説明

車両配車システム

【課題】飲食店と代行業者を配車センターへ登録させてネットワークで結び、配車場所である飲食店や、配車依頼者に識別番号を付与して、配車場所や、目的地を明らかにして予約手続きを簡便にし、依頼者が代行業者を指名できるようにして安心して代行を依頼できるようにする。配車手続きを配車センターが一括して行うことで代行車両の稼働率を高め配車料金の低減を図る。
【解決手段】代行車両にGPS機能付き通信ユニットを搭載し、飲食店に端末装置を貸し出す。飲食店で飲酒後のユーザーは店舗内端末装置から配車予約を行う。配車センターは予約管理サーバを有し、クライアント情報、代行業者情報およびユーザー情報をデータベースに格納している。クライアント、車両及び配車センターを通信ネットワークで結び、ユーザーは代行業者及び代行運転手の情報を参照しながら配車予約を行うのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両をユーザーの予約に基づいて配車する車両配車システムに関し、より詳しくは飲酒後のユーザーのために代行運転を行う運転代行業者の車両を簡便且つ迅速に手配する車両配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転代行業とは自車で来店し、飲酒した客の代わりに客を乗せた客の車を目的地まで運転代行し、代行運転を行ったドライバーは随伴した車両に乗車して帰るというもので道路交通法の改正で飲酒運転に対する罰則が厳しくなった1980年頃に出現した業態である。従って、運転代行業に特化した先行技術はまだ少ないが、特開2005−222527号公報記載の運転代行システムがある。
【0003】
一方で、タクシー等の配車予約システムにおいて依頼者の位置及び移動体(車両)の位置を常に把握し、依頼者の最も近くを走行する車両を迅速に手配する、特開2002−279589号公報に記載されている配車システムがある。
【0004】
さらに、タクシー利用者及びタクシー運転手の利便性を向上させるために、予め顧客に顧客識別情報を付与し、顧客端末及び各車両を回線で接続した配車センタ装置を有する特開2007−25897号公報記載の配車システムがある。
【特許文献1】特開2005−222527号公報
【特許文献2】特開2002−279589号公報
【特許文献3】特開2007−25897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
道路交通法の改正より従来から禁止されていた飲酒運転への罰則が強化され、運転代行業なるビジネスが脚光を浴びるようになってきた。しかし運転代行業に特化したビジネスモデルは未だ確立されていないのが現状である。
【0006】
一方、代行業者間を結ぶネットワークがなく個人の代行業者や小規模代行業者がばらばらに営業を行っている現状では車両の稼動効率が悪く、そのため代行料金が高く利用しにくいものとなっている。又、少人数で営業を行っている代行業者は営業活動、予約受付、配車手続き、配車等をすべて自社でおこなわなければならないため、満足な休暇が取れず厳しい労働条件のもとで業務をおこなっている。
【0007】
また、通常二人一組で営業を行い、内の一人がユーザー車にユーザーを乗せて目的地まで車を走行させるため、ユーザー側からすると他人に運転されている自車に乗ることになり、代行運転手の技術や運転暦が気になるところである。
【0008】
また、ユーザーは酔客であることが多く、現在位置や目的地を的確に伝えられない、料金の受け渡しがスムーズにいかないなど業者とのトラブルも多い。
また、後日利用の履歴を確認したくても、手元に領収書等が残っていないことも多い。
【0009】
一方、ユーザーが代行業者を依頼する場所は、アルコール飲料を提供する各種飲食店やホテル、居酒屋、カラオケボックス等、ほぼ定まっている場合が多い。店舗の所在地、即ち、配車場所がわかっているとその説明が省けるため代行業者にとってもユーザーにとっても面倒がなく、また確実かつ、迅速な配車が可能になる。
【0010】
