説明

車載用集塵機

【課題】 一般的搬送用車両や各種農業用車両、各種建設用車両などに搭載し、走行移動しながら清掃可能なものとすると共に、送風機中に落葉、小枝、その他の塵埃類が通過するのを阻止して機械的耐久寿命を延命化可能とする上、様々な吸引パイプ類を装着可能とする自由度ある新たな屋外清掃技術を提供する。
【解決手段】 車両8の荷台などへ昇降車自在且つ安定搭載可能に形成した車載ベース2上の適所に送風機3を配し、該送風機3に並置した集塵タンク4を接続し、同集塵タンク4内に配設する集塵容器5適所には、集塵タンク4外側にあって適宜塵埃用とする吸引パイプ7基端との着脱自在な取着の可能な吸引口43を開口した上、当該集塵タンク4内の吸引口43には、その近傍に設けた姿勢安定金具44に着脱自在に掛止した集塵容器5を収容して載置、固定するようにしてなる車載用集塵機1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、散在する塵埃を吸引、収集する技術に関連するものであり、特に屋外など広範囲に散乱する落葉や小枝などの塵埃類を効率的に吸引、収集可能な掃除機を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
住宅の庭や公園などの落葉や塵埃類を収集、清掃する場合には、一般的に熊手や箒などを用いた人手による作業の外、下記する特許文献1(1)に提案されているもののように、作業者が肩に吊下保持して持ち運び可能なサイズであり、筒型ノズルの基端がわに電動モータで回転駆動するファン、および塵埃収集袋を配してなる送風・吸引装置を利用し、より効率的に落葉収集、清掃することが可能である。
【0003】
しかしながら、街路樹、遊園地、各種競技場など屋外の広大な範囲に散乱する落葉や小枝、その他の塵埃類を清掃する場合や、クヌギ、ナラ、ケヤキ、ポプラなど腐葉土製造に適する広葉樹林から落葉を回収する場合などには、熊手や箒、送風・吸引装置などを用いた人海戦術だけでは非効率的である上、人件費の高騰など経済的にも不利であるという欠点があった。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(2)および1(3)に見られるような、車輪を組み込んで自走可能であり、地表面に向け近接配置した吸引口から塵埃収集袋までを吸引管路で繋ぎ、該吸引管路の中途適所に吸引用ファンを設けたものや、特許文献1(4)に代表するもののように、送風用ファンの送風口を地表面に向け斜め下向きとし、該吸引用ファン送風口の送風先となる位置に屑箱に繋がる風道管を配してなるものなど、吸引清掃しながら自立走行移動し、広範囲の清掃を効率良くに行えるようにしたものなども多数、散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような、作業者が保持可能な送風・吸引装置類にあっては、広大な範囲を清掃するのには不向きであり、特許文献1(2)および1(3)のような吸引口から塵埃収集袋を繋ぐ吸引管路の途中に吸引用ファンを配した自走型のものは、広範囲の清掃には有効であるものの、吸引する落葉や塵埃、小石、小枝などの塵埃類がファンの翼を通過する際、吸引用ファンの内部に塵埃が付着して空気抵抗が増大してしまうばかりでなく、それら塵埃の激しい衝突によって回転翼の摩耗や破損の頻度が高まり、機械的寿命が短いという欠点があり、最後に取り上げた特許文献1(4)のように、送風ファン送風口を屑箱の風道管に対峙する配置としてなるものなどは、先の例のもののような、送風ファンの翼に直接塵埃類が衝突する弊害を払拭して機械的摩耗や破損を低減できるようにしたものとなっているが、可撓性のサクションパイプなどを利用した吸引作業が不可能で、必ず塵埃上に掃除機本体を移動させなければならないという致命的欠点を残すものであった。
【特許文献1】(1)特開2002−159924号公報 (2)特開2000−328529号公報 (3)特開平9−203019号公報 (4)特開平9−151430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種肩掛け型送風・吸引装置などは、広範囲に散乱した塵埃の吸引清掃には不向きなものであり、また、広範囲の清掃に適した各種自走型掃除機類は、何れも吸引ファンの摩耗や破損の頻度が高いものや、吸引ファンの摩耗を阻止可能としたものでは、可撓性のサクションパイプなどを利用できなくなってしまうなどの欠点が残るものであり、永年、様々な農業用機械および園芸用機械などの開発、生産に携わり、多用な機械を市場に提供し続けてきている中、それらから得られた様々な知見、およびユーザーからの情報などに基づき、広葉樹林などの広大な敷地に散在する大量の落葉を効率的に吸引、収集する上で、吸引装置の耐久強度を高めることは勿論のこと、吸引作業性および収集した落葉を効率的に集積、運搬する技術、さらに、吸引装置の製造工程上からも、その吸引、集積機能を安全且つ効率的に実現可能とするための構成について、更なる改善の可能性を痛感するに至ったものである。