説明

車載機器特定装置

【課題】操作対象の車載機器の誤判定を防止すること及びコストを低減することの少なくとも一方を実現可能な車載機器特定装置を提供する。
【解決手段】車載機器特定装置12の車載機器特定手段72は、虹彩124又は瞳孔130が右側領域E3に位置していると検出した場合、顔向き検出手段80により検出された顔向きに基づいて特定されたエリアの右側のエリアに配置された車載機器群を特定し、虹彩124又は瞳孔130が左側領域E2に位置していると検出した場合には、顔向き検出手段80により検出された顔向きに基づいて特定されたエリアの左側のエリアに配置された車載機器群を特定し、虹彩124又は瞳孔130が中央領域E1に位置していると検出した場合には、顔向き検出手段80により検出された顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された車載機器群を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗員の注視方向を用いて複数の車載機器を特定可能とする車載機器特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、運転者の瞳孔の向き及び大きさを検出して車両の運転者が注視する車載機器21を制御対象として選択する。そして、ステアリングホイール50に設けられた操作入力手段28により操作可能とする(要約)。瞳孔の向きの検出に関し、特許文献1では、例えば、眼球に赤外線を照射すると共に、眼球を撮像して得た画像データから、瞳孔の位置及び角膜反射位置を検出し、その検出結果に基づいて、視線(すなわち、瞳孔の向き)を示す瞳孔向きデータを得る([0016])。また、瞳孔の大きさの検出に関し、特許文献1では、例えば、眼球の画像データから抽出した特徴点に基づいて瞳孔の大きさを求める([0016])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−105417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1では、運転者の瞳孔の向き及び大きさに基づいて制御対象となる車載機器21を選択するが、瞳孔は比較的小さいものであるため、誤差が大きくなり易く、選択すべき車載機器21を誤判定するおそれがある。また、適切な検出精度を確保するために高性能のカメラ及び高度な画像処理を実行するための演算装置を用いると、コストの増加につながってしまう。
【0005】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、操作対象の車載機器の誤判定を防止すること及びコストを低減することの少なくとも一方を実現可能な車載機器特定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車載機器特定装置は、車両に搭載される複数の車載機器と、前記車両の乗員を含む画像を撮像可能に前記車両に設けられる撮像手段と、前記撮像手段により撮像された前記画像に基づいて前記車両の車幅方向における前記乗員の顔の向き(以下「顔向き」という。)を検出する顔向き検出手段と、前記撮像手段により撮像された前記画像に基づいて前記車両の車幅方向における前記乗員の眼球の向き(以下「眼球向き」という。)を検出する眼球向き検出手段と、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づき前記複数の車載機器のうちいずれかの車載機器を特定する車載機器特定手段とを備え、前記複数の車載機器は、前記車幅方向にそれぞれ複数配置されていると共に、前記車幅方向において所定エリアごとに区切った複数の車載機器群に区分されており、前記眼球向き検出手段は、前記画像から前記乗員の目尻及び目頭と虹彩又は瞳孔とを認識して前記目尻と前記目頭の間を右側領域、左側領域及び中央領域に分割し、前記虹彩又は前記瞳孔が前記右側領域、前記左側領域及び前記中央領域のいずれに位置しているかを検出し、前記車載機器特定手段は、前記眼球向き検出手段が、前記虹彩又は前記瞳孔が前記右側領域に位置していると検出した場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定された前記エリアの右側のエリアに配置された前記車載機器群を特定し、前記眼球向き検出手段が、前記虹彩又は前記瞳孔が前記左側領域に位置していると検出した場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定された前記エリアの左側のエリアに配置された前記車載機器群を特定し、前記眼球向き検出手段が、前記虹彩又は前記瞳孔が前記中央領域に位置していると検出した場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された前記車載機器群を特定することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、乗員の顔向き及び眼球向きに基づいて車幅方向の車載機器又は車載機器群を特定する。従って、操作対象の検出精度を向上し、誤判定を防止すること及びコストを低減することの少なくとも一方を実現可能となる。
【0008】
例えば、顔向きのみから操作対象を特定する構成と比べた場合、眼球向きを用いる分、検出精度を上げることが可能となる。また、虹彩又は瞳孔の向きのみから操作対象を特定する構成と比べた場合、虹彩又は瞳孔よりも大きな顔の画像を用いる分、向きの特定が容易となるため、検出精度の向上又は演算処理の低減を図ることが可能となる。さらに、眼球向きの検出は、顔向きの検出と合わせて用いるため、眼球向きの検出のみを用いる場合と比べて検出精度を低くすることが可能となる。この点からも演算処理の低減を図ることが可能となる。
【0009】
前記車載機器特定手段は、前記虹彩又は前記瞳孔が前記右側領域に位置しており前記顔が正面よりも左に向いている場合、及び前記虹彩又は前記瞳孔が前記左側領域に位置しており前記顔が正面よりも右に向いている場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された前記車載機器群を特定してもよい。顔向きと眼球向きが逆の場合には乗員は特定の車載機器を注視しようとしているのではないと考えられる。このため、操作対象となる車載機器の特定が不要な場面で当該特定をすることに伴う誤作動を防止することが可能となる。
【0010】
前記車載機器特定手段は、前記撮像手段により前記眼球が検出されない場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された前記車載機器群を特定してもよい。眼球が検出されていない場合でも顔向きだけで操作対象の車載機器を特定できるため、車載機器特定装置を使用できない状態を減らすことが可能となる。
【0011】
前記顔向き検出手段は、前記顔向きが第1所定時間同一方向を向いている場合に検出を行い、前記眼球向き検出手段は、前記虹彩又は前記瞳孔が第2所定時間同一領域に位置している場合に検出を行い、前記第1所定時間は、前記第2所定時間よりも短くしてもよい。一般に、顔向きを変化させるよりも眼球向きを変化させる方が容易であると共に、運転中は、他の車両、歩行者及び信号の状態等、様々な情報を取得する必要があり、眼球向きが比較的激しくなる可能性がある。この発明では、顔向きの検出(特定)時間よりも眼球向きの検出(特定)時間を長くする。このため、操作対象を特定する意図がない眼球の短時間の動きにより車載機器の特定が誤って行われることを防止し易くなる。
【0012】
或いは、前記第1所定時間は、前記第2所定時間よりも長くしてもよい。眼球向きの検出(特定)時間を短くすることにより、操作対象の車載機器を特定する際、比較的短い時間、眼球向きを変化させればよいこととなる。これにより、操作対象の特定以外に用いることのできる眼球の動きの自由度を向上することが可能となる。
【0013】
この発明に係る車載機器特定装置は、車両において車幅方向に配置された複数の車載機器と、前記車両に設けられ前記車両の乗員を含む画像を撮像する撮像部と、前記画像に基づいて車幅方向における前記乗員の顔の向き(以下「顔向き」という。)を検出する顔向き検出部と、前記画像に基づいて前記車幅方向における前記乗員の顔に対する前記乗員の眼球の向き(以下「眼球向き」という。)を検出する眼球向き検出部と、前記顔向き及び前記眼球向きに基づき前記複数の車載機器から操作対象を特定する車載機器特定部とを備え、前記車載機器特定部は、前記眼球向きが前記乗員の顔の正面に向かって右側の第1位置よりも右寄りである場合には、前記顔向きの方向に位置する前記車載機器よりもさらに右側の1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定し、前記眼球向きが前記乗員の顔の正面に向かって左側の第2位置よりも左寄りである場合には、前記顔向きの方向に位置する前記車載機器よりもさらに左側の1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定し、前記眼球向きが前記乗員の顔の正面に向かって前記第1位置と前記第2位置の間にある場合には、前記顔向きの方向に位置する1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、乗員の顔向き及び眼球向きに基づいて車幅方向の車載機器又は車載機器群を特定する。従って、操作対象の検出精度を向上し、誤判定を防止すること及びコストを低減することの少なくとも一方を実現可能となる。
【0015】
例えば、顔向きのみから操作対象を特定する構成と比べた場合、眼球向きを用いる分、検出精度を上げることが可能となる。また、瞳孔の向きのみから操作対象を特定する構成と比べた場合、瞳孔よりも大きな顔の画像を用いる分、向きの特定が容易となるため、検出精度の向上又は演算処理の低減を図ることが可能となる。さらに、眼球向きの検出は、顔向きの検出と合わせて用いるため、眼球向き(瞳孔位置)の検出のみを用いる場合と比べて検出精度を低くすることが可能となる。この点からも演算処理の低減を図ることが可能となる。
【0016】
