説明

車体前部構造

【課題】コストダウンしつつ、フロントクロスメンバと連結部材との結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性を確保する。
【解決手段】フロントサイドメンバ12の前部12Aとフロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aとを連結する連結部材18は、車両上下方向且つ車両前後方向に延在する車両内側壁部42、及び、車両上下方向且つ車両幅方向に延在する車両前側壁部44が形成されたL字板部材36と、車両上下方向且つ車両前後方向に延在し車両内側壁部42と対向する車両外側壁部54が形成され、L字状部材36とで車両後側に開口するコ字状断面部40を形成する平板部材38とを有している。車両内側壁部42及び車両外側壁部54の下端には、コ字状断面部40の内側に折り曲げられると共に車両上下方向に重ね合わされた状態でフロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aに結合された折り曲げ部46,56がそれぞれ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フロントサイドメンバの前部とフロントクロスメンバの車両幅方向外側部との連結に、車両上下方向に延びる連結ブラケットを用いた車体前部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−182154号公報
【特許文献2】特開2004−359164号公報
【特許文献3】特開2010−149601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記車体前部構造において、フロントクロスメンバと連結ブラケットとの結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性を確保するために、連結ブラケットの下部の断面を絞り加工等によって拡大させたり、フロントクロスメンバと連結ブラケットとの結合部にこれらとは別体の底蓋等を設けたりした場合には、コストアップとなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、コストダウンしつつ、フロントクロスメンバと連結部材との結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性を確保することができる車体前部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車体前部構造は、車両前後方向に延在するフロントサイドメンバと、車両幅方向に延在し、車両幅方向外側部が前記フロントサイドメンバの前部の下方に位置するフロントクロスメンバと、車両上下方向且つ車両前後方向に延在する車両内側壁部、及び、車両上下方向且つ車両幅方向に延在する車両前側壁部が形成されたL字板部材と、車両上下方向且つ車両前後方向に延在し前記車両内側壁部と対向する車両外側壁部が形成され、前記L字状部材とで車両後側に開口するコ字状断面部を形成する平板部材とを有し、且つ、前記L字板部材及び前記平板部材の上部が前記フロントサイドメンバの前部に結合され、前記車両内側壁部及び前記車両外側壁部の下端に、前記コ字状断面部の内側に折り曲げられると共に車両上下方向に重ね合わされた状態で前記フロントクロスメンバの車両幅方向外側部に結合された折り曲げ部がそれぞれ形成された連結部材と、を備えている。
【0007】
この車体前部構造によれば、車両内側壁部及び車両外側壁部の下端には、連結部材のコ字状断面部の内側に折り曲げられた折り曲げ部がそれぞれ形成されており、この折り曲げ部は、車両上下方向に重ね合わされた状態でフロントクロスメンバの車両幅方向外側部に結合されている。従って、連結部材のフロントクロスメンバへの結合部の板厚を確保することができるので、フロントクロスメンバと連結部材との結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性を確保することができる。
【0008】
しかも、この折り曲げ部は、車両内側壁部及び車両外側壁部の下端に折り曲げ加工により形成することができる。従って、例えば、連結部材の下部の断面を絞り加工等によって拡大させたり、フロントクロスメンバと連結部材との結合部にこれらとは別体の底蓋等を設けたりした場合に比して、製造が容易であり、また、部品点数を削減できるので、コストダウンすることができる。
【0009】
