説明

車載用情報制御装置、車載用情報制御システム、および車載用情報制御方法、並びに車載用情報制御プログラム

【課題】相手側機器が理解できる通信データあるいは通信態様を決定し、ユーザの機器購入の負担を軽減できる車載用情報制御装置を得る。
【解決手段】接続機器200、300が理解できる通信データあるいは通信態様にデータを加工してデータの送受信ができる車載用情報制御装置100であって、接続機器200、300とのリンクを確立する情報103A、接続機器200、300の機器情報103B、接続元機器200と接続先機器300がサポートする通信態様との関連情報103Cを記録するデータ記録部103と、接続機器200、300との接続処理を行う通信リンク設定部104と、接続元機器200のデータを解析し、接続先機器300の通信態様に変換する通信態様変換部105A、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形部105Bを有する通信データ変換部105と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高度道路交通システムを用いたサービスを提供する技術に関し、特にそのサービスに非対応の装置に対して、当該サービスを提供させる車載用情報制御装置、車載用情報制御システム、および車載用情報制御方法、並びに車載用情報制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通安全、渋滞緩和、CO2排出量削減などを目指したサービスを実現するため、道路(路側)と車両(車側)が一体となった高度道路交通システム(Intelligent
Transport System)(以下、ITSという。)の開発が進んでいる。
このシステムを用いたサービスとしてITSスポットサービスがある。ITSスポットサービスでは、高速で大容量の双方向通信を可能とする5.8GHz帯DSRC(Dedicated Short Range Communication)が用いられる。
【0003】
ユーザは、DSRC通信ができる機器(ITSスポット対応車載器またはITSスポット対応カーナビ)を車両に取り付けることで、道路交通情報や安全運転支援情報を画像および音声で取得することができる。また、ETC(Electronic Toll Collection)を利用できるだけでなく、駐車場やドライブスルー等でのキャッシュレス決済が利用でき、ゲート前で現金を支払う煩わしさがなくなり、スムーズに車両を通過させることができるようになる。
【0004】
しかし、DSRC通信ができる機器(特にITSスポット対応カーナビ)は高価であるため、その購入費用がユーザにとって大きな負担となる。また、それら機器の取り付け作業も複雑で、ユーザ自身での取り付けは困難である。これらのことがITSスポットサービス普及の大きな足かせとなっている。
【0005】
一方、車内外の通信に関して、例えば特開2010−93347号公報(特許文献1)では、複数の通信態様をサポートし、他の複数機器と通信可能な車両用無線通信装置について開示されている。この特許文献1では、車内外の判定結果、および通信免許の要否、通信速度、消費電力を考慮して、複数の通信態様の中から最適な通信態様を決定することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−93347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1では、実際に送信したデータを相手側機器が理解できるか、までを含めた通信態様の決定については考慮されていない。また、交通情報などリアルタイムでの提供が必要な情報もあるが、これら情報の特性を踏まえた通信方法の決定については考慮されていない。
【0008】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、相手側機器が理解できる通信データあるいは通信態様を決定し、ユーザの機器購入の負担を軽減できる車載用情報制御装置、車載用情報制御システム、および車載用情報制御方法、並びに車載用情報
制御プログラムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る車載用情報制御装置は、接続機器が理解できる通信データあるいは通信態様にデータを加工してデータの送受信ができる車載用情報制御装置であって、前記接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録部と、前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定部と、前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換する通信態様変換部、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形部を有する通信データ変換部と、を備えたものである。
【0010】
また、別の発明に係る車載用情報制御システムは、接続機器が保持する画像データの表示を指示するデータの送受信ができる車載用情報制御システムであって、前記接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録部と、前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定部と、前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換する通信態様変換部、チェックデータを生成するチェックデータ生成部、を含む通信データ変換部と、を有する車載用情報制御装置と、暗号化された表示データを格納する外部媒体と、前記暗号化された表示データを復号する鍵を格納する鍵格納部と、前記表示データを表示する表示部と、前記外部媒体に格納されている前記表示データが、正しく要求された表示データかどうかをチェックするチェック部と、を有する表示装置と、を備えたものである。
