説明

転写装置、画像形成装置

【課題】像保持体に形成されたトナー画像を放電電極を用いて記録媒体に転写する際に、トナー画像の転写不良を抑制することができる転写装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】転写ブレード64が押圧位置へ移動すると、像保持体ベルト16が転写ブレード64によって押圧されて撓むことで、搬送されるシート部材Pの搬送経路が側面視で曲線状となり、シート部材Pの搬送方向が変えられる。これにより、シート部材Pに幅方向に延びようとする力が作用してシート部材Pに生じたシワが伸びるため、トナー画像をシート部材Pに転写する際に、転写不良(白抜け)が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の転写装置に用いられる転写補助ブレードの先端は、記録シートの進行方向に対して、中央が膨らんだ円弧状とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−267482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、像保持体に形成されたトナー画像を放電電極を用いて記録媒体に転写する際に、トナー画像の転写不良を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る転写装置は、トナー画像を表面に保持しながら周回する無端状の像保持体の裏面に当たり、周回する前記像保持体の周回経路を規制する第一規制部材と、前記第一規制部材によって周回経路が規制された前記像保持体に向けて放電し、放電領域で前記像保持体に保持されたトナー画像を前記像保持体の表面に重なりながら搬送されるシート状の記録媒体に転写する転写部材と、前記第一規制部材と前記像保持体の裏面とが当たる接触点に対して、前記像保持体の周回方向の上流側に設けられ、前記像保持体との間で前記記録媒体を挟むことで前記記録媒体の搬送位置を規制すると共に、前記記録媒体を介して前記像保持体の表面を押圧して前記像保持体を撓ませる第二規制部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る転写装置は、請求項1に記載において、前記第一規制部材は、前記像保持体の周回に伴って従動回転する円柱状の回転部材であって、前記回転部材は、前記像保持体を挟んで前記第二規制部材の反対側に配置され、前記第二規制部材は板状とされ、搬送される前記記録媒体と当たる前記第二規制部材の先端は、前記第二規制部材の板厚方向から見て、幅方向中央側が前記像保持体の周回方向の下流側に凸となる円弧形状とされることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る転写装置は、請求項1に記載において、前記像保持体を挟んで前記第二規制部材の反対側には、前記像保持体の裏面を支持する支持部材が設けられ、前記第二規制部材は板状とされ、搬送される前記記録媒体と当たる前記第二規制部材の先端は、前記第二規制部材の板厚方向から見て、幅方向中央側が前記像保持体の周回方向の下流側に凸となる円弧形状とされることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、トナー画像を表面に保持すると共に周回する無端状の前記像保持体と、前記像保持体の表面に保持されたトナー画像を記録媒体に転写する請求項1〜3の何れか1項に記載された転写装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の転写装置によれば、像保持体との間で記録媒体を挟むことで記録媒体の搬送位置を規制する第二規制部材の押圧力で像保持体が撓まない場合と比して、像保持体に形成されたトナー画像を放電電極を用いて記録媒体に転写する際に、トナー画像の転写不良(白抜け)を抑制することができる。
【0010】
本発明の請求項2の転写装置によれば、像保持体の周回経路を規制する回転部材と第二規制部材との間で像保持体が挟まれない場合と比して、効果的にトナー画像の転写不良を抑制することができる。
【0011】
本発明の請求項3の転写装置によれば、像保持体を挟んで第二規制部材の反対側に支持部材が設けられていない場合と比して、効果的にトナー画像の転写不良を抑制することができる。
【0012】
