説明

車載機器制御装置

【課題】車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御する。
【解決手段】車両のステアリングホイールに設けられ、車両に搭載された機器の備える機能が複数割り当てられているステアリングスイッチ106L、106Rと、前記車両のドライバが視認可能な位置に画像を表示する表示部100と、車両に搭載された機器に、前記ドライバがステアリングスイッチ106L、106Rを用いて選択した機能を実行させる機器制御部202と、車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する走行状態判断部207と、走行状態判断部207が車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、ステアリングスイッチ106L、106Rに割り当てられた複数の機能を示す画像を表示部100に表示させる表示制御部206とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器を制御する車載機器制御装置に関し、特に、ステアリングスイッチにより車載機器を制御する車載機器制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両には、オーディオ機器、エアーコンディショナー、カーナビゲーションシステムなどの多くの車載機器が設置されている。これらの車載機器を車両の運転中に効率よく制御するために、ステアリングホイールのスポーク部にステアリングスイッチが設けられている。ドライバは、車両の運転中にステアリングホイールを握った状態でステアリングスイッチを操作することにより、ステアリングホイールから手を離すことなく車載機器を制御することができる。これにより、ドライバは安全運転を行うことができる。
【0003】
このようなステアリングスイッチとして、ドライバの好みに応じて、ステアリングスイッチに各車載機器の各機能を自由に割り当てることができるステアリングスイッチが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、ステアリングスイッチに割り当てられている機能を画面上に表示する車両用スイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−308136号公報
【特許文献2】特許第3125367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のステアリングスイッチを用いることで、ステアリングスイッチに車載機器の機能を自由に割り当てることができるという利便性を有する反面、ドライバは、ステアリングスイッチに割り当てられた機能を覚えておかなければならないと言う課題がある。
【0007】
これに対し、特許文献2に記載の車両用スイッチ装置によると、ドライバは、画面を見ることによりステアリングスイッチに割り当てられた機能を知ることができる。
【0008】
しかしながら、画面上に常時、ステアリングスイッチに割り当てられた機能が表示されると、ドライバは運転中に画面が気になるため煩わしさを感じ、運転に集中できない。このため、車両の安全走行が確保できないという課題がある。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる車載機器制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に係る車載機器制御装置は、車両のステアリングホイールに設けられ、前記車両に搭載された機器の備える機能が複数割り当てられているステアリングスイッチと、前記車両のドライバが視認可能な位置に画像を表示する表示部と、前記車両に搭載された機器に、前記ドライバが前記ステアリングスイッチを用いて選択した機能を実行させる機器制御部と、前記車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する走行状態判断部と、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、前記ステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を示す画像を前記表示部に表示させる表示制御部とを備える。
【0011】
この構成によると、車両が安全な走行状態にはない場合には、ステアリングスイッチに割り当てられた機能を表示部に表示させないようにしている。このため、ドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0012】
好ましくは、前記ステアリングスイッチの個数は1つ以上であり、前記表示制御部は、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、前記ステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を、前記ステアリングスイッチごとに示した画像であるプレビュー画像を前記表示部に表示させる。
【0013】
この構成によると、車両が安全な走行状態にない場合には、プレビュー画像を表示部に表示させないようにしている。このため、ドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0014】
