説明

軸重計測装置、軸重計測装置の計測精度確認システムおよび軸重計測装置の計測精度確認方法

【課題】軸重計測装置の計測精度を確認するための走行試験を、道路規制をすることなく行えるとともに、計測精度の履歴を容易に把握できるようにする。
【解決手段】軸重計測装置20Aの計測装置本体5には、試験車両の車両ナンバー、既知の軸重、既知の総重量が既知データとして予め記憶されるとともに、計測精度の判定に用いる判定用データとして、軸重の誤差の許容範囲および総重量の誤差の許容範囲が予め記憶され、走行する車両のナンバープレートを撮像カメラ4で撮像して車両ナンバーを読み取って試験車両を識別し、識別した試験車両について、荷重センサS1〜S3に基づいて、計測された軸重および総重量と、前記既知の軸重および既知の総重量との誤差をそれぞれ算出し、前記誤差の許容範囲内であるか否かによって計測精度を判定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重センサを用いて車両の軸重(車両の車軸が路面に与える垂直力)を計測する軸重計測装置に関わり、さらには、この軸重計測装置の計測精度を確認するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軸重計測装置は、一般に、トラック等の車両の軸重が車両制限令に規定されている軸重を超えているか否かを判定するために用いられる(例えば、特許文献1参照)。軸重計測装置は、例えば、一般道路や有料道路の料金所入口手前の道路等にその荷重センサが埋設設置され、その荷重センサ上を、車両を走行通過させることによって車両の各軸重を計測するように構成されている。
【0003】
このような軸重計測装置にあっては、道路への設置工事の完了後に、例えばトラックに分銅を載せ、トラックスケールにて各車軸の軸重が予め計測されている試験車両を、荷重センサを設置した道路上を走行させて軸重を計測し、その計測精度(性能)を確認するための試験、いわゆる、走行試験が行われる。
【0004】
この走行試験では、試験車両の既知の軸重値を基準値とし、この基準値と道路に設置された荷重センサによって計測される試験車両の軸重値との差を誤差とし、この誤差が許容範囲内であるか否かを確認する。
【0005】
この場合の走行試験は、荷重センサが埋設されて設置された道路上を、試験車両を異なる速度で必要回数だけ走行させて、各速度について軸重を計測し、計測毎に上記誤差が許容範囲内か否かを確認する。
【0006】
また、こうした走行試験は、軸重計測装置の設置時だけではなく、その後も、定期的に、例えば半年毎や1年毎に行われ、その都度、上記誤差が許容範囲内か否かを確認する。
【0007】
そして、上記誤差が許容範囲内にないときには、その原因に応じて、軸重計測装置の再調整や道路補修などが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−127941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
軸重計測装置は、一般道路や有料道路の料金所入口手前に設置されているため、各速度について複数回の計測を行うには、試験車両のみを走行させ、一般車両の通行を規制する道路規制を実施することが必要となるが、道路規制は、交通の流れを妨げ、交通渋滞を引き起こすので、環境面や安全面から好ましくない。
【0010】
そこで、このような道路規制を行わずに走行試験を実施するとなると、試験車両を一般車両と同様に走行させることとなるので、例えば高速道路であれば、試験車両は、一般車両の妨げとならないように、走行試験を行う料金所を走行し、例えば次の料金所から一般道に入るなどして、再度、元の走行試験を行っている料金所まで戻る必要があるなど、走行試験に多大な時間と労力とが要求されるという課題がある。
【0011】
加えて、走行試験は、上述のように定期的、例えば半年毎や1年毎に行うものであるから、その間に軸重計測装置の計測精度が低下しても、いつの時点から低下したかという計測精度の履歴を把握することができないという課題もある。
【0012】
更に、走行試験に際しては、計測した軸重値を所定用紙に筆記したり、あるいはパソコン等に入力したりして記録するようにしているので、そのための要員が必要となり、人件費が嵩むといった課題もある。
【0013】
