説明

車両

【課題】フロントフォークを保持する保持力が偏るのを抑制することが可能な車両を提供する。
【解決手段】この自動二輪車(車両)1は、フロントフォーク5が挿入される開口部4aを含み、フロントフォーク5を保持するアンダーブラケット4を備えている。また、アンダーブラケット4は、一方端部が本体4bに接続されており、フロントフォーク5を保持する帯状保持部4cと、帯状保持部4cの他方端部に開口部4aの内周面4dとアンダーブラケット4の外周面4eとを接続するように設けられたスリット部4fと、スリット部4fの間隔を調整可能に帯状保持部4cのスリット部4fの近傍に設けられた締結部4gとを含み、帯状保持部4cにおける開口部4aの半径方向の厚みは、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hよりも、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iの方が小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に関し、特に、フロントフォークおよびフロントフォークを保持する部材を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設けられるフロントフォークおよびフロントフォークを保持するための保持部材としてアンダーブラケットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、フロントフォークと、フロントフォークが挿入されるガイド孔(開口部)を含むアンダーブラケットとを備えたフロントフォークの支持装置が開示されている。また、上記特許文献1によるフロントフォークの支持装置のアンダーブラケットには、ガイド孔に挿入されたフロントフォークを保持する帯状のボス部(帯状保持部)と、ボス部の内周面とアンダーブラケットの外周面とを接続するように設けられたスリット部と、スリット部の間隔を調整可能にボス部のスリット部近傍に設けられたクランプ部(締結部)とが形成されている。このクランプ部は、ボス部のスリット部側に一体的に形成されている。また、ボス部とクランプ部との境界部分よりもスリット部と反対方向側の部分におけるボス部は、スリット部の反対方向側のボス部とクランプ部との境界部分におけるボス部の半径方向の厚みと同じ厚みおよびそれよりも大きい厚みの部分を有している。
【0003】
【特許文献1】実公平7−22393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたフロントフォークの支持装置では、上記のように、ボス部(帯状保持部)とクランプ部(締結部)との境界部分よりもスリット部と反対方向側の部分におけるボス部は、スリット部と反対方向側のボス部とクランプ部との境界部分におけるボス部の半径方向の厚みと同じ厚みの部分およびそれよりも大きい厚みの部分を有している。このため、ガイド孔(開口部)にフロントフォークを挿入した状態でクランプ部を締結した際に、スリット部と反対方向側のボス部とクランプ部との境界部分が最も変形される。そして、境界部分よりスリット部と反対方向側の部分は、スリット部と反対方向側のボス部とクランプ部との境界部分と比べて変形されにくい。その結果、フロントフォークは、スリット部と反対方向側のボス部とクランプ部との境界部分において強く保持され、境界部分よりスリット部と反対方向側の部分において境界部分よりも強く保持されないという問題点がある。言い換えると、フロントフォークを保持する保持力が偏るという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、フロントフォークを保持する保持力が偏るのを抑制することが可能な車両を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による車両は、車体と、車体を支持するフロントフォークと、本体と、本体の端部に配置されているとともに、フロントフォークが挿入される開口部とを含み、フロントフォークを保持する保持部材とを備え、保持部材は、一方端部が本体に接続されるとともに開口部の内周面の一部に沿って設けられ、フロントフォークの外周部に面接触した状態でフロントフォークを保持する帯状保持部と、帯状保持部の他方端部に開口部の内周面と保持部材の外周面とを接続するように設けられたスリット部と、スリット部の間隔を調整可能に帯状保持部のスリット部の近傍に設けられた締結部とを含み、帯状保持部における開口部の半径方向の厚みは、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分よりも、帯状保持部と本体との第2境界部分の方が小さくなるように構成されている。
【0007】
この第1の局面による車両では、上記のように、帯状保持部における開口部の半径方向の厚みを、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分よりも、帯状保持部と本体との第2境界部分の方が小さくなるように構成する。これにより、開口部にフロントフォークを挿入した状態で締結部を締結した際に、帯状保持部と締結部との第1境界部分よりも帯状保持部と本体との第2境界部分の方を変形させやすくすることができるので、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分が最も変形されるのを抑制することができる。このため、フロントフォークを、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分、および、帯状保持部と本体との第2境界部分の両方において強く保持することができる。その結果、フロントフォークを保持する保持力が偏るのを抑制することができる。
【0008】
