車載用イオン発生装置
【課題】車両用空気調和機のダクトに取り付けられる車載用イオン発生装置において、ダクトの帯電をすばやく中和し、車室内に効率よくイオンを供給できるようにする。
【解決手段】車両用空気調和機本体1に接続されるダクト2に取り付けられるイオン発生装置10は、正負イオンを同時に放出できるものである。空気調和機本体1が運転中である時、または空気調和機本体1が運転を開始した時にイオン発生装置10が運転を開始したときは、イオン発生装置10は、ダクト2の帯電を中和する帯電中和モードで運転される。帯電中和モードは、イオン発生装置10の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モード、またはイオン発生装置10の運転開始時に正イオンのみを発生させる運転モードである。
【解決手段】車両用空気調和機本体1に接続されるダクト2に取り付けられるイオン発生装置10は、正負イオンを同時に放出できるものである。空気調和機本体1が運転中である時、または空気調和機本体1が運転を開始した時にイオン発生装置10が運転を開始したときは、イオン発生装置10は、ダクト2の帯電を中和する帯電中和モードで運転される。帯電中和モードは、イオン発生装置10の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モード、またはイオン発生装置10の運転開始時に正イオンのみを発生させる運転モードである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空気調和機に組み合わせて用いられる車載用イオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両(自動車)に対する空気調和機の装備は、今では当然のことと考えられている。近年では、単に車内温度を調節するばかりでなく、車内空気を改質して乗員により高い快適感を与えることに目が向けられるようになっている。その例を特許文献1、2に見ることができる。
【0003】
特許文献1に記載された車両用空調装置は、空調装置本体の内部にイオン発生器を有し、マイナスイオンを含む空気を放出することによって快適感を高め、またプラスイオンを含む空気を放出することによって車室内の除菌を行えるようになっている。
【0004】
特許文献2に記載された車両用空調装置は、イオン発生手段及びオゾン発生手段を備え、イオンを車室内に供給して車室内の除塵を行うイオン除塵モードと、オゾンで蒸発器とその周辺部材の除菌を行うオゾン殺菌モードを選択的に、または同時に実施できるようになっている。
【0005】
特許文献3には、車両用空気調和機に限定される訳ではないが、空気中に正イオンH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンO2-(H2O)n(nは任意の自然数)を同時に放出し、空気中の浮遊細菌やカビ菌を殺菌する方法及びその方法を実施する空気調和機が開示されている。
【0006】
特許文献4には、正負イオンを空調ダクト経由で搬送する構造が開示されている。ここではダクトの内面に導電性を有する部材を設け、この部材をアース電位に接続することにより、ダクト内面の帯電を防止し、イオンの電荷が中和されることを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−73437号公報
【特許文献2】特開2010−42750号公報
【特許文献3】特許第3773767号公報
【特許文献4】特開2006−349289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
正イオンにせよ負イオンにせよ、車両用空気調和機のダクトを通じて車室にイオンを供給すると、途中でイオンの数が減少して行くことが知られている。これは、ダクトが帯電しており、帯電部分にイオンが衝突することにより、イオンの電荷が中和されてしまうためである。そのため、帯電が解消されるまではダクトから放出される正負イオンのイオンバランスが悪くなり、ねらいとする除菌や消臭の効果が得られにくくなってしまう。イオン発生装置で発生させたイオンは、できるだけ途中で減少させることなく効率的に供給することが求められる。
【0009】
車両用空気調和機のダクトには、複雑な形状を成型する必要があることから、また組み付け時の扱いやすさから、材料として、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、熱可塑性エラストマー(TPE)などが使用されることが多い。これらの材料は絶縁性が高いため帯電しやすく、イオンの搬送には不向きであると言わざるを得ない。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、車両用空気調和機のダクトに取り付けられる車載用イオン発生装置において、ダクトの帯電をすばやく中和し、車室内に効率よくイオンを供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、車両用空気調和機のダクトに取り付けられるイオン発生装置は、正負イオンを同時に放出できるものであるとともに、前記空気調和機の運転中または運転開始時に運転を開始したときは、前記ダクトの帯電を中和する帯電中和モードで運転される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の車載用イオン発生装置において、前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モードである。