説明

車載計量装置

【課題】計量時には、熱膨張や捩れによる横方向の力がロードセルに作用することを最小限に抑えることができて、被収容物を含めた容器の重量を良好な計量精度で計量することができながら、製造コストを低めに抑えることが可能で、さらに、少ないスペースでコンパクトに設置できる車載計量装置を提供する。
【解決手段】被収容物を収容する荷箱3が車体フレーム5上に搭載され、非計量時に車体フレーム5側と荷箱3側とを互いに緊締する緊締装置30が設けられ、計量時に緊締装置30による緊締作用を解除させた状態で、複数のロードセルで荷箱3を支持させ、被収容物を含めた荷箱3の重量を複数のロードセル15で計量して被収容物の重量を算出する車載計量装置において、揺動中心となる支点と、容器の荷重が作用する重点と、容器を押し上げる駆動力を作用させる力点とを有して、車体フレーム5上から荷箱3を持ち上げるてこ10を設け、てこ10による荷箱3の持ち上げ動作および緊締動作を解除してロードセル15に容器の荷重を作用させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥車の荷箱(容器)内に収容された塵芥などの被収容物の重量を計量する車載計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塵芥車や、バルクローリ、タンクローリ、バキューム車など、内部に被収容物を収容する荷箱等の容器を載せた車両において、その被収容物の重量を確認する計量装置を備えたものは既に知られている。
【0003】
この種の車載計量装置として、例えば、特許文献1〜3に、車体のフレームと容器との間にロードセルを介装し、前記ロードセルの荷重受部側を容器に固定し、かつ、ロードセルの固定部側を車体のフレームに固定したものが開示されている。この構造では、ロードセルを単に車体のフレームおよび容器の両方に固定するので構成が極めて簡単となる利点がある一方、以下に述べるように、計量精度が悪い欠点がある。
【0004】
この種の車載計量装置を備えた車両では、容器内の被収容物が外部に漏れることがないよう安全性を極めて高く維持すべく、容器の剛性を非常に高く維持する構造となっている。一般的に、車体のフレームは、前記容器の剛性と比較すると、剛性そのものについては低い。しかし、上記した車載計量装置を有しないものでは、車体のフレームと剛性が高い容器とをボルトなどを用いて結合して一体構造としているため、これらを一体化した状態では剛性が高まり、頑丈な構造である。
【0005】
これに対して、容器と車体フレームとの間にロードセルを介装して、このロードセルを容器と車体フレームとの両方に完全に固定した場合、車両の設置面が水平である場合には、高さによる車体の捩れなどが殆ど生じないため、車載計量装置の計量精度の狂いは比較的少ない。また、設置面が傾斜している場合でも、傾斜角度が一定であり、車両の四輪ともほぼ同一平面上にある場合には、例えば、特許文献4などに開示されているように、傾斜角度に対する補正値を演算するシステムなどを備えて補正することで、計算精度の狂いを小さく維持することが可能である。
【0006】
しかしながら、車両が接地している路面(設置面)が均一な平面ではなくて、部分的に傾斜したり突出したりしており、いびつな形状である場合、特に、前後2輪ずつ、合計4輪を有する車両において、1つの車輪のみが、他の3つの車輪の設置面と比べて上下高さが異なっている場合には、車体フレームに捩れが作用して車体フレームが変形しようとする。
【0007】
この場合に、容器は剛性が高くて丈夫であるため、結局、車体フレーム側からロードセルに変形しようとする力、すなわち横荷重が作用する。この横荷重は、計量しようとする容器内の被収容物の質量の鉛直方向荷重に対して干渉力となって計量精度を阻害して低下させる。
【0008】
計量精度を阻害する干渉力は、車体フレームの捻り変形以外にもある。すなわち、干渉力の要素になるものとして、車体フレームと容器との温度差、並びに熱伝導の差による熱膨張歪の差がある。この干渉力は非常に大きな値であり、車載計量装置の計量精度を大きく阻害する。
【0009】
ここで、一般的に、車載計量装置が設けられる車体フレームは前後方向の長さが左右方向の長さ(すなわち車幅)よりも大きく、また、車載計量装置のロードセルは、車体フレーム上の容器が載置される領域における、平面視して前後左右の端部寄りの4箇所に配設される場合が多い。したがって、ロードセルは、車体の前後方向のロードセル間寸法が、車体左右方向のロードセル間寸法よりも大きくなるように配置される。したがって、上述したような熱膨張歪の差による横荷重(左右方向および前後方向を含む概略的に水平方向の荷重)は、左右のロードセル間で作用する力よりも前後のロードセル間で作用する力のほうが大きい。
【0010】
これに対処して、車載計量装置の計量精度を大きく阻害する前後のロードセル間で作用する横方向の荷重を改善する手法として、特許文献5に、ロードセルが車体前後方向にスライド可能に構成した構造が開示されている。このような構造を採用することで、前後方向に作用する横荷重を0に近づけることができて一定の効果が期待できる。しかしながら、この特許文献5に開示されている構造では、車体左右方向の熱膨張を無視しているとともに、熱膨張以外の車体捻り等による、横方向の力も何ら考慮されておらず、この点が課題として残っている。
【0011】
他の横荷重の低減を図る技術として、特許文献6には、車体フレーム上に載置した複数のロードセル(荷重検出器)により容器を支持するとともに、車体フレームに対して前後方向に容器が移動することを規制する前後移動規制装置と、車体フレームに対して左右方向に容器が移動することを規制する左右移動規制装置と、容器の上下移動を選択的に固縛規制し得る固縛装置とを設けた塵芥車の構造が開示されている。
【0012】
ここで、前後移動規制装置および左右移動規制装置は、それぞれ前後左右に4箇所ずつ設けられている。前後移動規制装置は、車体外側方に立設したブラケットと、主桁外側方に立設したブラケットとの間に前後方向に延びたロッドを接続した、いわゆる、ロッドを前後方向にたすきがけにした構造であり、これにより、車体フレームに対して前後方向に容器が移動することを常に規制している。また、左右移動規制装置は、車体外側方に立設したブラケットと、容器より垂設したブラケットとの間に左右方向に延びたロッドを接続した、いわゆる、ロッドを左右方向にたすきがけにした構造であり、これにより、車体フレームに対して左右方向に容器が移動することを常に規制している。なお、これらについての、さらに具体的な構成については述べられていない。また、固縛装置は、車体内側面にシリンダを軸支させ、容器から垂設したブラケットに長孔を形成するとともに、シリンダの出退部の端部を前記長孔に係合させており、車両の走行時には、シリンダの出退部を縮小させた固縛状態として、容器が車体フレームから上方に移動することを阻止する一方、計量時には、シリンダの出退部を伸張させて固縛状態を解除するようになっている。
【0013】
上記特許文献6に開示されている塵芥車の構造では、走行時ならびに計量時も含めて、常時、前後移動規制装置や左右移動規制装置による前後方向と左右方向との規制動作が行われる構成である。したがって、この前後移動規制装置や左右移動規制装置において設けられているロッドの連結部が、これらの両端に設けられているブラケットに対して当接して位置規制されている場合には、車体の捻り等による横荷重や熱膨張による横荷重が前記前後移動規制装置や左右移動規制装置により受けられることとなるので、これらの横荷重がロードセルに作用しなくなる利点がある。しかしその一方で、これらの当接箇所で、前後移動規制装置や左右移動規制装置によって干渉することとなり、結局、計量精度が阻害される要因となる。
【0014】
このように計量精度が阻害されることを防止するためには、計量時において、前後移動規制装置や左右移動規制装置におけるロッドとブラケットとの連結部において隙間を有するように位置調整することが考えられる。しかし、走行時には隙間がないように連結する一方、計量時には隙間があるように調整することは、計量するために極めて多くの時間や手間を要することとなるとともに、その隙間寸法については、勘や経験に頼ったものとなってしまい、信頼性も極めて低いものとなってしまう。
