアップクラッチとエンジン動力遮断クラッチとのそれぞれを独立して制御することができるとともに、伝達トルク容量を大きくすることができ、また、クラッチ係合時の摩擦材の発熱量を低減することができる。よって、エンジン動力遮断クラッチ及びロックアップクラッチの制御性及び伝達トルク容量を向上させるとともに発熱量を低減することができる。
【0009】
そして、この車両用駆動装置では、ロックアップクラッチ用摩擦板がトーラス外径側に配置されている。これにより、ロックアップクラッチとトーラスとを近接させて配置することができる。また、エンジン動力遮断クラッチをロックアップクラッチよりも小径にすることにより、エンジン動力遮断クラッチよりも大きな伝達トルク容量が要求されるロックアップクラッチの必要容量を確保しつつ、両クラッチを軸方向で近接して配置することができる。従って、ロックアップクラッチ付流体伝動装置内にエンジン動力遮断クラッチを設けても、流体伝動装置内に配置されるものを軸方向で近接させて配置することができるため、流体伝動装置の軸方向への大型化を抑制することができる。その結果、駆動装置の大型化も抑制することができる。
【0010】
さらに、この車両用駆動装置では、エンジン動力遮断クラッチの外径側において、電動機がエンジン動力遮断クラッチ用摩擦板と軸方向に重なり合って配置されている。このため、流体伝動装置と電動機とを軸方向で近接させて配置することができるので、駆動装置の軸方向への大型化をより確実に抑制することができる。
【0011】
このように、この車両用駆動装置によれば、ロックアップクラッチ付流体伝動装置にエンジン動力遮断クラッチを配置して、エンジン動力遮断クラッチとロックアップクラッチの制御性及び伝達トルク容量を向上させるとともに、クラッチ係合時の摩擦材の発熱量を低減させつつ、流体伝動装置ひいては駆動装置の大型化を抑制することができる。
【0012】
本発明に係る車両用駆動装置においては、前記ロックアップクラッチ用摩擦板を保持するロックアップクラッチ用クラッチドラムを有し、前記ロックアップクラッチ用クラッチドラムは、前記トーラスの外径側で前記トーラスの一部と軸方向に重なり合って配置されていることが望ましい。
【0013】
このような構成にすることにより、トーラス外径側の空間を有効活用することができるため、流体伝動装置の軸方向への大型化を抑制することができる。その結果、駆動装置の大型化を抑制することができる。
【0014】
また、本発明に係る車両用駆動装置においては、前記ロックアップクラッチ用クラッチドラムは、前記トーラスの外径側でタービンランナの外郭に連結される連結部材を備えていることが望ましい。
【0015】
このような構成にすることにより、ロックアップクラッチ用クラッチドラムをタービンランナに連結する際、トーラス外径側の空間を有効利用することができる結果、ロックアップクラッチとトーラスとを軸方向で一層近接させて配置することができる。従って、流体伝動装置の軸方向への大型化を一層抑制することができ、駆動装置の大型化をより確実に抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る車両用駆動装置においては、前記ロックアップクラッチ用アクチュエータ及び前記エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータのそれぞれは、前記各摩擦板を押圧するピストンと、前記ピストンを作動させてクラッチを係合させるための係合圧が供給される液密状の係合圧室とを備え、前記ロックアップクラッチ用アクチュエータ又は前記エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータの少なくとも一方は、前記ピストンの一部と前記係合圧室とが、前記摩擦板の内径側で軸方向に重なり合うように配置されていることが望ましい。
【0017】
ロックアップクラッチ用アクチュエータ又はエンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータの少なくとも一方において、ピストンの一部と係合圧室とを、摩擦板の内径側で軸方向に重なり合うように配置することにより、摩擦板の内径側の空間を有効に利用して油圧アクチュエータを構成することができる。従って、クラッチの軸方向寸法の大型化を抑制することができる結果、流体伝動装置の軸方向への大型化を抑制することができる。
【0018】
また、本発明に係る車両用駆動装置においては、前記エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータの係合圧室は、前記エンジン動力遮断クラッチ用ピストンと前記フロントカバーとにより形成されていることが望ましい。