そこで、本発明では上記の代行業特有の事情に鑑みて創作されたものであり、ばらばらに営業していた代行業者をネットワークで結んで稼働率を高めると共に、クライアントとなる飲食店等と関連付けてユーザーの登録を行い、配車場所及び目的地を明確にしてユーザー及び代行業者の利便性を高め、さらに、代行業者の運転歴等の属性も明らかにしてユーザーにドライバー情報を提供し、最適なドライバーの選択を可能にし、安心して利用できる代行車両の配車予約システムを提供するものである。
【0011】
さらに、システム普及によるコストダウンを図り、飲酒運転による交通事故の撲滅を究極の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる車両配車システムでは、予め配車センターに登録した代行業者の各車両にGPS機能付き通信ユニットを貸し出し、車両の利用状態と共に、車両の位置情報を配車センターが把握する。一方、クライアントとなる飲食店などの店舗にクライアント端末装置を設置し、当該店舗で飲酒したユーザーはこのクライアント端末を利用して代行車両の配車予約を行う。
【0013】
車載通信ユニット及びクライアント端末装置は配車センターの通信制御部を介して接続されており、配車センターが有する予約管理サーバは、クライアント情報、ユーザー情報及び代行業者情報の入力を受け付ける入力部と、配車センターの端末に各種情報を表示する表示部及び各種データの呼び出しやプログラムを実行する制御部を有する。
前記制御部はクライアントIDと関連付けてクライアント情報をクライアントDBに記憶し、ユーザーIDと関連付けて各種ユーザー情報をユーザーDBに記憶し、代行業者及び代行車両IDと関連付けて代行業者及び代行車両情報を代行業者DBに記憶する。その他、車両位置情報DB、地図・料金DBを有する。
【0014】
ユーザーの配車要求があると、これに応答して、前記各種DBから必要項目が抽出される。ユーザーには代行車両情報が提供され、代行運転手を指名すると共にその他の配車条件を決定する。配車条件が配車センター1に送信されると、希望条件を満たす車両が自動検索され、検索結果として予約内容がユーザーに提示される。一方、配車受付を行った配車センターは代行車両に配車内容をガイダンスする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の配車システムにおいて、前記ユーザー情報、クライアント情報及び代行業者情報にそれぞれの取引先金融機関名と口座番号を含み、システム運用上で生じる各種料金をオンライン手続きによって自動引き落とし、振込みを行い、料金の支払い業務を自動化して料金のやり取りから生じるミスやトラブルを未然に防ぐものである。具体的には、配車料金、ユーザー紹介料、システム登録料およびシステム利用料、代行料金が配車センターの管理サーバの料金管理部によって課金、管理され、システム利用情報DBに基づいて計算された配車料金がユーザー口座から配車センター口座へ、ユーザー紹介料が配車センター口座からクライアント口座へ、システム登録料及びシステム利用料が代行業者口座から配車センター口座へ、代行料金が配車センターから代行業者口座へ自動振り込みされることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1及び請求項2記載の代行車両配車システムにおいて、配車センター管理サーバにおいてポイント処理部がシステム利用情報DBに基づいて各種ポイントファイルを作成する。ポイント処理部はこのポイントファイル作成手段のほかに、ポイントをためていく累積手段及びリセット手段とポイント換算手段を有する。システム利用のたびにポイントファイルにポイントが累積され、ポイントが一定基準に達するとポイント換算プログラムが実行され、ポイントが現金に換算される。換算された現金は具
体的には、配車センターからクライアントへユーザー紹介料として加算され、配車センターからユーザー及び代行業者へシステム利用料として還元されるのである。
【発明の効果】
【0017】
1. 自車を運転してくれる運転手のドライバー暦や、免許の種類(ゴールド免許、大型免許等)、車種による運転暦(左ハンドル、マニュアル車等)が予め情報としてユーザーに知らされ、これに基づいてドライバーを決定できるため、安心して自車の運転を他者に任せることができる。また、運転手リストには運転手の写真や、随伴車両ナンバーも記載されているため、配車場所に来た車を間違えることがない。
