説明

軟質セグメントを含有するポリイソシアネートプレポリマーに基づく噴霧適用されたポリウレタンウレア複合材料

本発明は、噴霧可能なポリウレタンウレア組成物、該ポリウレタンウレア組成物の少なくとも1つの層およびポリウレタンウレアフォーム形成性組成物の少なくとも1つの層を含んでなる複合材料物品、およびこれらの複合材料の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧されたポリウレタンウレアを含む複合材料部品およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料物品および複合材料物品の製造方法は、既知であり、種々の参照に記載されている。繊維強化することができ、および審美的視覚表面を有する複合材料物品は、レジャー用船舶船体、水上バイク、水上機のフロート、温水浴槽、浴槽、スイミングプールおよび水環境において用いられる他の物品としての使用に適している。多段階法は、種々の船舶船体および繊維ガラス強化物品を製造するために知られている。長年にわたり、ポリウレタンおよびポリウレアは構造支持体、複合材料物品およびサンドイッチ構造物を製造するために用いられてきた。
【0003】
ポリウレタンおよびポリウレアの複合材料およびこれらの複合材料の製造方法は、例えば米国特許第5192594号、同第5233009号および同第5275888号、および米国公開特許出願第2005/0075450号に記載されている。
【0004】
米国特許第5192584号には、ポリウレタンが基材上に噴霧されたポリウレタンウレア構造支持体の製造方法が開示されている。該ポリウレタンは、特定のポリオールブレンド、有機ジアミンおよびイソシアネート成分の、水分吸収性物質およびポリシロキサン消泡剤の存在下における反応生成物である。これらのポリウレタンは基材に噴霧適用することができる。
【0005】
セラミック層およびポリウレタン層を含む複合材料構造物の製造方法および該方法に用いられるポリウレタン組成物は、米国特許第5233009号および同第5275888号に開示されている。これらの複合材料は、浴槽を含む配管用途における使用に適している。該ポリウレタンは、特定のポリオールブレンド、有機ジアミン、充填剤およびイソシアネート末端プレポリマーを含んでなる。複合材料構造物は、接着剤が塗布されたセラミックエナメル層にこれらのポリウレタンを噴霧適用することによって製造することができる。
【0006】
ポリウレタン系から製造された繊維強化複合材料は、米国公開特許出願第2005/0075450号に記載されている。これらのポリウレタンは高度に疎水性のポリオール成分とイソシアネートプレポリマーとを含み、該組み合わせは合わせた官能価が5を越えるものである。これらの系は、ゲルコートおよびマトリックス樹脂として適当であり、また、揮発分放出が全くまたはほとんど生じない。船舶船体および他の類似の製品をこれらの系から製造することができる。
【0007】
ポリウレタンサンドイッチ構造部品およびこれらの製造方法は米国特許第5856371号に開示されている。これらのサンドイッチ構造は、自己支持性であり、また、少なくとも1つの非気泡質ポリウレタン層と少なくとも1つのポリウレタン発泡層と10〜55重量%のマイカを含有する非気泡質層とを含んでなる。各ポリウレタン層を形成するために用いられる混合物は、250〜400のOH価を有するポリエーテルポリオール、20〜30%のNCO基含量を有するジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリエーテルポリオールに基づく半プレポリマーおよび必要に応じて発泡剤を含有し、該混合物を90〜130のイソシアネート指数で反応させる。
【0008】
米国特許第5104693号には、ポリウレタンが裏打ちされた基材、例えばカーペットクッションなどが開示されている。該ポリウレタン発泡性組成物は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体の軟質セグメントプレポリマー、平均当量1000〜5000を有するイソシアネート反応性混合物、および効果的な量の発泡剤を含んでなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5192594号明細書
【特許文献2】米国特許第5233009号明細書
【特許文献3】米国特許第5275888号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0075450号明細書
【特許文献5】米国特許第5192584号明細書
【特許文献6】米国特許第5856371号明細書
【特許文献7】米国特許第5104693号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の利点として、加工における容易性、低発熱反応、および最も重要なことには、生じるPUR複合材料におけるより良好な耐衝撃性が挙げられる。加工における容易性はプレポリマーの使用によって達成され、これとポリオールブレンド共反応物質の粘度は未変性ポリイソシアネートを用いる系と比べて同程度である。これは、二成分を混合することを容易にするだけでなく、より便利な混合体積比(例えば1:1および1:2)を使用可能とすることもできる。プレポリマーの使用は硬化反応において発生する熱の量を制限するため、感熱性基材(例えば熱可塑性外殻またはゲルコート)はあまり影響を受けない。最も重要なことには、PURの耐衝撃性は、軟質セグメントを含有しないか、またはもっぱらPUR系の共反応物質部(すなわち、非イソシアネート部)中にのみこれらの軟質セグメントを含有する系のものに比べて改良される。
【0011】
本発明は、噴霧可能なポリウレタンウレア、これらの噴霧可能なポリウレタンウレアの少なくとも1つの固体(すなわち、非気泡質)層を含む複合材料物品、および同じく噴霧可能な少なくとも1つのポリウレタンウレアフォーム層に関する。本発明はこれらの複合材料の製造方法も企図する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の噴霧可能なポリウレタンウレアは、
(A)(1)必要に応じてアロファネート基および/またはカルボジイミド基で変性された、1以上のジフェニルメタンジイソシアネートと、
(2)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有するポリエーテルポリオール
の反応生成物を含む、約15〜約30重量%のNCO基含量を有するイソシアネートプレポリマー、および
(B)(1)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有する5重量%以下の1以上の高分子量ポリエーテルポリオール、
(2)200〜1500未満の分子量および約2.5〜約8の官能価を有する約90〜約98重量%の1以上の架橋剤、および
(3)約2の官能価および約60〜約250の分子量を有する約0.5〜10重量%の少なくとも1つの鎖延長剤
を含み、(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の重量百分率の合計が成分(B)100重量%となるイソシアネート反応性成分
を約95〜約120のイソシアネート指数で含んでなる。
【0013】
本発明の複合材料は、
(I)固体状の、上記の噴霧可能なポリウレタンウレアの少なくとも1つの層、および
(II)噴霧可能なポリウレタンウレアフォームの少なくとも1つの層であって、該ポリウレンタンウレアフォームはポリイソシアネート、イソシアネート反応性成分および水の反応生成物を含むポリウレンタンウレアフォーム
を含んでなる。
【0014】
これらの複合材料の製造方法は、
(A)上記のポリウレタンウレア組成物(I)を適当な基材上に噴霧する工程、および
(B)上記のポリウレタンウレアフォーム層(II)を(A)におけるポリウレタンウレア被覆基材上に噴霧する工程
を含んでなる。
【0015】
