説明

軸受け構造およびルーバー装置

【課題】組立性を向上させるとともに被支持体を円滑に回動させることができる軸受け構造およびルーバー装置を提供すること。
【解決手段】ルーバー材6の側端板62とルーバー回転軸63とが溶接固定され、ルーバー回転軸63とルーバーリンク64とが溶接固定されて一体化された状態において、ルーバー回転軸63に軸受け材65を容易に取り付けることができるので、組立性を向上させることができる。さらに、側端板62およびルーバーリンク64とルーバー回転軸63との溶接時の熱の影響を受けないので、樹脂製の軸受け材65を用いることができ、ルーバー回転軸63の回転抵抗を低減してルーバー材6の回動を円滑にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受け構造およびルーバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物開口部などに設置されて開閉可能な複数のルーバー材を備えた可動式のルーバー装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたルーバー装置は、上枠と下枠とに渡って支持された複数のルーバー材(羽根板)を有して構成され、ルーバー材から上下に突設された回転軸が上枠および下枠に回転自在に支持されるとともに、回動軸に設けられたピニオンに上枠内部のラックが噛合することで、各ルーバー材が連動して回動し開閉操作できるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】実公平3−46159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のルーバー装置では、回転軸が上枠の底面を貫通し、回動軸の先端側に固定したピニオンが上枠内部に位置して設けられているため、上枠の底面位置で回転軸を軸支する場合には、上枠の底面を貫通させてから回転軸の先端側にピニオンを固定するか、予めピニオンを固定した回転軸を上方から上枠底面を貫通させてから、この回転軸の下側にルーバー材を固定する必要がある。このため回転軸に予めルーバー材およびピニオンの両方を固定した状態では、上枠底面を貫通させることが困難となり、その軸支部分の構造が複雑化し、組立性も悪化してしまうという問題がある。さらに、回転軸にルーバー材およびピニオンの両方を固定した状態では、この回転軸に軸受けを挿通させることが困難であるという問題も生じる。
【0005】
本発明の目的は、組立性を向上させるとともに被支持体を円滑に回動させることができる軸受け構造およびルーバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の軸受け構造は、支持体に対して被支持体を回動自在に支持する軸受け構造であって、前記被支持体は、それぞれ金属製の第1部材および第2部材と、これらの第1部材と第2部材とに渡ってそれぞれに固定される金属製の回転軸とを有して一体に形成され、前記回転軸には、その軸方向と交差する方向に少なくとも2分割されるとともに当該回転軸を挟んで連結される樹脂製の軸受け材が取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
一方、本発明のルーバー装置は、所定間隔離れて対向するとともに互いに略平行に延びる一対の側枠と、前記一対の側枠間に渡って回動可能に支持されるとともに互いに略平行に設けられる複数のルーバー材とを備え、前記ルーバー材は、それぞれ金属製のルーバー本体、回転軸およびリンク部を有し、前記ルーバー本体から突出して前記回転軸が固定され、この回転軸の先端側に交差して前記リンク部が固定されて一体に形成され、前記回転軸には、その軸方向と交差する方向に少なくとも2分割されるとともに当該回転軸を挟んで連結される樹脂製の軸受け材が取り付けられ、この軸受け材を介して前記側枠に支持された前記複数のルーバー材同士が前記リンク部を介して連結されていることを特徴とする。
【0008】
以上の本発明によれば、ルーバー本体などの第1部材とリンク部などの第2部材とが両端に固定された回転軸に対し、その軸方向には軸受け材が挿通できない場合であっても、分割した軸受け材を回転軸の軸交差方向から挟んで連結することで、軸受け材に回転軸を挿通させて取り付けることができ、組立性を向上させることができる。そして、第1部材および第2部材と回転軸とが溶接固定によって一体化される場合に、予め回転軸に樹脂製の軸受け材を挿通した状態で溶接すると、軸受け材が溶接時の熱で溶けてしまう可能性があるのに対し、第1部材および第2部材と回転軸とを一体化してから軸受け材を取り付けることで溶接時の熱の影響を受けないようにできる。従って、樹脂製で摺動性の良好な軸受け材を用いることができ、回転軸の回転抵抗を低減してルーバー材などの被支持体の回動を円滑にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るルーバー装置1の一部を示す平面図である。図2および図3は、それぞれルーバー装置1を示す断面図であり、図2は、図1に矢視II−II線で示す断面図であり、図3は、図1に矢視III線で示す断面図である。