請求項2に記載の車体前部構造は、請求項1に記載の車体前部構造において、前記車両外側壁部の下端に形成された折り曲げ部の前部に、前記コ字状断面部よりも車両前側に突出する突出部が形成され、前記車両前側壁部の下端に、車両前側に折り曲げられると共に、前記突出部と車両上下方向に重ね合わされた状態で前記フロントクロスメンバの車両幅方向外側部に結合された前側フランジ部が形成されたものである。
【0010】
この車体前部構造によれば、上述の折り曲げ部とフロントクロスメンバの車両幅方向外側部との結合部は、連結部材のコ字状断面部の内側に設定されているが、突出部及び前側フランジ部とフロントクロスメンバの車両幅方向外側部との結合部は、連結部材のコ字状断面部の外側(車両前側)に設定されている。従って、これら両結合部がコ字状断面部の内側に設定された場合に比して、両結合部間のピッチを広くすることができるので、フロントクロスメンバと連結部材との結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性をより一層確保することができる。
【0011】
請求項3に記載の車体前部構造は、請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造において、車両幅方向に延在し、車両幅方向外側部が前記連結部材の前方に位置する第二のフロントクロスメンバをさらに備え、前記車両前側壁部に、前記コ字状断面部を形成し前記第二のフロントクロスメンバの取付部と結合された本体部と、前記本体部から車両幅方向外側に延長され前記コ字状断面部よりも車両幅方向外側に突出する延長部とが形成され、前記車両外側壁部の前端に、車両幅方向外側に折り曲げられると共に、前記延長部と車両前後方向に重ね合わされた状態で前記取付部に結合された外側フランジ部が形成されたものである。
【0012】
この車体前部構造によれば、車両前側壁部の本体部と第二のフロントクロスメンバの取付部との結合部は、連結部材のコ字状断面部の内側に設定されているが、延長部及び外側フランジ部と第二のフロントクロスメンバの取付部との結合部は、連結部材のコ字状断面部の外側(車両幅方向外側)に設定されている。従って、これら両結合部がコ字状断面部の内側に設定された場合に比して、両結合部間のピッチを広くすることができるので、第二のフロントクロスメンバと連結部材との結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性をより一層確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上詳述したように、本発明によれば、コストダウンしつつ、フロントクロスメンバと連結部材との結合部の強度や、フロントクロスメンバの剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る車体前部構造の斜視図である。
【図2】図1に示されるL字板部材、平板部材、及び、アッパリテーナの分解斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0016】
なお、各図において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側(右側)をそれぞれ示している。
【0017】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る車体前部構造10は、フロントサイドメンバ12と、フロントクロスメンバ14と、第二のフロントクロスメンバ16と、連結部材18とを備えて構成されている。
【0018】
フロントサイドメンバ12は、車両前後方向に延在している。このフロントサイドメンバ12は、車両幅方向外側に開口する断面ハット状に形成されたサイドメンバインナ20と、このサイドメンバインナ20とで閉断面を形成する平板状のサイドメンバアウタ22とを有して構成されている。サイドメンバアウタ22の前端には、車両幅方向外側に折り曲げられたフランジ部24が形成されている。
【0019】
フロントクロスメンバ14は、車両下側に開口する断面ハット状に形成されると共に、車両幅方向に延在している。このフロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aは、フロントサイドメンバ12の前部12Aの下方に位置している。
【0020】
第二のフロントクロスメンバ16は、閉断面状に形成されており、車両幅方向に延在している。この第二のフロントクロスメンバ16の車両幅方向外側部16Aは、連結部材18の前方に位置している。
【0021】
また、車両幅方向外側部16Aには、取付部としての取付部材30が設けられている。取付部材30は、車両前後方向に延在する円筒状の本体部32と、この本体部32の後端に形成されたフランジ部34とを有している。なお、車両幅方向外側部16Aには、この取付部材30の代わりに、取付部が一体に形成されていても良い。
