説明

車両誘導装置

【課題】車両速度に変化を与え得る地点において、変化地点を経て車両速度に変化が生じた場合に、運転者に元の速度に復帰させるための誘導の契機を与える。
【解決手段】車両速度に変化を与え得る変化地点Pを含む道路に面する位置に設置され、変化地点Pを通過する以前の車両6の走行速度V1を検出する前速度センサ2、及び変化地点Pを通過した後の車両6の走行速度V2を検出する後速度センサ3と、道路に沿って設置された複数の発光体4と、後速度センサ3の検出値V2と前速度センサ2の検出値V1との差(|V1−V2|)の有無に基づき、複数の発光体4に発光指令を送信するコントローラ5から車両誘導装置1を構成する。
コントローラ5が前記検出値の差(|V1−V2|)に基づき、複数の発光体4の発光が車両6の走行方向に流れていく発光速度vを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば道路勾配が変化する地点等、車両速度に変化を与え得る変化地点を経て実際に車両速度に変化が生じた場合に、運転者に、変化地点に進入する前の速度に復帰させるための誘導の契機を与える車両誘導装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば距離のあるトンネル内や高速道路等を走行中のように運転者が道路勾配の変化を把握しにくい状況下では、道路が下り勾配から水平へ、または水平から上り勾配へ移行し、車両速度が低下する地点でも勾配の変化に気付かないことが多い。道路勾配が変化した地点を通過した時点では、通過前よりアクセルペダルを踏み込まない限り、車両速度が低下するため、その地点の後方で自然渋滞を招き易い。
【0003】
このような道路勾配の変化に伴う自然渋滞を防止する方法としては、運転者に車両の減速が生じないような文字情報による注意を喚起する方法が一般的であるが(特許文献1参照)、道路に面する側壁に、勾配が存在することを直感的に知らせるための模様を付する方法もある(特許文献2参照)。
【0004】
車両速度の変化が道路勾配ではなく、カーブに起因する場合に、カーブの曲率や対向車の存在等を発光体の発光により知らせる方法がある(特許文献3、4参照)。この他、人の歩行を誘導するように発光の移動速度を調整する方法がある(特許文献5参照)。以上のことから、特許文献3〜5に記載の発光体を特許文献2における側壁に組み合わせれば、発光体への発光の制御により道路勾配の存在を運転者に知らせるシステムを構成することができるようにも考えられる。
【0005】
【特許文献1】特開平6−306825号公報(請求項1、段落0011〜0019、図1)
【特許文献2】特開2003−105724号公報(請求項1、段落0022〜0043、図1、図4、図6)
【特許文献3】特開2001−283393号公報(請求項1、段落0020〜0035、図1、図2)
【特許文献4】特開平7−150528号公報(請求項1、段落0018、図1)
【特許文献5】特許第2688329号公報(段落0028〜0034、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3では車両速度の検出に基づき、常に車両の前方に位置する発光体の発光が、車両速度にほぼ等しい移動速度を維持するように発光の時期を制御している(段落0005)。具体的には発光体の手前を走行している車両の速度と、隣接する発光体間の間隔から、発光体の発光時期を制御している(段落0007、0024)。
【0007】
ここで、発光の移動速度(以下、発光速度と言う)とは、複数の発光体が等間隔で配列しているとしたときに、隣接する発光体間の距離を隣接する発光体の発光間隔(時間差)で割った値であり、複数の発光体の発光が車両進入側から、車両の移動の向きに流れていくときの速度を言う。
【0008】
特許文献3では発光体の手前に進入してきた車両の速度の検出に基づいて車両の進行方向前方に位置する発光体に発光の指令を出すことで、常に車両の前方に位置する発光体が発光するようにしている。しかしながら、各発光体の発光時期と発光速度は最初に検出された車両速度によって決まり、進入時の車両速度に従属する関係にあるため、発光速度が運転者に車両速度の制御を促すように作用することはない。
【0009】
特許文献5では発光速度(流れ点滅の速さ)に従った速度で歩行者が歩行できるように移動速度を設定可能にしているが(段落0016、0033)、発光速度は一定であるため、歩行速度の変化に応じて発光速度が変化することはない。すなわち、歩行中、歩行速度が低下、もしくは上昇したときに、その変化に合わせて発光速度が増減することはないため、歩行者を運転者に置き換えたとき、発光速度が運転者に対し、車両速度の制御を促すように作用することはない。
【0010】
本発明は上記背景より、例えば道路勾配が変化する地点を経て車両速度が変化したときに、複数の発光体による発光速度が運転者に車両速度の制御を促すように作用する車両誘導装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の車両誘導装置は、