【0011】
更に別の発明に係る車載用情報制御方法は、接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録ステップと、前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定ステップと、前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換するデータ変換ステップと、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形ステップと、を含むものである。
【0012】
更に別の発明に係る車載用情報制御プログラムは、接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録処理と、前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定処理と、前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換するデータ変換処理と、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形処理と、を車載用情報制御装置に実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、相手側機器が理解できる通信データあるいは通信態様を決定して通信を行うことで、新規にITSスポット対応カーナビを購入しなくてもよく、ユーザのコスト負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車載用情報制御装置の機能ブロックを示す構成図である。
【図2】認証情報の構成例を示す図である。
【図3】送信先情報の構成例を示す図である。
【図4】通信態様情報の構成例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る車載用情報制御装置の処理の流れを説明する図である。
【図6】受信データフォーマットの一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る車載用情報制御装置の機能ブロックを示す構成図である。
【図8】インデックスの構造の一例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る車載用情報制御装置の処理の流れを説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係るITSスポット非対応カーナビの処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る車載用情報制御装置、車載用情報制御システム、および車載用情報制御方法、並びに車載用情報制御プログラムについて好適な実施の形態を説明する。なお、この実施の形態により発明が限定されるものではなく、諸種の設計的変更を含むものである。
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る車載用情報制御装置100の機能ブロックの一例を示すブロック構成図である。図1において、制御部101は、車載用情報制御装置100の動作やデータを制御する。電源検知部102は、ACC電源のON/OFFを検出する。データ記録部103は、ITSスポット非対応カーナビ装置300とのリンクを確立するための情報を格納する認証情報103A、接続したITSスポット非対応カーナビ装置300の機器情報を格納する送信先情報103B、車載用情報制御装置100とITSスポット非対応カーナビ装置300がサポートする通信態様との関連情報を格納する通信態様情報103Cの各情報を記録する。
【0017】
通信リンク設定部104は、ITSスポット非対応カーナビ装置300との接続処理を行う。通信データ変換部105は、通信態様を解析し、変換する通信態様変換部105Aと、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形部105Bを有し、ITSスポット対応車載装置200からの受信データをITSスポット非対応カーナビ装置300が理解できるデータに変換する処理と、ITSスポット非対応カーナビ装置300からの受信データをITSスポット対応車載装置200が理解できるデータに変換する処理を行う。路側情報送受信部106は、ITSスポット対応車載装置200からのデータ受信処理とITSスポット対応車載装置200へのデータ送信処理を行う。
【0018】
また、車載情報送受信部107は、複数の通信態様に対応した送受信部1071〜107nをもち、ITSスポット非対応カーナビ装置300からのデータ受信処理とITSスポット非対応カーナビ装置300へのデータ送信処理を行う。路側機通信I/F108は、ITSスポット対応車載装置200と有線接続するためのコネクタであり、無線通信I/F109は、ITSスポット非対応カーナビ装置300と無線接続するためのアンテナである。
【0019】
なお、本実施の形態、および後述の実施の形態2の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0020】
また、本実施の形態、および後述の実施の形態2の説明では、ITSスポット非対応カーナビ装置300は、BluetoothのI/Fを備えているものとして説明する。
【0021】