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の車載用イオン発生装置において、前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時に正イオンのみを発生させる運転モードである。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の車載用イオン発生装置において、前記ダクトから吹き出されるイオンのイオンバランスを検知するイオン検知手段を備え、イオンバランスが悪ければバランスが改善するまで前記帯電中和モードの運転が継続される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、車両用空気調和機の運転中または運転開始時に、当該車両用空気調和機のダクトに取り付けられたイオン発生装置が運転を開始したときは、当該イオン発生装置は、ダクトの帯電を中和する帯電中和モードで運転されるから、ダクトの帯電をすばやく除去し、車室内に効率よくイオンを供給できる態勢を速やかに確立できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】車両用空気調和機のダクトにイオン発生装置が取り付けられた様子を示す概略図で、ダクトが帯電している時の状況を示すものである。
【図2】図1と同様の概略図で、ダクトの帯電が中和した状況を示すものである。
【図3】イオン発生素子の構造図である。
【図4】イオン発生素子に電圧印加を行う電圧印加回路図である。
【図5】イオン発生素子の各端子の動作波形を示す図である。
【図6】風量とイオン放出量の関係を示すグラフである。
【図7】第1実施形態に係るイオン発生装置のブロック構成図である。
【図8】第1実施形態に係るイオン発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係るイオン発生装置のブロック構成図である。
【図10】第2実施形態に係るイオン発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係るイオン発生装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に車両用空気調和機の概略構造を示す。車両用空気調和機は、車両用空気調和機本体1と、車両用空気調和機本体1に接続されたダクト2により構成される。車両用空気調和機本体1は、送風機3と、図示しない熱交換器を備える。送風機3が吹き出す空気はダクト2を通じて車室内に供給される。ダクト2は先端に吹出口2aを有する他、途中にイオン発生装置10が取り付けられている。イオン発生装置10は正イオンH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンO2-(H2O)n(nは任意の自然数)を同時に生成することができるものである。
【0018】
イオン発生装置10には図3に示すイオン発生素子11が搭載されている。イオン発生素子11は板状の誘電体12の上に第1放電部13と第2放電部14を形成したものである。第1放電部13には、放電電極13a、誘導電極13b、接続端子13c、及び接続端子13dが含まれる。第2放電部14には、放電電極14a、誘導電極14b、接続端子14c、及び接続端子14dが含まれる。第1放電部13の放電電極13aと誘導電極13bの間、及び第2放電部14の放電電極14aと誘導電極14bの間にそれぞれ後述の電圧印加を行い、放電電極13aの近傍と放電電極14aの近傍で放電を行うことにより、正負イオンを発生させる。
【0019】
イオン発生素子11に対し、図4に示す電圧印加回路20で高圧の電圧を印加する。電圧印加回路20の中心になるのはトランス21である。トランス21は一次側巻線21aと二次側巻線21b、21cを備え、二次側巻線21bにはイオン発生素子11の放電電極13aと誘導電極13bが接続され、二次側巻線21cにはイオン発生素子11の放電電極14aと誘導電極14bが接続されている。一次側巻線20aは、電源22(車載バッテリーから電流が供給される)、入力抵抗23、整流ダイオード24、スイッチング素子25、コンデンサ26、及びダイオード27により構成される一次側駆動回路に接続される。
【0020】
放電電極13aには、二次側巻線21bに加え、ダイオード28のカソードとダイオード29のアノードが接続される。ダイオード28のアノードとダイオード29のカソードはそれぞれ切換リレー30の選択端子に接続されるものであって、ダイオード28のアノードは選択端子30bに接続され、ダイオード29のカソードは選択端子30aに接続される。切換リレー30の共通端子30cは抵抗31を介して接地端子、または電源22の片側に接続される。放電電極14aはダイオード32を介して接地端子、または電源22の片側に接続される。
【0021】