【0022】
連結部材18は、平面視にてL字状を成すL字板部材36と、平板状の平板部材38とによって構成されている。このL字板部材36と平板部材38とは、車両後側に開口するコ字状断面部40を形成している。
【0023】
また、L字板部材36には、図2に示されるように、車両上下方向且つ車両前後方向に延在する車両内側壁部42と、車両上下方向且つ車両幅方向に延在する車両前側壁部44とが形成されている。車両内側壁部42の下端には、上述のコ字状断面部40の内側(車両幅方向外側)に折り曲げられた折り曲げ部46が形成されており、車両前側壁部44の下端には、車両前側に折り曲げられた前側フランジ部48が形成されている。
【0024】
また、車両前側壁部44には、コ字状断面部40のうち車両内側壁部42と後述する車両外側壁部54とを連結する連結壁部を形成する本体部50と、この本体部50から車両幅方向外側に延長され、コ字状断面部40(後述する車両外側壁部54)よりも車両幅方向外側に突出する延長部52とが形成されている。延長部52は、本体部50における車両上下方向の略全長に亘って形成されている。
【0025】
一方、平板部材38には、車両上下方向且つ車両前後方向に延在し、車両内側壁部42と対向する車両外側壁部54が形成されている。この車両外側壁部54の下端には、コ字状断面部40の内側(車両幅方向内側)に折り曲げられた折り曲げ部56が形成されており、この折り曲げ部56の前部には、コ字状断面部40(車両前側壁部44)よりも車両前側に突出する突出部58が形成されている。
【0026】
また、車両外側壁部54の前端には、車両幅方向外側に折り曲げられた外側フランジ部60が形成されている。この外側フランジ部60は、車両外側壁部54の前端における車両上下方向の略全長に亘って形成されている。この外側フランジ部60における上部から上下方向中間部までの部分と、延長部52における上部から上下方向中間部までの部分とは、車両前後方向に重ね合わされた状態で結合されている。この外側フランジ部60と延長部52との結合部は、例えば、車両上下方向に並ぶ複数のスポット溶接による溶接部62とされている。
【0027】
また、車両外側壁部54の後端には、車両幅方向外側に折り曲げられたフランジ部64が形成されている。このフランジ部64は、上述のサイドメンバアウタ22に形成されたフランジ部24(図1参照)に対応して、車両外側壁部54の上部に形成されている。
【0028】
また、図1に示されるように、この車体前部構造10は、フロントバンパリインフォースメント66と、アッパリテーナ68と、を備えている。
【0029】
フロントバンパリインフォースメント66は、車両幅方向に延在されており、その車両幅方向外側部66Aは、フロントサイドメンバ12の前部12Aの前方に位置されている。また、車両幅方向外側部66Aには、支持部材70が設けられている。この支持部材70は、車両前後方向に延在する円筒状の本体部72と、この本体部72の後端に形成されたフランジ部74とを有している。
【0030】
アッパリテーナ68は、図2に示されるように、車両幅方向に対向する一対の側壁部76と、この一対の側壁部76の前端を連結する前側壁部78と、この一対の側壁部76の後端を連結する下側壁部80とを有している。
【0031】
そして、この車体前部構造10では、次のようにして、上述の各部材が互いに結合されている。
【0032】
すなわち、図1に示されるように、車両内側壁部42の上部と、サイドメンバインナ20に形成された底壁部82の前部とは、例えば、車両上下方向及び車両前後方向に並ぶ複数のスポット溶接による溶接部84によって結合されている。また、平板部材38の上部に形成されたフランジ部64と、サイドメンバアウタ22の前部に形成されたフランジ部24とは、例えば、車両上下方向に並ぶ複数のスポット溶接による溶接部86(図2参照)によって結合されている。
【0033】
また、図3に示されるように、折り曲げ部46,56の後部には、互いに整合する位置に貫通孔88,90がそれぞれ形成されており、フロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aの後部には、貫通孔88,90と整合する位置に貫通孔92が形成されている。これら貫通孔88,90,92には、車両下側からボルト94が挿通されており、このボルト94の先端部には、ナット96が螺合されている。そして、このボルト94及びナット96により、折り曲げ部46,56の後部及び車両幅方向外側部14Aの後部は、車両上下方向に重ね合わされた状態で結合されている。
【0034】
