説明

車載用表示器

【課題】 遊び感覚を取入れた状態で、気軽に警告表示や運転後のドライブテクニックを評価できるようにした。
【解決手段】 ダッシュボードなどの乗用車車両内の適宜位置に固定されるケーシング1内に、左右乃至前後方向の加速度を検出するセンサを設けるとともに、ドライブモード時において、ケーシング1の前面に設けられた表示パネル2に表示されるキャラクターの動作を前記センサの検出に連動して移動乃至変化させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車における車載用表示器に関し、特に運転状態に応じて表示画面上のキャラクターが反応することによって現在の運転状況を判断できるようにするとともに、運転後にそのドライブテクニックを判定できるようにした車載用表示器に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ドライブテクテクニックを判定する手段として、急発進、急停止、急な右左折などがあった場合に警告を発生することができる表示器が提案されている。また、運転後に、これらの警告状態が何回生じたかで、ドライバーのテクニックを判定でき、安全運転の指針にすることが期待されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の計測機器は、通常の乗用車車両には備わっておらず、運転教習所や交通警察、あるいはゲームセンターなどで使用されるものでしかなかった。
【0004】
そこで、本発明は、以上の課題を解決するものであり、遊び感覚を取入れた状態で、気軽に警告表示や運転後のドライブテクニックを評価できるようにした乗用車における車載用表示器を提供することを目的とするものである。
【0005】
また、本発明はドライブテクニックの判定だけでなく、使われていない状態においては、現在時刻を表示したり、テレビゲーム機としても使用できるようにした車載用表示器を提供することを他の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、図の実施の形態にも示すように、ダッシュボードなどの乗用車車両内の適宜位置に固定されるケーシング1前面に設けられた光学的表示パネル2にキャラクターを表示させ、該キャラクターの動作若しくは表示態様を、運転の状況に対応して移動若しくは変化させるようにしたことを特徴とする車載用表示器にある。 また、ダッシュボードなどの乗用車車両内の適宜位置に固定されるケーシング1内に、左右乃至前後方向の加速度を検出するセンサを設けるとともに、ドライブモード時において、ケーシング1前面に設けられた液晶表示などの光学的表示パネル2に表示されるキャラクターの動作を前記センサの検出に連動して左右、前後に移動させることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明は、前記加速度センサの検出値に上限を設定するとともに、上限を越える毎に警告表示を行うことを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は、前記加速度センサの検出値の上限を越える毎に所定値1を加算し、運転終了後に評価モードに切替えることで、前記加算結果に対応するドライブテクニックを前記表示パネルに表示することを特徴とするものである。
【0009】
更に本発明は、時計機能を内蔵させ、前記ドライブモードまたは評価モードと切替え可能に表示パネルに表示することを特徴とするものである。
【0010】
また更に本発明は、テレビゲーム機能を内蔵させ、ゲームモード時に前記キャラクターの動きに応じた押しボタン操作に応じた加点がなされることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上の構成によれば、運転操作に連動して画面上のキャラクターが動き回るため、運転状態を画面により確認できる。
【0012】
請求項3では、急発進、急加減速、急な右左折があった場合にはその都度警告が発せられ、危険状態としてドライバーに認識させることができるため、安全運転の戒めとすることができる。
【0013】
請求項4では、運転終了後に前記危険状態が何度あったかで、ドライブテクニックが評価されるため、以後の安全運転の指針とするうえで好適である。
【0014】
請求項5では、ドライブモード以外の時は時計として使用でき、また請求項6ではテレビゲームとしても使用できるため、駐車時や渋滞時などの待ち時間などにおける退屈を紛らわすためのツールとしても好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1(a)〜(d)は本発明に係る車載用表示器を示すものであり、この表示器は扁平な略四角形状をなし、かつその下部に取付台1aを一体化した半割状のケーシング1と、ケーシング1内に内蔵された前後左右の加速度を検出するための図示しない複数のセンサ、その処理回路と、及びスピーカと、ケーシング1前面に設けられ、処理回路で処理された内容を表示する液晶など光学的表示パネル2及び表示パネル2の下部に配列されたモード設定ボタン3、セットボタン4及びセレクトボタン5とを備えている。