車両速度に変化を与え得る変化地点を含む道路に面する位置に設置され、前記変化地点を通過する以前の車両の走行速度を検出する前速度センサ、及び前記変化地点を通過した後の車両の走行速度を検出する後速度センサと、
前記道路に沿って設置された複数の発光体と、
前記後速度センサの検出値と前記前速度センサの検出値との差の有無に基づき、前記複数の発光体に発光指令を送信するコントローラとを備え、
前記コントローラが前記検出値の差に基づき、前記複数の発光体の発光が車両の走行方向に流れていく発光速度を設定することを構成要件とする。
【0012】
発光速度vは前記のように複数の発光体の発光が車両進入側から、車両の走行方向に流れていく速度を言い、後速度センサの検出値と前速度センサの検出値との差に基づいて設定される。後速度センサの検出値V2が前速度センサの検出値V1より小さければ、例えば請求項5に記載のように発光速度vは前速度センサの検出値V1以上に設定され、後速度センサの検出値V2が前速度センサの検出値V1より大きければ、例えば請求項6に記載のように発光速度vは前速度センサの検出値V1以下に設定される。
【0013】
「車両の走行方向」における「方向」は「発光の方向」に正負の向きがあることを意味し、発光は車両の移動の向きに流れる場合と逆向きに流れる場合がある。前者の場合、発光速度は正であり、後者の場合は負になる。
【0014】
発光速度vが設定されれば、請求項2に記載のように発光速度vと隣接する発光体間の距離Laから、各発光体への発光指令の時期(タイミング)が決定される。発光指令の時期は発光の時間差Δt(=La/v)として求められる。発光の時間差Δtとは、車両進入側等、最初に発光を開始すべき発光体が発光したときから、それに隣接する発光体が発光するまでの時間を指し、最初の発光指令後、次以降の発光体へはこの時間差Δtを置いて順次、発光指令が送信される。最初の発光指令後、次以降の発光指令の時期はこの時間差Δtを置いた時刻になる。発光の時間差Δtは発光(指令)の間隔と言うこともできる。
【0015】
「車両速度に変化を与え得る変化地点」とは、主として道路勾配が変化する地点を指すが、トンネルの出入り口、道路の合流・分流部の他、曲率を持った(カーブした)道路、工事中、もしくは規制中の道路等も含まれる。いずれにしても、道路がその形態や状況に起因し、変化地点を経て車両速度に変化を与えたときに、変化地点の先で変化前の速度に車両速度を復帰させるべき地点全般を指す。
【0016】
トンネルの出入り口では道路勾配が変化する地点と同様、運転者が特に速度の変化に気付くことなく、車両速度が低下する傾向があるため、勾配が下りから上りへ変化する地点と同様の誘導を運転者に与えればよい。道路の合流部では運転者は意図的に加速しようとし、分流部では減速しようとするため、一定距離の走行後に目標の速度に上昇、または低下させるような発光速度vによる誘導を運転者に与えることで、合流時や分流後の安全性を確保することが可能になる。
【0017】
カーブした道路では運転者は意図的に車両速度を低下させるが、カーブの通過後には加速し、減速前の速度に復帰させようとするため、発光体の発光に誘導されることで、速度メータに依存する場合より円滑に復帰させ易くなる。工事中等の道路においても、運転者は工事区間では減速を余儀なくされるが、工事区間を通過した後には加速することになるため、発光体の発光に誘導されることで、加速の加減が分かり易くなる。
【0018】
道路勾配が変化する地点とは、車両速度が低下し易い地点である下り勾配から上り勾配、もしくは水平に変化する地点、または車両速度が上昇し易い地点である上り勾配から下り勾配、もしくは水平に変化する地点を指す。平面で見たときの道路の形状は直線状であるか、曲線状であるかを問わず、車両の走行方向に沿った路面の形状も曲線状であるか、直線状であるかを問わない。下り勾配から上り勾配に変化する地点は特にサグ部と呼ばれる。
【0019】
請求項1中の「検出値の差の有無に基づき」とは、検出値に差があるときに発光体に発光指令を送信する場合と、検出値に差がなくとも発光指令を送信する場合があることを言う。基本的には請求項3に記載のように検出値に差があるときに、変化した速度を復帰させる誘導を運転者に与える意味で、発光体を発光させることになるが、発光の流れは現状速度を維持させる運転を運転者に促す作用もあるため、検出値に差がなくても発光体を発光させることには意味がある。
【0020】
後速度センサと前速度センサの検出値に差がないときには(V2=V1)、例えば運転者に現状速度を維持させる信号を与えられるよう、発光速度vが前速度センサ、または後速度センサの検出値と等しくなるような制御が行われる。その場合、コントローラは発光を開始すべき発光体に対して発光指令を送信した後、続く発光体に対しては発光速度vが検出値(V1、またはV2)と等しくなるような時間差Δtで発光指令を送信する。この場合の時間差ΔtはΔt=La/v(=V1)となる。
【0021】
前速度センサと後速度センサは組(対)になることで、変化地点の前後での車両速度の変化を検出し、車両速度に変化があれば、変化地点を経て速度が低下した、または上昇したとコントローラが判断する。コントローラはこの車両速度の変化、すなわち速度低下、もしくは速度上昇の判断に基づいて各発光体に発光指令を送る。最初の発光指令後の次の発光指令はコントローラが算出(設定)した発光速度vに従って送信される。発光指令を送信する間隔(時間差Δt)は前記のように発光速度vの設定によって決まり、例えば発光速度v=V1と設定すれば、上記と同様、Δt=La/v(=V1)である。