図1〜図3において、ルーバー装置1は、屋外に設けられるカーポートの屋根に用いられるものであって、地面から立設された4本の支柱2と、これらの支柱2のうち隣り合う2本の支柱2の上端間を連結する前枠としての前桁3と、この前桁3と平行に他の2本の支柱2の上端間を連結する後枠としての後桁4と、前桁3および後桁4と直交して2本の支柱2の上端間を連結する一対の側枠としての側桁5と、これら一対の側桁5間に渡って支持される複数のルーバー材6とを備えて構成されている。複数のルーバー材6は、互いに平行に設けられるとともに、それぞれ当該ルーバー材6の長手方向に沿ったルーバー回転軸63回りに回動可能に側桁5に支持され、図2に実線で示すように、各ルーバー材6が略水平になった閉鎖位置と、図2に仮想線(二点鎖線)で示すように、各ルーバー材6傾斜して互いの間に隙間が形成される開放位置との間を開閉可能に構成されている。
【0010】
一方の側桁5の端部近傍には、ルーバー材6を開閉操作するための開閉操作部7が設けられている。開閉操作部7は、側桁5に内蔵される操作部本体71と、この操作部本体71から下方に延びて適宜な工具によって回転操作される操作ロッド72と、操作部本体71から側方に突出する駆動ロッド73と、この駆動ロッド73の端部に固定される偏心リンク74と、この偏心リンク74の先端に回転自在に連結される長尺状の連動リンク75とを有して構成されている。操作部本体71の内部には、操作ロッド72の回転を駆動ロッド73に伝達するウォームギア等が設けられ、操作ロッド72を回転操作することで、駆動ロッド73が回転して偏心リンク74が揺動し、この偏心リンク74の揺動に伴って連動リンク75が側桁5に沿って進退移動するように構成されている。
【0011】
ルーバー材6は、アルミ形材製で長尺状かつ断面中空状のルーバー材本体61と、このルーバー材本体61の長手方向端部を塞ぐ側端板62と、この側端板62に溶接固定されて突出するルーバー回転軸63と、このルーバー回転軸63の先端側に溶接固定されるルーバーリンク64とを有して構成されている。すなわち、ルーバー材本体61および側端板62によって第1部材であるルーバー本体が構成され、ルーバーリンク64によって第2部材であるリンク部が構成されている。そして、ルーバー回転軸63には、樹脂製の軸受け材65が取り付けられ、この軸受け材65が側桁5に軸支されることで、ルーバー材6がルーバー回転軸63回りに回転可能になっている。さらに、各ルーバー材6におけるルーバーリンク64の先端側には、前記開閉操作部7の連動リンク75が回動自在に連結され、開閉操作部7の操作によって各ルーバー材6が連動して開閉できるように構成されている。
【0012】
また、側桁5は、図3に示すように、支柱2に連結される断面矩形中空状の側桁本体51と、この側桁本体51の内側面に固定される第1支持体であり第1側枠であるルーバー支持部52と、このルーバー支持部52の上側に取り付けられる第2支持体であり第2側枠であるカバー部53と、ルーバー支持部52の下側に取り付けられてルーバー材6の長手方向端部下方位置まで延びる側桁樋部54とを備えて構成されている。ルーバー支持部52は、立上片521を有して形成され、この立上片521には、後述する複数の凹部522が上方に開口して形成されており、これらの凹部522に軸受け材65が保持されるようになっている。また、カバー部53は、立上片521に連続する垂下片531を有して形成され、この垂下片531には、凹部522に対応した複数の対向凹部532(後述)が形成されている。そして、ルーバー支持部52の凹部522とカバー部53の対向凹部532とで軸受け材65を上下から挟むことで、軸受け材65を介して各ルーバー材6が側桁5に回動自在に支持されるようになっている。
【0013】
以上のようなルーバー材6の軸受け構造について、次の図4および図5も参照して説明する。