さらに好ましくは、前記表示制御部は、さらに、前記プレビュー画像を前記表示部に表示させている状態において、いずれかの前記ステアリングスイッチに対する操作が行なわれた場合には、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、操作が行なわれたステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を示す画像である操作画像を前記表示部に表示させる。
【0015】
この構成によると、車両が安全な走行状態にない場合には、ステアリングスイッチに対する操作が行なわれたとしても、操作画像を表示部に表示させないようにしている。このため、ドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0016】
具体的には、上述の車載機器制御装置は、さらに、前記車両の操舵角を検出する操舵角センサを備え、前記走行状態判断部は、前記車両の操舵角が前記所定の操舵角閾値以上の場合に前記車両が安全な走行状態にないと判断する。
【0017】
この構成によると、車両がカーブを走行中には、ステアリングスイッチに割り当てられた機能が表示部に表示されない。このため、このような危険な走行状態時にドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0018】
また、上述の車載機器制御装置は、さらに、前方車両との車間距離を検出する車間距離センサを備え、前記走行状態判断部は、前記前方車両との車間距離が前記所定の車間距離閾値未満の場合に前記車両が安全な走行状態にないと判断しても良い。
【0019】
この構成によると、前方車両との車間距離が小さい場合には、ステアリングスイッチに割り当てられた機能が表示部に表示されない。このため、このような危険な走行状態時にドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0020】
また、上述の車載機器制御装置は、さらに、前記車両の車線逸脱を検出する車線逸脱センサを備え、前記走行状態判断部は、前記車線逸脱センサが前記車両の車線逸脱を検出した場合に前記車両が安全な走行状態にないと判断しても良い。
【0021】
この構成によると、車両が車線から逸脱した場合には、ステアリングスイッチに割り当てられた機能が表示部に表示されない。このため、このような危険な走行状態時にドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0022】
また、上述の車載機器制御装置は、さらに、前記車両の進行方向を検出する進行方向検出センサを備え、前記走行状態判断部は、前記進行方向検出センサが前記車両の進行方向が後方であることを検出した場合には前記車両が安全な走行状態にないと判断しても良い。
【0023】
この構成によると、車両が後進している場合には、ステアリングスイッチに割り当てられた機能が表示部に表示されない。このため、このような危険な走行状態時にドライバは表示部の画面に気を取られることがなくなるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0024】
また、上述の車載機器制御装置は、さらに、前記車両の操舵角を検出する操舵角センサと、前方車両との車間距離を検出する車間距離センサと、前記車両の車線逸脱を検出する車線逸脱センサと、前記車両の進行方向を検出する進行方向検出センサとを備え、前記走行状態判断部は、前記車両の操舵角が前記所定の操舵角閾値未満であり、前記前方車両との車間距離が前記所定の車間距離閾値以上であり、前記車線逸脱センサが前記車両の車線逸脱を検出しておらず、かつ、前記進行方向検出センサが前記車両の進行方向が後方であることを検出していない場合に、前記車両が安全な走行状態であると判断しても良い。
【0025】
この構成によると、車両がほぼ直線の車線内を前方車両との車間距離を確保しつつ走行している場合に、ステアリングスイッチに割り当てられた機能が表示部に表示される。このため、車両の安全走行時に上記表示がなされるため、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0026】
なお、前記表示制御部は、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にないと判断した場合には、前記表示部に画像を表示させない、または予め定められた画像を表示させても良い。
【0027】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える車載機器制御装置として実現することができるだけでなく、車載機器制御装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする車載機器制御方法として実現することができる。また、車載機器制御装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたは車載機器制御方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動車の運転席の前面部分の外観図である。
【図2】ステアリングスイッチの外観図である。
【図3】車載機器制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】車載機器制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】表示部に表示されるデフォルト画像の一例を示す図である。
