説明

車載音楽装置

【課題】 車の走行中に運転者が選曲操作を頻繁に行わなくて済むように操作性、利便性を向上させることを目的とするものである。
【解決手段】 曲データで選曲する車載音楽装置1であって、入力部11と、走行状態検知部12と、曲データを記録する記憶部13と、検索制御部14および表示部15各々を接続し各部の動作の制御するシステム管理部を備えたものである。
これにより、車の走行中に運転者が選曲操作の回数を減らしを操作性、利便性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車の走行中における運転者の選曲操作の負荷を軽減する車載音楽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車載音楽装置は、曲が持つ複数の属性および分類項目を基に規定した階層構造に従って、曲データを検索し検索画面を表示するものが知られている(例えば特許文献1参照)。車載音楽装置では、上位階層のメニュータイトルからメニュー項目のPlaylist、Genre、Artist、Album、Composer、および、Songを表示する。表示されたメニュー項目から選択を行う場合、選択したメニュー項目によっては上記メニュタイトルから選曲までの操作回数が、最低2回から最高5回の操作回数が必要となる。例えば、メニュータイトルから第1階層の「Genre」を選択する(1回目)と第2階層の「Genre一覧」が表示される。次に「Genre一覧」の1つを選択する(2回目)と第3階層の「Artist一覧」表示される。次に「Artist一覧」の1つを選択する(3回目)と第4階層の「Album一覧」が表示される。次に、Album一覧の1つを選択する(4回目)と第5階層の「Song一覧」が表示される。最後にSong一覧から1つの曲を選択(5回目)して曲を再生をする。 このように、メニュータイトルから「Genre」を選択すると曲の再生のためには第1階層から5回の操作が必要となる。また、メニュータイトルから第1階層の「Song」を選択すると「Song一覧」となり全ての曲が選択の対象となる。この場合、全ての曲の中から操作者が所望する曲を選択する。そのため、所望する曲を選曲するまで複数の操作回数が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−285895号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作回数が多いとデータを読み込む時間が長くなるため、画面を確認する時間や回数が多くなる。そのため、車の走行中に運転者が選曲する場合、運転者が所望する曲を得るまでは運転中に選曲操作を複数回行わなければならず、車の運転操作に集中できなくなるという課題がある。
【0005】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、車の走行中に運転者が選曲操作の回数を減らしを操作性、利便性を向上した車載音楽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車載音楽装置は操作者からの操作を入力する入力部と、車の走行状態を判断する走行状態検知部と、曲データを記録する記憶部と、記録部の記憶している音楽データの階層構造を有するとともに前記階層構造に基づいて選曲処理を制御する検索制御部および、階層構造を表示する表示部各々を接続し各部の動作の制御するシステム管理部を備えた構成であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現在の走行中または停止中の走行状態を検知する走行状態検知部と、曲データが分類されている階層構造に基づいて選曲処理を制御する検索制御部とを設けることにより、走行中である場合は、最上位階層のSong以外の選択であれば最上位階層の直下の階層である第2階層を選択することで、第3階層以下の階層を選択しなくても曲の再生ができるようにすることができる。
これにより、車の走行中に運転者が選曲操作の回数を減らしを操作性、利便性を向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態における車載音楽装置のブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における車載音楽装置の階層構造を説明する図
【図3】本発明の一実施の形態における車載音楽装置の動作説明のためのフロー図
【図4】本発明の一実施の形態における車載音楽装置のカテゴリリストを表示した表示部の表示例の説明図
【図5】本発明の一実施の形態における車載音楽装置のアーティストリストを表示した表示部の表示例の説明図