前記車載機器特定部は、前記眼球向きが前記乗員の顔に向かって前記第1位置よりも右寄りであり且つ前記顔が正面よりも左に向いている場合、又は前記眼球向きが前記乗員の顔に向かって前記第2位置よりも左寄りであり且つ前記顔が正面よりも右に向いている場合には、前記顔向きの方向に位置する1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定してもよい。顔向きと眼球向きが逆の場合には乗員は特定の車載機器を注視しようとしているのではないと考えられる。このため、操作対象となる車載機器の特定が不要な場面で当該特定をすることに伴う誤作動を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、乗員の顔向き及び眼球向きに基づいて車幅方向の車載機器又は車載機器群を特定する。従って、操作対象の検出精度を向上し、誤判定を防止すること及びコストを低減することの少なくとも一方を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態に係る車載機器特定装置としての車載機器操作装置を搭載した車両の全体ブロック図である。
【図2】前記車両のフロントウィンドウ周辺の外観図である。
【図3】前記車両のステアリングホイールの外観正面図である。
【図4】前記車両の後方ライトの外観斜視図である。
【図5】前記フロントウィンドウ周辺を5つの領域に区切った状態を示す図である。
【図6A】オーディオ装置の音量を変える場合の運転者の第1動作例を示す図である。
【図6B】オーディオ装置の音量を変える場合の運転者の第2動作例を示す図である。
【図6C】オーディオ装置の音量を変える場合の運転者の第3動作例を示す図である。
【図7A】ヘッドアップディスプレイ(HUD)を表示し、車速や燃費を確認する場合の運転者の第1動作例を示す図である。
【図7B】前記HUDを表示し、車速や燃費を確認する場合の運転者の第2動作例を示す図である。
【図7C】前記HUDを表示し、車速や燃費を確認する場合の運転者の第3動作例を示す図である。
【図8A】助手席側ウィンドウを開閉する場合の運転者の第1動作例を示す図である。
【図8B】助手席側ウィンドウを開閉する場合の運転者の第2動作例を示す図である。
【図8C】助手席側ウィンドウを開閉する場合の運転者の第3動作例を示す図である。
【図9】各車載機器の選択方法と操作方法の一覧を表示する図である。
【図10】各機能のボタン割当一覧を表示する図である。
【図11】各車載機器を選択又は操作するフローチャートである。
【図12】電子制御装置(以下「ECU」という。)が注視方向を検知するフローチャートである。
【図13A】顔向きと注視方向の間にずれが生じない場合を説明する側面図である。
【図13B】顔向きと注視方向の間にずれが生じない場合を説明する平面図である。
【図14A】顔向きと注視方向の間にずれが生じる場合を説明する側面図である。
【図14B】顔向きと注視方向の間にずれが生じる場合を説明する平面図である。
【図15A】虹彩が右寄りとなっている状態を示す図である。
【図15B】虹彩が中央に位置している状態を示す図である。
【図15C】虹彩が左寄りとなっている状態を示す図である。
【図16】眼球の向きを検出するフローチャートである。
【図17A】虹彩又は瞳孔の中心又は重心とエリアの比較及び虹彩又は瞳孔の面積とエリアの比較により判定する場合の第1説明図である。
【図17B】虹彩又は瞳孔の中心又は重心とエリアの比較及び虹彩又は瞳孔の面積とエリアの比較により判定する場合の第2説明図である。
【図18A】虹彩又は瞳孔の中心又は重心とエリアの比較及び虹彩又は瞳孔の面積とエリアの比較により判定する場合の第3説明図である。
【図18B】虹彩又は瞳孔の中心又は重心とエリアの比較及び虹彩又は瞳孔の面積とエリアの比較により判定する場合の第4説明図である。
【図19A】虹彩又は瞳孔の縦エッジ(左エッジ及び右エッジ)とエリアの比較により判定する場合の第1説明図である。
【図19B】虹彩又は瞳孔の縦エッジ(左エッジ及び右エッジ)とエリアの比較により判定する場合の第2説明図である。
【図20A】虹彩又は瞳孔の縦エッジ(左エッジ及び右エッジ)とエリアの比較により判定する場合の第3説明図である。
【図20B】虹彩又は瞳孔の縦エッジ(左エッジ及び右エッジ)とエリアの比較により判定する場合の第4説明図である。
【図21】顔向き及び眼球の向きの組合せと注視方向との関係を示す図である。
【図22A】図21の関係を説明するための第1具体例を示す図である。
【図22B】図21の関係を説明するための第2具体例を示す図である。
【図22C】図21の関係を説明するための第3具体例を示す図である。
【図23】前記ECUが操作対象機器を選択するフローチャートである。
【図24】運転者の注視方向が中央方向である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。
【図25】運転者の注視方向が正面方向である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。
【図26】運転者の注視方向が右方向である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。
【図27】運転者の注視方向が左方向である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。
【図28】前記ECUが操作対象機器を操作するフローチャートである。
【図29】ナビゲーション装置の操作を行うフローチャートである。
【図30】オーディオ装置の操作を行うフローチャートである。
【図31】エアコンディショナの操作を行うフローチャートである。
【図32】HUDの操作を行うフローチャートである。
【図33】ハザードランプの操作を行うフローチャートである。
【図34】運転者用のシートの操作を行うフローチャートである。
【図35】後方ライトの操作を行うフローチャートである。
【図36】運転席側ウィンドウの操作を行うフローチャートである。
【図37】助手席側ウィンドウの操作を行うフローチャートである。
【図38】図5の第1変形例として、フロントウィンドウ周辺を3つの領域に区切った状態を示す図である。
【図39】図5の第2変形例として、フロントウィンドウ周辺を8つの領域に区切った状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.全体的な構成の説明
[1−1.全体構成]
図1は、この発明の一実施形態に係る車載機器特定装置としての車載機器操作装置12(以下「操作装置12」ともいう。)を搭載した車両10の全体ブロック図である。図2は、車両10のフロントウィンドウ11周辺の外観図である。図1及び図2に示すように、操作装置12は、乗員カメラ14と、ステアリングホイール16に設けられた十字キー18と、複数の車載機器20と、複数のパイロットランプ22a〜22d(以下「パイロットランプ22」と総称する。)と、電子制御装置24(以下「ECU24」という。)とを有する。図2からもわかるように、本実施形態の車両10は、いわゆる右ハンドル車である。代わりに、左ハンドル車であっても同様の構成を採用することができる。
【0020】
[1−2.乗員カメラ14]
図2に示すように、乗員カメラ14は、図示しないステアリングコラムにおいて運転者の正面に設置され、運転者の顔の画像(以下「顔画像」という。)を取得する。乗員カメラ14の位置は、これに限らず、例えば、バックミラー26の周辺に配置してもよい。また、乗員カメラ14は、単一の方向から撮像するものに限らず、複数の方向から撮像するもの(いわゆるステレオカメラ)であってもよい。
【0021】
[1−3.十字キー18]
運転者は、十字キー18を用いて操作対象となる車載機器20(以下「操作対象機器」という。)の特定及び特定した車載機器20の操作入力を行うことができる。図3に示すように、十字キー18は、中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36及び右ボタン38を有する。なお、図2における十字キー18は、拡大して表示されている。十字キー18の操作方法については、後述する。
【0022】
[1−4.複数の車載機器20]
本実施形態において、複数の車載機器20(図1)には、ナビゲーション装置40と、オーディオ装置42と、エアコンディショナ44と、ヘッドアップディスプレイ46(以下「HUD46」という。)と、ハザードランプ48と、運転者用のシート50と、ドアミラー52と、後方ライト54と、運転席側ウィンドウ56と、助手席側ウィンドウ58とが含まれる。
【0023】
図4に示すように、後方ライト54はドアミラー52下部にある発光ダイオード(LED)で車両10の側面後方を照らすものである。
【0024】
[1−5.パイロットランプ22a〜22d]
本実施形態では、4つのパイロットランプ22a〜22dが設けられている。すなわち、中央に設けられたパイロットランプ22aと、正面に設けられたパイロットランプ22bと、右側に設けられたパイロットランプ22cと、左側に設けられたパイロットランプ22dとが含まれる。パイロットランプ22a〜22dは、後述する複数の車載機器群A〜D(又は「グループA〜D」ともいう。)のいずれが選択されているかを示す。
【0025】
[1−6.ECU24]
ECU24は、車載機器操作装置12(本実施形態では、特に、各車載機器20)を制御するものであり、図1に示すように、入出力装置60、演算装置62及び記憶装置64を備える。演算装置62は、注視方向検出機能70と、車載機器群特定機能72と、個別車載機器特定機能74と、車載機器制御機能76とを備える。
【0026】
本実施形態では、これらの機能70、72、74、76を用いることにより、各車載機器20を簡易に制御することができる。すなわち、運転者は、操作対象とする車載機器20(以下「操作対象機器」という。)が存在する車幅方向に視線又は顔を向けると共に、十字キー18を操作することにより、操作対象機器を制御することが可能である。なお、後述するように、その他の方法により操作対象機器を特定及び制御することもできる。
【0027】
注視方向検出機能70は、運転者(乗員)の顔向き及び視線方向(眼球向き)に基づいて、運転者の注視方向を検出する機能である。注視方向検出機能70は、運転者の顔向きを検出する顔向き検出機能80(顔向き検出手段又は顔向き検出部)と、運転者の視線方向(眼球向き)を検出する眼球向き検出機能82(眼球向き検出手段又は眼球位置検出部)とを備える。
【0028】