【0022】
前速度センサと後速度センサのそれぞれは必ずしも1個とは限らず、複数個であることもある。コントローラは全発光体に発光指令を送る場合には車両誘導装置に付き、1個あれば足りるが、各発光体に内蔵等、付属する場合もある。
【0023】
コントローラが1個の場合には、例えば請求項4に記載のように車両の進入側に位置する発光体から順次、それから遠い側に位置する発光体へ向け、全発光体に発光指令を送信する。各発光体にコントローラが付属する場合には、先行して発光した発光体のコントローラからの発光指令を受けることにより、車両の走行方向前方側に隣接する発光体が順次、発光することになる。いずれの場合も、発光指令は逆向きに、すなわち車両の走行方向前方側から後方側へ向かって送信される場合もある。複数の発光体は道路に沿い、車両の走行方向に間隔を置いて、もしくは連続的に配列する。
【0024】
請求項3では後速度センサの検出値と前速度センサの検出値とに差があるときに、発光速度が制御されることで、変化地点を経て車両速度が低下、もしくは上昇したときに、変化した速度分を復帰させるような移動速度(発光速度)で発光体を発光させることが可能である。
【0025】
変化地点を経て車両速度が低下したとき、車両速度を上昇させるような移動速度で発光体を発光させることで、運転者は発光速度と等速で車両を走行させるように誘導されるため、運転者に低下した速度を回復させるように促すことが可能になる。車両速度を上昇させるような移動速度とは、例えば変化地点を経る前の車両速度以上の速度を言う。変化地点の通過により低下した車両速度が回復することで、自然渋滞の発生条件がなくなるため、後方での自然渋滞の発生が回避される。
【0026】
逆に変化地点を経て車両速度が上昇したときには、車両速度を低下させるような移動速度で発光体を発光させることで、運転者は発光速度と等速で車両を走行させるように誘導されるため、運転者に上昇した速度を低下させ、速度上昇分をなくすように促すことが可能になる。車両速度を低下させるような移動速度とは、例えば変化地点を経る前の車両速度以下の速度を言う。変化地点の通過により上昇した車両速度が回復することで、速度超過の傾向が未然に防止される。
【0027】
複数の発光体へは、基本的には請求項4に記載のように変化地点への車両の進入側に位置する発光体から順次、それから遠い側に位置する発光体へ発光指令が送信される。但し、変化地点を経て車両速度が上昇した場合には、減速を促すために、前記のように車両進入側の反対側から進入側へ向かって発光するように指令を出すこともある。発光体は変化地点から車両の走行側へ配列する場合と、変化地点の手前(車両進入側)から配列する場合がある。
【0028】
後速度センサの検出値が前速度センサの検出値より小さいとき、すなわち車両速度が低下したときには、前記のように発光体は運転者に車両速度の上昇(加速)を促すように発光する。具体的には請求項5に記載のように、請求項3、4においてコントローラが発光速度を前速度センサの検出値以上に設定することにより発光速度が調整される。
【0029】
発光速度が速度低下前の車両速度である前速度センサの検出値以上であれば、運転者は変化地点を経て車両速度が低下したことを認識することができるため、運転者には発光速度に追従し、速度を上げようとする意識が作用する。この結果、運転者がアクセルペダルを踏み込むことにより低下した速度が回復し、自然渋滞の発生が未然に防止される。
【0030】
発光の流れによる運転者への誘導を補うために、道路の路面や側面、または上空に「光より遅い場合には渋滞を作っています」のような説明を表示できる表示板を設置しておき、この表示板への表示の動作を発光指令に連動させてコントローラに実行させることもできる。この他、この種の説明を車両に搭載されたナビゲーション装置に予め格納しておき、コントローラから、変化地点を通過した走行中の各車両へ指令を送信することにより、ナビゲーション装置上で説明を表示させることも可能である。ナビゲーション装置へ送信する場合には、説明を記録した音声による案内を発声させることも可能である。
【0031】
後速度センサの検出値が前速度センサの検出値より大きいとき、すなわち車両速度が上昇したときには、発光体は運転者に車両速度の低下(減速)を促すように発光する。具体的には請求項6に記載のように、請求項3、4においてコントローラが発光速度を前速度センサの検出値以下に設定することにより発光速度が調整される。
【0032】
発光速度が速度上昇前の車両速度である前速度センサの検出値以下であれば、運転者は変化地点を経て車両速度が上昇したことを認識することができるため、運転者には発光速度に追従し、速度を下げようとする意識が作用する。この結果、運転者がアクセルペダルを緩めることにより上昇した速度が回復し、速度超過の傾向が未然に防止される。
【0033】