【0015】
これに対処するものとして、本発明の発明者らが既に出願している特許文献7に開示された車載計量装置がある。この車載計量装置は、車体フレームと容器とを互いに緊締する緊締装置と、容器を昇降させる油圧シリンダを備えた昇降装置とを設け、車両の走行時にはロードセルを容器より離反させてロードセルに荷重がかからないよう構成するとともに、車体フレームと容器とを緊締装置により緊締する一方、計量時には、緊締装置による車体フレームと容器との緊締を解除し、前記昇降装置によりロードセルを上昇させて、ロードセルを介して容器を押し上げて、容器を車体フレームから上昇させ、この容器を計量時だけ複数のロードセルで支持させて、計量する構成である。
【0016】
この構成によれば、走行時には緊締装置により、容器が所定位置に位置規制された状態で支持される一方、計量時には、緊締装置を解除した状態で複数のロードセルで容器を支持させて計量するので、計量時の隙間寸法の調整などが不要であるとともに、計量時において理想に近い姿勢、すなわち、横荷重の影響を殆ど受けない状態で、極めて高い精度で計量することができる。
【特許文献1】特開2004−224502号公報
【特許文献2】特開2004−69323号公報
【特許文献3】特開2001−74540号公報
【特許文献4】特開平8−93045号公報
【特許文献5】特開2002−340662号公報
【特許文献6】実開平1−164205号公報
【特許文献7】特開2002−148108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記特許文献7に開示された車載計量装置は、容器全体を昇降装置の油圧シリンダにより直接昇降させ、計量時には、ロードセルにより容器を支持するように載せかえる構成であるので、昇降装置として極めて大きな駆動力を有するものを必要としていた。また、ロードセルと緊締装置とがそれぞれ別個に設けられているとともに、ロードセルを含めた計量部と緊締装置とがそれぞれ複雑な構造であったため、製造コストが極めて高価となってしまうとともに、大きな設置スペースも必要となっていた。
【0018】
また、ロードセルを車体フレームと、容器に沿って取付けたサブフレームとの間に介装する構造のものも別途に提案されているが、この種の構造では、車体フレームと容器のサブフレームとの間にロードセルを介装するだけの比較的大きなスペースが必要となり、その結果、容器が高い位置に配置されることとなって、ひいては車両全体の重心が高くなって、走行時にふらつく恐れがあった。
【0019】
本発明は上記不具合や課題を解決するもので、計量時には、熱膨張や捩れによる横方向の力がロードセルに作用することを最小限に抑えることができて、被収容物を含めた容器の重量を良好な計量精度で計量することができながら、製造コストを低めに抑えることが可能で、さらには、比較的、少ないスペースでコンパクトに設置できる車載計量装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために本発明は、被収容物を収容する容器が車体フレーム上に搭載され、車体フレーム側または容器側に複数のロードセルが取り付けられ、非計量時に車体フレーム側と容器側とを互いに緊締する緊締装置が設けられ、計量時に緊締装置による緊締作用を解除させた状態で、前記複数のロードセルで容器を支持させ、被収容物の重量を前記複数のロードセルで計量して合計して被収容物の重量を算出する車載計量装置であって、揺動中心となる支点と、容器を押し上げる駆動力を作用させる力点とを有して、車体フレーム上から容器を持ち上げるてこを設け、てこによる容器の持ち上げ動作と緊締装置による緊締動作とを組み合わせて、計量時状態と非計量時状態とを切り換える切換手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、てこを用いて車体フレーム上から容器を持ち上げることで、容器を直接持ち上げる場合と比較して、持ち上げる油圧シリンダ等の駆動源の駆動力が小さいもので済ますことができて、その分、製造コストの低減化を図ることができるとともに、設置スペースを少なくすることも可能となる。
【0022】
また、本発明は、切換手段は、てこによる容器の持ち上げ動作および緊締装置による緊締動作を行わせる非計量時状態と、てこによる容器の持ち上げ動作および緊締動作を解除してロードセルに容器の荷重を作用させる計量時状態とを切り換えることを特徴とする。
【0023】
この構成により、非計量時には、てこにより容器が持ち上げられるので、ロードセルには荷重が作用せず、走行時などの容器側からの力によってロードセルに悪影響が及ぼされることがない。
【0024】
また、本発明は、てこが、容器の荷重が非計量時に作用する重点を有し、てこの重点と容器または車体フレームとの間に、てこに容器の荷重を上下方向に作用させる球体部を介装したことを特徴とする。
【0025】
この構成により、緊締動作を行うときに容器と車体フレームとの位置合わせを球体部を介して円滑に行うことができる。また、緊締動作が解除される際に、球体部を介することで、車体フレームに対して容器側の相対移動が容易になり、計量動作に移行される前に、横荷重が作用していない状態にした後に、ロードセルでの支持および計量動作に移行させたり、緊締動作を開始させる際に、横荷重があまり作用していない状態で緊締力を与えたりすることができる。
【0026】
また、本発明は、球体部を受ける球面凹部が設けられ、この球面凹部の曲率半径が球体部の曲率半径よりも大きく形成されていることを特徴とする。
この構成により、設置面の凹凸や傾斜等による車体フレームの捩れや、車体フレームと容器との熱膨張の違いによる応力によって、容器の荷重を受ける位置が合わなくなっても、球面凹部内で球体部がずれることで、緊締動作を円滑に行うことができる。
【0027】
また、本発明は、複数設けられている各ロードセルに対応して、てこおよび緊締装置が設けられ、一部のてこに対応して設けられた球面凹部の曲率半径よりも、残りのてこに対応して設けられた球面凹部の曲率半径が大きく形成されていることを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、走行時などの非計量状態から計量状態に切り換える際において、緊締装置による前記車体フレームとの緊締を解除した状態とすると、球面凹部の曲率半径が小さめに形成されている一部のてこの箇所では、容器側の荷重が車体フレームに対して、真上から真下に作用する状態、またはこれに近い状態となるように、球面凹部と球体部との接触点の位置がずれて自動的に調整される。また、残りのてこの箇所では、球面凹部の曲率半径が大きめに形成されているので、横方向に対して比較的自由に相対移動でき、熱膨張や捩れに応じた位置に移動される。その後、この状態で、さらにてこが移動されることで、各ロードセルで、容器側の荷重が受けられるとともに、球体部が球面凹部から離反し、安定した姿勢で、高精度に計量することができる。
【0029】
また、本発明は、てこが支点を介して車体フレーム側に取付けられ、てこに、容器が相対的に前方または後方に移動することを阻止するストッパ部が設けられていることを特徴とする。
【0030】
この構成により、走行時などにおいて、車体フレーム側に対して容器側が大きく前後方向に移動しようとした際でも、容器側部分が、てこのストッパ部に当接して前記移動が阻止され、この結果、安全性が向上する。
【0031】
また、本発明は、てこに、緊締装置からの緊締力が作用する緊締力作用点が設けられていることを特徴とする。
この構成により、てこを利用して緊締力を与えることができ、さらに省スペース化を図ることが可能となる。
【0032】
また、本発明は、てこと、てこに対して容器を押し上げる駆動力を発生するシリンダ装置と、シリンダ装置とてことの間に介装されるリンク機構とを車体フレーム側における車体フレーム上面より上方の位置に取り付け、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生する緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板とを容器側に取り付けたことを特徴とする。
