説明

車両駆動装置、車両充電システム、及び自動車

【課題】供給された電力を高効率で利用できる車両駆動装置を提供する。
【解決手段】車両駆動装置1aでは、第1バッテリ103の蓄電量を管理する第1バッテリ管理部104は、外部から第1バッテリ103の充電または放電を行うため、外部からの指示信号に従って、第1バッテリ103の充放電制御に関わる信号を外部に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、電車等の車両に関し、より詳しくは、走行用モータとそれを駆動するバッテリとを搭載した車両駆動装置において、車両の主要制御部とは別途設けられた電力制御部によって、バッテリへの充電を可能とする車両充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーに関する問題を解決するという観点から、風力発電、太陽光発電などを始めとする自然エネルギーの利用が盛んに行われている。
【0003】
一方、環境に関する問題を解決するという観点から、電気自動車、電気二輪車が広まる可能性が高まって来た。
【0004】
これらの観点から、太陽光発電パネルを電気自動車に取り付け、太陽光発電パネルで発電したエネルギーを電気自動車で用いる試みが実用化されつつある。
【0005】
図13は、特許文献1の図1に相当する、従来の車両用空調装置10のシステム構成図である。図13の車両用空調装置10では、ソーラーバッテリである第1バッテリ14と、第2バッテリ16と、車室内を冷房するコンプレッサ22と、車室内を暖房する電熱ヒータ24と、車室内と車室外との間で空気を入れ替えるブロワモータ20と、が設けられている。
【0006】
第1バッテリ14の残容量が充分に有る場合には、第1バッテリ14の電力を用いてコンプレッサ22又は電熱ヒータ24による空調制御を実行する。
【0007】
一方、第1バッテリ14の残容量が充分には無い場合には、外気温が内気温よりも目標温度に近いとき、或いは、外気温と内気温との間に目標温度があるときは第1バッテリ14の電力を用いてブロワモータ20による送風制御を実行する。
【0008】
そして、外気温が内気温よりも目標温度に近くないときは、第2バッテリ16の電力を用いてコンプレッサ22又は電熱ヒータ24による空調制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−315461号公報(2006年11月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、太陽光発電パネルで発電したエネルギーを電気自動車で用いる試みが実用化されつつあるが、太陽光エネルギー等の自然エネルギーを利用した発電は、発電量が小さく(0W〜1000W程度)、また不安定である。
【0011】
このため、安定走行、安全走行といった信頼性の観点から、自然エネルギーを利用した発電による電力(自然エネルギーを用いた発電電力)を、そのまま走行用モータの駆動部に供給することは、好ましくない。
【0012】
また、自然エネルギーを利用した発電による電力を、一旦、蓄電池に蓄積する場合がある。この場合、走行用モータを駆動するための蓄電池(以降メインバッテリと称する)には、通常、リチウムイオン電池が用いられているが、リチウムイオン電池では、過充電や過放電を防止する必要がある。このため、走行等の制御を司る主要制御部(以降メインCPUと称する)やバッテリ管理ユニット(以降BMUと称する)が細かな充放電制御を行うことによって過充電や過放電を防止しつつ駆動電力として用いている。よって、自然エネルギーを利用した発電による不安定な電力を、走行中にメインバッテリへ蓄電することは、安全上困難である。
【0013】
ところで、自然エネルギーを利用した発電による電力を停車中に直接メインバッテリへ充電する場合は、そのためだけにメインCPUを起動し続けることになる。しかし、メインCPUの消費電力は、車の走行や装備間の協調など、非常に多くの制御を行っているため、その消費電力は一般的に大きく、例えば約50Wである。よって、自然エネルギーを利用した発電による電力の多くをメインCPUで消費してしまい、充電効率が著しく低くなる。
【0014】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものである。本発明の目的は、供給された電力を高効率で利用できる車両駆動装置、車両充電システム、及び自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の車両駆動装置は、前記課題を解決するため、車両を走行させるための走行用モータを駆動するモータ駆動部と、前記モータ駆動部に駆動電力を供給する第1バッテリの蓄電量を管理する第1バッテリ管理部と、前記走行用モータの駆動を制御するために、前記モータ駆動部に指示を与える第1制御部とを備える車両駆動装置であって、前記第1バッテリ管理部は、外部から前記第1バッテリの充電または放電を行うために、外部と通信することを特徴としている。
【0016】
前記構成によれば、第1バッテリ管理部は、第1制御部の停止時においても、外部からの指示信号により、第1バッテリを充放電することが可能となる。よって、第1バッテリからモータ駆動部への電力の供給を伴わない第1バッテリの充放電のためだけに、車両駆動装置全体の制御を司り、消費電力が大きい第1制御部を動作させる必要が無いので、車両駆動装置の消費電力を低減することが出来る。従って、消費電力を低減して電力効率を高めた車両駆動装置を提供することが出来る。
【0017】
また、本発明の車両駆動装置は、前記課題を解決するため、車両を走行させるための走行用モータを駆動するモータ駆動部と、前記モータ駆動部に駆動電力を供給する第1バッテリの蓄電量を管理する第1バッテリ管理部と、前記走行用モータの駆動を制御するために、前記モータ駆動部に指示を与える第1制御部とを備える車両駆動装置であって、前記第1バッテリ管理部は、前記第1制御部が休止している間に、自律的に前記第1バッテリの充電または放電を行うことを特徴としている。
【0018】
前記構成によれば、第1バッテリ管理部は、第1制御部の停止時においても、自律的に第1バッテリを充放電することが可能となる。従って、消費電力を低減して電力効率を高めた車両駆動装置を提供することが出来る。
【0019】
また、本発明に係る車両充電システムは、本発明に係る車両駆動装置と、車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部と、前記第2バッテリ管理部に指示を与える第2制御部とを含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、前記第2制御部は、前記第1制御部が休止している間に、前記第2バッテリ管理部を制御し、前記第2バッテリの充電または放電を行うことを特徴としている。
【0020】
前記構成によれば、第2バッテリ管理部は、車両駆動装置に設けられた第1制御部と独立して車両充電装置に設けられた第2制御部により制御されて、車両充電装置の外部からの電力を第2バッテリに充電または放電する。よって、第1制御部の停止時においても、車両充電装置の外部からの電力を第2バッテリに充電することができる。従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0021】
また、本発明に係る車両充電システムは、本発明に係る車両駆動装置と、車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部とを含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、前記第2バッテリ管理部は、前記第1制御部が休止している間に、自律的に前記第2バッテリの充電または放電を行うことを特徴としている。
【0022】
前記構成によれば、第2バッテリ管理部は、自律的に車両充電装置の外部からの電力を第2バッテリに充電または放電する。従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0023】
また、本発明に係る車両充電システムは、本発明に係る車両駆動装置と、車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部と、前記第2バッテリ管理部に指示を与える第2制御部とを含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、前記第2制御部は、前記第1制御部が休止している間に、前記第1バッテリ管理部および第2バッテリ管理部を制御し、前記第2バッテリから前記第1バッテリに電力伝送を行うことを特徴としている。
【0024】
前記構成によれば、第2制御部は、第1制御部が休止している間に、第1バッテリ管理部および第2バッテリ管理部を制御して、第2バッテリから第1バッテリに電力伝送を行う。よって、車両充電システムは、第1制御部の停止時においても、より多くの外部からの電力を蓄積し、走行のために使用することができる。従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0025】
また、本発明に係る車両充電システムは、本発明に係る車両駆動装置と、車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部を含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、前記第1バッテリ管理部と前記第2バッテリ管理部は、前記第1制御部が休止している間に、協調して前記第2バッテリから前記第1バッテリに電力伝送を行うことを特徴としている。
【0026】
前記構成によれば、第1バッテリ管理部と第2バッテリ管理部は、第1制御部が休止している間に、協調して第2バッテリから第1バッテリに電力伝送を行う。よって、車両充電システムは、第1制御部の停止時においても、より多くの外部からの電力を蓄積し、走行のために使用することができる。従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0027】
上記構成の車両充電システムにおいては、前記第2バッテリから前記第1バッテリへ電力伝送が行われると共に、さらに前記第1バッテリから前記第2バッテリへ双方向に電力伝送が行われてもよい。
【0028】
これにより、車両充電装置の外部からの電力を第1バッテリに充電して走行のために用いることができるとともに、第2バッテリの充電量が不足した場合には、第1バッテリから電力の供給を受けることが可能となる。
【0029】
前記車両充電システムにおいては、前記車両充電装置が、前記第2バッテリ管理部に接続された、電力を発電する発電装置をさらに備えていてもよい。
【0030】
さらに、前記車両充電システムにおいては、前記車両充電装置が、前記発電装置と前記第2バッテリ管理部との間に接続された、前記発電装置で発電された電力の電圧を変換する電圧変換部をさらに含み、前記電圧変換部が、前記発電装置で発電された電力により動作する構成であってもよい。