車載機器群特定機能72は、運転者の顔向き及び視線方向(眼球向き又は相対位置)に基づいて運転者の注視方向を検出し、当該注視方向に存在する車載機器群(グループA〜D)を特定する機能である。個別車載機器特定機能74は、車載機器群特定機能72に特定された車載機器群に含まれる複数の車載機器20の中から運転者の操作に応じて操作対象機器を特定する機能である。車載機器制御機能76は、個別車載機器特定機能74により特定された操作対象機器を、運転者の操作入力に応じて制御する機能である。
【0029】
2.本実施形態の制御の概要
上記のように、本実施形態では、運転者は、操作対象機器が存在する車幅方向に視線又は顔を向けると共に、十字キー18を操作することにより、操作対象機器を制御することが可能である。
【0030】
当該制御を実現するため、本実施形態では、まず乗員カメラ14が撮像した運転者の顔画像に基づいて顔向き及び眼球向き(眼球の相対位置)を検出し、これらに基づいて車幅方向における注視方向を判定する。その後、十字キー18の操作に基づいて高さ方向(上下方向)を特定する。これにより、操作対象機器を特定する。
【0031】
本実施形態において、車幅方向における注視方向としては、図5に示す5つの方向を設定している。すなわち、フロントウィンドウ11周辺を5つの領域A1〜A5に区切っている。より具体的には、中央方向の領域A1、正面方向の領域A2、右方向の領域A3、左方向の領域A4及びその他の方向の領域A5である。これらの各方向(グループA〜D)に対し、各車載機器20が割り当てられている。
【0032】
中央方向の領域A1には、ナビゲーション装置40、オーディオ装置42及びエアコンディショナ44(グループA)が割り当てられている。なお、図5等において、「ナビ」は「ナビゲーション装置」を意味し、「オーディオ」は「オーディオ装置」を意味し、「エアコン」は「エアコンディショナ」を意味する。
【0033】
正面方向の領域A2には、HUD46、ハザードランプ48及びシート50(グループB)が割り当てられている。なお、図5等において、「ハザード」は「ハザードランプ」を意味する。右方向の領域A3には、ドアミラー52、後方ライト54及び運転席側ウィンドウ56(グループC)が割り当てられ、左方向の領域A4には、ドアミラー52、後方ライト54及び助手席側ウィンドウ58(グループD)が割り当てられている。その他の方向の領域A5には何らの車載機器20も割り当てられていない。なお、本実施形態では、左右のドアミラー52は同時に展開及び格納させる。また、左右の後方ライト54は同時に操作する。
【0034】
ECU24(注視方向検出機能70)は、乗員カメラ14からの顔画像に基づき、顔向き及び眼球向き(眼球の相対位置)を検出し、これらを用いて運転者の注視方向を判定する。そして、ECU24(車載機器群特定機能72)は、判定した注視方向に基づいて車載機器群(グループA〜D)を特定する。次いで、十字キー18のうち押し下げられたボタン(ボタン30、32、34、36、38のいずれか)に応じて、操作対象機器を特定する。その後、十字キー18の操作に応じて操作対象機器を操作する。
【0035】
3.本実施形態における操作対象機器の選択方法と動作例
[3−1.オーディオ装置42の音量を変える場合]
図6A〜図6Cは、オーディオ装置42の音量を変える場合の運転者100の第1〜第3動作例を示す。まず、図6Aに示すように、運転者100は、5つの領域A1〜A5のうち、オーディオ装置42のある領域A1(中央方向)を見る又は顔を向ける。これにより、ECU24は、後述する注視方向判定技術を用いて車載機器群A(グループA)を特定する。なお、図6A中の矢印Xは、運転者100の注視方向を示している(その他の図においても同様である。)。なお、ここにいう注視方向Xは、基本的に、顔向きを眼球向きで補正したものである(詳細は後述する。)。
【0036】
図6Bにおいて、運転者100は、各車載機器20の位置関係(上から、ナビゲーション装置40、オーディオ装置42及びエアコンディショナ44)に対応した位置にある十字キー18を押し下げ、操作対象機器を決定する。すなわち、十字キー18のうちオーディオ装置42に対応するのは中央ボタン30なので、運転者100は、中央ボタン30を押し下げる。これにより、グループAが選択され、中央のパイロットランプ22aが点灯する。
【0037】
図6Cにおいて、運転者100は、十字キー18を操作することで、オーディオ装置42の音量を調整する。すなわち、上ボタン32を押す度に音量レベルが1増加し、下ボタン34を押す度に音量レベルが1減少する。この際、運転者100は、対象領域(グループAに対応する中央方向の領域A1)や車載機器20(ここでは、オーディオ装置42)を見る必要はなく、前方を見ながらでも操作対象機器(オーディオ装置42)の操作が可能である。操作対象機器の操作を終了するには、中央ボタン30を押し下げる。
【0038】
[3−2.HUD46を表示し、車速や燃費を確認する場合]
図7A〜図7Cは、HUD46を表示し、車速や燃費を確認する場合の運転者100の第1〜第3動作例を示す。まず、図7Aに示すように、運転者100は、5つの領域A1〜A5のうち、HUD46のある領域A2(正面方向)を見る又は顔を向ける。これにより、ECU24は、注視方向判定技術を用いて車載機器群B(グループB)を特定する。
【0039】
図7Bにおいて、運転者100は、各車載機器20の位置関係(上から、HUD46、ハザードランプ48及びシート50)に対応した位置にある十字キー18を押し下げ、操作対象機器を決定する。すなわち、十字キー18のうちHUD46に対応するのは上ボタン32なので、運転者100は、上ボタン32を押し下げる。これにより、正面のパイロットランプ22bが点灯する。
【0040】
図7Cにおいて、運転者100は、十字キー18を操作することで、HUD46の表示を切り替える。すなわち、上ボタン32を押す度に、HUD46の表示が、車速110→走行距離112→燃費114→車速110の順に切り替わる。反対に、下ボタン34を押す度に、HUD46の表示が、車速110→燃費114→走行距離112→車速110の順に切り替わる。車速110、走行距離112及び燃費114以外の表示(例えば、ガソリン量、バッテリの残容量又は走行可能距離)を行ってもよい。この際、運転者100は、対象領域(グループBに対応する正面方向の領域A2)や車載機器20(ここでは、HUD46)を見る必要はなく、前方を見ながらでも操作対象機器(HUD46)の操作が可能である。操作対象機器の操作を終了するには、中央ボタン30を押し下げる。これにより、HUD46が消灯する。
【0041】
[3−3.助手席側ウィンドウ58を開閉する場合]
図8A〜図8Cは、助手席側ウィンドウ58を開閉する場合の運転者100の第1〜第3動作例を示す。まず、図8Aに示すように、運転者100は、5つの領域A1〜A5のうち、助手席側ウィンドウ58のある領域A4(左方向)を見る又は顔を向ける。これにより、注視方向判定技術を用いて車載機器群D(グループD)を特定する。
【0042】
図8Bにおいて、運転者100は、各車載機器20の位置関係(上から、ドアミラー52、後方ライト54及び助手席側ウィンドウ58)に対応した位置にある十字キー18を押し下げ、操作対象機器を決定する。すなわち、十字キー18のうち助手席側ウィンドウ58に対応するのは上ボタン32及び下ボタン34なので、運転者100は、上ボタン32又は下ボタン34を押し下げる。これにより、左側のパイロットランプ22dが点灯する。
【0043】
なお、ドアミラー52及び後方ライト54の位置関係は上下に存在するが、助手席側ウィンドウ58については基準位置をどこに置くかにより、ドアミラー52及び後方ライト54との上下関係が逆転する。ここでは、助手席側ウィンドウ58の図示しない駆動部の位置を基準としたが、別の場所を基準位置とすることもできる。これに伴い、ドアミラー52、後方ライト54及び助手席側ウィンドウ58と各ボタンの対応関係は変更してもよい。但し、通常、ドアミラー52の展開及び格納が略水平方向に行われるのに対し、助手席側ウィンドウ58の開閉が略垂直方向に行われるため、それぞれの可動方向を考慮すると、ドアミラー52に左ボタン36及び右ボタン38を割り当て、助手席側ウィンドウ58に上ボタン32及び下ボタン34を割り当てる方が直感的な操作を行い易い。
【0044】
図8Cにおいて、運転者100は、十字キー18を操作することで、助手席側ウィンドウ58を開閉する。すなわち、下ボタン34を押す度に、助手席側ウィンドウ58が開き、上ボタン32を押す度に、助手席側ウィンドウ58が閉じる。この際、運転者100は、車載機器20(ここでは、助手席側ウィンドウ58)を見る必要はなく、前方を見ながらでも操作対象機器(助手席側ウィンドウ58)の操作が可能である。操作対象機器の操作を終了するには、中央ボタン30を押し下げる。
【0045】
4.車載機器20の選択方法と動作方法のまとめ
図9は、各車載機器20の選択方法と操作方法の一覧を表示し、図10は、各機能のボタン割当一覧を表示する。運転者100は、図9及び図10に沿った操作をすることにより、操作対象機器を簡易に操作することができる。
【0046】
5.具体的なフローチャート
[5−1.全体フロー]
図11は、各車載機器20を選択又は操作するフローチャートである。ステップS1において、ECU24は、乗員カメラ14が取得した運転者100の顔画像に基づいて運転者100の注視方向を検知する。ステップS2において、ECU24は、十字キー18のいずれかのボタンが押し下げられたか否かを判定する。いずれのボタンも押し下げられていない場合(S2:NO)、今回の処理を終える。いずれかのボタンが押し下げられた場合(S2:YES)、ステップS3において、ECU24は、現在、操作対象機器が選択中であるか否かを判定する。操作対象機器が選択中でない場合(S3:NO)、ステップS4において、ECU24は、運転者100による操作に応じて操作対象機器を選択する。操作対象機器が選択中である場合(S3:YES)、ステップS5において、ECU24は、運転者100による操作に応じて操作対象機器を制御する。
【0047】
[5−2.運転者100の注視方向の検知(図11のS1)]
(5−2−1.概要)
図12は、ECU24が注視方向を検知するフローチャート(図11のS1の詳細)である。ステップS11において、ECU24は、乗員カメラ14から運転者100の顔画像を取得する。ステップS12において、ECU24(顔向き検出機能80)は、顔画像から運転者100の顔向きを検出する。
【0048】