【0019】
このような構成にすることにより、エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータの係合圧室を形成するために専用の部材を設ける必要がなくなる。このため、専用の部材が不要になった分だけエンジン動力遮断クラッチの軸方向寸法を短縮することができる。従って、エンジン動力遮断クラッチを流体伝動装置内に配置することに伴う軸方向寸法の大型化を抑制することができる。また、専用の部材が不要になるため、構成部品数が削減されるので低コスト化及び軽量化を図ることもできる。
【0020】
また、本発明に係る車両用駆動装置においては、前記ロックアップクラッチ用アクチュエータの係合圧室は、前記ロックアップクラッチ用ピストンとタービンハブとにより形成されていることが望ましい。
【0021】
このような構成にすることにより、ロックアップクラッチ用アクチュエータの係合圧室を形成するために専用の部材を設ける必要がなくなる。このため、専用の部材が不要になった分だけロックアップクラッチの軸方向寸法を短縮することができる。従って、エンジン動力遮断クラッチを流体伝動装置内に配置することに伴う軸方向寸法の大型化を抑制することができる。また、専用の部材が不要になるため、構成部品数が削減されるので低コスト化及び軽量化を図ることもできる。
【0022】
また、本発明に係る車両用駆動装置においては、前記ロックアップクラッチ用摩擦板と前記エンジン動力遮断クラッチ用摩擦板とは、軸方向で重なり合って配置されていることが望ましい。
【0023】
このような構成にすることにより、流体伝動装置内においてロックアップクラッチとエンジン動力遮断クラッチとを軸方向で近接させて配置することができる。従って、エンジン動力遮断クラッチを流体伝動装置内に配置することに伴う軸方向寸法の大型化を抑制することができる。
【0024】
また、本発明に係る車両用駆動装置においては、前記ロックアップクラッチ用クラッチハブは、前記エンジン動力遮断クラッチ用クラッチドラムによって構成されていることが望ましい。
【0025】
このようにロックアップクラッチ用クラッチハブとエンジン動力遮断クラッチ用クラッチドラムとを一部材で構成することにより、両クラッチの摩擦板を小型化することができる。従って、エンジン動力遮断クラッチを流体伝動装置内に配置することに伴う大型化を抑制することができる。また、クラッチの構成部品数が削減されるので低コスト化及び軽量化を図ることもできる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る車両用駆動装置によれば、上記した通り、エンジン動力遮断クラッチをロックアップクラッチ付流体伝動装置内に配置する駆動装置において、両クラッチの制御性と伝達トルク容量を向上させるとともに、クラッチ係合時の摩擦材の発熱量を低減させつつつつ流体駆動装置の大型化、ひいては駆動装置の大型化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の車両用駆動装置を具体化した最も好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態では、1モータのパラレルタイプのハイブリッド車輌の駆動装置について説明する。そこで、実施の形態に係る駆動装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係る駆動装置の概略構成を示す部分断面図である。図2は、実施の形態に係る駆動装置内のトルクコンバータ付近における拡大断面図である。
【0028】
図1に示すように、駆動装置10は、ミッションケース18に収納されている多段変速機構11と、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータ13と、ブラシレスDCモータ等からなりモータハウジング19に収容されているモータ・ジェネレータ14とを備えている。そして、駆動装置10は、図1左側部分(エンジン取付側)にてガソリンエンジン等の内燃エンジン15に接続されている。
【0029】
この駆動装置10は、その構成部品が一軸状に配置されており、前エンジン・後駆動(FR)方式に適用されるものである。詳しくは、エンジン取付側から、モータ・ジェネレータ14、トルクコンバータ13、そして変速機構11が同一軸上に順次配置されており、入力軸16の回転を、変速機構11にて変速して出力軸17に出力するようになっている。