【0031】
前記構成によれば、電圧変換部は発電装置が発電する電力を直接消費するので、第2バッテリから電力供給を受ける場合に比べて充放電損失分の電力を節約することができる。従って、更に高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0032】
さらに、前記車両充電システムにおいては、車両充電装置が、前記第2バッテリ管理部に接続された、電力を発電する発電装置をさらに備え、前記発電装置で発電された電力が、前記第2バッテリに充電された後、前記第2バッテリから前記第1バッテリに電力伝送される構成であってもよい。
【0033】
前記構成によれば、より消費電力の大きいプロセスである、第2バッテリから第1バッテリへ電力伝送するプロセスの時間を短くすることができるので、発電装置で発電された電力を充電するための消費電力を小さくすることができる。従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0034】
さらに、前記車両充電システムにおいては、前記発電装置が太陽光発電装置であってもよい。
【0035】
前記構成によれば、本発明の車両充電システムの発電装置として好適な太陽光発電装置を用いているので、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0036】
前記太陽光発電装置は、複数の太陽光発電素子からなり、前記複数の太陽光発電素子は直並列接続されていることが好ましい。
【0037】
前記構成によれば、部分的な日陰に対して著しく出力が低下しない太陽光発電装置を、日陰の形状および面積が常に変化する車両充電システムに適用しているので、特に高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0038】
また、本発明に係る自動車は、本発明に係る車両駆動装置を備えているものである。
【0039】
前記構成によれば、自動車の電費または燃費を向上することができる。また、本発明が適用される自動車としては、電気自動車、ハイブリッド自動車、またはプラグインハイブリッド自動車を挙げることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、消費電力を低減して電力効率を高めた車両駆動装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両駆動装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両充電システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る他の車両充電システムを示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るさらに別の車両充電システムを示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るさらに別の車両充電システムを示すブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るさらに別の車両充電システムを示すブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る他の車両駆動装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、太陽光発電を用いる充電シーケンスのフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、ソーラーパネルからサブバッテリへの充電シーケンスのフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、サブバッテリからメインバッテリへの充電シーケンスのフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、メインバッテリからサブバッテリへの充電シーケンスのフローチャートである。
【図12】各国のソーラーEV/HEV用の車両充電システムの説明図であり、(a)は、先進国向けEV/HEV用の車両充電システムを示すブロック図であり、(b)は、新興国向けEV/HEV用の車両充電システムを示すブロック図である。
【図13】特許文献1の図1に相当する、従来の車両用空調装置のシステム構成図である。
【図14】本発明の車両充電システムへの適用が好適な太陽光発電装置の構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。まず、本発明の一実施形態について図1〜図12及び表1に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0043】
図2は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_1を示すブロック図である。本実施形態では、車両として、電気自動車を例にとって説明する。しかしながら、車両充電システム1_1は、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車にも適用が可能である。
【0044】
図2の車両充電システム1_1は、車両駆動装置1aと車両充電装置1bとを備えている。車両駆動装置1aは、走行用モータ101と、モータ駆動部102と、第1バッテリ103(例えば300Vの高圧バッテリ)と、第1バッテリ管理部104と、第1制御部105とをさらに備えている。なお、図2において、走行用モータ101および第1バッテリ103は、車両駆動装置1aの内部に設けられる構成として図示されているが、本発明は当該構成に限定されるものではない。すなわち、走行用モータ101および第1バッテリ103は、車両駆動装置1aの外部に設けられてもよい。
【0045】
(車両駆動装置1a)
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両駆動装置1aを示すブロック図である。車両駆動装置1aにおいて、モータ駆動部102は、車両を走行させるためのモータである走行用モータ101を駆動する。また、第1バッテリ103は、第1バッテリ管理部104を介して、モータ駆動部102に電力100(駆動電力)を供給する。
【0046】
第1バッテリ103の蓄電量を管理する第1バッテリ管理部104は、以下に示す動作を行う。
【0047】
第1に、第1制御部105の動作時に、第1バッテリ管理部104は、第1制御部105からの指示に応じて、第1バッテリ103を放電してモータ駆動部102へ電力100を供給する。さらに、第1バッテリ管理部104は、第1制御部105からの指示に応じて、外部から供給される電力100により第1バッテリ103の充電を行ってもよいし、外部へ電力100を供給することにより第1バッテリ103の放電を行ってもよい。
【0048】
第2に、第1バッテリ管理部104は、第1制御部105の指示なしに、かつ、外部からの指示信号(第2通信新号群107の一部)に従って、第1バッテリ103の充放電を行うことも可能である。第1バッテリ103の充電は、外部からの電力100を第1バッテリ103に供給することにより行われる。第1バッテリ103の放電は、第1バッテリ103から外部へ電力100を供給することにより行われる。さらに、第1バッテリ管理部104は、第1バッテリ103の充放電制御に関わる信号(第2通信信号群107の一部)を外部へ出力する。
【0049】
第3に、第1バッテリ管理部104は、第1制御部105の指示なしに、かつ、外部からの指示信号もなしに、第1バッテリ103の状態および外部からの電力100の供給能力を検知して、自律的に第1バッテリ103の充放電を行うことも可能である。第1バッテリ103の充電は、外部からの電力100を第1バッテリ103に供給することにより行われる。第1バッテリ103の放電は、第1バッテリ103から外部へ電力100を供給することにより行われる。
【0050】
なお、第1バッテリ管理部104は、第1バッテリ103が過充電あるいは過放電の状態にないか監視して、第1バッテリ103の過充電・過放電を防止するように、前記外部からの充電、あるいは外部への放電を制御することも可能である。この動作は、第1制御部105の動作または停止に関わらず行う動作である。
【0051】
本発明の第1実施形態に係る車両駆動装置1aのバッテリ管理部104は、前記第1の動作に加えて、前記第2の動作と第3の動作の一方または両方を行う。そのため、第1制御部105の停止時、(例えば、車両駆動装置1aを備える車両にイグニッションキーが差されていない状態)においても、第1バッテリ管理部104は外部からの指示信号により、または自律的に、車両駆動装置1aの外部から(外部へ)、第1バッテリ103を充電(放電)することが可能となる。
【0052】
前記構成によれば、前記バッテリ管理部104によりメインバッテリである第1バッテリ103の充放電が管理されるので、メインバッテリの過放電・過充電を防止することができる。
【0053】
さらに、第1バッテリ103からモータ駆動部102への電力の供給を伴わない第1バッテリ103の充放電のためだけに、車両駆動装置1a全体の制御を司り、前記第1バッテリ管理部104よりも消費電力が大きい第1制御部105を動作させる必要が無いので、消費電力を低減することが出来る。
【0054】
従って、メインバッテリの過放電・過充電を防止した上で、消費電力を低減して電力効率を高めた車両駆動装置1aを提供することが出来る。
【0055】
なお、第1バッテリ管理部104が第2通信信号群107を介して、外部へ充放電制御に関わる信号を出力した後、その応答として、外部から、第1バッテリへの蓄電指示、あるいは放電指示等、何らかの信号を受信してもよい。
【0056】
ここで、前記外部とは、具体的には、車両駆動装置1aの外部に設けられた車両充電装置1bを示す。
【0057】
なお、第1制御部105が動作している時に、第1制御部105が動作していることを示す信号が、第1バッテリ管理部104へ送信される。同様に、第1制御部105が停止している時に、第1制御部105が停止していることを示す信号(例えば、出力がなくなると、自動的にGNDレベルに固定されるハード構成の信号など)が、第1バッテリ管理部104へ送信される。これらの信号は、第1通信信号群106に含まれている。第1バッテリ管理部104は、前記これらの信号を受信することにより、第1制御部105が動作しているのか停止しているのかを判断することが出来る。
【0058】
第1制御部105は、以下に示す動作を行う。
【0059】
第1に、第1制御部105は、走行用モータ101の駆動を制御するために、モータ駆動部102に指示を与える。一例として、車両の走行中に、第1制御部105が、モータ駆動部102に、走行用モータ101を回転あるいは停止させることを指示する。他の一例として、車両の走行中に、第1制御部105は、モータ駆動部102に、走行用モータ101の回転数の増減を指示する。