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載された転写装置が設けられていない場合と比して、特に記録媒体の両面に画像を形成させる場合に、トナー画像の転写不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る転写装置を示した側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る転写装置を示した側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る転写装置を示した側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る転写装置を示した側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る転写装置を示した斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る転写装置を示した側面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る転写装置を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1実施形態に係る転写装置及び画像形成装置の一例について図1〜図6に従って説明する。なお、図中矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
【0015】
(全体構成)
図6に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式を用いた画像形成装置であって、内部には、記録媒体としてのシート部材Pが装填された給紙カセット20と、シート部材Pに転写されるトナー画像を形成する画像形成部14と、トナー画像をシート部材Pに転写させる転写装置の一例としての転写部22と、トナー画像をシート部材Pに定着させる定着装置12と、シート部材Pを搬送経路30に沿って搬送する搬送ロール18を具備した用紙搬送系と、画像形成装置10全体の動作を司るコントロールユニット50とを備えている。なお、本実施形態では、給紙カセット20は4個設けられている。
【0016】
また、画像形成部14には、像保持体の一例としての無端状の像保持体ベルト16と、この像保持体ベルト16が巻き掛けられると共に回転して駆動力を像保持体ベルト16に伝達する駆動ロール32と、像保持体ベルト16が巻き掛けられる複数個の従動ロール34とが設けられている。
【0017】
さらに、従動ロール34は、駆動ロール32の鉛直方向下方に配置される従動ロール34Aと、駆動ロール32に対して水平方向に並んで配置される従動ロール34Bと、従動ロール34Bの鉛直方向下方であって従動ロール34Aに対して水平方向に並んで配置される従動ロール34Cとを備えている。
【0018】
そして、像保持体ベルト16は、駆動ロール32及び各従動ロール34に巻き掛けられた状態で、水平方向に延びるように設けられている。
【0019】
さらに、画像形成部14には、像保持体ベルト16の表面にトナー画像を形成するプリントエンジン36が備えられている。プリントエンジン36には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像を像保持体ベルト16の表面に形成する各色のプリントエンジン36Y、36M、36C、36Kが有る。そして、プリントエンジン36Y、36M、36C、36Kは、像保持体ベルト16の表面と対向するように像保持体ベルト16の周回方向(図中矢印A方向)に沿ってこの順番に水平方向に並んで配置されている。
【0020】
さらに、各色のプリントエンジン36は、像保持体ベルト16の周回方向に順に配設された帯電器37と、露光ヘッド38と、現像器39とを備えている。
【0021】
詳細には、帯電器37は、帯電コロトロンや帯電ロール等で、像保持体ベルト16を一様に帯電するようになっている。また、露光ヘッド38は、LEDアレイや光走査装置(Raster Optical Scanner)等で、像保持体ベルト16の帯電した表面(帯電面)を露光して像保持体ベルト16上に画像データに基づいた静電潜像を形成するようになっている。
【0022】
また、現像器39は、トナーからなる1成分現像剤、或いはトナー及びキャリアからなる2成分現像剤を収容している。さらに、現像器39は、収容する現像剤に含まれるトナーを回転しながら像保持体ベルト16の静電潜像上へ移動させる現像ロール39Aを備えている。つまり、像保持体ベルト16上の静電潜像がトナーにより現像され、トナー画像として可視化されるようになる。
【0023】
また、画像形成部14には、像保持体ベルト16の表面に形成されたトナー画像をシート部材Pに転写させる転写部22が設けられている。そして、転写部22には、プリントエンジン36に対して像保持体ベルト16の周回方向の下流側に配置され、駆動ロール32と従動ロール34Aとの間を周回する像保持体ベルト16の表面と対向するように配置された転写部材の一例としての転写コロトロン42が設けられている。
【0024】
図1に示されるように、転写コロトロン42は、像保持体ベルト16側が開放された断面コ字状の筐体42Aと、筐体42Aの内部に配置されると共に像保持体ベルト16の幅方向(紙面奥行方向)に延びる放電ワイヤ42Bとを備えている。そして、この転写コロトロン42は、像保持体ベルト16の表面に重なりながら搬送されるシート部材Pの裏面にトナー電荷と逆極性の電荷を非接触で与え、像保持体ベルト16上のトナー画像をシート部材Pへ転写するようになっている。なお、転写部22については、詳細を後述する。