発光は車両速度が制限速度を超過している場合、もしくは下回っている場合に、その超過分を減速、もしくは不足分を加速させるような誘導を運転者に与えることもできる。また前速度センサと後速度センサとの間の区間に複数台の車両が進入し、各車両の速度に差がある場合に、発光速度を全車両の平均速度に設定することで、車両間の接近や間隔の開きを防止するように全車両を誘導することも可能である。
【0034】
変化地点を経て車両速度が低下した場合のように、発光速度が車両速度を上回る場合には、発光が走行中の車両の後方から開始されても発光の移動(流れ)が車両を追い越していくことができ、車両が発光体の列の範囲内にある限り、運転者の視界に入れることが可能である。従って最も車両の進入側に位置する発光体である起点側発光体への発光指令の時期は問われず、起点側発光体を車両が通過した後に発光が開始されてもよい。
【0035】
これに対し、変化地点を経て車両速度が上昇した場合のように、発光速度が車両速度を下回る場合には、発光が車両の位置から開始されても発光の移動(流れ)が運転者の視界に入らない可能性がある。このため、発光が常に車両の前方に位置するようにする上では、発光が開始される発光体は変化地点を通過したときの車両より走行方向の前方であることが好ましい。
【0036】
そこで、少なくとも発光速度が車両速度を下回る場合には、請求項7に記載のように、コントローラが発光を開始すべき発光体への発光指令の時期を、その発光体を車両が通過する以前になるような設定をする。
【0037】
請求項7における発光体への発光指令の時期は、例えば請求項8に記載のように発光を開始すべき発光体と走行中の車両との間の距離の変化率dL(=δL/δt)から決定される。δLは後述のように一定の微小時間(δt)毎の距離の差(δL=Lb−Lc)である。車両が発光を開始すべき発光体に接近してくるときには、その発光体と車両との間の距離は時刻毎に小さくなり、距離の変化率は負になる。逆に車両が発光を開始すべき発光体から遠ざかるときには、両者間の距離は時刻毎に大きくなり、距離の変化率は正になる。
【0038】
このことから、距離の変化率が負であることが確認されている間に、発光を開始すべき発光体への発光指令を出すことで、発光速度が車両速度を下回る場合にも、発光を開始すべき発光体が車両の前方側にある時点(タイミング)で発光を開始することが可能になる。
【0039】
発光速度が車両速度を上回る場合には、前記のように発光が開始される発光体が車両の後方に位置していても、発光の移動(流れ)が走行中の車両を追い越せるため、全発光体の内の複数の発光体から時間差を付けて発光を開始しても、運転者の視界に入れることが可能である。
【発明の効果】
【0040】
車両速度に変化を与え得る変化地点の前後での車両速度の変化を検出し、車両速度に変化があれば、コントローラが車両速度の変化に基づいて複数の発光体に発光指令を送り、全発光体の発光速度を制御するため、変化地点を経て車両速度が低下、または上昇したときに、運転者にそのことを認識させることができる。
【0041】
この結果、運転者に速度を上げようとする、または下げようとする意識を与えることができるため、運転者が速度の低下を認識していないことに起因する自然渋滞の発生と、速度の上昇を認識していないことに起因する速度超過の傾向を未然に防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0043】
図1、図2は車両速度に変化を与え得る変化地点Pを含む道路に面する位置に設置され、変化地点Pを通過する以前の車両6の走行速度V1を検出する前速度センサ2、及び変化地点Pを通過した後の車両6の走行速度V2を検出する後速度センサ3と、道路に沿って設置された複数の発光体4と、後速度センサ3の検出値と前速度センサ2の検出値との差ΔV(|V1−V2|)の有無に基づき、複数の発光体4に発光指令を送信するコントローラ5とを備える車両誘導装置1の構成例を示す。図面では変化地点Pとして道路勾配が変化する地点を示しているが、変化地点Pは勾配が変化することなく、平面上、湾曲、もしくは屈曲した地点の場合もある。
【0044】
コントローラ5は前記検出値の差ΔV(|V1−V2|)に基づき、まず複数の発光体4の発光が車両6の走行(移動)方向に流れていく発光速度vを設定する。続いて設定した発光速度vと隣接する発光体4、4間の距離Laから、各発光体4への発光指令の時期(タイミング)、すなわち発光指令を送信する時間差Δtを決定する。隣接する発光体4、4間の距離Laはその設置時に予め定まっているため、発光速度vの設定により発光の時間差ΔtがΔt=La/vとして求められる。
【0045】
以下では最も車両6の進入側に位置する発光体41を起点側発光体、その反対側の端部に位置する発光体を終点側発光体と呼ぶことがある。また複数の全発光体4、またはいずれかの発光体41、42…410を発光体4で代表させることもある。
【0046】
図1、図2は変化地点Pを経て車両速度が低下し易い地点である下り勾配から上り勾配、もしくは水平に変化する地点の例を示しているが、道路勾配が変化する地点としては、この他、車両速度が上昇し易い地点である上り勾配から下り勾配、もしくは水平に変化する地点の場合もある。図1のような変化地点Pを含む道路では、車両速度が変化地点Pを経て低下する傾向があることから、主に変化地点Pの手前側に前速度センサ2が設置され、変化地点Pを越えた先に後速度センサ3が設置される。