PUR技術において通常用いられるように、用語ポリウレタンは、ウレア基を含有する系を示すために通常用いられるため、正確には「ポリウレタンウレア」と称すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に従って成分(A)として用いるべき適当なイソシアネートプレポリマーとして、約15〜約30%、好ましくは15〜25%、より好ましくは15〜20%のNCO基含量を有するものが挙げられる。これらのイソシアネートプレポリマーは、(1)ジフェニルメタンジイソシアネートまたはポリフェニルメタンポリイソシアネートと、(2)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有する少なくとも1つのポリエーテルポリオールの反応生成物を含んでなる。
【0017】
イソシアネートプレポリマー中に成分(1)として使用すべきジフェニルメタンジイソシアネートは0〜60重量%(好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜10重量%)の2,4’−異性体、0〜6重量%(好ましくは0〜4重量%、より好ましくは0〜2重量%)の2,2’−異性体および36〜100重量%(好ましくは66〜99重量%、より好ましくは88〜98重量%)の4,4’−異性体を含み、3つの異性体の重量%の合計は100重量%となる。
【0018】
ポリフェニルメタンポリイソシアネート(すなわちポリマーMDIまたはPMDI)も上記のイソシアネートプレポリマーでの混合に用いるのに適している。これらは、30〜70重量%のモノマーイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネート系列の70〜30重量%の高級同族体を典型的に含んでなる。該モノマーイソシアネート成分は、0〜60重量%(好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜10重量%)の2,4−異性体、0〜6重量%(好ましくは0〜4重量%、より好ましくは0〜2重量%)の2,2’−異性体および36〜100重量%(好ましくは66〜99重量%、より好ましくは88〜98重量%)の4,4’−異性体を典型的に含み、3つの異性体の重量%の合計は100重量%となる。
【0019】
本発明によるプレポリマー成分に添加することができるポリマーMDIの量は、全イソシアネート成分100重量%を基準として0〜50重量%の範囲である。該ポリマーMDIの量は、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜25重量%、もっとも好ましくは0〜20重量%の範囲である。本発明の好適な実施態様においては、イソシアネート成分はMDIプレポリマー(または付加物のプレポリマー)およびポリフェニルメタンジイソシアネートの混合物を含んでなる。
【0020】
本発明の任意の実施態様においては、ポリイソシアネート成分の一部はポリイソシアネート付加物の形態で存在し得る。適当なポリイソシアネート付加物として、アロファネート基および/またはカルボジイミド基を含有するものが挙げられる。該ポリイソシアネート付加物は、2.0〜4の平均官能価および5〜32重量%のNCO含量を有する。適当な付加物として、以下の型の成分:アロファネート基含有ポリイソシアネートおよびカルボジイミド基含有ポリイソシアネートが挙げられる。本発明に従えば、(A)(1)として用いるイソシアネートがアロファネート基を含有することは好適である。
【0021】
本発明のNCOプレポリマーは、上述のポリイソシアネートまたはポリイソシアネート付加物、好ましくはモノマージイソシアネートと、約1.8〜約3.5(好ましくは2.0〜3.0)の官能価および約1500〜約8000(好ましくは2000〜6000)の分子量を有する少なくとも1つのポリエーテルポリオールとから製造される。該分子量は、数平均分子量(M)であり、末端基分析(OH価)によって決定される。ポリイソシアネートを排他的に低分子量化合物と反応させることにより得られる生成物は、ウレタン基を含有するポリイソシアネート付加物であり、NCOプレポリマーとはみなされない。
【0022】
これらの高分子量ポリエーテルポリオールは、典型的には少なくとも約1500、好ましくは少なくとも約2000の分子量を有する。該高分子量ポリエーテルポリオールはまた、典型的には約8000以下、好ましくは約6000以下の分子量を有する。さらに、該高分子量ポリエーテルポリオールはまた、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の分子量、例えば1500〜8000、好ましくは2000〜6000を有し得る。
【0023】
高分子量ポリエーテルポリオールの官能価は、典型的には少なくとも約1.8、好ましくは少なくとも約2.0である。該高分子量ポリエーテルポリオールの官能価はまた、典型的には約3.5以下、好ましくは約3.0以下である。さらに、該高分子量ポリエーテルポリオールは、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の官能価、例えば、約1.8〜約3.5、好ましくは約2.0〜約3.0を有し得る。
【0024】
成分(A)(2)のための適当なポリエーテルポリオールには、KOH触媒による、一定量の不飽和を本質的に含有する従来のポリエーテルポリオールと、低不飽和ポリエーテルポリオールであるこれらのポリエーテルポリオールが両方含まれる。低不飽和ポリエーテルポリオールは典型的にはDMC触媒による。
【0025】
本明細書において適当なKOH触媒ポリエーテルポリオールは、当技術分野で既知であり、反応性水素原子を含有する1以上の適当な出発化合物と、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン、エピクロロヒドリンおよびこれらの混合物などとの反応により製造し得る。反応性水素原子を含有する適当な出発化合物として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、水、メタノール、エタノール、1,2,6−ヘキサントリオール,1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、スクロース、フェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,1,1−または1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタンなどのような化合物が挙げられる。
【0026】
本発明の成分(A)(2)に適している低不飽和ポリエーテルポリオールは、0.01meq/gの不飽和、好ましくは0.007meq/g以下の不飽和の最大量を有する。これらの低不飽和ポリエーテルポリオールは、既知であり、例えば米国特許第5106874号、同第5576382号、同第5648447号、同第5670601号、同第5677413号、同第5728745号、同第5849944号および同第5965778号に記載されている(これらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0027】
本発明におけるポリウレタンウレア層のイソシアネート反応性成分、すなわち成分(B)は、
(1)1.8〜3.5の官能価および1500〜8000の分子量を有する5重量%以下、好ましくは0〜3重量%の少なくとも1つの高分子量ポリエーテルポリオール、
(2)2.5〜8の官能価および200〜1500の分子量を有する約90〜約99重量%、好ましくは92〜98重量%の少なくとも1つの架橋剤、および
(3)約2の官能価および約60〜約250の分子量を有する約0.5〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の少なくとも1つの鎖延長剤
を含み、(1)、(2)および(3)の重量%の合計が成分(B)100重量%となる。
【0028】
本明細書におけるイソシアネート反応性成分の成分(1)として用いる適当な高分子量ポリエーテルポリオールは、典型的には少なくとも約1500、好ましくは少なくとも約2000の分子量を有する。成分(a)のための高分子量ポリエーテルポリオールはまた、典型的には分約8000以下、好ましくは約6000以下の分子量を有する。さらに、該高分子量ポリエーテルポリオールはまた、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の分子量、例えば1500〜8000、好ましくは2000〜6000を有し得る。