【0025】
また、図6に示されるように、転写部22に対して像保持体ベルト16の周回方向下流側(以下単に周回方向下流側という)には、像保持体ベルト16上に残留した未転写残留トナーを像保持体ベルト16から除去するクリーニング機構44が設けられている。
【0026】
さらに、転写部22(画像形成部14)に対してシート部材Pの搬送方向下流側には、定着装置12が設けられている。また、この定着装置12には、シート部材Pの転写面に接触して回転する加熱するヒートロール46と、ヒートロール46にシート部材Pを回転しながら押圧する加圧ロール48とが設けられている。そして、ヒートロール46と加圧ロール48とで定着ニップNが形成されている。
【0027】
さらに、定着装置12に対してシート部材Pの搬送方向下流側には、画像が形成されたシート部材Pが排紙ロール24によって排出されるスタッカ26と、搬送中に何らかの不具合が発生して不要となったシート部材Pが排出されるパージトレイ27とが設けられている。なお、本実施形態では、スタッカ26は2個設けられている。
【0028】
また、定着装置12に対してシート部材Pの搬送方向下流側には、シート部材Pの表裏に画像を形成する場合に、表面にトナー画像が定着されたシート部材Pが、表裏を反転するために送り込まれる裏面搬送路28が設けられている。さらに、裏面搬送路28の鉛直方向下方には、裏面搬送路28から搬出されたシート部材Pを搬送経路30に向けて搬送する搬送ベルト29が設けられている。なお、裏面搬送路28の鉛直方向下方に配置された給紙カセット20から搬出されたシート部材Pもこの搬送ベルト29によって搬送経路30に向けて搬送されるようになっている。
【0029】
以上の構成により、この画像形成装置10では、先ず、画像形成部14に設けられた各色のプリントエンジン36によって、像保持体ベルト16上にトナー画像が形成される。給紙カセット20から搬出されて複数個の搬送ロール18及び搬送ベルト29によって搬送経路30に沿って搬送されたシート部材Pは、転写部22へ搬送される。転写部22では、像保持体ベルト16に重なるようにシート部材Pが搬送され、転写コロトロン42によって像保持体ベルト16上のトナー画像がシート部材Pに転写される。
【0030】
具体的には、図2に示されるように、転写コロトロン42は、後述するバックアップロール60によって周回経路が規制された像保持体ベルト16に向けて放電し、シート部材Pを放電領域で像保持体ベルト16に静電吸着させる。さらに、転写コロトロン42は、放電領域で像保持体ベルト16に保持されたトナー画像を像保持体ベルト16の表面に重なりながら搬送されるシート部材Pに転写する。
【0031】
そして、図6に示されるように、トナー画像が転写されたシート部材Pが転写部22の搬送方向下流側で定着装置12によって加圧、加熱され、トナー画像がシート部材Pに定着される。さらに、トナー画像が定着されたシート部材Pは、搬送ロール18及び排紙ロール24によってスタッカ26へ排紙される。
【0032】
また、シート部材Pの表裏両面に画像を形成する場合には、定着装置12の搬送方向下流側の搬送経路が切替えられて、表面にトナー画像が定着されたシート部材Pは、表裏を反転するための裏面搬送路28へ搬送される。そして、表裏が反転されたシート部材Pは、搬送ベルト29によって転写部22へ搬送され、再び像保持体ベルト16から裏面にトナー画像が転写される。そして、シート部材Pは定着装置12を通過し、シート部材Pの裏面にトナー画像が定着され、シート部材Pは排紙ロール24によってスタッカ26へ排紙される。
【0033】
(要部構成)
次に、転写部22等について説明する。
【0034】
図2に示されるように、転写部22にシート部材Pを送り込む搬送ロール18Aと転写部22との間には、搬送ロール18Aから送り出されたシート部材Pを像保持体ベルト16に重なるようにガイドするガイド部材54が設けられている。
【0035】
また、駆動ロール32と従動ロール34Aとの間に設けられる転写部22は、前述した転写コロトロン42と、像保持体ベルト16の裏面を支持する第一規制部材の一例としてのバックアップロール60と、像保持体ベルト16との間でシート部材Pを挟むことでシート部材Pの搬送位置を規制する第二規制部材の一例としての転写ブレード64とを備えている。
【0036】
詳細には、円柱状に形成されたバックアップロール60は、駆動ロール32と従動ロール34Aとの間に配置され、像保持体ベルト16の裏面と当って周回する像保持体ベルト16に対して従動回転するようになっている。
【0037】