【0030】
トルクコンバータ13は、図2に示すように、タービンランナ20、ポンプインペラ21、及びステータ22を有しており、タービンランナ20は入力軸16にスプライン結合しているタービンハブ23に連結されている。また、トルクコンバータ13と変速機構11との間には、オイルポンプ25が配設されており、ポンプケース25aがミッションケース18に固定されている。
【0031】
ポンプインペラ21の基部に固定されているハブ24は、ポンプケース25aの内周にニードルベアリングを介して回転自在に支持されているとともに、ポンプケース25aとハブ24との間にオイルシールが配設されている。また、ステータ22は、ワンウェイクラッチ28に連結されており、ワンウェイクラッチ28のインナケージは入力軸16とハブ24との間に配置されるスリーブ29を介してオイルポンプ25に固定されている。
【0032】
そして、ポンプインペラ21に固定されているフロントカバー30は、その外径部分30aがロックアップクラッチ40を覆うように軸方向にエンジン側(前方)に延び、中間部分30bがエンジン動力遮断クラッチ50を覆うように斜め構成され、その内径部分30cが半径方向に略垂直に延びている。このフロントカバー30の内径端にボス部30dが形成されており、ボス部30d内にセンタピース31が遊挿されている。これにより、フロントカバー30とセンタピース31とは相対回転可能となっている。一方、ボス部30dの外周には、後述するロータハブ66がスプライン結合されている。
【0033】
センタピース31は、入力軸16と整列するように前方(エンジン15側)に向けて軸方向に延び、その後端部分は中空になっており、この中空部分に入力軸16の先端部が配置されている。これにより、センタピース31と入力軸16とは相対回転可能となっている。一方、センタピース31の先端部分には、ダンパ機構32の内径側が連結されている。このダンパ機構32は、エンジン15のクランク軸15aに連結されたドライブプレート33に固定されている。これにより、エンジン15の駆動力がダンパ機構32を介してセンタピース31に伝達されるようになっている。このダンパ機構32により、エンジン15からのねじり振動が吸収され、センタピース31に伝わらないようになっている。
【0034】
フロントカバー30の軸方向に延びる外径部分30aの内径側に収納・配置されたロックアップクラッチ40は、タービンランナ20に隣接するように配置され、複数の摩擦板41と、摩擦板41を押圧するアクチュエータ45とを備える多板式クラッチである。これにより、ロックアップクラッチ40のトルク伝達容量及び制御性を向上させるとともに、クラッチ係合時の発熱量を低減することができる。ここで、摩擦板41は、クラッチディスク41dとクラッチプレート41pとにより構成されており、タービンランナ20(トーラス35)の外径側に位置している。これにより、ロックアップクラッチ40の径を比較的大きくすることでき、必要十分なトルク伝達容量を確保することができる。なお、本実施の形態では、クラッチディスク41dは2枚設けられている。
【0035】
そして、クラッチディスク41dはハブ42のスプラインに係合し、クラッチプレート41pはドラム43のスプラインに係合している。アクチュエータ45は、摩擦板41に当接・離間するピストンプレート46と、ピストンプレート46を移動させる油圧(クラッチ係合圧)が供給される油圧室47と、ピストンプレート46を戻す(クラッチ開放)ためのリターンスプリング48とにより構成されている。このように、ロックアップクラッチ40は、独立したアクチュエータ45を有するので、従来の差圧で作動するものに比べ制御性が向上している。
【0036】
クラッチディスク41dが係合するハブ42は、エンジン動力遮断クラッチ50のドラム53の一部分でもある。つまり、ロックアップクラッチ40のハブ42は、エンジン動力遮断クラッチ50のドラム53によって構成されている。つまり、ロックアップクラッチ40のハブ42とエンジン動力遮断クラッチ50のドラム53とが共通化され一部品で構成されている。これにより、部品点数の削減が図られているとともに、両クラッチ40,50の小型化が図られている。
【0037】
一方、クラッチプレート41pが係合するドラム43は、軸方向に延びてタービンランナ20の外郭に連結される連結部43aを有している。この連結部43aにより、ドラム43は、タービンランナ20に連結・固定されている。これにより、タービンランナ20及びポンプインペラ21の外郭からなるトーラス35の外径側空間を有効利用することができるため、ロックアップクラッチ40とトーラス35とを軸方向で近接させて配置することができる。
