説明

転送制御装置及び転送制御装置の制御方法

【課題】充電優先または通信優先の何れかを、ユーザの使用形態に応じて決定できるようにする。
【解決手段】映像デバイスから取り込んだ映像データを映像表示装置に転送する機能を有するとともに、前記映像デバイスのバッテリに充電機能を有する転送制御装置であって、前記映像デバイスから映像データを取り込んで記録媒体に記録する映像データ取り込み部と、前記映像データ取り込み部により記録媒体に記録された映像データを映像表示装置へ出力する映像データ出力部と、前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電する送電制御部と、前記映像表示装置の接続状態を検出する接続状態検出手段と、各部の動作を制御する動作制御手段とを設け、映像表示装置で再生表示できる状態である場合は転送を優先し、そうでない場合は充電を優先する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は転送制御装置及び転送制御装置の制御方法に関し、特に、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの映像コンテンツを撮影するモバイル機器の充電と撮影データを管理するために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の充電方式として非接触充電方式が注目されている。この非接触充電方式としては、例えば、特許文献1にて開示された、電磁誘導を利用した充電システムが知られている。電磁誘導を利用した充電システムは、充電装置には電磁誘導用の1次コイルを設け、電子機器本体には同じく電磁誘導用の2次コイルを設けている。そして、充電装置に設けた1次コイルを励磁して電磁誘導で電子機器本体の2次コイルに電力を供給して電池を充電する構成を有する。
【0003】
前述の充電システムは、電子機器本体を充電装置の上に置いた時に、充電装置の電源スイッチが投入されていれば、充電装置の上面に配置され、ばねの弾力によって上方に突出される突起が電子機器本体の設置を検知して充電を開始する。そして、電子機器本体の設置が継続される限り充電し続ける。
【0004】
このような電磁誘導作用を利用する非接触充電方式の充電システムは、コネクタの接続操作が必要な接触充電方式に比べ、電子機器を充電装置に載置するだけで充電が開始されるので非常に使い勝手が良い。
また、近年ではモバイル機器でも通信方式に無線通信を採用することが増えてきており、特にIEEE802.11を採用する機器が増えている。更に、いわゆる近接無線通信といった、通信範囲が数十センチ以下の無線通信も普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−298482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、組み込み機器のように十分な電力を提供できない場合は、充電とデータ通信を同時に実行すると、電力不足などの不都合を生じる場合がある。よって、充電とデータ通信をシーケンシャルに制御するなど、両者を制御する必要が生じる。その場合に、ユーザにとって充電とデータ通信のどちらを優先すべきなのかは、使用形態によって異なるという問題点がある。
【0007】
本発明は前述の問題点に鑑み、充電優先または通信優先の何れかを、ユーザの使用形態に応じて決定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の転送制御装置は、映像デバイスから取り込んだ映像データを映像表示装置に転送する機能を有するとともに、前記映像デバイスのバッテリに充電機能を有する転送制御装置であって、前記映像デバイスから映像データを取り込んで記録媒体に記録する映像データ取り込み手段と、前記映像データ取り込み手段により記録媒体に記録された映像データを映像表示装置へ出力する映像データ出力手段と、前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電する送電制御手段と、前記映像表示装置の接続状態を検出する接続状態検出手段と、各部の動作を制御する動作制御手段とを有し、前記動作制御手段は、前記映像表示装置が接続されている場合には前記記録媒体に記録された映像データを前記映像表示に転送し、前記映像表示装置が接続されていない場合には前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、充電優先順位または通信優先順位の何れかを、ユーザの使用形態に応じて決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を示し、転送制御装置の全体構成を示す概観図である。
【図2】転送制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】転送制御装置とDTVとをHDMIケーブルで接続している図である。
【図4】充電と取り込みの優先動作切り替え処理を説明するフローチャートである。