【図6】本発明の一実施の形態における車載音楽装置のアーティストリストにて選択されたリスト内のアルバムリストを表示した表示部の表示例の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態の車載音楽装置について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施の形態における車載音楽装置のブロック図である。また、図2は本発明の一実施の形態における車載音楽装置の階層構造を示す説明する図である。
【0011】
図1において11は入力部で、システム管理部17と接続される。操作者が選曲画面へ切り替えや選択をおこなうものである。操作者が選曲画面へ切り替えるための切り替え操作信号や「Song」、「Genre」、「Artist」、「Album」および、「Playlist」などのカテゴリ一覧を操作者が選択したときのカテゴリ一覧の選択信号を出力する。
【0012】
12は走行状態検知部で、システム管理部17と接続される。車の走行情報、例えば、車が走行しているのか否かを、車両からの車速パルス(図示なし)より検知する。
【0013】
13は記録部で、システム管理部17と接続される。CDや携帯音楽再生機器からの曲データを記録する。この、曲データには各曲毎に「Genre」、「Artist」、「Album」、「Composer」および、「Playlist」などのメニュー項目を有しているる。
【0014】
14は検索制御部で、システム管理部17と接続される。選曲するための階層構造(図2)をあらかじめ記録している。
検索制御部14はシステム管理部17と接続されている。
【0015】
15は表示部で、システム管理部17を接続される。選曲のためのカテゴリ一覧や現在演奏中のカテゴリなどを表示する。
【0016】
16は再生制御部で、システム管理部17を接続される。システム管理部17を介して検索制御部14で決定された階層の曲を再生する。
【0017】
17はシステム管理部であり入力部11や走行検知状態部12、記録部13、検索制御
部14、表示部15、再生部16と接続され、車載音楽装置1を構成する各部の動作の制御することができるように構成している。
【0018】
例えば、操作者が選曲画面にするために入力部11より選曲画面への変更を操作する。選曲画面へ切り替えるための切り替え操作信号がシステム管理部17を介して検索制御部14に入力される。検索制御部14はシステム管理部17を介して表示部15に階層構造の最上位階層である第1階層のカテゴリの「Genre」、「Artist」、「Album」、「Song」、「Composer」、および、「Playlist」を表示させる。
【0019】
図2は本発明の一実施の形態における車載音楽装置の階層構造を説明する図である。この検索制御部14に記録されている階層構造を図2を用いてを説明する。図2の階層構造では第1階層から第5階層で構成されている。第1階層は最上位階層であり第5階層は最下位階層である。第1階層には「Genre」、「Artist」、「Album」、「Song」、「Composer」、および、「Playlist」のカテゴリがある。
【0020】
操作者は選曲するとき、まずこの第1階層の中から1つ選んで選曲操作を開始する。例えば、第1階層「Genre」の下位階層には第2階層の「Genre一覧」が属する。次に、第2階層の「Genre一覧」の下位階層には第3階層の「Artist一覧」が属する。次に、第3階層の「Artist一覧」の下位階層には第4階層の「Album一覧」が属する。次に、第4階層の「Album一覧」の下位階層には第5階層の「Song一覧」が属する5つの階層構造である。
【0021】
他の第1階層の各カテゴリの「Artist」、「Album」、「Song」、「Composer」、および、「Playlist」も階層数は異なるが、第1階層からそれぞれの下位階層構造を有している。例えば、第1階層が「Song」の階層数は第2階層の「Song一覧」で選曲ができ階層数は2つである。しかし、第1階層が「Genre」の階層数は「Song一覧」まで第5階層あり選曲するまでの階層数は5つある。そのため、第1階層の項目の選択により操作者は、最低2回から最大5回の範囲で選曲操作を実施する。なお、階層数は5つに限定されることはない。
表示部15に表示している第1階層の1つを操作者が選択すると、検索制御部14には選択された第1階層の選択信号がシステム管理部17を介して入力される。
【0022】
選択された第1階層カテゴリの下位階層にある第2階層カテゴリ一覧の作成は、記録部13の曲データから第2階層カテゴリに属するカテゴリーを選択して作成する。例えば、図2の第1階層の「Genre」を選択すると、記録部13に記録されている曲データの中の「Genre」を抽出する。抽出した「Genre」を第2階層の「Genre一覧」としてロック、ジャズ、クラッシックが表示部15で表示される。
