説明

車載用オーディオ装置

【課題】 本発明は、車載用オーディオ装置に関するもので、大量の音楽データのリスト表示の使い勝手を向上させること。
【解決手段】 上記目的を達成するために本発明は、ユーザ操作を受け付ける操作部5が接続された制御部7と、この制御部7に接続されたユーザへ情報を伝える表示部3、およびリスト情報を保持する保持部8を備え、制御部7は、リスト情報を表示部3にリスト表示させるものであり、制御部7は、操作部5の第1信号の可変値からリストスキップ数を決定し、操作部5の第2信号の変化により、リスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部3に表示する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面に表示した楽曲リストを使い操作を行う車載用オーディオ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体メモリの容量が増え、この半導体メモリに保持する大量の楽曲の中から、ユーザは目的の楽曲を探さなければならない。
【0003】
従来のこの種、オーディオ装置の構成は以下のような構成となっていた。
【0004】
すなわち、ユーザ操作を受け付ける操作部が接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ情報を伝える表示部、リスト情報を保持する保持部を備え、制御部は、リスト情報を表示部にリスト表示させる。そして、操作部は、リストスキップ数を決定する操作ボタンによりリストスキップ数を決定後、別の操作ボタンからの信号により、リスト情報からリストスキップ数飛ばしたファイルを表示部に表示する構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−96267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の構成では、リストスキップ数を決定する操作ボタンとリスト送りを行う操作ボタンが別々の位置に配置されるものとなっている。したがって、ユーザは、リストスキップ数を変更する操作を行った後、その操作ボタンとの接触を解除し、その後リスト送り用の操作ボタンの位置を確認し操作しなければならず、使い勝手の良くないものとなっていた。
【0007】
また、大量の楽曲を保持する車載用のオーディオ装置では、目的の楽曲を探すために、リストスキップ数を頻繁に変更しながらリスト送りをすれば、ユーザは、所望の楽曲を見つけ易い。
【0008】
しかし、従来の構成では、リストスキップ数を変更する毎に、リストスキップ数を変更する操作ボタンおよびリスト送り操作を行う操作ボタンを探す動作をしなければならない。さらに、リストスキップ数を大きく変更するには、その操作ボタンを何度も操作する必要がある。この点からも、使い勝手の良くないものとなっていた。
【0009】
本発明は、リストスキップ数の変更とリスト送り操作を同時に行うことを可能とし、使い勝手を向上させること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、ユーザ操作を受け付ける操作部が接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ情報を伝える表示部、およびリスト情報を保持する保持部を備え、制御部は、リスト情報を表示部にリスト表示させるものであり、制御部は、操作部の第1信号の可変値からリストスキップ数を決定し、操作部の第2信号の変化により、リスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部に表示する構成と
し、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、ユーザ操作を受け付ける操作部が接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ情報を伝える表示部、およびリスト情報を保持する保持部を備え、制御部は、リスト情報を表示部にリスト表示させるものであり、制御部は、操作部の第1信号の可変値からリストスキップ数を決定し、操作部の第2信号の変化により、リスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部に表示する構成としたものであるので、所期の目的を達成するものである。
【0012】
すなわち、本発明においては、例えば、押し込み信号と回転信号が同時に出力可能な操作ボタンを用いる。そして、操作ボタンの回転軸方向に押し込む量に基づき出力される押し込み信号によりリストスキップ数を決定し、操作ボタンを回転させることにより変化する回転信号によりリスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部に表示する。このようにすることにより、ユーザは、操作ボタンとの接触を解除することなく、リストスキップ数の変更とリスト送り操作を同時に行うことができ、その結果として、使い勝手が向上するものとなる。
【0013】
さらに、車載用オーディオ装置の音量調整やラジオのチューニングによく用いられる回転および押下操作可能な操作ボタンに、押し込み量を押し込み信号として出力可能な構成を追加したものを操作部として用いる。つまり、車載用オーディオ装置として使い慣れた操作ボタンに押し込み量による操作を追加したものとする。
【0014】
そうすることにより、従来と同じ使い方と新たに押し込み量を用いる使い方の両方に対応することができ、新しい操作へ違和感なく移行することが可能となる。車載用オーディオ装置は、操作性が大きく変わることは好ましくなく、従来の操作性を維持したまま、新しい操作を追加することは非常に使い勝手が良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態にかかる車載用オーディオ装置の実装形態を示す図