【図5】取り込み処理のフローチャートと、取り込み映像データリストを示す図である。
【図6】映像データの表示処理を説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施形態を示し、転送制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】充電率と残記録容量率に応じて動作を変える場合の挙動遷移を示す図である。
【図9】映像データの取り込み処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本実施形態に用いて好適な転送制御装置100の概観図である。100aは転送制御装置100の筐体であり、天板に面した筐体内部の位置に無線充電の送電ユニットが配置され、充電機能を有している。ここに充電対象となる映像デバイス(例えば、デジタルビデオカメラ)200を置くことで、転送制御装置100は充電対象の映像デバイス200への充電を無線方式で行う。正面に起動ボタン100bが配置され、起動ボタン100bを押下する度にスタンバイ状態とアクティブ状態とを交互に切り替える。
【0012】
図1(b)は、転送制御装置100の動作を操作するためのリモコン109の構成例を示す図であり、起動ボタン100bと同じ働きをするリモート起動ボタン103が配置されている。また、ユーザの用途指示のために、すぐ見るボタン104と、すぐ使うボタン105が配置されている。
【0013】
すぐ使うボタン105とは、映像デバイス200を、すぐに使いたいというユーザの意思に対応するモードに設定するためのボタンであり、一定以上の充電率を満たすことが優先される。一方、すぐ見るボタン104とは、映像デバイス200をすぐ使う予定はないが、撮影してきた映像データをすぐに閲覧したいというユーザの意思に対応するモードであり、充電率よりも映像データの取り込みを優先させるためのボタンである。また、管理している映像の閲覧用の操作ボタンとして左指示ボタン107と右指示ボタン106とOK/一時停止ボタン108が配置されている。
【0014】
図2(a)は、本発明に適用可能な転送制御装置100の構成例を示すブロック図である。図2(a)に示されるように、転送制御装置100は、一般的なパーソナルコンピュータ(以下、PC)を用いて構成可能である。
【0015】
図2(a)において、内部バス261に対してCPU251、ハードディスク(HD)252、メモリ253、表示制御部254、入力部255、送電制御部256、および通信I/F257が接続される。内部バス261に接続される各部は、内部バス261を介して互いにデータのやりとりを行うことができる。
【0016】
ハードディスク252は、画像データやその他のデータ、CPU251が動作するための各種プログラムなどが格納される。メモリ253は、例えばRAMからなる。CPU251は、例えばハードディスク252に格納されるプログラムに従い、メモリ253をワークメモリとして用いて、この転送制御装置100の各部の動作制御を行う。なお、CPU251が動作するためのプログラムは、ハードディスク252に格納されるのに限られず、例えば図示されないROMに予め記憶しておいてもよい。
【0017】
入力部255は、ユーザ操作を受け付け、操作に応じた制御信号を生成し、CPU251に供給する。例えば、入力部255は、ユーザ操作を受け付ける入力デバイスとして、キーボードといった文字情報入力デバイスや、マウスやタッチパネルといったポインティングデバイスなどを有する。なお、タッチパネルは、例えば平面的に構成された入力部に対して接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。CPU251は、入力デバイスに対してなされたユーザ操作に応じて入力部255で生成され供給される制御信号に基づき、プログラムに従いこの転送制御装置100の各部を制御する。これにより、転送制御装置100に対し、ユーザ操作に応じた動作を行わせることができる。
【0018】
表示制御部254は、表示I/F260に画像を出力させるための表示信号を出力する。例えば、表示制御部254に対して、CPU251がプログラムに従い生成した表示制御信号が供給される。表示制御部254は、この表示制御信号に基づき表示信号を生成して表示I/F260に対して出力する。例えば、表示制御部254は、CPU251が生成する表示制御信号に基づき、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面を表示I/F260から出力させる。
【0019】
送電制御部256は、送電コイルへの電力供給を制御する。例えば、送電制御部256に対してCPU251がプログラムに従って生成した送電制御信号が供給される。送電制御部256は、この送電制御信号に基づき送電コイルへの電力供給のON/OFFを制御する。
【0020】