【0060】
第2に、以下に示す第1経路(経路)または第2経路で電力100を伝送させるために、第1バッテリ管理部104に指示を与える。
【0061】
第1経路は、第1バッテリ103→第1バッテリ管理部104→モータ駆動部102という経路である。前記第1経路で電力100が伝送されることにより、走行用モータ101を回転させることが出来る。
【0062】
第2経路は、外部→(←)第1バッテリ管理部104→(←)第1バッテリ103という経路である。前記第2経路で電力100が伝送されることにより、前記外部から第1バッテリ103への充電、あるいは前記第1バッテリ103から外部への放電が行われる。
【0063】
ここで、車両のイグニッションキーがオンの位置にある状態では、車両の走行、停止に関わらず、第1制御部105が動作している(立ち上がっている)。動作中の第1制御部105は、第1バッテリ管理部104及びモータ駆動部102の状態を監視して、当該状態に応じて上述した指示を与えている。
【0064】
また、第1制御部105と、モータ駆動部102と、第1バッテリ管理部104との間で、第1通信信号群106の送受信が行われる。これにより、第1制御部105からモータ駆動部102へ前記各種指示を与えることが出来るとともに、第1制御部105から第1バッテリ管理部104に前記指示を与えることが出来る。
【0065】
(車両充電装置1b)
車両充電装置1bは、第2バッテリ(例えば12Vの低圧バッテリ)108と、第2バッテリ管理部109と、第1電圧変換部110と、第2制御部111とをさらに備えている。なお、第2バッテリ108は、図2において車両充電装置1bの内部に設けられる構成として記載されているが、本発明は当該構成に限定されるものではない。すなわち、第2バッテリ108は、車両充電装置1bの外部に設けられてもよい。
【0066】
車両充電装置1bにおいて、第2バッテリ108は、車両充電システム1の外部から供給される電力100’を蓄積する(蓄電する)。
【0067】
第2バッテリ管理部109は、第2制御部111からの指示に応じて、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に充電し、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第1バッテリ108に直接充電するために第1電圧変換部110へ供給する。あるいは、第2バッテリ管理部109は、第2バッテリ108から電力100’を取得し、該取得した電力100’を、第1電圧変換部110へ供給する。
【0068】
あるいは、第2バッテリ管理部109は、第2制御部111の指示なしに、第2バッテリ108の状態および車両充電装置1bの外部からの電力100’の供給能力を検知して、自律的に第2バッテリ108の充電を行ってもよい。
【0069】
また、第2バッテリ管理部109は、第2制御部111の指示なしに、第2通信信号群107の送受信に基づいて第1バッテリ管理部104と協調して、以下の(1)または(2)に係る動作を行ってもよい。
(1)車両充電装置1bの外部からの電力100’を第1バッテリ108に直接充電するために、電力100’を第1電圧変換部110へ供給する。
(2)第1バッテリ103と第2バッテリ108間の電力伝送。
【0070】
第1電圧変換部110は、第2バッテリ108から取得した電力100’の電圧を変換して、変換後の電力100とする。電力100は、第1バッテリ管理部104を介して第1バッテリ103に供給される。同様に、第1バッテリ103から取得した電力100の電圧を変換して電力100’とする。電力100’は、第2バッテリ管理部109を介して第2バッテリ108に供給される。但し、上記構成において第1電圧変換部110は必須ではなく、電力100’の電圧と電力100の電圧とが近いものであれば、第1電圧変換部110を省略した構成であっても良い。
【0071】
第2制御部111は、以下に示す動作を行う。
【0072】
第1に、第1バッテリ103及び第2バッテリ108の充放電制御に関わる信号を、第1バッテリ管理部104及び第2バッテリ管理部109から取得する。
【0073】
第2に、以下に示す第3経路または第4経路で電力を伝送させるために、第2バッテリ管理部109と、第1電圧変換部110と、第1バッテリ管理部104とに指示を与える。
【0074】
前記第3経路は、第2バッテリ108→第2バッテリ管理部109→第1電圧変換部110→第1バッテリ管理部104→第1バッテリ103という経路である。前記第3経路で電力が伝送されることにより、第2バッテリ108から第1バッテリ103への電力伝送が行われる。
【0075】
前記第4経路は、第1バッテリ103→第1バッテリ管理部104→第1電圧変換部110→第2バッテリ管理部109→第2バッテリ108という経路である。前記第4経路で電力が伝送されることにより、第1バッテリ103から第2バッテリ108への電力伝送が行われる。
【0076】
第1のバッテリ103から第2のバッテリ108への電力の伝送は、第2のバッテリ108から補機が備える補機駆動回路へ直接電力を供給する際に、第2のバッテリ108の蓄電量が所定値を下回っている場合に行われる。
【0077】
第3に、第2制御部111は、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に充電するために、第2バッテリ管理部109に指示を与える。
【0078】
第4に、第2制御部111は、車両充電装置1bの外部からの電力100’を直接第1バッテリ103に充電するために、第2バッテリ管理部109、第1電圧変換部110および第1バッテリ管理部104に指示を与える。
【0079】
第2制御部111の動作に関して、第2制御部111と、第2バッテリ管理部109と、第1電圧変換部110と、第1バッテリ管理部104と、第1制御部105との間で、第2通信信号群107の送受信が行われる。これにより、第1制御部105の停止時であっても、第2制御部111から、第2バッテリ管理部109と、第1電圧変換部110との他、車両駆動装置の第1バッテリ管理部104に対しても、前記指示を与えて、第1バッテリ103の充放電、第2バッテリ108の充放電および第1バッテリ103と第2バッテリ108間の電力伝送を行うことが出来る。
【0080】
なお、第2制御部111の全ての動作を第1制御部105に行わさせて、第2制御部111を省略することもできる。この場合は、第1バッテリ管理部104が自律的に第1バッテリ103の充放電を行うとともに、第2バッテリ管理部109が自律的に第2バッテリ108の充放電を行う。または、第1バッテリ管理部104と第2バッテリ管理部109が第2通信信号群107の送受信を介して協調するようにしておく。これにより、第1制御部105の停止時であっても、第1バッテリ103の充放電、第2バッテリ108の充放電、および第1バッテリ103と第2バッテリ108と間の電力伝送を行うことができる。
【0081】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_1によれば、第2バッテリ管理部109は、車両駆動装置1aに設けられた第1制御部105と独立して車両充電装置1bに設けられた第2制御部111により制御されて、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に充電する。あるいは、第2バッテリ管理部109は、自律的に車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に充電する。
【0082】
よって、第1制御部105の停止時(イグニッションキーが差されていない状態)においても、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に充電することができる。
【0083】
さらに、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_1によれば、車両駆動装置1aに設けられた第1制御部105と独立して車両充電装置1bに設けられた第2制御部111は、第2バッテリ管理部109、第1電圧変換部110および第1バッテリ管理部104を制御して、前記第3経路または前記第4経路で、第1バッテリ103と第2バッテリ108間の電力伝送を行う。あるいは、第1バッテリ管理部104と第2バッテリ管理部109が協調して、前記第3経路または前記第4経路で、第1バッテリ103と第2バッテリ108間の電力伝送を行う。
【0084】
よって、第1制御部105の停止時(イグニッションキーが差されていない状態)においても、2つのバッテリ間(サブバッテリである第2バッテリ108と、メインバッテリである第1バッテリ103との間)の電力伝送が可能となる。
【0085】
第1制御部105の停止時に第2バッテリ108から第1バッテリ103に電力を伝送することにより、例えば、駐車中に外部から電力の供給を受ける場合、より多くの外部からの電力を蓄積し、走行のために使用することができる。
【0086】
従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システム1_1を提供することが出来る。
【0087】
また、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_1は、前記第3の経路および前記第4の経路により、第2バッテリ108と第1バッテリ103との間で双方向に電力を伝送することができる。
【0088】
従って、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第1バッテリ103に充電して走行のために用いることができるとともに、第2バッテリ108(補器が接続されていることが多い)の充電量が不足した場合には、第1バッテリ103から電力の供給を受けることが可能となる。外部からの電力100’が太陽電池の出力である場合のように、その電力が小さく不安定である場合は、第2バッテリ108が電力不足となる可能性が高いから、特に好ましい。
【0089】
ところで、車両充電装置1bの外部からの電力100’が車両充電装置1bに供給される際、第2バッテリ管理部109は、第2バッテリ108の充電量に応じて、該電力100’を、(1)第2バッテリ108に供給して充電するか、あるいは(2)第1電圧変換部110および第1バッテリ管理部104を介して第1バッテリ103に直接供給して充電するかを選択できるようにしておくことが好ましい。
【0090】
より具体的には、第2バッテリ108が所定の充電レベルに満たないときは、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に供給して充電し、所定の充電レベル以上のときは、該電力100’を第1バッテリ103に直接供給して充電することが好ましい。
【0091】
