説明

車載機器

【課題】ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で認識させることができる車載機器を提供する。
【解決手段】アルバムに収められた複数の楽曲を再生する車載機器において、前記アルバムの各楽曲を再生するときに当該アルバムに対応付けられた画像を表示する表示手段を備え、前記表示手段には、前記アルバムに収められた楽曲数に応じた数の識別図形を前記画像に重ねて表示し、或いは前記画像を前記アルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分に区画して表示し、前記識別図形、或いは前記区画部分のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の前記識別図形、或いは前記区画部分を認識可能に表示する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲を再生可能に構成された車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載される車載機器として、楽曲を再生可能に構成された車載機器が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の車載機器では、再生中のアルバムを一目で認識できるように、例えばCDジャケットの絵や演奏者の写真などのアルバムに対応付けられた画像を、楽曲の再生に伴って表示するものがある。
また、この種の車載機器では、再生中の楽曲および再生中のアルバムに収められた複数の楽曲の曲名や演奏時間などを認識できるように、ユーザーの操作に応じて、アルバムに収められた複数の楽曲の曲名や演奏時間などをリスト表示する楽曲リスト画面を表示し、この楽曲リスト画面において再生中の楽曲を識別可能に表示するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−129162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、再生するアルバムを選択する際に、アルバム内の再生済み楽曲数を把握して、未だ聴いていない曲を多く含むアルバムを選択したいというニーズがある。上記従来の車載機器によれば、アルバムに収められた複数の楽曲を順番に再生しているときには、楽曲リスト画面で、再生中の楽曲のアルバムの収録曲順における順番を確認することでアルバム内の再生済み楽曲数を把握できる。
しかし、上記従来の車載機器では、アルバム内の再生済み楽曲数を把握するために、アルバムに対応付けられた画像を表示する画面から楽曲リスト画面への切り替え操作が必要であるうえ、アルバムに収められた楽曲の数が多く、楽曲リストを一画面に表示できない場合には、楽曲リスト画面の切り替え操作が必要となり、かかる操作が運転操作の妨げとなるという問題がある。
さらに、アルバム内の楽曲をランダムに再生する所謂シャッフル再生中には、楽曲リスト画面に再生中の楽曲を識別可能に表示するだけでは、アルバムの収録曲順と再生順番とが対応していないため、現在再生中の楽曲のアルバムの収録曲順における順番から再生済み楽曲数を把握することが困難であり、別途、再生済み楽曲数を確認するための操作が必要となるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で認識させることができる車載機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、アルバムに収められた複数の楽曲を再生する車載機器において、前記アルバムの各楽曲を再生するときに当該アルバムに対応付けられた画像を表示する表示手段を備え、前記表示手段には、前記アルバムに収められた楽曲数に応じた数の識別図形を前記画像に重ねて表示し、或いは前記画像を前記アルバムに収められた楽曲数に応じて区画して表示し、前記識別図形、或いは前記区画のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の前記識別図形、或いは前記区画を認識可能に表示することを特徴とする。
前記車載機器において、前記識別図形のそれぞれを、前記アルバムに対応付けられた画像の背景部分に配置しても良い。
前記車載機器において、前記識別図形、或いは前記区画を並べて表示し、前記識別図形、或いは前記区画のうち、前記アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番に対応した並び番目の前記識別図形、或いは前記区画を認識可能に表示しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アルバムに収められた楽曲数に応じた数の識別図形をアルバムに対応付けられた画像に重ねて表示し、或いはアルバムに対応付けられた画像をアルバムに収められた楽曲数に応じて区画して表示し、各識別図形、或いは各区画のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の識別図形、或いは区画を認識可能に表示するので、一つの画面に、アルバムを認識するための情報、アルバムに収められた楽曲数の情報、及びアルバム内の再生済み楽曲数の情報を表示できる。これにより、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る車載オーディオ装置の機能ブロック図である。