【0047】
変化地点Pが道路勾配の変化地点である場合、変化地点Pの手前を走行中の車両6の速度は変化地点Pからの距離によって大きな変動はないため、前速度センサ2の設置位置は変化地点Pの手前であれば、特に問われない。
【0048】
一方、変化地点Pを通過した直後には車両速度に変化は表れず、変化地点Pからの距離が大きくなる程、速度が低下し易くなるため、後速度センサ3は変化地点Pより、車両6がある程度の距離を走行した先に設置されることが合理的である。変化地点Pを通過した直後に車両速度に変化が表れないことは、変化地点Pを経て図1のように路面が下り勾配から上り勾配へ移行する場合と、上り勾配から下り勾配へ移行する場合のいずれにも当てはまる。
【0049】
起点側発光体41も車両速度が低下することが見込まれる、変化地点Pから距離を置いた先に設置されれば足りるが、発光により運転者に速度復帰の意識を早期に持たせる意味では、車両6が変化地点Pを通過する直後、あるいは通過する前の位置に設置されることもある。図1では後速度センサ3に対し、車両6の走行方向前方側に発光体4を設置している。
【0050】
前速度センサ2と後速度センサ3、及び発光体4は例えば図示するように道路に面する側壁7、支柱、路面、または道路の上空に道路を跨るように架設される桁部材8等に固定状態で、または着脱自在に設置される。図2は桁部材8に前速度センサ2と後速度センサ3を設置した場合を示している。
【0051】
前速度センサ2と後速度センサ3はそれぞれの付近を通過する時点での、例えば車両6が最も接近したときの車両速度(V1、V2)を計測する他、後述のように車両6が接近中であるか否かを判断するために、接近してくるときの、一定の時刻毎(微小時間毎)の車両速度を計測する。前速度センサ2と後速度センサ3が計測した車両速度V1、V2は図6に示すようにコントローラ5へ送信される。コントローラ5は例えば前速度センサ2と後速度センサ3のいずれか、あるいは起点側発光体41に内蔵されるか、またはこれらとは別に設置される。
【0052】
速度センサ2、3には例えばマイクロ波(レーダー波)やレーザー光を用いたセンサ、赤外線式、光電管式センサ等が使用され、種類や形態は問われない。マイクロ波を用いたセンサは車両6に向けてマイクロ波を照射(放射)し、照射波と反射波との周波数の差から走行中の車両6の速度を算出する。
【0053】
前記した後速度センサ3の検出値と前速度センサ2の検出値との差とは、車両6が各速度センサ2、3の付近を通過したときに各速度センサ2、3の検出値V1、V2の差を言い、検出値V1、V2に差があること(|V1−V2|=ΔV≠0)によって、変化地点Pを経て車両速度が変化したことが判明する。V1は変化地点Pの手前での車両6の速度(進入速度)であり、V2は変化地点Pを通過した後の速度(通過速度)である。
【0054】
図1の場合、複数の発光体4は主として変化地点Pを越えた先から、互いに間隔(距離La)を置いて設置されるが、変化地点Pの手前から設置されることもある。隣接する発光体4、4の間隔は基本的には一定であるが、複数の発光体4による発光速度vが車両6の運転者に変化した速度を回復させるような誘導を与えればよいため、必ずしも発光体4、4の間隔が一定である必要はない。複数の発光体4はまた、間隔を置くことなく、車両6の走行方向に連続的に配置されることもある。
【0055】
コントローラ5は前記のように後速度センサ3の検出値V2と前速度センサ2の検出値V1とに差があると判断したときに(|V1−V2|≠0)、複数の発光体4に無線、または有線で、発光のタイミング毎に(一定の時間差で)発光指令を送信する。各発光体4は発光指令の受信に起因して発光する。コントローラ5からの指令を受けて(ON状態で)発光する機能を有すれば、発光体4の種類は問われず、LED、電球、蛍光灯等が使用される。
【0056】
複数の発光体4はコントローラ5からの発光指令を受けて起点側発光体41から順次、時間差が付いて発光するが、発光の時間差Δtは個々の車両6の進入時の速度V1によって変化するため、各発光体4に対する発光指令の時期は車両6の速度V1に基づいてコントローラ5が決定する。例えば図1のような下り勾配から上り勾配へ移行する道路では、車両6の進入時の速度V1より変化地点P通過後の速度V2が小さくなるため、複数の発光体4の発光速度がV1以上になるように各発光体4への発光指令の時期が決められる。
【0057】
複数の発光体4が等間隔で配列しているとし、発光速度vをV1と等しく設定した場合(v=V1)、各隣接する発光体41、42間の間隔(距離)をLaとすれば、発光の間隔(時間差) ΔtはΔt=La/V1として算出されるから、コントローラ5は最初の発光体(起点側発光体)41への発光指令のΔt後に次の発光体42へ発光指令を送信する。更にそのΔt後にその次の発光体43へ発光指令を出し、順次、Δtの時間差で隣接する発光体4へ発光指令を送ることになる。
【0058】