運転者の顔向きの検知は、例えば、次のような方法により行うことができる。すなわち、ECU24(顔向き検出機能80)は、乗員カメラ14から出力された顔画像に基づき、顔中心位置と、左右の顔端位置を検出する。そして、これらの検出結果に基づき、例えば、人の顔をシリンダ形状に近似して顔向きを算出する(シリンダ法)。なお、ここでの顔向きは、広義の意味で用いられており、頭の正面側のみならずその他の部分(例えば、後頭部)を含んでもよい。
【0049】
また、顔向きを判定する際は、同一の検出結果が所定時間{第1時間T1(例えば、0.1〜1.0秒間のいずれかの値)}続いた場合に顔向きを検出又は確定することができる。
【0050】
ステップS13において、ECU24(眼球向き検出機能82)は、顔画像から運転者100の眼球向き(眼球の相対位置)を検出する。これにより、運転者100の顔に対する眼球向き(眼球が顔の正面、左側又は右側のいずれを向いているのか)を検出する。換言すると、開いた状態の目の輪郭に対する虹彩又は瞳孔の一部又は全部の相対位置を検出する。眼球向きを判定する際は、同一の検出結果が所定時間{第2時間T2(例えば、0.8〜2.0秒間のいずれかの値)}続いた場合に眼球向きを検出又は確定することができる。本実施形態において、第2時間T2は、第1時間T1よりも所定程度(例えば、2〜10倍の範囲におけるいずれかの値の分)長く設定される。なお、眼球向きの検出は、片目又は両目のいずれで行ってもよい。両目を用いる場合、例えば、両目の平均値を用いることができる。眼球向きの検出の詳細については、後述する。
【0051】
ステップS14において、ECU24は、ステップS12において顔向きを検出できたか否かを判定する。顔向きを検出できた場合(S14:YES)、ステップS16に進む。顔向きを検出できなかった場合(S14:NO)、ステップS15において、ECU24は、注視方向を判定できなかったとして、操作対象機器の選択及び操作を行わずに今回の処理を終える。なお、顔向きが検出できない場合としては、例えば、暗がりのため乗員カメラ14の受光量が不足している場合、周囲が明る過ぎるため乗員カメラ14の受光量が飽和している場合を挙げることができる。
【0052】
ステップS16において、ECU24は、ステップS13において眼球向きを検出できたか否かを判定する。眼球向きを検出できた場合(S16:YES)、ステップS18に進む。眼球向きを検出できなかった場合(S16:NO)、ステップS17において、ECU24は、顔向きをそのまま注視方向として出力する。なお、眼球向きが検出できない場合としては、例えば、暗がりのため乗員カメラ14の受光量が不足している場合、周囲が明る過ぎるため乗員カメラ14の受光量が飽和している場合、眼鏡(サングラスを含む。)により眼球120の位置検出が困難な場合を挙げることができる。
【0053】
ステップS18において、ECU24は、顔向き及び眼球向きに基づいて注視方向を判定する。換言すると、顔向きに対応する注視方向を眼球向きに応じて補正する(注視方向補正処理)。そして、判定した注視方向をその後の処理のために出力する。当該判定の詳細については後述する。
【0054】
(5−2−2.注視方向補正処理の意味合い)
図13A及び図13Bは、顔向きYと注視方向Xの間にずれが生じない場合を説明する側面図及び平面図であり、図14A及び図14Bは、顔向きYと注視方向Xの間にずれが生じる場合を説明する図である。図13A及び図13Bに示すように、運転者100の目120(虹彩又は瞳孔)が運転者100の顔122の向きと同一方向を向いている場合、顔向きYと注視方向Xは一致する。一方、図14A及び図14Bに示すように、運転者100の目120(以下「眼球120」ともいう。)が運転者100の顔122の向きと異なる方向を向いている場合、顔向きYと注視方向Xは一致しない。このような場合、顔向きYのみを用いて操作対象機器を選択すると、運転者100の意図と異なる操作対象機器を選択してしまう。
【0055】
そこで、本実施形態の注視方向補正処理では、顔向きYを眼球120の向き(眼球120の相対位置)により補正した注視方向Xを用いる。
【0056】
(5−2−3.眼球120の向きの検出)
図15Aは、虹彩124が右寄りとなっている状態を示す図であり、図15Bは、虹彩124が中央に位置している状態を示す図であり、図15Cは、虹彩124が左寄りとなっている状態を示す図である。図15A〜図15Cは、運転者100の顔122の正面から目120を見ている(換言すると、乗員カメラ14の撮像方向で見ている)のに対し、図15A〜図15C中の文字「左」及び「右」が意味する左右は、運転者100から見ての左右である。このため、図15A〜図15C中の左右は、これらの図を見たときの左右と反対となっていることに留意されたい。なお、乗員カメラ14の撮像方法で表記しても実質的な内容に変化はない。
【0057】
図15A〜図15Cに示すように、本実施形態では、目120の輪郭を3つのエリア(中央エリアE1、左側エリアE2及び右側エリアE3)に分割する。そして、虹彩124がいずれのエリアに入っているかを判定して眼球120の向きを判定する。以下では、各エリアE1〜E3をまとめて注視判定エリアE又はエリアEともいう。
【0058】
図16は、眼球120の向きを検出するフローチャート(図12のS13の詳細)である。ステップS21において、ECU24は、注視判定エリアEを特定する。注視判定エリアEの特定に際し、ECU24は、目120の目尻126{目120の最も外側(右目であれば最も右側)}及び目頭128{目120の最も内側(右目であれば最も左側)}を顔画像から判定する。そして、目尻126と目頭128の間を3等分して各注視判定エリアEとする。
【0059】
なお、ここで検出する眼球向きは、車幅方向のみに関するものである。このため、少なくとも車幅方向の向き又は位置を判定することができれば、いずれのエリアE1〜E3に属するかを判定することも可能である。例えば、中央エリアE1と左側エリアE2の境界を示す車幅方向の位置(座標)を第1位置P1とし、中央エリアE1と右側エリアE3の境界を示す車幅方向の位置(座標)を第2位置P2とすることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、目尻126及び目頭128の特定を眼球120の向きの検出に際して行うが、これに限らず、顔向きYの検出に際して目尻126及び目頭128の特定を行ってもよい。
【0061】
ステップS22において、ECU24は、虹彩124又は瞳孔130(図17A等)が属するエリアEを判定する。当該判定は、例えば、虹彩124又は瞳孔130の中心又は重心とエリアEの比較、虹彩124又は瞳孔130の面積とエリアEの比較、虹彩124又は瞳孔130のエッジとエリアEの比較によることができる。
【0062】
図17A、図17B、図18A及び図18Bは、虹彩124若しくは瞳孔130の中心若しくは重心とエリアEの比較又は虹彩124若しくは瞳孔130の面積とエリアEの比較により判定する場合の第1〜第4説明図である。図17A、図17B、図18A及び図18Bはいずれも左目に関するものである。図17A及び図17Bは、瞳孔130が小さい場合であり、図18A及び図18Bは、瞳孔130が大きい場合である。また、図17A、図17B及び図18Aでは、縦方向における虹彩124又は瞳孔130の位置は略中央であるが、図18Bでは、縦方向における虹彩124又は瞳孔130の位置は下側に位置している。
【0063】
図17A及び図18Aでは、虹彩124/瞳孔130の中心/重心が左側エリアE2内にあり、虹彩124/瞳孔130の面積が最も大きいエリアが左側エリアE2である。従って、眼球120の向きは「左寄り」ということになる。図17B及び図18Bでは、虹彩124/瞳孔130の中心/重心が中央エリアE1内にあり、虹彩124/瞳孔130の面積が最も大きいエリアが中央エリアE1である。従って、眼球120の向きは「中央」ということになる。
【0064】
なお、上記のアルゴリズム以外も採用可能であり、例えば、虹彩124と強膜132(白色部)の面積の比率(虹彩124の面積/強膜132の面積)の大きさで判定してもよい。
【0065】
図19A、図19B、図20A及び図20Bは、虹彩124の縦エッジ(左エッジ134及び右エッジ136)とエリアEの比較により判定する場合の第1〜第4説明図である。図19A、図19B、図20A及び図20Bはいずれも左目に関するものである。図19A及び図19Bは、瞳孔130が小さい場合であり、図20A及び図20Bは、瞳孔130が大きい場合である。また、図19A、図19B及び図20Aでは、縦方向における虹彩124又は瞳孔130の位置は略中央であるが、図20Bでは、縦方向における虹彩124又は瞳孔130の位置は下側に位置している。虹彩124の縦エッジ(左エッジ134及び右エッジ136)は、画像処理により検出される。虹彩124の縦エッジの代わりに、瞳孔130の縦エッジを用いることもできる。
【0066】
図19Aでは、左エッジ134及び右エッジ136の中央を結ぶ中心が左側エリアE2内にある。従って、眼球120の向きは「左寄り」ということになる。図19B及び図20Bは、左エッジ134及び右エッジ136の中央を結ぶ中心が中央エリアE1内にある。従って、眼球120の向きは「中央」ということになる。図20Aでは、左エッジ134及び右エッジ136の中央を結ぶ中心が右側エリアE3内にある。従って、眼球120の向きは「右寄り」ということになる。
【0067】
なお、上記のアルゴリズム以外も採用可能であり、例えば、各エリアEに対する左エッジ134及び右エッジ136の位置により属するエリアEを判定してもよい。例えば、左エッジ134が左側エリアE2の真ん中よりも左側にある場合、左側エリアE2に属し、右エッジ136が右側エリアE3の真ん中よりも右側にある場合、右側エリアE3に属すると判定してもよい。或いは、左エッジ134と右エッジ136の長さの比率又は差で属するエリアEを判定することもできる。例えば、当該比率又は差が第1閾値を越えれば、左側エリアE2に属し、当該比率又は差が第2閾値を越えれば、右側エリアE3に属すると判定してもよい。
【0068】
(5−2−4.注視方向Xの判定)
図21は、顔向きY及び眼球120の向きの組合せと注視方向Xとの関係を示す図である。図22A〜図22Cは、図21の関係を説明するための第1〜第3具体例を示す図である。
【0069】