通信インターフェイス(I/F)257は、CPU251の制御に基づき、LANやインターネットといったネットワーク270に対する通信を行う。なお、転送制御装置100の各部の制御は、図2(a)のように複数のハードウェアを用いて制御を分担してもよいし、1つのハードウェアが種々の制御を実行する手段として機能してもよい。
【0021】
図2(b)は、本実施形態に用いて好適な転送制御装置100の機能構成図である。送電制御部201は、CPU251からの指令で動作する送電制御部256から、送電コイル258を制御するための手段である。この送電制御部201は、充電対象の検出も兼ねている。映像表示機器接続部208は表示I/F260であり、DTV等の外部ディスプレイと接続するための手段である。DTVとの接続には、例えばHDMIインターフェイスを介して接続することができる。例えば図3は、代表的な接続形態であり、転送制御装置300とDTV301をHDMIケーブル302で接続しているので、映像を直接DTVに出力できる。このように、すぐに映像を出力できるDTVが接続されている場合には映像データ閲覧のための取り込みを優先し、使用者へすぐに映像を表示するのが好ましい。一方、転送制御装置300上に他の機器を置くと、送電制御部256の制御により他の機器の充電を行うことが可能である。
【0022】
本実施形態においては、VESA(Video Electronics Standards Association)が提唱する映像表示装置と映像出力装置との通信規格であるDDC(Display Data Channel)を採用している。接続検知信号によって他の機器との接続を認識し、接続された機器に対してEDID(Extended Display Identification Data)の送信要求コマンドを送信する。これにより、EDIDから、映像表示機器であることと、解像度等の構成を把握することができる。
【0023】
優先順位指定部209はCPU251で実行される機能の一つであり、映像表示機器が接続されているか否かに応じて、充電と取り込みのどちらを優先するかを決定する。映像データ処理部205もCPU251で実行される機能の一つであり、同じくCPU251で実行される機能の一つである優先順位指定部209で指定された処理内容に応じて、映像データの取り込み/映像データの表示を実行する。映像データ取り込み部202は、映像データ処理部205の制御下で通信対象であるデバイスと通信I/F257であるIEEE802.11による無線通信を行い、記録した映像データをHD252に記録することで転送制御装置100に取り込む。
【0024】
読み書き部203は、HD252に対応する記録媒体である記憶装置204にデータを書き込むためのファイルシステムに従ってデータの読み書きを行う。記憶装置204は、映像データ取り込み部202により通信対象から受信した映像データを記録する。映像復号化部206は、CPUで実行される機能の一つであり、映像データ処理部205の制御下で記憶装置204に記憶されている映像データを復号する。映像データ出力部207は、表示制御部254で映像データから表示信号を生成する手段であり、映像復号化部206で復号化された映像データを、映像表示機器接続部208を介して映像表示機器へ送出する。
【0025】
図4は、充電と取り込みの優先動作切り替え処理を説明するフローチャートである。この動作切り替え判断開始は優先順位指定部209で実施され、その指示により、映像データ処理部205にてデータ取り込み処理と取り込みデータ表示処理が実行される。送電制御部201で受電対象を検出したら、動作切り替え判断開始(S401)へ遷移する。
【0026】
S402の動作切り替え判断では、まず映像表示機器が接続されているか否かの接続状態検出を行う。この検出は、映像表示機器接続部208であるHDMIの接続検知信号とその後のEDIDの内容によって行う。
【0027】
表示機器が接続されている場合は、データ取り込み処理を開始する(S407)。データ取り込み処理の詳細は図5にて説明する。データ取り込み処理(S407)は、独立処理として並行して実行される。続いて、HDMI-CEC(Consumer Electronics Control)を使用して映像表示機器の電源状態を確認し(S408)、映像表示機器の電源がOFF状態であれば、同じくHDMI-CECを使用して電源ONコマンドを発行する。続いて取り込みデータ表示処理(S410)を開始して、動作切り替え判断を終了する(S411)。取り込みデータ表示処理の詳細は図6にて説明する。取り込みデータ表示処理(S410)は、独立処理として並行して実行される。
【0028】
一方、映像表示機器接続部208にて、映像表示機器が接続されていないと判別された場合には、充電に空きが有るか、つまり映像デバイス200のバッテリが満充電でないかを判別する(S403)。これは、送電制御部201にて、電磁誘導用1次コイルの送電量を監視することで判別できる。空きがあれば、充電を開始し(S404)動作切り替えを終了する(S411)。空きが無ければ(満充電であれば)、取り込みが完了しているかどうかを確認し(S405)、取り込みが完了していなければ、データ取り込み処理を開始して(S406)、動作切り替え判断を終了する(S411)。