【0029】
高分子量ポリエーテルポリオールの官能価は典型的には、少なくとも約1.8、好ましくは少なくとも約2.0である。該高分子量ポリエーテルポリオールの官能価はまた、典型的には約3.5以下、好ましくは約3.0以下である。さらに、該高分子量ポリエーテルポリオールは、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の官能価、例えば約1.8〜約3.5、好ましくは約2.0〜約3.0を有し得る。
【0030】
成分(1)のための適当なポリエーテルポリオールには、KOH触媒による一定量の不飽和を本質的に有する従来のポリエーテルポリオールと低不飽和ポリエーテルポリオールであるこれらのポリエーテルポリオールが両方含まれる。低不飽和ポリエーテルポリオールは典型的にDMC触媒による。これらのポリエーテルポリオールに関するさらなる詳細は、イソシアネートプレポリマー、すなわち成分(A)(2)の製造に適しているポリエーテルポリオールのための先の記載に見出すことができる。
【0031】
該型の高分子量ポリエーテルは、ポリウレタン調製物に用いる種々の添加剤のための担体として用いられることが多い。このため、天然固体形態でのこれらの添加剤の多くの添加が回避される。その例は、顔料および着色剤、流れ助剤、水分捕捉剤、触媒、UV安定剤などである。これらの物質の添加は、高分子量ポリエーテルのイソシアネート反応性成分への意図的ではない組み込みを生じさせ、本明細書に記載された量に制限されるべきである。
【0032】
架橋剤として使用すべき適当な化合物、すなわち本明細書におけるイソシアネート反応性成分(B)の成分(2)は、典型的には少なくとも約200、好ましくは少なくとも約300の分子量を有する。成分(b)のための適当な架橋剤はまた、典型的には約1500未満、好ましくは約1000以下の分子量を有する。さらに、該架橋剤は、これらの上限値と下限値の(特記のない限りこれらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の分子量、例えば200〜1500未満、好ましくは300〜1000を有し得る。
【0033】
架橋剤の官能価は、典型的には少なくとも約2.5、好ましくは少なくとも約3.0である。該架橋剤の官能価はまた、典型的には約8以下、好ましくは約6.0以下である。さらに、該架橋剤は、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の官能価、例えば約2.5〜約8.0、好ましくは約3.0〜約6.0を有し得る。
【0034】
本発明に従って架橋剤として用いるべき適当な化合物の例として、例えばジオール、トリオール、ポリオール、ジアミン、トリアミンなどのような化合物、およびこれらの混合物、ならびにその種々のアルコキシル化生成物などが挙げられるが、但し、これらは上記の分子量および/または官能価の範囲を充足する。具体的には、これらの化合物に基づく種々のエチレンオキシド付加物および/またはプロピレンオキシド付加物が好ましく、但し、該付加物の分子量は分子量に関する上記の要件を充足する。可能なスターターとして用いるべき適当なジオール、トリオール、およびポリオールなどとして、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,3−および1,4−および2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、マンニトール、フルクトース、加水分解デンプン、単糖類および多糖類の誘導体、例えばα−メチルグルコシドおよびα−ヒドロキシエチルグリコシドなどが挙げられる。適当なジアミンおよびトリアミンとして、これらに限定されないが、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチレントリアミン、アンモニア、アンモニアのアルコキシル化によって製造することができるアミノアルコール、2,4’−、2,2’−および4,4’−メチレンジアニリン、2,6−および/または2,4−トルエンジアミンおよびビシナルトルエンジアミン、p−アミノアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、メチレンジアニリンとその高級同族体の混合物、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタンおよび1,4−ジアミノブタンが挙げられる。エチレンジアミンおよびトルエンジアミンが特に好ましい。スターターとして用いるべき好適なポリオールとして、例えばトリメチロールプロパン、グリセリン、スクロース、ソルビトール、ならびにこれらの化合物のプロピレンオキシド付加物およびエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物が挙げられる。
【0035】
本発明に従って架橋剤として用いるべき化合物の特に好適なクラスは、約350〜500の分子量、約4の官能価および約450〜650のOH価を有し、エチレンジアミンのプロポキシル化付加物を含んでなる。架橋化合物として用いるべき化合物の他の特に好適なクラスは、450〜1000の分子量、3〜6の官能価および約330〜380のOH価を有する、スクロースのプロポキシル化付加物またはスクロースと水の混合物である。この特定のクラスの化合物の混合物は、3と6の間の官能価を得るために用いることができ、特に好適である。
【0036】
好適な実施態様においては、成分(B)(2)1以上の架橋剤は、
(a)10〜90重量%の少なくとも1つのスクロース開始架橋剤、特に、450〜1000の分子量、3〜6の官能価および約330〜380のOH価を有する、スクロースのプロポキシル化付加物またはスクロースと水の混合物である1以上の架橋化合物、および
(b)10〜90重量%の少なくとも1つのアミン開始架橋剤、特に、エチレンジアミンのプロポキシル化付加物である、約350〜500の分子量、約4の官能価および約450〜650のOH価を有する1以上の架橋化合物
を含み、(a)と(b)の合計が架橋剤(B)(2)100重量%となる。
【0037】
鎖延長剤として用いるべき適当な化合物、すなわち、本明細書におけるイソシアネート反応性成分(B)の成分(3)は、典型的には少なくとも約60、好ましくは少なくとも約100の分子量を有する。成分(B)(3)のための適当な鎖延長剤はまた、典型的には約250以下、好ましくは約200以下の分子量を有する。さらに、該鎖延長剤は、これらの上限値と下限値の(特記のない限りこれらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の分子量、例えば60〜約250、好ましくは100〜200を有し得る。
【0038】
本発明に従って、成分(B)(3)として用いるべき適当な鎖延長剤は典型的に、約2の官能価を有する。適当な鎖延長剤は、ヒドロキシル基、アミン基または1個のヒドロキシル基と1個のアミン基(すなわち、アミノアルコール)を典型的に有し得る。本発明に従えば、アミン基を含有する鎖延長剤を使用することは特に好適である。ジオールを鎖延長剤として使用する場合には、これらは常にジアミンと組み合わせて用いる。ジアミンは好適な鎖延長剤である。
【0039】
本発明による鎖延長剤として用いるべき適当な化合物、すなわち、成分(B)(3)として、例えばエチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,3−および1,4−および2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、および2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールが挙げられる。
【0040】
本発明による成分(B)(3)として用いるべき適当なアミン化合物として、有機第一級アミン、第二級アミン、およびアミノアルコールが挙げられる。これらの化合物のいくつかの例として、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−エチルアミノジエタノールアミン、エチレンジアミン(EDA)、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、イソホロンジアミン(IPDA)、アミノエチルエタノールアミン、ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロ−ヘキサン、ビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン、これらの混合物などが挙げられる。