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、一般的搬送用車両や各種農業用車両、各種建設用車両などに搭載し、走行移動しながら清掃可能なものにすると共に、送風機中に落葉、小枝、その他の塵埃類が通過するのを阻止して機械的耐久寿命を延命化可能とする上、様々な吸引パイプ類を装着可能とする自由度のある新たな屋外清掃技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の車載用集塵機を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の車載用集塵機は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、送風機と集塵タンクとを並置、固定可能とし、車両の荷台や台車などへ昇降車自在且つ安定搭載可能に形成した車載ベースに対し、該車載ベース上の一側がわに寄せて配置する送風機は、その吸込口を同車載ベース上の他側に向けて載置、固定する一方、同車載ベース上で当該送風機に隣接する他側がわに並置する集塵タンクは、1側壁面に組み込んだ開閉ドアを含む全体が密閉容器状であり、該開閉ドアが組み込まれておらず、当該送風機吸込口に対峙するがわの側壁面には、同吸込口に密実に接続可能とするようにした排気口を、また該排気口から充分に離れるか、および/または迂回するかの何れかであって、且つ当該集塵タンク内に配設する集塵容器上端またはその近傍への連通に支障のない適所には、集塵タンク外側にあって適宜塵埃用とする吸引パイプ基端との着脱自在な取着の可能な吸引口を、夫々開口した上、当該集塵タンク内の吸引口には、その近傍に設けた姿勢安定金具に着脱自在に掛止した集塵容器を収容して載置、固定するようにしてなるものとした構成を要旨とする車載用集塵機である。
【0009】
この基本的な構成からなる車載用集塵機は、その表現を変えて示すならば、送風機と集塵タンクとを並置、固定可能とし、車両の荷台や台車などへ昇降車自在且つ安定搭載可能に形成した車載ベースに対し、該車載ベース上の一側がわに寄せて配置する送風機は、その吸込口を同車載ベース上の他側に向けて載置、固定する一方、同車載ベース上で当該送風機に隣接する他側がわに並置する集塵タンクは、1側壁面に組み込んだ開閉ドアを含む全体が密閉容器状であり、該開閉ドアが組み込まれておらず、当該送風機吸込口に対峙するがわの側壁面には、同吸込口に密実に接続可能とするようにした排気口を、また該排気口から充分に離れるか、および/または迂回するかの何れかであって、且つ当該集塵タンク内に配設する集塵容器上端またはその近傍への連通に支障のない適所には、集塵タンク外側にあって適宜塵埃用とする吸引パイプ基端との着脱自在な取着の可能な吸引口を、夫々開口した上、当該集塵タンク内の吸引口には、その近傍に設けた姿勢安定金具に着脱自在に掛止した集塵容器を収容して載置、固定するようにし、吸引パイプから流入した気流中の塵埃を送風機に先立って配置した集塵タンク内集塵容器中に集積し、吸引塵埃が送風機に進入するのを阻止可能なものとした構成からなる車載用集塵機となる。
【発明の効果】
【0010】
以上のとおり、この発明の車載用集塵機によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、吸引パイプを通じて流入した塵埃を集塵タンク内集塵容器中に集積してしまい、集塵タンク内を通過した空気のみ送風機に吸い込むようにしてあるから、吸引塵埃が送風機内に進入するのを確実に阻止可能とし、従前までであれば、送風機の回転翼が汚れて空気抵抗を増大させてしまったり、早期に摩耗、破損してしまうという欠点があったが、こうした課題を一挙に解消し、送風機の格段の長寿命化を達成可能なものとすると共に、車載ベース上に送風機と集塵タンクとを並置して一まとめに運搬、および、保管可能なものとしてあるから、取り扱いが安全且つ容易になり、一般的搬送用車両の荷台や各種農業用車両、各種建設用車両などの外、牽引用の台車などに自由に搭載可能であり、搭載車両や台車などを停車させた状態だけでなく、極低速の走行移動中であれば、地上の落葉や小枝などの塵埃を安全且つ効率的に清掃可能なものとすることができるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
【0011】
加えて、集塵タンク内に集塵容器を配設してなるものは、吸引パイプから送風機へ向かう集塵タンク内の気流を妨げることなく、低空気抵抗を達成することができる上、集塵タンク内に流入した落葉や小枝などの塵埃を集塵容器内に悉く収集し、塵埃を取り出す場合には、集塵タンクの開閉ドアを開き、集塵容器諸共外部に取り出すことができるから、塵埃の運搬作業性を格段に高めたものとすることができ、さらに、集塵タンクの集塵容器が、集塵タンク開閉ドアを通じて出し入れ自在であって、同集塵タンク内吸引口との接続用開口部を除き、落葉や小枝を含む塵埃が通過不可能な通気性集塵袋であって、該集塵袋の接続用開口部近傍に、姿勢安定金具に着脱自在に吊下可能な掛止部を形成してなるものは、柔軟素材製の集塵袋の取り扱いが容易で、吸引清掃後の塵埃の取り出しと運搬作業の労働負担とを大幅に軽減することができるという大きな効果を奏するものである。
【0012】