顔向きY及び眼球120の向きの組合せと注視方向Xとの関係に関する基本的考え方は、次の通りである。すなわち、眼球120の向きが正面である場合、顔向きYをそのまま注視方向Xとする。眼球120の向きが左寄り(左方向)である場合、顔向きYを左方向に補正したものを注視方向Xとする。眼球120の向きが右寄り(右方向)である場合、顔向きYを右方向に補正したものを注視方向Xとする。但し、顔122の向きと眼球120の向きが反対である場合、顔122の向きをそのまま用いる。
【0070】
本実施形態の場合、より具体的には、次のようにする。まず、顔向きYに対応する領域A1〜A5(図5)を特定する。また、眼球120の向きが正面である場合、顔向きYに対応する領域A1〜A5をそのまま用いる。眼球120の向きが左寄りである場合、顔向きYに対応する領域A1〜A5の1つ左側の領域を特定する。眼球120の向きが右寄りである場合、顔向きYに対応する領域A1〜A5の1つ右側の領域を特定する。
【0071】
但し、顔向きYと眼球120の向きが反対の場合は、顔向きYに対応する領域A1〜A5をそのまま用いる。顔122が左を向いている(すなわち、顔向きYが領域A1、A4、A5のいずれかに対応する)一方、眼球120の向きが右寄りである場合、顔向きYに対応する領域A1、A4、A5をそのまま用いる。同様に、顔122が右を向いている(すなわち、顔向きYが右方向の領域A3に対応する)一方、眼球120の向きが左寄りである場合、顔向きYに対応する領域A3をそのまま用いる。
【0072】
例えば、図21及び図22Aに示すように、顔向きYに対応する領域が中央方向の領域A1であり且つ眼球120の向きが中央である場合、顔向きYに対応する領域A1をそのまま注視方向Xとして用いる。
【0073】
図21及び図22Bに示すように、顔向きYに対応する領域が中央方向の領域A1であり且つ眼球120の向きが左寄りである場合、顔向きYに対応する領域A1の1つ左側の領域(その他の方向の領域A5)を注視方向Xとして用いる。
【0074】
図21及び図22Cに示すように、顔向きYに対応する領域が中央方向の領域A1であり且つ眼球120の向きが右寄りである場合、顔向きYに対応する領域A1をそのまま注視方向Xとして用いる。中央方向の領域A1は、正面方向の領域A2よりも左側であり、顔122は、左側を向いているのに対し、眼球120の向きがこれと反対の右寄り(右方向)であるためである。
【0075】
なお、上記では、眼球120の向きが左寄り又は右寄りである場合、領域A1〜A5を1つ左側又は右側にずらしたが、これに限らない。例えば、眼球120の向きを4段階以上に分ける場合、眼球120の向きに応じて領域A1〜A5(場合によっては、より多い又は少ない領域)を2段階以上左側又は右側にずらしてもよい。また、領域A1〜A5をずらすことに代えて、次のような方法を採ることもできる。すなわち、眼球120の向きに応じて顔向きY(角度)の補正量αを算出する。そして、検出した顔向きYに補正量αを加えた合計角度が領域A1〜A5のいずれに該当する。
【0076】
[5−3.操作対象機器の選択(図11のS4)]
(5−3−1.概要)
図23は、ECU24が操作対象機器を選択するフローチャートである。ステップS111において、ECU24は、図11のステップS1で特定した運転者100の注視方向(顔向きを眼球向きで補正したもの)が、中央、正面、右、左又はその他のいずれであるかを確認する。
【0077】
運転者100の注視方向が中央方向(領域A1)である場合、ステップS112において、ECU24は、中央方向の車載機器群、すなわち、ナビゲーション装置40、オーディオ装置42及びエアコンディショナ44からなるグループAを特定し、グループAの中から操作対象機器を選択する。
【0078】
運転者100の注視方向が正面方向(領域A2)である場合、ステップS113において、ECU24は、正面方向の車載機器群、すなわち、HUD46、ハザードランプ48及びシート50からなるグループBを特定し、グループBの中から操作対象機器を選択する。
【0079】
運転者100の注視方向が右方向(領域A3)である場合、ステップS114において、ECU24は、右方向の車載機器群、すなわち、ドアミラー52、後方ライト54及び運転席側ウィンドウ56からなるグループCを特定し、グループCの中から操作対象機器を選択する。
【0080】
運転者100の注視方向が左方向(領域A4)である場合、ステップS115において、ECU24は、左方向の車載機器群、すなわち、ドアミラー52、後方ライト54及び助手席側ウィンドウ58からなるグループDを特定し、グループDの中から操作対象機器を選択する。
【0081】
運転者100の注視方向がその他の方向(領域A5)である場合、ECU24は、いずれの車載機器20も選択せずに今回の処理を終える。
【0082】
(5−3−2.中央方向)
図24は、運転者100の注視方向が中央方向(領域A1)である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。ステップS121において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34又はその他のいずれであるかを判定する。
【0083】
押し下げられたボタンが上ボタン32である場合、ステップS122において、ECU24は、ナビゲーション装置40を選択し、中央のパイロットランプ22aを点灯させる。続くステップS123において、ECU24は、ナビゲーション装置40を操作対象機器として設定する。
【0084】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS124において、ECU24は、オーディオ装置42を選択し、中央のパイロットランプ22aを点灯させる。続くステップS125において、ECU24は、オーディオ装置42を操作対象機器として設定する。
【0085】
押し下げられたボタンが下ボタン34である場合、ステップS126において、ECU24は、エアコンディショナ44を選択し、中央のパイロットランプ22aを点灯させる。続くステップS127において、ECU24は、エアコンディショナ44を操作対象機器として設定する。
【0086】
押し下げられたボタンが上ボタン32、中央ボタン30及び下ボタン34のいずれでもない場合、ECU24は、今回の処理を終える。
【0087】
(5−3−3.正面方向)
図25は、運転者100の注視方向が正面方向(領域A2)である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。ステップS131において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32又は下ボタン34のいずれであるかを判定する。
【0088】
押し下げられたボタンが上ボタン32である場合、ステップS132において、ECU24は、HUD46を選択し、正面のパイロットランプ22bを点灯させる。続くステップS133において、ECU24は、HUD46をオンにする。これにより、フロントウィンドウ11にHUD46が表示される。ステップS134において、ECU24は、HUD46を操作対象機器として設定する。
【0089】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS135において、ECU24は、ハザードランプ48を選択し、中央のパイロットランプ22aを点灯させる。続くステップS136において、ECU24は、ハザードランプ48を点滅させる。ステップS137において、ECU24は、ハザードランプ48を操作対象機器として設定する。
【0090】
押し下げられたボタンが下ボタン34である場合、ステップS138において、ECU24は、シート50を選択し、中央のパイロットランプ22aを点灯させる。続くステップS139において、ECU24は、シート50を操作対象機器として設定する。
【0091】
押し下げられたボタンが上ボタン32、中央ボタン30及び下ボタン34のいずれでもない場合、ECU24は、今回の処理を終える。
【0092】
(5−3−4.右方向)
図26は、運転者100の注視方向が右方向(領域A3)である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。ステップS141において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38のいずれであるかを判定する。
【0093】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS142において、ECU24は、運転席側ウィンドウ56を選択し、右側のパイロットランプ22cを点灯させる。続くステップS143において、ECU24は、運転席側ウィンドウ56を開閉する。すなわち、下ボタン34が押し下げられている場合、運転席側ウィンドウ56を開き、上ボタン32が押し下げられている場合、運転席側ウィンドウ56を閉じる。ステップS144において、ECU24は、運転席側ウィンドウ56を操作対象機器として設定する。
【0094】
押し下げられたボタンが左ボタン36である場合、ステップS145において、ECU24は、ドアミラー52の状態(展開又は格納)を確認する。ドアミラー52が格納状態である場合、今回の処理を終える。ドアミラー52が展開状態である場合、ステップS146において、ECU24は、左右両方のドアミラー52を選択し、右側のパイロットランプ22cを点灯させる。
【0095】
ステップS147において、ECU24は、左右のドアミラー52を格納する。ステップS148において、ECU24は、左右のドアミラー52を選択して、右側のパイロットランプ22cを消灯する。
【0096】
押し下げられたボタンが右ボタン38である場合、ステップS149において、ECU24は、ドアミラー52の状態(展開又は格納)を確認する。ドアミラー52が展開状態である場合、今回の処理を終える。ドアミラー52が格納状態である場合、ステップS150において、ECU24は、左右両方のドアミラー52を選択し、右側のパイロットランプ22cを点灯させる。
【0097】
ステップS151において、ECU24は、左右のドアミラー52を展開する。ステップS152において、ECU24は、左右のドアミラー52を選択して、右側のパイロットランプ22cを消灯する。
【0098】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS153において、ECU24は、後方ライト54を選択し、右側のパイロットランプ22cを点灯させる。続くステップS154において、ECU24は、後方ライト54を点灯させる。ステップS155において、後方ライト54を操作対象機器として設定する。