軸受け材65は、第1軸受け材65Aおよび第2軸受け材65Bからなる左右2部材に分割されて形成されている。第1および第2の軸受け材65A,65Bは、それぞれ矩形状の軸受け本体651と、この軸受け本体651から突出した半円筒状の軸支部652とを有して形成されている。そして、第1軸受け材65Aには上下2つの嵌合孔653が形成され、第2軸受け材65Bには上下2つの嵌合突起654が形成されており、これらの嵌合孔653に嵌合突起654を挿入することで、第1軸受け材65Aと第2軸受け材65Bとが連結され、互いの軸支部652間にルーバー回転軸63を挟んで軸支できるように構成されている。このようにルーバー回転軸63を挟んだ状態の軸受け材65は、図5に示すように、側桁5におけるルーバー支持部52の上方から凹部522に挿入され、軸支部652が側桁5の内方つまりルーバー材6側に突出して保持されるようになっている。そして、軸受け本体651をルーバー支持部52の立上片521にビス止め固定してから、側桁5のカバー部53を上方から降ろし、対向凹部532を軸支部652に嵌めることで、軸受け材65がルーバー支持部52とカバー部53とで挟まれて側桁5に支持されるようになっている。
【0014】
なお、軸受け材65としては、図4および図5に示す形態に限らず、図6および図7に示すような形態であってもよい。
図6において、軸受け材65は、第1軸受け材65Cおよび第2軸受け材65Dからなる左右2部材に分割され、それぞれ軸受け本体651と、軸支部652とを有して形成されている。そして、第1軸受け材65Cには上下2つの係合突起655が形成され、第2軸受け材65Dには上下2つの係合溝656が形成されており、これらの係合突起655を係合溝656に係合させることで、第1軸受け材65Cと第2軸受け材65Dとが連結され、互いの軸支部652間にルーバー回転軸63を挟んで軸支できるように構成されている。さらに、図7に示すように、ルーバー回転軸63を挟んだ状態の軸受け材65をルーバー支持部52の凹部522に挿入して保持し、軸受け本体651を立上片521にビス止め固定してから、側桁5のカバー部53を上方から降ろして対向凹部532を軸支部652に嵌めることで、軸受け材65が側桁5に支持されるようになっている。
【0015】
以上のような軸受け構造によれば、ルーバー材6の側端板62とルーバー回転軸63とが溶接固定され、ルーバー回転軸63とルーバーリンク64とが溶接固定されて一体化された状態において、ルーバー回転軸63に軸受け材65を容易に取り付けることができるので、組立性を向上させることができる。さらに、側端板62およびルーバーリンク64とルーバー回転軸63との溶接時の熱の影響を受けないので、樹脂製の軸受け材65を用いることができ、ルーバー回転軸63の回転抵抗を低減してルーバー材6の回動を円滑にすることができる。また、軸受け材65を2分割しても、その連結方向(左右方向)とルーバー支持部52の凹部522の開口方向(上下方向)とが交差していることから、凹部522に軸受け材65を挿入するだけで、第1軸受け材65A,65Cと第2軸受け材65B,65Cとが分離することなく保持され、ルーバー材6設置の際の施工性も向上させることができる。
【0016】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる以下の構成を備えていればよい。
(1)本発明の軸受け構造は、支持体に対して被支持体を回動自在に支持する軸受け構造であって、前記被支持体は、それぞれ金属製の第1部材および第2部材と、これらの第1部材と第2部材とに渡ってそれぞれに固定される金属製の回転軸とを有して一体に形成され、前記回転軸には、その軸方向と交差する方向に少なくとも2分割されるとともに当該回転軸を挟んで連結される樹脂製の軸受け材が取り付けられていればよい。
【0017】
以上の軸受け構造によれば、第1部材と第2部材とが両端に固定された回転軸に対し、その軸方向には軸受け材が挿通できない場合であっても、分割した軸受け材を回転軸の軸交差方向から挟んで連結することで、軸受け材に回転軸を挿通させて取り付けることができ、組立性を向上させることができる。そして、第1部材および第2部材と回転軸とが溶接固定によって一体化される場合に、予め回転軸に樹脂製の軸受け材を挿通した状態で溶接すると、軸受け材が溶接時の熱で溶けてしまう可能性があるのに対し、第1部材および第2部材と回転軸とを一体化してから軸受け材を取り付けることで溶接時の熱の影響を受けないようにできる。従って、樹脂製で摺動性の良好な軸受け材を用いることができ、回転軸の回転抵抗を低減して被支持体の回動を円滑にすることができる。
【0018】
(2)本発明の軸受け構造では、前記支持体は、前記軸受け材を保持する凹部を有した第1支持体と、この第1支持体に対して前記凹部の開口側から取り付けられる第2支持体とを有して構成され、前記分割された軸受け材の連結方向と前記凹部の開口方向とが交差した状態で当該軸受け材が前記凹部に保持されていることが好ましい。