【0018】
2. ネットワークで、クライアント、ユーザー及び代行業者を結ぶため、車の稼働率が高まり、コストダウンが可能となり、代行運転の利用を促すことができる。
【0019】
3. 予め登録されたクライアント端末を利用して配車予約を行うため配車先が店舗所在地として明確であり、配車場所を予約のたびに説明する手間が省ける。また、一度ユーザーIDを取得し、目的地や代行業者などが定まっている場合は、IDを入力後配車ボタンを押すだけで、配車予約が完了し面倒な入力を一切行う必要がなく、特に飲酒後のユーザーにとっては便利である。また、支払い時予め登録した口座から自動引き落としされるため細かい釣銭のやり取りがない。
【0020】
また、いったんユーザーIDを取得すると、クライアント端末からでなくても自宅PCあるいは携帯端末からインターネットを介して配車センターのサーバに直接アクセスして配車予約ができる。また、配車センターのサーバにあるシステム利用情報データベースへアクセスして、利用履歴の確認も可能である。
【0021】
4. 従来の代行業者が直面していた金銭トラブル、ルートトラブルなどがなく、また、予め運転を代行する車のユーザーの車種がわかるため緊張することなく余裕を持って代行業に臨める。ネットワークに登録することで、面倒な配車手続きは配車センターが自動で行ってくれるため、車の稼働率が上がり、ひいては労働条件の改善につながる。また、システム利用回数、指名回数が増えるとポイントが加算され、規定のポイントまで累積すると現金に換算されてシステム利用料としてキャッシュバックされるため、ドライバーの士気が上がり、サービス向上に積極的に取り組むこととなる。
【0022】
5. 道路交通法強化後、車での来客と知って酒類を提供しただけで提供側の飲食店も幇助犯として従犯となるが、代行車両配車システムのネットワークに加盟、登録して運転代行を推奨することでこういったトラブルを未然に防止できるだけでなく、店に配車予約端末装置を設置することが店のPR ポイントとなり、店のイメージアップにつながる。また端末利用回数がポイントとして加算されると、配車センターから支払われる紹介料が増えるため、システムの広告、宣伝を積極的に行ってくれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる車両配車システムの概略を示すブロック図である。
この実施の形態では代行車両の配車に限定して説明するが、タクシーや介護車両などの配車手続きにも本システムを適用できることは言うまでもない。
【0024】
本システムは、配車センター1に登録した代行業者4とクライアント2及びクライアントを介して各ユーザー5をネットワークで結ぶことにより実行されるものである。
【0025】
図2が、配車センター1の予約管理サーバ9の詳細な構成を示すブロック図である。
本システムは配車センター1からクライアント2(飲食店、ホテル、居酒屋、カラオケボックス等アルコール飲料を提供する店舗)に貸し出された情報端末装置3を使ってユーザー5が配車予約を行うものである。店内に設置された端末装置3はインターネット6等の通信網を介して配車センターの予約管理サーバ9にアクセスできるように接続されている。
【0026】
店内端末装置3には配車センター1から代行業者情報だけでなく代行料金割引セールなどのイベント情報も提供されており、随時、変更、更新がなされている。
【0027】
配車センター1への登録契約を行った時点で各クライアント2には識別番号(クライアントID)が付与され、このID番号に関連付けて種々のクライアント情報が入力、記憶され、予約管理サーバ9のクライアント情報DB(データベース)13に格納される。
【0028】
クライアント情報としては、店の名称、所在地、電話番号、取引金融機関と口座番号などがある。
【0029】