【0038】
そして、摩擦板41の前方側は、ドラム43に係合するスナップリング44により抜止めされている。その一方、後方側は、ピストンプレート46に当接するようにされている。これにより、ピストンプレート46を移動させることにより、ロックアップクラッチ40を接続又は解放することができるようになっている。
【0039】
ピストンプレート46は、ドラム43とタービンハブ23とに密接して移動自在とされている。ここで、ピストンプレート46の内径側端部は、タービンハブ23のボス部23aの外周面にオイルシール49aを介して密接している。また、ピストンプレート46の径方向略中央には、コ字状に屈曲し前方側に突出した屈曲部46aが形成されている。そして、屈曲部46aの後方側凹部外周面に、タービンハブ23の外周端部で前方側に延設された延設部23bがオイルシール49bを介して密接している。このような構成により、ピストンプレート46とタービンハブ23とで液密状の油圧室47が形成されている。従って、油圧室47を形成するために専用部材が不要となるので、ロックアップクラッチ40の軸方向寸法を短縮することができるとともに、構成部品点数を削減することができる。
【0040】
上記のようにして形成された油圧室47は、ピストンプレート46の一部と軸方向でオーバーラップしている。これにより、摩擦板41の内径側空間を有効利用してアクチュエータ45を構成することができ、ロックアップクラッチ40の軸方向への小型化を図ることができる。
【0041】
また、フロントカバー30の中間部分30bの内径側に収納・配置されたエンジン動力遮断クラッチ50は、ロックアップクラッチ40よりも小径に構成されるとともに、ロックアップクラッチ40よりもエンジン15側に配置されている。そして、エンジン動力遮断クラッチ50も、ロックアップクラッチ40と同様、複数の摩擦板51と、摩擦板51を押圧するアクチュエータ55とを備える多板式クラッチである。これにより、エンジン動力遮断クラッチ50のトルク伝達容量及び制御性を向上させるとともに、クラッチ係合時の発熱量を低減することができる。ここで、摩擦板51は、クラッチディスク51dとクラッチプレート51pとにより構成されており、本実施の形態ではクラッチディスク51dが2枚設けられている。
【0042】
このように、エンジン動力遮断クラッチ50をロックアップクラッチ40よりも小径にすることにより、エンジン動力遮断クラッチ50よりも大きな伝達トルク容量が要求されるロックアップクラッチ40の必要容量を確保しつつ、両クラッチ40,50を軸方向で近接して配置することができる。
【0043】
そして、クラッチディスク51dはハブ52のスプラインに係合し、クラッチプレート51pはドラム52のスプラインに係合している。アクチュエータ55は、摩擦板51に当接・離間するピストンプレート56と、ピストンプレート56を移動させる油圧(クラッチ係合圧)が供給される油圧室57と、ピストンプレート56を戻す(クラッチを開放する)ためのリターンスプリング58とにより構成されている。
【0044】
また、クラッチディスク51dが係合するハブ52の内径側は、センタピース31の後端部外周に固定されている。これにより、ハブ52は、センタピース31とともに回転するようになっている。一方、クラッチプレート51pが係合するドラム53は、フロントカバー30の内径部分30cに固定され、その反対側端部が前述したようにロックアップクラッチ40のドラム43として構成されている。
【0045】
そして、摩擦板51の後方側は、ドラム53に係合するスナップリング54により抜止めされている。その一方、前方側は、ピストンプレート56に当接するようにされている。これにより、ピストンプレート56を移動させることにより、エンジン動力遮断クラ
ッチ50を接続又は解放することができるようになっている。
【0046】
ピストンプレート56は、ドラム53とフロントカバー30に密接して移動自在とされている。ここで、ピストンプレート56の内径側端部は、フロントカバー30のボス部30d外周面にオイルシール59aを介して密接している。また、ピストンプレート56の径方向略中央には、コ字状に屈曲し後方側に突出した屈曲部56aが形成されている。そして、屈曲部56aの前方側凹部外周面に、フロントカバー30の内径部分30cで後方側に延設された延設部30eがオイルシール59bを介して密接している。このような構成により、ピストンプレート56とフロントカバー30とで液密状の油圧室57が形成されている。従って、油圧室57を形成するために専用部材が不要となるので、エンジン動力遮断クラッチ50の軸方向寸法を短縮することができるとともに、構成部品点数を削減することができる。