【0033】
この構成により、当該車載計量装置における殆どを車体フレームの上面より上方の箇所に配設できるので、車体フレームの側方など、車体フレームより下方の箇所に各種装置などを設けることの多い塵芥車などにも、良好に対応して組付けることができる。
【0034】
また、本発明は、てこを支点を介して支持するてこ支持部材と、シリンダ装置およびリンク機構を支持するシリンダ等支持部材と、ロードセルとが、左右の車体フレーム上にそれぞれ固定されたベース部材上に取付けられ、左側の車体フレーム上に取付けられたベース部材と、右側の車体フレーム上に取付けられたベース部材とが、左右に延びる補強部材で連結されたことを特徴とする。
【0035】
この構成により、左右の車体フレーム上に取付けられたベース部材同士が、補強部材で連結されて、車両の車体フレーム上面部間の車幅方向に対する距離が変動することが防止される。つまり、このような補強部材が設けられないと、計量時などに容器側の荷重が負荷される重点受け部材が、ベース部材上における車体フレームよりも側方(外側)にせり出した箇所に配設した場合に、計量時に容器側の荷重が集中して作用する車体フレームの上面部が、車体フレームの下端部を中心として、正面視して外側に広がるように片持ち状に湾曲変形しようとするが、補強部材を設けて左右のベース部材同士を連結することで、左右の車体フレームの上面部やベース部材同士間の間隔が広がることが阻止され、この湾曲変形を最小限に抑えることができて、信頼性が向上する。
【0036】
また、本発明は、切換手段は、てこによる容器の持ち上げ動作を行わず、緊締装置による緊締動作を行わせる非計量時状態と、てこによる容器の持ち上げ動作を行いながら、緊締装置による緊締動作を解除してロードセルに容器の荷重を作用させる計量時状態とを切り換えることを特徴とする。
【0037】
この構成により、非計量時にはロードセルに荷重が作用せず、走行時などの容器側からの力によってロードセルに悪影響が及ぼされることがない。
また、本発明は、非計量時は、てこによる容器側の持ち上げ動作を行わず、容器の重量を分布荷重として車体フレーム全体に作用させて支持させるように構成したことを特徴とする。
【0038】
この構成により、走行時などの非計量時には、容器の重量を分布荷重として車体フレーム全体に作用させて極めて安定した状態で支持することができる。
また、本発明は、てこが平行リンク機構で構成されていることを特徴とする。
【0039】
この構成により、平行リンク機構からロードセルに、垂直方向(重力方向)に、荷重をさせることができ、精度良く計量することができる。
また、本発明は、てこと、てこに対して容器を押し上げる駆動力を発生するシリンダ装置と、シリンダ装置とてことの間に介装されるリンク機構とを車体フレーム側に設けたことを特徴とする。
【0040】
この構成により、シリンダ装置を駆動させる流体の配管等も車体フレーム側に取付けることができるので、精度良く計量することができる。つまり、シリンダ装置を容器側に設けると、シリンダ装置を駆動させる流体の配管等の一部も容器側に取付けなければならず、この場合には、てこで容器側を昇降させた際に、前記流体の配管等を介して容器側が車体フレーム側に引っ張られるなどして、計量精度が低下する場合があるが、シリンダ装置を車体フレーム側に設けると、このような不具合が生じない。
【0041】
また、本発明は、てこに、緊締装置からの緊締力が作用する緊締力作用点が設けられているとともに、てこの緊締力作用点に、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生する緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板とを取り付けたことを特徴とする。
【0042】
この構成により、てこに緊締力作用点が設けられているので、てこを利用して緊締力を与えることができ、さらに省スペース化を図ることが可能となる。また、緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板により、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生するので、緊締時に、容器の重量を分布荷重として車体フレーム全体に作用させて極めて安定した状態で支持することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、てこを用いて車体フレーム上から容器を持ち上げることで、持ち上げる油圧シリンダ等の駆動源の駆動力が小さいもので済ますことができて、その分、製造コストの低減化を図ることができるとともに、設置スペースを少なくすることも可能となり、また、非計量時には、ロードセルには荷重が作用しないので、走行時などの容器側からの力によってロードセルに悪影響が及ぼされることがなく、信頼性が向上する。また、てこに、緊締装置からの緊締力が作用する緊締力作用点を設けることで、てこを利用して緊締力を与えることができ、さらに省スペース化を図ることが可能となる。
【0044】
また、てこの重点と容器または車体フレームとの間に、てこに容器の荷重を上下方向に作用させる球体部を介装させたり、球体部を受ける球面凹部を設け、この球面凹部の曲率半径が球体部の曲率半径よりも大きく形成することにより、計量時においてロードセルに容器側の荷重を載せかえる前に緊締を解除して、計量時においては横荷重が作用しない状態にすることができて、計量精度を高めることができる。
【0045】
また、一部のてこに対応して設けられた球面凹部の曲率半径よりも、残りのてこに対応して設けられた球面凹部の曲率半径を大きく形成することで、緊締する場合において、球面凹部の曲率半径が小さめに形成されている一部のてこの箇所を基準として、他のてこの箇所で、熱膨張や捩れに応じた位置に球体部が移動されるので、安定した姿勢で緊締することができる。
【0046】
また、てこと、てこに対して容器を押し上げる駆動力を発生するシリンダ装置と、シリンダ装置とてことの間に介装されるリンク機構とを車体フレーム側における車体フレーム上面より上方の位置に取り付け、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生する緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板とを容器側に取り付けたことで、当該車載計量装置における殆どを車体フレームの上面より上方の箇所に配設でき、車体フレームの側方など、車体フレームより下方の箇所に各種装置などを設けることの多い塵芥車などにも、良好に対応して組付けることができる。
【0047】
また、てこを支点を介して支持するてこ支持部材と、シリンダ装置およびリンク機構を支持するシリンダ等支持部材とを固定させた左右のベース部材を、左右に延びる補強部材で連結することにより、左右の車体フレームの上面部やベース部材同士間の間隔が広がることが阻止され、この湾曲変形を最小限に抑えることができて、信頼性が向上する。
【0048】
また、非計量時は、てこによる容器側の持ち上げ動作を行わず、容器の重量を分布荷重として車体フレーム全体に作用させて支持させるように構成したことにより、走行時などの非計量時には、容器の重量を分布荷重として極めて安定した状態で支持することができて、走行の際の安定性を向上させることができる。
【0049】
また、てこを平行リンク機構で構成することにより、平行リンク機構からロードセルに、垂直方向(重力方向)に、荷重をさせることができ、精度良く計量することができる。
また、本発明は、てこと、てこに対して容器を押し上げる駆動力を発生するシリンダ装置と、シリンダ装置とてことの間に介装されるリンク機構とを車体フレーム側に設けることにより、シリンダ装置を駆動させる流体の配管等も車体フレーム側に取付けることができるので、精度良く計量することができる。
【0050】