運転代行を行う個人の代行業者及び中小規模の代行業者などの代行業者4は本願発明の配車システムを利用するためにまず、配車センター1への登録を行う。登録の際に、後述の種々の代行業者情報を入力、記憶させる。登録を完了した代行業者4へはGPS機能付き無線機7が貸し出され、GPS衛星8によって検出された各代行車両の位置がポーリングされ配車センターの予約管理サーバ9の位置情報DB16に記憶され、時々刻々あるいは一定時間ごとに最新の情報として更新され、表示部12に地図と共に表示される。
【0030】
また、代行車両の運転手が空車、実車、待機などの車両の利用状態を示す車のスイッチを押すとその情報が無線通信機7により予約管理サーバ9へと送信される。
【0031】
クライアントである店2に車で訪れたユーザー5は、店内に設置された情報端末装置3を利用して配車予約を行う。まず、予約管理サーバー9にアクセスしてユーザーID取得画面を表示させ、ユーザー情報を入力してIDを取得する。ID付与プログラムは予約管理部19によって実行される。ユーザー情報としてはユーザーの氏名、住所、電話番号、生年月日、車の車種、代行料金の自動引き落としを行う金融機関名と口座番号などである。
【0032】
配車センター1が開設している金融機関と同じ金融機関である場合は手持ちのキャッシュカードを使用して振り込み指定を行うことが可能である。
代行料金は自動引き落としに限定されるものではなく、代行業者への直接支払いや、配車センター1が発行し、各クライアントによって販売されるプリペイドカードによる支払いなど他の支払い方法を希望することも可能である。また、配車予約を行う際にその都度支払い方法を変更することも可能である。
【0033】
ユーザー情報入力完了後に完了ボタンを押すと配車センターの予約管理サーバ9の予約管理部19によりユーザーIDが発行されると共に、ユーザーの入力した情報がユーザー情報DB14に記憶される。
【0034】
ユーザーIDを取得したユーザー5はクライアント端末装置3の操作を続行し、予約画面へと進む。予約画面には代行業者選択ボタンがあり、これをクリックすると代行業者一覧表が表示される。この情報は予め代行業者IDと関連付けて入力され、代行業者情報DB15に記憶されており、随時、更新及び追加がなされている。
【0035】
代行業者情報としては、代行業者の名称、代行運転手氏名、性別、随伴車両番号、運転暦、免許の種類(大型免許、ゴールド免許等)、運転経験(左ハンドル、大型車、マニュ
アル車)、PRポイントなどが、代行運転手の写真と共に掲載されている。ユーザーの車が外車や大型車、マニュアル車などの特殊車両などの場合は、代行ドライバーの運転経験が選択上の参考となるし、女性ユーザーは女性ドライバーを選択できるなどの点で安心して代行を依頼できるのである。また、代行運転手の写真と共に随伴車両番号が予めわかるため、配車場所に随伴車両が到着したときに予約車両を間違えることがない。
【0036】
ここで、特定の代行業者、代行運転手を指名する場合は、その業者番号或いは運転手番号を選択し、特に選択しない場合は「特に希望なし」ボタンを押下する。
【0037】
次に、配車予約時間を入力する。直ちに配車を希望する場合もあるし、宴会終了後など予め配車時間がわかっている場合は希望の時刻を入力する。
【0038】
配車場所は、クライアント端末装置3から予約入力した時点で確定しており、配車場所の説明などが不要となり、ユーザー5にとって便利であるだけでなく、配車先に関するトラブルが生じず代行業者4にとっても便利である。
【0039】
次は、目的地であるが、目的地入力画面には「自宅」、「複数」、「その他」などの選択ボタンがあり、「自宅」ボタンを押すと、ユーザーID登録時に入力した自宅住所が目的地として設定され、「その他」の場合は自宅以外の目的地を住所や電話番号を入力することで指定する。次に、職場の同僚などと複数人で乗り合わせて来ている場合は「複数」ボタンを押し、それぞれの降車場所や運行ルートを設定する。
【0040】
ルート設定画面では近傍の地図が画面に表示されるので、寄り道箇所を画面上にポインタで設定しながら最終目的地までのルートを決定する。あるいは寄り道先の電話番号、たとえば同乗者の自宅電話番号をルート順に入力することで走行ルートが決定する。
【0041】