また、集塵タンクを矩形箱型のものとし、その側壁に開口する吸引口は天面か、底面かの何れか一方に近接配置する一方、該吸引口を開口した側壁の隣接壁に開口する排気口は、該吸引口とは上下反転配置とする如く、天面か底面かの何れか他方に近接配置するようにした上、該排気口に異物吸引を阻止可能な鎧枠を形成してなるものは、吸引パイプ基端から送風機吸込口に向かう気流中に含まれる落葉や小枝などの塵埃類に重力が作用し易くし、集塵容器中に塵埃類をより一段と効率的に落下、収集可能なものとする上、該鎧枠が、柔軟な集塵袋やその他の異物などが送風機がわに流入するのを確実に防止し、送風機内に塵埃やその他の異物類を吸入してしまうのを一層確実に阻止し、安全性を高めたものとなる。
【0013】
さらに、車載ベースの底部がわにフォークリフトの爪用差込部を設けると共に、少なくとも周囲4角付近夫々に短柱状か、レール状かの何れか一方か、または、それらの組み合わせとし、接地面に弾性且つ高摩擦の接地座を一体化した支持脚を設けた上、各支持脚と交換可能か、または、各支持脚から僅かにずらした少なくとも4角付近夫々に着脱自在および/または突没自在なキャスターを配設し、当該車載ベース上面がわ適所と集塵タンク底部との間に仮固定機構を組み込んでなるものは、クレーン作業が困難な天井の低い倉庫内などであっても一般的なフォークリフトを用いて安全に昇降車自在なものとすることができ、しかも各キャスターで少人数であっても円滑且つ安全な滑走移動を実現化するものとなり、各支持脚接地面の接地座が、搭載車両の荷台と各支持脚との接地摩擦を高め、走行中に車載用集塵機が滑り動いてしまうのを確実に防止すると共に、搭載車両の荷台を傷付きや破損から保護できるという秀れた効果が得られるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
車載ベースは、この発明の車載用集塵機の主要な構成要素である送風機および集塵タンクを一まとめに運搬、保管可能とするよう並置、固定可能とし、車両の荷台や台車などに安定搭載、および、降車自在とする機能を担い、それら送風機および集塵タンクの重量に充分耐え得る強度を有し、固定的に支持可能なものとしなければならず、平板状のものや骨格枠からなるもの、または、骨格枠に平板材を組み合わせてなるものなどとすることができ、周囲適所に保護枠や保護柱、クレーン用の吊下金具などを設けたものとすることが可能であり、後述する実施例にも示すように、その底部がわにフォークリフトの爪用差込部を設けると共に、少なくとも4角付近夫々に短柱状か、レール状かの何れか一方か、または、それらの組み合わせとし、接地面に弾性且つ高摩擦の接地座を一体化した支持脚を設けた上、各支持脚と交換可能か、または、各支持脚から僅かにずらした少なくとも4角付近夫々に着脱自在および/または突没自在なキャスターを配設するようにし、さらに、当該車載ベース天面がわ適所と集塵タンク底部との間に仮固定機構を組み込んでなるものとすることができる。
【0015】
車載ベースのフォークリフトの爪用差込部は、フォークリフトで当該車載用集塵機を対象車両の荷台や台車などに積み込み、または荷卸し可能とする機能を分担し、該車載ベースの上下厚み寸法間範囲内であって、送風機や集塵タンクの何れか一方か、または、双方を搭載した状態かの何れであっても、左右バランスが均衡し、フォークリフトの爪に対応可能な範囲に水平貫通孔を穿孔してなるものとする外、該車載ベースの底部に、フォークリフトの爪に対応する範囲を除く、例えば4角および中央の夫々に短柱状やレール状の支持脚を突設し、フォークリフトの左右爪を車載ベース天板下に差込み自在なものとすることなどができ、各支持脚は、着脱自在および/または突没自在なものとすることが可能であって、当該車載ベース外周がわ複数適所にロープ、チェーン、ワイヤー、および/または固定金具などを用いて車両の荷台や台車の搭載箇所に仮固定可能なものとする繋着フックや繋着環などの搭載用固定金具を設けたものとすることができる。
【0016】
車載ベースのキャスターは、この発明の車載用集塵機の車載ベース以上の全体を滑走自在に安定支持可能とする機能を担うものであり、車載ベースの底部の均衡する複数箇所である少なくとも4角近傍下に、充分な支持強度をもって突設したものとしなければならず、各々着脱自在なものとするのが望ましく、各支持脚と交換装着可能なものとすることができる外、各支持脚から僅かにずらした位置に配設してなるものとすることができ、更にまた、該車載ベースを平置き搭載可能な平板や骨格枠の下部に複数のキャスターを設けて台車を形成し、該台車上に車載ベースを搭載、仮固定可能なものとすることなどが可能である。
【0017】
車載ベースの集塵タンク用仮固定機構は、該車載ベース上に搭載した集塵タンクを安定的に仮固定可能とする機能を担い、手作業にて簡単、迅速に脱着可能であり、しかも充分な強度で集塵タンクを仮固定可能なものとしなければならず、より具体的には、集塵タンクの底部付近周囲に点在状に設けた複数のフックと、車載ベース上対応各所に点在するバックルとからなるものとすることができる外、後述する実施例に示すとおり、車載ベース上の集塵タンク底部周囲が対応する複数箇所、および、それらに対応する同集塵タンク底部周囲の複数箇所夫々に、水平孔が一致可能な連結用フランジ部を形成し、各水平孔にロッドと割ピンを組み合わせるなどして仮固定可能なものとしたものや、各水平孔にボルト・ナットを組み合わせてなるものなどとすることができる。
