説明

軌道回路の絶縁不良警告装置

【課題】隣接する軌道回路間の絶縁不良が発生したときに、これを直ちに検出し通知できる軌道回路を提供することを目的とする。
【解決手段】送信装置2からレール1,1に送信する列車検知用信号の周波数を、互いに隣合う区間で異ならせる。受信装置3には、隣りの区間に割当てた周波数の列車検知用信号を抽出する帯域フィルタ13−3,13−4を設け、帯域フィルタ13−3,13−4のどちらかから、列車検知レベル以上の出力が発生したときに、受信装置3から絶縁不良通知指令を発生して表示装置で表示する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道回路間の絶縁不良を通知する軌道回路の絶縁不良警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
列車検知に使用される軌道回路は、複数の区間に仕切った列車軌道の各区間のレールを電気回路の一部として用いた列車検知用の回路で、区間の列車進出側に送信装置を設け、区間の列車進入側に受信装置を設け、区間進出側からレールに列車検知用の信号電流を送信し、区間進入側で前記信号電流が受信されたか否かにより、列車の有無を検知するものである。
【0003】
かかる軌道回路の一例として、例えば特許文献1に記載されているように、列車検知用の信号周波数として、商用周波数(50Hz又は60Hz)より少し高い周波数で商用周波数の整数倍でない周波数(例えば80Hz)を使用する構成のものがある。この軌道回路の場合、商用周波数だけでなくその高調波の影響も受けることがないので、交流電化区間等の誘導対策用として有効である。
【特許文献1】特開平8−30112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された軌道回路において、隣接する軌道回路間で絶縁不良が発生すると、隣合う区間の後方側区間の送信装置から前方側区間の受信装置へ、信号の回り込みが発生する虞れがある。この場合、特許文献1に記載された軌道回路では、前方側区間に列車が存在して本来であれば後方側区間に対する信号現示がR(赤)現示となるところ、絶縁不良による信号の回り込みによってR現示がY(黄)現示又はG(緑)現示に変化する危険性がある。
【0005】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、隣接する軌道回路間の絶縁不良が発生すると、これを直ちに検出し通知するようにした軌道回路の絶縁不良警告装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明は、軌道を互いに電気的に絶縁して複数の区間に仕切り、各区間の列車進出側に、当該区間の軌道に列車検知用信号を送信する送信装置を設け、各区間の列車進入側に、前記列車検知用信号を受信可能な受信装置を設け、該受信装置における前記列車検知用信号の受信の有無に基づいて列車を検知する軌道回路において、前記列車検知用信号の周波数を、互いに隣合う区間で異ならせる一方、前記受信装置が、隣りの区間に割当てた周波数の列車検知用信号を受信したときに、絶縁不良を通知する構成としたことを特徴とする。
【0007】
かかる構成では、受信装置において自身の区間の列車検知用信号と隣りの区間の列車検知用信号とを識別できるようになる。これにより、受信装置は、隣りの区間の列車検知用信号を受信したときに、絶縁不良が生じたと判断してこれを通知する。
【0008】
請求項2のように、隣りの区間に割当てた周波数の列車検知用信号を前記受信装置が受信したときに、信号機を停止現示に制御する構成とするとよい。
かかる構成では、絶縁不良発生時の列車運行の安全性を向上できる。
【0009】
請求項3のように、前記列車検知用信号の周波数は、各区間に進行現示用と注意現示用の2つの周波数を割当てる構成とするとよい。
かかる構成では、2元3位制御ができるようになる。
【0010】