【0016】
ケーシング1の大きさは手の平大程度であって、取付台1aの下面に設けた図示しない両面粘着テープあるいはクリップなどを介して車両のダッシュボードなどに直接固定されるものである。
【0017】
表示パネル2に表示されるキャラクタは、(a)においては走行後のドライブテクニック判定時におけるシンキングタイムにおける犬のペット(以下ペットと称する)の状態を示し、(b)は時刻表示モード時における時計表示を示し、(c)はドライブモード時における散歩しているペットを示し、この状態では背景が順次変化するとともに、前記各センサの検出に応じてペット及び背景とも左右、前後(遠近)に移動する。また(d)は電源断時において、表示パネルが消灯する直前のペットの状態を示す。
【0018】
またこのほか表示パネル2には図示しないが、緑、黄色、赤のLEDが配置され、前記センサが急発進や、急停止、急な右左折した場合に、それに応じた警報色により、危険を警告する。
【0019】
図2は、以上の表示器における画面の遷移状態を示すものであり、初電源投入状態を初期状態として、前記各ボタンの操作に応じた対話形式により各モードに遷移するもので、内蔵される表示モードは、初電源投入モードを初期モードとして、時計モード、メニューモード、ペット画面モード(走行モード)、ドライブテクニック診断モード、ミニゲームモード、音量調整モード、オフモードがある。
【0020】
図3はその初電源投入時における処理手順を示すもので、最初に各種ロゴが表示され、ネクストボタン(モード設定ボタン3)を押すことで、ペットの言葉が表示され、ネクストボタンを押すことにより時計モードに遷移する。
【0021】
図4は時計モードの処理手順を示すもので、まず現在時刻が表示される。現在表示時刻が正しいものと判定された場合にはネクストボタンを押すことにより、ペット表示モードに遷移する。
【0022】
また、現在表示時刻を合わせたい場合には、セレクトボタン5を押せば時刻設定モードになり、設定する数字にカーソルが現れ、セレクトボタン5を押す毎に数字が1増し、次いで、この数値を固定するにはネクストボタンを押すことで、次の数字にカーソルが移動し、同じくセレクトボタン5により数字が変化する。このようにして最後の数字まで合わせたら、これに応じた時刻が表示され、ネクストボタンを押すことで、ペット表示モードに遷移する。
【0023】
またセレクトボタンの押動作で2秒以下の場合には、メニューモードに遷移する。
図5はメニューモードにおける処理手順を示すもので、まず、各メニューモードが表示され、セレクトボタンの押し操作により、カーソルが移動し、表示メニューのうちの順次1つのモードが選択され、この状態でネクストボタンを押すことにより、選択されたメニュー画面に遷移する。
【0024】
図6はペット表示モードにおける処理手順を示すものである。尚、図及び下記において、LED表示の色彩は、説明の便宜のために一例として示すもので、本発明は、このような表示態様に限定されるものでない。このモードでは図1(c)に示すように、ペットが道路などを背景として動く状態が表示パネル2に表示される。この状態で車両が移動し、急右折スイッチ入(右側検出用加速度センサ)によりペットは左側に飛ばされ、同時にLED表示が例えば黄から赤に変化し、スピーカからは警告が発生する。また急左折スイッチ入(左側検出用加速度センサ)によりキャラクタは右側に飛ばされ、同時にLED表示が例えば青から赤に変化し、スピーカから警告が発生する。
更に急加速スイッチ入(前部検出用加速度センサ)により、ペットは後ろ側にとばされ、同時にLED表示が例えば青から赤に変化し、スピーカから警告が発生する。また、急ブレーキスイッチ入(後部検出用加速度センサ)により、ペットは前にのめり、同時にLED表示が例えば青から赤に変化し、スピーカから警告が発生する。
【0025】
いずれも、これらの状態は前記各加速度センサによる検出値に上限を設け、これの上限を越えた場合に、前記警告が発生し、警告発生毎に安全運転レベルが下がったとされ、この状態が加算される。
【0026】
また、以上の検出値の上限以下であれば、加速度センサの検出状態に応じてペットが追っかけるような仕草や止ろうとする仕草を行い、LEDは青に点灯したままである。
運転終了後、ネクストボタンを押せば、ドライブテクニック診断モードに遷移し、セレクトボタンを押せば再び図5に示すメニューモードに遷移する。
【0027】
図7はドライブテクニック診断モード時における処理手順を示すもので、このモードに移行するとシンキングタイムの間にそれようのメロディが流れ、また、画面には図1(a)に示すように、「ツカレタ」のような文字とともに、それなりの姿態を取ったペットが表示される。この間に処理回路では急発進、急停止、急な右左折毎にその回数の加算結果に応じた判定モードを選択し、運転状況に応じた評価パターンを20段階程度に分けて表示パネル2に表示する。これにより次回運転からの安全運転の指針とすることができる。 その後ネクストボタンを押すことで、図5のメニューモードが表示される。
ドライブテクニック診断モードでは、判定を行う毎に、そのポイントがメモリー機能で蓄積される。
【0028】