【図2】第1実施形態におけるアルバム画像を模式的に示す図である。
【図3】第1実施形態におけるディスプレイ装置の表示画面を模式的に示す図である。
【図4】第1実施形態における画像情報表示処理のフローチャートである。
【図5】変形例におけるディスプレイ装置の表示画面を模式的に示す図である。
【図6】第2実施形態におけるディスプレイ装置の表示画面を模式的に示す図である。
【図7】第2実施形態における画像情報表示処理のフローチャートである。
【図8】変形例におけるディスプレイ装置の表示画面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明に係る車載機器の一態様として、車載オーディオ装置を説明する。
車載オーディオ装置1は、例えば自動車などの車両の車室内に設けられる機器であって、CDやDVD等の光学ディスクやUSBメモリなどの半導体メモリといった記録媒体に記録されたアルバムに収められた複数の楽曲のデータを再生し車室内に音声出力する。
【0010】
図1は、車載オーディオ装置1の機能的構成を示す図である。
図1に示すように、車載オーディオ装置1は、マイコン3と、光ディスク読取部5と、USBメモリ読取部7と、オーディオDSP9と、操作部11と、表示部13とを備えている。マイコン3は、各部を中枢的に制御するものであり、例えばCPUやROM、RAM等を備えて構成されている。光ディスク読取部5は、CDやDVD等の光ディスク15に記録されているアルバムのデータ中の楽曲データを読み取りマイコン3に出力する。アルバムのデータには、各楽曲の楽曲データや演奏時間データ収録曲順データや総曲数データなどが含まれている。USBメモリ読取部7は、USBメモリ17に記録されているアルバムのデータ中の楽曲データを読み取りマイコン3に出力する。なお、USBメモリ17に代えて、携帯型音楽再生装置をUSBケーブルを通じて接続し、当該携帯型音楽再生装置に記録されているアルバムのデータ中の楽曲データをUSBメモリ読取部7で読み取る構成としても良いことは勿論である。
【0011】
マイコン3は、光ディスク読取部5やUSBメモリ読取部7から入力された楽曲データのデジタル音声信号をオーディオDSP9に出力する。なお、楽曲データが所定のコーデックで符号化されている場合にはデコードしてデジタル音声信号をオーディオDSP9に出力する。オーディオDSP9は、デジタル音声信号にエコライズ等の各種の音響効果を付与し車両に設けたアンプ装置19に出力する。アンプ装置19は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/Aコンバータ、及びアナログ音声信号を増幅する増幅器(共に図示せず)を備え、このアナログ音声信号を車両に設けたスピーカ装置21に出力する。
【0012】
操作部11は、タッチキー23を有するタッチパネル25と、操作ボタン27を有するスイッチ29と、操作検出信号を出力する検出回路(不図示)とを備え、ユーザーによる操作を検出して操作検出信号をマイコン3に出力する。
表示部13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のディスプレイ装置31を備え、マイコン3の制御の下、各種の情報を表示する。
【0013】
ところで、アルバムのデータには、アルバムに対応付けられた画像(以下、アルバム画像33という)のデータが含まれている場合がある。アルバム画像33は、例えば図2に示すような人物の写真の画像や、CDジャケットの絵の画像などである。
車載オーディオ装置1は、再生中の楽曲が属するアルバムをユーザーが一目で認識できるように、アルバムのデータにアルバム画像33のデータが含まれている場合には、当該アルバムに収められた各楽曲を再生するときに、ディスプレイ装置31にアルバム画像33を表示する構成となっている。
【0014】
すなわち、マイコン3は、光ディスク読取部5またはUSBメモリ読取部7を介して、光ディスク15やUSBメモリ17などの記録媒体に記録されたアルバムのデータに、アルバム画像33のデータが含まれているか否かを判定し、アルバム画像33のデータが含まれていると判定した場合には、当該アルバム画像33のデータを取得する。そして、マイコン3は、表示部13を制御して、ディスプレイ装置31にアルバム画像33を表示させる。
【0015】
また、車載オーディオ装置1は、ユーザーが、再生中の楽曲および再生中のアルバムに収められた各楽曲の曲名や演奏時間などを認識できるように、ユーザーの操作に基づいて、ディスプレイ装置31にアルバムに収められた各楽曲の曲名や演奏時間などをリスト表示する楽曲リスト画面を表示し、さらに、この楽曲リスト画面において、現在再生中の楽曲を識別可能に表示する構成となっている。
すなわち、マイコン3は、光ディスク15やUSBメモリ17から、アルバムに収められた各楽曲の曲名、演奏時間、収録曲順、総曲数などを取得する。マイコン3は、ユーザーの操作により、操作部11から所定の操作検出信号が入力された場合には、表示部13を制御して、アルバムに収められた各楽曲の曲名や演奏時間をアルバムの収録曲順通りに並べた楽曲リスト画面を表示させる。また、マイコン3は、この楽曲リスト画面において、再生中の楽曲を識別可能に、例えば表示色を変更して表示させる。
【0016】
ところで、再生するアルバムを選択する際に、アルバム内の再生済み楽曲数を把握して、未だ聴いていない曲を多く含むアルバムを選択したいというニーズがある。