ここまでの入力が終了するとユーザー5は送信ボタンを押す。すると入力された予約データが配車センターの予約管理サーバ9へと転送され予約内容に応じた車を配車できるか否かが車両管理部20の配車自動検索プログラムによって検索され、その結果、代行業者名、代行運転手名、随伴車両の番号、到着予定時間、走行ルート及び配車料金等が返送される。ユーザー5はその内容を確認後、OKであれば確認ボタンを押下する。
【0042】
代行運転手、時間、料金等が決定されると次に支払い方法の選択画面へと移る。ユーザー5は、代行業者への業務終了時の現金払いあるいはプリペイドカードによる支払い、自動引き落としなどの選択を行う。
【0043】
プリペイドカードによる支払いを希望する場合はクライアント端末装置のプリペイドカード挿入口にカードを挿入して配車料金を支払う。プリペイドカードは配車センター1によって発行され、各クライアント2によって販売されている。プリペイドカードによる支払いを希望するユーザー5は配車予約を行う前にあらかじめプリペイドカードを購入しておく。
【0044】
金融機関からの自動引き落としを希望する場合は、各金融機関に設置されている自動支払い機の振込み画面と同様の手順で振り込み手続きを行う。
配車センター1が口座を開設している複数の金融機関にユーザー5が口座を有する場合は、手持ちのキャッシュカードをキャッシュカード挿入口に挿入し、振込み金融機関及び振込先の指定を行う。振り込み内容を確認後振込みボタンを押下すると振り込み手続きが完了するのである。
【0045】
配車センター1が提示する金融機関に口座を持っていないユーザー5は初回は現金或い
はプリペイドカードによる支払いを選択し、後日、特定の金融機関に口座を開設、当該金融機関のキャッシュカードを使用して配車料金の振込みを行うことが可能となるのである。
【0046】
配車料金に関する手続きは予約管理サーバ9の料金管理部21によって処理される。
すべての予約内容が入力されると配車センターの予約受付プログラムが応答して配車予約完了の文字が画面に表示される。これですべての配車予約作業が完了する。
【0047】
クライアント端末装置3には出力装置が接続されており、予約番号と共に上記予約内容が記載されたユーザー用予約控えがプリントアウトされる。
【0048】
一方、クライアント端末装置3にもユーザーの配車予約記録が残るため、アラーム設定あるいは点滅光によって予約時間が近づいた旨をクライアント2に知らせ、クライアント2は店内で飲食中のユーザー5へ連絡することも可能である。
【0049】
代行業者4は配車センター1のオペレーターから受け取った予約受付プログラムに基づく配車依頼にしたがって、所定時間に配車先へ出向き、予め知らされたユーザー名を確認後運転を代行し、依頼者を目的地まで送り届けた旨を無線で配車センタ−1に連絡して一連の配車代行業務が終了する。
【0050】
代行業者4への配車依頼のガイダンスはメール配信によって実行することも可能である。配車センター1が受け付けた予約内容が代行車両に搭載した無線機マイクの表示画面にメールとして配車センター1から配信されるのである。この場合は、配車センター1にオペレーターを置く必要がなく本願発明の車両配車システムを完全に自動化することも可能である。
【0051】
図2が配車センター予約管理サーバ9の詳細な構成を示すブロック図である。
予約管理サーバ9は外部との通信処理を行う通信制御部13、各種情報を入力する入力部11、それを配車センターの端末に表示する表示部12及び各種データを制御する制御部10からなる。クライアント端末3はインターネット6等の通信網を介して通信制御部 13に接続され、代行業者の車載無線機7も同様通信制御部13に接続されている。
【0052】
制御部10は入力部11から入力された各種情報を記憶するDBとDBから該当する情報を読み出し各種プログラムを実行、管理する管理部を有する。
【0053】
DBにはクライアント情報DB13、ユーザー情報DB14、代行業者情報DB15、位置情報DB16、地図、料金DB17及びシステム利用情報DB18がある。
【0054】
また、これらのDBから必要項目を抽出し、各種プログラムを実行する管理部として、ユーザー情報の管理等を含む配車予約プログラムを実行する予約管理部19、車両の利用状態及び位置を把握し、ユーザーの希望条件を満たす車両を探す配車検索プログラムを実行する車両管理部20、システム利用上生じる各種料金に関する課金、振込み手続きを行う料金管理部21及びポイント処理部がある。