【0029】
前述したように、データ取り込み処理の詳細は図5にて説明する。データ取り込み処理(S407)は、独立処理として並行して実行される。取り込みが完了していた場合には、動作切り替え判断を終了する(S411)。
【0030】
続いて、図5を用いて取り込み処理の詳細を説明する。
図5(a)は、取り込み処理の手順を説明するフローチャートである。また、図5(b)は取り込み処理で作成される取り込み映像データリストのデータ構造を説明する図である。図4の充電と取り込みの優先動作切り替えで取り込み処理が開始されたら、映像データ処理部205にて取り込み処理開始(S501)が実行される。
【0031】
取り込み処理が開始されると、まず、映像データ取り込み部202を介して、取り込む映像データの一覧とそれに付随する情報を取得し(S502)、取り込み映像データリスト(図5(b))を作成する(S503)。取り込み映像データリストは、「No」、「種類」、「ファイルパス」、「記録先パス」、「撮影日時」、「取り込み完了フラグ」、「表示完了フラグ」から成り、種類/ファイルパス/撮影日時/は、一覧の取得(S502)で取得する。記録先パスは、撮影日時と種類の情報から、記録先を決定する(S504)。
【0032】
取り込みフラグと表示完了フラグの初期値は“0”で作成される。また、本実施形態では、撮影日時順にソートされたリストを作成するものとする。続いて、リストの中で最初に取り込みフラグが0に設定されている映像データを、映像データ取り込み部202を介して取得し、そのデータは、取り込み映像データリストの記録先パスに記述されているパスに記録する(S505)。一つの映像データ取得が完了したら、取り込み映像データリスト(図5(b))の該当する取り込み完了フラグの項目を“1”に更新する(S506)。
【0033】
続いて、リスト内の取り込み完了フラグを確認し(S507)、リストの全ての取り込み完了フラグが“1”に設定されていない場合は、残りの映像データを取り込むべくリスト順のコンテンツ取得(S505)へ遷移する。その後、もしリストの全ての取り込み完了フラグが“1”に設定されていた場合は、取り込み処理を完了する(S508)。
【0034】
次に、図6のフローチャートを用いて映像データの表示処理を説明する。図4の充電と取り込みの優先動作切り替えで取り込みデータ表示処理が開始されたら、受信データ表示開始(S601)から映像データの表示処理が実行される。
【0035】
まず、取り込み映像データリスト(図5(b))の取り込み完了フラグが“1”に設定されており、かつ表示完了フラグが“0”のものが有るかどうかを確認する(S602)。表示完了フラグが“0”のものがなければ、取り込み映像データリスト(図5(b))の更新を待ち(S603)、取り込み映像データリスト(図5(b))が更新されたら、再度(S602)へ遷移する。一方、取り込み映像データリスト(図5(b))の取り込み完了フラグが“1”に設定されており、かつ表示完了フラグが“0”のものが有る場合は、表示対象コンテンツを特定する(S604)。
【0036】
表示対象は、取り込み映像データリスト(図5(b))の取り込み完了フラグが“1”に設定されており、かつ表示完了フラグが“0”のものであり、リストのNo項目の値が最も小さいものである。特定された表示対象コンテンツは、取り込み映像データリスト(図5(b))の記録先パスを基に記憶装置204から読み出される。そして、映像復号化部206で復号化され、映像データ出力部207にて映像表示機器接続部208を介して、映像表示機器へ出力される(S605)。
【0037】
この表示のとき、映像データ処理部205にて、直前に表示した映像の表示期間が、固定期間以上でなかった場合は、その固定期間だけの表示が完了してから、次なる映像を表示するよう制御される。その後、S606において、表示した映像データに該当する、取り込み映像データリスト(図5(b))の映像データの表示完了フラグを“1”に更新する。
【0038】
続いて、S607において、取り込み映像データリスト(図5(b))の全ての取り込み完了フラグが"1"に設定されており、かつ表示完了フラグが"1"に設定されているかを確認する。設定されていない場合は、次なる表示コンテンツの確認(S602)へ遷移し、設定されている場合は、受信データの表示処理を終了する(S608)。
【0039】
前述のような処理を実行することにより、閲覧が簡単にできるDTVに接続されている転送制御装置100では、シーケンシャルな制御においてデータの閲覧を優先することができる。例えば、映像表示装置の接続を検出した場合には、転送制御装置100がデータ取り込みを開始した時から接続検出されるまでに取り込まれた映像データのうち、未表示映像を順番に再生するよう処理するようにする。
【0040】
(第2の実施形態)
続いて、映像データを撮影してきた撮影デバイスのバッテリ残容量に応じて動作を変える場合の実施形態を説明する。概観は第1の実施形態と同じものである。