このニーズに対しては、アルバムに収められた各楽曲を順番に再生しているときには、ディスプレイ装置31に楽曲リスト画面を表示させ、再生中の楽曲のアルバムの収録曲順における順番を確認することでアルバム内の再生済み楽曲数を把握できる。
【0017】
しかし、この場合、アルバム内の再生済み楽曲数を把握するために、アルバム画像33を表示する画面から楽曲リスト画面への切り替え操作が必要であるうえ、アルバムに収められた楽曲数が多く、リストを一画面に表示できない場合には、楽曲リスト画面の切り替え操作が必要となり、かかる操作が運転操作の妨げとなるという問題がある。
さらに、アルバム内の楽曲をランダムに再生する所謂シャッフル再生中には、楽曲リスト画面に再生中の楽曲を識別可能に表示するだけでは、アルバムの収録曲順と再生順番とが対応していないため、現在再生中の楽曲のアルバムの収録曲順における順番から再生済み楽曲数を把握することが困難であり、別途、再生済み楽曲を確認するための操作が必要となるという問題がある。
【0018】
そこで、本実施形態では、アルバムの各楽曲を再生するときに、当該アルバムのデータにアルバム画像33のデータが含まれている場合には、アルバムに収められた楽曲数に応じた数、例えばアルバムに収められた楽曲数と同数のチェックボックス37(図3参照)をアルバム画像33に重ねて表示し、チェックボックス37のうち、再生済みの楽曲数に応じた数、例えば再生済みの楽曲数と同数のチェックボックス37(図3参照)をチェックマーク有りの態様として認識可能に表示する構成としている。
【0019】
すなわち、マイコン3は現在までの楽曲の再生履歴情報を記憶する。この再生履歴情報は、例えば過去に再生した楽曲または現在再生中の楽曲の曲名、アルバム名、および再生した順番の情報である。
また、マイコン3は、上述した再生履歴情報に基づいて、現在再生中の楽曲が属するアルバムと、直前に再生した楽曲が属するアルバムが同一であるか否か、すなわちアルバムが切り替わったか否かを判定する。
【0020】
そして、アルバムが切り替わったと判定し、現在再生中の楽曲が属するアルバムのデータにアルバム画像33のデータが含まれている場合には、マイコン3は、表示部13を制御して、ディスプレイ装置31に、図3に示すように、アルバムに収められた楽曲の数と同数のチェックボックス37をアルバム画像33に重ねて表示させる。このとき、マイコン3は、上述した再生履歴情報に基づいて、アルバムに収められた各楽曲が再生済みか否かを判定する。そして、この判定結果に基づいて、再生済みの楽曲数と同数のチェックボックス37を、チェックマーク有りの態様で表示させ、未再生の楽曲と同数のチェックボックス37を、チェックマーク無しの態様で表示させる。
これにより、一つの画面に、アルバムを認識するための情報と、アルバムに収められた楽曲数の情報と、アルバム内の再生済み楽曲数の情報とをそれぞれ認識可能に表示でき、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で認識させることができる。
なお、本実施形態では、アルバムに収められた楽曲数に応じた数のチェックボックス37をアルバム画像33に重ねて表示し、チェックボックス37のうち、再生済みの楽曲数に応じた数のチェックボックス37をチェックマーク有りの態様として認識可能に表示する画面を、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35と称する。
【0021】
具体的には、アルバムに収められた楽曲の総数が10曲であり、そのうち2曲が再生済みである場合には、図3に示すように、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35には、アルバム画像33に、アルバムに収められた楽曲の総数と同数すなわち10個のチェックボックス37が重ねて表示される。この10個のチェックボックス37のうち、再生済み楽曲の数と同数すなわち2個のチェックボックス37がチェックマーク有りの態様で表示され、他の8個のチェックボックス37がチェックマーク無しの態様で表示される。これにより、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバムに収められた楽曲の総数が10曲であり、そのうち2曲が再生済みであることを一目で認識させることができる。
なお、チェックボックス37の総数はアルバムに収められた楽曲数に応じた数であれば良く、例えばアルバムに収められた楽曲数の2倍の数としても良い。また、すべてのチェックボックス37のうち区別して認識可能に表示するチェックボックス37の数は、再生済みの楽曲数に応じた数であれば良く、例えば再生済み楽曲数の2倍の数としても良い。
【0022】
図2に示すように、アルバム画像33は前景部分39と背景部分41とに大別される。
ここで、本実施形態において、前景部分39とは、アルバム画像33の主要題材部分を指し、背景部分とは、前景部分39を除く残余の部分を指す。
アルバム画像33の主要題材部分とは、アルバムをユーザーが識別するための図像である。この図像としては、ユーザーがアルバムを識別可能にするための情報を伝達できるものであれば、像、文字、図形、記号等の任意の形態を用いることができる。
例えば、像としては、アーティストの人物像などを用いることができ、文字としてはアルバム名やアーティスト名や楽曲名を示す文字を用いることができ、図形や記号としては、アーティストを示す図形や記号を用いることができる。