【図6】表示部に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。
【図7】ステアリングスイッチのいずれかのボタンが押下された際に表示部に表示される操作画像の一例を示す図である。
【図8】ステアリングスイッチのいずれかのボタンが押下された際に表示部に表示される操作画像の一例を示す図である。
【図9】走行状態判断処理(図4のS6)の詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る車載機器制御装置について説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態に係る自動車(以下、「車両」と言う。)の運転席の前面部分の外観図である。
【0032】
運転席には、車両を操舵するためのステアリングホイール104と、表示部100と、マルチメディア表示装置108と、オーディオ装置109と、エアーコンディショナー(以下、「エアコン」と言う。)110とが配置されている。ステアリングホイール104のスポーク部102には、左右にステアリングスイッチ106Lおよび106Rが配置されている。
【0033】
表示部100は、車両のドライバが視認可能な位置に画像を表示する。例えば、表示部100は、インストルメントパネルに設置され、表示部100には、後述するようにステアリングスイッチ106Lおよび106Rに割り当てられた複数の機能を示す画像が表示される。なお、表示部100は、ヘッドアップディスプレイであっても良い。
【0034】
マルチメディア表示装置108には、カーナビゲーションシステムの画像などが表示される。
【0035】
図2は、ステアリングスイッチ106Lの外観図である。ステアリングスイッチ106Lは、5つのボタン107A〜107Eを有する。いずれかのボタンを押下することにより、押下されたボタンに対応する信号が出力される。なお、ステアリングスイッチ106Rもステアリングスイッチ106Lと同じ構造を有するため説明を省略する。
【0036】
ステアリングスイッチ106Lにはオーディオ装置109が対応付けられ、ボタン107A〜107Eの各々には、オーディオ装置109の各機能が割り当てられている。ステアリングスイッチ106Lのボタン107A〜107Eに割り当てられている機能の詳細については後述する。
【0037】
ステアリングスイッチ106Rにはエアコン110が対応付けられ、ボタン107A〜107Eの各々には、エアコン110の各機能が割り当てられている。ステアリングスイッチ106Rのボタン107A〜107Eに割り当てられている機能の詳細については後述する。
【0038】
図3は、車載機器制御装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0039】
車載機器制御装置200は、表示部100と、ステアリングスイッチ106Lおよび106Rと、機器制御部202と、操舵角センサ204と、表示制御部206と、走行状態判断部207と、車間距離制御装置208と、車線逸脱制御装置210と、シフトポジション制御装置212とを備える。
【0040】
機器制御部202は、ステアリングスイッチ106Lのボタンが押下された場合には、オーディオ装置109に、押下されたボタンに対応する機能を実行させ、ステアリングスイッチ106Rのボタンが押下された場合には、エアコン110に、押下されたボタンに対応する機能を実行させる。
【0041】
操舵角センサ204は、ステアリングホイール104の操舵から車両の操舵角を検出するセンサである。操舵角センサ204の構成は周知の技術であるため、説明を省略する。
【0042】
車間距離制御装置208は、前方車両との車間距離を検出する車間距離センサを有し、当該車間距離が一定になるように車両の走行を制御する装置である。車間距離センサは、例えば、ミリ波レーダーなどにより構成される。
【0043】
車線逸脱制御装置210は、車両の車線逸脱を検出する車線逸脱センサを有し、当該車両が車線から逸脱しないように車両の走行を制御する装置である。車線逸脱センサは、例えば、カメラで車線を撮像し、車両が車線分離線を超えた場合には、車両が車線から逸脱したと判断するセンサである。車線逸脱制御装置210は、車両が車線から逸脱した場合には警告出力を行う。例えば、警告音を出力する。
【0044】
シフトポジション制御装置212は、シフトレバーまたはセレクタの操作に従い、車両に搭載される変速機のシフトポジションの制御を行う装置である。シフトポジション制御装置212は、車両の進行方向を検出する進行方向検出センサとして機能する。
【0045】
走行状態判断部207は、操舵角センサ204、車間距離制御装置208、車線逸脱制御装置210およびシフトポジション制御装置212で検出される各種の検出結果に基づいて、車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する。
【0046】
表示制御部206は、ステアリングスイッチ106Lまたは106Rの操作に応じた画像を表示部100に表示させる。なお、表示制御部206は、走行状態判断部207が車両が安全な走行状態にあると判断した場合に、上記操作に応じた画像を表示部100に表示させ、走行状態判断部207が車両が安全な走行状態にないと判断した場合に、上記操作に応じた画像を表示部100に表示させない。