また、てこに、緊締装置からの緊締力が作用する緊締力作用点を設けることで、てこを利用して緊締力を与えることができ、さらに省スペース化を図ることが可能となる。また、緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板により、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生することにより、緊締時に、容器の重量を分布荷重として車体フレーム全体に作用させて極めて安定した状態で支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明で、左右方向とは車両において、進行方向に向かった状態で左右となる方向を示す。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車載計量装置を備えた塵芥車の全体側面図、図2は、塵芥車の車体の概略的な平面図(塵芥収容タンクを省いた状態を実線で示し、塵芥収容タンクを概略的に仮想線で示す)である。
【0052】
図1、図2に示すように、塵芥車1は、車体の前部に運転室2を備え、車体の後部に、被収容物としての塵芥(古紙などの場合も含む)を収納する容器としての箱型の塵芥収容タンク(以下、荷箱と称す)3を備え、さらに、平面視して前後左右の4箇所に配設されている計量緊締ユニットUからなる車載計量装置を備えている。また、塵芥車1の荷箱3はその後端部に、押込み板や回転板などを有するいわゆるパッカーと呼ばれる投入室3aを有しており、投入室3aの押込み板や回転板は、車両に備えられた電動機または原動機により駆動される。なお、図1におけるF、Rは車両の前輪および後輪である。
【0053】
図6などに示すように、荷箱3の下面部における左寄り箇所と右寄り箇所とには、それぞれ前後方向に延びる断面略コ字形状の荷箱サブフレーム4が固着状態で配設されている。また、車体側には、荷箱サブフレーム4と平行に、車両の左寄り箇所と右寄り箇所とにおいて前後方向に延びる断面略コ字形状の車体フレーム5が配設されている。図1、図2に示すように、計量緊締ユニットUは、車体フレーム5に対して前寄り箇所に配置されている左右の計量緊締ユニットUと、後寄り箇所に配置されている左右の計量緊締ユニットUとがあり、前寄り箇所の計量緊締ユニットUと後寄り箇所の計量緊締ユニットUとは、計量緊締ユニットUにおいてその構成要素が前後方向に対して逆となるように配設されている。なお、図3〜図6においては、前寄り箇所に配設されている計量緊締ユニットUを示している。また、図6に示すように、各計量緊締ユニットUは、概略的には、車体フレーム5の上方から荷箱サブフレーム4の側方にかけて配設されている。さらに、車両の前寄り箇所と後寄り箇所とには、車幅方向に延びて左右の車体フレーム5同士を連結するクロスメンバ8が配設されている。
【0054】
図3〜図6に示すように、各計量緊締ユニットUが設けられている各車体フレーム5の箇所には、ベース部材6と固定用下プレート(図示せず)とこれらを連結する連結ボルト9とからなる固定用部品が取り付けられている。そして、車体フレーム5の上面部に固定されたベース部材6上に、てこ(アーム部)10の支点部10aを揺動自在に支持する支点支持部材11と、後述するリンク機構12および油圧シリンダ13を支持する立設部材14と、ロードセル15とが取り付けられている。
【0055】
図3、図4に示すように、車体フレーム5上における前寄り箇所に設けられている計量緊締ユニットUにおいては、てこ10の後端部(図3の紙面に向かって右端)に、リンク機構12を介しててこ10の後端部を昇降させる油圧シリンダ13の出退ロッド部13aが連結されている。
【0056】
図3〜図5に示すように、リンク機構12は、第1〜第3のリンク部材21〜23と、第1〜第4の連結ピン25〜28とを備えている。第1のリンク部材21は、油圧シリンダ13の出退ロッド部13aに嵌合された第1の連結ピン25にその下端が連結され、上端が、第2の連結ピン26を介して、立設部材14の上端部に連結されている。第2のリンク部材22は、第1の連結ピン25にその上端が連結され、下端が、第3のリンク部材23の上端に連結された第3の連結ピン27に連結されている。第3のリンク部材23は、立設部材14に設けられた長孔部14aにより、垂直姿勢で昇降するように規制されており、上端が第3の連結ピン27に連結され、下端が第4の連結ピン28を介して、てこ10の後端部に連結されている。また、立設部材14の上端部には、油圧シリンダ13を取付けるためのシリンダ用ブラケット29が取り付けられ、このシリンダ用ブラケット29の後端部に、取付ピン24を介して、油圧シリンダ13の後端部が揺動可能な姿勢で取付けられている。
【0057】
また、計量緊締ユニットUに対応して、荷箱サブフレーム4には荷箱(容器)側固定部材16が固着されている。また、てこ10の支点部10aと後端部との間には、てこ10および荷箱側固定部材16を介して、荷箱3を車体フレーム5側、すなわち下方に付勢して車体フレーム5に荷箱3を緊締する緊締装置30に設けられた付勢ロッド31が付勢用連結ピン32を介して連結されている。付勢ロッド31は、支点支持部材11の上端部から後方に延びるように取付けられた規制板17および荷箱側固定部材16の底面部を貫通して上方に延設され、この付勢ロッド31の上端にねじ込まれた2つのナット33と荷箱側固定部材16との間には、緊締力発生用弾性部材としての複数枚の皿ばね34を介装した緊締力伝達板35が配設されている。
【0058】
また、てこ10の前端部(他端部)には、下方に半球状に窪む球面凹部41aがその上面に形成されて重点として機能するてこ荷重受け部材41が組み付けられ、この球面凹部41aに、てこ10に荷箱3の荷重を上下方向に作用させる球体部(金属製硬球)40の下半部が嵌合された状態で載せられている。また、これに対応するように、荷箱側固定部材16においても、取付部材42を介して、上方に半球状に窪む球面凹部43aがその下面に形成された非計量時用荷重負荷部材43が組み付けられ、この球面凹部43aが球体部40の上半部が嵌合可能に配置されている。
【0059】
さらに、この計量緊締ユニットUにおける、ベース部材6上のてこ10よりも前方の箇所に、ロードセル15が固定されている。そして、ロードセル15に対向するように、荷箱側固定部材16に、荷箱3側の荷重をロードセル15に負荷させる計量時用荷重負荷部材44が固定され、ロードセル15の上部に突出するように形成された円弧面状の荷重受け凸部15aに、計量時用荷重負荷部材44の下面に形成された当接凹面44aが当接可能とされている。
【0060】
また、てこ10の支点部10aよりも少し前方の部分は、取付部材42の後面部分近傍まで設けられたストッパ部10bとされており、車体フレーム5側に対して荷箱3側が前後方向に大きく相対移動しようとした際には、この部分が、取付部材42の後面部分に当接して位置規制するようになっている。
【0061】
ここで、後寄りの箇所の計量緊締ユニットUは、前寄りの箇所の計量緊締ユニットUと同じ構造であるが、前後方向に対して逆の配置とされ、車体フレーム5側に対して荷箱3側が後方に大きく相対移動しようとした際には、前寄りの箇所の計量緊締ユニットUにおけるストッパ部10bに取付部材42が当接して前記相対移動が阻止され、また、車体フレーム5側に対して荷箱3側が前方に大きく相対移動しようとした際には、後寄りの箇所の計量緊締ユニットUにおけるストッパ部10bに取付部材42が当接して前記相対移動が阻止されるよう構成されている。
【0062】
また特に、この車載計量装置においては、球体部40を下方から受けるてこ荷重受け部材41の球面凹部41aはその曲率半径が、球体部40の曲率半径よりも大きいものが用いられているが、このてこ荷重受け部材41の球面凹部41aの曲率半径が、各計量緊締ユニットUによって異なっている。
【0063】
この実施の形態においては、平面視して、前寄り左側の計量緊締ユニットUに設けられている非計量時用荷重負荷部材43の球面凹部43aは、その曲率半径が、球体部40の曲率半径に極めて近い(僅かに大きい)曲率半径とされているが、前寄り右側の計量緊締ユニットUに設けられている非計量時用荷重負荷部材43の球面凹部43aは、その曲率半径が、前記前寄り左側の計量緊締ユニットUにおける非計量時用荷重負荷部材43の球面凹部43aの曲率半径よりも大きいものが用いられている。さらに、後寄りの左右の各計量緊締ユニットUに設けられている非計量時用荷重負荷部材43の球面凹部43aは、その曲率半径が、前記前寄り右側の計量緊締ユニットUにおける非計量時用荷重負荷部材43の球面凹部43aの曲率半径よりもさらに大きく形成されているものが用いられている。