また、この発明の第2の局面による車両は、車体と、車体を支持するフロントフォークと、本体と、本体の端部に配置されているとともに、フロントフォークが挿入される開口部とを含み、フロントフォークを保持する保持部材とを備え、保持部材は、一方端部が本体に接続されるとともに開口部の内周面の一部に沿って設けられ、フロントフォークの外周部に面接触した状態でフロントフォークを保持する帯状保持部と、帯状保持部の一方端部に開口部の内周面と保持部材の外周面とを接続するように設けられたスリット部と、スリット部の間隔を調整可能に帯状保持部のスリット部の近傍に設けられた締結部とを含み、帯状保持部における開口部の半径方向に沿った断面の断面積は、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分よりも、帯状保持部と本体との第2境界部分の方が小さくなるように構成されている。
【0009】
この第2の局面による車両では、上記のように、帯状保持部における開口部の半径方向に沿った断面の断面積を、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分よりも、帯状保持部と本体との第2境界部分の方が小さくなるように構成する。これにより、開口部にフロントフォークを挿入した状態で締結部を締結した際に、帯状保持部と締結部との第1境界部分よりも帯状保持部と本体との第2境界部分の方を変形させやすくすることができるので、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分が最も変形されるのを抑制することができる。このため、フロントフォークを、スリット部と反対方向側の帯状保持部と締結部との第1境界部分、および、帯状保持部と本体との第2境界部分の両方において強く保持することができる。その結果、フロントフォークを保持する保持力が偏るのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による自動二輪車を示した正面図である。図2は、本発明の一実施形態による自動二輪車を示した側面図である。図3〜図13は、図1に示した一実施形態による自動二輪車の構造を説明するための図である。なお、本実施形態では、本発明の車両の一例として、自動二輪車について説明する。図中、矢印FWD方向は、自動二輪車の走行方向の前方を示している。以下、図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態による自動二輪車1の構造について説明する。
【0012】
本発明の一実施形態による自動二輪車1の構造としては、図1および図2に示すように、ヘッドパイプ2の後部に、メインフレーム3(図2参照)が接続されている。これらヘッドパイプ2およびメインフレーム3によって、車体が構成されている。
【0013】
また、ヘッドパイプ2の下方には、ヘッドパイプ2(車体)を上方に支持するアンダーブラケット4が配置されている。なお、アンダーブラケット4は、本発明の「保持部材」の一例である。このアンダーブラケット4には、一対のフロントフォーク5が保持されている。
【0014】
アンダーブラケット4は、図3および図4に示すように、一対のフロントフォーク5が挿入される一対の開口部4aと、一方端部が本体4bに接続されており、フロントフォーク5の外周部に面接触した状態でフロントフォーク5を保持する帯状保持部4cとを含んでいる。また、アンダーブラケット4は、帯状保持部4cの他方端部に開口部4aの内周面4dとアンダーブラケット4の外周面4eとを接続するように形成されたスリット部4fと、スリット部4fの間隔を調整可能に帯状保持部4cのスリット部4f近傍に設けられた締結部4gとをさらに含んでいる。
【0015】
ここで、本実施形態では、一対の開口部4aは、それぞれ、フロントフォーク5のインナーチューブ5aが挿入可能に形成されており、アンダーブラケット4の車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の両端部近傍に設けられている。また、矢印X1方向側の開口部4aと、矢印X2方向側の開口部4aとのそれぞれの車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)側の部分は、帯状保持部4cにより構成されている。この帯状保持部4cは、開口部4aの内周面4dの一部に沿って設けられており、スリット部4f(図4参照)の間隔が狭くなるように調整された際に、開口部4aに挿入されたフロントフォーク5を保持可能に構成されている。
【0016】
また、本実施形態では、図4に示すように、帯状保持部4cにおける開口部4aの半径方向の厚みは、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hにおける最大厚みt1a(図5参照)(約5mm)よりも、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iにおける最大厚みt2a(図6参照)(約4mm)の方が小さくなるように構成されている。なお、境界部分4hは、本発明の「第1境界部分」の一例であり、境界部分4iは、本発明の「第2境界部分」の一例である。また、帯状保持部4cは、外周面が上下方向に傾斜するように形成されており、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hにおける最小厚みt1b(図5参照)よりも、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iにおける最小厚みt2b(図6参照)の方が小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部4cは、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iにおける最大厚みt2aおよび最小厚みt2bの両方が、それぞれ、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hにおける最大厚みt1aおよび最小厚みt1bよりも小さくなるように構成されている。
【0017】