【0041】
他の適当なアミンとして、例えば1,3,3−トリメチル−1−アミノメチル−5−アミノシクロヘキサン(IPDA)、1,8−p−ジアミノメンタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)−メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)メタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−(ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、1,1−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)ブタン、2,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4−アミノシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタン、4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタン、および2−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
【0042】
芳香族ジアミン、例えば1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)、2,4−および/または2,6−ジアミノトルエン、2,4’−および/または4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−および/または2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンおよび/または1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン(すなわち、DETDA)、1,3,5−トリメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−2,6−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン(すなわち、ETHACURE300);4,6−ジメチル−2−エチル−1,3−ジアミノベンゼン;3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4−ジアミノジフェニルメタン;3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;2,4,6−トリエチル−m−フェニレンジアミン(TEMPDA);3,5−ジイソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;3,5−ジ−sec−ブチル−2,6−ジアミノトルエン;3−エチル−5−イソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;4,6−ジイソプロピル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジ−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジエチル−m−フェニレンジアミン;3−イソプロピル−2,6−ジアミノトルエン;5−イソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;4−イソプロピル−6−メチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−イソプロピル−m−フェニレンジアミン;4−メチル−6−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジ−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−tert−ブチル−m−フェニレン−ジアミン;4−エチル−6−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−tert−ブチル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−シクロペンチル−6−エチル−m−フェニレンジアミン;4−シクロヘキシル−6−イソプロピル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジシクロペンチル−m−フェニレンジアミンなどもまた適当である。このようなジアミンは、当然、混合物としても使用し得る。
【0043】
さらに、芳香族ポリアミンは、立体障害鎖延長剤と混合して使用し得るが、これらには、例えば、2,4−および2,6−ジアミノトルエン、2,4’−および/または4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−および1,4−フェニレンジアミン、ナフタレン−1,5−ジアミンおよびトリフェニル−メタン−4,4’,4”−トリアミンが挙げられる。二官能性および多官能性の芳香族アミン化合物はまた、4,4’−ジ−(メチルアミノ)−ジフェニルメタンまたは1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノ−ベンゼンのように、排他的にまたは部分的に第二級アミノ基を含有し得る。
【0044】
好適な鎖延長剤は、エチレンジアミン(EDA)、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)、1,3,3−トリメチル−1−アミノメチル−5−アミノシクロヘキサン(IPDA)、およびジエチルトルエンジアミン(DETDA)の種々の異性体およびその異性体混合物である。好適な異性体混合物は、75〜81重量%のジエチルトルエンジアミンの2,4−異性体および19〜25重量%のジエチルトルエンジアミンの2,6−異性体を含んでなる。本明細書における(c)として使用すべき特に好適な化合物はIPDAである。
【0045】
ジアミンは本発明の不可欠な部分である。これは、ポリウレタンウレアの物理的特性、例えば増加した硬度および曲げ弾性率への積極的な貢献のほか、ポリウレタンウレアが噴霧される基材の表面上に適用される場合に、該ポリウレタンウレアが確実に残るために作用する粘度調整剤として働く。ジアミンは、反応性ポリウレタンウレアの混合粘度を迅速に高めることによって、混合前に個々の成分(A)または(B)の粘度を高めることなくポリウレタンウレアが適用される垂直面からポリウレタンウレアが流れ落ちることを防ぐ。
【0046】
しかしながら、触媒を本発明に使用することもできるが、これらは、最初の硬化の代わりに反応性ポリウレタンウレア塊のスルー硬化(through cure)を触媒することが望ましい。使用することができる適当な触媒は、ビスマス含有触媒、例えばCosan Chemical Co.から市販されているCOSCAT 83など、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン(DABCO)など、二環式アミジン、例えば1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデス−7−エン(DBU)、ならびに有機金属触媒、例えばオクタン酸第一スズ、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチドなどである。他の適当な触媒は、米国特許第5233009号に開示されれている(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。好ましくは、該触媒はトリエチレンジアミンの酸ブロックト型である。これらの触媒は当業者に遅延作用として見なされている。この型の遅延作用触媒の適当なバージョンは、Air Productsから商品名Dabco(登録商標)として市販されている。