本発明は、上述のような課題に鑑みて為されたものであって、軸重計測装置の計測精度を確認するための走行試験を、道路規制をすることなく行えるとともに、計測精度の履歴を容易に把握できるようにすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記目的を達成するための本発明第1に係る軸重計測装置は、車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測するとともに、計測精度の判定が可能な軸重計測装置であって、前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別する識別手段と、前記試験車両の前記既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データを記憶する記憶手段と、前記識別手段により識別した試験車両に対して、前記荷重センサの出力に基づいて計測した軸重を含む計測データ、前記記憶手段が記憶している試験車両の前記既知データおよび前記判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定手段とを備えている。
【0015】
前記試験車両は、1台であってもよいし、複数台であってもよく、記憶手段には、各試験車両に対応させて前記既知データおよび判定用データが記憶されるのが好ましい。
【0016】
前記判定手段においては、その判定結果を表示、印字あるいは音声出力する出力手段を備える構成としてもよく、この出力手段は、前記判定結果だけに限らず、計測データや既知データなども出力することができるようにしてもよい。
【0017】
本発明第1の軸重計測装置によると、前記識別手段により、走行路を走行する車両の中から軸重値が既知である試験車両を識別し、識別した試験車両について計測した軸重を含む計測データ、記憶手段が記憶している試験車両の既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データに基づいて、前記判定手段により、軸重計測装置の計測精度を判定するようにしたので、試験車両を一般車両と同じ走行路を走行させて軸重計測装置の計測精度の判定、すなわち、走行試験を実施することができる。
【0018】
しかも、試験車両は、軸重計測装置が設置されている、例えば、高速道路の料金所を巡回するだけで、走行試験が行えるので、走行試験を行う料金所を走行し、次の料金所から一般道に入って、再度、元の走行試験を行っている料金所まで戻るといった必要もなく、更に、走行試験を、従来のように半年毎や1年毎に行うのではなく、より短い時間間隔で不定期に行えることになり、軸重計測装置の計測精度の履歴を容易に把握できることになる。
【0019】
また、試験車両について計測した軸重を含む計測データを用いて、計測精度を判定するので、計測した軸重を所定用紙に筆記したり、あるいはパソコン等に入力したりして記録するという作業が必要でなくなり、その結果として、走行試験に要するコストを従来よりも削減することができるようになる。
【0020】
前記本発明第1において、好ましい実施態様は、前記記憶手段には、前記試験車両の車両ナンバーが、前記既知データおよび前記判定用データに対応付けて記憶され、前記識別手段は、前記走行路を走行する車両のナンバープレートを撮像する撮像手段と、この撮像手段の撮像信号に基づいて、車両ナンバーを読み取る車両ナンバー読み取り手段と、を備え、前記車両ナンバー読み取り手段により読み取った車両ナンバーが、前記記憶手段に記憶されている試験車両の車両ナンバーに含まれているか否かに基づいて、試験車両を識別するものである。
【0021】
この実施態様による場合、前記撮像手段で撮像した車両ナンバーに基づいて、前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別することができる。
【0022】
前記本発明第1において、別の好ましい実施態様では、前記既知データは、前記試験車両の既知の軸重と既知の車両総重量とを含み、前記計測データは、前記荷重センサの出力に基づいて計測される試験車両の軸重と総重量とを含み、前記判定用データは、前記既知の軸重と前記計測の軸重との誤差である軸重誤差の許容範囲、および、前記既知の車両総重量と前記計測の車両総重量との誤差である車両総重量誤差の許容範囲を含み、前記判定手段は、前記既知の軸重と前記計測の軸重との誤差が、前記軸重誤差の許容範囲内であるか否か、および、前記既知の車両総重量と前記計測の車両総重量との誤差が、前記車両総重量誤差の許容範囲内であるか否かに基づいて、計測精度を判定するものである。
【0023】
この実施態様によると、計測した試験車両の軸重と既知の軸重との誤差、および、計測した総重量と既知の総重量との誤差が、それぞれ許容範囲内にあるか否かによって、計測精度の判定を行うことができる。