具体的には、本実施形態では、帯状保持部4cは、上下方向に略一定の高さを有した状態、かつ、スリット部4f側の他方端部から180度以上の範囲で設けられている。また、帯状保持部4cの開口部4aの半径方向の厚みは、スリット部4f側の他方端部から180度以上の範囲で、スリット部4fと反対方向側(境界部分4i側)に向かうに従って徐々に小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部4cは、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hに加わる開口部4aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iに加わる開口部4aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成されている。そして、スリット部4fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整された場合に、帯状保持部4cは、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4i近傍から帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hに向かって略均一に撓むように構成されている。
【0018】
また、本実施形態では、図5および図6に示すように、帯状保持部4cにおける開口部4aの半径方向に沿った断面の断面積は、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hにおける断面積A1(図5の参照)よりも、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iにおける断面積A2(図6参照)の方が小さくなるように構成されている。
【0019】
また、スリット部4fは、図4に示すように、それぞれ、スリット部4fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が所定の間隔を有した状態で形成されている。また、スリット部4fは、それぞれ、締結部4gがねじ部材80により締結されることにより、スリット部4fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能なように構成されている。
【0020】
具体的には、締結部4gは、スリット部4fの一方側の面側に設けられたねじ挿入部4jと、スリット部4fの他方側の面側のねじ挿入部4jに対応する位置に設けられたねじ穴部4kとを含んでいる。そして、ねじ部材80がねじ挿入部4jに挿入されるとともに、ねじ穴部4kに螺合されることにより、締結部4gは、スリット部4fの一方側の面と他方側の面とを締結するように構成されている。これにより、スリット部4fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能となる。
【0021】
また、本実施形態では、ねじ挿入部4jが形成されている側の締結部4gは、それぞれ、帯状保持部4cの他方端部に一体的に形成されている。また、ねじ挿入部4jが形成されている側の締結部4gにおけるスリット部4fが設けられている部分とは反対側の外面4lは、それぞれ、帯状保持部4cの外周面4eとの間に実質的に段差がないように帯状保持部4cと接続されている。
【0022】
また、アンダーブラケット4は、平面的に視て、車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の中心部分にシャフト挿入穴4mが設けられている。このシャフト挿入穴4mには、図3に示すように、ステアリングシャフト6の下部が嵌め込まれており、ステアリングシャフト6は、図1に示すように、ヘッドパイプ2の内部に挿入されている。
【0023】
また、ヘッドパイプ2の上方には、一対のフロントフォーク5の上部を保持するアッパーブラケット7が配置されている。なお、アッパーブラケット7は、本発明の「保持部材」の一例である。
【0024】
アッパーブラケット7は、図7に示すように、一対のフロントフォーク5(図1参照)が挿入される一対の開口部7aと、一方端部が本体7bに接続されており、フロントフォーク5の外周部に面接触した状態でフロントフォーク5を保持する帯状保持部7cとを含んでいる。また、アッパーブラケット7は、帯状保持部7cの他方端部に開口部7aの内周面7dとアッパーブラケット7の外周面7eとを接続するように形成されたスリット部7fと、スリット部7fの間隔を調整可能に帯状保持部7cのスリット部7f近傍に設けられた締結部7gとをさらに含んでいる。
【0025】
また、本実施形態では、一対の開口部7aは、それぞれ、フロントフォーク5のインナーチューブ5aが挿入可能に形成されており、アッパーブラケット7の車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の両端部近傍に設けられている。また、矢印X1方向側の開口部7aと、矢印X2方向側の開口部7aとのそれぞれの車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)側の部分は、帯状保持部7cにより構成されている。この帯状保持部7cは、開口部7aの内周面7dの一部に沿って設けられており、スリット部7fの間隔が狭くなるように調整された際に、開口部7aに挿入されたフロントフォーク5を保持可能に構成されている。
【0026】
また、本実施形態では、帯状保持部7cにおける開口部7aの半径方向の厚みは、スリット部7fと反対方向側の帯状保持部7cと締結部7gとの境界部分7hにおける最大厚みt3a(図8参照)(約5mm)よりも、帯状保持部7cと本体7bとの境界部分7iにおける最大厚みt4a(図9参照)(約4mm)の方が小さくなるように構成されている。なお、境界部分7hは、本発明の「第1境界部分」の一例であり、境界部分7iは、本発明の「第2境界部分」の一例である。また、帯状保持部7cは、外周面が上下方向に傾斜するように形成されており、帯状保持部7cと締結部7gとの境界部分7hにおける最小厚みt3b(図8参照)よりも、帯状保持部7cと本体7bとの境界部分7iにおける最小厚みt4b(図9参照)の方が小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部7cは、帯状保持部7cと本体7bとの境界部分7iにおける最大厚みt4aおよび最小厚みt4bの両方が、それぞれ、帯状保持部7cと締結部7gとの境界部分7hにおける最大厚みt3aおよび最小厚みt3bよりも小さくなるように構成されている。