【0099】
(5−3−5.左方向)
図27は、運転者100の注視方向が左方向(領域A4)である場合に操作対象機器を選択するフローチャートである。ステップS161において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが上ボタン32、中央ボタン30、下ボタン34、右ボタン38又は左ボタン36のいずれであるかを判定する。
【0100】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS162において、ECU24は、助手席側ウィンドウ58を選択し、左側のパイロットランプ22dを点灯させる。続くステップS163において、ECU24は、助手席側ウィンドウ58を開閉する。すなわち、下ボタン34が押し下げられている場合、助手席側ウィンドウ58を開き、上ボタン32が押し下げられている場合、助手席側ウィンドウ58を閉じる。ステップS164において、ECU24は、助手席側ウィンドウ58を操作対象機器として設定する。
【0101】
押し下げられたボタンが左ボタン36である場合、ステップS165において、ECU24は、ドアミラー52の状態(展開又は格納)を確認する。ドアミラー52が展開状態である場合、今回の処理を終える。ドアミラー52が格納状態である場合、ステップS166において、ECU24は、左右両方のドアミラー52を選択し、左側のパイロットランプ22dを点灯させる。
【0102】
ステップS167において、ECU24は、左右のドアミラー52を展開する。ステップS168において、ECU24は、左右のドアミラー52を選択して、左側のパイロットランプ22dを消灯する。
【0103】
押し下げられたボタンが右ボタン38である場合、ステップS169において、ECU24は、ドアミラー52の状態(展開又は格納)を確認する。ドアミラー52が格納状態である場合、今回の処理を終える。ドアミラー52が展開状態である場合、ステップS170において、ECU24は、左右のドアミラー52を選択し、左側のパイロットランプ22dを点灯させる。
【0104】
ステップS171において、ECU24は、左右のドアミラー52を格納する。ステップS172において、ECU24は、左右のドアミラー52を選択して、左側のパイロットランプ22dを消灯する。
【0105】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS173において、ECU24は、後方ライト54を選択し、左側のパイロットランプ22dを点灯させる。続くステップS174において、ECU24は、後方ライト54を点灯させる。ステップS175において、後方ライト54を操作対象機器として設定する。
【0106】
[5−4.操作対象機器の操作(図11のS5)]
(5−4−1.概要)
図28は、ECU24が操作対象機器を操作するフローチャートである。ステップS181において、ECU24は、図11のステップS4により選択中の操作対象機器を確認する。選択中の操作対象機器がナビゲーション装置40である場合、ステップS182において、ECU24は、ナビゲーション装置40の操作を行う。選択中の操作対象機器がオーディオ装置42である場合、ステップS183において、ECU24は、オーディオ装置42の操作を行う。選択中の操作対象機器がエアコンディショナ44である場合、ステップS184において、ECU24は、エアコンディショナ44の操作を行う。
【0107】
選択中の操作対象機器がHUD46である場合、ステップS185において、ECU24は、HUD46の操作を行う。選択中の操作対象機器がハザードランプ48である場合、ステップS186において、ECU24は、ハザードランプ48の操作を行う。選択中の操作対象機器がシート50である場合、ステップS187において、ECU24は、シート50の操作を行う。選択中の操作対象機器が後方ライト54である場合、ステップS188において、ECU24は、後方ライト54の操作を行う。選択中の操作対象機器が運転席側ウィンドウ56である場合、ステップS189において、ECU24は、運転席側ウィンドウ56の操作を行う。選択中の操作対象機器が助手席側ウィンドウ58である場合、ステップS190において、ECU24は、助手席側ウィンドウ58の操作を行う。
【0108】
(5−4−2.ナビゲーション装置40の操作)
図29は、ナビゲーション装置40の操作を行うフローチャートである。ステップS201において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38のいずれであるかを判定する。
【0109】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS202において、ECU24は、ナビゲーション装置40の表示の縮尺を変更する。すなわち、上ボタン32が押し下げられている場合、縮尺を拡大し、下ボタン34が押し下げられている場合、縮尺を縮小する。
【0110】
押し下げられたボタンが左ボタン36又は右ボタン38である場合、ステップS203において、ECU24は、ナビゲーション装置40の表示方向を切り替える。すなわち、左ボタン36が押し下げられた場合、表示方向を北向きとし、右ボタン38が押し下げられた場合、表示方向を車両10の進行方向とする。
【0111】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS204において、ECU24は、中央のパイロットランプ22aを消灯させる。続くステップS205において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0112】
(5−4−3.オーディオ装置42の操作)
図30は、オーディオ装置42の操作を行うフローチャートである。ステップS211において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38のいずれであるかを判定する。
【0113】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS212において、ECU24は、オーディオ装置42の音量を調整する。すなわち、上ボタン32が押し下げられている場合、音量を増大させ、下ボタン34が押し下げられている場合、音量を減少させる。
【0114】
押し下げられたボタンが左ボタン36又は右ボタン38である場合、ステップS213において、ECU24は、オーディオ装置42の選曲又は選局を切り替える。すなわち、左ボタン36が押し下げられている場合、前の楽曲又は前の放送局に切り替え、右ボタン38が押し下げられている場合、次の楽曲又は次の放送局に切り替える。
【0115】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS214において、ECU24は、中央のパイロットランプ22aを消灯させる。続くステップS215において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0116】
(5−4−4.エアコンディショナ44の操作)
図31は、エアコンディショナ44の操作を行うフローチャートである。ステップS221において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38のいずれであるかを判定する。
【0117】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS222において、ECU24は、エアコンディショナ44の設定温度を調整する。すなわち、上ボタン32が押し下げられている場合、設定温度を増加させ、下ボタン34が押し下げられている場合、設定温度を減少させる。
【0118】
押し下げられたボタンが左ボタン36又は右ボタン38である場合、ステップS223において、ECU24は、エアコンディショナ44の設定風量を調整する。すなわち、左ボタン36が押し下げられている場合、設定風量を減少させ、右ボタン38が押し下げられている場合、設定風量を増加させる。
【0119】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS224において、ECU24は、中央のパイロットランプ22aを消灯させる。続くステップS225において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0120】
(5−4−5.HUD46の操作)
図32は、HUD46の操作を行うフローチャートである。ステップS231において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34又はその他のいずれであるかを判定する。
【0121】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS232において、ECU24は、HUD46の表示情報を切り替える。例えば、上ボタン32が押し下げられている場合、車速110→走行距離112→燃費114→車速110→走行距離112、、、のように表示情報を切り替える(図7C参照)。下ボタン34が押し下げられている場合、車速110→燃費114→走行距離112→車速110→燃費114、、、のように表示情報を切り替える。
【0122】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS233において、ECU24は、正面のパイロットランプ22bを消灯させる。続くステップS234において、ECU24は、HUD46をオフにする。ステップS235において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0123】
押し下げられたボタンがその他のボタン(左ボタン36又は右ボタン38)である場合、そのまま今回の処理を終える。
【0124】
(5−4−6.ハザードランプ48の操作)
図33は、ハザードランプ48の操作を行うフローチャートである。ステップS241において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30又はその他のボタンのいずれであるかを判定する。