【0024】
さらに別の好ましい実施態様では、前記判定手段による判定結果を、上位装置に送信する送信手段を備えてもよい。
【0025】
この実施態様によると、上位装置では、複数の各地点にそれぞれ設置された各軸重計測装置からの判定結果を収集して各軸重計測装置の計測精度を管理することができる。
【0026】
(2)本発明第2に係る軸重計測装置の計測精度確認システムは、車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測する軸重計測装置と、該軸重計測装置が送信するデータを受信する上位装置とを備え、前記軸重計測装置の計測精度を確認するシステムであって、前記軸重計測装置は、前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別する識別手段と、前記識別手段によって識別される試験車両について、前記荷重センサの出力に基づいて計測される軸重を含む計測データを前記上位装置に送信する送信手段と、を備え、前記上位装置は、前記試験車両の前記既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データが記憶される記憶手段と、前記軸重計測装置からの前記計測データを受信する受信手段と、受信した前記計測データ、記憶手段に記憶される試験車両の前記既知データおよび前記判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定手段とを備えている。
【0027】
前記本発明第2の軸重計測装置の計測精度確認システムによると、軸重計測装置では、走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別し、識別した試験車両について計測した軸重を含む計測データを上位装置に送信し、上位装置では、受信した計測データ、試験車両の既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データに基づいて、軸重計測装置の計測精度を判定するので、試験車両を一般車両と同じ走行路を走行させて走行試験を実施することができる。
【0028】
しかも、試験車両は、軸重計測装置が設置されている、例えば、高速道路の料金所を巡回するだけで、走行試験が行えるので、比較的簡単に走行試験を行うことができ、従来のように、半年毎や1年毎に行うのではなく、より短い時間間隔で不定期に行えることになり、軸重計測装置の計測精度の履歴を容易に把握できることになる。
【0029】
また、試験車両について計測した軸重を所定用紙に筆記したり、あるいはパソコン等に入力して記録したりする必要がなく、走行試験に要するコストを削減することができる。
【0030】
(3)本発明第3に係る軸重計測装置の計測精度確認システムは、車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測する軸重計測装置と、該軸重計測装置が送信するデータを受信する上位装置とを備え、前記軸重計測装置の計測精度を確認するシステムであって、前記軸重計測装置は、前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別する識別手段と、前記試験車両の前記既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データを記憶する記憶手段と、前記識別手段により識別した試験車両について、前記荷重センサの出力に基づいて計測した軸重を含む計測データ、前記記憶手段に記憶している試験車両の前記既知データおよび前記判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を、前記上位装置に送信する送信手段とを備え、前記上位装置は、前記判定結果を受信する受信手段と、受信した判定結果を出力する出力手段とを備えている。
【0031】
前記軸重計測装置は、判定結果以外の計測データや既知データなどを上位装置に送信してもよく、上位装置では、出力手段によって、判定結果以外の計測データや既知データなどを出力するようにしてもよい。
【0032】
本発明第3の軸重計測装置の計測精度確認システムによると、軸重計測装置では、走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別し、識別した試験車両について計測した軸重を含む計測データ、試験車両の既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データに基づいて、軸重計測装置の計測精度を判定して上位装置に送信し、上位装置では、各地点に設置されている軸重計測装置の計測精度の判定結果を収集することができるので、試験車両を一般車両と同じ走行路を走行させて走行試験を実施することができる。