請求項3において、請求項4のように、前記受信装置は、信号有りを論理値1、信号無しを論理値0とし、自身の区間の列車検知用信号と隣りの区間の列車検知用信号との論理演算処理を行う論理処理部を備え、前記論理処理部は、隣りの区間の進行現示と注意現示の両列車検知用信号の論理和を演算する論理和演算手段と、自身の区間の進行現示の列車検知用信号と前記論理和演算手段の出力の否定演算とを論理積演算する第1論理積演算手段と、自身の区間の注意現示の列車検知用信号と前記論理和演算手段の出力の否定演算とを論理積演算する第2論理積演算手段と、を備え、前記論理和演算手段の出力が論理値1のとき絶縁不良を通知し、前記第1論理積演算手段の出力が論理値1のとき信号機を進行現示に制御し、前記第2論理積演算手段の出力が論理値1のとき信号機を注意現示に制御し、前記第1及び第2論理積演算手段の出力が共に論理値0のとき信号機を停止現示に制御する構成とするとよい。
【0011】
請求項5のように、前記列車検知用信号は、商用周波数より高くて商用周波数を倍周した周波数より低い周波数の搬送波を振幅変調した振幅変調波とし、この振幅変調波の周波数を、互いに隣合う区間で異ならせるようにするとよい。
かかる構成では、ノイズの影響を受け難くなるようになる。
【0012】
請求項6のように、前記絶縁不良の通知は、表示手段で表示して通知するとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軌道回路間で絶縁不良が発生したことを直ちに知ることができる。これにより、絶縁不良箇所の復旧作業や絶縁不良発生に伴う列車ダイヤの乱れの修復等を素早く行うことができ、列車運行の安全性や列車運行管理機能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る軌道回路の一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、列車走行軌道である一対のレール1,1は、所定間隔毎に互いに電気的に絶縁して複数の区間に区分され(図1では、図を簡略化するために3つの区間しか示されていないが、3つに限らない)、各区間のレール1,1は、列車検知用の軌道回路T1〜T3の一部を構成する。軌道回路T1〜T3は、互いに隣合う区間で列車検知用信号の周波数を異ならせている他は、同じ構成であり、ここでは軌道回路T2について説明する。
【0015】
軌道回路T2は、区間の列車進出側(図の右側)に送信装置2を備え、各区間の列車進入側(図の左側)に受信装置3を備える。尚、列車は図の矢印A方向に進行するものとする。
【0016】
前記送信装置2は、例えば、商用周波数より高くて商用周波数を倍周した周波数より低い周波数(例えば80Hz)の搬送波を振幅変調した振幅変調波の列車検知用信号を、区間境界部に設けた周知のインピーダンスボンド4を介してレール1,1に送信する。前記振幅変調波の周波数としては、進行現示用と注意現示用の2つの周波数を用い、前方側軌道回路T3の受信装置3′からの制御指令に基づいて、前記振幅変調波の周波数を選択する。
【0017】
前記受信装置3は、区間境界部に設けた周知のインピーダンスボンド5を介してレール1,1から前記列車検知用信号を受信可能に構成され、後述の図2に示す回路構成により列車検知用信号の受信の有無や受信信号の周波数に応じて信号機6に現示指令を出力すると共に、後方側の区間の軌道回路T1の送信装置2′に制御指令を出力する。また、隣りの区間に割当てた周波数の列車検知用信号を受信したときに、情報伝送ライン7に絶縁不良通知指令を送信する。
【0018】
前記信号機6は、列車進入側の区間境界部付近に配置され、受信装置3からの現示指令に基づいて、進行現示(以下、G現示とする)、注意現示(以下、Y現示とする)又は停止現示(以下、R現示とする)に制御され、後方側区間に進入した列車の走行を制御する。尚、信号機6′は、前方側区間の軌道回路T3の受信装置3′により現示制御されるものである。
【0019】
前記情報伝送ライン7は、例えば中央装置の表示手段である表示装置8に接続され、表示装置8は、絶縁不良通知指令の入力で絶縁不良が発生したことを表示する。
【0020】
前述したように、軌道回路T1〜T3は、互いに隣合う区間で列車検知用信号の周波数を異ならせている。また、各区間で、列車検知用信号の周波数として、進行現示用と注意現示用の2つの周波数を割当てている。例えば、軌道回路T2には、振幅変調波として、例えば、2.5Hz(G現示用)と4Hz(Y現示用)の2つの周波数を割当て、軌道回路T1とT3には、例えば振幅変調波として軌道回路T2とは周波数が異なる、3.2Hz(G現示用)と5.7Hz(Y現示用)の2つの周波数を割当てる。