トランス21の一次側では、電源22の電圧により、入力抵抗23及び整流ダイオード24を介してコンデンサ26が充電される。コンデンサ26の電圧が規定値以上になるとスイッチング素子25がONになり、一次側巻線21aに電圧が印加される。その直後、コンデンサ26に蓄積された電荷は一次側巻線21aとスイッチング素子25を通じて放電され、コンデンサ26の電圧はゼロに戻る。その後、コンデンサ26の充電が再開される。このようにしてコンデンサ26は充放電を繰り返し、一次側巻線21aには断続的に電流が流れることになる。一次側巻線21aに電流が流れると、二次側巻線21b、21cに高圧が発生する。
【0022】
次に、イオン発生素子11の動作電圧波形について説明する。トランス21の二次側巻線21b、21cの両端には、図5(a)のような交番電圧のインパルス波形が印加される。二次側巻線21b、21cに接続されるダイオード29、32の向きは、図4に示す通り逆向きである。放電電極13a、誘導電極13b、放電電極14a、誘導電極14bの電圧は、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード29、32が接続される側)の電位を基準とするとき、電圧波形が図5の(b)(c)(d)(e)に示す通りとなる。すなわち図5(a)の波形がそれぞれマイナスとプラスにバイアスされた波形となる。
【0023】
電圧印加回路20において、切換リレー30が選択端子30a側に切り換えられていると、放電電極13aと誘導電極13bは、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード29が接続される側)の電位を基準とするとき、共にマイナス電位であり、負イオンが発生する。切換リレー30が選択端子30b側に切り換えられていると、放電電極13aと誘導電極13bは、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード28が接続される側)の電位を基準とするとき、共にプラス電位であり、正イオンが発生する。
【0024】
放電電極14aと誘導電極14bは、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード32が接続される側)の電位を基準とするとき、共にプラス電位であり、常に正イオンが発生する。
【0025】
ダイオード32を逆向きに接続したときは、放電電極14aと誘導電極14bは、接地端子を基準としたとき、共にマイナス電位となり、常に負イオンを発生させることができる。
【0026】
上記の説明から理解されるように、イオン発生素子11は正負イオンを同時に発生させることが可能である。切換リレー30を選択端子30bの側に切り換えれば正イオンのみを発生させることができる。ダイオード32の接続の向きを逆にすれば、負イオンのみを発生させることも可能である。
【0027】
イオン発生素子11のイオン放出量は、ダクト2を通って流れる風量によって増減する。図6にイオン濃度と風量の関係を示す。風量を「弱風」「標準」「強風」の3段階に設定し、「標準」時のイオン発生濃度を100%とした場合、「弱風」時のイオン発生濃度は85%、「強風」時のイオン発生濃度は115%となる。この理由は次のように考えられる。正イオンと負イオンを同時に発生するイオン発生素子においては、正イオンと負イオンが発生直後から互いのクーロン力で引き合って再結合する。その結果、イオンとしては消滅して別の物質になってしまう。風量が大であると発生した正イオンと負イオンが素速く引き離され、再結合して消滅する分が減少するので、結果としてイオン放出量が増大したのと同じことになる。従って、ダクト2を通って流れる風量を増すことにより、言い方を変えれば風速を上げることにより、イオンの放出量を増すことができる。
【0028】
イオン発生装置10のブロック構成は図7に示す通りである。図7では電源22と計時手段41が制御部40とは別のものとして描かれているが、電源22と計時手段41が制御部40に一体化される構成であってもかまわない。
【0029】
本発明の特徴とするところは、車両用空気調和機の運転中または運転開始時にイオン発生装置10の運転を開始したとき、イオン発生装置10は、ダクト2の帯電を中和する帯電中和モードで運転されることである。第1実施形態における帯電中和モードは、イオン発生装置10の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モードである。以下それを図8のフローチャートに基づき説明する。
【0030】
図8のステップ#101ではイオン発生素子11が起動される。ダクト2は、前述のような帯電しやすい樹脂材料で成型されており、それは一般的にマイナスに帯電しやすい。このためダクト2は、図1に模式的に示すようにマイナスに帯電しており、イオン発生装置10から正負イオンを同時に放出した場合、正イオンが多く消費される結果となり、吹出口2aからは負イオンを多く含む空気が送出される。
【0031】
ステップ#102ではイオン放出量を一時的に増加させる。ここでは送風機3を「強風」にしてイオン放出量を増加させる。これにより、ダクト2の帯電は速やかに中和され、図2に示す、帯電のない状態になって行く。
【0032】
ステップ#103では帯電中和モードでの運転開始以来の時間経過をチェックする。予め設定されている時間が経過したらステップ#104に進む。
【0033】
ステップ#104ではイオン放出量を通常状態にする。ここでは送風機3を「標準」の送風状態に戻す。ダクト2の帯電は中和されているので、所期の正負バランスとなったイオンが吹出口2aから送出される。
【0034】