【0033】
しかも、試験車両は、軸重計測装置が設置されている、例えば、高速道路の料金所を巡回するだけで、走行試験が行えるので、比較的簡単に走行試験を行うことができ、従来のように、半年毎や1年毎に行うのではなく、より短い時間間隔で不定期に行えることになり、軸重計測装置の計測精度の履歴を容易に把握できることになる。
【0034】
また、試験車両について計測した軸重を所定用紙に筆記したり、あるいはパソコン等に入力して記録する必要がなく、走行試験に要するコストを削減することができる。
【0035】
本発明第3の別の実施態様として、軸重計測装置は、前記上位装置からのデータを受信する受信手段と、この受信手段で受信したデータに基づいて、前記記憶手段の記憶内容を書き換える書換え手段とを更に備え、前記上位装置は、前記軸重計測装置の前記記憶手段に記憶すべきデータを該軸重計測装置に送信する送信手段を更に備える構成としてもよい。
【0036】
前記データとしては、試験車両の車両ナンバーや識別番号、該試験車両に対応する既知データや判定用データであるのが好ましい。
【0037】
この実施態様によると、上位装置からデータを軸重計測装置に送信することにより、該軸重計測装置では、前記データを受信して記憶手段の内容を書き換えることが可能となり、走行試験の内容、例えば、試験車両や計測精度の良否の判定基準を容易に変更することができる。
【0038】
(4)本発明第4に係る軸重計測装置の計測精度確認方法は、車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測する軸重計測装置の計測精度を確認する方法であって、軸重が既知である試験車両を識別するための識別用データ、前記試験車両の既知の軸重を含む既知データ、および計測精度の判定に用いる判定用データを記憶する記憶ステップと、前記走行路を走行する車両の中から前記識別用データを用いて、前記試験車両を識別する識別ステップと、前記試験車両の軸重を計測する計測ステップと、計測した試験車両の軸重を含む計測データ、試験車両の前記既知データおよび判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定ステップとを含んでいる。
【0039】
本発明第4の軸重計測装置の計測精度確認方法によると、走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を、車両ナンバー等の識別用データを用いて識別し、識別した試験車両について計測した軸重値を含む計測データ、試験車両の既知の軸重値を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データに基づいて、軸重計測装置の計測精度を判定するようにしたので、試験車両を一般車両と同じ走行路を走行させて走行試験を実施することができる。
【0040】
しかも、試験車両は、軸重計測装置が設置されている、例えば、高速道路の料金所を巡回するだけで、走行試験が行えるので、比較的簡単に走行試験を行うことができ、従来のように、半年毎や1年毎に行うのではなく、より短い時間間隔で不定期に行えることになり、軸重計測装置の計測精度の履歴を容易に把握できることになる。
【0041】
また、試験車両について計測した軸重を所定用紙に筆記したり、あるいはパソコン等に入力して記録する必要がなく、走行試験に要するコストを削減することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別し、識別した試験車両について計測した軸重を含む計測データ、試験車両の既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データに基づいて、軸重計測装置の計測精度を判定するようにしたので、試験車両を一般車両と同じ走行路を走行させて走行試験を実施することができる。
【0043】
しかも、試験車両は、軸重計測装置が設置されている、例えば、高速道路の料金所を巡回するだけで、走行試験を行えることになり、従来のように、半年毎や1年毎に行うのではなく、より短い時間間隔で不定期に行えることになり、軸重計測装置の計測精度の履歴を容易に把握できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る軸重計測装置の計測精度確認システムの構成例を模式的に示す図である。