【0021】
図2の受信装置3の回路構成について説明する。
図2において、受信装置3は、帯域フィルタ11、検波回路12、変調波抽出用の4つの帯域フィルタ13−1〜13−4、4つの信号処理回路14−1〜14−4、論理処理部15及びレベル設定スイッチ16を備えて構成される。
【0022】
帯域フィルタ11は、列車検知用信号に含まれるノイズの影響を低減するもので、インピーダンスボンド5を介して入力する列車検知用信号の80Hzの搬送波に重畳したノイズを除去する。
【0023】
検波回路12は、帯域フィルタ11からの入力信号を包絡線検波して振幅変調波を抽出する。
【0024】
帯域フィルタ13−1〜13−4は、自身の区間のG現示用の周波数2.5Hzの振幅変調波、Y現示用の周波数4Hzの振幅変調波、後方側区間のG現示用の周波数3.2Hzの振幅変調波、Y現示用の周波数5.7Hz振幅変調波をそれぞれ抽出する。
【0025】
信号処理回路14−1〜14−4は、対応する帯域フィルタ13−1〜13−4から入力する信号レベルを、予め設定された列車検知用閾値と比較してレベル判定を行い、入力信号レベルが閾値以上のときに信号有りと判定して論理値1を出力する。
【0026】
論理処理部15は、信号処理回路14−1〜14−4から入力する4つの論理出力を論理演算し、信号機6の現示指令、後方側区間の軌道回路T1の送信装置2′の制御指令、絶縁不良通知指令を生成するものである。
【0027】
レベル設定スイッチ16は、通常状態での列車検知用信号の受信レベルを信号処理回路14−1〜14−4に記憶させるもので、信号処理回路14−1〜14−4は、記憶した信号レベルの上下3dB以内は、レール1,1の状態変化に追従させて定常受信レベルとし、この定常受信レベルから6dB低いレベルを列車検知用閾値レベルに設定する。
【0028】
図3に論理処理部15の具体的構成例を示す。
論理処理部15は、OR回路21と、2つのAND回路22.23と、指令出力部24とを備えて構成されている。
【0029】
前記OR回路21は、論理和演算手段に相当するもので、隣りの区間のG現示とY現示の両列車検知用信号に基づく信号処理回路14−3,14−4の両出力の論理和演算を行い、その論理出力を情報伝送ライン7に送信する。
【0030】
前記AND回路22は、第1論理積演算手段に相当するもので、自身の区間のG現示の列車検知用信号に基づく信号処理回路14−1の出力と、前記OR回路21の出力の否定演算とを論理積演算を行う。
【0031】
前記AND回路23は、第2論理積演算手段に相当するもので、自身の区間のY現示の列車検知用信号に基づく信号処理回路14−2の出力と、前記OR回路21の出力の否定演算とを論理積演算を行う。
【0032】
前記指令出力部24は、前記AND回路22,23の論理出力状態に基づいて、信号機6へ現示指令を出力すると共に、後方側区間の軌道回路T1の送信装置2′へ制御指令を出力する。
【0033】
次に、本実施形態の軌道回路T2の動作について説明する。
まず、絶縁不良がない正常状態の場合の動作を説明する。
送信装置2は、前方側区間の軌道回路T3の受信装置3′からの制御指令がY現示指令かG現示指令かに応じて、変調波の周波数を選択する。制御指令がY現示指令であるときは、変調波周波数として4Hzを選択して80Hzの搬送波を周波数4Hzの変調波で振幅変調した振幅変調波を列車検知用信号としてインピーダンスボンド4を介してレール1,1に送信する。また、制御指令がG現示指令であるときは、変調波周波数として2.5Hzを選択して80Hzの搬送波を周波数2.5Hzの変調波で振幅変調した振幅変調波を列車検知用信号としてレール1,1に送信する。
【0034】
レール1,1に送信した列車検知用信号はインピーダンスボンド5を介して受信装置3で受信される。受信装置3に入力した列車検知用信号は、帯域フィルタ11でノイズが除去され、検波回路12で包絡線検波され、帯域フィルタ13−1〜13−4で変調波が抽出される。列車検知用信号が周波数2.5Hzの変調波で振幅変調した振幅変調であれば、帯域フィルタ13−1から出力が発生して信号処理回路14−1で入力信号のレベル判定が行われる。列車検知用信号が周波数4Hzの変調波で振幅変調した振幅変調であれば、帯域フィルタ13−2から出力が発生して信号処理回路14−2で入力信号のレベル判定が行われる。