図7は、本実施形態に用いて好適な転送制御装置100の構成例を示すブロック図である。図7において、図2と重複する構成要素には同じ図番号を用い説明を割愛する。
【0041】
残記録容量率検出手段701は、通信対象であるデバイスとIEEE802.11による無線通信を行い、定期的に通信対象であるデバイスの残記録容量率を確認する。充電率検出手段702は、通信対象であるデバイスとIEEE802.11による無線通信を行い、定期的に通信対象であるデバイスの充電率を確認する。そして、映像データを映像表示装置へ出力している際に、映像デバイス200のバッテリの充電率が予め設定している閾値以下となった場合には、記録媒体の残記録容量の多少に係らず、映像データの出力を中断して映像デバイスのバッテリを充電する。
【0042】
図8は、充電率と残記録容量率に応じて動作を変える場合の挙動遷移を示す図である。まず送電制御部201で、映像デバイス200を検出したら、充電率検出手段702にて、映像デバイス200の充電率を確認する。充電率が充電閾値以下の場合(801)は、送電制御部201にて、すぐに充電を開始する(805)。
【0043】
本実施形態においては、映像デバイス200を直ぐに使用可能な第1のモードと、映像デバイス200に記録された映像データを直ぐに映像表示装置へ出力可能な第2のモードとを有する。そして、本実施形態における充電閾値は、第1のモードが選択されているときの充電閾値は前記第2のモードが選択されているときの充電閾値より高くしている。具体的には、ユーザにより映像デバイス200をすぐ使うボタン105が押されていた場合には、充電率50%であり、ユーザによりすぐ見るボタン104が押されていた場合には、充電率10%としている。これは、ユーザが映像デバイス200を直ぐに使用したい場合は、充電を優先してすぐに持ち出せるようにするためである。充電を開始したら、5分ほどの一定間隔で充電率の確認を行い、充電率が充電閾値を越えた(802)時点で、映像データの取り込みを開始する(806)。
【0044】
このとき、残記録容量率検出手段701にて、充電対象のデバイスの残記憶容量率を確認し、残記憶容量が閾値以下(803)の場合は、残記憶容量が閾値以上になるまで映像データの取り込みを行う(806)。このときの映像データの取り込み処理の手順を、図9のフローチャートを使用して説明する。なお、図9のフローチャートにおいて、図5のデータ取り込みフローチャートと同じ内容は同じステップ番号を付して説明を割愛する。
【0045】
本実施形態におけるデータの取り込みを開始する場合は、取り込み開始(S901)へ遷移する。ここで、取り込みリストを作成する(S902)場合には、「すぐ使う」モードの場合は撮影日時が古い順番にリストを作成し、「すぐ見る」モードの場合は、撮影日時の新しい順番にリストを作成する。
【0046】
これは、ユーザがすぐ使う場合には、古いものを記憶装置から早めに取り除けるようにし、ユーザがすぐ見る場合は、撮影してきた写真から表示できるよう意図したものである。さらに、ファイルを取り込む毎に、残記憶容量を確認し(S903)、残記憶容量が十分な量になったら取り込み処理を終了する(S904)。一方で、残記憶容量が閾値以上(804)の場合は、第1の実施形態で説明した動作を行う(808)。
前述のような動作を行うことで、映像デバイス200の充電率と残記憶容量の状態に応じて、充電とデータ取り込みの優先度を柔軟に調節することができる。
【0047】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像デバイスから取り込んだ映像データを映像表示装置に転送する機能を有するとともに、前記映像デバイスのバッテリに充電する機能を有する転送制御装置であって、
前記映像デバイスから映像データを取り込んで記録媒体に記録する映像データ取り込み手段と、
前記映像データ取り込み手段により記録媒体に記録された映像データを映像表示装置へ出力する映像データ出力手段と、
前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電する送電制御手段と、
前記映像表示装置の接続状態を検出する接続状態検出手段と、
各部の動作を制御する動作制御手段とを有し、
前記動作制御手段は、前記映像表示装置が接続されている場合には充電よりも映像表示を優先し、前記記録媒体に記録された映像データを前記映像表示装置に転送し、前記映像表示装置が接続されていない場合には前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電するよう制御することを特徴とする転送制御装置。
【請求項2】
前記映像デバイスのバッテリの充電率を検出する充電率検出手段と、
前記映像データ取り込み手段により取り込まれた映像データを記録する記録媒体の残記録容量率を検出する残記録容量率検出手段とを有し、