【0064】
なお、50は、車体フレーム5上に取付けられた左右のベース部材6に跨るように固着されて、車体フレーム5側の車幅方向に対する剛性を向上させる補強部材である。
また、本発明の車両には、以下の動作を行わせる図示しない切換手段としての制御部が設けられている。なお、切換手段として、単なる切換用のスイッチを設けてもよい。
【0065】
上記構成において、車両の走行時などの非計量時における前記制御部による制御動作ならびに作用を説明する。なお、理解し易いように、図3〜図8に示すように、前寄りの計量緊締ユニットUの場合を説明するが、後寄りの計量緊締ユニットUの場合には、配置やリンク機構12などの移動方向が前後方向に逆になるだけであり、緊締動作や計量動作は全て同じである。
【0066】
図3〜図6に示すように、車両の走行時などの非計量時には、油圧シリンダ13の出退ロッド部13aが最も前方に突出した位置に伸張される。これに連動して、第1のリンク部材21と第2のリンク部材22が僅かに前方に屈曲した姿勢(第1の連結ピン25が、第2の連結ピン26と第3の連結ピン27とを結ぶ線Lよりも前方(図3における紙面左側)に少しずれた姿勢)となって、車体フレーム5側(立設部材14)の所定位置に固定されている第2の連結ピン26に対して、第1のリンク部材21と第2のリンク部材22とを介して、第3の連結ピン27および第4の連結ピン28が最下位置に近い箇所まで押し下げられ、これにより、てこ10の後端部が押し下げられた姿勢とされている。その結果、てこ10はほぼ水平となる姿勢とされ、てこ10の前端部に設けられて重点として機能するてこ荷重受け部材41により球体部40が押し上げられ、この球体部40によって、さらに、非計量時用荷重負荷部材43および、取付部材42、荷箱側固定部材16、荷箱サブフレーム4を介して、荷箱3が持ち上げられる。したがって、この際には、荷箱3側の荷重が、球体部40を介して、重点としての、てこ10のてこ荷重受け部材41に作用する。この際、荷箱側固定部材16に取付けられた計量時用荷重負荷部材44はロードセル15から僅かの隙間を有して離反しており、ロードセル15には荷箱3側の荷重が作用しない。
【0067】
また、てこ10の後部側がほぼ水平姿勢とされて、てこ10の後部側に連結された付勢ロッド31は下方寄りの位置となり、複数枚の皿ばね34が介装された最も下方の押さえ板35が荷箱側固定部材16の上面に強く当接している。したがって、皿ばね34の付勢力によって、てこ10(詳しくは、緊締力作用点としての付勢用連結ピン32の箇所)および荷箱側固定部材16を介して、荷箱サブフレーム4および荷箱3が下方に押し下げられて、車体フレーム5側に緊締され、車体フレーム5に対して荷箱3側が上方に浮き上がることが確実に阻止される。これにより、荷箱3が車体フレーム5に緊締されて安定した状態で走行できる。
【0068】
この状態では、図3に示すように第1のリンク部材21と第2のリンク部材22とが直線Lを越えた(死点を越えた)姿勢で、油圧シリンダ13のピストン13bおよび出退ロッド部13aが最も前側に突出した位置とされているので、油圧シリンダ13において出退ロッド部13aの位置を保持するような油圧を積極的に負荷しないでも、この姿勢は良好に保持される。
【0069】
なお、車両を停車した状態で、緊締装置30による緊締を解除する前の状態では、設置面の凹凸や傾斜等による車体フレーム5の捩れや、車体フレーム5と荷箱3との熱膨張の違いによる歪などにより、荷箱3に対して車体フレーム5が伸び縮みしようとするが、緊締装置30により荷箱3と車体フレーム5との相対位置が固定されているので、車体フレーム5と荷箱3とは互いに応力が作用した状態となっている。
【0070】
計量を行う際には、車両を停車させた状態で、図7に示すように、油圧シリンダ13に油圧がかけられて、その出退ロッド部13aが最も後方に縮退した位置側に移動される。これに連動して、第1のリンク部材21と第2のリンク部材22が大きく後方に屈曲した姿勢(第1の連結ピン25が、第2の連結ピン26と第3の連結ピン27とを結ぶ線Lよりも後方(図7における紙面右側)に大きくずれた姿勢)に向けて移動され、第2の連結ピン26に対して、第3の連結ピン27および第4の連結ピン28が最上位置に近い箇所まで引上げられる。これにより、てこ10の後部に連結された付勢ロッド31は上方寄りの姿勢となり、最も上方の押さえ板35はナット33から離反し、皿ばね34による付勢力が荷箱3側に作用しなくなり、緊締動作が解除される。また、この際、てこ10の前端部は反対に徐々に下降する。
【0071】
このように緊締動作が解除されると、車体フレーム5と荷箱3との相対位置を規制するものがなくなるので、設置面の凹凸や傾斜等による車体フレーム5の捩れや、車体フレーム5と荷箱3との熱膨張の違いによる歪などに応じて、荷箱3に対して車体フレーム5が伸び縮みすることとなる。
【0072】
すなわち、車両を停車した状態で、緊締動作が解除されると、最も曲率半径が小さな球面凹部43aと球体部40との接触点を基準点(すなわち、この実施の形態では、前寄り左側の計量緊締ユニットU)として、車体フレーム5の捩れや、車体フレーム5と荷箱3との熱膨張の違いによる歪に応じて、残りの計量緊締ユニットUの球面凹部43aと球体部40との接触位置がずれることとなる。
【0073】
この後、さらに、油圧シリンダ13に油圧がかけられて、図7に示すように、てこ10の前端部が下降されると、各計量緊締ユニットUにおいて、ロードセル15の荷重受け凸部15aに計量時用荷重負荷部材44の当接凹面44aに当接し、非計量時用荷重負荷部材43の球面凹部43aから球体部40が離反する。
【0074】
これにより、計量時には、各ロードセル15で、荷箱3側の全荷重が受けられるとともに、球体部40が球面凹部43aから離反し、かつ、横荷重による悪影響が殆どない良好な状態で計量でき、高精度の計量を行うことができる。また、従来、移動規制装置を設けた場合のような隙間の調整なども不要であるので、そのための時間や手間も当然不要である。
【0075】
なお、この後、計量作業が終了すると、油圧シリンダ13の出退ロッド部13aが最も前方に突出した位置に伸張され、てこ10はほぼ水平となる姿勢とされて、てこ10の前端部に設けられた球体部40が押し上げられ、荷箱3が持ち上げられる。この際も、緊締動作が完全に作用する前には、一時的に、球体部40だけで、緊締力が作用していない状態で支持されるので、この時に、球体部40を介して、車体フレーム5に対して荷箱3側の相対移動が可能となり、荷箱3側と車体フレーム5との位置合わせを円滑に行うことができる。また、この後、緊締動作が行われて、横荷重があまり作用していない状態で緊締力を与えることができる。
【0076】
また、上記構成によれば、てこ10を用いて車体フレーム5上から荷箱3を持ち上げる構成としたことで、従来のように油圧シリンダなどにより荷箱3などの容器を直接持ち上げる場合と比較して、持ち上げる油圧シリンダ13の駆動源の駆動力が小さいもので済ますことができて、その分、製造コストの低減化を図ることができるとともに、油圧シリンダ13としても小型のもので済むので設置スペースを少なくすることも可能となる。また、てこ10自体に、緊締装置30からの緊締力が作用する緊締力作用点を設けたので、てこ10を利用して緊締力を与えることができ、さらに省スペース化を図ることが可能となる。また、非計量時には、てこ10により荷箱3が持ち上げられるので、ロードセル15には荷重が殆ど作用せず、走行時などの荷箱3側からの力によってロードセル15に悪影響が及ぼされることがない。
【0077】
ところで、塵芥車1は、燃料タンクやバッテリ等の諸部品を有しているが、これらが、車体フレーム5の側方や下方に配設されている。したがって、塵芥車1に車載計量装置を装着しようとした場合でも、これらの車載計量装置をなす計量装置や緊締装置などの構成ユニットが、同じく車体フレーム5の側方や下方に配設される構造であると、部品の配設箇所が干渉してしまって、実際問題として配設空間の調整が困難となる。
【0078】