【0027】
具体的には、本実施形態では、帯状保持部7cは、上下方向に略一定の高さを有した状態、かつ、スリット部7f側の他方端部から180度以上の範囲で設けられている。また、帯状保持部7cの開口部7aの半径方向の厚みは、スリット部7f側の他方端部から180度以上の範囲で、スリット部7fと反対方向側(境界部分7i側)に向かうに従って徐々に小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部7cは、帯状保持部7cと締結部7gとの境界部分7hに加わる開口部7aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部7cと本体7bとの境界部分7iに加わる開口部7aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成されている。そして、スリット部7fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整された場合に、帯状保持部7cは、帯状保持部7cと本体7bとの境界部分7i近傍から帯状保持部7cと締結部7gとの境界部分7hに向かって略均一に撓むように構成されている。
【0028】
また、本実施形態では、図8および図9に示すように、帯状保持部7cにおける開口部7aの半径方向に沿った断面の断面積は、スリット部7fと反対方向側の帯状保持部7cと締結部7gとの境界部分7hにおける断面積A3(図8の参照)よりも、帯状保持部7cと本体7bとの境界部分7iにおける断面積A4(図9参照)の方が小さくなるように構成されている。
【0029】
また、スリット部7fは、それぞれ、スリット部7fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が所定の間隔を有した状態で形成されている。また、スリット部7fは、それぞれ、締結部7gが図示しないねじ部材により締結されることにより、スリット部7fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能なように構成されている。
【0030】
具体的には、締結部7gは、スリット部7fの一方側の面側に設けられたねじ挿入部7jと、スリット部7fの他方側の面側のねじ挿入部7jに対応する位置に設けられたねじ穴部7kとを含んでいる。そして、図示しないねじ部材がねじ挿入部7jに挿入されるとともに、ねじ穴部7kに螺合されることにより、締結部7gは、スリット部7fの一方側の面と他方側の面とを締結するように構成されている。これにより、スリット部7fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態では、ねじ挿入部7jが形成されている側の締結部7gは、それぞれ、帯状保持部7cの他方端部に一体的に形成されている。また、ねじ挿入部7jが形成されている側の締結部7gにおけるスリット部7fが設けられている部分とは反対側の外面7lは、それぞれ、帯状保持部7cの外周面7eとの間に実質的に段差がないように帯状保持部7cと接続されている。
【0032】
また、アッパーブラケット7は、平面的に視て、車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の中心部分にシャフト挿入穴7mが設けられている。このシャフト挿入穴7mには、図1に示すように、ステアリングシャフト6の上部が嵌め込まれている。すなわち、ステアリングシャフト6は、上部がアッパーブラケット7に固定されているとともに、下部がアンダーブラケット4に固定されている。
【0033】
また、アッパーブラケット7の前部(矢印FWD方向側部分)には、図7に示すように、自動二輪車1の主電源部取付穴7nが設けられている。この主電源部取付穴7nは、前方(矢印FWD方向)に突出するように構成されている。また、主電源部取付穴7nには、図示しない主電源部が設けられている。
【0034】
また、アッパーブラケット7の上方には、図1に示すように、一対のフロントフォーク5に支持されている前輪8を操舵するための一対のハンドル9aおよび9bが配置されている。これら一対のハンドル9aおよび9bは、それぞれ、矢印X1方向側および矢印X2方向側に別々で設けられており、矢印X1方向側および矢印X2方向側の各ハンドル9aおよび9bには、それぞれ、ハンドル取付用保持部材10および11が取り付けられている。そして、矢印X1方向側および矢印X2方向側の各ハンドル取付用保持部材10および11は、それぞれ、矢印X1方向側および矢印X2方向側のフロントフォーク5に保持されている。つまり、ハンドル取付用保持部材10および11は、それぞれ、ハンドル9aおよび9bに付与された操舵力をフロントフォーク5に伝達する機能を有する。
【0035】
矢印X1方向側のハンドル取付用保持部材10は、図10に示すように、矢印X1方向側のフロントフォーク5が挿入される開口部10aと、一方端部が本体10bに接続されており、フロントフォーク5の外周部に面接触した状態でフロントフォーク5に保持される帯状保持部10cとを含んでいる。また、ハンドル取付用保持部材10は、帯状保持部10cの他方端部に開口部10aの内周面10dとハンドル取付用保持部材10の外周面10eとを接続するように形成されたスリット部10fと、スリット部10fの間隔を調整可能に帯状保持部10cのスリット部10f近傍に設けられた締結部10gとをさらに含んでいる。
【0036】
また、本実施形態では、開口部10aは、フロントフォーク5のインナーチューブ5aが挿入可能に形成されている。また、開口部10aの後側の部分は、帯状保持部10cにより構成されている。この帯状保持部10cは、開口部10aの内周面10dの一部に沿って設けられており、スリット部10fの間隔が狭くなるように調整された際に、開口部10aに挿入されたフロントフォーク5を保持可能に構成されている。
【0037】