ステップ#105ではイオン発生装置10の停止操作が行われたかどうかをチェックする。停止操作が行われたらステップ#106に進み、イオン発生素子11の動作を停止させる。
【0035】
第1実施形態では、イオン発生装置10のイオン放出量を増加させるのに、送風機3の風量(「風速」と言い換えてもよい)を増すという手段を採用したが、それ以外の手段でイオン放出量を増加させることもできる。例えば、イオン発生素子11に印加する高電圧の電圧を上げる、高電圧の周波数を増加させる、などの手段によってもイオン放出量を増加させることができる。
【0036】
本発明の第2実施形態に係るイオン発生装置10のブロック構成を図9に示す。図7から変わった点は、計時手段41に代えてイオン検知手段42が設けられている点である。イオン検知手段42はダクト2の吹出口2aに配置されたイオンセンサーを含み、イオンセンサーが検知したイオン量から正イオンと負イオンのバランスを算出して制御部40にフィードバックし、イオン量を調整する。以下その動作を図10のフローチャートに基づき説明する。
【0037】
図10のステップ#111ではイオン発生素子11が起動される。ステップ#112ではイオン検知手段42が、イオンバランスが悪いかどうかを検知する。ここで「イオンバランスが悪い」とは、負イオン量よりも正イオン量が多い状態、または、負イオン量よりも正イオン量が10%以上少ない状態をいう。イオンバランスが悪いと判定されたときはステップ#113に進む。
【0038】
ステップ#113では、イオンバランスを回復するため、イオン放出量を一時的に増大させる。ここでは送風機3を「強風」にしてイオン放出量を増大させる。ステップ#113からステップ#112に戻るので、イオンバランスが悪いとの判定が続くかぎり、送風機は「強風」モードでの運転を継続することになる。
【0039】
イオンバランスが改善し、ステップ#112でイオンバランスが悪くないと判定されるに至ったときは、ステップ#114に進む。ステップ#114ではイオン放出量を通常状態にする。ここでは送風機3を「標準」の送風状態に戻す。これにより、所期の正負バランスとなったイオンが吹出口2aから送出される。
【0040】
ステップ#115ではイオン発生装置10の停止操作が行われたかどうかをチェックする。停止操作が行われたらステップ#116に進み、イオン発生素子11の動作を停止させる。
【0041】
本発明では、次の構成が第3実施形態となる。すなわちイオン発生装置10は、それを搭載した車両に乗員が乗車した後、空気調和機運転中にイオン生成を指示されたとき、または空気調和機の起動とともにイオン発生素子11が起動したときから一定の時間、正イオンのみを発生する。このように正イオンのみを発生するモードが第3実施形態における帯電中和モードである。実施形態1よりも約倍量の正イオンが送出されるため、ダクト2の帯電が短時間で中和される。
【0042】
図4において、切換リレー30の接点を選択端子30bに切り換えて正イオン発生モードにし、それを数十秒間継続する。その後切換リレー30の接点を選択端子30aに切り換えて正負イオン発生モードにし、その正負イオン発生モードでの運転を、停止操作があるまで継続する。
【0043】
第3実施形態のフローチャートを図11に示す。ステップ#121ではイオン発生素子11が起動される。
【0044】
ステップ#122ではイオン発生装置10は正イオン発生モードで運転される。大量に発生する正イオンにより、ダクト2の帯電が短時間で中和される。ここで送風機3の風量を「強風」にすれば、正イオンの放出量をさらに増すことができる。
【0045】
ステップ#123では正イオン発生モードでの運転開始以来の時間経過をチェックする。予め設定されている時間が経過したらステップ#124に進む。
【0046】
ステップ#124では正イオン発生モードを正負イオン発生イオン発生モードに戻す。ダクト2の帯電は中和されているので、所期の正負バランスとなったイオンが吹出口2aから送出される。
【0047】
ステップ#125ではイオン発生装置10の停止操作が行われたかどうかをチェックする。停止操作が行われたらステップ#126に進み、イオン発生素子11の動作を停止させる。
【0048】
第2実施形態のイオン検知手段42を第3実施形態に組み合わせ、イオンバランスを制御部40にフィードバックしてイオン量を調整するようにしてもよい。
【0049】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は車載用イオン発生装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 車両用空気調和機本体
2 ダクト
2a 吹出口
10 イオン発生装置
11 イオン発生素子
20 電圧印加回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空気調和機に組み合わせて用いられる車載用イオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両(自動車)に対する空気調和機の装備は、今では当然のことと考えられている。近年では、単に車内温度を調節するばかりでなく、車内空気を改質して乗員により高い快適感を与えることに目が向けられるようになっている。その例を特許文献1、2に見ることができる。
【0003】