あるいは、第2バッテリ108が所定の充電レベルに満たないときは、車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に供給して充電し、所定の充電レベルに達したら、前記第3経路で第2のバッテリ108から第1のバッテリ103へ所定の電力をまとめて伝送するのがさらに好ましい。この場合、車両充電装置1bの外部から電力100’が継続して供給されると、間欠的に第2のバッテリ108から第1のバッテリ103へ電力の伝送が行われることになる。
【0092】
外部からの電力100’を、一旦第2バッテリ108に充電し、その後に第2バッテリ108から第1バッテリ103に電力伝送するのが好ましい理由は、以下の通りである。車両充電装置1bの外部からの電力100’を第2バッテリ108に充電するときは、少なくとも第2バッテリ管理部109のみが動作すればよい。しかしながら、該電力100’を第1バッテリ103に直接供給するときは、少なくとも第2バッテリ管理部109、第1電圧変換部110および第1バッテリ管理部104が動作する必要がある。上述のようにすれば、第2バッテリ108から第1バッテリ103へ電力伝送する時間を短くすることができるので、外部からの電力100’を充電するための消費電力を小さくすることができる。
【0093】
従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システム1_1を提供することが出来る。外部からの電力100’が太陽電池の出力である場合のように、長時間供給され、その電力量が小さく不安定である場合は、外部からの電力100’を充電するための消費電力が大きな問題となるから、特に好ましい。
【0094】
なお、前記第3経路または前記第4経路で電力を伝送する際に、車両駆動装置1a全体の制御を司り、第1バッテリ管理部104よりも消費電力が大きい第1制御部105を動作させる必要が無い。よって、消費電力を低減することが出来るとともに、待機時の電力を最小限に抑え、自然エネルギーの取り込み効率を向上させることが出来る。
【0095】
車両充電システム1_1では、第2制御部111は、第1制御部105の動作時に、第1バッテリ103及び第2バッテリ108の充放電制御に関わる信号を第1バッテリ管理部104及び第2バッテリ管理部109から取得してもよい。そして、第1制御部105と通信を行いつつ、前記第3経路または前記第4経路で電力を伝送してもよい。
【0096】
これにより、第1制御部105の動作時(イグニッションキーが差されている状態)においても、2つのバッテリ間(サブバッテリである第2バッテリ108と、メインバッテリである第1バッテリ103との間)の電力伝送が可能となる。
【0097】
(発電装置112)
なお、車両充電装置1bは、発電装置112と、第2電圧変換部113とをさらに備えてもよい。図3は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_2を示すブロック図である。車両充電システム1_2は、図2の車両充電システム1_1が、発電装置112と、第2電圧変換部113とをさらに備えた車両充電システムである。
【0098】
発電装置112は、電力100とは電圧が異なる電力である電力100’’(前記所定経路、前記第1経路、及び前記第2経路を伝送する電力とは電圧が異なる電力)を発電して、第2電圧変換部113に供給する。
【0099】
第2電圧変換部113は、発電装置112から供給された電力100’’の電圧を変換して電力100’とする。電力100’は、第2バッテリ管理部109を介して第2バッテリ108に供給される。但し、上記構成において第2電圧変換部113は必須ではなく、電力100’’の電圧と電力100’の電圧とが近いものであれば、第2電圧変換部113を省略した構成であっても良い。
【0100】
発電装置112及び第2電圧変換部113により、車両駆動装置1aの外部から、車両駆動装置1aが備えるメインバッテリである第1バッテリ103への電力の伝送が可能となる。
【0101】
第2電圧変換部113は、発電装置112が電力100’’を所定量(発電装置112から第2バッテリ108に電力を供給するに足る量)発電している間だけ動作し、それ以外の期間は休止することが好ましい。
【0102】
これにより、高効率な電力伝送が可能である車両充電システム1_1を提供することが出来る。
【0103】
さらに、第2電圧変換部113は、発電装置112が発電した電力100’’により動作することが好ましい。
【0104】
これにより、発電装置112が電力100’’を発電している間だけ第2電圧変換部113を動作させることができる。また、発電装置112が発電する電力100’’を直接消費するので、第2バッテリ108から電力供給を受ける場合に比べて充放電損失分の電力を節約することができる。従って、更に高効率な電力伝送が可能である車両充電システム1_1を提供することが出来る。
【0105】
また、第2バッテリ管理部109、第1電圧変換部110、第2制御部111または第1バッテリ管理部104は、第2バッテリ108または第1バッテリ103から供給される電力のみならず、発電装置112が発電した電力の供給も受けて動作させることもできる。
【0106】
これにより、第2バッテリ管理部109、第1電圧変換部110、第2制御部111または第1バッテリ管理部104は、発電装置112発電する電力100’’を直接消費するので、第2バッテリ108または第1バッテリ103のみから電力供給を受ける場合に比べて充放電損失分の電力を節約することができる。従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システム1_1を提供することが出来る。
【0107】
さて、本実施形態に係る車両充電システム1_1における発明の主要部は車両充電装置1bである。発電装置112で発電された電力100’’は、第2電圧変換部113による電圧変換によって電力100’となる。第2電圧変換部113から供給される電力100’は、第2バッテリ管理部109を介して、一旦、第2バッテリ108に蓄電される。
【0108】
太陽光等の自然エネルギーを利用した発電などは、発電量が小さかったり、不安定であったりする。このため、発電装置112で発電された電力100’’に基づく第2バッテリ108への蓄電は、第1バッテリ103への電力供給を安定化させるためのものとして有効である。
【0109】
(補機201)
また、例えば電気自動車においては、第2バッテリ108は、走行用モータ101の駆動を行うための電源として用いるのではなく、走行用モータ101よりも消費電力が小さく、電圧の低い補機201の駆動を行う系統の電源として用いると効果的である。補機201の駆動を行う系統の電源としては、例えば12V系の電源が挙げられる。ここで述べる補機とは、ヘッドランプ、パワーステアリング、AV、カーナビゲーションシステム、車内灯、方向指示器、ワイパー、換気扇等である。
【0110】
図4は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_3を示すブロック図である。車両充電システム1_3は、図2の車両充電システム1_1が、補機201をさらに備えた車両充電システムである。
【0111】
図5は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_4を示すブロック図である。車両充電システム1_4は、図3の車両充電システム1_2が、補機201をさらに備えた車両充電システムである。
【0112】
図4の車両充電システム1_3、及び、図5の車両充電システム1_4において、補機201は第2バッテリ108に接続されており、第2バッテリ108から電力100’を供給される。
【0113】
また、図5の車両充電システム1_4において、第2電圧変換部113は、発電装置112で発電された電力100’’の電圧を、前記補機に最適な電圧(例えば12V)へ変換して電力100’とする電圧変換部である。なお、従来の車両充電システムでは、12Vのバッテリから電力を供給して補機を駆動していた。
【0114】
(太陽光発電装置)
なお、発電装置112として太陽光発電装置を用いてもよい。これにより、太陽光発電装置から第1バッテリ103及び第2バッテリ108へ電力伝送が可能となる。
【0115】
発電装置112として太陽光発電装置を用いる場合は、車両の走行に伴って太陽光発電パネル上(ソーラーパネル上)に日陰が発生する。このことから、太陽光発電パネルが備える複数個の発電セルを並列接続して分散配置させる。複数個の発電セルにおいては、直列接続の数は出来るだけ少なくして、太陽光発電装置としての出力電圧を、4V〜8V程度の低い電圧にすることが望ましい。
【0116】
太陽光発電装置は、発電素子単体では出力電圧が低いことから、通常、複数の発電素子が直列接続されて発電素子群が構成され、必要に応じて適宜の太陽光発電モジュールとされる。つまり、複数の発電素子を直列に接続して太陽光発電モジュールが形成される。しかしながら、発電素子を直列接続した構成では、一部の発電素子に対する照射光のばらつき(例えば日陰)によって太陽光発電モジュール全体に影響が生じることがある。
【0117】
例えば、直列に接続された発電素子の一部のみに日陰が発生した場合、直列の各段の間で照射面積に不均衡が生じる。照射面積が発電素子相互間で異なる場合、直列接続された発電素子の電流出力は、照射量(太陽光の照射量)が最も低い発電素子によって制限される。つまり、日陰が小さい場合であっても影響はモジュール全体に及び、出力が大きく制限されることがある。特に、太陽光発電装置が車両に設置される場合には、太陽光発電装置が常に日照に恵まれた位置にある訳ではなく、建物や他の車両などの影にさらされやすい。
【0118】
上記影響を抑制するには、太陽光発電装置を例えば図14に示すような構成とすることが好ましい。図14に示す太陽光発電装置は、光を電気に変換して発電する単位発電部D(1つの太陽電池パネルからなり、または複数の太陽電池パネルが接続されてなる単位発電部D1、単位発電部D2)が接続点CPを介して直列に接続された群発電部G(群発電部G11、群発電部G12、群発電部G21、群発電部G22)を複数個配置し、群発電部Gを並列接続した構成である。さらに、群発電部Gは、接続点CPの中で予め特定された特定接続点SPを備え、特定接続点SPは、群発電部Gの相互間で接続されている。
【0119】
上述のように単位発電部Dを接続し、配置することにより、太陽発電装置の出力が日陰の面積比率に比べて著しく小さくなることを防ぐことができる。
【0120】
例えば、群発電部G11のみが日陰となった場合は、出力の低下は日陰の面積の割合と同じ全日照時の出力の1/4である。同様に、群発電部G11およびG12が日陰となった場合は、出力の低下は全日照時の出力の1/2であり、やはり日陰の面積の割合と同じである。群発電部G11およびG21が日陰となった場合も、出力の低下は全日照時の出力の1/2である。
【0121】
太陽発電装置の出力が0になるためには、4つの単位発電部D1がすべて日陰となるか、4つの単位発電部D2がすべて日陰となるか、いずれかの条件を満たしたときのみである。この場合、互いに離散した(特定の)2つの場所が同時に日陰となる必要があるが、このようなことが起こる確率は比較的低い。