【0047】
上記のようにして形成された油圧室57は、ピストンプレート56の一部と軸方向でオーバーラップしている。これにより、摩擦板51の内径側空間を有効利用してアクチュエータ55を構成することができ、エンジン動力遮断クラッチ50の軸方向への小型化を図ることができる。
【0048】
そして、上記のように構成されたロックアップクラッチ40とエンジン動力遮断クラッチ50とは、それぞれの摩擦板41,51の一部が軸方向でオーバーラップするように配置されている。このような配置が可能となるのは、エンジン動力遮断クラッチ50をロックアップクラッチ40よりも小径に構成しているからである。このような両クラッチ
40,50の配置により、両クラッチ40,50を軸方向で近接させて配置することができる。
【0049】
このように、軸方向寸法を短縮したロックアップクラッチ40とエンジン動力遮断クラッチ50とを近接させて配置するとともに、ロックアップクラッチ40をトーラス35に近接させて配置することができるので、ロックアップクラッチ40を備えるトルクコンバータ13内にエンジン動力遮断クラッチ50を設けても、トルクコンバータ13の大型化を抑制することができる。
【0050】
そして、モータ・ジェネレータ14は、ステータ61とロータ62とを有しており、これらステータ61及びロータ62は、フロントカバー30の外径部分30aの一部及び中間部分30bの外径側において、略整列する位置、すなわちその内径側に位置するエンジン動力遮断クラッチ50と軸方向にオーバーラップする位置に配置されている。このため、トルクコンバータ13とモータ・ジェネレータ14とを軸方向で近接させて配置することができるので、駆動装置10の軸方向への大型化を確実に抑制することができる。
【0051】
ここで、ステータ61は、軸方向に積層された積層鋼板からなるステータコア61aにコイル61bを巻回してなり、モータハウジング19に固定されている。ロータ62は、永久磁石からなる多数の積層板62aを軸方向に並べて構成されており、これら積層板62aは、支持板63に固定・支持されている。
【0052】
この支持板63は、フロントカバー30の内径部分30cの前方(エンジン15側)にてかつ平行に半径方向に延びる円板部63aと、積層板62aを保持する保持部63bとを有している。保持部63bは、軸方向ほぼ中央にて円板部63aに連結され、軸方向に延びている。そして、ロータ62とステータ61とは、その積層板62aとステータコア61aとが軸方向に同じ位置(オーバーラップした位置)、すなわち所定軸方向長さにおいて半径方向に整列しており、かつこれら積層板62aとステータコア61aが僅かの間隔を存して対向している。
【0053】
また、モータハウジング19は、ステータ61の前方部分に沿うように側壁19aを有しており、側壁19aの中間部分とロータ支持板63との間に、レゾルバ64が設けられている。レゾルバ64は、ロータ62の回転位置を正確に検出して、ステータ61に流す電流のタイミングを制御するためのものであり、それぞれ精密加工された積層板からなる回転子64aと固定子64bからなる。そして、コイルにより励磁される固定子64bを外径側に、回転子64aを内径側にして半径方向に整列して(軸方向にオーバーラップした位置に)配置されている。
【0054】
さらに、モータハウジング側壁19aの内径端にはボールベアリング65が装着されている。このボールベアリング65は、レゾルバ64の内径側にあって半径方向に略整列する位置(軸方向にオーバーラップする位置)に配置されている。ボールベアリング65の内径側には、ロータ支持板63の内径端に固定されているロータハブ66が隙間の殆どない精度の高い公差状態(圧入ではない)で嵌合している。そして、ハブ66の内径側が、フロントカバー30のボス部30dにスプライン結合されている。
【0055】
続いて、上記した駆動装置10の動作について説明する。車輌の停止状態でかつイグニッションスイッチがON状態にあって、運転者が発進意図に基づきアクセルペダルを踏む(低スロットル開度時)と、まず、モータ・ジェネレータ14にバッテリ(図示せず)からの電流が流れて、モータとして機能する。ブラシレスDCモータからなるモータ・ジェネレータ14は、レゾルバ64によりロータ62の位置を正確に検出することに基づき、コントローラ(図示せず)によりステータ61のコイル61bに流す電流のタイミングを調整して、前進方向にかつ高い効率にてロータ62を回転する。このロータ62の回転は、ロータ支持板63、ロータハブ66、そしてフロントカバー30、ポンプインペラ21、タービンランナ20、及びステータ22からなるトルクコンバータ13を介して、所定のトルク比の増大を伴って入力軸16に伝達される。