【0047】
イソシアネート反応性成分(またはイソシアネート成分)には水分を吸収する1以上の添加剤が含まれてよい。特に適当なこうした添加剤はモレキュラーシーブ、例えば、合成ゼオライトであり、これはヒマシ油との混合物としてポリオール成分に典型的に添加される(1:1重量比)。この型の物質は、イリノイ州デスプレーンズに位置するUOP、LCC、Honeywell companyから市販されている。他の適当な乾燥剤には、約5ミクロン以下の粒度および約2.5〜4.5オングストロームの孔径を有する天然ゼオライトが含まれる。イソシアネート反応性成分100重量部あたり、好ましくは、約2〜20重量部、より好ましくは、約5〜10重量部の乾燥剤を使用する。
【0048】
他の添加剤はイソシアネート反応性成分(または好適ではないがイソシアネート成分)に含ませることができる。例えば、ポリウレタン組成物に典型的に用いる消泡剤、例えばポリシロキサン消泡剤などは、発泡の量を減少させるために使用することができる。消泡剤は、単独にまたは混合して使用することができる。典型的には、100重量部のイソシアネート反応性成分を基準として約0.2〜0.5重量部以下の消泡剤。
【0049】
イソシアネート反応性成分(または望ましくないがイソシアネート成分)のいずれかに使用することができる他の添加剤として、例えば乳化剤、表面活性安定剤、顔料、染料、UV安定剤、可塑剤、難燃剤、殺真菌剤および殺菌剤が挙げられる。
【0050】
本発明のポリウレタンウレア層は、1種類以上の充填剤をさらに含み得る。適当な充填剤は、100重量%の充填剤含有ポリウレタンウレアを基準として0〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%の量で存在する。
【0051】
典型的および好適には、充填剤物質は、イソシアネート成分とポリオール成分を混合する直前に添加される。充填剤物質は通常、イソシアネート反応性成分をイソシアネート成分と混合する前にイソシアネート反応性成分に添加される。該充填材は比較的乾燥しているべきである。好ましくは、これは約2%未満の含水率、より好ましくは約0.05%未満の含水率を有するべきである。本発明に従って使用すべき適当な充填剤として、無機化合物、例えばフレーク、カットファイバーまたは微少球の形態でのガラス;セラミック微少球、マイカ、珪灰石;白雲母;炭素繊維;カーボンブラック;タルク;および炭酸カルシウムのような化合物などが挙げられる。適当な有機化合物として、例えば、有機繊維(例えばポリアミド繊維など)、既知であり、また、例えば米国特許第4829094号、同第4843104号、同第4902722号および同第5244613号(これらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている発泡微少球が挙げられる。これらには、例えば、Dualite M6017AE、Dualite M6001AEおよびDualite M6029AE(全て、Pierce and Stevens Corporationから市販されている)、およびExpandocel(Akzo Nobel Industriesから市販されている)のような市販の微少球が含まれる。有用な充填剤として、例えば、アルミナ三水和物、再生炭酸カルシウム、再生アルミナ三水和物、フライアッシュ、再生タイヤクラム、硫酸バリウム、シリカ、シリカ粉、バライト粉、セラミック球および繊維、ホウ素、グラファイト、珪灰石、珪藻土、カーボンブラックおよび二酸化チタンのような色を付与する充填剤などのような物質も挙げられる。このような充填剤は、熱伝導率、電気伝導率、引張強度、曲げ弾性率、色などを向上させるために使用することができる。これらは、繊維、球、小板、粉末、ペレットなどの形態で使用することができる。好ましい充填剤は、本発明の成分を混合する際に遭遇する条件下で実質的に不活性である。充填剤は、単独でまたは混合して使用することができる。好適な充填剤はマイカ、タルク、炭酸カルシウムおよびアルミナ三水和物である。
【0052】
本発明のポリウレタンウレア層は、ガラス繊維をさらに含み得る。本発明に従えば、ガラス繊維は、典型的には少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも7重量%の量で存在する。該ガラス繊維はまた、典型的には25重量%以下、好ましくは20重量%以下、好ましくは16重量%以下の量でポリウレタンウレア層に存在する。該ガラス繊維は、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲の量、例えば2重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%、より好ましくは7重量%〜16重量%の量でポリウレタンウレア層に存在し得る。ガラス繊維の重量%は、100重量%のポリウレタンウレア層および存在するガラス繊維に基づいている(すなわち、ポリウレタンウレア層の重量とガラス繊維の重量の合計の100重量%)。
【0053】
ガラスは通常、ゲルコート表面に適用されるポリウレタンウレアの流れ中にガラスの連続的ストランドが刻まれる連続的作業でポリウレタンウレアに導入される。ガラスは典型的に、1/4〜1・1/2インチ長に刻まれる。長さを長くするほどポリウレタンウレア層の耐衝撃性がより良好となり、長さを短くするほど表面がより滑らかになる。短い長さのものが本発明には好適である。
【0054】
本発明に従えば、固体ポリウレタンウレア層は典型的に、約95〜約120、好ましくは約97〜約105のNCO指数を有する。
【0055】
本発明に従えば、複合材料物品のポリウレタンウレアフォーム層は、噴霧可能であり、ポリイソシアネート成分、イソシアネート反応性成分および水の反応生成物を含んでなる。本発明においては、フォーム層の組成物は、該フォーム層がさらに発泡剤としての水をさらに含むことを除いて、固体ポリウレタンウレア層のために先に記載したものと本質的に同一である。従って、成分(A)(1)および(A)(2)、および成分(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)に適していると先に記載した同一の成分はまた、本発明のフォーム層のイソシアネートプレポリマー成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)を製造するのに適している。
【0056】
しかしながら、本発明のフォーム層(II)が成分(A)として先に記載したものと異なるイソシアネート成分および/または成分(B)として先に記載したものと異なるイソシアネート反応性成分を含むことも可能である。該実施態様においては、ポリウレタンウレアを製造するのに適していると知られている実質的に任意のイソシアネート成分をフォーム層のために成分(A)として用いることができ、また、ポリウレタンウレアを製造するのに適していると知られている実質的には任意のイソシアネート反応性成分をフォーム層のために成分(B)として使用し得る。水は発泡剤として再び用いられる。
【0057】
本発明のポリウレタンウレアフォームにおいて、水は、フォーム中に存在する場合にはポリウレタンウレアフォームおよび充填剤の全重量を基準として、典型的には0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量〜1重量%、もっとも好ましくは0.3重量%〜0.7重量%の量で用いられる。
【0058】
フォーム層は、二成分、すなわち、イソシアネート成分および水をさらに含むイソシアネート反応性成分から、または三成分、すなわち、イソシアネート成分、イソシアネート反応性成分、および水、触媒および界面活性剤、および必要に応じて1以上のポリオール成分を含む第三成分から製造され得る。二成分装置は、二成分をフォームを製造するために用いる際に混合および噴霧するために用いられ、三成分装置は、三成分をフォームを製造するために用いる際に混合および噴霧するために用いられる。
【0059】