図2は、認証情報103Aの構成の一例を示す図である。車載用情報制御装置100がサポートする通信態様と、通信態様毎の認証情報とその値が記憶されている。図2の例では、通信態様としてBluetoothの場合を示しており、機器との認証、接続時に使用するリンクキーおよびパスキーが格納されている。
【0022】
図3は、送信先情報103Bの構成の一例を示す図である。どの機器とも接続していない状態では情報は含まれていない。接続が完了すると、送信先情報103Bが更新され、接続した機器の通信態様と詳細情報、現在の通信状態が格納される。図3では、Bluetooth機器とBIPプロファイルで接続し、現在通信可能状態であることを示している。
【0023】
図4は、通信態様情報103Cの構成の一例を示す図である。接続先機器の通信態様(図4ではBluetooth)、詳細情報、ITSスポット対応車載装置200側のデータフォーマット、接続先機器側のデータフォーマットの一覧を格納している。
【0024】
次に、図5を用いて車載用情報制御装置100の処理の流れを説明する。
電源検知部102は電源が入ったことを検知し、制御部101へ電源が入ったことを伝える(S100)。
【0025】
制御部101は、データ記録部103から認証情報103Aと通信態様情報103Cを取り出し、通信リンク設定部104へ送るとともに、接続先とのリンクを設定するよう指示する(S101)。
【0026】
通信リンク設定部104は、ITSスポット非対応カーナビ装置300とのリンクを確立するための処理を行う(S102)。具体的には、通信リンク設定部104は、S101で受信した通信態様情報103Cを見て、接続処理を行う通信態様としてBluetoothを選択し、サービスを検索する。ITSスポット非対応カーナビ装置300が、サービスプロファイルを起動していれば、通信リンク設定部104はサービスを検出する。その後、ITSスポット非対応カーナビ装置300と車載用情報制御装置100(通信リンク設定部104)との間でパスキーの確認とリンクキーの共有が行われ、Bluetooth接続のリンクを確立する。
【0027】
S102で接続に失敗すると(S103NO)、処理を終了する。S102で接続に成功すると(S103YES)、制御部101は、送信先情報103Bを図3に示すように更新し、通信データ変換部105に送信先情報103Bと通信態様情報103Cを送る(S104)。
【0028】
その後、路側機通信I/F108、無線通信I/F109の何れかがデータを受信するまでデータを待ち続ける(S105NO)。
【0029】
路側機通信I/F108、無線通信I/F109の何れかがデータを受信すると、通信データ変換部105へデータが送られる(S105YES)。
【0030】
以降は、ITSスポット対応車載装置200からデータを受信したとして説明する。
通信態様変換部105Aは、ITSスポット対応車載装置200から送られたデータを解析する。図6に受信データフォーマットの一例を示す。受信データのフォーマットを解析して、Push IDより、画像データであることがわかると、イメージデータを取り出す。また、配信コードより、データは分割されていることがわかるので、isLastを見て、最終データとなるまで画像データを取り出し、SegmentNoの順に連結す
る(S106)。
【0031】
その後、データ整形部105Bは、取り出された画像データを受け取る。次に、データ整形部105Bは、図6のimage formatから画像データのフォーマット(今回はPNG(Portable Network Graphics))を得る。データ整形部105Bは、図4に示す通信態様情報103Cを読み出し、プロファイルと送信先情報103Bとが同じ(今回はBIP)であること、JPEG(Joint Photographic Experts Group)に変換する必要があることがわかるので、画像フォーマットの変換を行う(S107)。
【0032】
その後、通信態様変換部105Aは、S107で変換した画像データを使って、Bluetoothフォーマットに変換する。画像データはペイロードの領域に格納する(S108)。
【0033】
制御部101は、S108で変換したデータを車載情報送受信部107に送る。車載情報送受信部107は、受け取ったデータを無線通信I/F109を介して、ITSスポット非対応カーナビ装置300に送信する(S109)。
【0034】
以上のように、実施の形態1によれば、接続したい機器間に車載用情報制御装置100を用いることで、通信プロトコルの異なる機器との接続が可能となり、さらにフォーマット変換時にデータ変換等の処理を施すことで、確実なデータの受け渡しを行うことが可能となる。
【0035】
また、ITSスポットサービスに対応していない装置に対しても、ITSスポットサービスを提供することができるようになるので、ユーザのITSスポットサービス対応装置の購入負担を軽減することができる。
【0036】
また、すでに広く普及している無線媒体(今回はBluetooth)を用いることで、取付作業も軽減できると共に、ユーザの負担軽減により、ITSスポットサービスの普及につながる。
【0037】
なお、前記実施の形態1では、ITSスポット非対応カーナビ装置300との接続に失敗した場合、処理を終了していたが、再度認証処理を行っても良い。これによりユーザの利便性を高めることもできる。
【0038】
また、前記実施の形態1では、画像データについて扱ったが、他のデータを扱っても良く、例えば音声データを扱うことが考えられる。
【0039】
また、前記実施の形態1では、車載用情報制御装置100を1つの装置として扱ったが、複数の装置で車載用情報制御装置100の機能を実現しても良い。
【0040】