【0023】
次に、表示部15に表示している第2階層の1つを操作者が選択すると、検索制御部14には選択された第2階層の選択信号がシステム管理部17を介して入力される。
【0024】
次に、検索制御部14はシステム管理部17を介して、走行状態検知部12からの車が走行しているのか否かを取得する。車が走行している場合は、第2階層の中から選択した1つのカテゴリの中の曲の再生を決定する。
【0025】
例えば、「Genre一覧」のロック、ジャズ、クラッシックからジャズを選択し、かつ、車が走行中の場合は、記録部13に記録されているジャズの曲を全て再生する。
【0026】
以上のように構成された車載音楽装置1について、図3〜6を用いてその動作を説明する。
図3は本発明の一実施の形態における車載音楽装置の動作説明のためのフロー図である。また図4から図6は表示部における表示例を示している。
【0027】
まず、操作者が選曲画面へ切り替えるための入力部11を操作する。操作者が入力部11を操作すると、選曲画面へ切り替えるための切り替え操作信号がシステム管理部17に入力され、表示部15に表示している画面を選曲画面へ切り替える(S1)。
【0028】
次に、システム管理部17は、図2で示した階層構造の第1階層である「Genre」、「Artist」、「Album」、「Song」、「Composer」、および、「Playlist」を表示部15に表示する(S2)。
【0029】
図4に示すように表示部15の画面20には、リスト名表示部21、カテゴリリスト表示部28、スクロールバー29は表示される。リスト名表示部21は「TOPMENU」を表示する。情報リスト表示部28は検索制御部14に記録されている階層カテゴリの第1階層のカテゴリを表示する。上から「Genre」、「Artist」、「Album」、「Song」、「Composer」と表示する。カテゴリリスト表示部28に表示されていない「Playlist」は、スクロールバー29を下に操作することにより情報リスト表示部28の内容がスクロールされ「Playlist」を表示する。
【0030】
次に、情報リスト表示部28に表示している第1階層のカテゴリの中から、操作者がSong以外のカテゴリの1つを選択したかを判断する(S3)。Songを選択した場合(S3、No)、終了する。
ステップ3に戻って、Song以外のカテゴリ一覧を選択したとき(S3、YES)、選択されたカテゴリ一覧の選択信号をシステム管理部17に出力する。
【0031】
次に、選択された第1階層のカテゴリに属する第2階層のカテゴリ一覧を表示部15に表示する(S4)。例えば、ステップ3で操作者は「Artist」を選択すると、第2階層の「Artist一覧」として記録部13に記録されている曲データの「Artist」情報から「ArtistA」「ArtistB」など「Artist」のカテゴリ一覧を表示部15に表示する。ステップ4の表示部15への表示の例を図5に示す。図5において図4と異なる点はリスト名表示部21と情報リスト表示部28の表示内容である。リスト名表示部21は再生リストのリスト名「Artist List」を表示する。また、情報リスト表示部28は、「ArtistA〜ArtistE」を表示する。
【0032】
次に、表示部15に表示している第2階層のカテゴリ一覧から操作者が1つのカテゴリを選択し入力部11から入力する(S5)。例えば、図5を参照し説明すると、情報リスト表示部28の内容の「ArtistA〜ArtistE」の中から、操作者が「ArtistA」を選択すると、入力部11からシステム管理部17に「ArtistA」を選択した選択信号が出力される。なお「ArtistA」を選択すると、「ArtistA」を選択したことがわかるように「ArtistA」の文字が太くなったり、「ArtistA」の文字に下線が表示される。
【0033】
次に、システム管理部17は走行状態検知部12から車の走行情報を検出し走行しているのか否かを判断する(S6)。走行状態検知部12より車が走行中であれば(S6、YES)、システム管理部17はステップ5で選択されたカテゴリの曲の再生を開始するように再生制御部16へ指示し、選択されたカテゴリ一覧の曲を再生を開始する。(S7)
例えば、図5で「ArtistA」を選択すると「ArtistA」の曲を全曲再生する。
【0034】
また、ステップ6に戻って、システム管理部17は走行状態検知部12から走行状態を検出し車両が停止中であれば(S6、NO)、検索制御部14にて選択されたカテゴリ一覧よりもさらに下位階層が存在するかどうかを判定する(S8)。車両が走行していない時の選曲操作のため、第2階層よりも下の階層まで選曲操作してもよい。