【0047】
次に、車載機器制御装置200の動作について説明する。
【0048】
図4は、車載機器制御装置200の動作を示すフローチャートである。
【0049】
表示制御部206は、車両の運転の開始時には、表示部100にデフォルト画像を表示させる(S2)。図5は、表示部100に表示されるデフォルト画像の一例を示す図である。デフォルト画像は、ステアリングスイッチ106Lまたは106Rによって制御することが可能な車載機器の現在の状態や、車両の走行状態などを示す画像である。例えば、オーディオ装置109は、80.2MHzのFM放送を再生しており、エアコン110の温度が24.0℃であり、車両が100km/hで定速走行していることなどが示されている。
【0050】
再度図4を参照して、ステアリングスイッチ106Lまたは106Rのいずれかのボタンが押下されていない場合には(S4でNO)、デフォルト画像の表示状態が維持される(S2)。
【0051】
ステアリングスイッチ106Lまたは106Rのいずれかのボタンがドライバにより押下された場合には(S4でYES)、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する(S6)。走行状態判断処理(S6)の詳細については後述する。
【0052】
車両が安全な走行状態にあると判断された場合には(S8でYES)、表示制御部206は、表示部100にプレビュー画像を表示させる(S10)。図6は、表示部100に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。プレビュー画像は、ステアリングスイッチに割り当てられた複数の機能を、ステアリングスイッチごとに示した画像である。つまり、プレビュー画像は、ステアリングスイッチ106Lに割り当てられた複数の機能を示す画像602と、ステアリングスイッチ106Rに割り当てられた複数の機能を示す画像604とを含む。
【0053】
画像602には、ステアリングスイッチ106Lの各ボタンを押下したときに実行されるオーディオ装置109の機能を示すアイコンが、ボタンの配列と同じ配列で示されている。画像604には、ステアリングスイッチ106Rの各ボタンを押下したときに実行されるエアコン110の機能を示すアイコンが、ボタンの配列と同じ配列で示されている。
【0054】
再度図4を参照して、車両が安全な走行状態にないと判断された場合には(S8でNO)、表示制御部206は、表示部100にデフォルト画像を表示させる(S12)。その後、走行状態判断処理(S6)が実行され、安全な走行状態に復帰した場合には(S8でYES)、表示制御部206は、表示部100にプレビュー画像を表示させる(S10)。
【0055】
一旦、プレビュー画像が表示された後、ステアリングスイッチ106Lまたは106Rのいずれかのボタンがドライバにより押下されるまでの間は(S14でNO)、S6〜S10までの処理が繰返し実行される。
【0056】
プレビュー画像が表示された後、ステアリングスイッチ106Lまたは106Rのいずれかのボタンがドライバにより押下されると(S14でYES)、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する(S16)。走行状態判断処理(S16)の詳細については後述する。
【0057】
車両が安全な走行状態にあると判断された場合には(S18でYES)、表示制御部206は、ボタンが押下されたステアリングスイッチに応じた操作画像を表示部100に表示させる(S20)。
【0058】
図7は、ステアリングスイッチ106Lのいずれかのボタンが押下された際に表示部100に表示される操作画像の一例を示す図である。この操作画像は、ステアリングスイッチ106Lの各ボタンを押下したときに実行されるオーディオ装置109の機能を示すアイコンが、ボタンの配列と同じ配列で示されている。つまり、ボタン107A〜107Eに、アイコン702A〜702Eがそれぞれ対応付けられている。アイコン702Aは、ボタン107Aを押下した際にはオーディオ装置109の音量が下げられることを示している。アイコン702Bは、ボタン107Bを押下した際にはオーディオ装置109の音量が上げられることを示している。アイコン702Cは、ボタン107Cを押下した際にはオーディオ装置109のモード(音楽ソース)が切り替えられることを示している。アイコン702Dは、ボタン107Dを押下した際にはオーディオ装置109のチャンネルが逆方向に切替えられることを示している。アイコン702Eは、ボタン107Eを押下した際にはオーディオ装置109のチャンネルが順方向に切替えられることを示している。なお、操作画像は、現在のオーディオ装置109の状態を示す画像704を含む。
【0059】
図8は、ステアリングスイッチ106Rのいずれかのボタンが押下された際に表示部100に表示される操作画像の一例を示す図である。この操作画像は、ステアリングスイッチ106Rの各ボタンを押下したときに実行されるエアコン110の機能を示すアイコンが、ボタンの配列と同じ配列で示されている。つまり、ボタン107A〜107Eに、アイコン802A〜802Eがそれぞれ対応付けられている。アイコン802Aは、ボタン107Aを押下した際にはエアコン110の設定温度が下げられることを示している。アイコン802Bは、ボタン107Bを押下した際にはエアコン110の設定温度が上げられることを示している。アイコン802Cは、ボタン107Cを押下した際にはエアコン110のモード(吹き出し口)が切り替えられることを示している。アイコン802Dは、ボタン107Dを押下した際にはエアコン110の風量が下げられることを示している。アイコン802Eは、ボタン107Eを押下した際にはエアコン110の風量が上げられることを示している。なお、操作画像は、現在のエアコン110の状態を示す画像804を含む。