前記動作制御手段は、前記記録媒体の残記録容量率が予め設定している閾値以上で、前記充電率が低い場合には前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電するよう前記送電制御手段を制御し、前記充電率が予め設定している閾値以上となった際に、前記映像表示装置が接続されている場合には前記映像データを前記映像表示装置に転送するよう前記映像データ出力手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の転送制御装置。
【請求項3】
前記動作制御手段は、前記映像データ出力手段により映像データを前記映像表示装置へ出力している際に、前記映像デバイスのバッテリの充電率が予め設定している閾値以下となった場合には、前記映像データの出力を中断して前記映像デバイスのバッテリを充電するよう前記送電制御手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の転送制御装置。
【請求項4】
前記動作制御手段は、前記映像デバイスのバッテリの充電率が予め設定している閾値以下の場合には、前記記録媒体の残記録容量の多少に係らず、前記充電率が閾値以上になるまで充電するよう前記送電制御手段を制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の転送制御装置。
【請求項5】
前記映像デバイスをすぐに使用可能な第1のモードと、前記映像デバイスに記録された映像データをすぐに映像表示装置へ出力可能な第2のモードとを具備し、
前記第1のモードを指定されている場合は、前記映像データの中から撮影日時が古い順に取り込み、前記第2のモードが指定されている場合は、撮影日時が新しい順に取り込む映像データ処理手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の転送制御装置。
【請求項6】
前記第1のモードが選択されているときの充電閾値は前記第2のモードが選択されているときの充電閾値より高いことを特徴とする請求項5に記載の転送制御装置。
【請求項7】
前記映像データ出力手段と前記映像表示装置とはHDMIインターフェイスを介して接続され、前記映像表示装置の接続状態はHDMI-CECにより検出されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の転送制御装置。
【請求項8】
前記映像データ処理手段は、前記接続状態検出手段が前記映像表示装置の接続を検出した場合には、データ取り込みを開始した時から接続検出されるまでに取り込まれた映像データのうち、未表示映像を順番に再生するよう処理することを特徴とする請求項5に記載の転送制御装置。
【請求項9】
映像デバイスから取り込んだ映像データを映像表示装置に転送する機能を有するとともに、前記映像デバイスのバッテリに充電機能を有する転送制御装置の制御方法であって、
前記映像デバイスから映像データを取り込んで記録媒体に記録する映像データ取り込み工程と、
前記映像データ取り込み工程において記録媒体に記録された映像データを映像表示装置へ出力する映像データ出力工程と、
前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電する送電制御工程と、
前記映像表示装置の接続状態を検出する接続状態検出工程と、
各部の動作を制御する動作制御工程とを有し、
前記動作制御工程においては、前記映像表示装置が接続されている場合には前記記録媒体に記録された映像データを前記映像表示に転送し、前記映像表示装置が接続されていない場合には前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電するよう制御することを特徴とする転送制御装置の制御方法。
【請求項10】
映像デバイスから取り込んだ映像データを映像表示装置に転送する機能を有するとともに、前記映像デバイスのバッテリに充電機能を有する転送制御装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記映像デバイスから映像データを取り込んで記録媒体に記録する映像データ取り込み工程と、
前記映像データ取り込み工程において記録媒体に記録された映像データを映像表示装置へ出力する映像データ出力工程と、
前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電する送電制御工程と、
前記映像表示装置の接続状態を検出する接続状態検出工程と、
各部の動作を制御する動作制御工程とをコンピュータに実行させ、
前記動作制御工程においては、前記映像表示装置が接続されている場合には前記記録媒体に記録された映像データを前記映像表示に転送し、前記映像表示装置が接続されていない場合には前記映像デバイスのバッテリを無線方式で充電するよう制御することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−44516(P2012−44516A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184933(P2010−184933)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】