【0122】
上記例では、4並列2直列の単位発電部により太陽発電装置が構成されていたが、並直数はこの限りではない。並列数を増やして、単位発電部の配置をよりランダムにすることにより、偶然の日陰パターンにより太陽発電装置の出力が著しく低下する確率をより低くすることが可能である。
【0123】
上記構成により、照射光(太陽光)のばらつき(例えば日陰)による影響を回避し、照射光のばらつきが生じたときでも、照射面積と実働する単位発電部が占める面積とのアンバランスを抑制して効率的な発電を実現することができる。
【0124】
さて、発電装置112で発電された電力100’’に基づく第2バッテリ108への蓄電について、第2バッテリ108に一定量以上の電力100’が蓄電された時点で、まとめて第1バッテリ103へ電力を伝送するのが好ましい。この伝送の際に、第1電圧変換部110によって、電力100’の電圧が変換されて電力100となることは上述したとおりである。
【0125】
逆に、第2バッテリ108に蓄電されている電力100’が、前記一定量に達するまでは、第2バッテリ108への蓄電と前記補機への電力供給とを行う。
【0126】
ここで、発電装置112で発電された電力100’’を、そのまま第1バッテリ103へ蓄電しない理由は以下の通りである。
【0127】
まず、駐車場等への駐車時は、第1制御部105が停止(休止)している。これは以下の理由による。
【0128】
第1制御部105を含む車両駆動装置1aを動作させる(立ち上げる)と、大きな電力を消費する。このため、発電装置112の発電による、比較的小さな電力100’’を、常時連続的に第1バッテリ103へ伝送するのは効率が悪い。
【0129】
第2バッテリ108に蓄電された電力100’を、第1バッテリ103へ伝送する際には、第1電圧変換部110にて、第2バッテリ108の電圧から第1バッテリ103の電圧に電圧変換を行う。
【0130】
それぞれの電圧の例として、第2バッテリ108は、車両の電装品を駆動する補機用バッテリとして12V(弱電系)を用いる。この点は上述したとおりである。また、第1バッテリ103には、走行用モータ101を駆動する際に生じる損失を低減するために、高電圧の300〜400V以上(強電系)を用いるのが適切である。前記損失を低減するためには、電力100(電圧×電流)の電圧を高くして、電流を小さくすることにより、導通損失を低減する。
【0131】
次に、車両充電装置1bの第2バッテリ管理部109は、第2バッテリ108が過充電あるいは過放電の状態にないか監視して、第2バッテリ108に対する充電を制御している。
【0132】
第2バッテリ管理部109は、イグニッションキーのオン、オフとは無関係に、発電装置112の発電量が一定量以上ある間は、常に第2バッテリ108への充電を行い、一定の時間間隔で、過充電、過放電を防止する前記監視と前記制御とを行う。
【0133】
第2バッテリ管理部109が、一定の時間間隔で前記監視と前記制御とを行う理由は、以下の通りである。まず、発電装置112は、自然エネルギーを利用して発電するものである。このため、車両が停止状態であっても(イグニッションキーがオフであっても)、発電が行われている。また、発電装置112の発電電力は小さいため、出来る限り無駄にすることなく、全ての発電電力を第2バッテリ108に蓄積しておきたい。以上の理由から、一定の時間間隔で過充電、過放電を防止する前記監視と前記制御とが行われるのである。
【0134】
また、車両充電装置1bの第2バッテリ108では、前記一定量の電力が溜まるまで蓄電が行われ、その後、第1バッテリ103に向かって電力の伝送が行われる。このため、第2制御部111は、第1電圧変換部110に指示を与え、第1電圧変換部110は、前記指示に応じて、第2バッテリ108の電圧から第1バッテリ103の電圧に電圧変換を行う。
【0135】
一方、第1バッテリ103の過充電、過放電を防ぐために、第2制御部111は、第1バッテリ管理部104から第1バッテリ103の状態に関する情報を取得する。この情報の取得は、第2通信信号群107を介して、かつ、必要に応じて行われる。
【0136】
このようにして、第1バッテリ103の蓄電状態を第2制御部111が把握し、可能であれば、第2バッテリ108から第1バッテリ103への電力伝送を行う。
【0137】
このことにより、例え駐車場等に駐車中であっても、第2電圧変換部113を介して、発電装置112の発電による電力100’’を元に、第2バッテリ108から、第1バッテリ103へ、電力の伝送を行うことが出来る。
【0138】
なお、既に説明したとおり、第1バッテリ管理部104が自律的に第1バッテリ103の充放電を行うとともに、第2バッテリ管理部109が自律的に第2バッテリ108の充放電を行うか、または第1バッテリ管理部104と第2バッテリ管理部109が第2通信信号群107の送受信を介して協調するよう構成してもよい。これにより、第2制御部111の全ての動作を第1制御部105にさせて、第2制御部111を省略することもできる。
【0139】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1は、発電装置112の発電による電力100’’を元に、第2バッテリ108に蓄電させたり、当該蓄電を中止させたりすることが出来る。この蓄電動作・蓄電動作の中止は、イグニッションキーのオン、オフに関わらず行うことが出来る。
【0140】
また、車両充電システム1は、イグニッションキーのオン、オフに関わらず、第2バッテリ108から第1バッテリ103への電力を伝送させたり、電力の伝送を中止させたりすることが出来る。
【0141】
このため、車両充電システム1は、バッテリ容量のある限り、発電装置112の発電による電力100’’を無駄なく蓄電可能なシステムであると言える。
【0142】
(発電装置112による車両駆動装置1aへの電力伝送)
上述した各車両充電システムでは、車両駆動装置1aへの電力100の伝送は、車両充電装置1bを介して行われていた。しかし、車両充電装置1bを介さずに、発電装置112によって車両駆動装置1aへ電力を伝送してもよい。
【0143】
図6は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システム1_5を示すブロック図である。図6の車両充電システム1_5は、車両駆動装置1aと、発電装置112と、第3電圧変換部113’(電圧変換部)とを備えている。発電装置112と、第3電圧変換部113’とは、車両充電装置1b’を構成している。
【0144】
図6において、発電装置112は、電力100とは電圧が異なる電力である電力100’’(前記所定経路を伝送する電力とは電圧が異なる電力)を発電して、第3電圧変換部113’に供給する。
【0145】
第3電圧変換部113’は、発電装置112から供給された電力100’’の電圧を変換して電力100とする。電力100は、第1バッテリ管理部104を介して第1バッテリ103に供給される。但し、上記構成において第3電圧変換部113’は必須ではなく、電力100’’の電圧と電力100の電圧とが近いものであれば、第3電圧変換部113’を省略した構成であっても良い。
【0146】
発電装置112及び第3電圧変換部113’により、車両駆動装置1aの外部から、車両駆動装置1aが備えるメインバッテリである第1バッテリ103への電力の伝送が可能となる。
【0147】
(補機201を備える車両駆動装置1a’)
これまでの説明では、補機201は、車両充電装置1bに備えられていた、しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、車両駆動装置が補機201を備えてもよい。
【0148】
図7は、本発明の第1実施形態に係る車両駆動装置1a’を示すブロック図である。図7の車両駆動装置1a’は、図1の車両駆動装置1aと、補機201と、第4の電圧変換部200とを備えている。
【0149】
図7において、第1バッテリ103は、第4の電圧変換部200に電力100を供給する。第4の電圧変換部200は、第1バッテリ103から供給された電力100の電圧(例えば24V)を変換して電力100’の電圧(例えば12V)とする。そして、第4の電圧変換部200から補機201へ、電力100’が供給される。但し、上記構成において第4の電圧変換部200は必須ではなく、電力100’の電圧と電力100の電圧とが近いものであれば、第4の電圧変換部200を省略した構成であっても良い。
【0150】
このような構成とすることにより、図7の車両駆動装置1a’においても、第2バッテリ108が供給する電力と同一の電圧(例えば12V)である電力100’を、補機201へ供給することが出来る。
【0151】
(太陽光発電を用いる充電シーケンス)
ここで、太陽光発電を用いる充電シーケンスの動作フローチャートについて、以下に説明する。太陽光発電を用いる充電シーケンスは、例えば、図3の車両充電システム1_2、及び図5の車両充電システム1_4において、発電装置112として太陽光発電装置を用いる場合の動作である。
【0152】
図8は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、太陽光発電を用いる充電シーケンスの一例のフローチャートである。図8のフローチャートについて、以下に説明する。
【0153】
なお、以下の説明におけるマイコンは、図3及び図5の車両充電システムにおいて、第2制御部111、あるいは第2電圧変換部113が備えている。また、第2バッテリ108がサブバッテリであり、第1バッテリ103がメインバッテリである。さらに、サブバッテリ用のBMU(バッテリ・マネジメント・ユニット)は、図3及び図5の車両充電システムにおいて、第2バッテリ管理部109が備えている。そして、メインバッテリ用のBMUは、図3及び図5の車両充電システムにおいて、第1バッテリ管理部104が備えている。
【0154】
図8のフローチャートにおいて、ステップS1では、太陽光発電装置による太陽光発電で太陽エネルギー(以降電力Pと称する)を得る。この電力Pを用いて、上述した車両充電システムの動作が開始される。
【0155】
ステップS2では、ステップS1で得られた電力Pによって、第2制御部111のマイコンを起動させるための電源を立ち上げる。当該電源は、太陽光発電装置である発電装置112が備えてもよく、第2制御部111が備えてもよい。
【0156】
ステップS3では、ステップS2において前記電源が立ち上がったことにより、第2制御部111が備えるマイコンの動作を開始する。
【0157】
ステップS4では、ステップS1で得られた電力Pによって、第2電圧変換部113と、第2バッテリ管理部109が備えるサブバッテリ用のBMUと、第1バッテリ管理部104が備えるメインバッテリ用のBMUと、第1電圧変換部110とが、動作を開始する。これにより、車両駆動装置1aの外部から供給される電力P(即ち発電装置112から供給される電力P)によって車両充電システムが自動的に立ち上がることが可能となる。
【0158】