下位階層が存在しない場合(S8、YES)システム管理部17は選択されたカテゴリ一覧を再生開始するよう再生制御部16へ指示し曲を再生する(S9)。
【0035】
また、 ステップ8に戻って、選択されたカテゴリ一覧の下位階層に第3階層が存在する場合は、システム管理部17は、検索制御部14から選択された第3階層のカテゴリ一覧を取得し、表示部15へ選択された第3階層のカテゴリ一覧を表示するように指示する(S10)。図6は操作者が「Artist」一覧から、「ArtistA」選択した時の「ArtistA」の「Albumリスト」を示す。例えば、図6において図4と異なる点はリスト名表示部21表示内容と情報リスト表示部28である。リスト名表示部21はステップ8で選択した「ArtistA」を表示している。情報リスト表示部28では「AlubumA〜AlubumE」が表示され、操作者は表示している「Alubum」から聞きたいアルバムを選択できる。
【0036】
次に、表示部15に表示している第3階層のカテゴリ一覧から1つを選択する(S11)。例えば、操作者はアルバムリスト表示部30の「AlubumA〜AlubumE」から、「AlubumA」を選択する。第3階層のカテゴリ一覧の1つを選択するとステップ8に戻りさらに下位階層があるかを判断する(S8)。下位階層があればステップ10に進み、下位下層がなければステップ9に進む。車が停止している場合は曲が決まるまではステップ8、ステップ10、およびステップ11が繰り返される。
【0037】
このような本発明の実施の形態のデータ処理装置によれば、現在の走行中または停止中の走行状態を検知する走行状態検知部と、曲データが分類している階層構造に基づいて選曲処理を制御する検索制御部とを設けることにより、第3階層以上あるPlaylist、Genre、Artist、Album、Composerで選曲を開始した場合、車の走行中に運転者が選曲操作を頻繁に行わなくて済むように操作性、利便性を向上させる効果を奏する。
【0038】
第1階層の選択で再生すると、単に選択した項目で並び替えられた曲が再生されるために全曲再生になる。操作回数を減らして曲の再生にはなるが操作者の希望の曲が聞けるまでには時間がかかると考えられる。そのため、第1カテゴリの表示からで2回の選択により選曲操作が実施されるように制御する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明にかかる車載音楽装置は、車の走行中に運転者が選曲操作を頻繁に行わなくて済むように操作性、利便性を向上させる車載音楽装置として有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 車載音楽装置
11 入力部
12 走行状態検知部
13 記録部
14 検索制御部
15 表示部
16 再生制御部
17 システム管理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲データで選曲する車載音楽装置であって、
操作者からの操作を入力する入力部と、
車両の走行状態を検知する走行状態検知部と、
曲データを記録する記憶部と、
前記記録部の記憶している曲データの階層構造を有するとともに前記階層構造に基づいて選曲処理を制御する検索制御部と、
前記検知制御部が有する前記階層構造を表示する表示部と
入力部、走行状態検知部、記憶部、および、検索制御部と各々を接続し各部の動作を制御するシステム管理部を備え、
前記検索制御部より前記表示部に前記階層構造の最上位階層のカテゴリ一覧を表示し、
この最上位階層のカテゴリ一覧の1つが前記入力部より選択し入力し
この入力部より入力された、最上位階層がSong以外であれば前記入力部より入力された、前記記録部に記録されている曲データの情報から前記入力部より入力された最上位階層のカテゴリ下位階層である前記第2階層のカテゴリと同一のカテゴリを抽出して前記表示部で表示し、
表示した前記第2階層のカテゴリ一覧の1つが前記入力部より選択し入力され、
前記走行状態検知部で車両が走行していると前記制御部で判断すると、前記第2階層のカテゴリ一覧で選択カテゴリの曲データを前記記録部から読み出し再生することを特徴とする車載音楽装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−210323(P2011−210323A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78417(P2010−78417)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】