【0056】
そして、発進直後の車輌が比較的低速な所定速度にあって、スロットルが一定開度以上踏まれると燃料噴射装置を作動して、点火プラグにより点火してモータ・ジェネレータ14がスタータモータとして機能し、内燃エンジン15を始動する。これにより、内燃エンジン15のクランク軸15aの回転は、ドライブプレート33、ダンパ機構32を介してセンタピース31に伝達される。そして、エンジン動力遮断クラッチ50を接続して、内燃エンジン15の駆動力及びモータとして機能しているモータ・ジェネレータ14の駆動力が加算されて、トルクコンバータ13に伝達され、さらに変速機構11により変速されて、所望の回転速度にて駆動車輪に伝達される。このように、車輌の加速状態や登坂状態等の大きな駆動力を必要とする場合には、内燃エンジン15の駆動力にモータ・ジェネレータ14の駆動力がアシストして、高馬力にて車輌を走行する。
【0057】
ここで、エンジン動力遮断クラッチ50は、独立したアクチュエータ55を有する多板クラッチとして構成されているため、エンジントルクに対して十分なトルク伝達容量を備えるとともに、クラッチ係合時の発熱量を低減することができ、制御性にも優れている。このため、内燃エンジン15の駆動力を確実に入力軸16に伝達することができ、発熱量も低減することができる。
【0058】
そして、車輌が定常高速走行状態になると、モータ・ジェネレータ14が無負荷運転(モータに生じる逆起電力により生じるトルクを相殺させるようにモータ出力を制御する)され、モータ・ジェネレータ14を空転し、専ら内燃エンジン15の駆動力にて車輌を走行する。なお、バッテリの充電量(SOC)によっては、モータ・ジェネレータ14をジェネレータとして機能してエネルギの回生を行う。内燃エンジン15による駆動状態又は内燃エンジン15にモータをアシストした駆動状態(場合によってはモータのみによ
る駆動状態)にあって、ロックアップクラッチ40を接続する。これにより、フロントカバー30に伝達されているトルクは、ハブ42(ドラム53)、摩擦板41、ドラム43、タービンランナ20、及びタービンハブ23を介して、トルクコンバータの油流を介することなく直接入力軸16に伝達される。
【0059】
この際、上記したように、ロックアップクラッチ40はトーラス35外径と同等の径を有し、独立したアクチュエータ45を有する多板クラッチとして構成されているため、上記モータアシストによる高馬力に対しても充分なトルク容量を備え、制御性にも優れている。このため、内燃エンジン15及びモータ14の駆動力を確実に入力軸16に伝達することができる。
【0060】
また、定常低・中速走行及び降坂路走行等により内燃エンジン15の出力に余裕がある場合、バッテリのSOCに応じて、モータ・ジェネレータ14をジェネレータとして機能させてバッテリを充電する。特に、降坂時においてエンジンブレーキを要求する場合、ジェネレータとなっているモータ・ジェネレータ14の回生電力を大きくして、充分なエンジンブレーキ効果を得ることができる。また、運転者がブレーキを踏んで車輌の停止を要求する場合、モータ・ジェネレータ14の回生電力を更に大きくして、回生ブレーキとして作動し、車輌の慣性エネルギを電力として回生して、摩擦ブレーキに基づく熱によるエネルギ放散を減少する。また、中速域においても、内燃エンジン15をより高出力、高効率な領域で運転できるように、モータ・ジェネレータ14を回生状態とし、これによりエンジン効率を向上できるとともに、回生によるバッテリの充電に基づきモータ走行を増大することができ、エネルギ効率を向上することができる。
【0061】
そして、車輌が信号等にて停止している状態では、モータ・ジェネレータ14が停止されるとともに、燃料噴射装置がOFFとなって内燃エンジン15も停止される。すなわち、従来のエンジンのアイドリング状態がなくなる。また、この停止状態からの車輌の発進は、前述したように、まず、モータ・ジェネレータ14のモータ駆動力により発進し、その直後の比較的低速状態で、モータ駆動力により内燃エンジン15が始動され、モータ14の駆動力にてアシストすることにより、内燃エンジン15の急激な駆動力変動をなくして、滑らかに運転し、そしてエンジンブレーキ必要時及び制動停止時に、モータ・ジェネレータ14を回生ブレーキとして車輌慣性エネルギを電気エネルギとして回生する。また、エンジン低負荷、極低負荷時のようにエンジン効率の悪い領域をモータ走行する。これらが相俟って、本駆動装置10を搭載するハイブリッド車輌は、省燃費及び排ガスの減少を達成することができる。