本発明のPURフォーム層の製造に用いるべき適当な触媒および界面活性剤として、例えば米国特許第5064873号、同第5109031号、同第6245826号および同第6762214号(これらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
【0060】
本発明によるフォーム層中のNCOと活性水素の比は0.95:1〜1.20:1、好ましくは0.97:1〜1.05:1の範囲である。本明細書に用いられる語句活性水素とは、イソシアネート成分のNCO基と反応する、ポリオール、アミンおよび水中のOH基およびNH基を含む活性水素のことである。
【0061】
さらに、本発明のPUR複合材料のフォーム層は必要に応じて1以上の充填剤を含有する。適当な充填剤として、本発明の固体PUR層のための充填剤として先に記載したものが挙げられる。該フォーム中に用いる充填剤の量は、フォーム層の密度が典型的には0.1〜0.9g/ml、好ましくは0.2〜0.7g/ml、もっとも好ましくは0.3〜0.5g/mlの範囲であるような量である。
【0062】
好適な実施態様においては、三成分装置は第三成分が水を含有する場合に用いる。固体層を製造するためには、第三成分は用いない。フォーム層を製造するためには、第三成分を添加し、イソシアネートの量を増やして、水を含むさらなるイソシアネート反応性基に適合させる。このため、複合材料の製造が容易になり、第二装置の必要性が排除される。
【0063】
二つの装置を用いる場合には、第一装置において固体層を製造するために水を含有しないイソシアネート反応性成分を用い、第二装置において水を含有するイソシアネート反応性成分を用いる。
【0064】
本発明の複合材料は、硬化して、固体(すなわち、非気泡質)の層を形成する噴霧可能なポリウレタンウレアの少なくとも1つの層、およびイソシアネート成分、イソシアネート反応性成分および水の反応生成物を含む噴霧可能なポリウレタンウレアフォームの少なくとも1つの層を含んでなる。
【0065】
固体ポリウレタンウレアおよび発泡ポリウレタンウレアのこれらの層は、硬化複合材料が固体ポリウレタンウレアの層、発泡ポリウレタンウレアの層、および固体ポリウレタンウレアの層を含むように交互の方法で典型的に適用する。さらなる交互の層を存在させ得る。
【0066】
本発明に従えば、本発明における複合材料の製造方法は(A)適当な基材上で硬化することにより固体層を形成する上記のポリウレタンウレア組成物(I)を噴霧する工程、(B)(A)において形成されたポリウレタンウレア層に上記のポリウレタンウレアフォーム形成性組成物(II)を噴霧する工程を含んでなる。該ポリウレタンウレアフォーム形成性組成物は、イソシアネート成分、イソシアネート反応性成分および水の反応生成物を含んでなる。
【0067】
本発明に従えば、複合材料は典型的に、硬化すると固体を形成するポリウレタンウレア組成物(I)の少なくとも1つの層、好ましくは硬化すると固体を形成するポリウレタンウレア組成物の少なくとも2つの層を含んでなる。本発明の複合材料はまた、ポリウレタンウレアフォーム成分(II)の少なくとも1つの層、および必要に応じてポリウレタンウレアフォーム成分のさらなる層を含有する。従って、本発明に従えば、これらの複合材料はポリウレタンウレア成分の1〜2の層およびポリウレタンウレアフォーム成分の1層を含んでなる。サンドイッチ型複合材料は(最少で)固体ポリウレタンウレアの第一層、発泡ポリウレタンウレアの第一層、および固体ポリウレタンウレアの第二層から形成する。
【0068】
本発明の複合材料は、所望の層の数および所望の複合材料の厚みを達成するまで、(A)適当な基材上にポリウレタンウレア組成物の層を噴霧する工程、(B)ポリウレタンウレアの層にポリウレタンウレアフォーム形成性組成物の層を噴霧し、次いでポリウレタンウレアおよびポリウレタンウレアフォーム形成性組成物のさらなる交互の層を噴霧する工程によって製造する。
【0069】
固体を形成する噴霧可能なポリウレタンウレア(I)のそれぞれ個別の層の合計厚みは、少なくとも約0.1、好ましくは少なくとも約0.5、もっとも好ましくは少なくとも約1.0mm厚である。固体を形成する噴霧可能なポリウレタンウレアのそれぞれ個別の層は、典型的には10mm厚以下、好ましくは50mm厚以下、もっとも好ましくは3.0mm厚以下の合計厚みを有する。さらに、噴霧可能なポリウレタンウレアのそれぞれ個別の層の厚みは、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲、例えば約0.1〜約10、好ましくは約0.5〜約5、もっとも好ましくは約1.0〜約3.0mm厚であり得る。
【0070】
ポリウレタンウレアフォーム(II)のそれぞれ個別の層の合計厚みは、少なくとも約0.5、好ましくは少なくとも約2、もっとも好ましくは少なくとも約3mm厚である。ポリウレタンウレアフォームのそれぞれ個別の層は典型的に、30mm厚以下、好ましくは20mm厚以下、もっとも好ましくは15mm厚以下の合計厚みを有する。さらに、ポリウレタンウレアフォームのそれぞれ個別の層の厚みは、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲、例えば約0.5〜約30、好ましくは約2〜約20、もっとも好ましくは約3〜約15mm厚であり得る。
【0071】
本発明に従えば、複合材料は、金型またはゲル被覆金型にポリウレタンウレア調製物を噴霧し、次いで金型から複合材料を取り除くことによって製造される。好適な実施態様においては、複合材料は、ポリウレタンウレア調製物を熱成形外殻、例えばアクリル外殻、ABS外殻、またはそのラミネートなどに噴霧することによって製造する。本発明の噴霧可能なポリウレタンウレアはまた、熱成形されたアクリルおよび/またはABSの部品の薄い層を強固にする強化層として適当であり得る。これらのポリウレタンウレアは、15℃および約100℃の間の範囲の温度、好ましくはほぼ室温で噴霧する。実際には、充填剤を含有するイソシアネート反応性成分を、混合を容易にするために混合物の粘度をイソシアネート成分の粘度に近づける温度まで加熱することは有利である。
【0072】
本発明の組成物を製造する際、約80℃未満の基材温度を維持しながらできるだけ素早く同一の成分(すなわち、ポリウレタンウレア成分またはポリウレタンウレアフォーム形成性成分ウレア)の層を適用することは好適である。できるだけ素早く同一の成分の層を適用することによって、全製造時間は可能な限り短くなる。さらに、同一の成分の層を適用する間の最大時間は約4時間を超えるべきではない。時間が4時間を超えると、個別の層のそれぞれの成分の中塗の接着性での問題が生じ得る。
【0073】
ポリウレタンウレア固体層は常に最初に適用する。フォーム層は、その上にほぼその直後に適用することができる。好ましくは、これは、ポリウレタンウレアの第一層がゲル化した後ではあるが完全に粘着性がなくなる前に適用する。ポリウレタンウレアフォーム成分の層は、基材に適用すると、固体層を形成するポリウレタンウレア(I)の層を引き続いて適用する前に確実にライズを完了させるのに十分なほど硬化させなければならない。ゲルコート層とポリウレタンウレア層との間を確実に適切に接着するのに十分なほどにそのゲルコートを硬化させなければならない。これは、隣接した層の間の適切な接着を確実とするために必要である。時間の正確な量は、本明細書における複合材料の第二層を形成するポリウレタンウレア組成物に使用する特定の触媒または触媒パッケージに依存する。異なった触媒によって、異なった反応速度が得られ、活性化するために異なった温度が必要となる。従って、第二層を形成する本発明におけるポリウレタンウレアフォーム組成物のライズタイムを減少するために用いる触媒を変更することおよび/または触媒の量を増加することは可能である。理想的には、触媒の選択および触媒の量は、フォーム層を形成するポリウレタンウレア組成物がライズするために少なくとも約1分、かつ約10分以下を必要とするようにすべきである。本発明の複合材料の製造において重大なことは、ポリウレタンウレア層の適用とポリウレタンウレアフォーム層の適用との間の時間の量である。最良の接着を確実とするために、時間の量は、ポリウレタンウレアを完全にではないがゲル化するのに十分な量とすべきである。時間的には、これは触媒作用に極めて依存する。より迅速な硬化を得るために、より多くの触媒を加えることも、または温度を上昇させることもできる。理想的には、該時間は、各層に対して1〜10分の間で異なる。