特許文献1に記載された車両用空調装置は、空調装置本体の内部にイオン発生器を有し、マイナスイオンを含む空気を放出することによって快適感を高め、またプラスイオンを含む空気を放出することによって車室内の除菌を行えるようになっている。
【0004】
特許文献2に記載された車両用空調装置は、イオン発生手段及びオゾン発生手段を備え、イオンを車室内に供給して車室内の除塵を行うイオン除塵モードと、オゾンで蒸発器とその周辺部材の除菌を行うオゾン殺菌モードを選択的に、または同時に実施できるようになっている。
【0005】
特許文献3には、車両用空気調和機に限定される訳ではないが、空気中に正イオンH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンO2-(H2O)n(nは任意の自然数)を同時に放出し、空気中の浮遊細菌やカビ菌を殺菌する方法及びその方法を実施する空気調和機が開示されている。
【0006】
特許文献4には、正負イオンを空調ダクト経由で搬送する構造が開示されている。ここではダクトの内面に導電性を有する部材を設け、この部材をアース電位に接続することにより、ダクト内面の帯電を防止し、イオンの電荷が中和されることを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−73437号公報
【特許文献2】特開2010−42750号公報
【特許文献3】特許第3773767号公報
【特許文献4】特開2006−349289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
正イオンにせよ負イオンにせよ、車両用空気調和機のダクトを通じて車室にイオンを供給すると、途中でイオンの数が減少して行くことが知られている。これは、ダクトが帯電しており、帯電部分にイオンが衝突することにより、イオンの電荷が中和されてしまうためである。そのため、帯電が解消されるまではダクトから放出される正負イオンのイオンバランスが悪くなり、ねらいとする除菌や消臭の効果が得られにくくなってしまう。イオン発生装置で発生させたイオンは、できるだけ途中で減少させることなく効率的に供給することが求められる。
【0009】
車両用空気調和機のダクトには、複雑な形状を成型する必要があることから、また組み付け時の扱いやすさから、材料として、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、熱可塑性エラストマー(TPE)などが使用されることが多い。これらの材料は絶縁性が高いため帯電しやすく、イオンの搬送には不向きであると言わざるを得ない。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、車両用空気調和機のダクトに取り付けられる車載用イオン発生装置において、ダクトの帯電をすばやく中和し、車室内に効率よくイオンを供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、車両用空気調和機のダクトに取り付けられるイオン発生装置は、正負イオンを同時に放出できるものであるとともに、前記空気調和機の運転中または運転開始時に運転を開始したときは、前記ダクトの帯電を中和する帯電中和モードで運転される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の車載用イオン発生装置において、前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モードである。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の車載用イオン発生装置において、前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時に正イオンのみを発生させる運転モードである。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の車載用イオン発生装置において、前記ダクトから吹き出されるイオンのイオンバランスを検知するイオン検知手段を備え、イオンバランスが悪ければバランスが改善するまで前記帯電中和モードの運転が継続される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、車両用空気調和機の運転中または運転開始時に、当該車両用空気調和機のダクトに取り付けられたイオン発生装置が運転を開始したときは、当該イオン発生装置は、ダクトの帯電を中和する帯電中和モードで運転されるから、ダクトの帯電をすばやく除去し、車室内に効率よくイオンを供給できる態勢を速やかに確立できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】車両用空気調和機のダクトにイオン発生装置が取り付けられた様子を示す概略図で、ダクトが帯電している時の状況を示すものである。
【図2】図1と同様の概略図で、ダクトの帯電が中和した状況を示すものである。
【図3】イオン発生素子の構造図である。
【図4】イオン発生素子に電圧印加を行う電圧印加回路図である。
【図5】イオン発生素子の各端子の動作波形を示す図である。
【図6】風量とイオン放出量の関係を示すグラフである。
【図7】第1実施形態に係るイオン発生装置のブロック構成図である。
【図8】第1実施形態に係るイオン発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係るイオン発生装置のブロック構成図である。