【0023】
ところで、チェックボックス37がアルバム画像33の前景部分39に重ねて表示された場合には、アルバムの認識が妨げられる虞がある。
そこで、本実施形態では、ユーザーがアルバムを確実に認識できるように、マイコン3は、アルバム画像33の背景部分41を識別する背景識別処理を行い、図3に示すように、各チェックボックス37を、アルバム画像33の背景部分41に配置して表示させる。
【0024】
また、アルバムに収められた各楽曲のうち、未再生の楽曲を選択して再生したいというニーズがある。そこで、本実施形態では、アルバムに収められた各楽曲のうち何曲目が再生済みであるか一目で認識できるように、マイコン3は、ディスプレイ装置31に、アルバム画像33にチェックボックス37を重ねて表示させる際に、チェックボックス37を並べて表示させ、チェックボックス37のうち、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番に対応した並び番目のチェックボックス37を認識可能に表示させる。
【0025】
すなわち、マイコン3は、アルバムに収められた楽曲数に応じた数のチェックボックス37を、所定の並び順で並べて配置する。また、マイコン3は、アルバムのデータおよび再生履歴情報を参照し、アルバムの収録曲順における再生済み楽曲の順番を特定し、この再生済み楽曲の順番と同じ並び番目のチェックボックス37をチェックマーク有りの態様で表示させる。
【0026】
具体的には、アルバムに収められた楽曲の総数が10曲であり、アルバムの収録曲順における3曲目および8曲目が再生済みである場合には、例えば図3に示すように、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35において、10個のチェックボックス37が、画面右部に5行2列に並べて配置される。この5行2列の並びにおいては、上から1行目の左側が1番目、上から1行目の右側が2番目、上から2行目の左側が3番目・・・上から5行目の右側が10番目となる。
なお、以下の説明では、上から一行目のチェックボックス37を左からチェックボックス37A、チェックボックス37B、上から2行目のチェックボックス37を左からチェックボックス37C、チェックボックス37D、・・・と称し、必要に応じて各チェックボックス37を区別する。
【0027】
本実施形態では、3番目のチェックボックス37Cと、8番目のチェックボックス37Hとが、チェックマーク有りの態様で表示される。一方、1番目のチェックボックス37A、2番目のチェックボックス37B、4番目〜7番目のチェックボックス37D〜チェックボックス37G、9番目のチェックボックス37I、および10番目チェックボックス37Jが、チェックマーク無しの態様で表示される。
これにより、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35に、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番の情報を表示でき、アルバムに収められた楽曲の総数が10曲であり、アルバムの収録曲順における3曲目および8曲目が再生済みであることをユーザーに一目で認識させることができる。
【0028】
次いで、ディスプレイ装置31に、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35を表示する際に、マイコン3が行う画像情報表示処理について説明する。
図4に示すように、楽曲の再生が開始されると(ステップS1)、まず、マイコン3は、アルバムが切り替わったか否かを判定する(ステップS2)。アルバムが切り替わったと判定した場合には(ステップS2:Yes)、再生中の楽曲が属するアルバムのデータに、アルバム画像33のデータが含まれているか否かを判定する(ステップS3)。アルバム画像33のデータが含まれていると判定した場合には、(ステップS3:Yes)、光ディスク15やUSBメモリ17などの記録媒体からアルバム画像33のデータを取り込み(ステップS4)、アルバム画像33の背景部分41を識別する背景識別処理を行う(ステップS5)。
【0029】
次いで、マイコン3は、アルバムに収められた楽曲の総数を取得し(ステップS6)、アルバムに収められた楽曲数に応じた数のチェックボックス37をアルバム画像33に重ねた画面のデータを生成する(ステップS7)。このとき、各チェックボックス37は、アルバム画像33の背景部分41に、所定の並び順で並べて配置される。
【0030】
次に、マイコン3は、再生履歴情報に基づいて、アルバムに収められた各楽曲について再生済みか否かを判定する(ステップS8)。判定対象の楽曲が再生済みである場合には(ステップS7:Yes)、アルバムの収録曲順における当該楽曲の順番に対応した並び番目のチェックボックス37をチェックマーク有りの態様とし(ステップS8)、未再生である場合には(ステップS7:No)、アルバムの収録曲順における当該楽曲の順番に対応した並び番目のチェックボックス37をチェックマーク無しの態様とし(ステップS9)、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35のデータを生成する。
そして、マイコン3は、表示部13を制御して、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35をディスプレイ装置31に表示させ(ステップS10)、処理を終了する。