【図2】図2は図1の計測装置本体の要部のブロック図である。
【図3】図3は図1の上位装置のブロック図である。
【図4】図4は図2の記憶部に記憶されているテーブルを示す図である。
【図5】図5は図1の上位装置に記憶されているテーブルを示す図である。
【図6】図6は動作説明に供するフローチャートである。
【図7】図7は本発明の他の実施の形態に係る軸重計測装置の計測精度確認システムの構成例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0046】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0047】
図1は、同実施の形態に係る軸重計測装置の構成例を模式的に示す。図1を参照して、この軸重計測装置20Aは、有料道路の後述する複数地点A〜Zの内、地点Aにおける料金所入口に設置されている軸重計測装置である。他の地点における料金所入口に設置されている軸重計測装置も同様の構成を有する。
【0048】
地点Aに設置されている軸重計測装置20Aは、車両1が走行する走行路2に設置された3個の荷重センサS1〜S3と、投受光器3a,3bからなり、車両1を検知する車両検知器3と、車両1のナンバープレートを撮像する撮像手段としての撮像カメラ4と、前記荷重センサS1〜S3、車両検知器3および撮像カメラ4それぞれの出力に基づいて、車両1の軸重等を計測するとともに、計測精度を確認し、その計測、確認結果を、管理センタの上位装置6に送信する計測装置本体5とを備えている。
【0049】
この管理センタの上位装置6では、後述の図3に示すように、有料道路の複数の各地点A〜Zにそれぞれ設置された各軸重計測装置20A〜20Zからの計測精度の確認結果のデータが収集される。
【0050】
図1に示される荷重センサS1〜S3は、矢符16で示される車両1の進行方向に沿ってこの順に配列され、走行路2に埋設されている。荷重センサS1〜S3それぞれの走行路2での埋設状態の具体的図示は略している。車両1の進行方向上流側に位置する荷重センサS1は、その車両進行方向センサ幅が、車両の各軸に接続された各タイヤの接地長さ以上である載荷板であり、下流側の荷重センサS2,S3は、車両進行方向センサ幅が、車両の各軸に接続された各タイヤの接地長さより小さいウェイトバーセンサである。これら荷重センサS1〜S3は、複数のロードセルが内蔵されており、これらロードセルが、荷重に応じた荷重信号を出力するように構成されている。
【0051】
このように3つの荷重センサS1〜S3を配置しているのは、走行路2の路面の凹凸や車両1の加速や減速等により車両1が振動し、軸重値が瞬間的に変動する場合に、例えば、各荷重センサS1〜S3それぞれの出力値の平均をとることで計測誤差を小さく抑制するためであるが、勿論、荷重センサの数や配置などの構成は、この実施形態に限るものではなく、任意である。
【0052】
車両検知器3は、軸重計測する車両を分離するために、計測領域への車両1の進入および退出を検知するものである。この実施形態では、車両検知器3は、一例として、投光器3aおよび受光器3bを有する光電センサからなり、車両1が、投受光器3a,3bの間を通過して遮光している期間は、検知出力がONとなり、それ以外はOFFとなる。この車両検知器3は、前記光電センサに限定されず、超音波方式やループコイル方式などの他のセンサであってもよいことは勿論である。
【0053】
計測装置本体5は、車両検知器3による車両1の計測領域への進入に応答して、荷重センサS1〜S3の出力に基づいて、車両1の各軸の軸重および車両総重量を計測するとともに、車両1の走行速度を計測する。
【0054】
この実施形態では、当該軸重計測装置20Aの設置時および設置後に、その計測精度の確認するために行う走行試験を、道路規制を実施することなく行えるように、次のように構成している。
【0055】
走行試験では、例えばトラックに分銅を載せ、トラックスケールにて各車軸の軸重ならびに車両総重量が予め計測されている試験車両を、走行させて行うのであるが、この実施形態では、試験車両を、一般車両と同様に走行させて軸重を計測するようにしている。
【0056】
すなわち、複数台の試験車両は、有料道路の複数地点A〜Zの各料金所を一般車両に混じって巡回しており、各地点A〜Zの各料金所それぞれにおいて、異なる走行速度で軸重を計測できるように、各地点A〜Zの各料金所を通過する際には、前回通過したときの走行速度と異なる走行速度で通過するようにしている。なお、同じ走行速度で複数回走行して、同じ走行速度で軸重を計測してもよい。