【0125】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS242において、ECU24は、ハザードランプ48を消灯する。続くステップS243において、ECU24は、正面のパイロットランプ22bを消灯させる。ステップS244において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0126】
押し下げられたボタンがその他のボタン(上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38)である場合、そのまま今回の処理を終える。
【0127】
(5−4−7.シート50の操作)
図34は、運転者100用のシート50の操作を行うフローチャートである。ステップS251において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38のいずれであるかを判定する。
【0128】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS252において、ECU24は、シート50の前後スライド調整を行う。すなわち、上ボタン32が押し下げられている場合、シート50を前進させ、下ボタン34が押し下げられている場合、シート50を後退させる。
【0129】
押し下げられたボタンが左ボタン36又は右ボタン38である場合、ステップS253において、ECU24は、シート50のリクライニング角度を調整する。すなわち、左ボタン36が押し下げられている場合、リクライニング角度を減少させ、右ボタン38が押し下げられている場合、リクライニング角度を増大させる。
【0130】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS254において、ECU24は、正面のパイロットランプ22bを消灯させる。続くステップS255において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0131】
(5−4−8.後方ライト54の操作)
図35は、後方ライト54の操作を行うフローチャートである。ステップS261において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30又はその他のボタンのいずれであるかを判定する。
【0132】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS262において、ECU24は、後方ライト54を消灯させる。続くステップS263において、ECU24は、点灯中の右側又は左側のパイロットランプ22c、22dを消灯させる。続くステップS264において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0133】
押し下げられたボタンがその他のボタン(上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36又は右ボタン38)である場合、そのまま今回の処理を終える。
【0134】
(5−4−9.運転席側ウィンドウ56の操作)
図36は、運転席側ウィンドウ56の操作を行うフローチャートである。ステップS271において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34又はその他のボタンのいずれであるかを判定する。
【0135】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS272において、ECU24は、運転席側ウィンドウ56を開閉する。すなわち、下ボタン34が押し下げられている場合、運転席側ウィンドウ56を開き、上ボタン32が押し下げられている場合、運転席側ウィンドウ56を閉じる。
【0136】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS273において、ECU24は、右側のパイロットランプ22cを消灯させる。続くステップS274において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0137】
押し下げられたボタンがその他のボタン(左ボタン36又は右ボタン38)である場合、そのまま今回の処理を終える。
【0138】
(5−4−10.助手席側ウィンドウ58の操作)
図37は、助手席側ウィンドウ58の操作を行うフローチャートである。ステップS281において、ECU24は、十字キー18のうち押し下げられたボタンが中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34又はその他のボタンのいずれであるかを判定する。
【0139】
押し下げられたボタンが上ボタン32又は下ボタン34である場合、ステップS282において、ECU24は、助手席側ウィンドウ58を開閉する。すなわち、下ボタン34が押し下げられている場合、助手席側ウィンドウ58を開き、上ボタン32が押し下げられている場合、助手席側ウィンドウ58を閉じる。
【0140】
押し下げられたボタンが中央ボタン30である場合、ステップS283において、ECU24は、左側のパイロットランプ22dを消灯させる。続くステップS284において、ECU24は、操作対象機器の選択を終了する。
【0141】
押し下げられたボタンがその他のボタン(左ボタン36又は右ボタン38)である場合、そのまま今回の処理を終える。
【0142】
6.本実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態によれば、運転者100の顔122の向き及び眼球120の向きに基づいて車載機器群(グループA〜D)を特定する。従って、操作対象機器の検出精度を向上し、誤判定を防止すること及びコストを低減することの少なくとも一方を実現可能となる。
【0143】
例えば、顔向きのみから操作対象を特定する構成と比べた場合、眼球向きを用いる分、検出精度を上げることが可能となる。また、虹彩124又は瞳孔130の向きのみから操作対象機器を特定する構成と比べた場合、虹彩124又は瞳孔130よりも大きな顔122の画像を用いる分、向きの特定が容易となるため、検出精度の向上又は演算処理の低減を図ることが可能となる。さらに、眼球120の向きの検出は、顔122の向きの検出と合わせて用いるため、眼球120の向きの検出のみを用いる場合と比べて検出精度を低くすることが可能となる。この点からも演算処理の低減を図ることが可能となる。
【0144】
本実施形態では、虹彩124又は瞳孔130が右側エリアE3に位置しており顔122が左に向いている場合、及び虹彩124又は瞳孔130が左側エリアE2に位置しており顔122が右に向いている場合には、顔向き検出機能80により検出された顔122の向きに基づいて特定されたエリアEに配置された車載機器群(グループA〜D)を特定する(図21及び図22C参照)。顔向きと眼球向きが逆の場合には運転者100は特定の車載機器20を注視しようとしているのではないと考えられる。このため、操作対象機器の特定が不要な場面で当該特定をすることに伴う誤作動を防止することが可能となる。
【0145】
本実施形態において、眼球120の向きが検出されない場合には、顔向き検出機能80により検出された顔122の向きに基づいて特定されたエリアEに配置された車載機器群(グループA〜D)を特定する(図12のS17)。眼球120が検出されていない場合でも顔122の向きだけで操作対象機器を特定できるため、車載機器特定装置12を使用できない状態を減らすことが可能となる。
【0146】
本実施形態では、顔向き検出機能80は、顔122の向きが第1時間T1同一方向を向いている場合に検出(又は検出結果の確定)を行い、眼球向き検出機能82は、虹彩124又は瞳孔130が第2時間T2同一エリアEに位置している場合に検出(又は検出結果の確定)を行い、第1時間T1は、第2時間T2よりも短い。一般に、顔向きを変化させるよりも眼球120の向きを変化させる方が容易であると共に、運転中は、他の車両、歩行者及び信号の状態等、様々な情報を取得する必要があり、眼球120の向きが比較的激しくなる可能性がある。本実施形態では、顔向きの検出(特定)時間よりも眼球120の向きの検出(特定)時間を長くする。このため、操作対象機器を特定する意図がない眼球120の短時間の動きにより車載機器20の特定が誤って行われることを防止し易くなる。
【0147】
7.変形例
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0148】
[7−1.搭載対象]
上記実施形態では、操作装置12を車両10に搭載したが、これに限らず、別の対象に搭載してもよい。例えば、操作装置12を船舶や航空機等の移動体に用いることもできる。また、移動体に限らず、対象者の注視方向を特定することを要する装置であれば、その他の装置であってもよい。
【0149】
[7−2.注視方向の検出]
注視方向Xの検出対象としての乗員は、運転者100に限らず、その他の乗員(助手席に座っている乗員、後部座席に座っている乗員等)であってもよい。
【0150】
上記実施形態では、フロントウィンドウ11周辺を5つの領域A1〜A5に区切ったが(図5)、領域の数は、これに限らない。例えば、図38のように、フロントウィンドウ11周辺を3つの領域A11〜A13に区切ることもできる。或いは、図39のように、フロントウィンドウ11周辺を8つの領域A21〜A28に区切ることもできる。
【0151】
上記実施形態では、眼球向きの検出又は確定に用いる第2時間T2を、顔向きの検出又は確定に用いる第1時間T1よりも長く設定したが、これに限らず、第2時間T2を第1時間T1よりも短く設定してもよい。眼球向きの検出又は確定時間を短くすることにより、操作対象の車載機器群(グループA〜D)を特定する際、比較的短い時間、眼球向きを変化させればよいこととなる。これにより、操作対象の特定以外に用いることのできる眼球の動きの自由度を向上することが可能となる。なお、第1時間T1は、例えば、0.5〜2.0秒間のいずれかの値とし、第2時間T2は、例えば、0.2〜1.0秒間のいずれかの値とし、第1時間T1は、第2時間T2より所定程度(例えば、2〜10倍のいずれか)長くすることができる。
【0152】
[7−3.操作対象機器の特定]