【0062】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る駆動装置10によれば、ロックアップクラッチ40及びエンジン動力遮断クラッチ50のそれぞれを、アクチュエータ45,55を備える多板式のクラッチとしている。このため、ロックアップクラッチ40及びエンジン動力遮断クラッチ50の制御性及び伝達トルク容量を向上させるとともに、クラッチ係合時の発熱量を低減することができる。そして、ロックアップクラッチ40の摩擦板41をトーラス35の外径側に配置するとともに、エンジン動力遮断クラッチ50をロックアップクラッチよりも小径に構成して、エンジン動力遮断クラッチ50をトルクコンバータ13内に設けている。このため、ロックアップクラッチ40とトーラス35とを軸方向で近接させて配置するとともに、ロックアップクラッチ40とエンジン動力遮断クラッチ50とを軸方向で近接させて配置することができる。これにより、トルクコンバータ13内の構成部品を軸方向に近接させて配置することができるため、エンジン動力遮断クラッチ50をトルクコンバータ13内に設けたことに伴うトルクコンバータ13の大型化を抑制することができる。
【0063】
また、駆動装置10では、エンジン動力遮断クラッチ50の外径側において、モータ・ジェネレータ14をエンジン動力遮断クラッチ50の摩擦板51と軸方向でオーバーラップさせて配置している。このため、トルクコンバータ13とモータ・ジェネレータ14とを軸方向で近接させて配置することができるので、駆動装置10の軸方向への大型化を確実に抑制することができる。
【0064】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、ダンパ機構32をトルクコンバータ13外に配置、詳しくは内燃エンジン15とトルクコンバータ13との間に配置した駆動装置に本発明を適用した場合を例示したが、本発明は図3に示すように、ダンパ機構32aをとトルクコンバータ13内に配置、詳しくはロックアップクラッチ40とエンジン動力遮断クラッチ50との間に配置した駆動装置10aにも適用することができる。このように、ダンパ機構をトルクコンバータ13内に配置することにより、ダンパ機構の耐久性を向上させることができる。
【0065】
また、上記した実施の形態では、本発明をF・Rタイプの駆動装置に適用しているが、これに限られずF・F(前エンジン・前輪駆動)タイプ等の他の形式の駆動装置にも適用することができる。さらに、上記した実施形態は、モータ・ジェネレータとして、ブラシレスDCモータを用いているが、これは、直流モータ、誘導式交流モータ等の他のモータでもよい。さらにまた、上記した実施形態は、流体伝動装置としてトルクコンバータを用いているが、これは流体継手等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施の形態に係る駆動装置の概略構成を示す部分断面図である。
【図2】実施の形態に係る駆動装置内のトルクコンバータ付近における拡大断面図である。
【図3】変形例に係る駆動装置内のトルクコンバータ付近における拡大断面図である。
【符号の説明】
【0067】
10 駆動装置
11 多段変速機構
13 トルクコンバータ
14 モータ・ジェネレータ
15 内燃エンジン
16 入力軸
17 出力軸
20 タービンランナ
21 ポンプインペラ
22 ステータ
23 タービンハブ
23a ボス部
23b 延設部
24 ハブ
30 フロントカバー
30a 外径部分
30b 中間部分
30c 内径部分
30d ボス部
30e 延設部
31 センタピース
32 ダンパ機構
33 ドライブプレート
35 トーラス
40 ロックアップクラッチ
41 摩擦板
41d クラッチディスク
41p クラッチプレート
42 ハブ
43 ドラム
43a 連結部
45 アクチュエータ
46 ピストンプレート
46a 屈曲部
47 油圧室(係合圧室)
48 リターンスプリング
50 エンジン動力遮断クラッチ
51 摩擦板
51d クラッチディスク
51p クラッチプレート
52 ハブ
53 ドラム
55 アクチュエータ
56 ピストンプレート
56a 屈曲部
57 油圧室(係合圧室)
58 リターンスプリング
61 ステータ