図8は、前記メニューモードからテレビゲームを選択した場合の処理手順を示す。この処理では、ペットが犬特有の親しみの動作、例えば「お手」「お座り」「お回り」「伏せ」「ちんちん」などの特有の動作表示をする毎にユーザが押しボタン操作を行い、これら動作と押しボタン操作とが一致したと判定された場合に、ペットが喜ぶ状態が表示されると同時に正解として加算され、その加算数に応じた相性などが表示される。
そして、セレクトボタンを押すと、図5のメニューモードが表示される。また、ネクストボタンを押すことによりゲームを最初から行うことができる。
【0029】
図9は、音量調整モードにおける処理手順を示す。このモード選択により、現在の音量が表示され、ネクストボタンを押す毎に音量が一段階低くなり0から最大までのループが実抗される。したがって適度な音量位置でセレクトボタンを押せば、再び図5に示すメニューモードが表示される。
【0030】
図10は、電源オフモードの処理手順を示すもので、ユーザが電源をオフすると、図1(d)に示すように「オヤスミ」「スヤスヤ」などの表示とともに、ペットが眠りにつく状態が表示された後、時計のカウント以外の機能がオフされる。
【0031】
また、二回目以降電源をオンすると、直接ペット画面表示モード(走行モード)となる。これは、ゲーム機能は単なる付加機能であるし、時計調整、音量調整などの機能は既に設定され、再調整する必要がないからであるが、このモードから、押しボタン操作により、メニューモードに遷移し、ここから各種モードを選択できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)〜(d)は本発明に係る車載用表示器及びその表示パネルに表示されるキャラクタ及び数字を示す一部側面図を含め正面図である。
【図2】同表示器のモード遷移状態を示す説明図である。
【図3】初電源投入時における処理手順を示すフローチャートである。
【図4】時計モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】メニューモードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図6】走行モードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図7】ドライブテクニック診断モード時における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】ゲームモードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図9】音量調整モードにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図10】電源オフモードの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 ケーシング
2 表示パネル
3,4,5 操作ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダッシュボードなどの乗用車車両内の適宜位置に固定されるケーシング前面に設けられた光学的表示パネルにキャラクターを表示させ、該キャラクターの動作若しくは表示態様を、運転の状況に対応して移動若しくは変化させるようにしたことを特徴とする車載用表示器。
【請求項2】
ダッシュボードなどの乗用車車両内の適宜位置に固定されるケーシング内に、左右乃至前後方向の加速度を検出するセンサを設けるとともに、ドライブモード時において、ケーシング前面に設けられた光学的表示パネルに表示されるキャラクターの動作を、前記センサの検出に連動して移動させることを特徴とする車載用表示器。
【請求項3】
前記各加速度センサの検出値に上限を設定するとともに、上限を越える毎に警告表示を行うことを特徴とする請求項2記載の車載用表示器。
【請求項4】
前記各加速度センサの検出値の上限を越える毎に所定値を加算し、運転終了後に評価モードに切替えることで、前記加算結果に対応するドライブテクニックを前記表示パネルに表示することを特徴とする請求項2記載の車載用表示器。
【請求項5】
時計機能を内蔵させ、前記ドライブモードまたは評価モードと切替え可能に表示パネルに表示することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の車載用表示器。
【請求項6】
テレビゲーム機能を内蔵させ、ゲームモード時に前記キャラクターの動きに応じた押しボタン操作に応じた加点又は減点がなされることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の車載用表示器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−27357(P2006−27357A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206203(P2004−206203)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(591091799)株式会社ワコー (2)
【Fターム(参考)】