さらに、バックアップロール60に対して周回方向下流側には、バックアップロール60と同様に、像保持体ベルト16の裏面と当って従動回転するバックアップロール62が設けられている。そして、バックアップロール62とバックアップロール60とが、像保持体ベルト16の裏面と当ることで周回する像保持体ベルト16の周回経路が規制されるようになっている。
【0038】
そして、転写コロトロン42による像保持体ベルト16の放電領域は、バックアップロール60と像保持体ベルト16の接点Cに対して、周回方向下流側となるように転写コロトロン42の取り付け位置が決められている。
【0039】
また、接点Cに対して像保持体ベルト16の周回方向上流側(以下単に周回方向上流側という)には、接点Cに対して周回方向上流側の像保持体ベルト16との間でシート部材Pを挟む前述した転写ブレード64が設けられている。
【0040】
詳細には、図1、図3に示されるように、転写ブレード64は樹脂材料で成形された板状とされ、像保持体ベルト16の幅方向に延びる回転軸66回りに回転可能に支持されている。そして、転写ブレード64は、シート部材Pを介して像保持体ベルト16の表面を押圧する押圧位置(図1、図3に示す実線)と、像保持体ベルト16から離間して退避する退避位置(図1、図3に示す2点鎖線)との間を移動可能とされている。詳細には、押圧位置では、バックアップロール60が転写ブレード64による押圧力を支持するようになっている。
【0041】
また、この回転軸66には、回転駆動力を回転軸66に伝達するステッピングモータ68(以下単にモータ68と言う)が連結されている。さらに、このモータ68の回転角度を制御して、転写ブレード64を押圧位置と退避位置との間を移動させる制御部70が設けられている。
【0042】
また、図5に示されるように、シート部材Pと当る転写ブレード64の先端は、転写ブレード64の板厚方向から見て、幅方向中央側が周回方向下流側に向けて凸となる円弧形状とされている。
【0043】
(作用)
次に、転写部22の作用について説明する。
【0044】
図2に示されるように、転写部22にシート部材Pが搬送されていない状態では、制御部70が、モータ68の回転角度を制御することで、転写ブレード64は退避位置に配置されている。
【0045】
転写ブレード64が退避位置に配置された状態で、搬送ロール18Aによって搬送されるシート部材Pは、周回する像保持体ベルト16に重なるようにガイド部材54によってガイドされ、転写部22に向けて搬送される。
【0046】
さらに、図1、図3に示されるように、搬送されるシート部材Pの先端をバックアップロール60と転写ブレード64とで挟むように、制御部70が、モータ68の回転角度を制御して、転写ブレード64を退避位置から押圧位置へ移動させる。
【0047】
具体的には、制御部70は、搬送されるシート部材Pの先端を検知する検知部材(図示省略)の検知信号と、検知信号を受信してから経過した時間とを考慮して、モータ68の回転角度を制御して、転写ブレード64を退避位置から押圧位置へ移動させる。
【0048】
転写ブレード64が押圧位置へ移動することで、転写ブレード64は、シート部材Pを介して像保持体ベルト16の表面を押圧し、像保持体ベルト16が撓んで像保持体ベルト16の一部がバックアップロール60の表面に巻き付く。像保持体ベルト16が転写ブレード64によって押圧されて撓むことで、搬送されるシート部材Pの搬送経路が側面視で曲線状となり、シート部材Pの搬送方向が変えられる(図3では矢印D方向から矢印E方向に変えられる)。
【0049】
また、図5に示されるように、樹脂材料で成形された転写ブレード64の先端は、周回方向下流側に撓みながら像保持体ベルト16を押圧する。
【0050】
そして、図4に示されるように、搬送されるシート部材Pの後端が、転写ブレード64の先端をすり抜けようとすると、制御部70が、モータ68の回転角度を制御して、転写ブレード64を押圧位置から退避位置へ移動させる。
【0051】
以上説明したように、像保持体ベルト16が転写ブレード64によって押圧されて撓むことで、搬送されるシート部材Pの搬送経路が側面視で曲線状となり搬送方向が変えられる(図3では矢印D方向から矢印E方向に変えられる)。このため、シート部材Pに幅方向に延びようとする力が作用してシート部材Pに生じたシワが伸びる。
【0052】
また、シート部材Pに生じたシワが延びるため、トナー画像をシート部材Pに転写する際に、転写不良(白抜け)が抑制される。
【0053】
特に、シート部材Pの表面と裏面とに画像を形成する両面印刷の場合には、シート部材Pの表面に画像が形成されたシート部材Pにシワが生じることが考えられる。しかし、前述したようにシワが伸びるため、シート部材Pの裏面にトナー画像を転写する際にも同様に転写不良が抑制される。
【0054】
また、転写ブレード64の先端の形状が円弧状とされているため、搬送されるシート部材Pの幅方向中央側での転写ブレード64がシート部材Pを押圧する押圧力が、シート部材Pの幅方向外側での押圧力より大きくなる。これにより、シート部材Pが幅方向外側に引っ張られ、シート部材Pに生じたシワが伸ばされる。