【0018】
送風機は、集塵タンク内および吸引パイプを通じて外気を吸引可能にすると共に、吸引パイプを通じて集塵タンク内まで塵埃を吸引可能なものとし、集塵タンク内を通過した空気を強制的に集塵タンク外へ排気可能とする機能を担っており、遠心送風機、軸流送風機、斜流送風機、横断流送風機など公知のあらゆる送風機を採用可能とするものであり、より具体的には、プロペラファン、シロッコファン、ターボファン、斜流ファン、ラインフローファンなどとすることが可能な外、各種空気圧縮機を利用することが可能であり、各種電動モータや各種エンジンなどの独自駆動源の外、搭載対象車両の走行用エンジン出力や、油圧回路出力、電力出力などを利用するものや、搭載対象車両の車両の燃料タンクやバッテリーなどの燃料源や電力源などを利用して駆動可能なものなどとすることも可能であり、モーターやエンジンなどといった各種駆動源に加え、その回転力を伝達可能なギア機構、ベルト伝達機構、シャフト電動機構、減速機構などの各種回転力伝達機構を組み合わせたものとすることができ、後述する実施例にも示すとおり、吐出口に固定的配管パイプおよび/または可撓性排気パイプを接続し、支障のない方向に排気を誘導可能なものとすることができる。
【0019】
集塵タンクは、送風機の吸引力を受け、吸引パイプを通じて外気およびそれに含まれる塵埃を吸引可能にすると共に、吸引外気と共に流入する落葉や小枝などの塵埃類を堰き止め、空気を送風機に向けて通過、排気可能とする機能を担うものであり、車載ベース上に搭載可能で、送風機の吸引力を漏らさず、吸引パイプに伝達可能とするよう密閉性を有したものとする必要があり、充分な量の落葉や小枝類のような塵埃を堆積、収容可能な集塵容器を収容可能とするだけの十分な容量を確保したものとしなければならず、より具体的には、密閉容器状で該送風機吸込口に対峙する壁面に、該吸込口に接続・離脱自在な排気口、同排気口から充分に離れるか、および/または、迂回するかの何れかとした壁面適所に吸引パイプである可撓性サクションパイプ基端が着脱自在な吸引口を夫々開口し、適所に集積塵埃取り出し用であって、閉鎖時には集塵タンク本体に対して密封構造となるようにした開閉ドアを設け、車載ベース上の適所に着脱自在に搭載、固定可能なものとすべきである。
【0020】
また、集塵タンクは、後述する実施例にも示すように、同集塵タンク開閉ドアを通じて出し入れ自在であって、同集塵タンク吸引口との接続用開口部を除き、落葉や小枝を含む塵埃が通過不可能な通気性集塵容器を装着、離脱自在に組み込んだものとするのが望ましく、さらに、矩形箱型で、その一側壁面に開口する吸引口は天面か底面かの何れか一方に近接配置する一方、該吸引口を開口した一側壁に隣接する側壁に開口する排気口は、該吸引口とは上下反転配置とする如く、天面か底面かの何れか他方に近接配置した上、該排気口に異物吸引を阻止可能な鎧枠を形成し、当該集塵タンク内天面適所には、集塵容器である集塵袋などの姿勢安定金具を設けてなるものとすることが可能であり、加えて、各壁面毎に板状部品に分解可能なものや、折り畳み可能なものとし、運搬や収納性をさらに高めたものとすることができる。
【0021】
集塵タンクの開閉ドアは、集塵タンク内に集積した落葉や小枝を含む塵埃を取り出し可能とする機能を担っており、集塵袋や集塵バケットなどといった集塵容器を出し入れ容易な形状、寸法のものとすべきであり、不用意な開閉を防止可能なロック機構やバックル機構、ドアノブ機構など何れかの仮固定用の機構を組み込んでなるものであって、閉鎖時には、集塵タンクの、吸引口と排気口との開口部分を除いた全体として密実構造を実現するようにしなければならず、集塵タンクの集塵容器としての集塵袋は、集塵タンク内を通過する空気中に含まれる落葉や小枝を含む塵埃を堰き止めて集積可能とすると共に、空気を送風機がわに低抵抗で通過可能とする機能を担い、集塵タンク吸引口との接続用開口部を除き、落葉や小枝を含む塵埃が通過不可能な通気性を有し、集塵タンク開閉ドアを通じて出し入れ自在で、同集塵タンク内適所に装着、離脱自在に組み込み可能なものとしなければならず、通気性のフィルター紙製、布製、通気孔を穿設した樹脂製、網製などの何れかからなるものとすべきであり、着脱作業や運搬に適するよう柔軟で軽量な素材製のものとしたり、運搬中の衝突などの外力に良く耐えて変形や破損し難い、金属製の籠やバケットといった箱形容器などとすることも勿論可能であり、収容した塵埃を簡単に排出可能とする開閉口、および、集塵タンク内の姿勢安定金具に、安全且つ容易に吊下可能な1個または複数個の吊下フックや吊下孔などの掛止部を形成したものとすべきである。
【0022】
吸引パイプは、集塵タンクを通じて送風機から伝わる吸引力を受け、その先端がわから吸引外気諸共、落葉や小枝を含む塵埃を吸引可能とする機能を担うものであり、この発明の車載用集塵機を車両の荷台や台車などに搭載した場合に、該吸引パイプの先端が地上付近に配置するよう、固定的形状に形成されたもの、または角度調節機構などで先端姿勢を調節可能としたものなどとするようにし、搭載車両の走行に伴い、吸引動作可能としたものとすることができる外、後述する実施例に示すように、可撓性のサクションパイプからなるものとし、搭載車両を停車させた状態や、極低速で移動運転させながら、車外の作業者が、該サクションパイプの先端がわを地表面付近に振り動かして周囲の塵埃を吸引、清掃可能なものとすることができ、該サクションパイプの先端に把持用の操作ハンドルを有する吸引ヘッドを設けたものとするのが望ましいと云える。