【0060】
再度図4を参照して、車両が安全な走行状態にないと判断された場合には(S18でNO)、表示制御部206は、表示部100にデフォルト画像を表示させる(S22)。その後、走行状態判断処理(S16)が実行され、安全な走行状態に復帰した場合には(S18でYES)、表示制御部206は、S14の処理でボタンが押下されたと判断されたステアリングスイッチに応じた操作画像を表示部100に表示させる(S20)。
【0061】
一旦、操作画像を表示された後、その操作画像に対応するステアリングスイッチのボタンがドライバにより押下されるまでの間は(S24でNO)、S16〜S22の処理が繰り返し実行される。
【0062】
操作画像が表示された後、その操作画像に対応するステアリングスイッチのボタンがドライバにより押下されると(S24でYES)、機器制御部202は、押下されたボタンに対応する機能を実行する(S26)。例えば、図7の操作画面が表示部100に表示されている場合に、ステアリングスイッチ106Lのボタン107Aが押下された場合には、機器制御部202は、オーディオ装置109の音量を下げる。また、図8の操作画面が表示部100に表示されている場合に、ステアリングスイッチ106Rの107Aが押下された場合には、機器制御部202はエアコン110の設定温度を下げる。
【0063】
次に、走行状態判断処理(図4のS6)の詳細について説明する。なお、走行状態判断処理(図4のS16)の詳細は、走行状態判断処理(図4のS6)の詳細と同じであるため、説明は繰り返さない。
【0064】
図9は、走行状態判断処理(図4のS6)の詳細なフローチャートである。
【0065】
走行状態判断部207は、シフトポジション制御装置212より現在の変速機のシフトポジションの値を取得し、シフトポジションがR(リバース)であるか否かを判断する(S32)、シフトポジションがRの場合には(S32でYES)、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にないと判断する(S34)。
【0066】
シフトポジションがR以外の場合には(S32でNO)、車両が直進走行状態か停止状態である。このため、走行状態判断部207は、操舵角センサ204より車両の操舵角を取得し、車両の操舵角が所定の操舵角閾値である20度未満か否かを判断する(S36)。車両の操舵角が20度以上の場合には(S36でNO)、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にないと判断する(S34)。なお、操舵角閾値は20度に限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【0067】
車両の操舵角が20度未満の場合には(S36でYES)、走行状態判断部207は、車間距離制御装置208が起動中か否かを判断する(S38)。車間距離制御装置208が起動中の場合には(S38でYES)、走行状態判断部207は、車間距離制御装置208が有する車間距離センサから前方車両との車間距離を取得し、取得した車間距離が所定の車間距離閾値DTH未満か否かを判断する(S40)。前方車両との車間距離が車間距離閾値DTH未満の場合には(S40でYES)、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にないと判断する(S34)。なお、車間距離閾値DTHは、任意に設定可能である。
【0068】
前方車両との車間距離が車間距離閾値DTH以上の場合には(S40でNO)、走行状態判断部207は、車線逸脱制御装置210が起動中か否かを判断する(S42)。車線逸脱制御装置210が起動中の場合には(S42でYES)、走行状態判断部207は、車線逸脱制御装置210が警告出力をしているか否かを判断する(S44)。警告出力をしている場合には(S44でYES)、車両が車線から逸脱しているため、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にないと判断する(S34)。
【0069】
警告出力をしていない場合(S44でNO)、または、車線逸脱制御装置210が起動していない場合には(S42でNO)、走行状態判断部207は、車両が安全な走行状態にあると判断する(S46)。
【0070】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る車載機器制御装置によると、車両が安全な走行状態にない場合には、プレビュー画像または操作画像を表示部100に表示させないようにしている。具体的には、車両がカーブを走行中や、前方車両との車間距離が小さい場合や、車両が車線から逸脱した場合や、車両が後進している場合には、プレビュー画像または操作画像を表示部100に表示させないようにしている。また、車両がほぼ直線の車線内を前方車両との車間距離を確保しつつ走行している場合に、プレビュー画像または操作画像を表示部100に表示させるようにしている。このため、ドライバは、車両が安全走行していない場合には表示部100の画面に気を取られることがなくなる。よって、車両の安全走行を確保しつつ、ドライバに対してステアリングスイッチに割り当てられた機能を提示し、車載機器を制御することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態に係る車載機器制御装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0072】