図1、図2の例のように車両6の速度が変化地点Pを経て低下する道路では、発光が車両6の後方から開始されても発光の移動(流れ)が走行中の車両6を追い越せるため、最初の発光体(起点側発光体)41への発光指令の時期は車両6がその発光体41を通過する前と後を問わない。
【0059】
通過速度V2が進入速度V1より低下した場合の速度V1、V2の変化の様子は横軸に時刻、縦軸に距離を取ったグラフ上では図3に示すようになる。図3中、原点は変化地点Pを示す。実線の直線が車両6の軌跡を示し、直線の傾斜が車両速度を示す。破線の直線は発光体4の発光の軌跡を示し、その傾斜が発光速度vを示す。ここでは図を簡略化する(車両6の軌跡を直線化する)ために、車両6が変化地点Pの前後で等速で走行する、と仮定しているが、車両6の軌跡と発光の軌跡は曲線を描くこともある。
【0060】
図3中、実線上の番号は時刻tn毎の車両6の位置を、破線上の番号は車両位置に対応した発光の時期(タイミング)を示す。t1のとき、車両6は変化地点PからL1の地点に移動し、そのタイミングで変化地点PからL1の地点にある起点側発光体41が発光している。このとき、車両6と起点側発光体41の位置が共に変化地点PからL1の距離にあるため、運転者には真横で発光が開始したように見えることになる。
【0061】
t2のときには2番目の発光体42が発光し、t3のときに3番目の発光体43が発光する。t2以降のときには、常に車両6より前方に位置する発光体4が発光するが、発光体4と車両6との距離は次第に大きくなるため、運転者には発光が車両6を追い越し、走り去るように見えることになる。
【0062】
発光体4は発光(点灯)した後に消灯し、発光と消灯(点滅)を繰り返す。例えば起点側発光体41が消灯すると同時に、2番目の発光体42が発光する動作が終点側発光体へ向かって繰り返されることにより発光が速度vを持って流れていくように見える。
【0063】
図3では3番目の発光体43が発光すると同時に、起点側発光体41を再度発光させ、5番目の発光体45が発光すると同時に、起点側発光体41を発光させる動作を繰り返すことにより、複数の発光の流れを車両6の進行の向きに繰り返して発生させ、発光速度vを運転者の視覚に訴えるようにしている。走行中の車両6の運転者には複数の発光体4からの発光が信号として伝達されるため、発光体4の発光部は広範囲から発光が認識される形をしていることが適切である。
【0064】
発光速度vがv=V1の関係にあるとき、V2の速度で走行する車両6内に居る運転者には発光が|v−V2|の相対速度で前方へ移動していくように見える。この発光の流れは相対速度が0(V2=v)になるような意識を運転者に与えるため、次第に車両速度V2がV1に接近する効果が得られる。
【0065】
図4は上り勾配から下り勾配へ移行する道路のように、変化地点Pを経て車両速度V2が上昇する場合の車両6の軌跡と発光体4の発光の軌跡を示す。実線が車両6の軌跡を、破線が発光の軌跡を示す。実線の傾斜は車両速度を、破線の傾斜は発光速度vを示す。ここでも実線上の番号は時刻tn毎の車両6の位置を、破線上の番号は車両位置に対応した発光の時期(タイミング)を示す。
【0066】
図4の場合には、発光速度vが車両速度V2より小さいV1になるように(v=V1)設定されることから、変化地点Pを通過した直後は車両6が発光の流れを追い越すことになるため、発光を車両6より前方に位置する発光体4から開始することが効果的である。
【0067】
t1のとき、車両6は変化地点PからL1の地点に移動し、そのタイミングでその前方側に位置する、例えば変化地点PからL5の地点に位置する発光体45が発光する。t2のときにはその次の発光体46が発光し、t3のときには更にその次の発光体47が発光する。この場合、発光の速度vは車両速度V2より小さいため、車両6と発光した発光体4との距離は車両6の移動に伴って小さくなり、運転者には発光の流れが相対的に後退していくように見える。
【0068】
図4でも変化地点PからL7の地点に位置する7番目の発光体47が発光すると同時に、L6の地点に位置する6番目の発光体46を再度発光させる動作を繰り返すことにより、複数の発光の流れを車両6の進行の向きに繰り返して発生させ、発光速度vを運転者の視覚に訴えるようにしている。
【0069】
発光速度vがv=V1の関係にあるとき、V2の速度で走行する車両6内に居る運転者には発光が|v−V2|の相対速度で後方へ移動していくように見え、この発光の流れは相対速度が0(V2=v)になるような意識を運転者に与えるため、次第に車両速度V2がV1に接近する効果が得られる。
【0070】
図8−(a)、(b)は発光体4を側壁7に設置した場合の、走行中の車両6の内部から見える発光体4の様子を示す。(a)は発光体4を運転席のレベルに配置した場合、(b)は路面との境界に配置した場合である。(b)の場合には車両6に接近してくる発光体4が次第に窓の範囲から外れ、車体に隠れていくため、運転者の視界に留まる時間が短い。これに対し、(a)の場合には車両6が発光体4を通過するまで、発光体4が窓の範囲内に納まり、運転者の視界に留まる時間が長くなるため、運転者に認識され易いことが分かる。
【0071】