一方、前側フランジ部48及び突出部58には、互いに整合する位置に貫通孔98,100がそれぞれ形成されており、フロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aの前部には、貫通孔98,100と整合する位置に貫通孔102が形成されている。これら貫通孔98,100,102には、車両下側からボルト104が挿通されており、このボルト104の先端部には、ナット106が螺合されている。そして、このボルト104及びナット106により、前側フランジ部48、突出部58、及び、車両幅方向外側部14Aの前部は、車両上下方向に重ね合わされた状態で結合されている。
【0035】
また、図4に示されるように、車両前側壁部44の本体部50における車両幅方向内側部及び取付部材30に形成されたフランジ部34の車両幅方向内側部には、互いに整合する位置に貫通孔108,110がそれぞれ形成されている。これら貫通孔108,110には、車両前側からボルト112が挿通されており、このボルト112の先端部には、ナット114が螺合されている。そして、このボルト112及びナット114により、本体部50の車両幅方向内側部及びフランジ部34の車両幅方向内側部は、車両前後方向に重ね合わされた状態で結合されている。
【0036】
一方、延長部52及び外側フランジ部60には、互いに整合する位置に貫通孔116,118がそれぞれ形成されており、フランジ部34の車両幅方向外側部には、貫通孔116,118と整合する位置に貫通孔120が形成されている。これら貫通孔116,118,120には、車両前側からボルト122が挿通されており、このボルト122の先端部には、ナット124が螺合されている。そして、このボルト122及びナット124により、延長部52、外側フランジ部60、及び、フランジ部34の車両幅方向外側部は、車両前後方向に重ね合わされた状態で結合されている。
【0037】
なお、図1に示されるように、ボルト112及びナット114による締結部と、ボルト122及びナット124による締結部とは、それぞれ車両上下方向の二箇所に設定されている。また、図2に示されるように、前側フランジ48及び突出部58には、上述の貫通孔98及び100が車両幅方向の二箇所に形成されており、この貫通孔98,100の位置において締結される上述のボルト104及びナット106(図1、図3参照)による締結部は、車両幅方向の二箇所に設定されている。
【0038】
また、アッパリテーナ68に形成された一対の側壁部76は、例えば、スポット溶接による溶接部126により、車両内側壁部42及び車両外側壁部54の上部に結合されている。
【0039】
また、アッパリテーナ68に形成された前側壁部78には、貫通孔128が車両幅方向に並んで形成されており、車両前側壁部44には、貫通孔128と整合する位置に貫通孔130が形成されている。また、車両前側壁部44には、貫通孔130の下方に貫通孔132が車両幅方向に並んで形成されている。さらに、図示しないが、支持部材70のフランジ部74(図1参照)には、貫通孔130,132とそれぞれ整合する位置に貫通孔が形成されている。
【0040】
そして、図1に示される如く、これらの貫通孔に車両前側からボルト134が挿通されると共に、このボルト134の先端部にナット136が螺合されることにより、アッパリテーナ68の前側壁部78、車両前側壁部44の上部、及び、フランジ部74の上部は、フロントサイドメンバ12の車両上側において車両前後方向に重ね合わされた状態で結合されている。また、同様に、車両前側壁部44の上下方向中間部、及び、フランジ部74の下部は、フロントサイドメンバ12の車両下側において図示しないボルト及びナットにより車両前後方向に重ね合わされた状態で結合されている。
【0041】
なお、アッパリテーナ68の下方に、このアッパリテーナ68と同様のロアリテーナが設けられると共に、このロアリテーナがフロントサイドメンバ12の車両下側において車両前側壁部44の上下方向中間部及びフランジ部74の下部と結合されていても良い。この車体前部構造10では、以上のようにして、上述の各部材が互いに結合されている。
【0042】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0043】
図1に示されるように、この車体前部構造10によれば、車両内側壁部42及び車両外側壁部54の下端には、連結部材18のコ字状断面部40の内側に折り曲げられた折り曲げ部46,56がそれぞれ形成されており、この折り曲げ部46,56は、車両上下方向に重ね合わされた状態でフロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aに結合されている。従って、連結部材18のフロントクロスメンバ14への結合部の板厚を確保することができるので、フロントクロスメンバ14と連結部材18との結合部の強度や、フロントクロスメンバ14の剛性を確保することができる。