【0035】
当該区間に列車が存在しない場合は、信号処理回路14−1又は14−2の入力信号レベルが閾値以上となり、信号処理回路14−1又は14−2から論理値1の出力が発生する。信号処理回路14−1からの論理値1の出力は、論理処理部15のAND回路22の一方に入力する。絶縁不良がない正常状態ではAND回路22の他方の入力は論理値1であるので、AND回路22から論理値1の出力を発生して指令出力部24に入力する。同様に、信号処理回路14−2からの論理値1の出力は、論理処理部15のAND回路23の一方に入力する。絶縁不良がない正常状態ではAND回路23の他方の入力は論理値1であるので、AND回路23から論理値1の出力を発生して指令出力部24に入力する。
【0036】
指令出力部24は、AND回路22から論理値1の出力が入力したときは、G現示指令を信号機6に送信する。これにより、信号機6はG現示に制御される。同時に、後方側区間の送信装置2′へは、制御指令としてG現示指令を送信する。また、AND回路23から論理値1の出力が入力したときは、Y現示指令を信号機6に出力する。これにより、信号機6はY現示に制御される。同時に、後方側区間の送信装置2′へは、制御指令としてG現示指令を送信する。
【0037】
一方、当該区間に列車が存在する場合は、レール1,1間が列車の車輪により短絡されて受信装置3の信号入力レベルが低下する。これにより、信号処理回路14−1又は14−2の入力信号レベルが閾値未満となり、論理処理部15には、どちらの信号処理回路14−1,14−2からも論理値1の出力が入力せず、両AND回路22,23の出力が論理値0となる。この場合は、指令出力部24では、信号機6にはR現示指令を出力し、後方側区間の送信装置2′には、制御指令としてY現示指令を送信する。
【0038】
次に、例えば、軌道回路T2と後方側軌道回路T1間で絶縁不良が発生した場合の動作を説明する。
この場合、帯域フィルタ13−3と13−4のどちらから出力が発生し、信号処理回路14−3又は13−4で入力信号のレベル判定が行われる。そして、信号処理回路14−3又は14−4から論理値1の出力が発生すると、論理処理部15のOR回路21の出力が論理値1となる。これにより、情報伝送ライン7を介して論理値1の絶縁不良通知指令が表示装置8に入力し、表示装置8によって絶縁不良が発生したことを表示する。
【0039】
また、AND回路22,23の他方の入力が論理値0の状態になるので、AND回路22,23の出力が共に論理値0となり、軌道回路T2の区間に列車が存在する場合と同じ出力形態となる。これにより、指令出力部24は、信号機6にはR現示指令を出力し、後方側区間から軌道回路T2の区間への列車進入を禁止する。また、後方側区間の送信装置2′には、制御指令としてY現示指令を送信する。
【0040】
尚、例えば、予め各軌道回路毎に異なる識別コードを割当て、情報伝送ライン7に、絶縁不良通知指令に軌道回路固有の前記識別コードを付加して送信することで、絶縁不良発生箇所も合わせて表示すれば、絶縁不良箇所を直ちに知ることができるようになる。これにより、復旧作業が容易になる。
【0041】
かかる構成によれば、軌道回路間で絶縁不良が発生した場合に、これを通知するようにしたので、軌道回路間の絶縁不良を直ちに知ることができる。これにより、絶縁不良の復旧作業や絶縁不良発生に伴う列車ダイヤの乱れの修復等を素早く行うことができ、列車運行の安全性や列車運行管理機能を向上できる。また、列車検知用信号として変調波を使用したので、ノイズの影響を受け難い。また、各区間に進行現示用と注意現示用の2つの変調周波数を割当てたことで、2元3位制御を可能とした。また、絶縁不良が発生したときに、信号機6をR現示に制御して後方側区間からの列車進入を禁止するので、列車走行の安全性が向上する。
【0042】
また、本実施形態では、商用周波数より高くて商用周波数を倍周した周波数より低い周波数(例えば80Hz)の搬送波を使用するので、交流電化区間等の誘導対策としては、商用周波数を分周又は倍周した周波数を使用する分倍周軌道回路より有効であり、分倍周軌道回路の代替軌道回路として有効である。