但し、第1電圧変換部110は、必要に応じて、後から立ち上げても構わない。
【0159】
なお、サブバッテリに十分な蓄電量がある通常の場合は、サブバッテリの電力を用いて、ここまでのシーケンスを行っても良い。但し、以上述べたように、電力系統を複数備えていれば、様々な状況に対応でき、より望ましい。
【0160】
ステップS5では、第2通信信号群107を介して、前記マイコンと前記サブバッテリ用のBMUとが通信を行う。これにより、サブバッテリである第2バッテリ108の状態が把握される。状態把握後は、ステップS6へ進む。
【0161】
ステップS6では、サブバッテリの蓄電量が80%未満であるか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が80%未満であれば(ステップS6においてYes)、ステップS7へ進む。サブバッテリの蓄電量が80%以上であれば(ステップS6においてNo)、ステップS9へ進む。
【0162】
ステップS7では、太陽光発電装置である発電装置112が備えるソーラーパネルの出力電力が、1Wを超えているか否かを判定する。ソーラーパネルの出力電力が1Wを超えていれば(ステップS7においてYes)、ステップS8へ進む。ソーラーパネルの出力電力が1W以下であれば(ステップS7においてNo)、ステップS13へ進む。
【0163】
ステップS8では、ソーラーパネルからサブバッテリへの充電が開始される。ソーラーパネルからサブバッテリへの充電が完了すると、ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0164】
ステップS9では、第2通信信号群107を介して、前記マイコンと前記メインバッテリ用のBMUとが通信を行う。これにより、メインバッテリである第1バッテリ103の状態が把握される。状態把握後は、ステップS10へ進む。
【0165】
ステップS10では、メインバッテリの蓄電量が80%を未満であるか否かを判定する。メインバッテリの蓄電量が80%未満であれば(ステップS10においてYes)、ステップS11へ進む。メインバッテリの蓄電量が80%を越えていれば(ステップS10においてNo)、ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0166】
ステップS11では、サブバッテリの蓄電量が50%を超えているか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が50%を超えていれば(ステップS11においてYes)、ステップS12へ進む。サブバッテリの蓄電量が50%以下であれば(ステップS11においてNo)、ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0167】
ステップS12では、サブバッテリからメインバッテリへの充電が開始される。サブバッテリからメインバッテリへの充電が完了すると、ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0168】
ステップS7においてNoであった場合に進むステップS13では、第2通信信号群107を介して、前記マイコンと前記メインバッテリ用のBMUとが通信を行う。これにより、メインバッテリである第1バッテリ103の状態が把握される。状態把握後は、ステップS14へ進む。
【0169】
ステップS14では、メインバッテリの蓄電量が20%を超えているか否かを判定する。メインバッテリの蓄電量が20%を超えていれば(ステップS14においてYes)、ステップS15へ進む。メインバッテリの蓄電量が20%以下であれば(ステップS14においてNo)、ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0170】
ステップS15では、メインバッテリからサブバッテリへの充電が開始される。メインバッテリからサブバッテリへの充電が完了すると、ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0171】
(ソーラーパネルからサブバッテリへの充電シーケンス)
図9は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、ソーラーパネルからサブバッテリへの充電シーケンスのフローチャートである。図9のフローチャートについて、以下に説明する。
【0172】
ステップS8においてソーラーパネルからサブバッテリへの充電が開始された後、ステップS16の予備充電が所定の時間行われる。予備充電は、後述する定電圧充電及び定電流充電の前に行う充電であり、サブバッテリの電圧が第1電圧以下のときに、第1電圧に達するまで、定電流充電の1/20程度の電流値で充電を行う。所定の時間の予備充電の後は、ステップS17へ進む。
【0173】
ステップS17では、サブバッテリの電圧が第1電圧を越えているか否かを判定する。サブバッテリの電圧が第1電圧を越えていれば(ステップS17においてYes)、ステップS18へ進む。サブバッテリの電圧が第1電圧以下であれば(ステップS17においてNo)、ステップS16へ戻り、再び予備充電を所定の時間行う。
【0174】
なお、前記記載における第1電圧とは、バッテリの実際に用いる際の下限電圧である。例えば、蓄電量20%〜80%で充放電を管理する場合、蓄電量が20%である時の電圧である。
【0175】
Liイオンバッテリの場合、過放電、過充電共に不可である。また、蓄電量の代表値は20%〜80%であり、電圧の代表値は330V〜370Vとなる。さらに、第1電圧の代表値は330Vである。
【0176】
Pbバッテリの場合、過放電は不可であるが、過充電は可能である。また、蓄電量の代表値は50%〜100%であり、電圧の代表値は11.5V〜13.5Vである。さらに、第1電圧の代表値は11.5Vである。
【0177】
ステップS18では、供給電力の電流が一定である充電である定電流充電が所定の時間行われる。所定の時間の定電流充電の後は、ステップS19へ進む。
【0178】
ステップS19では、サブバッテリの蓄電量が80%を越えているか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が80%を越えていれば(ステップS19においてYes)、ステップS20へ進む。サブバッテリの電圧が80%以下であれば(ステップS19においてNo)、ステップS18へ戻り、再び定電流充電を所定の時間行う。
【0179】
ステップS20では、定電圧充電が所定の時間行われる。ここで述べる定電圧充電は、バッテリ管理部からの指示に従った電流値での充電、または、供給電力の電圧が一定である充電である。所定の時間の定電圧充電の後は、ステップS21へ進む。
【0180】
ステップS21では、サブバッテリの電流値が0.1A未満であるか否かを判定する。サブバッテリの電流値が0.1A未満であれば(ステップS21においてYes)、ステップS40へ進み、充電完了となる。サブバッテリの電流値が0.1A以上であれば(ステップS21においてNo)、ステップS20へ戻り、再び定電圧充電を所定の時間行う。
【0181】
(サブバッテリからメインバッテリへの充電シーケンス)
図10は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、サブバッテリからメインバッテリへの充電シーケンスのフローチャートである。図10のフローチャートについて、以下に説明する。
【0182】
ステップS12においてサブバッテリからメインバッテリへの充電が開始された後、ステップS22の予備充電が所定の時間行われる。予備充電については上述したとおりである。所定の時間の予備充電の後は、ステップS23へ進む。
【0183】
ステップS23では、サブバッテリの蓄電量が50%未満であるか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が50%以上であれば(ステップS23においてYes)、ステップS24へ進む。サブバッテリの蓄電量が50%未満であれば(ステップS23においてNo)ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0184】
ステップS24では、メインバッテリの電圧が330Vを越えているか否かを判定する。メインバッテリの電圧が330Vを越えていれば(ステップS24においてYes)、ステップS25へ進む。メインバッテリの電圧が330V以下であれば(ステップS24においてNo)、ステップS22へ戻り、再び予備充電を所定の時間行う。
【0185】
ステップS25では、定電流充電が所定の時間行われる。定電流充電については上述したとおりである。所定の時間の定電流充電の後は、ステップS26へ進む。
【0186】
ステップS26では、サブバッテリの蓄電量が50%未満であるか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が50%以上であれば(ステップS26においてYes)、ステップS27へ進む。サブバッテリの蓄電量が50%未満であれば(ステップS26においてNo)ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0187】
ステップS27では、メインバッテリの蓄電量が80%を越えているか否かを判定する。メインバッテリの蓄電量が80%を越えていれば(ステップS27においてYes)、ステップS28へ進む。メインバッテリの蓄電量が80%以下であれば(ステップS27においてNo)、ステップS25へ戻り、再び定電流充電を所定の時間行う。
【0188】
ステップS28では、定電圧充電が所定の時間行われる。定電圧充電については上述したとおりである。所定の時間の定電圧充電の後は、ステップS29へ進む。
【0189】
ステップS29では、サブバッテリの蓄電量が50%未満であるか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が50%以上であれば(ステップS29においてYes)、ステップS30へ進む。サブバッテリの蓄電量が50%未満であれば(ステップS29においてNo)ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0190】
ステップS30では、メインバッテリの電流値が0.1A未満であるか否かを判定する。メインバッテリの電流値が0.1A未満であれば(ステップS30においてYes)、ステップS40へ進み、充電完了となる。メインバッテリの電流値が0.1A以上であれば(ステップS30においてNo)、ステップS28へ戻り、再び定電圧充電を所定の時間行う。
【0191】
(メインバッテリからサブバッテリへの充電シーケンス)
図11は、本発明の第1実施形態に係る車両充電システムにおける、メインバッテリからサブバッテリへの充電シーケンスのフローチャートである。図11のフローチャートについて、以下に説明する。
【0192】