また、本実施形態では、帯状保持部10cにおける開口部10aの半径方向の厚みは、スリット部10fと反対方向側の帯状保持部10cと締結部10gとの境界部分10hの最大厚みt5a(図11参照)よりも、帯状保持部10cと本体10bとの境界部分10iの最大厚みt6a(図12参照)の方が小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部10cは、帯状保持部10cと締結部10gとの境界部分10hに加わる開口部10aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部10cと本体10bとの境界部分10iに加わる開口部10aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成されている。なお、境界部分10hは、本発明の「第1境界部分」の一例であり、境界部分10iは、本発明の「第2境界部分」の一例である。
【0038】
また、帯状保持部10cは、外周面が上下方向に傾斜するように形成されており、帯状保持部10cと締結部10gとの境界部分10hにおける最小厚みt5b(図11参照)よりも、帯状保持部10cと本体10bとの境界部分10iにおける最小厚みt6b(図12参照)の方が小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部10cは、帯状保持部10cと本体10bとの境界部分10iにおける最大厚みt6aおよび最小厚みt6bの両方が、それぞれ、帯状保持部10cと締結部10gとの境界部分10hにおける最大厚みt5aおよび最小厚みt5bよりも小さくなるように構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、図11および図12に示すように、帯状保持部10cにおける開口部10aの半径方向に沿った断面の断面積は、スリット部10fと反対方向側の帯状保持部10cと締結部10gとの境界部分10hにおける断面積A5(図11の参照)よりも、帯状保持部10cと本体10bとの境界部分10iにおける断面積A6(図12参照)の方が小さくなるように構成されている。
【0040】
また、スリット部10fは、それぞれ、スリット部10fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が所定の間隔を有した状態で形成されている。また、スリット部10fは、それぞれ、締結部10gが図示しないねじ部材により締結されることにより、スリット部10fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能なように構成されている。
【0041】
具体的には、締結部10gは、スリット部10fの一方側の面側に設けられたねじ挿入部10jと、スリット部10fの他方側の面側のねじ挿入部10jに対応する位置に設けられたねじ穴部10kとを含んでいる。そして、図示しないねじ部材がねじ挿入部10jに挿入されるとともに、ねじ穴部10kに螺合されることにより、締結部10gは、スリット部10fの一方側の面と他方側の面とを締結するように構成されている。これにより、スリット部10fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能となる。
【0042】
また、ハンドル取付用保持部材10に取り付けられているハンドル9aには、運転者の手が配置されるグリップ12aが設けられている。また、グリップ12aの近傍には、ブレーキレバー13が設けられており、ブレーキレバー13の根元部分には、マスタシリンダ14が設けられている。そして、マスタシリンダ14には、オイルホース15が接続されており、オイルホース15は、前輪8(図1参照)の近傍に設けられた図示しないブレーキキャリパーに接続されている。
【0043】
矢印X2方向側のハンドル取付用保持部材11は、図13に示すように、矢印X2方向側のフロントフォーク5が挿入される開口部11aと、一方端部が本体11bに接続されており、フロントフォーク5の外周部に面接触した状態でフロントフォーク5に保持される帯状保持部11cとを含んでいる。また、ハンドル取付用保持部材11は、帯状保持部11cの他方端部に開口部11aの内周面11dとハンドル取付用保持部材11の外周面11eとを接続するように形成されたスリット部11fと、スリット部11fの間隔を調整可能に帯状保持部11cのスリット部11f近傍に設けられた締結部11gとをさらに含んでいる。
【0044】
また、本実施形態では、開口部11aは、フロントフォーク5のインナーチューブ5aが挿入可能に形成されている。また、開口部11aの矢印X1方向側の部分は、帯状保持部11cにより構成されている。この帯状保持部11cは、開口部11aの内周面11dの一部に沿って設けられており、スリット部11fの間隔が狭くなるように調整された際に、開口部11aに挿入されたフロントフォーク5を保持可能に構成されている。
【0045】
また、本実施形態では、帯状保持部11cにおける開口部11aの半径方向の厚みは、スリット部11fと反対方向側の帯状保持部11cと締結部11gとの境界部分11hにおける最大厚みt5a(図11参照)よりも、帯状保持部11cと本体11bとの境界部分11iにおける最大厚みt6a(図12参照)の方が小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部11cは、帯状保持部11cと締結部11gとの境界部分11hに加わる開口部11aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部11cと本体11bとの境界部分11iに加わる開口部11aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成されている。なお、境界部分11hは、本発明の「第1境界部分」の一例であり、境界部分11iは、本発明の「第2境界部分」の一例である。
【0046】
また、帯状保持部11cは、外周面が上下方向に傾斜するように形成されており、帯状保持部11cと締結部11gとの境界部分11hにおける最小厚みt5b(図11参照)よりも、帯状保持部11cと本体11bとの境界部分11iにおける最小厚みt6b(図12参照)の方が小さくなるように構成されている。つまり、帯状保持部11cは、帯状保持部11cと本体11bとの境界部分11iにおける最大厚みt6aおよび最小厚みt6bの両方が、それぞれ、帯状保持部10cと締結部10gとの境界部分10hにおける最大厚みt5aおよび最小厚みt5bよりも小さくなるように構成されている。