【0074】
固体ポリウレタンウレア組成物(I)のゲル化時間は、少なくとも約5秒、好ましくは少なくとも約15秒、もっとも好ましくは少なくとも約60秒である。ポリウレタンウレア組成物のそれぞれ個別の層はまた、典型的には500秒以下、好ましくは200秒以下、もっとも好ましくは120秒以下のゲル化時間を有する。さらに、ポリウレタンウレア組成物(I)のそれぞれ個別の層のゲル化時間は、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲、例えば約5〜約500秒、好ましくは約15〜約200秒、もっとも好ましくは約60〜約120秒の範囲であり得る。
【0075】
ポリウレタンウレア組成物(I)の各個別の層の粘着性がなくなる時間は、少なくとも約20秒、好ましくは少なくとも約60秒、もっとも好ましくは少なくとも約120秒である。ポリウレタンウレア組成物(I)のそれぞれ個別の層はまた、典型的には1000秒以下、好ましくは500秒以下、もっとも好ましくは250秒以下の粘着性がなくなる時間を有する。さらに、ポリウレタンウレア組成物(I)のそれぞれ個別の層の粘着性がなくなる時間は、これらの上限値と下限値の(これらの値も含む)任意な組み合わせの間の範囲、例えば約20〜約1000秒、好ましくは約60〜約500秒、もっとも好ましくは約120〜約250秒の範囲であり得る。
【0076】
本明細書において、他に言及および/または特記のない限り、用語分子量とは、数平均分子量(M)のことであり、末端基分析(OH価)により決定される。
【0077】
次の実施例により本発明の組成物の製造および使用についての詳細をさらに説明する。前述の開示内容に記載されている本発明は、これらの実施例により、精神または範囲はいずれも限定されない。次の製造手法の条件および方法の既知の変形を用いて、これらの組成物を製造することができることは、当業者ならば容易に理解するであろう。特記のない限り、全ての温度は摂氏温度であり、全ての割合および百分率はそれぞれ重量部および重量百分率である。
【実施例】
【0078】
〔Iso A〕
NCO基含量約34%を有し、4,4’−異性体98重量%および2,4’−異性体2重量%を含むジフェニルメタンジイソシアネート。
〔ポリオールA〕
プロピレングリコール、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドから調製された、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの重量比が70:30であり、OH基の100%が第一級である、OH価約28を有するポリエーテルジオール。
〔ポリオールB〕
重量比が87:13であるプロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物を用いてグリセリンをアルコキシル化することによって調製された、得られたポリエーテルポリオールが約2.22の実際の官能価および約28のOH価を有するポリエーテルポリオール。
〔架橋剤A〕
スクロース、プロピレングリコールおよび水を含んでなるスターター混合物をプロポキシル化することにより調製された、得られた架橋剤が約2.98の公称官能価および約380のOH価を有する架橋剤。
〔架橋剤B〕
スクロース、プロピレングリコールおよび水を含んでなるスターター混合物をプロポキシル化することにより調製された、得られた架橋剤が約5.8の公称官能価および約380のOH価を有する架橋剤。
〔延長剤A〕
実際の官能価が2であり、分子量が170である3−アミノメチル−3,5,5,−トリメチルシクロヘキシルアミン(IPDA)。
〔触媒A〕
67重量%のジプロピレングリコール中に33重量%のトリエチレンジアミンを含んでなる触媒、Air Products and Chemicals Inc.からDabco(登録商標)33LVとして市販されているアミン触媒。
〔触媒B〕
Air Products and Chemicals Inc.からDabco(登録商標)1028として市販されている、約895のOH価を有し、エチレングリコール中にブロックトアミンを含む触媒。
〔Hubercarb(登録商標) W−4〕
炭酸カルシウム(J.M.Huber、アトランタ、ジョージア州から市販されている)。
〔Hymod(登録商標) SB122CM〕
アルミナ三水和物(J.M.Huber、アトランタ、ジョージア州から市販されている)。
〔Baylith(登録商標) L〕
イリノイ州デスプレーンズに位置するUOP、LCC、Honeywell comppanyから市販されているゼオライト(乾燥剤)。
〔Baytec(登録商標) RS Additive〕
効果的なOH価約1530を有し、水20%、ポリオール、触媒および界面活性剤を含有するイソシアネート反応性混合物(Bayer AG、レーフェルクーゼン、独国から市販されている)。
【0079】
実施例1:
本発明によるプレポリマーを以下の手順で調製した:100重量部のIso Aを窒素充填反応器に添加した。イソシアネートを50℃で攪拌しながら、3.2重量部の1−ブタノールを添加した。該反応は約60℃に発熱した。60℃の反応混合物に0.008重量部のアセチルアセトン酸亜鉛(ZnAcAc)を添加した。次いで、該混合物を90℃に加熱し、約1.5時間維持した。次いで、0.016重量部の塩化ベンゾイル停止剤を添加し、該反応混合物を約60℃に冷却した。これにより約29.0重量%のNCO含量を有するアロファネート変性MDIを形成した。最後に、48.9重量部のポリオールAをアロファネート変性MDIに60℃での間に添加した。該混合物を60℃で約1時間維持し、次いで25℃に冷却した。これにより透明な淡黄色の生成物を形成し、これは軟質セグメントを含有するアロファネート変性MDIのプレポリマーであった。該プレポリマーは約18.9重量%のNCO含量および25℃で440mPa・sの粘度を有していた。
【0080】
実施例2:
本発明に従って、実施例1において先に記載した軟質セグメントプレポリマーを用いた固体ポリウレタンウレア層を以下の調製物を用いて種々の成分から調製した:
【0081】
【表1】

【0082】
実施例3:
本発明に従って、実施例1に記載した軟質セグメントプレポリマーを用いた発泡ポリウレタンウレア層を以下の調製物を用いて種々の成分から調製した:
【0083】
【表2】

【0084】
三成分混合装置およびスプレーガンを用いて発泡層を調製したため、Baytec(登録商標) RS Additiveをイソシアネートプレポリマーおよびポリオールブレンドと同時に反応混合物中に導入した。該フォーム層の密度は約0.4g/mlであった。
【0085】
実施例4:
本発明に従って、固体ポリウレタンウレアの2つの1.5mm厚層とこれらの間の1つの5.0mm厚の発泡ポリウレタンウレア層とからなるサンドイッチ複合材料パネルを、以下に記載の方法を用いてポリエチレンのシート上に噴霧適用し、約10分間の硬化後に取り外した。先の表1に示したポリウレタンウレア調製物の第一層をポリエチレンシート上に噴霧して、約1.5mm厚の層を形成した。該層を約3分間硬化させた。次いで、先の表2に記載のポリウレタンウレアフォーム調製物の層をポリウレタンウレアの粘着性の第一層上に噴霧した。十分な量のポリウレタンウレアフォーム調製物を噴霧して、5.0mm厚のフォームの層を形成した。該層をライズして、約5分間硬化した。最後に、表1に示したポリウレタンウレア調製物の第二層をポリウレタンウレアフォーム層上に噴霧して、約1.5mm厚のもう1つの層を形成した。該複合材料を約10分間硬化した後、これをポリエチレンシートから取り外した。
【0086】
該複合材料の密度は約1.1g/mlであった。該複合材料のシャルピー(ISO 179)耐衝撃性は10ft・lb/inであり、これは米国特許第5856371号に従って製造された系の複合材料の耐衝撃性よりも著しく高いものであった。
【0087】
本発明を例示の目的のために上記において詳細に説明したが、こうした詳細は単に説明を目的とするものであり、当業者であれば、本発明が特許請求の範囲によって限定される場合を除き、本発明の精神および範囲から逸脱することなくその中で変更することができると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(1)必要に応じてアロファネート基および/またはカルボジイミド基で変性された、1以上のジフェニルメタンジイソシアネートと、