ステップS15においてメインバッテリからサブバッテリへの充電が開始された後、ステップS31の予備充電が所定の時間行われる。予備充電については上述したとおりである。所定の時間の予備充電の後は、ステップS32へ進む。
【0193】
ステップS32では、メインバッテリの蓄電量が20%未満であるか否かを判定する。メインバッテリの蓄電量が20%以上であれば(ステップS32においてYes)、ステップS33へ進む。メインバッテリの蓄電量が20%未満であれば(ステップS32においてNo)ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0194】
ステップS33では、サブバッテリの電圧が11Vを越えているか否かを判定する。サブバッテリの電圧が11Vを越えていれば(ステップS33においてYes)、ステップS34へ進む。サブバッテリの電圧が11V以下であれば(ステップS33においてNo)、ステップS31へ戻り、再び予備充電を所定の時間行う。
【0195】
ステップS34では、定電流充電が所定の時間行われる。定電流充電については上述したとおりである。所定の時間の定電流充電の後は、ステップS35へ進む。
【0196】
ステップS35では、メインバッテリの蓄電量が20%未満であるか否かを判定する。メインバッテリの蓄電量が20%以上であれば(ステップS35においてYes)、ステップS36へ進む。メインバッテリの蓄電量が20%未満であれば(ステップS35においてNo)ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0197】
ステップS36では、サブバッテリの蓄電量が80%を越えているか否かを判定する。サブバッテリの蓄電量が80%を越えていれば(ステップS36においてYes)、ステップS37へ進む。サブバッテリの蓄電量が80%以下であれば(ステップS36においてNo)、ステップS34へ戻り、再び定電流充電を所定の時間行う。
【0198】
ステップS37では、定電圧充電が所定の時間行われる。定電圧充電については上述したとおりである。所定の時間の定電圧充電の後は、ステップS38へ進む。
【0199】
ステップS38では、メインバッテリの蓄電量が20%未満であるか否かを判定する。メインバッテリの蓄電量が20%以上であれば(ステップS38においてYes)、ステップS39へ進む。メインバッテリの蓄電量が20%未満であれば(ステップS38においてNo)ステップS40へ進み、充電完了となる。
【0200】
ステップS39では、サブバッテリの電流値が0.1A未満であるか否かを判定する。サブバッテリの電流値が0.1A未満であれば(ステップS39においてYes)、ステップS40へ進み、充電完了となる。サブバッテリの電流値が0.1A以上であれば(ステップS39においてNo)、ステップS37へ戻り、再び定電圧充電を所定の時間行う。
【0201】
以下に示す表1は、図8〜図11で示した充電シーケンスについてまとめた表である。
【0202】
【表1】

【0203】
前記表1において、「ソーラーパネル→サブバッテリ」は、ソーラーパネルからサブバッテリへの充電を示す。また、ソーラーパネルがオン状態とは、ソーラーパネルに太陽光が照射されており、前記ソーラーパネルを備える太陽光発電装置、即ち発電装置が発電している状態である。一方、ソーラーパネルがオフ状態とは、ソーラーパネルに太陽光が照射されておらず、前記ソーラーパネルを備える太陽光発電装置、即ち発電装置が発電していない状態である。
【0204】
さらに、表1の「サブバッテリ→メインバッテリ」は、サブバッテリからメインバッテリへの充電を示し、「メインバッテリ→サブバッテリ」は、メインバッテリからサブバッテリへの充電を示す。これらの充電の際は、ソーラーパネルはオン状態であってもよく、オフ状態であってもよい。
【0205】
以上説明した、車両駆動装置または車両充電システムを、電気自動車、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車に搭載することにより、電気自動車、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車の電費または燃費を改善することができる。
【0206】
〔実施例〕
ここで、本発明の実施例について、図12を用いて以下に説明する。図12は、各国のソーラーEV/HEV/PHEV用の車両充電システムの説明図である。図12(a)は、先進国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムを示すブロック図である。図12(b)は、新興国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムを示すブロック図である。
【0207】
前記記載において、EVはElectric Vehicleの略であり、電気自動車を示す。同様に、HEVは、Hybrid Electric Vehicleの略であり、ハイブリッド車を示す。同様に、PHEVは、Plug in Hybrid Electric Vehicleの略であり、プラグインハイブリッド車を示す。
【0208】
(先進国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システム)
図12(a)の先進国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムは、最大電力取り出しパネルシステム301と、Liイオンサブバッテリ302とを備えている。また、前記先進国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムは、双方向DC/DCコンバータ303と、Liイオンメインバッテリ304とをさらに備えている。さらに、前記先進国向け、及び新興国向けEV/HEV/PHEVの車両駆動装置には、モータ駆動用パワーコントローラ305と、補機駆動回路306とをさらに備えている。
【0209】
図12(a)の先進国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムは、図5の車両充電システム1_4に相当する。
【0210】
最大電力取り出しパネルシステム301は、発電装置112及び第2電圧変換部113を組み合わせたものに相当する。また、最大電力取り出しパネルシステム301は、ソーラーパネルと、MPPTシステム(Maximum Power Point Tracking System:最大電力点追従制御システム)とDC/DCコンバータとを備えている。
【0211】
Liイオンサブバッテリ302は、第2バッテリ108に相当し、電圧の範囲は、11V〜15Vである。このLiイオンサブバッテリ302は、不安定な太陽エネルギーを、一旦蓄電することが出来る補助バッテリである。
【0212】
双方向DC/DCコンバータ303は、第1電圧変換部110に相当し、Liイオンサブバッテリ302の電力の電圧を昇圧してLiイオンメインバッテリ304へ伝送することが出来る。
【0213】
Liイオンメインバッテリ304は、第1バッテリ103に相当し、電圧の範囲は、330V〜370Vである。
【0214】
モータ駆動用パワーコントローラ305は、モータ駆動部102に相当し、補機駆動回路306は、補機201に接続または内蔵されている駆動回路に相当する。
【0215】
このような先進国向けEV/HEV用の車両充電システムを用いると、車両1100kg、電力量1kWhあたりの走行量を示す電費10km/kWh、電力伝送効率85%の場合、ソーラーパワー(パネル面積5m、ソーラーセル発電効率16%)のみで年間8500kmの走行が可能である。
【0216】
(新興国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システム)
図12(b)の新興国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムは、最大電力取り出しパネルシステム401と、DC/DCコンバータ402と、100kg相当のメインバッテリ403とを備えている。また、前記新興国向けEV/HEV/PHEVの車両駆動装置には、モータ駆動用パワーコントローラ404と、補機駆動回路405とをさらに備えている。
【0217】
図12(b)の新興国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムは、図6の車両充電システム1_5に、図7の第4の電圧変換部200及び補機201を加えたものに相当する。
【0218】
最大電力取り出しパネルシステム401は、発電装置112に相当するとともにインドのムンバイでの日照量(NASAデータ)を想定しており、小面積で必要な発電量を確保することが出来るシステムである。
【0219】
DC/DCコンバータ402は、第2電圧変換部113に相当し、最大電力取り出しパネルシステム401の電力の電圧12Vを昇圧して、120Vにすることが出来る。
【0220】
メインバッテリ403は、第1バッテリ103に相当し、感電防止システムを備えている。また、メインバッテリ403の電力量は、Pbバッテリであれば3.5kWh、Liイオンバッテリであれば10kWhである。
【0221】
モータ駆動用パワーコントローラ404は、モータ駆動部102に相当し、補機駆動回路405は、補機201に接続または内蔵されている駆動回路に相当する。
【0222】
このような新興国向けEV/HEV/PHEV用の車両充電システムを用いると、車両700kg、電費13km/kWh、電力伝送効率85%の場合、ソーラーパワー(パネル面積3m、ソーラーセル発電効率16%)のみで1日32kmの走行が可能である。
【0223】
バッテリ管理部からの指示に従った電流値での定電圧充電では、例えば予備充電と同じ電流値まで減少したら、満充電と判断し、充電を完了する。供給電力の電圧が一定である定電圧充電の電圧値は、バッテリの代表値の上限値となる。
【0224】
なお、満充電検出後、引き続き1時間程度の定電圧充電(追加充電モード)を行う場合もある。
【0225】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0226】
なお、本発明に係る車両駆動装置は、車両駆動部としても表現できる。そして、本発明の車両駆動部は、車両を走行させるための走行用モータと、前記走行用モータを駆動するモータ駆動部と、前記モータ駆動部に駆動電力を供給する第1バッテリと、前記第1バッテリの蓄電量を管理する第1バッテリ管理部と、前記走行用モータの駆動を制御するために、前記モータ駆動部に指示を与える第1制御部とを備える車両駆動部であって、前記第1バッテリ管理部は、外部から前記第1バッテリの充放電を行うために、外部と通信する構成であってもよい。
【0227】
前記構成によれば、外部からの指示信号により、(例えば、前記車両駆動部を備える車両にイグニッションキーが差されていない状態においても)前記第1バッテリ管理部は起動可能であり、充放電制御に関わる信号を外部に出力することが出来る。
【0228】
よって、前記第1バッテリ管理部において、前記測定結果信号に対する応答として、前記車両駆動部の外部から、前記第1バッテリを充電することが可能となる。その結果、メインバッテリである前記第1バッテリの過放電・過充電を防止できる。
【0229】
また、前記第1バッテリ管理部が、充放電制御に関わる信号を出力するためだけに、前記車両駆動部全体の制御を司り、前記第1バッテリ管理部よりも消費電力が大きい前記第1制御部を動作させる必要が無い。よって、消費電力を低減することが出来る。
【0230】
従って、メインバッテリの過放電・過充電を防止した上で、消費電力を低減して電力効率を高めた車両駆動部を提供することが出来る。
【0231】
本発明の車両充電システムは、前記車両駆動部と、前記車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリと、当該第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部と、前記第2バッテリ管理部、及び前記第1バッテリ管理部に指示を与える第2制御部とを含む車両充電部(車両充電装置)を備える車両充電システムであって、前記第2制御部は、前記第1及び第2バッテリ管理部を制御し、前記第2バッテリ、前記第2バッテリ管理部、前記第1バッテリ管理部、前記第1バッテリという第1経路、または、前記第1経路の逆の経路である第2経路で電力を伝送する構成であってもよい。
【0232】
前記構成によれば、前記第2制御部は、前記第1及び第2バッテリ管理部を制御し、前記第1経路または前記第2経路で電力を伝送することが出来る。
【0233】
よって、2つのバッテリ間(サブバッテリである前記第2バッテリと、メインバッテリである前記第1バッテリとの間)の電力伝送が可能となる。
【0234】
従って、高効率な電力伝送が可能である車両充電システムを提供することが出来る。
【0235】
また、前記車両充電システムの外部から供給される電力が、小電力で不安定な太陽光電力のような自然エネルギーであっても、前記第2バッテリに蓄積して安定化、大電力化することが出来る。
【0236】
さらに、前記第1経路または前記第2経路で電力を伝送する際に、前記車両駆動部全体の制御を司り、前記第1バッテリ管理部よりも消費電力が大きい前記第1制御部を動作させる必要が無い。よって、消費電力を低減することが出来るとともに、待機時の電力を最小限に抑え、自然エネルギーの取り込み効率を向上させることが出来る。
【0237】
前記車両駆動部では、電力を発電する発電装置と、前記第2バッテリ管理部と前記第1バッテリ管理部との間で、前記第2バッテリに蓄積された電力の電圧を変換して、変換後の電力を前記第1バッテリに供給する第1電圧変換部とをさらに備えてもよい。
【0238】
前記発電装置及び前記第1電圧変換部により、前記車両駆動部の外部から、前記車両駆動部が備えるメインバッテリである前記第1バッテリへの電力の伝送が可能となる。
【0239】
前記車両充電システムでは、前記発電装置は、前記第1バッテリ、前記第1バッテリ管理部、前記モータ駆動部の所定経路、前記第1経路、及び前記第2経路を伝送する電力とは電圧が異なる電力を発電するものであり、前記車両充電部は、前記発電装置から供給された前記異なる電力の電圧を変換して、前記第1経路、及び前記第2経路を伝送する電力とする第2電圧変換部をさらに備えてもよい。
【0240】
前記発電装置及び前記第2電圧変換部により、前記車両駆動部の外部から、前記車両駆動部が備えるメインバッテリである前記第1バッテリへの電力の伝送が可能となる。
【0241】
前記車両充電システムでは、前記発電装置が太陽光発電装置であってもよい。これにより、太陽光発電装置から前記第1バッテリ及び前記第2バッテリへ電力伝送が可能となる。
【0242】
前記車両充電システムでは、前記第1バッテリ管理部、前記第2バッテリ管理部、前記第2制御部は、前記車両駆動部の外部から供給される電力、または、前記発電装置から供給される電力によって動作してもよい。
【0243】
これにより、前記車両駆動部の外部から供給される電力または前記発電装置から供給される電力によって前記車両充電システムが自動的に立ち上がることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0244】
本発明の車両駆動装置及び車両充電システムは、電気自動車に適用することが出来る。特に、先進国向けEV/HEV/PHEVや新興国向けEV/HEV/PHEVに好適に用いることが出来る。
【符号の説明】
【0245】
1_1,1_2,1_3,1_4,1_5 車両充電システム
1a 車両駆動装置
1a’ 車両駆動装置
1b 車両充電装置
1b’ 車両充電装置
100,100’,100’’ 電力
101 走行用モータ
102 モータ駆動部
103 第1バッテリ
104 第1バッテリ管理部
105 第1制御部
105 第2制御部
106 第1通信信号群
107 第2通信信号群
108 第2バッテリ
109 第2バッテリ管理部
110 第1電圧変換部
111 第2制御部
112 発電装置
113 第2電圧変換部
113’ 第3電圧変換部(電圧変換部)
200 第4の電圧変換部
201 補機
301 最大電力取り出しパネルシステム
302 Liイオンサブバッテリ
303 双方向DC/DCコンバータ
304 Liイオンメインバッテリ
305 モータ駆動用パワーコントローラ
306 補機駆動回路
401 最大電力取り出しパネルシステム
402 DC/DCコンバータ
403 メインバッテリ
404 モータ駆動用パワーコントローラ
405 補機駆動回路
G11,G12,G21,G22 群発電部
D1,D2 単位発電部
CP 接続点
SP 特定接続点
P 電力
S1〜S40 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を走行させるための走行用モータを駆動するモータ駆動部と、
前記モータ駆動部に駆動電力を供給する第1バッテリの蓄電量を管理する第1バッテリ管理部と、
前記走行用モータの駆動を制御するために、前記モータ駆動部に指示を与える第1制御部とを備える車両駆動装置であって、
前記第1バッテリ管理部は、外部から前記第1バッテリの充電または放電を行うために、外部と通信することを特徴とする車両駆動装置。
【請求項2】
車両を走行させるための走行用モータを駆動するモータ駆動部と、
前記モータ駆動部に駆動電力を供給する第1バッテリの蓄電量を管理する第1バッテリ管理部と、
前記走行用モータの駆動を制御するために、前記モータ駆動部に指示を与える第1制御部とを備える車両駆動装置であって、
前記第1バッテリ管理部は、前記第1制御部が休止している間に、自律的に前記第1バッテリの充電または放電を行うことを特徴とする車両駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両駆動装置と、
車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部と、前記第2バッテリ管理部に指示を与える第2制御部とを含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、
前記第2制御部は、前記第1制御部が休止している間に、前記第2バッテリ管理部を制御し、前記第2バッテリの充電または放電を行うことを特徴とする車両充電システム。
【請求項4】
請求項2に記載の車両駆動装置と、
車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部とを含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、
前記第2バッテリ管理部は、前記第1制御部が休止している間に、自律的に前記第2バッテリの充電または放電を行うことを特徴とする車両充電システム。
【請求項5】
請求項1に記載の車両駆動装置と、
車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部と、前記第2バッテリ管理部に指示を与える第2制御部とを含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、
前記第2制御部は、前記第1制御部が休止している間に、前記第1バッテリ管理部および第2バッテリ管理部を制御し、前記第2バッテリから前記第1バッテリに電力伝送を行うことを特徴とする車両充電システム。
【請求項6】
請求項2に記載の車両駆動装置と、
車両充電システムの外部から供給される電力を蓄積する第2バッテリの蓄電量を管理する第2バッテリ管理部を含む車両充電装置とを備える車両充電システムであって、
前記第1バッテリ管理部と前記第2バッテリ管理部は、前記第1制御部が休止している間に、協調して前記第2バッテリから前記第1バッテリに電力伝送を行うことを特徴とする車両充電システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の車両充電システムであって、
前記第2バッテリから前記第1バッテリへ電力伝送が行われると共に、さらに前記第1バッテリから前記第2バッテリへ双方向に電力伝送が行われることを特徴とする車両充電システム。
【請求項8】
請求項3から7のいずれか1項に記載の車両充電システムであって、
前記車両充電装置は、前記第2バッテリ管理部に接続された、電力を発電する発電装置をさらに備えていることを特徴とする車両充電システム。
【請求項9】
請求項8に記載の車両充電システムであって、
前記車両充電装置は、前記発電装置と前記第2バッテリ管理部との間に接続された、前記発電装置で発電された電力の電圧を変換する電圧変換部をさらに含み、
前記電圧変換部は、前記発電装置で発電された電力により動作することを特徴とする車両充電システム。
【請求項10】
請求項5ないし7のいずれか1項に記載の車両充電システムであって、
前記車両充電装置は、前記第2バッテリ管理部に接続された、電力を発電する発電装置をさらに備え、
前記発電装置で発電された電力は、前記第2バッテリに充電された後、前記第2バッテリから前記第1バッテリに電力伝送されることを特徴とする車両充電システム。
【請求項11】
請求項10に記載の車両充電システムであって、
前記発電装置は太陽光発電装置であることを特徴とする車両充電システム。
【請求項12】
請求項11に記載の車両充電システムであって、
前記太陽光発電装置は複数の太陽光発電素子からなり、
前記複数の太陽光発電素子は直並列接続されていることを特徴とする車両充電システム。
【請求項13】
請求項1または請求項2に記載の車両駆動装置を備えたことを特徴とする自動車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−66365(P2013−66365A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−62566(P2012−62566)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】