このような構成によれば、第1支持体および第2支持体を有して支持体を構成し、第1支持体の凹部で軸受け材を保持する際に、軸受け材の連結方向を凹部の開口方向に交差させることで、凹部に挿入した軸受け材が分離してしまうことなく連結状態が維持できる。従って、分割した軸受け材同士を強固に固定しなくても連結状態を維持したまま凹部に保持されるので、その状態で第2支持体の取り付け作業を実施することができ、組立性をさらに向上させることができる。
【0019】
(3)本発明のルーバー装置は、所定間隔離れて対向するとともに互いに略平行に延びる一対の側枠と、前記一対の側枠間に渡って回動可能に支持されるとともに互いに略平行に設けられる複数のルーバー材とを備え、前記ルーバー材は、それぞれ金属製のルーバー本体、回転軸およびリンク部を有し、前記ルーバー本体から突出して前記回転軸が固定され、この回転軸の先端側に交差して前記リンク部が固定されて一体に形成され、前記回転軸には、その軸方向と交差する方向に少なくとも2分割されるとともに当該回転軸を挟んで連結される樹脂製の軸受け材が取り付けられ、この軸受け材を介して前記側枠に支持された前記複数のルーバー材同士が前記リンク部を介して連結されていればよい。
このような本発明によれば、ルーバー本体とリンク部とが両端に固定された回転軸に対し、分割した軸受け材を回転軸の軸交差方向から挟んで連結することで、軸受け材に回転軸を挿通させて取り付けることができ、組立性を向上させることができる。そして、ルーバー本体およびリンク部と回転軸とを一体化してから軸受け材を取り付けることで、溶接時の熱の影響を受けないようにできるので、樹脂製で摺動性の良好な軸受け材を用いることができ、回転軸の回転抵抗を低減してルーバー材の回動を円滑にすることができる。
【0020】
(4)本発明のルーバー装置では、前記側枠は、前記複数のルーバー材の並設方向に沿って延びる第1側枠および第2側枠を有して構成され、前記第1側枠には、前記軸受け材を保持する凹部が形成され、この凹部の開口側から前記第2側枠が前記第1側枠取り付けられ、前記分割された軸受け材の連結方向と前記凹部の開口方向とが交差した状態で当該軸受け材が前記凹部に保持されていることが好ましい。
このような構成によれば、軸受け材の連結方向を第1側枠の凹部の開口方向に交差させることで、第1側枠の凹部に挿入するだけで軸受け材の連結状態が維持でき、凹部に保持させた状態で第2側枠の取り付け作業を実施することができ、組立性をさらに向上させることができる。また、一対の側枠に渡ってルーバー材を取り付ける際に、先ず一対の側枠の第1側枠を所定位置に固定してから、それらの凹部にルーバー材の回転軸および軸受け材を挿入して複数のルーバー材を順次設置し、その後に第2側枠を第1側枠に取り付けるという施工手順が採用でき、ルーバー装置全体の施工効率を向上させることができる。
【0021】
(5)本発明のルーバー装置では、前記一対の側枠および前記複数のルーバー材がそれぞれ略水平に延びて設けられて屋根面を構成することが好ましい。
このような構成によれば、開閉可能な複数のルーバー材を有した屋根を構築する際に、前述のように側枠に対して複数のルーバー材を効率よく設置できるので、高所作業の作業性が良好にできて、工期の短縮および施工コストの低減を図ることができる。
【0022】
また、前記実施形態に限らず、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、カーポートの屋根に用いるルーバー装置1について説明したが、本発明のルーバー装置1としては、カーポート等に限らず、任意の場所に設置される屋根に用いるものでよく、また屋根以外の壁として建物の開口部前方に設置されるものなどであってもよい。さらに、本発明の軸受け構造は、ルーバー装置1におけるルーバー材6を支持するものに限らず、回動自在に支持される各種の被支持体に用いることができる。
さらに、ルーバー材6の断面形状や回転軸の取付位置、連動機構(連動リンク)や開閉操作部7などは、前記実施形態に限定されるものではなく、任意の形状や構造が利用可能である。
【0023】
また、前記実施形態では、軸受け材65として、矩形状の軸受け本体651を有し、この軸受け本体651がルーバー支持部52にビス止め固定される構成を説明したが、このような構成に限らず、以下の図8に示すような構成であってもよい。