【0055】
ポイント処理部は、各種ポイントファイルを作成するポイントファイル作成手段を有し、ポイントを累積し、或いはリセットする手段を有し、さらに、現金に換算する手段を有する。
【0056】
図3が本願発明にかかる代行者配車システムにおける料金の流れと使用回数等によって生じるポイント生成の仕組みを説明するブロック図である。
【0057】
システム利用上生じる各種料金は料金管理部21によって管理され、課金、各種支払いプログラムが実行される。
【0058】
本システムに登録、これを利用する代行業者4は登録時に取引先金融機関名と口座番号情報を配車センター1へ提供し、この情報は代行業者情報DB15にその他の情報と共に格納されている。システム登録料が月毎あるいは年毎に配車センター1から課金され、指定の期日に代行業者口座24、25から、配車センター口座22へ振り込まれる。この登録料に加えて、代行業者は配車システム利用料を支払う。システム利用情報DB18に基づきシステム利用のたびに利用料が課金され、同様に配車センター口座22へ振り込まれる。代行業者から配車センター1への料金の流れが図に示す27、28である。
【0059】
一方、配車センタ−1は飲食店、レストランなどのクライアントのクライアント口座23にユーザー紹介料29を支払う。クライアント登録時にクライアントIDと関連付けて記憶された金融機関名及び口座番号23に配車センターの口座22から一定の紹介料を支払うのである。
【0060】
ユーザー5がプリペイドカードによる支払いを行った場合はプリペイドカードから配車料金を引き落とすプログラムが実行される。プリペイドカードへは支払い日と共に残高が表示される。
【0061】
さらに、ユーザー5が口座からの自動引き落としを希望した場合は、ユーザー情報DB14とシステム利用情報DB18の該当項目に基づき配車料金がユーザーの口座26から配車センター1の口座22へ振り込まれ、配車センター口座22から代行業者4の口座25へと自動送金される。一方、代行業者4への直接支払いをユーザーが希望する場合は、代行業務終了時に配車料金が代行業者4に直接支払われる。
【0062】
なお、本システムの特徴として、請求項3記載のポイントサービスシステムがある。
たとえば、配車センタ−1は三種類のポイントファイルを予約管理サーバ9に有する。ポイント処理部22はポイントファイル作成プログラムを実行して各種ポイントファイルを作成する。ここではシステム利用ポイントファイル、配車ポイントファイル、ユーザー紹介ポイントファイルの三種類である(図示せず)。
【0063】
システム利用ポイントは代行業者4が配車予約を受けるたびにポイントとして加算され、システム利用ポイントファイルではこのポイント値を記憶保持する。累計ポイントが一定の基準ポイントに達するとポイントは現金に換算され、配車センタ−1の口座37から代行業者4の口座24、25へ自動的にキャッシュバックされ(32、33)、システム利用ポイントファイルでは換算されたポイントを差し引いたポイント値にリセットされる。
【0064】
配車ポイントはユーザー5に対して付与される。システムを利用して配車予約を行うとその回数と支払い金額に応じたポイントが算出、配車ポイントファイルに累積される。基準ポイントに達したユーザー5に対し、これをクライアント端末装置3の配車予約画面でポイント数に応じた金額を還元する旨を告知する。ユーザー5は、ユーザー口座26への振込み(35)あるいは次回の配車予約時の配車料金の減額(36)のいずれかを選択できる。
【0065】
また、ユーザーIDを使用して、自分のPCや携帯端末から、配車センタ−1のポイント処理部22にアクセスし、現在のポイント数を確認することもできる。
【0066】
クライアントポイントはクライアント端末装置3を利用した配車予約の回数に応じて自動加算され、ユーザー紹介ポイントファイルに記憶される。類型ポイントが一定の基準ポイントに達すると紹介料に加えて現金に換算されたポイントがユーザー紹介料として配車センタ−1の口座37からクライアントの口座23へ自動的に振込みされる(34)。