【図10】第2実施形態に係るイオン発生装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係るイオン発生装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に車両用空気調和機の概略構造を示す。車両用空気調和機は、車両用空気調和機本体1と、車両用空気調和機本体1に接続されたダクト2により構成される。車両用空気調和機本体1は、送風機3と、図示しない熱交換器を備える。送風機3が吹き出す空気はダクト2を通じて車室内に供給される。ダクト2は先端に吹出口2aを有する他、途中にイオン発生装置10が取り付けられている。イオン発生装置10は正イオンH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンO2-(H2O)n(nは任意の自然数)を同時に生成することができるものである。
【0018】
イオン発生装置10には図3に示すイオン発生素子11が搭載されている。イオン発生素子11は板状の誘電体12の上に第1放電部13と第2放電部14を形成したものである。第1放電部13には、放電電極13a、誘導電極13b、接続端子13c、及び接続端子13dが含まれる。第2放電部14には、放電電極14a、誘導電極14b、接続端子14c、及び接続端子14dが含まれる。第1放電部13の放電電極13aと誘導電極13bの間、及び第2放電部14の放電電極14aと誘導電極14bの間にそれぞれ後述の電圧印加を行い、放電電極13aの近傍と放電電極14aの近傍で放電を行うことにより、正負イオンを発生させる。
【0019】
イオン発生素子11に対し、図4に示す電圧印加回路20で高圧の電圧を印加する。電圧印加回路20の中心になるのはトランス21である。トランス21は一次側巻線21aと二次側巻線21b、21cを備え、二次側巻線21bにはイオン発生素子11の放電電極13aと誘導電極13bが接続され、二次側巻線21cにはイオン発生素子11の放電電極14aと誘導電極14bが接続されている。一次側巻線20aは、電源22(車載バッテリーから電流が供給される)、入力抵抗23、整流ダイオード24、スイッチング素子25、コンデンサ26、及びダイオード27により構成される一次側駆動回路に接続される。
【0020】
放電電極13aには、二次側巻線21bに加え、ダイオード28のカソードとダイオード29のアノードが接続される。ダイオード28のアノードとダイオード29のカソードはそれぞれ切換リレー30の選択端子に接続されるものであって、ダイオード28のアノードは選択端子30bに接続され、ダイオード29のカソードは選択端子30aに接続される。切換リレー30の共通端子30cは抵抗31を介して接地端子、または電源22の片側に接続される。放電電極14aはダイオード32を介して接地端子、または電源22の片側に接続される。
【0021】
トランス21の一次側では、電源22の電圧により、入力抵抗23及び整流ダイオード24を介してコンデンサ26が充電される。コンデンサ26の電圧が規定値以上になるとスイッチング素子25がONになり、一次側巻線21aに電圧が印加される。その直後、コンデンサ26に蓄積された電荷は一次側巻線21aとスイッチング素子25を通じて放電され、コンデンサ26の電圧はゼロに戻る。その後、コンデンサ26の充電が再開される。このようにしてコンデンサ26は充放電を繰り返し、一次側巻線21aには断続的に電流が流れることになる。一次側巻線21aに電流が流れると、二次側巻線21b、21cに高圧が発生する。
【0022】
次に、イオン発生素子11の動作電圧波形について説明する。トランス21の二次側巻線21b、21cの両端には、図5(a)のような交番電圧のインパルス波形が印加される。二次側巻線21b、21cに接続されるダイオード29、32の向きは、図4に示す通り逆向きである。放電電極13a、誘導電極13b、放電電極14a、誘導電極14bの電圧は、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード29、32が接続される側)の電位を基準とするとき、電圧波形が図5の(b)(c)(d)(e)に示す通りとなる。すなわち図5(a)の波形がそれぞれマイナスとプラスにバイアスされた波形となる。
【0023】
電圧印加回路20において、切換リレー30が選択端子30a側に切り換えられていると、放電電極13aと誘導電極13bは、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード29が接続される側)の電位を基準とするとき、共にマイナス電位であり、負イオンが発生する。切換リレー30が選択端子30b側に切り換えられていると、放電電極13aと誘導電極13bは、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード28が接続される側)の電位を基準とするとき、共にプラス電位であり、正イオンが発生する。
【0024】
放電電極14aと誘導電極14bは、接地端子を基準とするか、または電源22の片側(ダイオード32が接続される側)の電位を基準とするとき、共にプラス電位であり、常に正イオンが発生する。
【0025】
ダイオード32を逆向きに接続したときは、放電電極14aと誘導電極14bは、接地端子を基準としたとき、共にマイナス電位となり、常に負イオンを発生させることができる。