図8において、軸受け材65は、第1軸受け材65Eおよび第2軸受け材65Fからなる左右2部材に分割され、それぞれ半円筒状の軸支部652と、この軸支部652の前後両端部のフランジ部657とを有して形成されている。一方、側桁5におけるルーバー支持部52の凹部522は、上方に向かって所定角度αだけ傾斜して形成され、その一方側の上縁部が側端縁よりも所定寸法Aだけオーバーハングして形成されている。このような軸受け材65を凹部522に挿入すれば、凹部522の傾斜によって軸受け材65が上方に外れにくくなっているとともに、フランジ部657が立上片521に係止されて前後に位置決めされるので、軸受け材65を安定して保持できるとともに、前述と同様に第1軸受け材65Eと第2軸受け材65Fとが左右に分離することなく保持され、ルーバー材6設置の際の施工性を向上させることができる。また、図8に示すように、傾斜した凹部522を側桁5に形成することで、ルーバー装置1を壁体として利用することが容易にできる。すなわち、壁体の側枠が上下に延びて設けられ場合でも、この側枠に設ける凹部522を見込み方向一方側でかつ上方に傾斜して開口させ、この凹部522にルーバー材6の軸受け材65を引っ掛けて保持させることで、本固定するまでの間ルーバー材6を位置決めしておくことができ、施工性を一層向上させることができる。
【0024】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るルーバー装置を示す平面図である。
【図2】前記ルーバー装置を示す断面図である。
【図3】前記ルーバー装置を示す断面図である。
【図4】前記ルーバー装置における軸受け構造を示す側面図である。
【図5】前記軸受け構造の組立手順を示す側面図である。
【図6】前記ルーバー装置における軸受け構造の変形例を示す斜視図である。
【図7】前記変形例の軸受け構造の組立手順を示す斜視図である。
【図8】本発明の軸受け構造の他の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
5…側桁(側枠、支持体)、6…ルーバー材(被支持体)、52…ルーバー支持部(第1支持体、第1側枠)、53…カバー部(第2支持体、第2側枠)、62…側端板(第1部材、ルーバー本体)、63…ルーバー回転軸、64…ルーバーリンク(第2部材、リンク部)、65…軸受け材、522…凹部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に対して被支持体を回動自在に支持する軸受け構造であって、
前記被支持体は、それぞれ金属製の第1部材および第2部材と、これらの第1部材と第2部材とに渡ってそれぞれに固定される金属製の回転軸とを有して一体に形成され、
前記回転軸には、その軸方向と交差する方向に少なくとも2分割されるとともに当該回転軸を挟んで連結される樹脂製の軸受け材が取り付けられている軸受け構造。
【請求項2】
前記支持体は、前記軸受け材を保持する凹部を有した第1支持体と、この第1支持体に対して前記凹部の開口側から取り付けられる第2支持体とを有して構成され、
前記分割された軸受け材の連結方向と前記凹部の開口方向とが交差した状態で当該軸受け材が前記凹部に保持されている請求項1に記載の軸受け構造。
【請求項3】
所定間隔離れて対向するとともに互いに略平行に延びる一対の側枠と、
前記一対の側枠間に渡って回動可能に支持されるとともに互いに略平行に設けられる複数のルーバー材とを備え、
前記ルーバー材は、それぞれ金属製のルーバー本体、回転軸およびリンク部を有し、前記ルーバー本体から突出して前記回転軸が固定され、この回転軸の先端側に交差して前記リンク部が固定されて一体に形成され、
前記回転軸には、その軸方向と交差する方向に少なくとも2分割されるとともに当該回転軸を挟んで連結される樹脂製の軸受け材が取り付けられ、この軸受け材を介して前記側枠に支持された前記複数のルーバー材同士が前記リンク部を介して連結されているルーバー装置。
【請求項4】
前記側枠は、前記複数のルーバー材の並設方向に沿って延びる第1側枠および第2側枠を有して構成され、
前記第1側枠には、前記軸受け材を保持する凹部が形成され、この凹部の開口側から前記第2側枠が前記第1側枠取り付けられ、
前記分割された軸受け材の連結方向と前記凹部の開口方向とが交差した状態で当該軸受け材が前記凹部に保持されている請求項3に記載のルーバー装置。
【請求項5】
前記一対の側枠および前記複数のルーバー材がそれぞれ略水平に延びて設けられて屋根面を構成する請求項3または請求項4に記載のルーバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−121317(P2010−121317A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294471(P2008−294471)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】