【0057】
計測装置本体5には、後述のように、複数の各試験車両の車両ナンバー、各試験車両の既知の各軸重および既知の総重量が既知データとして予め記憶されるとともに、計測精度の判定に用いる走行速度範囲に応じた軸重の誤差率の許容範囲および総重量の誤差率の許容範囲が判定用データとして予め記憶されている。
【0058】
計測装置本体5は、撮像カメラ4で撮像された車両1の車両ナンバーを読み取り、読み取った車両ナンバーが予め記憶されている複数の試験車両の車両ナンバーに含まれているか否かによって試験車両を識別し、試験車両であるときには、その試験車両について計測した各軸の軸重および車両総重量と、予め記憶されている既知データとしての試験車両の各軸の軸重および車両総重量とに基づいて、軸重および車両総重量の誤差率をそれぞれ算出し、誤差率の許容範囲とそれぞれ比較して、計測精度の良否を判定し、その判定結果を、管理センタの上位装置6に送信するようにしている。
【0059】
図2は、図1の計測装置本体5の構成を示す要部のブロック図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付している。
【0060】
計測装置本体5は、車両のナンバープレートを撮像する撮像カメラ4からの撮像信号から車両ナンバーを読み取る車両ナンバー読み取り部7と、この車両ナンバー読み取り部7、荷重センサS1〜S3および車両検知器3の出力が与えられる演算制御部8と、記憶部9と、管理センタの上位装置6との間で通信する通信部10と、ディスプレイ17と、時刻を計測する計時部18とを備えている。
【0061】
演算制御部8は、計測精度を演算し判定する判定手段として、荷重センサS1〜S3から出力されるアナログの荷重信号をデジタルの荷重信号に変換するA/D変換部、このA/D変換部出力に基づいて、各種の演算処理を実行するCPU、等を備えている。
【0062】
記憶部9は、軸重計測および走行試験のための各種プログラムが記憶されたプログラムメモリ、演算等の各種作業に用いるワークメモリ、試験車両についての既知データや判定用データを記憶するとともに、走行試験結果のデータを記憶するテーブルメモリ、等を備えている。
【0063】
管理センタの上位装置6は、図3に示すように、複数の各地点A〜Zにそれぞれ設置された各軸重計測装置20A〜20Zが、例えば、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)15によって接続され、各地点A〜Zを通過する試験車両による走行試験結果のデータが収集される。
【0064】
この上位装置6は、サーバーとして、コンピュータからなるサーバー本体11と、ディスプレイ12と、プリンタ13と、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)14とを備えている。
【0065】
図2に示される計測装置本体5の記憶部9のテーブルメモリには、図4に示すように、走行試験に必要なデータ、具体的には、複数台の試験車両のナンバー、各試験車両についての「既知データ」として、各軸の軸重、車両総重量、計測精度の判定に用いる「判定用データ」として、各走行速度範囲における軸重および車両総重量(図4では「総重」と表記)についての誤差率の許容範囲のテーブルが格納されている。
【0066】
このテーブルによると、例えば車両ナンバー「神戸100は 12−34」の試験車両では、「t」をトンとして、1軸目の軸重が5.42(t)、2軸目の軸重が7.45(t)、3軸目の軸重が6.12(t)、車両総重量が18.99(t)である。この車両における軸重の誤差率許容範囲および車両総重量の誤差率許容範囲は、それぞれ、走行速度が10km/h以下では、±3%および±2%であり、走行速度が10km/h〜20km/hでは、±5%および±3%であり、走行速度が20km/h〜30km/hでは、±5%および±3%であり、30km/h〜40km/hでは、±5%および±3%であり、走行速度が40km/h〜50km/hでは、±10%および±5%であり、走行速度が50km/hを超えると、±20%および±10%である。以下同様にして、試験車両の車両ナンバーごとにそれぞれの車両の各車軸の軸重、車両総重量および誤差率許容範囲がテーブル化されている。
【0067】
なお、誤差率、例えば、軸重の誤差率とは、このテーブルの軸重値を基準値として、計測された軸重値から基準値を減算した差(誤差)を、基準値で除して100を乗じた値である。
【0068】