更に、前記実施の形態1では、ITSスポット対応車載器200からデータを受信した場合について説明したが、これはITSスポット非対応カーナビ装置300からデータを受信することを妨げるものではない。例えば、ITSスポット非対応カーナビ装置300から位置情報を取得して、ITSスポット対応車載器200にデータを送信することも可能である。
【0041】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る車載用情報制御装置について説明する。実施の形態1では、ITSスポット対応車載器200から受け取った画像データをITSスポット
非対応カーナビ装置300に送信する場合について説明した。しかし、扱う画像のデータが大容量サイズになると、通信遅延等の影響が懸念される。そこで、実施の形態2は、ITSスポット非対応カーナビ装置に広く普及しているSDカードを用いることでこの懸念点を解消するものである。
【0042】
図7は、この発明の実施の形態2に係る車載用情報制御装置400およびITSスポット非対応カーナビ装置500の機能ブロックの一例を示すブロック構成図である。図1と同様のものは同一符号を付すことにより説明を省略する。
図7において、チェックデータ生成部401は、ITSスポット非対応カーナビ装置500で表示する画像が、ITSスポット対応車載器200の要求した画像と等しいことを確認するためのデータを生成する。制御装置通信I/F501は、車載用情報制御装置400と無線接続するためのアンテナである。チェック部502は、チェックデータ生成部401で生成されたチェックデータを用いて、表示する画像がITSスポット対応車載器200の要求した画像と等しいことを確認する。鍵格納部503は、暗号データを復号するための鍵を格納し、表示部504は、画像を表示する。
【0043】
また、SDカードI/F505は、SDカード506を挿入するスロットであり、SDカード506は、画像情報507を格納する。画像情報507は、表示部504で表示する画像とそのハッシュ値を暗号化して格納する。
【0044】
図8は、画像情報507の構成の一例を示す図である。インデックスは、チェックデータ生成部401から受信したチェックデータと、SDカード506に格納されたファイル名の関連を記載したデータである。画像は、表示部504で表示する画像データである。ハッシュ値は、表示する画像がITSスポット対応車載器200の要求した画像と等しいことを確認するために用いるデータである。インデックス、画像、ハッシュ値ともに暗号化されて格納されている。特に、画像とハッシュ値はペアで一つのファイルとして暗号化されている。なお、インデックスの構造の一例は図8に示すように、チェックデータと対応するファイル名からなる。
【0045】
次に、図9を用いて、車載用情報制御装置400の処理の流れを説明する。図9において、S200〜S206までは、実施の形態1のS100〜S106と同様のため説明を省略する。チェックデータ生成部401は、通信態様変換部105Aが取り出した画像データから、ハッシュ値を生成する(S207)。
【0046】
その後、通信態様変換部105Aは、S207で生成されたハッシュ値を使って、Bluetoothフォーマットに変換する(S208)。
【0047】
制御部101は、S208で変換したデータを車載情報送受信部107に送る。車載情報送受信部107は、受け取ったデータを無線通信I/F109を介して、ITSスポット非対応カーナビ装置500に送信する。
【0048】
次に、図10を用いてITSスポット非対応カーナビ500の処理の流れを説明する。図10において、チェック部502は、SDカード506から画像情報507のインデックスを読み出し(S301)、読み出したインデックスを鍵格納部503の鍵を使って復号する(S302)。
【0049】
その後、制御装置通信I/F501は、車載用情報制御装置400からデータを待ち続ける(S303NO)。
【0050】
制御装置通信I/F501は、データを受信すると(S303YES)、チェック部5
02にデータを送る。チェック部502は、制御装置通信I/F501から受け取ったチェックデータと、S302で復号したインデックスに記載のチェックデータを比較する。受け取ったデータにはチェックサム(ここでは、kdfjklとする)が格納されており、インデックスからこの値と同じ値を持つファイル名を読み出す。チェックデータkdfjklに対応するファイル名はファイルAである(S304)。
【0051】
チェック部502は、画像情報507のファイルAをSDカード506から読み出し(S305)、読み出したファイルAを鍵格納部503の鍵を使って復号する(S306)。
【0052】
チェック部502は、S306で復号したチェックデータと、制御装置通信I/F501から受け取ったチェックデータを比較する(S307)。
【0053】
S307で比較した値が等しい場合(S308YES)、ファイルAは改ざんされておらず、ITSスポット対応車載器200が要求した画像データと一致することが確認できたので、表示部504はファイルAの画像を表示する(S309)。
【0054】
S307で比較した値が異なる場合(S308NO)、表示部504はエラーメッセージを表示する(S310)。
【0055】
以上のように、実施の形態2によれば、チェックデータ(ハッシュ値)のサイズは扱う画像によらず固定値であるため、扱う画像のデータが大容量サイズになっても、SDカード内の画像データを使うことで、通信遅延等の影響を軽減することができる。
【0056】
また、チェックデータや暗号化・復号を用いることで、ITSスポット対応車載器200が要求したデータであることを確認できた場合のみ、表示することができ、ユーザに謝った情報の提供(例えば、危険情報を提供したいのに安全情報を提供するなど)を防止することができる。
【0057】