【0043】
また、本実施形態では、レベル設定スイッチ16により、通常状態での列車検知用信号の受信レベルを信号処理回路14−1〜14−4に記憶させ、レール1,1の状態変化に追従させて定常受信レベルを所定範囲内で自動調整するので、定常受信レベルに基づいて決定する列車検知用閾値レベルの調整作業が不要となり、保守作業を軽減できる利点がある。
【0044】
尚、本実施形態では、各区間に変調周波数を2つ割当て2元3位制御を実現する構成としたが、各区間に割当てる変調周波数を1つとし、G現示とR現示だけの制御としてもよい。また、変調周波数は、上述した周波数に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図
【図2】図1の受信装置の構成を示すブロック図
【図3】図2の論理処理部の構成図
【符号の説明】
【0046】
1,1 レール
2 送信装置
3 受信装置
6 信号機
7 情報伝送ライン
8 表示装置
13−1〜13−4 帯域フィルタ
14−1〜14−4 信号処理回路
15 論理処理部
21 OR回路
22,23 AND回路
24 指令出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道を互いに電気的に絶縁して複数の区間に仕切り、各区間の列車進出側に、当該区間の軌道に列車検知用信号を送信する送信装置を設け、各区間の列車進入側に、前記列車検知用信号を受信可能な受信装置を設け、該受信装置における前記列車検知用信号の受信の有無に基づいて列車を検知する軌道回路において、
前記列車検知用信号の周波数を、互いに隣合う区間で異ならせる一方、前記受信装置が、隣りの区間に割当てた周波数の列車検知用信号を受信したときに、絶縁不良を通知する構成としたことを特徴とする軌道回路の絶縁不良警告装置。
【請求項2】
隣りの区間に割当てた周波数の列車検知用信号を前記受信装置が受信したときに、信号機を停止現示に制御する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の軌道回路の絶縁不良警告装置。
【請求項3】
前記列車検知用信号の周波数は、各区間に進行現示用と注意現示用の2つの周波数を割当てる構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道回路の絶縁不良警告装置。
【請求項4】
前記受信装置は、信号有りを論理値1、信号無しを論理値0とし、自身の区間の列車検知用信号と隣りの区間の列車検知用信号との論理演算処理を行う論理処理部を備え、
前記論理処理部は、隣りの区間の進行現示と注意現示の両列車検知用信号の論理和を演算する論理和演算手段と、自身の区間の進行現示の列車検知用信号と前記論理和演算手段の出力の否定演算とを論理積演算する第1論理積演算手段と、自身の区間の注意現示の列車検知用信号と前記論理和演算手段の出力の否定演算とを論理積演算する第2論理積演算手段と、を備え、前記論理和演算手段の出力が論理値1のとき絶縁不良を通知し、前記第1論理積演算手段の出力が論理値1のとき信号機を進行現示に制御し、前記第2論理積演算手段の出力が論理値1のとき信号機を注意現示に制御し、前記第1及び第2論理積演算手段の出力が共に論理値0のとき信号機を停止現示に制御する構成とした請求項3に記載の軌道回路の絶縁不良警告装置。
【請求項5】
前記列車検知用信号は、商用周波数より高くて商用周波数を倍周した周波数より低い周波数の搬送波を振幅変調した振幅変調波とし、この振幅変調波の周波数を、互いに隣合う区間で異ならせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の軌道回路の絶縁不良警告装置。
【請求項6】
前記絶縁不良の通知は、表示手段で表示して通知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の軌道回路の絶縁不良警告装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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