また、このテーブルメモリには、走行試験結果のデータも格納され、この試験結果のデータは、管理センサの上位装置6に送信される。したがって、上位装置6には、各地点A〜Zの各軸重計測装置20A〜20Zの走行試験結果のデータが収集される。
【0069】
図5は、上位装置6に収集される複数の地点A〜Zのうち、代表して4箇所の地点A〜Dそれぞれの各軸重計測装置20A〜20Dから送信されてきた試験車両による走行試験結果のデータを示す。各地点A〜Dにおける軸重計測装置20A〜20Dで、軸重計測装置20Aは「車線1」、軸重計測装置20Bは「車線2」、軸重計測装置20Cは「車線1」、軸重計測装置20Dは「車線1」それぞれでの軸重計測であり、それぞれは、「日時」、「車両ナンバー」、「項目」、「1軸目」、「2軸目」、「3軸目」、「4軸目」、「車両総重量」であり、「項目」は、計測軸重(t)、計測速度(km/h)、軸重誤差率、許容誤差率、重量判定の各項目である。
【0070】
例えば地点「A」における軸重計測装置20Aからの送信データの場合を説明すると、この送信データでは「車線」の欄には「1」が、「日時」の欄には「2009年5月5日の午前10時57分47秒」が、「車両ナンバー」の欄には「神戸100は 12−34」であり、これに該当する試験車両が通過したとなっている。
【0071】
そして、地点「A」における軸重計測装置20Aの荷重センサS1〜S3上を通過した試験車両に関して、「1軸目」の「計測軸重」が5.57(t)、「計測速度」が41(km/h)、「軸重誤差率」が2.8(%)、「許容誤差率」が±10(%)、「重量判定」が「良」であり、「2軸目」の「計測軸重」が7.14(t)、「計測速度」が41(km/h)、「軸重誤差率」が−4.2(%)、「許容誤差率」が±10(%)、「重量判定」が「良」であり、「3軸目」の「計測軸重」が5.98(t)、「計測速度」が42(km/h)、「軸重誤差率」が−2.3(%)、「許容誤差率」が±10(%)、「重量判定」が「良」であり、「車両総重量」が18.69(t)、「計測速度」が41(km/h)、「重量誤差率」が−1.6(%)、「許容誤差率」が±5(%)、「重量判定」が「良」であることが、上位装置6において判る。
【0072】
次に、図1ないし図3および図6(a)(b)を参照して、動作を説明する。図6(a)は、軸重計測装置20Aの動作説明のフローチャートであり、図6(b)は管理センタの上位装置6の動作説明のフローチャートである。
【0073】
図6(a)を参照して、先ず、軸重計測装置20Aにおける演算制御部8においては、車両検知器3からの車両検知信号によって、車両検知エリアへの車両1の進入が検知されたか否かを判断する(ステップn1)。演算制御部8は、車両検知器3からの車両検知ONにより、車両1の進入が検知されたと判断したとき、撮像カメラ4からの撮像信号を画像処理して車両ナンバーを読み取る(ステップn2)。
【0074】
次に、演算制御部8は、荷重センサS1〜S3により車両1の各軸の軸重が検知されると、各荷重センサS1〜S3からの荷重信号を処理して各軸の軸重値をそれぞれ算出する(ステップn3)。
【0075】
この算出方法としては、例えば、各荷重センサS1〜S3によってそれぞれ計測される3つの軸重値を平均して最終的な軸重値として算出する。
【0076】
演算制御部8は、車両検知器3によって車両が検知されなくなったか否か、すなわち、計測エリアから車両が退出したか否かを判断する(ステップn4)。演算制御部8は、車両検知器3からの車両検知がOFFで当該車両が退出したと判断したとき、軸数分の軸重を加算処理することによって車両の総重量を算出処理する(ステップn5)と共に、荷重センサS1〜S3が各軸を検知したタイミングに基づいて、走行速度を算出処理する(ステップn6)。
【0077】
この走行速度算出処理は、例えば、荷重センサS1が軸重を検知した時間と荷重センサS2が軸重を検知した時間との差および既知である両荷重センサS1,S2間の距離に基づいて走行速度を第1算出処理し、同様に、荷重センサS2が軸重を検知した時間と荷重センサS3が軸重を検知した時間との差および既知である両荷重センサS2,S3間の距離に基づいて走行速度を第2算出処理する。この第1、第2算出処理による2つの走行速度を平均して最終的な走行速度として算出する。
【0078】
次いで、演算制御部8は、前記ステップn2で読み取った車両ナンバーが、予め記憶している試験車両の車両ナンバーに含まれているか否かを判断し(ステップn7)、含まれていないと判断したときはフローチャートを終了する。
【0079】