これに対して、本発明の車載計量装置は、上述のように、計量緊締ユニットU自体が極めて省スペースであるとともに、その全ての部分が、車体フレーム5の側方や下方ではなくて、荷箱サブフレーム4の側方で、車体フレーム5の上面部よりも上方に配設されているため、配設スペース関する問題を生じることが少なく、車載計量装置を後付けすることも比較的容易に行うことができる。
【0079】
すなわち、本発明の車載計量装置の各部をなす計量緊締ユニットUは、てこ10と、てこ10に対して荷箱3を押し上げる駆動力を発生する油圧シリンダ13と、この油圧シリンダ13とてこ10との間に介装されるリンク機構12などの主要部分が、車体フレーム5側における車体フレーム5の上面より上方の位置に取り付けられ、てこ10を介して荷箱3を下方に付勢して緊締力を発生する緊締力発生用弾性部材としての皿ばね34および緊締力伝達板35とが荷箱サブフレーム4の側方部に取り付け構造である。したがって、当該車載計量装置における全てを車体フレーム5より上方の箇所に配設でき、車体フレーム5の側方など、車体フレーム5より下方の箇所に各種装置などを設けることの多い塵芥車1などにも、良好に対応して組付けることができる。
【0080】
また、車体フレーム5と荷箱サブフレーム4との間には、ベース部材6と補強部材50だけを介装するだけであるので、荷箱3を低い位置に配置でき、ひいては車両全体の重心を低くできる。
【0081】
また、本発明によれば、左右の車体フレーム5上に取付けられたベース部材6同士が、左右に延びる補強部材50で連結されているので、車両の車体フレーム5における上面部間の車幅方向に対する距離が変動することが防止される。つまり、非計量時にはてこ10の支点支持部材11を介して荷箱3の荷重が負荷され、計量時にはロードセル15を介して荷箱3の荷重が負荷されるが、これらの支点支持部材11やロードセル15は、ベース部材6上における車体フレーム5よりも側方(外側)にせり出した箇所に配設されているので、前記補強部材50が設けられないと、荷箱3側の荷重が集中して作用するベース部材6および車体フレーム5の上面部が、車体フレーム5の下端部を中心として、正面視して外側に広がるように片持ち状に湾曲変形しようとするが、補強部材50を設けて左右のベース部材6同士を連結することで、左右の車体フレーム5の上面部やベース部材6同士間の間隔が広がることが阻止され、この湾曲変形を最小限に抑えることができて、信頼性が向上する。
【0082】
また、前寄りの箇所の計量緊締ユニットUにおけるてこ10には、荷箱3側が相対的に後方に移動しようとした際に、荷箱側固定部材16に取付けられた取付部材42に当接して、荷箱3側が後方に移動することを阻止するストッパ部10bが設けられており、また、後寄りの箇所の計量緊締ユニットUにおけるてこ10には、荷箱3側が相対的に前方に移動しようとした際に、荷箱側固定部材16に取付けられた取付部材42に当接して、荷箱3側が前方に移動することを阻止するストッパ部10bが設けられているので、これらのストッパ部10bにより、車体フレーム5側に対して荷箱3が前後方向に大きく移動することを確実に防止でき、信頼性並びに安全性が向上する。
【0083】
なお、上記実施の形態では、てこ10に取付けたてこ荷重受け部材41に球体部40を載せた構成としたが、これに限るものではなく、てこ荷重受け部材41と球体部40とを一体化してもよい。
【0084】
次に、図9は、本発明の第2の実施の形態に係る車載計量装置を備えた塵芥車の全体側面図、図10は、塵芥車の車体の概略的な平面図(塵芥収容タンクを省いた状態を実線で示し、塵芥収容タンクを概略的に仮想線で示す)である。また、図11〜図16はこの車載計量装置に設けられている計量緊締ユニットを示す。なお、前記第1の実施の形態に係る車載計量装置を備えた塵芥車と同じ構成要素には同符号を付してその説明は省略する。
【0085】
図8、図10などに示すように、この塵芥車においては、車体フレーム5上面には一部を除き、ほぼ全面にゴムベルト51が敷設されている。また、このゴムベルト51と対応して、荷箱サブフレーム4の下面には平板状の補助固定フレーム52が溶接などにより固定されており、走行時にはゴムベルト51の上に、補助固定フレーム52が載せられるように構成されている。したがって、走行時などの非計量時は、荷箱3の重量が分布荷重として車体フレーム5全体に作用させて支持される。また、この実施の形態においては、上記第1の実施の形態に係る車載計量装置の計量緊締ユニットUに代えて、図11〜図14に示すような計量緊締ユニットVが設けられている。また、この実施の形態においても、前寄り箇所の計量緊締ユニットVと後寄り箇所の計量緊締ユニットVとは計量緊締ユニットVにおいてその構成要素が前後方向に対して逆となるように配設されている。なお、図11〜図14においては、前寄り箇所に配設されている計量緊締ユニットVを示している。また、この塵芥車の車載計量装置をなす各計量緊締ユニットVは、荷箱サブフレーム4の側方に配設されている。また、車両の前寄り箇所と後寄り箇所とには、車幅方向に延びて左右の車体フレーム5同士を連結するクロスメンバ8(図10参照)が配設されている。
【0086】
図11〜図14などに示すように、各計量緊締ユニットVが設けられている、荷箱サブフレーム4の側面部における前寄り箇所と後寄り箇所とには、ゴムベルト51および補助固定フレーム52が切欠かれ、それぞれベース部材6と固定用下プレート(図示せず)とこれらを連結する連結ボルト9とからなる固定用部品が取り付けられている。そして、車体フレーム5の上面部に固定されたベース部材6上に、てこの1種の変形例としての平行リンク機構70の支点部70a、70bを揺動自在に支持する支点支持部材61と、前記実施の形態と類似した構造のリンク機構80および油圧シリンダ63を支持する立設部材64と、車体フレーム5から上方に突出するように固定されて、荷箱3側が過度に浮き上がらないように防止する浮き上がり規制ストッパ65とが取り付けられている。
【0087】
平行リンク機構70は、上側の支点部70aを中心に揺動自在に支持された上リンク71と、下側の支点部80bを中心に揺動自在に支持された下リンク72と、これらの上リンク71、下リンク72の後端部にそれぞれ設けられた駆動側ピン73、74を介して連結された側面視逆L字形状の駆動側昇降リンク75と、上リンク71、下リンク72の前端部にそれぞれ設けられた従動側ピン76、77を介して連結された側面視略T字形状の従動側昇降リンク78とを備えており、駆動側昇降リンク75の後端部が、後述するリンク機構80の第3の連結ピン85に連結されている。
【0088】
立設部材64には後方にU字形状に延びるようにシリンダ支持ブラケット66が固定され、このシリンダ支持ブラケット66の後端部に、取付ピン67を介して、油圧シリンダ63の後端部が揺動可能な姿勢で取付けられている。
【0089】
リンク機構80は、第1、第2のリンク部材81、82と、第1〜第3の連結ピン83〜85とを備えている。第1のリンク部材81は、油圧シリンダ63の出退ロッド部63aに嵌合された第1の連結ピン83にその上端が連結され、下端が、第2の連結ピン84を介して、立設部材64の下端部に連結されている。第2のリンク部材82は、第1の連結ピン83にその下端が連結され、上端が、駆動側昇降リンク75の後端に連結された第3の連結ピン85に連結されている。第3の連結ピン85は、立設部材64に設けられた長孔部64aにより、垂直姿勢で昇降するように規制されている。すなわち、概略的には、油圧シリンダ63の出退ロッド部63aが出退されることで、リンク機構80の第3の連結ピン85が昇降し、これに伴って、平行リンク機構70の駆動側昇降リンク75が昇降するとともに、従動側昇降リンク78が逆方向に昇降するよう構成されている。
【0090】
従動側昇降リンク78の前端部上面には、ロードセル53の下部に突出するように形成された円弧面状の荷重受け凸部53aに対して、当接可能とされている当接凹面78aが形成されている。
【0091】
ロードセル53は、荷箱サブフレーム4の側面に固着された荷箱側固定部材16の上面部から下方に向くように取付けられている。