図4に示すように変化地点Pを経て車両速度V2が上昇する道路では、発光を開始すべき発光体4(45)への発光指令は例えば図5に示すように後速度センサ3、もしくは前速度センサ2と車両6との距離の変化率dLから決定される。この変化率dLは後速度センサ3(前速度センサ2)と車両6との間の、一定の微小時間(δt)毎の距離の差(δL=Lb−Lc)から、dL=δL/δtとして算出される。速度センサ3(2)と車両6との間の距離Lb、Lcはそれぞれの時点で速度センサ3(2)が計測した速度Vb、Vcを時間(δt)で積分することによって得られる。
【0072】
車両6が後速度センサ3、または前速度センサ2に接近してくるときには、その速度センサ3(2)と車両6との間の距離は時刻毎に小さくなるため、距離の変化率dLは負になる。逆に車両6が速度センサ3(2)から遠ざかるときには、両者間の距離は時刻毎に大きくなるため、距離の変化率dLは正になる。
【0073】
そこで、距離の変化率dLが負であるときに、コントローラ5から、発光を開始すべき発光体4に対して発光指令を送信すれば、発光速度vが車両速度V2を下回る場合にも、発光を開始すべき発光体4が車両6の前方側にある時点で発光を開始する制御が可能になる。
【0074】
距離の変化率dLが負から正に移行しようとするときは、車両6が丁度、速度センサ3(2)を通過する時点であるから、車両6が速度センサ3(2)を通過する直前には距離の変化率dLが低下(鈍化)するため、距離の変化率dLの変化を捉えることで、車両6が速度センサ3(2)を通過するまでの時間的余裕の有無を判断することも可能である。
【0075】
図7によりコントローラ5による発光体4への発光指令の制御例を説明する。コントローラ5は図6に示すように速度センサ2、3からの検出値V1、V2の差、及び各発光体4への発光指令の時間差(間隔)Δt等を演算する演算部と、演算部での演算結果に基づいて発光速度vを設定し、各発光体4に、前記時間差Δt毎に発光指令を送信する制御部を有する。
【0076】
まず、車両6が前速度センサ2に接近したとき、前速度センサ2が車両6の進入速度V1を、後速度センサ3が車両6の通過速度V2を検出し、それぞれの検出値V1、V2をコントローラ5の演算部に送信する(S1)。
【0077】
コントローラ5の演算部では発光体4へ発光指令を出すか否かを判断するために、検出値V1、V2に差があるか否か(|V1−V2|≠0)を判定する(S2)。続いて発光速度vを設定し、発光を開始すべき発光体4を決定(特定)するために、通過速度V2が進入速度V1より小さいか否か(V1>V2)を判定する(S3)。
【0078】
原則としてS2において検出値V1、V2に差がなければ(No)、対象となる車両6の運転者に必ずしも速度の復帰を促す必要はないため、後続の車両6の速度を検出する態勢になればよいが、このままS3の判断を経ずに後述のS4へ移行することもある。
【0079】
ここで、発光速度vは進入速度V1と通過速度V2に差があるときに、通過速度V2を進入速度V1に復帰させる働きをするから、V1>V2であるか、V1<V2であるかに関係なく、発光速度vをv=V1と設定すれば足りる。但し、速度復帰の効果を上げるために、V1>V2のときにv>V1と設定することもあり、V1<V2のときにv<V1と設定することもある。
【0080】
演算部での演算結果(|V1−V2|≠0)は制御部へ送られ、制御部では上記のようにV1>V2である場合に、例えばv≧V1と設定する(S4)。V1<V2である場合には、v≦V1と設定する(S7)。
【0081】
制御部ではまた、複数の(隣接する)発光体4、4への発光指令の前記時間差(Δt=La/V1)を演算部に計算させると共に(S5)、最初の発光体(起点側発光体)41に発光指令を送信する(S6)。そのΔt後に、隣接する発光体42に発光指令を送信する操作を順次、Δtの時間差で終点側発光体へ向けて繰り返す。
【0082】
V1<V2である場合には、v≦V1と設定した後(S7)、発光を開始すべき発光体4を決定(特定)するために、演算部に速度センサ2(3)と車両6との距離の変化率dLを算出させると共に、発光体4への発光指令の時間差(Δt=La/V1)を計算させる(S8)。
【0083】
dL<0であれば、車両6が速度センサ2(3)に接近中であり、速度センサ2(3)を通過する前の状態にあるから、制御部は速度センサ2(3)より車両6の進行側(前方側)に位置し、発光を開始すべき発光体4(例えば45)を決定すると共に(S9)、決定した発光体4に対して発光指令を送信する(S10)。そのΔt後に、隣接する発光体46に発光指令を送信する操作を順次、Δtの時間差で終点側発光体へ向けて繰り返す。
【0084】
以上の操作は1車両6単位で行われ、複数の車両6が相次いで進入する場合には、車両6毎に独立して発光体4への発光指令が送られる。
【0085】
図9は工事中、もしくは規制中の道路において、工事(規制)区間の先に車両誘導装置1を設置した場合を示す。ここでは、路上に仮設されるカラーコーン(パイロン)9に前速度センサ2と後速度センサ3、及び発光体4を装着しているが、発光体4は路上に直接、設置されることもある。また、カラーコーン9のように容易に移動可能であれば、例えば道路工事に使用される小型交通安全施設である道路標識柱、セーフティコーン、ゾーンセパレータ等の道路標識も車両誘導装置1の設置対象として利用することができる。コントローラ5は任意の位置に設置される(図示省略)。