なお、アルバムが切り替わっていない場合(ステップS2:No)、再生中の楽曲が属するアルバムのデータに、アルバム画像33のデータが含まれていない場合(ステップS3:No)には、マイコン3は本処理を終了する。
【0031】
この処理により、アルバムが切り替わったとき、現在再生中の楽曲が属するアルバムのデータにアルバム画像33のデータが含まれている場合には、ディスプレイ装置31に、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35が表示される。
このアルバム及び再生済み楽曲確認画面35においては、アルバムを認識するための情報、アルバムに収められた楽曲数の情報、アルバム内の再生済み楽曲数の情報、及びアルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番の情報が、それぞれ認識可能に同時に表示示されるので、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバムに収められた各楽曲のうち、アルバムの収録曲順における何曲目が再生済みであるか、ユーザーに一目で認識させることができる。また、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35においては、チェックボックス37のそれぞれが、アルバム画像33の背景部分41に配置されるので、チェックボックス37がアルバムの認識を妨げることを防止して、ユーザーに再生中のアルバムを確実に認識させることができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、アルバムの各楽曲を再生するときにアルバム画像33を表示するディスプレイ装置31を備え、ディスプレイ装置31には、アルバムに収められた楽曲数に応じた数のチェックボックス37をアルバム画像33に重ねて表示し、チェックボックス37のうち、再生済みの楽曲数に応じた数のチェックボックス37をチェックマーク有りの態様として認識可能に表示するので、一つのアルバム及び再生済み楽曲確認画面35に、アルバムを認識するための情報、アルバムに収められた楽曲数の情報、及びアルバム内の再生済み楽曲数の情報を表示できる。これにより、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で認識させることができる。
【0033】
また、本実施形態では、アルバム画像33にチェックボックス37を重ねて表示する際に、チェックボックス37のそれぞれを、アルバム画像33の背景部分41に配置するので、例えばアルバム画像33が演奏者の写真である場合に前景部分39である演奏者にチェックボックス37が重なることなどを防止できる。すなわちチェックボックス37がアルバムの認識を妨げることを防止して、ユーザーに再生中のアルバムを確実に認識させることができる。
また、本実施形態では、アルバム画像33にチェックボックス37を重ねて表示する際に、チェックボックス37を並べて表示し、チェックボックス37のうち、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番に対応した並び番目のチェックボックス37をチェックマーク有りの態様として認識可能に表示するので、一つのアルバム及び再生済み楽曲確認画面35に、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番の情報を表示できる。これにより、アルバムに収められた各楽曲のうち、アルバムの収録曲順における何曲目が再生済みであるか、ユーザーに一目で認識させることができる。
【0034】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。
例えば、本実施形態では、アルバム及び再生済み楽曲確認画面35において、チェックボックス37を、アルバム画像33の背景部分41のうち右側の領域に5行2列にまとめて並べた構成を例示したが、チェックボックス37の並び方はこれに限定されず、図5に示すように背景部分41に散乱するように並べても良い。この場合、デザイン性を向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、楽曲が再生済みであるか否かを示すために、再生済みの楽曲に対応するチェックボックス37をチェックマーク有りの態様とし、未再生の楽曲に対応するチェックボックス37をチェックマーク無しの態様とする構成を例示したが、楽曲が再生済みであるか否かを示す方法はこれに限定されず、例えば、再生済みの楽曲に対応する識別図形と、未再生の楽曲に対応する識別図形とを異なる形状や異なる色などで表示する構成としても良い。
【0036】
<第2実施形態>
第1実施形態では、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で把握できるように、アルバムに収められた楽曲数に応じた数のチェックボックス37をアルバム画像33に重ねて表示し、チェックボックス37のうち、再生済みの楽曲数に応じた数のチェックボックス37を認識可能に表示する構成とした。