【0047】
また、本実施形態では、図11および図12に示すように、帯状保持部11cにおける開口部11aの半径方向に沿った断面の断面積は、スリット部11fと反対方向側の帯状保持部11cと締結部11gとの境界部分11hにおける断面積A5(図11の参照)よりも、帯状保持部11cと本体11bとの境界部分11iにおける断面積A6(図12参照)の方が小さくなるように構成されている。
【0048】
また、スリット部11fは、それぞれ、スリット部11fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が所定の間隔を有した状態で形成されている。また、スリット部11fは、それぞれ、締結部11gが図示しないねじ部材により締結されることにより、スリット部11fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能なように構成されている。
【0049】
具体的には、締結部11gは、スリット部11fの一方側の面側に設けられたねじ挿入部11jと、スリット部11fの他方側の面側のねじ挿入部11jに対応する位置に設けられたねじ穴部11kとを含んでいる。そして、図示しないねじ部材がねじ挿入部11jに挿入されるとともに、ねじ穴部11kに螺合されることにより、締結部11gは、スリット部11fの一方側の面と他方側の面とを締結するように構成されている。これにより、スリット部11fの一方側の面と他方側の面との間の間隔が小さくなるように調整することが可能となる。
【0050】
また、ハンドル取付用保持部材11に取り付けられているハンドル9bには、運転者の手が配置されるグリップ12bが設けられている。また、グリップ12bの近傍には、クラッチレバー16が設けられており、クラッチレバー16の根元部分には、マスタシリンダ17が設けられている。そして、マスタシリンダ17には、オイルホース18が接続されており、オイルホース18は、エンジン20(図2参照)の図示しないクラッチ機構部に接続されている。
【0051】
また、メインフレーム3には、エンジン20が配置されている。このエンジン20は、水冷式エンジンであり、エンジン20の前方には、ラジエータ21が配置されている。また、エンジン20の上方には、燃料タンク22が配置されている。また、燃料タンク22の前方には、一対のフロントフォーク5の上部およびアッパーブラケット7の前方を覆うように配置されたフロントカウル23が設けられている。
【0052】
本実施形態では、上記のように、帯状保持部4cにおける開口部4aの半径方向の厚みを、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hにおける厚みt1よりも、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iにおける厚みt2方が小さくなるように構成する。これにより、開口部4aにフロントフォーク5を挿入した状態で締結部4gを締結した際に、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hよりも帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iの方を変形させやすくすることができるので、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hが変形されるのを抑制することができる。このため、フロントフォーク5を、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4h、および、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iの両方において強く保持することができる。その結果、フロントフォーク5を保持する保持力が偏るのを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、帯状保持部4cを、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hに加わる開口部4aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iに加わる開口部4aの中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成している。これにより、スリット部4fの間隔が小さくなるように調整された際に、境界部分4h近傍よりも境界部分4i近傍の方から変形させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、帯状保持部4cの開口部4aの半径方向の厚みを、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hから帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iに向かうに従って徐々に小さくなるように構成している。これにより、スリット部4fの間隔が小さくなるように調整された際に、境界部分4i近傍から境界部分4hに向かって、なめらかに変形させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、帯状保持部4cの開口部4aの半径方向の厚みを、スリット部4f側の他方端部から180度以上の範囲で、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iに向かうに従って徐々に小さくなるように構成している。これにより、スリット部4f側の他方端部から180度以上の範囲で、フロントフォーク5の外周部を保持することができるので、フロントフォーク5を強固に保持することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、締結部4gのスリット部4fが設けられている部分とは反対側の外面4lを、帯状保持部4cの外周面4eとの間に実質的に段差がないように帯状保持部4cと接続している。