例えば、ステアリングスイッチ106Lおよび106Rの構成は、図2に示したものに限定されるものではなく、車載機器の機能を選択することができる構成であれば、どのような構成であっても良い。
【0073】
また、ステアリングスイッチ106Lおよびステアリングスイッチ106Rに割り当てられる機能は、上記実施の形態に示したものに限定されない。
【0074】
また、ステアリングスイッチの個数も1つであっても良いし、3つ以上あっても良い。
【0075】
また、上記実施の形態では、走行状態判断部207は、ステアリングスイッチ106Lまたは106Rのいずれかのボタンが押下されたタイミングで走行状態を判断することとしたが(図4のS6、S16)、走行状態判断部207は、走行状態を常時判断し、上記ボタンが押下されたタイミングで表示制御部206が走行状態判断部207より走行状態を取得するようにしても良い。
【0076】
また、車両が安全な走行状態にない場合にはデフォルト画像を表示することとしたが(図4のS12、S22)、デフォルト画像を表示する代わりに、表示部100に何も表示させないようにしても良い。
【0077】
また、車両が安全な走行状態にない場合から安全な走行状態に復帰した場合には、プレビュー画像または操作画像を表示させることとしたが、復帰時には、デフォルト画像表示処理(図4のS2)に戻り、デフォルト画像を表示させるようにしても良い。
【0078】
また、上述の実施の形態では表示部100に操作画像が表示されている場合にステアリングスイッチのボタンが押下されると、そのボタンに割り当てられた機能が実行されることとしたが(図4のS24でYES、S26)、機能の実行タイミングはこれに限定されるものではない。例えば、表示部100に操作画像が表示されていない場合であっても、ステアリングスイッチのボタンが押下された場合には、そのボタンに割り当てられた機能を、機器制御部202が車載機器に実行させるようにしても良い。
【0079】
また、図5に示したデフォルト画像、図6に示したプレビュー画像、ならびに図7および図8に示した操作画像は一例であり、これらに限定されるものではない。
【0080】
さらに、機器制御部202が制御する車載機器は、マルチメディア表示装置108、オーディオ装置109およびエアコン110に限定されるものではない。
【0081】
また、走行状態判断処理(図4のS6、S16、図9)においては、4つの検知結果から車両が安全な走行状態にあるか否かを判断したが、検知結果の数は1つ以上であれば4つに限定されるものではない。例えば、車両の操舵角と、前方車両との車間距離と、車両の車線逸脱状態との3つの検知結果から車両が安全な走行状態にあるか否かを判断してもよい。
【0082】
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0083】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0084】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0085】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0086】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0087】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0088】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0089】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0090】
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、車載機器を制御する車載機器制御装置に関し、特に、ドライバの常時視認可能な位置に表示部を備え、ステアリングスイッチにより車載機器を制御する車載機器制御装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0093】
100 表示部
102 スポーク部
104 ステアリングホイール
106L、106R ステアリングスイッチ
107A〜107E ボタン
108 マルチメディア表示装置
109 オーディオ装置
110 エアコン
200 車載機器制御装置
202 機器制御部
204 操舵角センサ
206 表示制御部
207 走行状態判断部
208 車間距離制御装置
210 車線逸脱制御装置
212 シフトポジション制御装置
602、604、704、804 画像
702A〜702E、802A〜802E アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングホイールに設けられ、前記車両に搭載された機器の備える機能が複数割り当てられているステアリングスイッチと、