(2)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有するポリエーテルポリオール
との反応生成物を含む、約15〜約30重量%のNCO基含量を有するイソシアネートプレポリマー、および
(B)(1)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有する5重量%以下の1以上の高分子量ポリエーテルポリオール、
(2)200〜1500未満の分子量および約2.5〜約8の官能価を有する約90〜約98重量%の1以上の架橋剤、および
(3)約2の官能価および約60〜約250の分子量を有する約0.5〜10重量%の少なくとも1つの鎖延長剤
を含み、(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の重量%の合計が成分(B)100重量%となるイソシアネート反応性成分
を約95〜約120のイソシアネート指数で含んでなる噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項2】
前記ジフェニルメタンジイソシアネート(A)(1)は、0〜60重量%の2,4’−異性体、0〜6重量%の2,2’−異性体および36〜100重量%の4,4’−異性体を含み、該異性体の重量%の合計が100重量%となる、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項3】
イソシアネート成分は、ポリフェニルメチレンポリイソシアネートと前記イソシアネートプレポリマー(A)との混合物を含んでなる、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項4】
前記ジフェニルメタンジイソシアネート(A)(1)はアロファネート基を含有する、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項5】
前記ポリエーテルポリオール(A)(2)は、約2.0〜約3.0の官能価および約2000〜約6000の分子量を有する、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート反応性成分(B)は、
(1)約2.0〜約3.0の官能価および約2000〜約6000の分子量を有する0〜3重量%の1以上の高分子量ポリエーテルポリオール、
(2)300〜1000の分子量および約3.0〜約6.0の官能価を有する約90〜約99重量%の1以上の架橋剤、および
(3)約2の官能価および約100〜約200の分子量を有する約2〜5重量%の少なくとも1つの鎖延長剤
を含み、(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の重量%の合計が成分(B)100重量%となる、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項7】
(B)(2)は、
(a)330〜380のOH価を有する20〜80重量%の少なくとも1つのスクロース開始架橋剤、
(b)約450〜約650のOH価を有する20〜80重量%の少なくとも1つのアミン開始架橋剤
を含み、(a)と(b)の合計が(B)(2)100重量%となる、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項8】
(B)(2)は、330〜380のOH価および2.5〜8.0の公称官能価を有するスクロース開始架橋剤の混合物を含んでなる、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項9】
(B)(3)は、エチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,3−トリメチル−1−アミノメチル−5−アミノシクロヘキサンおよびジエチルトルエンジアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項10】
1以上の充填剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の噴霧可能なポリウレタンウレア組成物。
【請求項11】
(I)(A)(1)必要に応じてアロファネート基および/またはカルボジイミド基で変性された、1以上のジフェニルメタンジイソシアネートと、
(2)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有するポリエーテルポリオール
との反応生成物を含む、約15〜約30重量%のNCO基含量を有するイソシアネートプレポリマー、および
(B)(1)約1.8〜約3.5の官能価および約1500〜約8000の分子量を有する5重量%以下の1以上の高分子量ポリエーテルポリオール、
(2)200〜1500未満の分子量および約2.5〜約8の官能価を有する約90〜約98重量%の1以上の架橋剤、および
(3)約2の官能価および約60〜約250の分子量を有する約0.5〜10重量%の少なくとも1つの鎖延長剤
を含み、(B)(1)、(B)(2)および(B)(3)の重量%の合計が成分(B)100重量%となるイソシアネート反応性成分
を含み、成分(A)と(B)はイソシアネート指数が約95〜約120となる量で存在する噴霧可能なポリウレタンウレア組成物を含む少なくとも1つの層、および
(II)噴霧可能であり、およびポリイソシアネート成分、イソシアネート反応性成分および水の反応生成物を含む少なくとも1つのポリウレタンウレアフォーム層
を含んでなる複合材料物品。
【請求項12】
前記噴霧可能なポリウレタンウレア(I)および前記ポリウレタンウレアフォーム(II)の交互の層を含んでなる、請求項11に記載の複合材料物品。
【請求項13】
(I)噴霧可能なポリウレタンウレアの2つの層、および
(II)1つのポリウレタンウレアフォーム層
を含み、該フォーム層が噴霧可能なポリウレタンウレアの2つの層の間に位置する、請求項11に記載の複合材料物品。
【請求項14】
噴霧可能なポリウレタンウレア組成物は1以上の充填剤をさらに含んでなる、請求項11に記載の複合材料物品。
【請求項15】
前記ジフェニルメタンジイソシアネート(A)(1)は、0〜60重量%の2,4’−異性体、0〜6重量%の2,2’−異性体および36〜100重量%の4,4’−異性体を含み、該異性体の重量%の合計が100重量%となる、請求項11に記載の複合材料物品。
【請求項16】
イソシアネート成分は、ポリフェニルメチレンポリイソシアネートと前記イソシアネートプレポリマー(A)との混合物を含んでなる、請求項11に記載の複合材料物品。
【請求項17】
(A)適当な基材上に請求項1に記載のポリウレタンウレア組成物(I)を噴霧する工程、および
(B)(A)におけるポリウレタンウレア被覆基材上にポリウレタンウレアフォーム形成性組成物(II)を噴霧し、該ポリウレタンウレアフォーム形成性組成物がポリイソシアネート、イソシアネート反応性成分および水の反応生成物を含む工程
を含んでなる、ポリウレタンウレア複合材料の製造方法。
【請求項18】
(B)において形成したポリウレタンウレアフォーム層上にポリウレタンウレア組成物(I)の第二層を噴霧する工程(C)をさらに含んでなる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ポリウレタンウレア組成物(I)およびポリウレタンウレアフォーム(II)の層を交互に適用する、請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2010−503751(P2010−503751A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528257(P2009−528257)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/019735
【国際公開番号】WO2008/033345
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】