【0055】
次ぎに、本発明の本発明の第2実施形態に係る転写装置及び画像形成装置の一例について図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0056】
図7に示されるように、第1実施形態と相違して第2実施形態では、バックアップロール60と転写ブレード64との間に像保持体ベルト16は挟まれておらず、像保持体ベルト16を挟んで転写ブレード64の反対側には、像保持体ベルト16の裏面を支持する支持部材80が設けられている。
【0057】
つまり、この支持部材80と転写ブレード64との間に像保持体ベルト16が挟まれることで、像保持体ベルト16の周回経路が規制される。これによりシート部材Pの搬送経路が規制されるようになっている。
【0058】
次ぎに、本発明の本発明の第3実施形態に係る転写装置及び画像形成装置の一例について図8に従って説明する。なお、第2実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図8に示されるように、第2実施形態と相違して第3実施形態では、像保持体ベルト16の裏面を支持する支持部材は設けられていない。また、転写ブレード82の先端は円弧状とされておらず、転写ブレード82の先端の端縁は、幅方向に延びる直線状とされている。
【0060】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、像保持体ベルトとして、ベルトに直接トナー画像が形成される所謂感光体ベルトを例にとって説明したが、トナー画像が転写される所謂転写ベルトに本発明の構成を用いてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、像保持体ベルト16の周回経路を規制するために、回転可能に支持されるバックアップロール60を用いて説明したが、特にバックアップロールに限定されることなく、像保持体ベルトの周回経路を規制する部材であれば、例えば、回転しない板状の部材を像保持体ベルトの裏面に当ててもよい。この場合に、板状の部材としては像保持体ベルトを円弧状に支持する部材が好適である。
【符号の説明】
【0062】
10 画像形成装置
16 像保持体ベルト(像保持体の一例)
22 転写部(転写装置の一例)
42 転写コロトロン(転写部材の一例)
60 バックアップロール(第一規制部材及び回転部材の一例)
64 転写ブレード(第二規制部材の一例)
80 支持部材
82 転写ブレード(第二規制部材の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー画像を表面に保持しながら周回する無端状の像保持体の裏面に当たり、周回する前記像保持体の周回経路を規制する第一規制部材と、
前記第一規制部材によって周回経路が規制された前記像保持体に向けて放電し、放電領域で前記像保持体に保持されたトナー画像を前記像保持体の表面に重なりながら搬送されるシート状の記録媒体に転写する転写部材と、
前記第一規制部材と前記像保持体の裏面とが当たる接触点に対して、前記像保持体の周回方向の上流側に設けられ、前記像保持体との間で前記記録媒体を挟むことで前記記録媒体の搬送位置を規制すると共に、前記記録媒体を介して前記像保持体の表面を押圧して前記像保持体を撓ませる第二規制部材と、
を備える転写装置。
【請求項2】
前記第一規制部材は、前記像保持体の周回に伴って従動回転する円柱状の回転部材であって、前記回転部材は、前記像保持体を挟んで前記第二規制部材の反対側に配置され、
前記第二規制部材は板状とされ、搬送される前記記録媒体と当たる前記第二規制部材の先端は、前記第二規制部材の板厚方向から見て、幅方向中央側が前記像保持体の周回方向の下流側に凸となる円弧形状とされる請求項1に記載の転写装置。
【請求項3】
前記像保持体を挟んで前記第二規制部材の反対側には、前記像保持体の裏面を支持する支持部材が設けられ、
前記第二規制部材は板状とされ、搬送される前記記録媒体と当たる前記第二規制部材の先端は、前記第二規制部材の板厚方向から見て、幅方向中央側が前記像保持体の周回方向の下流側に凸となる円弧形状とされる請求項1に記載の転写装置。
【請求項4】
トナー画像を表面に保持すると共に周回する無端状の前記像保持体と、
前記像保持体の表面に保持されたトナー画像を記録媒体に転写する請求項1〜3の何れか1項に記載された転写装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−185453(P2012−185453A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50291(P2011−50291)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】