前記車両のドライバが視認可能な位置に画像を表示する表示部と、
前記車両に搭載された機器に、前記ドライバが前記ステアリングスイッチを用いて選択した機能を実行させる機器制御部と、
前記車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する走行状態判断部と、
前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、前記ステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を示す画像を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える車載機器制御装置。
【請求項2】
前記ステアリングスイッチの個数は1つ以上であり、
前記表示制御部は、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、前記ステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を、前記ステアリングスイッチごとに示した画像であるプレビュー画像を前記表示部に表示させる
請求項1に記載の車載機器制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、さらに、前記プレビュー画像を前記表示部に表示させている状態において、いずれかの前記ステアリングスイッチに対する操作が行なわれた場合には、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にあると判断した場合にのみ、操作が行なわれたステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を示す画像である操作画像を前記表示部に表示させる
請求項1に記載の車載機器制御装置。
【請求項4】
さらに、前記車両の操舵角を検出する操舵角センサを備え、
前記走行状態判断部は、前記車両の操舵角が前記所定の操舵角閾値以上の場合に前記車両が安全な走行状態にないと判断する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器制御装置。
【請求項5】
さらに、前方車両との車間距離を検出する車間距離センサを備え、
前記走行状態判断部は、前記前方車両との車間距離が前記所定の車間距離閾値未満の場合に前記車両が安全な走行状態にないと判断する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器制御装置。
【請求項6】
さらに、前記車両の車線逸脱を検出する車線逸脱センサを備え、
前記走行状態判断部は、前記車線逸脱センサが前記車両の車線逸脱を検出した場合に前記車両が安全な走行状態にないと判断する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器制御装置。
【請求項7】
さらに、前記車両の進行方向を検出する進行方向検出センサを備え、
前記走行状態判断部は、前記進行方向検出センサが前記車両の進行方向が後方であることを検出した場合には前記車両が安全な走行状態にないと判断する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器制御装置。
【請求項8】
さらに、
前記車両の操舵角を検出する操舵角センサと、
前方車両との車間距離を検出する車間距離センサと、
前記車両の車線逸脱を検出する車線逸脱センサと、
前記車両の進行方向を検出する進行方向検出センサとを備え、
前記走行状態判断部は、
前記車両の操舵角が前記所定の操舵角閾値未満であり、前記前方車両との車間距離が前記所定の車間距離閾値以上であり、前記車線逸脱センサが前記車両の車線逸脱を検出しておらず、かつ、前記進行方向検出センサが前記車両の進行方向が後方であることを検出していない場合に、前記車両が安全な走行状態であると判断する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記走行状態判断部が前記車両が安全な走行状態にないと判断した場合には、前記表示部に画像を表示させない、または予め定められた画像を表示させる
請求項1〜8のいずれか1項に記載の車載機器制御装置。
【請求項10】
車両のステアリングホイールに設けられ、前記車両に搭載された機器の備える機能が複数割り当てられているステアリングスイッチと、前記車両のドライバが視認可能な位置に画像を表示する表示部とを備える車両に搭載された機器を制御する車載機器制御方法であって、
前記車両に搭載された機器に、前記ドライバが前記ステアリングスイッチを用いて選択した機能を実行させる機能制御ステップと、
前記車両が安全な走行状態にあるか否かを判断する走行状態判断ステップと、
前記走行状態判断ステップにおいて前記車両が安全な走行状態にあると判断された場合にのみ、前記ステアリングスイッチに割り当てられた前記複数の機能を示す画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと
を含む車載機器制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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