【0023】
また、集塵タンクの排気口と送風機吸込口の接続部分、集塵タンクの吸引口と吸引パイプ基端の接続部分、開閉ドアの閉鎖周縁部分などに、外気の流入を防止可能な発泡樹脂製、軟質樹脂、天然ゴム製、合成ゴム製などのパッキンやシール部品、外皮カバーなどといった、密閉構造を実現可能するあらゆる部材、部品などを組み込んだものとすることができることは云うまでもないことである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面は、この発明の車載用集塵機の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】車載用集塵機を示す斜視図である。
【図2】集塵タンクを離脱した車載用集塵機を示す斜視図である
【図3】開閉ドアを開いた集塵タンクを正面視で示す斜視図である。
【図4】集塵袋を示す斜視図である。
【図5】集塵袋を吊下した集塵タンクを正面視で示す斜視図である。
【図6】車載ベースのキャスターを示す斜視図である。
【図7】集塵タンク開閉ドアのロック機構を示す斜視図である。
【図8】車両荷台に搭載した車載用集塵機を右側面視で示す斜視図である。
【図9】車両荷台に搭載した車載用集塵機を左側面視で示す斜視図である。
【図10】車両荷台に搭載した車載用集塵機を後方から見て示す斜視図である。
【図11】軽トラックに搭載する車載用集塵機を示す斜視図である。
【図12】車載用集塵機を示す空気回路図である。
【図13】一部に変更を加えた車載用集塵機を示す空気回路図である。
【図14】一部に変更を加えた車載用集塵機を示す空気回路図である。
【実施例1】
【0025】
図1ないし図12に示す事例は、車両8の荷台などへ昇降車自在且つ安定搭載可能に形成した車載ベース2上の適所に送風機3を配し、該送風機3に並置した集塵タンク4を接続し、同集塵タンク4内に配設する集塵容器5適所には、集塵タンク4外側にあって適宜塵埃用とする吸引パイプ7基端との着脱自在な取着の可能な吸引口43を開口した上、当該集塵タンク4内の吸引口43には、その近傍に設けた姿勢安定金具44に着脱自在に掛止した集塵容器5を収容して載置、固定するようにしてなるものとした、この発明の車載用集塵機における代表的な一実施例を示すものである。
【0026】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明による車載用集塵機1は、各種山形鋼、I形鋼、みぞ形鋼、H形鋼、各種鋼管、各種鋼板などを適宜選択し、組み合せて搭載対象車両8の荷台に搭載可能な所定平面積とした水平四角形骨格枠状の車載ベース2を形成し、図2中に示すように、該車載ベース2底面20の4角の夫々からは、断面口字形鋼管製の短柱からなり、接地面に弾性且つ高摩擦の、例えば天然ゴム製の接地座22,22,……を一体化した支持脚21,21,……を固着一体化するか、連結ピンやボルト・ナットなどで着脱自在か、図示しない折り畳み機構で折り畳み収納自在か、または、図示しない突没機構にて突没自在かの何れかとするよう、垂下状に一体化してなるものとしてあり、それら支持脚21,21,……間の底部20下を、図示しないフォークリフトの爪用の差込部23とし、さらに、図6に示すように、各支持脚21,21,……から夫々僅かにずらした、少なくとも4角付近夫々にはキャスター24,24,……を配設するようにし、各キャスター24は、その基端に、車載ベース2下向き周縁に上向き嵌合可能な2枚1組みのフランジ部を有し、それらフランジ部に車載ベース2下向き周縁装着箇所の取付孔に対応する水平軸孔を貫通した上、一端に抜止め頭部を形成し、他端に直径方向に貫通するピン孔を穿孔した連結軸25とR字形(波形)スナップピン26とを組み合わせ、当該車載ベース2下4隅付近に着脱自在に組み込み可能なものとしてある。
【0027】
図1ないし図3に示すように、当該車載ベース2上の一側がわに寄せた配置とするよう、駆動源30となるエンジン30が、ベルト伝動機構31を介して接続してある多翼遠心形の送風機3を搭載し、図示しないボルト・ナットで固定すると共に、その吸込口32を同車載ベース2上の他側に向け、同車載ベース2上で当該送風機3に隣接する他側がわに並置する集塵タンク4は、矩形箱型で、その1側壁面に組み込んだ開閉ドア40を含む全体が密閉容器状となり、該開閉ドア40に対峙する壁面であって、当該送風機3吸込口32に対応するがわの側壁の底面に近接する箇所には、同吸込口32に気密に接続可能とするよう大径短筒形とした排気口41を外がわに向け、水平に突出するよう開口し、該排気口41の集塵タンク4内がわには、異物吸引を阻止可能な鎧枠42を設けたものとしてある。
【0028】