これに対して、本実施形態では、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で把握できるように、アルバム画像をアルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分に区画して表示し、区画部分のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の区画部分を認識可能に表示する構成としている。なお、本実施形態の車載オーディオ装置の機能的構成は、第1実施形態の構成と同様であるため、図示及び説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、アルバムが切り替わったと判定し、現在再生中の楽曲が属するアルバムのデータにアルバム画像133(図6参照)のデータが含まれている場合には、マイコン3は、アルバム画像133(図6参照)をアルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分145(図6参照)に区画する画像分割処理を行う。また、マイコン3は、再生済みの楽曲数に応じた数の区画部分145(図6参照)を認識可能に表示するための表示効果処理を行う。なお、本実施形態では、アルバム画像133(図6参照)をアルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分145(図6参照)に区画して表示し、区画部分145(図6参照)のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の区画部分145(図6参照)を認識可能に表示する画面を、アルバム及び再生済み楽曲確認画面135と称する。
【0038】
具体的には、アルバムに収められた楽曲の総数が9曲であり、アルバムの収録曲順における4曲目および8曲目が再生済みである場合には、ディスプレイ装置31には、例えば図6Aに示すように、アルバム及び再生済み楽曲確認画面135が表示される。このアルバム及び再生済み楽曲確認画面135においては、アルバム画像133が縦横の分割線143によりアルバムに収められた楽曲の総数と同数の9個の区画部分145に区画されて表示され、9個の区画部分145のうち、再生済み楽曲の数と同数すなわち2個の区画部分145が例えば半透明のマスク色が重ねられた態様で表示され、他の7個の区画部分145がそのままの態様で表示される。これにより、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバムに収められた楽曲の総数が9曲であり、そのうち2曲が再生済みであることを一目で認識させることができる。
【0039】
なお、区画部分145の総数はアルバムに収められた楽曲数に応じた数であれば良く、例えばアルバムに収められた楽曲数の2倍の数としても良い。また、認識可能に表示する区画部分145の数は、再生済みの楽曲数に応じた数であれば良く、例えば再生済みの楽曲数の2倍の数としても良い。また、再生済みの楽曲数に応じた数の区画部分145の表示態様は、他の区画部分145と区別して認識可能な表示態様であればよく、半透明のマスク色が重ねられた態様に限定されない。
【0040】
また、9個の区画部分145は、3行3列に並んでいる。この3行3列の並びにおいては、上から1行目の左側が1番目、中央が2番目、右側が3番目、上から2行目の左側が4番目・・・となる。
以下の説明では、上から一行目の区画部分145を左から区画部分145A、区画部分145B、区画部分145C、上から2行目の区画部分145を左から区画部分145D、区画部分145E、区画部分145F、・・・と称し、必要に応じて各区画部分145を区別する。
本実施形態では、4番目の区画部分145Dおよび8番目の区画部分145Hが、半透明のマスク色が重ねられた態様で表示され、1〜3番目の区画部分145A〜145C、5〜7番目の区画部分145E〜G、および9番目の区画部分145Iがそのままの態様で表示される。これにより、アルバム及び再生済み楽曲確認画面135に、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番の情報を表示でき、アルバムに収められた楽曲の総数が9曲であり、アルバムの収録曲順における4曲目および8曲目が再生済みであることをユーザーに一目で認識させることができる。
【0041】
また、アルバムに収められた楽曲の総数が9曲であり、9曲全てが未再生である場合には、ディスプレイ装置31には、図6Bに示すように、アルバム画像133が縦横の分割線143によりアルバムに収められた楽曲の総数と同数の9個の区画部分145に分割されて表示され、この9個の区画部分145がそのまま表示される。これにより、アルバムに含まれている楽曲の総数が9曲であり、9曲すべてが未再生であることをユーザーに一目で認識させることができる。
【0042】
以下に、ディスプレイ装置31に、アルバム及び再生済み楽曲確認画面135を表示する際に、マイコン3が行う画像情報表示処理について説明する。
図7に示すように、楽曲の再生が開始されると(ステップS101)、まず、マイコン3は、アルバムが切り替わったか否かを判定する(ステップS102)。アルバムが切り替わったと判定した場合には(ステップS102:Yes)、再生中の楽曲が属するアルバムのデータに、アルバム画像133のデータが含まれているか否かを判定する(ステップS103)。アルバム画像133のデータが含まれていると判定した場合には、(ステップS103:Yes)、光ディスク15やUSBメモリ17などの記録媒体からアルバム画像133のデータを取り込む(ステップS104)。