また、ITSスポットサービスに対応していない装置に対しても、ITSスポットサービスを提供することができるようになるので、ユーザのITSスポットサービス対応装置の購入負担を軽減することができる。
【0058】
また、すでに広く普及している無線媒体(今回はBluetooth)を用いることで、取付作業も軽減できると共に、ユーザの負担軽減により、ITSスポットサービスの普及につながる。
【0059】
また、実施の形態2によれば、交通情報などリアルタイム性が要求されるデータは、予めカーナビ側に保持しておくことにより、無線通信の品質劣化に耐性のあるシステムが提供できる。
【0060】
なお、前記実施の形態2では、ITSスポット非対応カーナビ装置500との接続に失敗した場合、処理を終了していたが、再度認証処理を行っても良い。これによりユーザの利便性を高めることもできる。
【0061】
更に、前記実施の形態2では、車載用情報制御装置400を1つの装置として扱ったが、複数の装置で車載用情報制御装置400の機能を実現しても良い。
【符号の説明】
【0062】
100、400 車載用情報制御装置
101 制御部
102 電源検知部
103 データ記録部
103A 認証情報
103B 送信先情報
103C 通信態様情報
104 通信リンク設定部
105 通信データ変換部
105A 通信態様変換部
105B データ整形部
106 路側情報送受信部
107 車載情報送受信部
1071〜107n 送受信部
108 路側機通信I/F
109 無線通信I/F
200 ITSスポット対応車載装置
300、500 ITSスポット非対応カーナビ装置
401 チェックデータ生成部
501 制御装置通信I/F
502 チェック部
503 鍵格納部
504 表示部
505 SDカードI/F
506 SDカード
507 画像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続機器が理解できる通信データあるいは通信態様にデータを加工してデータの送受信ができる車載用情報制御装置であって、
前記接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録部と、
前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定部と、
前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換する通信態様変換部、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形部を有する通信データ変換部と、を備えたことを特徴とする車載用情報制御装置。
【請求項2】
前記通信データ変換部は、
前記接続機器の機器情報と、前記接続元機器と前記接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を読み出し、データを解析することを特徴とする請求項1に記載の車載用情報制御装置。
【請求項3】
前記データ整形部は、
画像データ、および音声データの結合やフォーマット変換を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載用情報制御装置。
【請求項4】
接続機器が保持する画像データの表示を指示するデータの送受信ができる車載用情報制御システムであって、
前記接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録部と、前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定部と、前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換する通信態様変換部、チェックデータを生成するチェックデータ生成部、を含む通信データ変換部と、を有する車載用情報制御装置と、
暗号化された表示データを格納する外部媒体と、前記暗号化された表示データを復号する鍵を格納する鍵格納部と、前記表示データを表示する表示部と、前記外部媒体に格納されている前記表示データが、正しく要求された表示データかどうかをチェックするチェック部と、を有する表示装置と、
を備えたことを特徴とする車載用情報制御システム。
【請求項5】
前記データ変換部は、
前記接続機器の機器情報と前記接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を読み出し、データを解析することを特徴とする請求項4に記載の車載用情報制御システム。
【請求項6】
前記チェックデータ生成部は、
チェックデータとしてハッシュ値を生成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車載用情報制御システム。
【請求項7】
前記チェック部は、
前記車載用情報制御装置から受信した前記ハッシュ値と前記表示データに含まれるハッシュ値を比較し、前記比較結果が等しい場合のみ、前記表示部に前記表示データを表示することを特徴とする請求項6に記載の車載用情報制御システム。
【請求項8】
前記車載用情報制御装置および前記表示装置は、
車両に取り付けられる装置の少なくとも一部であることを特徴とする請求項4〜請求項7の何れか一項に記載の車載用情報制御システム。
【請求項9】
接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録ステップと、
前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定ステップと、
前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換するデータ変換ステップと、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形ステップと、