図2ないし図5に示すように、当該集塵タンク4の開閉ドア40を設けた側壁と排気口41を設けた側壁との間に隣接する側壁の、天面近くで当該排気口41から充分に離れた位置であって、しかも集塵容器5上端またはその近傍への連通に支障のない適所には、その側壁の内外に向け、夫々大径短筒形をなして水平姿勢に突出、開口する吸引口43を形成し、同吸引口43の内端は、集塵容器5の後述する接続用開口部51を接続可能な円筒形となし、また、同吸引口43の外端は、後述する吸引パイプ7基端を着脱自在に装着可能、且つ、接続状態で気密を確保可能な円筒形状のものとしてあり、当該集塵タンク4の内側天面の複数適所には、夫々姿勢安定金具44である吊下フック44,44,……を設けたものとした。
【0029】
当該集塵タンク4の底面下の4角夫々には、車載ベース2上面他側の該集塵タンク4底部の4角に対応する箇所に上向き開口するよう形成してあるブラケット60,60,……に、下向き嵌合可能なフランジ61,61,……を垂下姿勢で一体化するようにし、それらブラケット60,60,……およびフランジ61,61,……の重ね合わせた貫通孔に、タンク固定軸62,62,……およびスナップピン63,63,……を組み合せてなる仮固定機構6を設け、さらに、図7に示すように、開閉ドア40の遊端がわとなる縁部の上下中央付近に、開閉操作用の把持枠45およびロック用の掛止枠46を固着し、当該集塵タンク4の開閉ドア40に隣接する側壁縁付近であって該開閉ドア40掛止枠46に対応する箇所には、同図7中の二点鎖線矢印で示すよう、水平軸心回りに回転自在とした横転L字形のロックレバー47を脱抜不能に枢着し、該ロックレバー47を水平姿勢に回動操作して掛止枠46のロックを解除し、把持枠45を把持して、同図中白抜き二点鎖線矢印に示すようにして開閉ドア40を開放自在とし、開閉ドア40閉鎖した状態で該ロックレバー47を垂下姿勢に回動操作し、掛止枠46を閉鎖状態にロック可能なものとしてある。
【0030】
図3ないし図5に示すように、集塵容器5は、集塵タンク4内に収容可能な寸法に設定した長方形状の軟質合成樹脂網製としたものであり、集塵タンク4内に収容したときには、同集塵タンク4内の吸引口43に対峙可能な一側縁に沿って、下から上には閉じ、上から下には開放可能とするファスナーを装着した開閉口50を開口し、該開閉口50の上端寄りとなる箇所を吸引口43に被着し、隙間無くファスナーを閉じ、そのファスナーの閉じ残し部分を接続用開口部51とする如く形成してあり、さらに、同集塵袋5上端縁の集塵タンク4内での天面に点在した複数の姿勢安定金具44である吊下フック44,44,……に対応する箇所、および下端の2角の夫々に鳩目金具および補強布を設けた掛止部52,52,……を設け、図5中に示すように、吊下装着可能なものにしてある。
【0031】
図1および図11に示すように、車載ベース2上に載置した集塵タンク4の外がわに露出させた吸引口43には、吸引パイプ7である充分な長さに設定した可撓性サクションパイプ7の基端を、気密状に隙間無く差し込み接続可能であって、該サクションパイプ7の先端には、操作ハンドル71付きの硬質な吸引ヘッド70を設けたものとしてあり、また、図11に示すよう、送風機3の煙突状に上向きに立設し、上端を水平姿勢とする如く開口した円筒状の吐出口33には、可撓性の排気パイプ35を接続し、作業中に都合の良い向きに排気方向を変更可能なものとなっている。
【0032】
この実施例の車載用集塵機1は、上述したように、図12に示す空気回路および集塵袋5を有するものとしているが、場合によっては、該集塵袋5を、比較的硬質であって保形性ある網籠かチューブ状のものとすることもできる外、図13に示しているように、集塵タンク4の対峙壁面の天面寄りとなる箇所に吸引口43および排気口41を配し、それら吸引口43および排気口41間に、天面から垂下した分離板48を配し、同集塵タンク4内底面上に、比較的硬質な矩形容器型の集塵容器5を、取り出し自在に収容してなるものなどとすることができ、さらにまた、図14に示すように、集塵タンク4の底面を開閉自在なものとし、図示しないトラックやトラクター後部などに当該車載用集塵機1を搭載し、集塵容器5を取り外した状態で集塵タンク4内に直接、落葉や小枝などの塵埃類9を集積した後、圃場などに移動して集塵タンク4底面を開放し、蓄積した塵埃類9を散布しながら走行可能なものなどとすることなども、集塵容器5が不足した応急手段とするなり、あるいは対象とする塵埃類9の種類に依っては選択的な採用を可能とするものである。
【0033】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の車載用集塵機1は、図1および図2中に示すように、車載ベース2他側の仮固定機構6各ブラケット60,60,……上に、図示しないクレーンなどを用い、図2中に白抜き破線矢印で示すよう集塵タンク4を吊り下げ移動するようにし、その底面下に垂下状一体化した各フランジ61,61,……を嵌合状に載置し、重ね合わせたそれらの各水平孔に、タンク固定軸62,62,……、を差し込み、スナップピン63,63,……で抜け止めを施して一体化するよう組み合わせることが可能であり、また、各スナップピン63,63,……およびタンク固定軸62,62,……を抜き取り、集塵タンク4を車載ベース2上から取り外すことも可能であって、一段と輸送安全性と収納性とを高めることができると共に、送風機3、駆動源30、ベルト伝動機構31および取り外した集塵タンク4の各々のメンテナンス性を高めたものとすることができるという利点がある。
【0034】