次に、マイコン3は、アルバムに収められた楽曲の総数を取得し(ステップS105)、アルバム画像133を、アルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分145(図6参照)に区画する画像分割処理を行う(ステップS106)。
【0043】
次に、マイコン3は、再生履歴情報に基づいて、アルバムに収められた各楽曲について再生済みか否かを判定する(ステップS107)。判定対象の楽曲が再生済みである場合には(ステップS107:Yes)、アルバムの収録曲順における当該楽曲の順番に対応する並び番目の区画部分145に半透明のマスク色を重ねる表示効果処理を行い(ステップS108)、未再生である場合には(ステップS107:No)、アルバムの収録曲順における当該楽曲の順番に対応する並び番目の区画部分145をそのままの態様とする表示効果処理を行い(ステップS109)、アルバム及び再生済み楽曲確認画面135のデータを生成する。
そして、マイコン3は、このアルバム及び再生済み楽曲確認画面135を、表示部13を制御してディスプレイ装置31に表示させ(ステップS110)、処理を終了する。
なお、アルバムが切り替わっていない場合(ステップS102:No)、再生中の楽曲が属するアルバムのデータに、アルバム画像133のデータが含まれていない場合(ステップS103:No)には、マイコン3は本処理を終了する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、アルバムの各楽曲を再生するときにアルバム画像133を表示するディスプレイ装置31を備え、ディスプレイ装置31には、アルバム画像133をアルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分145に区画して表示し、区画部分145のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の区画部分145を半透明のマスク色を重ねた態様で認識可能に表示するので、1つのアルバム及び再生済み楽曲確認画面135に、アルバムを認識するための情報、アルバムに収められた楽曲数の情報、及びアルバム内の再生済み楽曲数の情報を表示できる。これにより、ユーザーに再生中のアルバムを認識させつつ、アルバム内の再生済み楽曲数を一目で認識させることができる。
また、本実施形態では、アルバム画像133に区画部分145を重ねて表示する際に、区画部分145を並べて表示し、区画部分145のうち、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番に対応した並び番目の区画部分145を半透明のマスク色を重ねた態様で認識可能に表示するので、アルバム及び再生済み楽曲確認画面135に、アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番の情報を含めて表示できる。これにより、アルバムに収められた各楽曲のうち、アルバムの収録曲順における何曲目が再生済みであるか、ユーザーに一目で認識させることができる。
【0045】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。
例えば、本実施形態では、アルバム画像133を縦横の分割線143により分割する構成を例示したが、アルバム画像133の分割方法はこれに限定されず、図8に示すように放射状に延びる分割線147により分割しても良い。これにより、デザインの自由度を向上させることができる。
また、上述した実施形態において、車載機器として車載オーディオ装置を例示したが、これに限らず、カーナビゲーション装置等の他の車載機器にも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 車載オーディオ装置(車載機器)
31 ディスプレイ装置(表示手段)
33、133 アルバム画像(アルバムに対応付けられた画像)
35、135 アルバム及び再生済み楽曲確認画面
37 チェックボックス(識別図形)
41 背景部分
145 区画部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルバムに収められた複数の楽曲を再生する車載機器において、
前記アルバムの各楽曲を再生するときに当該アルバムに対応付けられた画像を表示する表示手段を備え、
前記表示手段には、前記アルバムに収められた楽曲数に応じた数の識別図形を前記画像に重ねて表示し、或いは前記画像を前記アルバムに収められた楽曲数に応じた数の区画部分に区画して表示し、前記識別図形、或いは前記区画部分のうち、再生済みの楽曲数に応じた数の前記識別図形、或いは前記区画部分を認識可能に表示することを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記識別図形のそれぞれを、前記アルバムに対応付けられた画像の背景部分に配置したことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記識別図形、或いは前記区画部分を並べて表示し、前記識別図形、或いは前記区画部分のうち、前記アルバムの収録曲順における再生済みの楽曲の順番に対応した並び番目の前記識別図形、或いは前記区画部分を認識可能に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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