【0026】
上記の説明から理解されるように、イオン発生素子11は正負イオンを同時に発生させることが可能である。切換リレー30を選択端子30bの側に切り換えれば正イオンのみを発生させることができる。ダイオード32の接続の向きを逆にすれば、負イオンのみを発生させることも可能である。
【0027】
イオン発生素子11のイオン放出量は、ダクト2を通って流れる風量によって増減する。図6にイオン濃度と風量の関係を示す。風量を「弱風」「標準」「強風」の3段階に設定し、「標準」時のイオン発生濃度を100%とした場合、「弱風」時のイオン発生濃度は85%、「強風」時のイオン発生濃度は115%となる。この理由は次のように考えられる。正イオンと負イオンを同時に発生するイオン発生素子においては、正イオンと負イオンが発生直後から互いのクーロン力で引き合って再結合する。その結果、イオンとしては消滅して別の物質になってしまう。風量が大であると発生した正イオンと負イオンが素速く引き離され、再結合して消滅する分が減少するので、結果としてイオン放出量が増大したのと同じことになる。従って、ダクト2を通って流れる風量を増すことにより、言い方を変えれば風速を上げることにより、イオンの放出量を増すことができる。
【0028】
イオン発生装置10のブロック構成は図7に示す通りである。図7では電源22と計時手段41が制御部40とは別のものとして描かれているが、電源22と計時手段41が制御部40に一体化される構成であってもかまわない。
【0029】
本発明の特徴とするところは、車両用空気調和機の運転中または運転開始時にイオン発生装置10の運転を開始したとき、イオン発生装置10は、ダクト2の帯電を中和する帯電中和モードで運転されることである。第1実施形態における帯電中和モードは、イオン発生装置10の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モードである。以下それを図8のフローチャートに基づき説明する。
【0030】
図8のステップ#101ではイオン発生素子11が起動される。ダクト2は、前述のような帯電しやすい樹脂材料で成型されており、それは一般的にマイナスに帯電しやすい。このためダクト2は、図1に模式的に示すようにマイナスに帯電しており、イオン発生装置10から正負イオンを同時に放出した場合、正イオンが多く消費される結果となり、吹出口2aからは負イオンを多く含む空気が送出される。
【0031】
ステップ#102ではイオン放出量を一時的に増加させる。ここでは送風機3を「強風」にしてイオン放出量を増加させる。これにより、ダクト2の帯電は速やかに中和され、図2に示す、帯電のない状態になって行く。
【0032】
ステップ#103では帯電中和モードでの運転開始以来の時間経過をチェックする。予め設定されている時間が経過したらステップ#104に進む。
【0033】
ステップ#104ではイオン放出量を通常状態にする。ここでは送風機3を「標準」の送風状態に戻す。ダクト2の帯電は中和されているので、所期の正負バランスとなったイオンが吹出口2aから送出される。
【0034】
ステップ#105ではイオン発生装置10の停止操作が行われたかどうかをチェックする。停止操作が行われたらステップ#106に進み、イオン発生素子11の動作を停止させる。
【0035】
第1実施形態では、イオン発生装置10のイオン放出量を増加させるのに、送風機3の風量(「風速」と言い換えてもよい)を増すという手段を採用したが、それ以外の手段でイオン放出量を増加させることもできる。例えば、イオン発生素子11に印加する高電圧の電圧を上げる、高電圧の周波数を増加させる、などの手段によってもイオン放出量を増加させることができる。
【0036】
本発明の第2実施形態に係るイオン発生装置10のブロック構成を図9に示す。図7から変わった点は、計時手段41に代えてイオン検知手段42が設けられている点である。イオン検知手段42はダクト2の吹出口2aに配置されたイオンセンサーを含み、イオンセンサーが検知したイオン量から正イオンと負イオンのバランスを算出して制御部40にフィードバックし、イオン量を調整する。以下その動作を図10のフローチャートに基づき説明する。
【0037】
図10のステップ#111ではイオン発生素子11が起動される。ステップ#112ではイオン検知手段42が、イオンバランスが悪いかどうかを検知する。ここで「イオンバランスが悪い」とは、負イオン量よりも正イオン量が多い状態、または、負イオン量よりも正イオン量が10%以上少ない状態をいう。イオンバランスが悪いと判定されたときはステップ#113に進む。
【0038】
ステップ#113では、イオンバランスを回復するため、イオン放出量を一時的に増大させる。ここでは送風機3を「強風」にしてイオン放出量を増大させる。ステップ#113からステップ#112に戻るので、イオンバランスが悪いとの判定が続くかぎり、送風機は「強風」モードでの運転を継続することになる。
【0039】
イオンバランスが改善し、ステップ#112でイオンバランスが悪くないと判定されるに至ったときは、ステップ#114に進む。ステップ#114ではイオン放出量を通常状態にする。ここでは送風機3を「標準」の送風状態に戻す。これにより、所期の正負バランスとなったイオンが吹出口2aから送出される。
【0040】
ステップ#115ではイオン発生装置10の停止操作が行われたかどうかをチェックする。停止操作が行われたらステップ#116に進み、イオン発生素子11の動作を停止させる。