従動側昇降リンク78の前端部下面には、荷箱3を車体フレーム5側、すなわち下方に付勢して車体フレーム5に荷箱3を緊締する緊締装置90が取り付けられている。具体的には、従動側昇降リンク78の前端部から下方に延びるように緊締装置90の付勢ロッド91が取付けられ、付勢ロッド91の下端部は、荷箱側固定部材16の下面部を貫通している。そして、付勢ロッド91の下部には、付勢ロッド91に形成された太径部91aと荷箱側固定部材16の下面部との間に、緊締力発生用弾性部材としての複数枚の皿ばね92を介装した緊締力伝達板93、94などが配設されている。なお、図11における95は、付勢ロッド91の固定位置を上下に調整するナット、96は、付勢ロッド91の下部に外嵌されている筒状カラーである。また、図11に示すように、車体フレーム5から上方に突出するように固定された浮き上がり規制ストッパ65は、ベース部材6および、荷箱サブフレーム4の側面に固着された荷箱側固定部材16の下面部を貫通し、その上端に、荷箱側固定部材16の下面部に形成された貫通孔よりも太径のストッパ部65aがねじで取付けられた構造とされ、荷箱3側が車体フレーム5側に対して過度に浮き上がろうとした場合に、荷箱側固定部材16の下面部がストッパ部65aに下方から当接して、荷箱3側の浮き上がりを阻止するようになっている。
【0092】
また、本発明の実施の形態にかかる車両においても、以下の動作を行わせる図示しない切換手段としての制御部が設けられている。なお、切換手段として、単なる切換用のスイッチを設けてもよい。
【0093】
上記構成において、車両の走行時などの非計量時における制御部による制御動作ならびに作用を説明する。なお、理解し易いように、図11〜図16に示すように、前寄りの計量緊締ユニットVの場合を説明するが、後寄りの計量緊締ユニットVの場合には、配置や平行リンク機構70、リンク機構80などの移動方向が前後方向に逆になるだけであり、緊締動作や計量動作は全て同じである。
【0094】
図11〜図14に示すように、車両の走行時などの非計量時には、油圧シリンダ63の出退ロッド部63aが最も後方に突出した位置に縮退される。これに連動して、第1のリンク部材81と第2のリンク部材82が僅かに後方に屈曲した姿勢(第1の連結ピン83が、第2の連結ピン84と第3の連結ピン85とを結ぶ線L’よりも前方(図11における紙面右側)に少しずれた姿勢)となって、車体フレーム5側(立設部材64)の所定位置に固定されている第2の連結ピン84に対して、第1のリンク部材81と第2のリンク部材82とを介して、第3の連結ピン85が最上位置に近い箇所まで押し上げられ、これにより、平行リンク機構70の後端部、すなわち、駆動側昇降リンク75および、上リンク71の後端部、下リンク72の後端部が押し上げられた姿勢とされている。その結果、平行リンク機構70の前端部に設けられた従動側昇降リンク78が下方に移動される。
【0095】
これに伴って、従動側昇降リンク78の前端部上面に形成された当接凹面78aがロードセル53の荷重受け凸部53aから離反された姿勢とされ、ロードセル53を介して荷箱3側が持ち上げられていない状態とされる。したがって、車体フレーム5に敷設されたゴムベルト51上に補助固定フレーム52を介して荷箱サブフレーム4が密着して載せられた状態となっており、荷箱3の重量が分布荷重として車体フレーム5全体に作用させて支持される。
【0096】
また、従動側昇降リンク78の前端部から下方に延びるように取り付けられた付勢ロッド91は下方寄りの位置となり、複数枚の皿ばね93が介装された下方の緊締力伝達板94が荷箱側固定部材16の下面部に当接し、従動側昇降リンク78の押し下げ力および皿ばね93の付勢力によって、荷箱サブフレーム4および荷箱3が下方に押し下げられて車体フレーム5側に緊締され、車体フレーム5に対して荷箱3側が上方に浮き上がることが確実に阻止される。これにより、荷箱3の重量が分布荷重として車体フレーム5全体に作用されていることと相まって安定した状態で走行できる。
【0097】
なお、この状態では、図11に示すように第1のリンク部材81と第2のリンク部材82とが直線L’を越えた(死点を越えた)姿勢で、油圧シリンダ63のピストン63bが後端位置とされているので、油圧シリンダ63において出退ロッド部63aの位置を保持するような油圧を積極的に負荷しないでも、この姿勢は良好に保持される。
【0098】
一方、計量時においては、車両を停車させた状態で、図15に示すように、油圧シリンダ63に油圧がかけられて、その出退ロッド部63aが最も前方に突出した位置にされる。これに連動して、第1のリンク部材81と第2のリンク部材82が大きく前方に屈曲した姿勢(第1の連結ピン83が、第2の連結ピン84と第3の連結ピン85とを結ぶ線L’よりも前方(図15における紙面左側)に大きくずれた姿勢)となって、第2連結ピン84に対して、第3の連結ピン85が最下位置に近い箇所まで引下げられ、これにより、平行リンク機構70の後端部、すなわち、駆動側昇降リンク75および、上リンク71の後端部、下リンク72の後端部が押し下げられた姿勢とされる。その結果、平行リンク機構70の前端部に設けられた従動側昇降リンク78が上方に移動される。
【0099】
これに伴って、従動側昇降リンク78の前端部上面に形成された当接凹面78aがロードセル53の荷重受け凸部53aに当接し、ロードセル53および補助固定フレーム52、荷箱サブフレーム4を介して荷箱3側が持ち上げられる。また、従動側昇降リンク78の前端部から下方に延びるように取り付けられた付勢ロッド91は上方寄りの位置となり、皿ばね92は外力を受けない状態となって、この皿ばね92による付勢力は荷箱側固定部材16を介して荷箱3側に作用しない。
【0100】
すなわち、この状態では、支点部材61を中心に、平行リンク機構70の駆動側昇降リンク75における第3の連結ピン85が連結された箇所を力点として、この力点に油圧シリンダ63による駆動力が作用され、また、平行リンク機構70の従動側昇降リンク78における当接凹面78aのロードセル53に対する接触点を重点として、荷箱3側の荷重が、重点としての当接凹面78aの接触部に作用する。これにより、ロードセル53には荷箱3側の荷重が作用し、荷箱3側の荷重が測定される。
【0101】
なお、この際、車体フレーム5に敷設されたゴムベルト51上から荷箱サブフレーム4側が離反し、かつ、緊締装置90の緊締力がなくなった時点で、車体フレーム5と荷箱3との相対位置を規制するものがなくなるので、設置面の凹凸や傾斜等による車体フレーム5の捩れや、車体フレーム5と荷箱3との熱膨張の違いによる歪などに応じて、車体フレーム5が変形するが、この変形によっても、従動側昇降リンク78の当接凹面78aとロードセル53の荷重受け凸部53aとの接触位置が横方向にずれるだけであり、これにより、ロードセル53には、横荷重が作用せず、この結果、ロードセル53により荷箱3側の荷重を良好かつ高精度に測定することができる。また、この計量時には、従動側昇降リンク78の当接凹面78aに対してロードセル53の荷重受け凸部53aが点接触でほぼ垂直に接しているので、これによっても、ロードセル53に横荷重が作用することを最小限に抑えることができて、計量精度を高めることができる。
【0102】
また、特に本実施の形態においては、てこを平行リンク機構70で構成したことにより、平行リンク機構70からロードセル53に、垂直方向(重力方向)に、荷重を負荷させることができ、精度良く計量することができる。また、平行リンク機構70自体に、緊締装置90からの緊締力が作用する緊締力作用点を設けたので、平行リンク機構70を利用して緊締力を与えることができ、省スペース化を図ることが可能となる。
【0103】
また、本実施の形態によれば、てことしての平行リンク機構70と、油圧シリンダ63と、リンク機構80とを車体フレーム5側に設けたので、油圧シリンダ63を駆動させる流体の配管(図示せず)等も車体フレーム5側に取付けることができ、精度良く計量することができる。つまり、油圧シリンダを荷箱3側に設けると、油圧シリンダを駆動させる流体の配管等の一部も荷箱3側に取付けなければならず、この場合には、平行リンク機構70を介して荷箱3側を昇降させた際に、前記流体の配管等を介して荷箱3側が車体フレーム側に引っ張られるなどして、計量精度が低下する場合があるが、油圧シリンダ63を車体フレーム5側に設けると、このような不具合が生じない。
【0104】