図3ないし図5に示すように、集塵タンク4内に収容し、集塵容器5としての集塵袋5の開閉口50上端寄りの箇所を吸引口43内端に被せ、そのファスナーを引き上げて同吸引口43に接続する接続用開口部51を残して閉鎖するようにした上、該集塵袋5上端縁に列ぶ各掛止部52,52,……を、姿勢安定金具44であるところの各吊下フック44,44,……に吊着するという、極めて簡便な操作で短時間の中に、図5に示してあるように、集塵袋5を集塵タンク4内に装着、格納することができ、図7のようにして、閉鎖した開閉ドア40は、ロックレバー47およびロック用の掛止枠46の係合でロックするようにし、逆にロックレバー47およびロック用の掛止枠46の係合を解除して開放可能なものとしてあり、開閉ドア40を閉鎖した状態では、集塵タンク4内が、吸引口43および排気口41の開口部分を除き、外部から気密状に隔絶された構造を実現し、図5中の二点鎖線白抜き矢印、および、図12中の二点鎖線矢印に示しているように、吸引口43(図1の吸引パイプ7)から吸引した塵埃9を含む外気が、集塵袋5に流入し、同集塵袋5内に塵埃9だけを堰き止めて集積し、同集塵袋5を通過した空気だけが、排気口41を通過して送風機3吸込口32に吸引されることとなって、送風機3の回転翼34は、その際の塵埃9通過による摩耗、破損から完全に保護できると共に、送風機3内壁や回転翼34への塵埃9や汚れの付着による吸引効率の低下も大巾に防止でき得るものになるという、これまでに無い効果が期待できる。
【0035】
図2および図8に示すように、車載ベース2の各支持脚21,21,……接地面に設けた接地座22,22,……は、搭載車両8の荷台を保護すると共に、弾性的で高摩擦な接地によって滑り動きを阻止し、安全且つ安定な搭載を実現化することができ、また、図6のように、キャスター24,24,……を、連結軸25,25,……およびスナップピン26,26,……だけで簡単、簡便に脱着できるようにしてあることから、車載ベース2をフォークリフトなどで持ち上げてキャスター24,24,……を迅速、的確に装着した後は、フォークリフトから降ろした車載用集塵機1を、少人数であっても容易に押し動かすことができるものとなり、作業性に秀れたものとなっている。
【0036】
そして、図8ないし図10に示してあるように、この車載用集塵機1を軽トラックなどの平ボディー車に余裕を持って搭載でき、空いている荷台上には、取り外した吸引パイプ7や清掃後の塵埃9収集済みの集塵容器5などを収容可能としたり、図11に示すよう、軽トラック8に搭載し、取り外した吸引パイプ7は、塵埃9収集前の空の集塵容器5と共に、集塵タンク4内に収容して搬送したりすることも可能となる。
【0037】
また、図13に示すように、集塵容器5を器型の矩形籠とし、集塵タンク4内天面から分離板48を垂下するようにしてなるものとした場合には、吸引口43から流入した外気が、分離板48に衝突して枯葉や小枝などの塵埃9を分離し、集塵容器5内に落下させるようにしたものとなっていて、空気だけが、排気口41を通じて送風機3に流入、放出するようになり、集塵タンク4からは、この集塵容器5を取り出しさえすれば、集積した大量の塵埃9を極めて簡単、円滑に運搬、処理することを可能にするものとなっており、そして、図14に示してあるものでは、集塵タンク4そのものの底面を開閉自在となるようしてあって、集塵容器5の底面と集塵タンク4の底面とを連動式に開放する(図示にはせず、省略。)か、集塵容器5を格納しない状態の集塵タンク4底面だけを開放できるようにするかしておき、それら枯葉や小枝などの塵埃9を吸引、集積した後の集塵タンク4をトラック荷台からは適宜手段に依って降ろし、例えばトラクター後部に搭載するなどとした上で、別の圃場などに移動して集塵タンク4底面、または集塵容器5底面と連動するようにした集塵タンク4の底面(図示にはせず、省略。)を開放しながら走行することにより、労せずして枯葉や小枝9を圃場の広範囲に亘って散布することを可能となるようにし、その後、ローターリーなど使って鋤き込んで塵埃処理すると共に、堆肥化してしまうための前処理技術に応用するようにすることなども可能になる。
【0038】
(結 び)
叙述の如く、この発明の車載用集塵機1は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの屋外掃除技術に比較して走行装置部分を廃し、一般的な貨物車両の荷台や台車などへの搭載型としたことで大幅な部品点数の削減と軽量化とを達成すると共に、格段の低廉化によって遥かに経済的なものとすることができる上、耐久性能およびメンテナンス性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までは送風機内部の清掃や摩耗部品の交換などを頻繁に行わなければならなかったが、こうした作業負担や維持経費を大幅に削減することができるから、遊園地や公園、庭園、各種スタジアム、各種陸上競技場、ゴルフ場、競馬場、山林、道路などの広大な屋外の清掃に多大な労働負担と経費とを費やさざるを得なかった各企業や団体、学校などにとって朗報となり、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0039】
1 車載用集塵機
2 車載ベース
20 同 底部