【0086】
図9のように発光体4の設置対象が可動の支持体(カラーコーン9)である場合には、複数の発光体4、4の間隔(距離La)を自由に調整することができるため、発光体4に送信される発光指令の間隔(時間差Δt)を一定にしながらも、発光体4、4の間隔を漸増(漸減)させることにより、発光速度vを可変にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】(a)は下り勾配から上り勾配へ変化する地点を含む道路に車両誘導装置を設置した様子を示した側面図、(b)は平面図である。
【図2】図1に示す車両誘導装置の各構成要素間のつながりを示した側面図である。
【図3】通過速度V2が進入速度V1より低下した場合の時刻tn毎の車両の位置と、各発光体の発光のタイミングを示したグラフである。
【図4】通過速度V2が進入速度V1より上昇した場合の時刻tn毎の車両の位置と、各発光体の発光のタイミングを示したグラフである。
【図5】速度センサと車両との間の、一定の時刻毎(δt)の距離の差(δL=Lb−Lc)から、速度センサと車両との距離の変化率dL=δL/δtを算出する要領を示した平面図である。
【図6】車両誘導装置を構成する速度センサ、発光体、コントローラの関係を示したブロック図である。
【図7】コントローラによる発光体への発光指令の制御例を示したフローチャートである。
【図8】側壁に設置された発光体を車両の内部から見た様子を示した概念図であり、(a)は発光体を運転席のレベルに配置した場合、(b)は路面との境界に配置した場合である。
【図9】工事(規制)中の道路において、工事(規制)区間の先に車両誘導装置を設置した様子を示した立面図である。
【符号の説明】
【0088】
1……車両誘導装置
2……前速度センサ
3……後速度センサ
4……発光体、41……起点側発光体
5……コントローラ
6……車両
7……側壁
8……桁部材
9……カラーコーン(可動の支持体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両速度に変化を与え得る変化地点を含む道路に面する位置に設置され、前記変化地点を通過する以前の車両の走行速度を検出する前速度センサ、及び前記変化地点を通過した後の車両の走行速度を検出する後速度センサと、
前記道路に沿って設置された複数の発光体と、
前記後速度センサの検出値と前記前速度センサの検出値との差の有無に基づき、前記複数の発光体に発光指令を送信するコントローラとを備え、
前記コントローラは前記検出値の差に基づき、前記複数の発光体の発光が車両の走行方向に流れていく発光速度を設定することを特徴とする車両誘導装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記発光速度と隣接する発光体間の距離から、各発光体への発光指令の時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両誘導装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記後速度センサの検出値と前記前速度センサの検出値とに差があるときに、前記複数の発光体に発光指令を送信することを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の車両誘導装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記変化地点への車両の進入側に位置する発光体から順次、それから遠い側に位置する発光体へ発光指令を送信することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両誘導装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記後速度センサの検出値が前記前速度センサの検出値より小さいときに、前記発光速度を前記前速度センサの検出値以上に設定することを特徴とする請求項3、もしくは請求項4に記載の車両誘導装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記後速度センサの検出値が前記前速度センサの検出値より大きいときに、前記発光速度を前記前速度センサの検出値以下に設定することを特徴とする請求項3、もしくは請求項4に記載の車両誘導装置。
【請求項7】
前記コントローラは、発光を開始すべき発光体への発光指令の時期を、その発光体を前記車両が通過する以前に設定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の車両誘導装置。
【請求項8】
前記コントローラは、発光を開始すべき発光体と前記車両との間の距離の変化率から、前記発光体への発光指令の時期を決定することを特徴とする請求項7に記載の車両誘導装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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