【0067】
ユーザー紹介料に加えてこのポイントシステムにより、紹介料が加算されるためクライアントもこの代行車両配車システムの宣伝広告に務めるものと考えられる。
【0068】
次に図4のユーザー情報登録及び配車予約処理の手順とその内容を示すフローチャートについて説明する。
【0069】
クライアント端末装置3によって配車予約をスタートさせた時点でクライアント情報DB13から店舗に関する情報が取得され、店舗所在地が配車先として決定する。次にユーザー情報を入力するステップ38ではユーザーに関する各種情報がユーザーIDに関連付けてユーザー情報DB14に記憶、保持される。ユーザーにIDを付与するステップ39では予約管理部19からユーザーIDが発行、付与される。いったんユーザーIDが付与されると、このID番号を使用してユーザーは自宅のユーザーPC又は携帯端末からインターネット6を介して配車センター予約管理サーバ9にアクセスし、配車予約を行ったり、過去のシステム利用暦や獲得ポイント数など所望の情報を手軽に獲得することができるのである。
【0070】
次のステップ40では配車車両の指定を行う。代行業者情報DB15に基づいて作成された代行業者リストの中からユーザーの要望を満たす代行業者や代行運転手を選択するのである。選択画面では第3希望まで入力することができ、また特に希望がない場合は「おまかせ」ボタンを押下する。ステップ41では時間の指定を行う。直ちに配車を希望する場合は「直ぐ」ボタンを押下し、指定時刻がある場合はそれを入力する。
【0071】
ステップ42では目的地の指定を行う。ユーザー5が目的地を自宅と選択するとユーザー情報DB14から自宅住所が目的地として設定され、寄り道ルートがあるときは地図、料金DB17から出力されたクライアント所在地近傍の地図がクライアント端末装置3に表示され、地図を参照しながら運行ルートを決定する。
【0072】
ステップ43では上述のユーザー配車希望条件を満たす車両が車両管理部20の車両検索プログラムによって自動検索される。その際、ユーザー情報DB14、代行業者情報DB15および位置情報DB16等の情報が参照され、配車予定時刻における車両の位置や配車場所までの所要時間が演算され、費用が配車料金として計算される。
【0073】
ステップ44では、検索結果がクライアント端末装置3に予約内容として返送される。予約内容には予約番号、ユーザーID、ユーザー氏名、代行車両番号、代行運転手名、目的地、料金及び待ち時間などが記載されている。
【0074】
ステップ45ではユーザー5は予約内容の確認を行い、OKであれば確認ボタンを押し、承服しかねる場合はキャンセルボタンを押し、配車予約手続きは終了し、再度希望項目を変更してステップ40からはじめる。ここまでの予約が終了すると(ステップ46)支払い方法選択画面へと移行し(ステップ47)、プリペイドカードによる支払い、口座引き落としあるいは直接支払いを選択して、一連の配車予約手続きが終了する(ステップ48)。確定した予約内容はクライアント端末装置3に接続されたプリンターなどからプリントアウトされる。一方、代行業者へは配車センター1のオペレーターから車載無線機へ予約内容がガイダンスされ或いはメールで配信され、代行業者はガイダンスに基づいて配車手続きを進めるのである。
【0075】
一度、配車手続きを行うと、次回の配車予約の際に、クライアント端末装置3に前回の予約内容が表示されるため、変更事項がない場合は、直ぐにOKボタンを押下して配車予約を終了することができ、非常に便利である。
【0076】
また、クライアント端末装置3にも予約内容が残るため、配車予定時刻が迫ると予約管理部19からアラームや点滅光によって告知がなされ、店舗スタッフはサービスとして店舗内で飲酒中のユーザー5に配車時刻が迫ったことを知らせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は代行運転を行う代行業者の配車予約に適しているが、タクシーや介護車両の配車にも発明の本質的な部分以外を適宜変更することで適用可能である。
【0078】