【0041】
本発明では、次の構成が第3実施形態となる。すなわちイオン発生装置10は、それを搭載した車両に乗員が乗車した後、空気調和機運転中にイオン生成を指示されたとき、または空気調和機の起動とともにイオン発生素子11が起動したときから一定の時間、正イオンのみを発生する。このように正イオンのみを発生するモードが第3実施形態における帯電中和モードである。実施形態1よりも約倍量の正イオンが送出されるため、ダクト2の帯電が短時間で中和される。
【0042】
図4において、切換リレー30の接点を選択端子30bに切り換えて正イオン発生モードにし、それを数十秒間継続する。その後切換リレー30の接点を選択端子30aに切り換えて正負イオン発生モードにし、その正負イオン発生モードでの運転を、停止操作があるまで継続する。
【0043】
第3実施形態のフローチャートを図11に示す。ステップ#121ではイオン発生素子11が起動される。
【0044】
ステップ#122ではイオン発生装置10は正イオン発生モードで運転される。大量に発生する正イオンにより、ダクト2の帯電が短時間で中和される。ここで送風機3の風量を「強風」にすれば、正イオンの放出量をさらに増すことができる。
【0045】
ステップ#123では正イオン発生モードでの運転開始以来の時間経過をチェックする。予め設定されている時間が経過したらステップ#124に進む。
【0046】
ステップ#124では正イオン発生モードを正負イオン発生イオン発生モードに戻す。ダクト2の帯電は中和されているので、所期の正負バランスとなったイオンが吹出口2aから送出される。
【0047】
ステップ#125ではイオン発生装置10の停止操作が行われたかどうかをチェックする。停止操作が行われたらステップ#126に進み、イオン発生素子11の動作を停止させる。
【0048】
第2実施形態のイオン検知手段42を第3実施形態に組み合わせ、イオンバランスを制御部40にフィードバックしてイオン量を調整するようにしてもよい。
【0049】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は車載用イオン発生装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 車両用空気調和機本体
2 ダクト
2a 吹出口
10 イオン発生装置
11 イオン発生素子
20 電圧印加回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用空気調和機のダクトに取り付けられるイオン発生装置において、
当該イオン発生装置は正負イオンを同時に放出できるものであるとともに、前記空気調和機の運転中または運転開始時に運転を開始したときは、前記ダクトの帯電を中和する帯電中和モードで運転されることを特徴とする車載用イオン発生装置。
【請求項2】
前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モードであることを特徴とする請求項1に記載の車載用イオン発生装置。
【請求項3】
前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時に正イオンのみを発生させる運転モードであることを特徴とする請求項1に記載の車載用イオン発生装置。
【請求項4】
前記ダクトから吹き出されるイオンのイオンバランスを検知するイオン検知手段を備え、イオンバランスが悪ければバランスが改善するまで前記帯電中和モードの運転が継続されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載用イオン発生装置。
【請求項1】
車両用空気調和機のダクトに取り付けられるイオン発生装置において、
当該イオン発生装置は正負イオンを同時に放出できるものであるとともに、前記空気調和機の運転中または運転開始時に運転を開始したときは、前記ダクトの帯電を中和する帯電中和モードで運転されることを特徴とする車載用イオン発生装置。
【請求項2】
前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時にイオン放出量を一時的に増加させる運転モードであることを特徴とする請求項1に記載の車載用イオン発生装置。
【請求項3】
前記帯電中和モードは、前記イオン発生装置の運転開始時に正イオンのみを発生させる運転モードであることを特徴とする請求項1に記載の車載用イオン発生装置。
【請求項4】
前記ダクトから吹き出されるイオンのイオンバランスを検知するイオン検知手段を備え、イオンバランスが悪ければバランスが改善するまで前記帯電中和モードの運転が継続されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載用イオン発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−76709(P2012−76709A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226185(P2010−226185)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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