上記実施形態では、車両10の車幅方向の特定を顔向き及び眼球向きに基づいて行い、車両10の高さ方向の特定を十字キー18の操作により行ったが、車幅方向の特定を顔向き及び眼球向きに基づいて行うものであれば、これに限らない。例えば、車両10の高さ方向の特定を顔向き及び眼球の向きの少なくとも一方に基づいて行うこともできる。或いは、高さ方向に含まれる車載機器20を1つのみ設定し、車幅方向の特定に伴って車載機器20を特定するようにすることもできる。
【0153】
上記実施形態では、図11、図12、図16、図23〜図27のフローチャートを用いて操作対象機器を特定したが、車両10の車幅方向において車載機器群(グループA〜D)を特定し、その後、車両10の高さ方向において操作対象機器を特定するものであれば、操作対象機器の特定方法は、これに限らない。例えば、図11のフローチャートでは、ステップS2において十字キー18においていずれかのボタンが押し下げられたか否かを判定しているが、当該判定は省略すること(例えば、図23のステップS111と組み合わせること)もできる。また、図24〜図27のフローチャートでは、選択した操作対象機器に対応させてパイロットランプ22を点灯させたが、パイロットランプ22を点灯させなくてもよい。
【0154】
[7−4.操作手段]
上記実施形態では、操作対象機器を特定するために運転者100(乗員)が操作する手段(操作手段)として、十字キー18を用いたが、車両機器群(グループA〜D)において上下方向に配置されている車載機器20を特定又は選択することができるものであれば、これに限らない。例えば、上記実施形態の十字キー18は、中央ボタン30、上ボタン32、下ボタン34、左ボタン36及び右ボタン38を有していたが、上ボタン32及び下ボタン34のみの構成又は中央ボタン30、上ボタン32及び下ボタン34のみの構成であってもよい。或いは、各ボタンが連結されている構成(例えば、特許文献1の図4に示されるような十字ボタン)であってもよい。また、上記実施形態の十字キー18の各ボタンは、いわゆるプッシュ式スイッチの類であったが(図3参照)、スライドスイッチ、レバースイッチ等その他の種類のスイッチであってもよい。
【0155】
上記実施形態では、十字キー18が、車載機器群(グループA〜D)において操作対象機器を特定するための手段と、特定した操作対象機器を操作するための手段段との両方を兼ねていたが、特定した操作対象機器を操作するための手段は別に設けることもできる。
【0156】
上記実施形態では、十字キー18をステアリングホイール16に設けたが、十字キー18を設ける位置は、これに限らない。例えば、ステアリングコラムやインスツルメントパネルのいずれかの位置に設けることもできる。
【0157】
[7−5.車載機器20及び車載機器群]
上記実施形態では、複数の車載機器20として、ナビゲーション装置40、オーディオ装置42、エアコンディショナ44、HUD46、ハザードランプ48、シート50、ドアミラー52、後方ライト54、運転席側ウィンドウ56及び助手席側ウィンドウ58を挙げたが、車両10の乗員が操作可能な複数の車載機器が車幅方向に配置されていれば、これに限らない。このため、各領域A1〜A5に配置される車載機器は1つであってもよい。
【符号の説明】
【0158】
10…車両
12…車載機器操作装置(車載機器特定装置)
14…乗員カメラ(撮像手段、撮像部) 20…車載機器
24…ECU
72…車載機器群特定機能(車載機器特定手段/車載機器特性部の一部)
74…個別車載機器特定機能(車載機器特定手段/車載機器特性部の一部)
80…顔向き検出機能(顔向き検出手段、顔向き検出部)
82…眼球向き検出機能(眼球向き検出手段、眼球向き検出部)
100…運転者(乗員) 120…眼球
122…顔 124…虹彩
130…瞳孔 E1…中央エリア
E2…左側エリア E3…右側エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される複数の車載機器と、
前記車両の乗員を含む画像を撮像可能に前記車両に設けられる撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記画像に基づいて前記車両の車幅方向における前記乗員の顔の向き(以下「顔向き」という。)を検出する顔向き検出手段と、
前記撮像手段により撮像された前記画像に基づいて前記車両の車幅方向における前記乗員の眼球の向き(以下「眼球向き」という。)を検出する眼球向き検出手段と、
前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づき前記複数の車載機器のうちいずれかの車載機器を特定する車載機器特定手段と
を備え、
前記複数の車載機器は、前記車幅方向にそれぞれ複数配置されていると共に、前記車幅方向において所定エリアごとに区切った複数の車載機器群に区分されており、
前記眼球向き検出手段は、前記画像から前記乗員の目尻及び目頭と虹彩又は瞳孔とを認識して前記目尻と前記目頭の間を右側領域、左側領域及び中央領域に分割し、前記虹彩又は前記瞳孔が前記右側領域、前記左側領域及び前記中央領域のいずれに位置しているかを検出し、
前記車載機器特定手段は、
前記眼球向き検出手段が、前記虹彩又は前記瞳孔が前記右側領域に位置していると検出した場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定された前記エリアの右側のエリアに配置された前記車載機器群を特定し、
前記眼球向き検出手段が、前記虹彩又は前記瞳孔が前記左側領域に位置していると検出した場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定された前記エリアの左側のエリアに配置された前記車載機器群を特定し、
前記眼球向き検出手段が、前記虹彩又は前記瞳孔が前記中央領域に位置していると検出した場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された前記車載機器群を特定する
ことを特徴とする車載機器特定装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載機器特定装置において、
前記車載機器特定手段は、
前記虹彩又は前記瞳孔が前記右側領域に位置しており前記顔が正面よりも左に向いている場合、及び前記虹彩又は前記瞳孔が前記左側領域に位置しており前記顔が正面よりも右に向いている場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された前記車載機器群を特定する
ことを特徴とする車載機器特定装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車載機器特定装置において、
前記車載機器特定手段は、
前記撮像手段により前記眼球が検出されない場合には、前記顔向き検出手段により検出された前記顔向きに基づいて特定されたエリアに配置された前記車載機器群を特定する
ことを特徴とする車載機器特定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器特定装置において、
前記顔向き検出手段は、前記顔向きが第1所定時間同一方向を向いている場合に検出を行い、
前記眼球向き検出手段は、前記虹彩又は前記瞳孔が第2所定時間同一領域に位置している場合に検出を行い、
前記第1所定時間は、前記第2所定時間よりも短い
ことを特徴とする車載機器特定装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載機器特定装置において、
前記顔向き検出手段は、前記顔向きが第1所定時間同一方向を向いている場合に検出を行い、
前記眼球向き検出手段は、前記虹彩又は前記瞳孔が第2所定時間同一領域に位置している場合に検出を行い、
前記第1所定時間は、前記第2所定時間よりも長い
ことを特徴とする車載機器特定装置。
【請求項6】
車両において車幅方向に配置された複数の車載機器と、
前記車両に設けられ前記車両の乗員を含む画像を撮像する撮像部と、
前記画像に基づいて車幅方向における前記乗員の顔の向き(以下「顔向き」という。)を検出する顔向き検出部と、
前記画像に基づいて前記車幅方向における前記乗員の顔に対する前記乗員の眼球の向き(以下「眼球向き」という。)を検出する眼球向き検出部と、
前記顔向き及び前記眼球向きに基づき前記複数の車載機器から操作対象を特定する車載機器特定部と
を備え、
前記車載機器特定部は、
前記眼球向きが前記乗員の顔の正面に向かって右側の第1位置よりも右寄りである場合には、前記顔向きの方向に位置する前記車載機器よりもさらに右側の1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定し、
前記眼球向きが前記乗員の顔の正面に向かって左側の第2位置よりも左寄りである場合には、前記顔向きの方向に位置する前記車載機器よりもさらに左側の1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定し、
前記眼球向きが前記乗員の顔の正面に向かって前記第1位置と前記第2位置の間にある場合には、前記顔向きの方向に位置する1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定する
ことを特徴とする車載機器特定装置。
【請求項7】
請求項6記載の車載機器特定装置において、
前記車載機器特定部は、
前記眼球向きが前記乗員の顔に向かって前記第1位置よりも右寄りであり且つ前記顔が正面よりも左に向いている場合、又は前記眼球向きが前記乗員の顔に向かって前記第2位置よりも左寄りであり且つ前記顔が正面よりも右に向いている場合には、前記顔向きの方向に位置する1つ又は複数の前記車載機器から前記操作対象を特定する
ことを特徴とする車載機器特定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図15C】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図18A】
image rotate

【図18B】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate

【図20A】
image rotate

【図20B】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22A】
image rotate

【図22B】
image rotate

【図22C】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate