説明

車体構造材及び車体構造材の製造方法

【課題】安価なコストで長手方向の寸法精度が高い車体構造材及び車体構造材の製造方法を得る。
【解決手段】車体構造材10では、第1の芯材本体14の長手方向一端側で第1の芯材本体14に並べられた第2の芯材本体24と、第1の芯材本体14とが接着剤40により接着されることで一体的に接合されて芯材12を構成している。第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の各々の長手方向の寸法誤差は接着剤40の厚さで吸収されるので、芯材12の長手寸法の寸法精度を高くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の骨格部材や補強部材等を構成する車体構造材及びこのような車体構造材の製造方法に係り、特に、繊維強化樹脂材によって形成される車体構造材及びこのような車体構造材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両の骨格部材の一態様であるリアフロアメンバを、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等のFRP(繊維強化プラスチック)によって形成した構成が開示されている。このリアフロアメンバは中子や内部骨格部材を備えている。中子と内部骨格部材とはリアフロアメンバの長手方向に並んで配置されている。これらの中子と内部骨格部材の外周部はFRPによって形成された壁部によって覆われており、これにより、矩形の閉じ断面構造をFRPによって形成したリアフロアメンバが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−126835の公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、車両の前後方向や左右(幅)方向に沿って長尺で閉じ断面構造の車体構造材を上記のようなFRPによって形成する場合、芯材(特許文献1では中子や内部骨格部材が相当する)を長尺状に形成し、この芯材の周囲にFRPを成形することで車体構造材が形成される。
【0005】
このような芯材には、特許文献1において中子に用いられた硬質の発泡ウレタン等の発泡材が用いられる。この種の発泡材を金型で成形して芯材を形成すると、金型から取り外された芯材が自然冷却及び養生されている際に、芯材を形成する発泡材が収縮又は膨張する。特に、上記のように、このような成形後の発泡材の収縮又は膨張による寸法の変化は、寸法が長いほど大きくなるので、長尺状の芯材を形成すると、芯材の長手方向に発泡材の収縮又は膨張による寸法の変化が顕著に現れる。
【0006】
このような芯材の寸法のばらつきは、車体構造材そのものの寸法のばらつきの一因になる。このため、例えば、基準寸法(必要な寸法)よりも大きく成形された芯材を、切削等の機械加工を施すことで基準寸法の芯材を得ており、このような加工にコストがかかっていた。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、安価なコストで長手方向の寸法精度が高い車体構造材及び車体構造材の製造方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明に係る車体構造材は、合成樹脂材によって形成された第1の芯材本体と、合成樹脂材によって形成され、長手方向が前記第1の芯材本体の長手方向に沿うように前記第1の芯材本体の長手方向一端側に設けられる第2の芯材本体と、前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体との間に介在して前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とを一体的に接合する接合手段と、を含めて構成された芯材を有し、繊維強化樹脂材によって構成された構造材本体を、前記芯材の外周部に成形することで形成されている。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る車体構造材では、合成樹脂材によって形成された第1の芯材本体と合成樹脂材によって形成された第2の芯材本体とを含めて芯材が構成される。この芯材を構成する第2の芯材本体は、その長手方向が第1の芯材本体の長手方向に沿うように第1の芯材本体の長手方向一端側に設けられる。このように配置された第1の芯材本体と第2の芯材本体との間には接合手段が介在しており、この接合手段によって第1の芯材本体と第2の芯材本体とが一体的に接合されて芯材となる。このようにして形成された芯材の外周部に、繊維強化樹脂により構成された構造材本体が成形される。
【0010】
ここで、本発明に係る車体構造材では、芯材を構成する第1の芯材本体及び第2の芯材本体の各々の長手方向に沿った寸法精度が悪くても、芯材の全長(芯材の長手方向両端間の長さ)に合わせて第1の芯材本体の長手方向一端側に第2の芯材本体を配置し、この状態で上記のように接合手段で第1の芯材本体と第2の芯材本体とを一体的に接合すれば、第1の芯材本体の長手寸法と第2の芯材本体の長手寸法との和と、芯材そのものの長手寸法との差は接合手段で調整(吸収)できるので、最終的に形成される芯材そのものの長手寸法の寸法精度を高くできる。
【0011】
このように高い寸法精度で形成された芯材の外周部に上記の構造材本体を成形することで、長手寸法の寸法精度が高い車体構造材を得ることができる。しかも、全長(長手寸法)を必要な長さよりも大きく設定した芯材本体を切削して必要な長手寸法(全長)を有する芯材を形成する構成に比べて、比較的コスト高な切削工程を有しない分だけコストを安価にできる。
【0012】
請求項2に記載の本発明に係る車体構造材は、請求項1に記載の本発明において、前記第1の芯材本体の外周面のうち前記第1の芯材本体の長手方向に対して直交した方向を向く面にて開口した第1の位置決め孔を前記第1の芯材本体に形成し、前記第2の芯材本体の外周面のうち第1の位置決め孔の開口方向と同じ方向を向く面にて開口した第2の位置決め孔を前記第2の芯材本体に形成している。
【0013】
請求項2に記載の本発明に係る車体構造材では、第1の芯材本体には第1の位置決め孔が形成されており、第2の芯材本体には第2の位置決め孔が形成される。第1の位置決め孔は第1の芯材本体の外周面のうち、第1の芯材本体の長手方向に対して直交する方向を向く面にて開口しており、第2の位置決め孔は第2の芯材本体の外周面のうち、第1の位置決め孔の開口方向と同じ方向を向く面にて開口している。
【0014】
このため、接合手段にて第1の芯材本体と第2の芯材本体とを接合するにあたり、一体的に繋がった一対の位置決め突起の一方を第1の位置決め孔に嵌め込んで、上記の位置決め突起の他方を第2の位置決め孔に嵌め込むことにより簡単に第1の位置決め孔と第2の位置決め孔との間隔を高い精度で設定でき、この結果、芯材の長手寸法に合わせて第1の芯材本体と第2の芯材本体とを並べることができる。これにより、芯材の長手寸法の精度を高くでき、ひいては、車体構造材の長手寸法の精度を高くできる。
【0015】
請求項3に記載の本発明に係る車体構造材は、請求項2に記載の本発明において、前記第1の芯材本体の前記第2の芯材本体とは反対側の端部の近傍に前記第1の位置決め孔を形成し、前記第2の芯材本体の前記第1の芯材本体とは反対側の端部の近傍に前記第2の位置決め孔を形成している。
【0016】
請求項3に記載の本発明に係る車体構造材では、第1の芯材本体の第2の芯材本体とは反対側の端部近傍に第1の位置決め孔が形成されており、第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部近傍に第2の位置決め孔が形成される。
【0017】
第1の芯材本体を合成樹脂材で成形すると、第1の芯材本体の長手方向端部に対する第1の位置決め孔の位置精度は、第1の芯材本体の長手方向端部から離間するほど低くなる。ここで、上記のように第1の芯材本体の長手方向一端部近傍に第1の位置決め孔を形成すると、第1の位置決め孔から遠い第2の芯材本体側の第1の芯材本体の端部に対する第1の位置決め孔の位置精度は低いが、第1の位置決め孔が近傍に形成される第2の芯材本体とは反対側の第1の芯材本体の端部に対する第1の位置決め孔の位置精度は高い。
【0018】
また、第2の芯材本体の長手方向両端部に対する第2の位置決め孔の位置精度も同様であるので、第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部近傍に第2の位置決め孔を形成すると、第2の位置決め孔から遠い第2の芯材本体の第1の芯材本体側の端部に対する第2の位置決め孔の位置精度は低いが、第2の位置決め孔が近傍に形成される第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部に対する第2の位置決め孔の位置精度は高い。
【0019】
したがって、一体的に繋がった一対の位置決め突起の一方を第1の位置決め孔に嵌め込んで、上記の位置決め突起の他方を第2の位置決め孔に嵌め込むことにより簡単に第1の位置決め孔と第2の位置決め孔との間隔を高い精度で設定でき、この結果、第1の芯材本体の長手方向一端部から第2の芯材本体の長手方向他端部までの長さ、すなわち、芯材の長手寸法の精度をより一層高くでき、ひいては、車体構造材の長手寸法の精度を高くできる。
【0020】
請求項4に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法は、繊維強化樹脂材によって構成された構造材本体を芯材の外周部に成形することで形成される車体構造材を製造するための車体構造材の製造方法であって、合成樹脂材によって形成された第1の芯材本体と合成樹脂材によって形成された第2の芯材本体とを前記第1の芯材本体及び前記第2の芯材本体の長手方向に並べて、前記芯材の長手方向の全長を確定する位置決め工程と、前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体との間に接合手段を介在させて、前記接合手段によって前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とを一体的に接合する接合工程と、を含めて構成された芯材形成工程により前記芯材を形成している。
【0021】
請求項4に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法では、芯材形成工程を構成する位置決め工程にて合成樹脂材によって形成された第1の芯材本体と合成樹脂材によって形成された第2の芯材本体とが、これらの第1の芯材本体及び第2の芯材本体の長手方向に並べられる。この位置決め工程では、第1の芯材本体に対して第2の芯材本体が位置決めされ、この位置決め工程によって第1の芯材本体の前記第2の芯材本体とは反対側の端部から、第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部までの長さ、すなわち、芯材の全長が確定される。
【0022】
このように第1の芯材本体の第2の芯材本体との相対的な位置関係が決められると、接合工程にて第1の芯材本体の第2の芯材本体との間に介在するように接合手段が設けられ、この接合手段によって第1の芯材本体の第2の芯材本体とが一体的に接合され、芯材が形成される。
【0023】
以上のようにして形成された芯材の外周部に繊維強化樹脂材が成形され、これにより、実質的に車体構造材を成す構造材本体が形成される。
【0024】
ここで、本発明に係る車体構造材の製造方法では、芯材形成工程を構成する位置決め工程にて第1の芯材本体の前記第2の芯材本体とは反対側の端部から、第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部までの長さが確定される。このため、仮に、第1の芯材本体及び第2の芯材本体の各々の寸法精度が悪くても、位置決め工程にて第1の芯材本体と第2の芯材本体とが並んだ状態での第1の芯材本体の第2の芯材本体とは反対側の端部から、第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部までの長さの精度を十分に高くできる。
【0025】
したがって、位置決め工程を経た第1の芯材本体と第2の芯材本体とを接合手段により一体的に接合することで形成された芯材の長手寸法の寸法精度を高くできる。この結果、この芯材を用いて成形することで形成される構造材本体の長手寸法(全長)の精度を高くでき、長手寸法の寸法精度が高い車体構造材を得ることができる。しかも、長手寸法を必要な全長よりも長くした芯材本体を切削して必要な長手寸法(全長)を有する芯材を形成する構成に比べて、比較的コスト高な切削工程を有しない分だけコストを安価にできる。
【0026】
請求項5に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法は、請求項4に記載の本発明において、第1の金型に合成樹脂材を充填して前記第1の芯材本体を形成すると共に、前記第1の芯材本体の外周面のうち前記第1の芯材本体の長手方向に対して直交した方向を向く面にて開口した第1の位置決め孔を前記第1の金型によって前記第1の芯材本体に形成する第1の芯材本体成形工程と、第2の金型に合成樹脂材を充填して前記第2の芯材本体を形成すると共に、前記第2の芯材本体の外周面のうち第1の位置決め孔の開口方向と同じ方向を向く面にて開口した第2の位置決め孔を前記第2の金型によって前記第2の芯材本体に形成する第2の芯材本体成形工程と、を含めて前記芯材形成工程を構成し、更に、前記位置決め工程では、前記第1の位置決め孔に対応した第1の位置決め突起及び前記第2の位置決め孔に対応した第2の位置決め突起を有すると共に前記第1の位置決め突起と前記第2の位置決め突起とが一体的に繋がった位置決め手段を用い、前記第1の位置決め孔に前記第1の位置決め突起を嵌め込むと共に前記第2の位置決め突起と前記第2の位置決め孔に嵌め込んで前記芯材の前記全長を確定している。
【0027】
請求項5に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法によれば、第1の芯材本体成形工程で第1の金型に合成樹脂材が充填されて第1の芯材本体が成形され、第2の芯材本体成形工程で第2の金型に合成樹脂材が充填されて第2の芯材本体が成形される。
【0028】
また、第1の芯材本体成形工程では、第1の金型に合成樹脂材が充填されて第1の芯材本体が成形される際に、第1の芯材本体の外周面のうち、第1の芯材本体の長手方向に対して直交する方向を向く面にて開口する第1の位置決め孔が第1の芯材本体に形成される。さらに、第2の芯材本体成形工程では、第2の金型に合成樹脂材が充填されて第2の芯材本体が成形される際に、第2の芯材本体の外周面のうち、第1の位置決め孔の開口方向と同じ方向を向く面にて開口する第2の位置決め孔が第2の芯材本体に形成される。
【0029】
以上のようにして形成された第1の芯材本体と第2の芯材本体とは、位置決め工程で相対的な位置関係が決定される。ここで、本発明では位置決め工程で位置決め手段が用いられる。位置決め手段は第1の芯材本体に形成された第1の位置決め孔に対応する第1の位置決め突起と、第2の芯材本体に形成された第2の位置決め孔に対応する第2の位置決め突起とを備えており、しかも、これらの第1の位置決め突起と第2の位置決め突起とが一体的に繋がっている。
【0030】
位置決め工程では、位置決め手段の第1の位置決め突起が第1の芯材本体に形成された第1の位置決め孔に嵌め込まれ、第2の位置決め突起が第2の芯材本体に形成された第2の位置決め孔に嵌め込まれる。第1の位置決め突起と第2の位置決め突起とは一体的に繋がっているので、第1の位置決め突起を第1の位置決め孔に嵌め込んで第2の位置決め突起を第2の位置決め孔に嵌め込むことにより簡単に第1の位置決め孔と第2の位置決め孔との間隔を高い精度で設定でき、この結果、芯材の長手寸法に合わせて第1の芯材本体と第2の芯材本体とを並べることができる。これにより、芯材の長手寸法(全長)の精度を高くでき、ひいては、車体構造材の長手寸法(全長)の精度を高くできる。
【0031】
請求項6に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法は、請求項5に記載の本発明において、前記第1の芯材本体成形工程では、前記位置決め工程によって前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とが並んだ状態における前記第1の芯材本体の前記第2の芯材本体とは反対側の端部近傍に前記第1の位置決め孔を形成し、前記第2の芯材本体成形工程では、前記位置決め工程によって前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とが並んだ状態における前記第2の芯材本体の前記第1の芯材本体とは反対側の端部近傍に前記第2の位置決め孔を形成している。
【0032】
請求項6に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法では、第1の芯材本体成形工程では、第1の芯材本体が成形されると共に第1の芯材本体に第1の位置決め孔が形成される。ここで、第1の芯材本体成形工程にて第1の芯材本体に形成された第1の位置決め孔は、位置決め工程によって第1の芯材本体と第2の芯材本体とが並べられた状態における第1の芯材本体の第2の芯材本体とは反対側の端部近傍に形成される。
【0033】
一方、第2の芯材本体成形工程では、第2の芯材本体が成形されると共に第2の芯材本体に第2の位置決め孔が形成される。ここで、第2の芯材本体成形工程にて第2の芯材本体に形成された第2の位置決め孔は、位置決め工程によって第1の芯材本体と第2の芯材本体とが並べられた状態における第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部近傍に形成される。
【0034】
ところで、第1の芯材本体を合成樹脂材で成形すると、第1の芯材本体の長手方向端部に対する第1の位置決め孔の位置精度は、第1の芯材本体の長手方向端部から離間するほど低くなる。ここで、上記のように第1の芯材本体の長手方向一端部近傍に第1の位置決め孔を形成すると、第1の位置決め孔から遠い第2の芯材本体側の第1の芯材本体の端部に対する第1の位置決め孔の位置精度は低いが、第1の位置決め孔が近傍に形成される第2の芯材本体とは反対側の第1の芯材本体の端部に対する第1の位置決め孔の位置精度は高い。
【0035】
また、第2の芯材本体の長手方向両端部に対する第2の位置決め孔の位置精度も同様であるので、第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部近傍に第2の位置決め孔を形成すると、第2の位置決め孔から遠い第2の芯材本体の第1の芯材本体側の端部に対する第2の位置決め孔の位置精度は低いが、第2の位置決め孔が近傍に形成される第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部に対する第2の位置決め孔の位置精度は高い。
【0036】
したがって、一体的に繋がった第1の位置決め突起を第1の位置決め孔に嵌め込んで、第2の位置決め突起を第2の位置決め孔に嵌め込むことにより簡単に第1の位置決め孔と第2の位置決め孔との間隔を高い精度で設定でき、この結果、第1の芯材本体の長手方向一端部から第2の芯材本体の長手方向他端部までの長さ、すなわち、芯材の長手寸法(全長)の精度をより一層高くでき、ひいては、車体構造材の長手寸法(全長)の精度を高くできる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車体構造材では、安価なコストで長手方向の寸法精度が高い芯材を得ることができ、ひいては、長手方向の寸法精度が高い車体構造材を安価なコストで得ることができる。
【0038】
請求項2に記載の本発明に係る車体構造材では、第1の芯材本体と第2の芯材本体とを芯材の長手寸法に適した状態で簡単に並べることができ、これにより、芯材の長手方向の寸法精度を簡単に高くできる。
【0039】
請求項3に記載の本発明に係る車体構造材では、第1の位置決め孔から第1の芯材本体の第2の芯材本体とは反対側の端部までの長さの精度や、第2の位置決め孔から第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部までの長さの精度を更に高くでき、これにより、芯材の長手方向の寸法精度をより一層高くできる。
【0040】
請求項4に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法では、安価なコストで長手方向の寸法精度が高い芯材を得ることができ、ひいては、長手方向の寸法精度が高い車体構造材を安価なコストで得ることができる。
【0041】
請求項5に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法では、第1の芯材本体と第2の芯材本体とを芯材の長手寸法に適した状態で簡単に並べることができ、これにより、芯材の長手方向の寸法精度を簡単に高くできる。
【0042】
請求項6に記載の本発明に係る車体構造材の製造方法では、第1の位置決め孔から第1の芯材本体の第2の芯材本体とは反対側の端部までの長さの精度や、第2の位置決め孔から第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部までの長さの精度を更に高くでき、これにより、芯材の長手方向の寸法精度をより一層高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車体構造材を上下反対にした状態でみた斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る車体構造材の芯材の斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る車体構造材の製造方法を構成する芯材形成工程のうち、第1の芯材本体成形工程で用いられる金型を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る車体構造材の製造方法を構成する芯材形成工程のうち、位置決め工程で用いられる位置決め手段の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る車体構造材の製造方法を構成する芯材形成工程のうち、接合工程で第1の芯材本体と第2の芯材本体とを接合手段で接合した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る車体構造材の芯材の裏面図及び位置決め手段の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
<車体構造材10の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係る車体構造材10の構成が斜視図により示されている。
【0045】
この図に示されるように、車体構造材10は芯材12を備えている。図2に示されるように芯材12は第1の芯材本体14を備えている。第1の芯材本体14は合成樹脂材の一態様である発泡ウレタンによって形成されている。また、第1の芯材本体14は、長手方向寸法が幅方向寸法及び高さ方向寸法の双方に比べて長く、長手方向に対して直交する向きに切った断面形状が矩形(台形)とされている。
【0046】
図1に示されるように、第1の芯材本体14には第1の位置決め孔16が形成されている。第1の位置決め孔16は、第1の芯材本体14の長手方向一方の側の端部18近傍に形成されている。また、第1の位置決め孔16は、開口方向が第1の芯材本体14の高さ方向に沿っており、第1の芯材本体14の高さ方向下方側を向く(すなわち、第1の芯材本体14の長手方向に対して直交する向きを向く)下面20の幅方向略中央で開口している。
【0047】
また、図2に示されるように、芯材12は第2の芯材本体24を備えている。第2の芯材本体24は第1の芯材本体14と同様に合成樹脂材の一態様である発泡ウレタンによって形成されている。また、本実施の形態において第2の芯材本体24は基本的に第1の芯材本体14と同一形状とされている。第2の芯材本体24は、その長手方向が第1の芯材本体14の長手方向に沿い、更に、第2の芯材本体24の長手方向一方の側の端部26が第1の芯材本体14の長手方向他方の側の端部28と対向した状態で第1の芯材本体14と並んでいる。
【0048】
図1に示されるように、第2の芯材本体24には第2の位置決め孔30が形成されている。第2の位置決め孔30は、第2の芯材本体24の長手方向他方の側の端部32近傍に形成されている。また、端部26は、開口方向が第2の芯材本体24の高さ方向(すなわち、第1の芯材本体14の高さ方向であり、また、第1の位置決め孔16の開口方向)に沿っており、第2の芯材本体24の高さ方向下方(すなわち、第1の芯材本体14の高さ方向下方)を向く下面34の幅方向略中央で開口している。
【0049】
図1及び図2に示されるように、端部28と端部26とが対向するように並んだ第1の芯材本体14と第2の芯材本体24との間には接合手段としての接着剤40が介在しており、この接着剤40によって第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが一体的に接合されている。
【0050】
以上のように、第1の芯材本体14、第2の芯材本体24、及び接着剤40により構成された芯材12には構造材本体50が設けられている。構造材本体50は炭素繊維強化樹脂材やガラス繊維強化樹脂材により形成されており、芯材12の外周部を覆うように構造材本体50が芯材12に設けられることで、構造材本体50は断面矩形(台形)の閉じ断面形状とされている。本実施の形態では、車体構造材10として必要な機械的強度や剛性は、この構造材本体50の機械的強度や剛性で賄われている。
【0051】
<車体構造材10の製造方法の説明>
次に、車体構造材10の製造方法に関して説明する。
【0052】
本車体構造材10を製造するに際して、先ず、車体構造材10の芯材12が芯材形成工程で形成される。芯材形成工程は、第1の芯材本体成形工程を有している。この第1の芯材本体成形工程では、図3に示される金型60が用いられる。金型60は下型62を備えている。下型62にはキャビティ64が形成されている。キャビティ64は下型62の上面22にて開口した有底の孔とされている。キャビティ64の形状は第1の芯材本体14の外周形状に対応している。キャビティ64の底面の形状は第1の芯材本体14の上面22(図2参照)の形状に対応しており、その開口端側が第1の芯材本体14の下面20側に対応している。
【0053】
また、金型60は上型72を備えている。上型72は下面74が上面22に当接するように下型62上に載置されることで、キャビティ64を上側から閉止する。上型72の下面74にはコア76が形成されている。コア76は略円柱形状に形成されており、その長手方向一端にて上型72に繋がっている。また、上型72がキャビティ64を閉止した状態で、コア76はキャビティ64内におけるキャビティ64の長手方向一端部近傍で且つキャビティ64の幅方向略中央に位置するように上型72におけるコア76の形成位置が設定されている。
【0054】
第1の芯材本体成形工程では、キャビティ64の内部に発泡材が流し込まれた状態で上型72によりキャビティ64が閉止される。これにより、キャビティ64に流し込まれた発泡材が第1の芯材本体14の形状に成形される。また、キャビティ64に発泡材を充填した状態で上型72によりキャビティ64を閉止すると、キャビティ64内の発泡材にコア76が刺さった状態になる。これにより、第1の芯材本体14の形状に成形された発泡材には、コア76に対応する位置に孔が形成される。これによって、第1の芯材本体14に第1の位置決め孔16が形成される。
【0055】
金型60にて発泡材が第1の芯材本体14の形状に成形されると、金型60から発泡材が抜き取られる。さらに、金型60から抜き取られた発泡材は自然冷却及び養生され、これにより、第1の芯材本体14が形成される。
【0056】
一方、上記の芯材形成工程は、第2の芯材本体成形工程を有している。上記のように、第2の芯材本体24における第2の位置決め孔30の形成位置と、第1の芯材本体14における第1の位置決め孔16の形成位置が異なるものの、第2の芯材本体24は第1の芯材本体14と基本的に同一の形状である。しかも、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とはその長手方向の反対にすることで、第2の芯材本体24における第2の位置決め孔30の形成位置を、第1の芯材本体14における第1の位置決め孔16の形成位置とは反対側にできる。
【0057】
すなわち、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とは同一の部材で対処できる。したがって、本実施の形態では、第2の芯材本体成形工程と第1の芯材本体成形工程は同一となるので、上記の第1の芯材本体成形工程の説明を以って第2の芯材本体成形工程の説明は省略する。
【0058】
なお、仮に、第2の芯材本体24の形状が第1の芯材本体14の形状とは異なる場合には、キャビティ64の形状やコア76の形成位置が第2の芯材本体24に対応する形状及び形成位置となるだけである。したがって、第2の芯材本体24の形状を第1の芯材本体14の形状とは異なる構成とした場合の第2の芯材本体成形工程は、金型60が第2の芯材本体24に対応した形状になるだけで、基本的には第1の芯材本体14を成形するための第1の芯材本体成形工程と同じになる。
【0059】
以上のように第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが形成されると、接合工程で第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが一体的に接合される。この接合工程では、図4に示される位置決め手段としての載置台80が用いられる。載置台80は第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の双方が載置される載置面82を備えている。この載置面82からは第1の位置決め突起84が突出形成されている。この載置面82からの第1の位置決め突起84の突出寸法は第1の芯材本体14に形成された第1の位置決め孔16の深さ以下とされており、また、第1の位置決め突起84の外周形状は第1の芯材本体14に形成された第1の位置決め孔16の内周形状に略等しい。
【0060】
一方、載置台80の載置面82上における第1の位置決め突起84から一定距離離間した位置では、第1の位置決め突起84から第2の位置決め突起86が突出形成されている。この載置面82からの第2の位置決め突起86の突出寸法は第2の芯材本体24に形成された第2の位置決め孔30の深さ以下とされており、また、第2の位置決め突起86の外周形状は第2の芯材本体24に形成された第2の位置決め孔30の内周形状に略等しい。
【0061】
接合工程では、載置台80の載置面82上に第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが載置される。第1の芯材本体14が載置面82上に載置されるに際しては第1の位置決め突起84が第1の芯材本体14の第1の位置決め孔16に嵌め込まれ、第2の芯材本体24が載置面82上に載置されるに際しては第2の位置決め突起86が第2の芯材本体24の第2の位置決め孔30に嵌め込まれる。
【0062】
このように第1の位置決め突起84が第1の位置決め孔16に嵌め込まれて第2の位置決め突起86が第2の位置決め孔30に嵌め込まれた状態で、第1の芯材本体14の長手方向と第2の芯材本体24の長手方向とが同一方向になるように第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の姿勢が適宜に調整される。これにより、第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の長手方向に第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが並べられる。
【0063】
さらに、このように第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが並んだ状態で、図5に示されるように、第1の芯材本体14の端部28と第2の芯材本体24の端部26との間が接着剤40によって埋められ、接着剤40が端部28と端部26との双方に接着して硬化することで第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが一体的に接合されて芯材12が形成される。
【0064】
以上のようにして形成された芯材12の外周部に、例えば、炭素繊維やガラス繊維等を含めて構成された繊維シートを積層して、この繊維シートに合成樹脂材を含浸させて硬化させることにより構造材本体50が形成される。このようにして本実施の形態では車体構造材10が形成される。
【0065】
<本実施の形態の作用、効果>
ところで、本実施の形態に係る車体構造材10では、芯材12を構成する第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが発泡材を成形することで形成されている。このような発泡材を成形することで得られる成形品は、金型60から成形品(すなわち、第1の芯材本体14や第2の芯材本体24)を取り出して自然冷却及び養生しているうちに成形品が収縮又は膨張する。このような収縮及び膨張は三次元的であり、寸法が長い向きほど収縮及び膨張が大きくなる。したがって、第1の芯材本体14や第2の芯材本体24では、その長手方向に沿った収縮や膨張が顕著に現れる。
【0066】
ここで、本車体構造材10では、載置台80の載置面82上で第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが、その長手方向に並べられる。この際、第1の芯材本体14の第1の位置決め孔16には第1の位置決め突起84が嵌め込まれ、第2の芯材本体24の第2の位置決め孔30には第2の位置決め突起86が嵌め込まれる。
【0067】
図6に示されるように、載置面82から突出形成されている第1の位置決め突起84と第2の位置決め突起86との間隔Sは既に高い精度で決められているので、載置面82上に載置された第1の芯材本体14の第1の位置決め孔16と第2の芯材本体24の第2の位置決め孔30の間隔L1は、第1の位置決め孔16に第1の位置決め突起84が嵌め込まれて第2の位置決め孔30に第2の位置決め突起86が嵌め込まれることにより第1の位置決め突起84と第2の位置決め突起86との間隔Sに倣って高い精度で確定される。
【0068】
しかも、上記のように、第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の収縮及び膨張は寸法が長い向きほど収縮及び膨張が大きくなる。したがって、第1の芯材本体14の端部18の近傍に形成されている第1の位置決め孔16から第2の芯材本体24側の端部28までの長さL2や、第2の芯材本体24の端部32の近傍に形成されている第2の位置決め孔30から第1の芯材本体14側の端部26までの長さL3は収縮や膨張の影響を大きく受けるので、上記の長さL2や長さL3の誤差は大きい。これに対して、第1の位置決め孔16から第2の芯材本体24とは反対側の第1の位置決め孔16までの長さL4や、第2の位置決め孔30から第1の芯材本体14とは反対側の端部32までの長さL5は収縮や膨張の影響が小さく、上記の長さL4や長さL5の誤差は小さい。
【0069】
このように、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とをその長手方向に並べた状態では、第1の位置決め孔16と第2の位置決め孔30との間隔L1の寸法精度は高く、また、第1の位置決め孔16と端部18との間隔L4や第2の位置決め孔30と端部32との間隔L5の誤差も小さいので、この状態での第1の芯材本体14の端部18から第2の芯材本体24の端部32までの寸法L6の寸法精度が高くなる。
【0070】
さらに、上記のように、第1の位置決め孔16から第1の芯材本体14の端部28までの長さL2や、第2の位置決め孔30から第2の芯材本体24の端部26までの長さL3は誤差が大きく、このため、第1の芯材本体14の端部28と第2の芯材本体24の端部26との間隔L7は精度が低い。しかしながら、この第1の芯材本体14の端部28と第2の芯材本体24の端部26との間には接着剤40が介在して、接着剤40が第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とを一体的に接合するので、発泡材の収縮や膨張に起因する上記の間隔L7の誤差は、接着剤40の厚さ(芯材12の長手方向に沿った接着剤40の寸法)で吸収される。
【0071】
以上のように、本車体構造材10では、発泡材で構成された第1の芯材本体14や第2の芯材本体24を用いて芯材12を構成しているものの、その長手寸法の寸法精度を高くできる。しかも、芯材12全てを発泡材で成形して、予め定められた寸法になるように切削等の機械加工を芯材12に施す方法に比べてコストを安価にできる。
【0072】
しかも、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24との位置決めは、載置台80の載置面82に載置して第1の位置決め突起84を第1の芯材本体14の第1の位置決め孔16に嵌め込み、第2の位置決め突起86を第2の芯材本体24の第2の位置決め孔30に嵌め込むだけであるので極めて簡単である。
【0073】
また、特に、本実施の形態では、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とは長手方向の向きが反対であるだけで、基本的に同一構造である。したがって、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とを1種類の成形品で賄うことができ、この意味でもコストを安価にできる。
【0074】
なお、本実施の形態では、上記のように、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とを同一の構造としたが、これに関しては、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とが異なる構造であっても構わない。
【0075】
また、本実施の形態では、第1の芯材本体14の長手方向と第2の芯材本体24の長手方向とが同一方向であったが、例えば、第1の芯材本体14の長手方向に対して第2の芯材本体24の長手方向が傾くように第1の芯材本体14の端部28の側方に第2の芯材本体24を配置して、接着剤40にて第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とを接合した部分において芯材12が屈曲又は湾曲する構成としてもよい。
【0076】
さらに、本実施の形態では、第1の芯材本体14の長手方向と第2の芯材本体24の長手方向とが同一方向であったが、例えば、第1の芯材本体14の長手方向に対して第2の芯材本体24の長手方向が傾くように第1の芯材本体14の端部28の側方に第2の芯材本体24を配置して、接着剤40にて第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とを接合した部分において芯材12が屈曲又は湾曲する構成としてもよい。
【0077】
また、本実施の形態では、第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24は長手方向が直線的な棒形状(ブロック形状)であったが、第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の少なくとも何れか一方が湾曲した構成であってもよい。
【0078】
さらに、本実施の形態では、第1の芯材本体14の端部28と第2の芯材本体24の端部26との間に接着剤40を設けた構成であったが、接着剤40を介在させる部位が第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の長手方向に互いに対向する端部の間に限られるものではなく、接着剤40を設ける位置は、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24との間に介在して、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24とを一体的に接合しつつも、上述した第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の寸法誤差を吸収できる位置であればよい。
【0079】
また、本実施の形態では、第1の芯材本体14に第1の位置決め孔16を形成して第2の芯材本体24に第2の位置決め孔30を形成し、第1の位置決め孔16に載置台80の第1の位置決め突起84を嵌め込んで第2の位置決め孔30に第2の位置決め突起86を嵌め込むことで第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の位置決めをした。しかしながら、第1の芯材本体14と第2の芯材本体24との位置決めがこのような構成に限定されるものではない。例えば、芯材12の全長寸法に対応した間隔を有する一対の突き当て壁を載置台80の載置面82上に立設し、一方の突き当て壁に第1の芯材本体14の端部18を突き当てて、他方の突き当て壁に第2の芯材本体24の端部32を突き当てることで第1の芯材本体14及び第2の芯材本体24の位置決めをする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 車体構造材
12 芯材
14 第1の芯材本体
16 第1の位置決め孔
18 端部(第1の芯材本体の第2の芯材本体とは反対側の端部)
24 第2の芯材本体
30 第2の位置決め孔
32 端部(第2の芯材本体の第1の芯材本体とは反対側の端部)
40 接着剤(接合手段)
50 構造材本体
80 載置台(位置決め手段)
84 第1の位置決め突起
86 第2の位置決め突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材によって形成された第1の芯材本体と、
合成樹脂材によって形成され、長手方向が前記第1の芯材本体の長手方向に沿うように前記第1の芯材本体の長手方向一端側に設けられる第2の芯材本体と、
前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体との間に介在して前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とを一体的に接合する接合手段と、
を含めて構成された芯材を有し、
繊維強化樹脂材によって構成された構造材本体を、前記芯材の外周部に成形することで形成された車体構造材。
【請求項2】
前記第1の芯材本体の外周面のうち前記第1の芯材本体の長手方向に対して直交した方向を向く面にて開口した第1の位置決め孔を前記第1の芯材本体に形成し、前記第2の芯材本体の外周面のうち第1の位置決め孔の開口方向と同じ方向を向く面にて開口した第2の位置決め孔を前記第2の芯材本体に形成した請求項1に記載の車体構造材。
【請求項3】
前記第1の芯材本体の前記第2の芯材本体とは反対側の端部の近傍に前記第1の位置決め孔を形成し、前記第2の芯材本体の前記第1の芯材本体とは反対側の端部の近傍に前記第2の位置決め孔を形成した請求項2に記載の車体構造材。
【請求項4】
繊維強化樹脂材によって構成された構造材本体を芯材の外周部に成形することで形成される車体構造材を製造するための車体構造材の製造方法であって、
合成樹脂材によって形成された第1の芯材本体と合成樹脂材によって形成された第2の芯材本体とを前記第1の芯材本体及び前記第2の芯材本体の長手方向に並べて、前記芯材の長手方向の全長を確定する位置決め工程と、
前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体との間に接合手段を介在させて、前記接合手段によって前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とを一体的に接合する接合工程と、
を含めて構成された芯材形成工程により前記芯材を形成する車体構造材の製造方法。
【請求項5】
第1の金型に合成樹脂材を充填して前記第1の芯材本体を形成すると共に、前記第1の芯材本体の外周面のうち前記第1の芯材本体の長手方向に対して直交した方向を向く面にて開口した第1の位置決め孔を前記第1の金型によって前記第1の芯材本体に形成する第1の芯材本体成形工程と、
第2の金型に合成樹脂材を充填して前記第2の芯材本体を形成すると共に、前記第2の芯材本体の外周面のうち第1の位置決め孔の開口方向と同じ方向を向く面にて開口した第2の位置決め孔を前記第2の金型によって前記第2の芯材本体に形成する第2の芯材本体成形工程と、
を含めて前記芯材形成工程を構成し、更に、前記位置決め工程では、前記第1の位置決め孔に対応した第1の位置決め突起及び前記第2の位置決め孔に対応した第2の位置決め突起を有すると共に前記第1の位置決め突起と前記第2の位置決め突起とが一体的に繋がった位置決め手段を用い、前記第1の位置決め孔に前記第1の位置決め突起を嵌め込むと共に前記第2の位置決め突起と前記第2の位置決め孔に嵌め込んで前記芯材の前記全長を確定する請求項4に記載の車体構造材の製造方法。
【請求項6】
前記第1の芯材本体成形工程では、前記位置決め工程によって前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とが並んだ状態における前記第1の芯材本体の前記第2の芯材本体とは反対側の端部近傍に前記第1の位置決め孔を形成し、前記第2の芯材本体成形工程では、前記位置決め工程によって前記第1の芯材本体と前記第2の芯材本体とが並んだ状態における前記第2の芯材本体の前記第1の芯材本体とは反対側の端部近傍に前記第2の位置決め孔を形成する請求項5に記載の車体構造材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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