これにより、スリット部4fの間隔が小さくなるように調整された際に、締結部4gの外面4lと、帯状保持部4cの外周面4eとの間に応力が集中するのを抑制することができるので、締結部4gの外面4lと、帯状保持部4cの外周面4eとの間が大きく変形するのを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、締結部4gに配置され、スリット部4fの間隔を調整するためのねじ部材80を設けることによって、容易に、スリット部4fの間隔を調整することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、帯状保持部4cにおける開口部4aの半径方向に沿った断面の断面積を、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hの断面積A1よりも、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iの断面積A2方が小さくなるように構成する。これにより、開口部4aにフロントフォーク5を挿入した状態で締結部4gを締結した際に、帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hよりも帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iの方を変形させやすくすることができるので、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4hが変形されるのを抑制することができる。このため、フロントフォーク5を、スリット部4fと反対方向側の帯状保持部4cと締結部4gとの境界部分4h、および、帯状保持部4cと本体4bとの境界部分4iの両方において強く保持することができる。その結果、フロントフォーク5を保持する保持力が偏るのを抑制することができる。
【0059】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
たとえば、上記実施形態では、本発明を自動二輪車に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、フロントフォークおよびフロントフォークを固定するブラケットを備えた車両であれば、自転車、三輪車、ATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)などの他の車両にも適用可能である。
【0061】
また、上記実施形態では、帯状保持部における開口部の半径方向の厚み、および、帯状保持部の開口部の半径方向に沿った断面の断面積の両方を、帯状保持部と締結部との境界部分から帯状保持部と本体との境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、帯状保持部と締結部との境界部分に加わる開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部と本体との境界部分に加わる開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きければ、帯状保持部における開口部の半径方向の厚みまたは断面積のいずれか一方のみが帯状保持部と締結部との境界部分から帯状保持部と本体との境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、帯状保持部の開口部の半径方向の厚みを、スリット部側の他方端部から180度以上の範囲で、帯状保持部と本体との境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、スリット部側の他方端部から180度未満の範囲で、帯状保持部と本体との境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、本発明を自動二輪車のアンダーブラケット、アッパーブラケットおよびハンドル取付用保持部材に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、フロントフォークに保持する部材であれば、たとえば、フラッシャー(方向指示器)取付用の保持部材(ブラケット)などの他の保持部材にも適用可能である。
【0064】
また、上記実施形態では、帯状保持部の開口部の半径方向の厚みを、帯状保持部と締結部との境界部分から帯状保持部と本体との境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、帯状保持部と締結部との境界部分に加わる開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が帯状保持部と本体との境界部分に加わる開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きければ、帯状保持部と本体との境界部分における開口部の半径方向の厚みが帯状保持部と締結部との境界部分における開口部の半径方向の厚みよりも小さくなるように構成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態による自動二輪車を示した正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による自動二輪車を示した側面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による自動二輪車のアンダーブラケット周辺の構造を示した正面図である。
【図4】図1に示した一実施形態による自動二輪車のアンダーブラケットを示した平面図である。
【図5】図4の100−100線に沿った断面図である。
【図6】図4の200−200線に沿った断面図である。
【図7】図1に示した一実施形態による自動二輪車のアッパーブラケットを示した平面図である。
【図8】図7の300−300線に沿った断面図である。
【図9】図7の400−400線に沿った断面図である。
【図10】図1に示した一実施形態による自動二輪車のハンドル取付用保持部材の構造を示した平面図である。
【図11】図10の500−500線に沿った断面図である。
【図12】図10の600−600線に沿った断面図である。