また、この実施の形態においても、計量緊締ユニットV自体が極めて省スペースであるとともに、その全ての部分が、車体フレーム5の側方や下方ではなくて、荷箱サブフレーム4の側方で、車体フレーム5の上面部よりも上方に配設されているため、配設スペース関する問題を生じることが少なく、車体フレーム5の側方など、車体フレーム5より下方の箇所に各種装置などを設けることの多い塵芥車1などにも、良好に対応して組付けることができる。
【0105】
なお、上記実施の形態では、車両が塵芥車である場合を述べたが、これに限るものではなく、同様な構成を、バルクローリ、タンクローリ、バキューム車など、内部に被収容物を収容する荷箱等の容器を載せた車両に適用することも可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車載計量装置を備えた塵芥車の全体側面図である。
【図2】同塵芥車の車体の概略的な平面図(荷箱を概略的に仮想線で示す)である。
【図3】同車載計量装置の計量緊締ユニットの非計量時における概略的な側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車載計量装置の計量緊締ユニットの平面図である。
【図5】同計量緊締ユニットのリンク機構の箇所の縦断面図である。
【図6】同計量緊締ユニットの非計量時における背面図である。
【図7】同計量緊締ユニットの計量時における概略的な側面図である。
【図8】同計量緊締ユニットの計量時における背面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る車載計量装置を備えた塵芥車の全体側面図である。
【図10】同塵芥車の車体の概略的な平面図(荷箱を概略的に仮想線で示す)である。
【図11】同車載計量装置の計量緊締ユニットの非計量時における概略的な側面図である。
【図12】同車載計量装置の計量緊締ユニットの平面図である。
【図13】同計量緊締ユニットのリンク機構の箇所の縦断面図である。
【図14】同計量緊締ユニットのロードセルが設けられている箇所の非計量時における背面図である。
【図15】同計量緊締ユニットの計量時における概略的な側面図である。
【図16】同計量緊締ユニットのロードセルが設けられている箇所の計量時における背面図である。
【符号の説明】
【0107】
1 塵芥車
3 塵芥収容タンク(荷箱:容器)
4 荷箱サブフレーム
5 車体フレーム
6 ベース部材
10 てこ
10b ストッパ部
11 支点支持部材
12 リンク機構
13 油圧シリンダ
15 ロードセル
16 荷箱側固定部材
30 緊締装置
31 付勢ロッド
33 ナット
34 皿ばね(緊締力発生用弾性部材)
35 緊締力伝達板
40 球体部
41 てこ荷重受け部材
42 取付部材
43 非計量時用荷重負荷部材
43a 球面凹部
51 ゴムベルト
52 補助固定フレーム
53 ロードセル
63 油圧シリンダ
65 浮き上がり規制ストッパ
70 平行リンク機構(てこ)
80 リンク機構
90 緊締装置
91 付勢ロッド
92 皿ばね(緊締力発生用弾性部材)
93、94 緊締力伝達板
U、V 計量緊締ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を収容する容器が車体フレーム上に搭載され、
車体フレーム側または容器側に複数のロードセルが取り付けられ、
非計量時に車体フレーム側と容器側とを互いに緊締する緊締装置が設けられ、
計量時に緊締装置による緊締作用を解除させた状態で、前記複数のロードセルで容器を支持させ、被収容物の重量を前記複数のロードセルで計量して合計して被収容物の重量を算出する車載計量装置であって、
揺動中心となる支点と、容器を押し上げる駆動力を作用させる力点とを有して、車体フレーム上から容器を持ち上げるてこを設け、
てこによる容器の持ち上げ動作と緊締装置による緊締動作とを組み合わせて、計量時状態と非計量時状態とを切り換える切換手段を設けたことを特徴とする車載計量装置。
【請求項2】
切換手段は、てこによる容器の持ち上げ動作および緊締装置による緊締動作を行わせる非計量時状態と、てこによる容器の持ち上げ動作および緊締動作を解除してロードセルに容器の荷重を作用させる計量時状態とを切り換えることを特徴とする請求項1記載の車載計量装置。
【請求項3】
てこが、容器の荷重が非計量時に作用する重点を有し、てこの重点と容器または車体フレームとの間に、てこに容器の荷重を上下方向に作用させる球体部を介装したことを特徴とする請求項2記載の車載計量装置。
【請求項4】
球体部を受ける球面凹部が設けられ、この球面凹部の曲率半径が球体部の曲率半径よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項3記載の車載計量装置。
【請求項5】
複数設けられている各ロードセルに対応して、てこおよび緊締装置が設けられ、一部のてこに対応して設けられた球面凹部の曲率半径よりも、残りのてこに対応して設けられた球面凹部の曲率半径が大きく形成されていることを特徴とする請求項4記載の車載計量装置。
【請求項6】
てこが支点を介して車体フレーム側に取付けられ、てこに、容器が相対的に前方または後方に移動することを阻止するストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車載計量装置。
【請求項7】
てこに、緊締装置からの緊締力が作用する緊締力作用点が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車載計量装置。
【請求項8】
てこと、てこに対して容器を押し上げる駆動力を発生するシリンダ装置と、シリンダ装置とてことの間に介装されるリンク機構とを車体フレーム側における車体フレーム上面より上方の位置に取り付け、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生する緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板とを容器側に取り付けたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車載計量装置。
【請求項9】
てこを支点を介して支持する支点支持部材と、シリンダ装置およびリンク機構を支持するシリンダ等支持部材と、ロードセルとが、左右の車体フレーム上にそれぞれ固定されたベース部材上に取付けられ、左側の車体フレーム上に取付けられたベース部材と、右側の車体フレーム上に取付けられたベース部材とが、左右に延びる補強部材で連結されたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の車載計量装置。
【請求項10】
切換手段は、てこによる容器の持ち上げ動作を行わず、緊締装置による緊締動作を行わせる非計量時状態と、てこによる容器の持ち上げ動作を行いながら、緊締装置による緊締動作を解除してロードセルに容器の荷重を作用させる計量時状態とを切り換えることを特徴とする請求項1記載の車載計量装置。
【請求項11】
非計量時は、てこによる容器側の持ち上げ動作を行わず、容器の重量を分布荷重として車体フレーム全体に作用させて支持させるように構成したことを特徴とする請求項1または10に記載の車載計量装置。
【請求項12】
てこが平行リンク機構で構成されていることを特徴とする請求項1、10、11の何れか1項に記載の車載計量装置。
【請求項13】
てこと、てこに対して容器を押し上げる駆動力を発生するシリンダ装置と、シリンダ装置とてことの間に介装されるリンク機構とを車体フレーム側に設けたことを特徴とする請求項1、10〜12の何れか1項に記載の車載計量装置。
【請求項14】
てこに、緊締装置からの緊締力が作用する緊締力作用点が設けられているとともに、てこの緊締力作用点に、てこを介して容器を下方に付勢して緊締力を発生する緊締力発生用弾性部材および緊締力伝達板とを取り付けたことを特徴とする請求項1、10〜13の何れか1項に記載の車載計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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