62 ロータ
64 レゾルバ
66 ロータハブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機構と、前記変速機構よりエンジン取付側に配設され、ロックアップクラッチを備える流体伝動装置と、ロータ及びステータを備え、前記ロータを前記流体伝動装置の入力部に連結する電動機と、エンジンの駆動力を前記流体伝動装置に対して伝達又は遮断するエンジン動力遮断クラッチとを有する車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチは、
複数の摩擦板と、前記摩擦板を押圧する油圧アクチュエータとを備え、
前記流体伝動装置内にてトーラスよりエンジン取付側に配置され、かつ前記摩擦板が前記トーラスの外径部と前記流体伝動装置のフロントカバーとの間に配置されており、
前記エンジン動力遮断クラッチは、
複数の摩擦板と、前記摩擦板を押圧する油圧アクチュエータとを備え、
前記流体伝動装置内にて前記トーラスよりエンジン取付側に配置され、かつ前記ロックアップクラッチの外径よりも小径に構成されており、
前記電動機は、前記エンジン動力遮断クラッチの外径側にて、前記エンジン動力遮断クラッチ用摩擦板と軸方向に重なり合って配置されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載する車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ用摩擦板を保持するロックアップクラッチ用クラッチドラムを有し、
前記ロックアップクラッチ用クラッチドラムは、前記トーラスの外径側で前記トーラスの一部と軸方向に重なり合って配置されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載する車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ用クラッチドラムは、前記トーラスの外径側でタービンランナの外郭に連結される連結部材を備えている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ用アクチュエータ及び前記エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータのそれぞれは、前記各摩擦板を押圧するピストンと、前記ピストンを作動させてクラッチを係合させるための係合圧が供給される液密状の係合圧室とを備え、
前記ロックアップクラッチ用アクチュエータ又は前記エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータの少なくとも一方は、前記ピストンの一部と前記係合圧室とが、前記摩擦板の内径側で軸方向に重なり合うように配置されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載する車両用駆動装置において、
前記エンジン動力遮断クラッチ用アクチュエータの係合圧室は、前記エンジン動力遮断クラッチ用ピストンと前記フロントカバーとにより形成されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載する車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ用アクチュエータの係合圧室は、前記ロックアップクラッチ用ピストンとタービンハブとにより形成されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6に記載するいずれか1つの車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ用摩擦板と前記エンジン動力遮断クラッチ用摩擦板とは、軸方向で重なり合って配置されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載する車両用駆動装置において、
前記ロックアップクラッチ用クラッチハブは、前記エンジン動力遮断クラッチ用クラッチドラムによって構成されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−105449(P2010−105449A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277451(P2008−277451)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)