【0044】
しかも、この折り曲げ部46,56は、車両内側壁部42及び車両外側壁部54の下端に折り曲げ加工により形成することができる。従って、例えば、連結部材18の下部の断面を絞り加工等によって拡大させたり、フロントクロスメンバ14と連結部材18との結合部にこれらとは別体の底蓋等を設けたりした場合に比して、製造が容易であり、また、部品点数を削減できるので、コストダウンすることができる。
【0045】
また、図3に示されるように、上述のボルト94及びナット98による折り曲げ部46,56とフロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aとの結合部は、連結部材18のコ字状断面部40の内側に設定されているが、ボルト104及びナット106による突出部58及び前側フランジ部48とフロントクロスメンバ14の車両幅方向外側部14Aとの結合部は、連結部材18のコ字状断面部40の外側(車両前側)に設定されている。従って、これら両結合部がコ字状断面部40の内側に設定された場合に比して、両結合部間のピッチP1を広くすることができるので、フロントクロスメンバ14と連結部材18との結合部の強度や、フロントクロスメンバ14の剛性をより一層確保することができる。
【0046】
同様に、図4に示されるように、ボルト112及びナット114による本体部50と取付部材30のフランジ部34との結合部は、連結部材18のコ字状断面部40の内側に設定されているが、ボルト122及びナット124による延長部52及び外側フランジ部60とフランジ部34との結合部は、連結部材18のコ字状断面部40の外側(車両幅方向外側)に設定されている。従って、これら両結合部がコ字状断面部40の内側に設定された場合に比して、両結合部間のピッチP2を広くすることができるので、第二のフロントクロスメンバ16と連結部材18との結合部の強度や、フロントクロスメンバ14の剛性をより一層確保することができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
10 車体前部構造
12 フロントサイドメンバ
14 フロントクロスメンバ
16 第二のフロントクロスメンバ
18 連結部材
30 取付部材(取付部)
36 L字板部材
38 平板部材
40 コ字状断面部
42 車両内側壁部
44 車両前側壁部
46,56 折り曲げ部
48 前側フランジ部
50 本体部
52 延長部
54 車両外側壁部
58 突出部
60 外側フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延在するフロントサイドメンバと、
車両幅方向に延在し、車両幅方向外側部が前記フロントサイドメンバの前部の下方に位置するフロントクロスメンバと、
車両上下方向且つ車両前後方向に延在する車両内側壁部、及び、車両上下方向且つ車両幅方向に延在する車両前側壁部が形成されたL字板部材と、車両上下方向且つ車両前後方向に延在し前記車両内側壁部と対向する車両外側壁部が形成され、前記L字状部材とで車両後側に開口するコ字状断面部を形成する平板部材とを有し、且つ、前記L字板部材及び前記平板部材の上部が前記フロントサイドメンバの前部に結合され、前記車両内側壁部及び前記車両外側壁部の下端に、前記コ字状断面部の内側に折り曲げられると共に車両上下方向に重ね合わされた状態で前記フロントクロスメンバの車両幅方向外側部に結合された折り曲げ部がそれぞれ形成された連結部材と、
を備えた車体前部構造。
【請求項2】
前記車両外側壁部の下端に形成された折り曲げ部の前部には、前記コ字状断面部よりも車両前側に突出する突出部が形成され、
前記車両前側壁部の下端には、車両前側に折り曲げられると共に、前記突出部と車両上下方向に重ね合わされた状態で前記フロントクロスメンバの車両幅方向外側部に結合された前側フランジ部が形成されている、
請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
車両幅方向に延在し、車両幅方向外側部が前記連結部材の前方に位置する第二のフロントクロスメンバを備え、
前記車両前側壁部には、前記コ字状断面部を形成し前記第二のフロントクロスメンバの取付部と結合された本体部と、前記本体部から車両幅方向外側に延長され前記コ字状断面部よりも車両幅方向外側に突出する延長部とが形成され、
前記車両外側壁部の前端には、車両幅方向外側に折り曲げられると共に、前記延長部と車両前後方向に重ね合わされた状態で前記取付部に結合された外側フランジ部が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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