【図13】図1に示した一実施形態による自動二輪車のハンドル取付用保持部材の構造を示した平面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 自動二輪車(車両)
2 ヘッドパイプ(車体)
3 メインフレーム(車体)
4 アンダーブラケット(保持部材)
4a、7a、10a、11a 開口部
4b、7b、10b、11b 本体
4c、7c、10c、11c 帯状保持部
4d、7d、10d、11d 内周面
4e、7e、10e、11e 外周面
4f、7f、10f、11f スリット部
4g、7g、10g、11g 締結部
4h、7h、10h、11h 境界部分(第1境界部分)
4i、7i、10i、11i 境界部分(第2境界部分)
4l、7l 外面
5 フロントフォーク
7 アッパーブラケット(保持部材)
8 前輪
9a、9b ハンドル
10、11 ハンドル取付用保持部材(保持部材)
80 ねじ部材
t1a〜t6a 最大厚み
t1b〜t6b 最小厚み
A1〜A6 断面積

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体を支持するフロントフォークと、
本体と、前記本体の端部に配置されているとともに、前記フロントフォークが挿入される開口部とを含み、前記フロントフォークを保持する保持部材とを備え、
前記保持部材は、一方端部が前記本体に接続されるとともに前記開口部の内周面の一部に沿って設けられ、前記フロントフォークの外周部に面接触した状態で前記フロントフォークを保持する帯状保持部と、前記帯状保持部の他方端部に前記開口部の内周面と前記保持部材の外周面とを接続するように設けられたスリット部と、前記スリット部の間隔を調整可能に前記帯状保持部の前記スリット部の近傍に設けられた締結部とを含み、
前記帯状保持部における前記開口部の半径方向の厚みは、前記スリット部と反対方向側の前記帯状保持部と前記締結部との第1境界部分よりも、前記帯状保持部と前記本体との第2境界部分の方が小さくなるように構成されている、車両。
【請求項2】
前記帯状保持部は、前記帯状保持部と前記締結部との前記第1境界部分に加わる前記開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が前記帯状保持部と前記本体との前記第2境界部分に加わる前記開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記帯状保持部における前記開口部の半径方向の厚みは、前記帯状保持部と前記締結部との前記第1境界部分から前記帯状保持部と前記本体との前記第2境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記帯状保持部における前記開口部の半径方向の厚みは、前記スリット部側の他方端部から180度以上の範囲で、前記帯状保持部と前記本体との前記第2境界部分に向かうに従って徐々に小さくなるように構成されている、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記締結部の前記スリット部が設けられている部分とは反対側の外面は、前記帯状保持部の外周面との間に実質的に段差がないように前記帯状保持部と接続されている、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記車体は、ヘッドパイプを含み、
前記保持部材は、前記ヘッドパイプの下方に配置され、前記フロントフォークを保持するアンダーブラケットである、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記車体は、ヘッドパイプを含み、
前記保持部材は、前記ヘッドパイプの上方に配置され、前記フロントフォークの上部を保持するアッパーブラケットである、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前輪と、
前記前輪を操舵するハンドルとをさらに備え、
前記保持部材は、前記フロントフォークを保持するとともに、前記ハンドルが取り付けられ、前記フロントフォークに前記ハンドルに付与された操舵力を伝達するハンドル取付用保持部材である、請求項1に記載の車両。
【請求項9】
前記締結部に配置され、前記スリット部の間隔を調整するためのねじ部材をさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
車体と、
前記車体を支持するフロントフォークと、
本体と、前記本体の端部に配置されているとともに、前記フロントフォークが挿入される開口部とを含み、前記フロントフォークを保持する保持部材とを備え、
前記保持部材は、一方端部が前記本体に接続されるとともに前記開口部の内周面の一部に沿って設けられ、前記フロントフォークの外周部に面接触した状態で前記フロントフォークを保持する帯状保持部と、前記帯状保持部の一方端部に前記開口部の内周面と前記保持部材の外周面とを接続するように設けられたスリット部と、前記スリット部の間隔を調整可能に前記帯状保持部の前記スリット部の近傍に設けられた締結部とを含み、
前記帯状保持部における前記開口部の半径方向に沿った断面の断面積は、前記スリット部と反対方向側の前記帯状保持部と前記締結部との第1境界部分よりも、前記帯状保持部と前記本体との第2境界部分の方が小さくなるように構成されている、車両。
【請求項11】
前記帯状保持部は、前記帯状保持部と前記締結部との前記第1境界部分に加わる前記開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力が前記帯状保持部と前記本体との前記第2境界部分に加わる前記開口部の中心方向に向かう荷重に抗する抵抗力よりも大きくなるように構成されている、請求項10に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−101963(P2009−101963A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277824(P2007−277824)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】