【図2】同構成を示す正面図
【図3】同制御ブロック図
【図4】同操作部の詳細を説明する図
【図5】同制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における車載用オーディオ装置について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、自動車の車内を模式的に示したものであって、ステアリング1の左方には、車載用オーディオ装置2が配置されている。
【0018】
図1において、ステアリング1の左側にある車載用オーディオ装置2は表示部3を前面に設けた本体ケース4を有し、本体ケース4は自動車のコンソールに対して固定設置されている。
【0019】
さて、図2は、車載用オーディオ装置2の具体的な構成を、図3は、ブロック図を示すものである。
【0020】
車載用オーディオ装置2は、図1に示す本体ケース4と、この本体ケース4の表面側に設けた表示部3と、この表示部3の下側にボタン類で構成される操作部5を備える。
【0021】
また、表示部3の上方には、ディスク挿入口6を有する。なお、表示部3は、液晶パネルを用いることが好適で、ナビゲーション画面や再生中の楽曲タイトル、および車両の周囲の画像を表示する。
【0022】
また、図3のブロック図に示すように、これら表示部3、操作部5、および保持部8に接続されるとともに本体ケース4内に設けた制御部7と、この制御部7に接続されたアンプ9、およびアンプ9に接続されたスピーカ10とを備えている。
【0023】
保持部8には、大量の音楽データとそのリスト情報を保持する。そして、制御部7は、保持部8に保持されたリスト情報を表示部3にリスト表示する。ユーザは、そのリスト表示を見ながら、操作部5を操作し、所望の音楽データを選択する。
【0024】
選択された楽曲は、制御部7によりアンプ9にオーディオデータとして出力され、アンプ9は、そのオーディオデータを増幅し、スピーカ10へ出力する。スピーカ10は、ユーザへ選択された楽曲を音として伝える。
【0025】
次に、図4を用いて、操作部5を説明する。
【0026】
図4は、図2に示す操作部5の「TUNE」または「VOL」と書かれた操作ボタン5aの詳細な形態を示している。
【0027】
操作ボタン5aは、車載用オーディオ装置2の音量調整やラジオのチューニングによく用いられる回転信号11を出力する回転および押下操作可能な操作ボタンに、押し込み量を押し込み信号12として出力可能な構成を追加したものである。つまり、車載用オーディオ装置2として使い慣れた操作ボタンに押し込み量による操作を追加したものとする。
【0028】
そうすることにより、従来と同じ使い方と新たに押し込み量を用いる使い方の両方に対応することができ、新しい操作へ違和感なく移行することが可能となる。車載用オーディオ装置2は、操作性が大きく変わることは好ましくなく、従来の操作性を維持したまま、新しい操作を追加することは非常に使い勝手が良いものとなる。
【0029】
以上の操作ボタン5aを用いて、表示部3に表示された大量の音楽データのリスト表示をファイルスキップ数を自由に変更しながら、リスト送りを行う。
【0030】
具体的には、ユーザ操作により操作ボタン5aに回転信号11の出力があれば、押し込み信号12により決定したファイルスキップ数を、現在選択している選択ファイルのリスト番号に加算する。そして、その加算後のリスト番号に相当するファイルを新たな選択ファイルとして、表示部3に表示する。
【0031】
このようなファイル送り操作では、押し込み量は、ユーザ操作が無い際は、初期状態に戻る構成とすることが好ましい。なぜなら、最終的に所望のファイルを表示部3に表示するときには、ファイルを飛ばすことなく表示することが好ましい。初期状態をファイルスキップ数0としておけば、非常に使い勝手が良い。
【0032】
また、押し込み量を自由に変更できることは、使い勝手の良いものであるが、車載機器は、走行中に振動があるため、操作ボタン5aの押し込み量を意図した状態にすることが難しい場合がある。したがって、操作ボタン5aの予め決めた押し込み量において、ユー
ザが接触を解除しても、その押し込み量を維持する構成を設けることが好ましい。
【0033】
さらに、操作ボタン5aのユーザの指が接触する部分の形状を、押し込み量に合わせて変化させる。このように、触感によりファイルスキップ数をユーザが認識できるようにすれば、ユーザは、表示部3を凝視しなくてもよく、非常に使い勝手が良いものとなる。
【0034】
具体的には、操作ボタン5aにおいて、ユーザの指が触れる部分に、押し込み操作による押し込み量に合わせて触感の変化する構成を設けることが好ましい。例えば、押し込み量に合わせて突起の高さが変化するもの、突起の数が増えるもの、および微弱電流を利用するものなどにより実現可能である。
【0035】
以上の構成において、以下本実施の形態における動作について図5を用いて説明する。
【0036】
まず、制御部7は、操作部5の操作によりリスト表示処理を開始する。
【0037】
そして、制御部7は、操作ボタン5aの押し込み信号を取得し(ステップS1)、保持部8から取得した押し込み信号に対応するファイルスキップ数を取得する(ステップS2)。
【0038】
次に、制御部7は、操作ボタン5aの回転信号の有無を判定し(ステップS3)、回転信号が有れば、ステップS4へ進む。ステップS4において、制御部7は、現在表示している選択ファイルのリスト番号にファイルスキップ数を加算したリスト番号のファイルを新たな選択ファイルとする。ここで、制御部7は、リスト番号がリストのファイル数をオーバーしたかを判定し(ステップS5)、オーバーしていれば、選択ファイルをリスト最終ファイルとする(ステップS6)。