を含むことを特徴とする車載用情報制御方法。
【請求項10】
前記データ変換ステップは、
前記接続機器の機器情報と、前記接続元機器と前記接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を読み出し、データを解析することを特徴とする請求項9に記載の車載用情報制御方法。
【請求項11】
前記データ整形ステップは、
画像データ、および音声データの結合やフォーマット変換を行うことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の車載用情報制御方法。
【請求項12】
接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録ステップと、
前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定ステップと、
前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換するデータ変換ステップと、
チェックデータを生成するチェックデータ生成ステップと、
外部媒体に格納され、暗号化された表示データを復号する鍵を格納する鍵格納ステップと、
前記表示データを表示する表示ステップと、
前記外部媒体に格納されている前記表示データが、正しく要求された表示データかどうかをチェックするチェックステップと、
を含むことを特徴とする車載用情報制御方法。
【請求項13】
前記データ変換ステップは、
前記接続機器の機器情報と、前記接続元機器と前記接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を読み出し、データを解析することを特徴とする請求項12に記載の車載用情報制御方法。
【請求項14】
前記チェックデータ生成ステップは、
チェックデータとしてハッシュ値を生成することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の車載用情報制御方法。
【請求項15】
前記チェックステップは、
前記ハッシュ値と、前記表示データに含まれる前記ハッシュ値を比較し、前記比較結果が等しい場合のみ、前記表示データを表示することを特徴とする請求項14に記載の車載用情報制御方法。
【請求項16】
接続機器とのリンクを確立する情報、前記接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録処理と、
前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定処理と、
前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換するデータ変換処理と、データの結合やフォーマット変換を行うデータ整形処理と、を車載用情報制御装置に実行させることを特徴とする車載用情報制御プログラム。
【請求項17】
前記データ変換処理は、
前記接続機器の機器情報と前記接続元機器と前記接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を読み出し、データを解析することを前記車載用情報制御装置に実行させることを特徴とする請求項16に記載の車載用情報制御プログラム。
【請求項18】
前記データ整形処理は、
画像データ、および音声データの結合やフォーマット変換を行うことを前記車載用情報制御装置に実行させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の車載用情報制御プログラム。
【請求項19】
接続機器とのリンクを確立する情報、接続機器の機器情報、接続元機器と接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を記録するデータ記録処理と、前記接続機器との接続処理を行う通信リンク設定処理と、前記接続元機器のデータを解析し、前記接続先機器の通信態様に変換するデータ変換処理と、チェックデータを生成するチェックデータ生成処理と、を車載用情報制御装置に実行させるプログラムと、
外部媒体に格納され、暗号化された表示データを復号する鍵を格納する鍵格納処理と、前記表示データを表示する表示処理と、前記外部媒体に格納されている前記表示データが、正しく要求された表示データかどうかをチェックするチェック処理と、を表示装置に実行させるプログラムと、
を含むことを特徴とする車載用情報制御プログラム。
【請求項20】
前記データ変換処理は、
前記接続機器の機器情報と前記接続元機器と前記接続先機器がサポートする通信態様との関連情報を読み出し、データの解析を行うことを特徴とする請求項19に記載の車載用情報制御プログラム。
【請求項21】
前記チェックデータ生成処理は、
チェックデータとしてハッシュ値を生成することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の車載用情報制御プログラム。
【請求項22】
前記チェック処理は、
前記車載用情報制御装置から受信した前記ハッシュ値と前記表示データに含まれるハッシュ値を比較し、前記比較結果が等しい場合のみ、前記表示データを表示することを特徴とする請求項21に記載の車載用情報制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−204943(P2012−204943A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65702(P2011−65702)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】