21 同 支持脚
22 同 接地座
23 同 フォークリフトの爪用差込部
24 同 キャスター
25 同 連結軸
26 同 スナップピン
3 送風機
30 同 駆動源
31 同 ベルト伝動機構
32 同 吸込口
33 同 吐出口
34 同 回転翼
35 同 排気パイプ
4 集塵タンク
40 同 開閉ドア
41 同 排気口
42 同 鎧枠
43 同 吸引口
44 同 吊下フック(姿勢安定金具)
45 同 ドア把持枠
46 同 ロック用の掛止枠
47 同 ロックレバー
48 同 分離板
5 集塵袋(集塵容器)
50 同 開閉口
51 同 接続用開口部
52 同 掛止部
6 仮固定機構
60 同 ブラケット
61 同 フランジ
62 同 タンク固定軸
63 同 スナップピン
7 可撓性サクションパイプ(吸引パイプ)
70 同 吸引ヘッド
71 同 操作ハンドル
8 搭載対象車両
9 落葉などの塵埃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機と集塵タンクとを並置、固定可能とし、車両の荷台や台車などへ昇降車自在且つ安定搭載可能に形成した車載ベースに対し、該車載ベース上の一側がわに寄せて配置する送風機は、その吸込口を同車載ベース上の他側に向けて載置、固定する一方、同車載ベース上で当該送風機に隣接する他側がわに並置する集塵タンクは、1側壁面に組み込んだ開閉ドアを含む全体が密閉容器状であり、該開閉ドアが組み込まれておらず、当該送風機吸込口に対峙するがわの側壁面には、同吸込口に密実に接続可能とするようにした排気口を、また該排気口から充分に離れるか、および/または迂回するかの何れかであって、且つ当該集塵タンク内に配設する集塵容器上端またはその近傍への連通に支障のない適所には、集塵タンク外側にあって適宜塵埃用とする吸引パイプ基端との着脱自在な取着の可能な吸引口を、夫々開口した上、当該集塵タンク内の吸引口には、その近傍に設けた姿勢安定金具に着脱自在に掛止した集塵容器を収容して載置、固定するようにしてなるものとしたことを特徴とする車載用集塵機。
【請求項2】
送風機と集塵タンクとを並置、固定可能とし、車両の荷台や台車などへ昇降車自在且つ安定搭載可能に形成した車載ベースに対し、該車載ベース上の一側がわに寄せて配置する送風機は、その吸込口を同車載ベース上の他側に向けて載置、固定する一方、同車載ベース上で当該送風機に隣接する他側がわに並置する集塵タンクは、1側壁面に組み込んだ開閉ドアを含む全体が密閉容器状であり、該開閉ドアが組み込まれておらず、当該送風機吸込口に対峙するがわの側壁面には、同吸込口に密実に接続可能とするようにした排気口を、また該排気口から充分に離れるか、および/または迂回するかの何れかであって、且つ当該集塵タンク内に配設する集塵容器上端またはその近傍への連通に支障のない適所には、集塵タンク外側にあって適宜塵埃用とする吸引パイプ基端との着脱自在な取着の可能な吸引口を、夫々開口した上、当該集塵タンク内の吸引口には、その近傍に設けた姿勢安定金具に着脱自在に掛止した集塵容器を収容して載置、固定するようにし、吸引パイプから流入した気流中の塵埃を送風機に先立って配置した集塵タンク内集塵容器中に集積し、吸引塵埃が送風機に進入するのを阻止可能なものとしたことを特徴とする車載用集塵機。
【請求項3】
集塵タンクの集塵容器が、集塵タンク開閉ドアを通じて出し入れ自在であって、同集塵タンク内吸引口との接続用開口部を除き、落葉や小枝を含む塵埃が通過不可能な通気性集塵袋であって、該集塵袋の接続用開口部近傍に、姿勢安定金具に着脱自在に吊下可能な掛止部を形成してなるものとした、請求項1または2何れか一方記載の車載用集塵機。
【請求項4】
集塵タンクが、矩形箱型で、その側壁に開口する吸引口は天面か底面かの何れか一方に近接配置する一方、該吸引口を開口した側壁の隣接壁に開口する排気口は、該吸引口とは上下反転配置とする如く、天面か底面かの何れか他方に近接配置した上、該排気口に異物吸引を阻止可能な鎧枠を形成してなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の車載用集塵機。
【請求項5】
車載ベースが、その底部がわにフォークリフトの爪用差込部を設けると共に、少なくとも4角付近夫々に短柱状か、レール状かの何れか一方か、または、それらの組み合わせとし、接地面に弾性且つ高摩擦の接地座を一体化した支持脚を設けた上、各支持脚と交換可能か、または、各支持脚から僅かにずらした少なくとも4角付近夫々に着脱自在および/または突没自在なキャスターを配設し、当該車載ベース上面がわ適所と集塵タンク底部との間に仮固定機構を組み込んでなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の車載用集塵機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−40476(P2013−40476A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177321(P2011−177321)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(393011474)
【Fターム(参考)】