【0039】
次に、制御部7は、表示部に選択ファイルを含むリストとファイルスキップ数を表示させる(ステップS7)。
【0040】
そして、制御部7は、リスト表示処理が終了するまで繰り返すし終了する。
【0041】
以上のごとく本実施の形態においては、ユーザ操作を受け付ける操作部5が接続された制御部7と、この制御部7に接続されたユーザへ情報を伝える表示部3、およびリスト情報を保持する保持部8を備え、制御部7は、リスト情報を表示部3にリスト表示させるものであり、制御部7は、操作部5の第1信号の可変値からリストスキップ数を決定し、操作部5の第2信号の変化により、リスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部3に表示する構成としたものであるので、所期の目的を達成するものである。
【0042】
すなわち、本実施の形態においては、例えば、押し込み信号12と回転信号11が同時に出力可能な操作ボタン5aを用いる。そして、操作ボタン5aの回転軸方向に押し込む量に基づき出力される押し込み信号12によりリストスキップ数を決定し、操作ボタン5aを回転させることにより変化する回転信号11によりリスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部3に表示する。このようにすることにより、ユーザは、操作ボタン5aとの接触を解除することなく、リストスキップ数の変更とリスト送り操作を同時に行うことができ、その結果として、使い勝手が向上するものとなる。
【0043】
さらに、車載用オーディオ装置2の音量調整やラジオのチューニングによく用いられる回転および押下操作可能な操作ボタン5aに、押し込み量を押し込み信号12として出力可能な構成を追加したものを操作部5として用いる。つまり、車載用オーディオ装置2として使い慣れた操作ボタン5aに押し込み量による操作を追加したものとする。
【0044】
そうすることにより、従来と同じ使い方と新たに押し込み量を用いる使い方の両方に対応することができ、新しい操作へ違和感なく移行することが可能となる。車載用オーディオ装置は、操作性が大きく変わることは好ましくなく、従来の操作性を維持したまま、新しい操作を追加することは非常に使い勝手が良いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
ユーザ操作を受け付ける操作部が接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ情報を伝える表示部、およびリスト情報を保持する保持部を備え、制御部は、リスト情報を表示部にリスト表示させるものであり、制御部は、操作部の第1信号の可変値からリストスキップ数を決定し、操作部の第2信号の変化により、リスト情報からリストスキップ数飛ばしたリスト項目を表示部に表示する構成としたものであるので、所期の目的を達成するものである。
【0046】
したがって、車載用として広く活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0047】
1 ステアリング
2 車載用オーディオ装置
3 表示部
4 本体ケース
5 操作部
5a 操作ボタン
6 ディスク挿入口
7 制御部
8 保持部
9 アンプ
10 スピーカ
11 回転信号
12 押し込み信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作を受け付ける操作部が接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ情報を伝える表示部、およびリスト情報を保持する保持部を備え、
前記制御部は、前記リスト情報を前記表示部にリスト表示するものであり、
前記制御部は、前記操作部の第1信号の可変値からリストスキップ数を決定し、前記操作部の第2信号の変化により、前記リスト情報から前記リストスキップ数飛ばしたリスト項目を前記表示部に表示する構成とした車載用オーディオ装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記第1信号と前記第2信号を同時に出力可能な構成とした請求項1に記載の車載用オーディオ装置。
【請求項3】
前記操作部の第1信号の可変値は、前記操作部へのユーザ操作が無い状態では、初期値となる構成とした請求項1または請求項2に記載の車載用オーディオ装置。
【請求項4】
前記制御部が決定したリストスキップ数を前記表示部に表示する構成とした請求項1に記載の車載用オーディオ装置。
【請求項5】
前記操作部は、押し込み量により変化する押し込み信号を前記第1信号とし、回転信号を前記第2信号とする構成とした請求項1に記載の車載用オーディオ装置。
【請求項6】
前記操作部は、回転および押下操作可能なボタンであり、押下操作の押し込み量を押し込み信号として出力する構成とした請求項5に記載の車載用オーディオ装置。
【請求項7】
前記操作部において、予め決めた押し込み量において、ユーザが接触を解除したとしても、その押し込み量を維持する構成を設けた請求項5または請求項6に記載の車載用オーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−198960(P2012−198960A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61969(P2011−61969)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】