たとえば、タクシーの配車の場合は駅や郊外の大型店舗への予約端末装置の設置が考えられるし、介護車両の場合は病院や老人ホームなどの介護施設への予約端末装置の設置が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】代行車両配車システムの概略を示すブロック図。
【図2】配車センター予約管理サーバの詳細な構成を示すブロック図。
【図3】料金の流れおよびポイント発生の仕組みを示すブロック図。
【図4】ユーザー情報登録/配車予約処理の手順とその内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0080】
1、配車センター
2、クライアント
3、クライアント端末装置
4、代行業者
5、ユーザー
6、インターネット等
7、GPS機能付き無線機
8、GPS衛星
9、予約管理サーバ
10、制御部
11、入力部
12、表示部
13、クライアント情報データベース
14、ユーザー情報データベース
15、代行業者情報データベース
16、位置情報データベース
17、地図、料金データベース
18、システム利用情報データベース
19、予約管理部
20、車両管理部
21、料金管理部
22、ポイント処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS機能付き通信ユニットと車両の利用状態を指定する操作部を有する車両と、
顧客となる店舗内に設置したクライアント端末装置と、
クライアント端末装置から配車予約を行うユーザーと、
クライアント端末装置と車載通信ユニットとを接続する通信制御部を有する配車センターとを結ぶ車両配車ネットワークにおいて、
前記配車センターが有する配車管理サーバは顧客情報、ユーザー情報及び配車業者情報の入力を受け付ける入力部と、
配車センターの端末に各種情報を表示する表示部及び制御部を有し、
前記制御部はクライアント識別番号と関連付けてクライアント情報を記憶する手段と、
ユーザー識別番号と関連付けてユーザー情報を記憶する手段と、
配車業者識別番号、配車車両識別番号と関連付けて配車業者、車両情報を記憶する手段と、
車両から受信する車両位置及び利用状態を取得し、記憶する手段と、
地図データと走行距離等に基づいて演算される料金データを記憶する手段と、
クライアント、ユーザー及び配車業者のシステム利用情報を記憶する手段を有し、
ユーザーの配車要求に応答して前記記憶手段により記憶された情報に基づき、ユーザーに車両情報を提供して希望条件を満たす車両を検索し、予約番号、車両番号、運転手氏名、運転手写真、目的地、配車時刻及び配車料金を含む予約内容としてクライアント端末に表示すると共に、
配車センターから車両に配車手配を行うことを特徴とする車両配車システム。
【請求項2】
ユーザー情報、クライアント情報及び配車業者情報に、それぞれの取引先金融機関名と口座番号が含まれ、システム運用上で生じる各種料金、たとえば配車料金、ユーザー紹介料、システム登録料及びシステム利用料及び配車料金が管理サーバのシステム利用情報データベースに基づいて料金管理部によって管理され、
ユーザー口座から配車センター口座へ配車料金が、
配車センター口座からクライアント口座へユーザー紹介料が、
配車業者口座から配車センター口座へシステム登録料およびシステム利用料が、自動振込みされることを特徴とする請求項1記載の車両配車システム。
【請求項3】
配車センター管理サーバがポイント処理部を有し、
同、処理部はポイントファイル作成手段、システム利用情報データベースに基づくポイントを累積又はリセットする手段及びポイント換算手段を有し、
現金に換算されたポイントが、
配車センターからクライアントへユーザー紹介料として加算され、
配車センターからユーザー及び配車業者へシステム利用料として還元されることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の車両配車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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