演算制御部8は、ステップn7で読み取った車両ナンバーが、予め記憶している試験車両の車両ナンバーに含まれていると判断したときは、ステップn3、n5で計測した軸重、車両総重量および上述の図4に示される予め記憶されている当該試験車両の軸重、車両総重量に基づいて、誤差率を算出するとともに、その誤差率が、誤差率の許容範囲内であるか否か、すなわち、計測精度の良否を判定し(ステップn8)、それらの情報を上位装置6へ送信する(ステップn9)。
【0080】
一方、上位装置6では、図6(b)のフローチャートに示すように、サーバー本体11は、各地点A〜Zの各軸重計測装置からの走行試験結果のデータを受信し(ステップn11)、受信したデータを、HDD14を制御してハードディスク等の記録媒体に記憶し(ステップn12)、ディスプレイ12の画面上に上述の図5に示す走行試験結果のデータを表示し(ステップn13)、必要に応じてプリンタ13で印字し、良否の判定結果が「否」となっている地点をアラーム表示し(ステップn14)、必要に応じて警報音を出力する。
【0081】
以上説明したように本実施の形態では、走行路1上の各車両2の車両ナンバーを撮像して軸重等が既知である試験車両を識別する一方、荷重センサS1〜S3の出力に基づいて試験車両の軸重等を計測し、既知の軸重等と計測した軸重等から誤差率を算出し、誤差率が許容範囲内であるか否かを判定するようにしたので、試験車両を一般車両と同じ走行路を走行させて軸重計測装置の走行試験を実施することができる。
【0082】
更に、試験車両は、軸重計測装置が設置されている、例えば、高速道路の料金所を巡回するだけで、走行試験が行えることになる。これによって、走行試験を行う料金所を走行し、次の料金所から一般道に入るなどして、再度、元の走行試験を行っている料金所まで戻るといった必要もなく、更に、走行試験を、従来のように、半年毎や一年毎に行うのではなく、より短い時間間隔で不定期に行えることになり、軸重計測装置の計測精度の履歴を容易に把握できることになる。
【0083】
また、走行試験に際しては計測した軸重を所定用紙に筆記したり、あるいはパソコン等に記録するための入力操作を行うようにしていたが、計測データや判定結果は上位装置6で収集されるので、計測データの記録を行うための要員が不要となり、走行試験に要するコストを削減することができる。
【0084】
なお、計測装置本体5の記憶部9のテーブルメモリの内容、例えば、上述の図4に示される試験車両のナンバー、各試験車両についての各軸の軸重、車両総重量、あるいは、計測精度の判定に用いる誤差率許容範囲などのデータは、上位装置6から書換え可能である。すなわち、上位装置6から計測装置本体5にデータを送信することによって、計測装置本体5の演算制御部8は、受信したデータに基づいて、記憶部9のテーブルメモリの内容を書換える。
【0085】
これによれば、走行試験の内容、例えば、試験車両や計測精度の良否の判定基準を容易に変更することができる。特に、複数の各地点A〜Zにそれぞれ設置された各軸重計測装置20A〜20Zのデータを一斉に変更するのに有効である。
【0086】
次に図7を参照して本発明の別の実施の形態に係る軸重計測装置を説明する。図7は軸重計測装置の構成例を模式的に示す図であり、上述の図1に対応する図である。
【0087】
上述の実施の形態では、車両1のナンバープレートを撮像して車両ナンバーによって試験車両を識別したけれども、図7で示す実施の形態の軸重計測装置20A−1では、試験車両1に、当該試験車両の識別番号を無線送信する車載器21を搭載し、走行路2の路側には、車載器21が所定の距離範囲内に進入したときに、該車載器21から送信される識別番号を受信する受信器22を設置し、受信器22で受信された識別番号が計測装置本体5−1に与えられるようにしている。図7に示す実施の形態では、車両ナンバーに代えて、車載器21から無線送信される識別番号によって試験車両を識別するようにしている。その他の構成は、上述の実施形態と同様である。
【0088】
上述した各実施の形態においては、軸重計測装置20A,20a−1側で、計測精度を判定したけれども、この判定に限定するものではなく、例えば軸重計測装置側では、試験車両を識別し、識別した試験車両について計測した軸重値を含む計測データを上位装置6に送信し、上位装置6側では、受信した試験車両の計測データ、予め記憶した試験車両の既知の軸重値を含む既知データおよび誤差の許容範囲を示す判定用データに基づいて、計測精度を判定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、軸重計測装置の計測精度を確認する走行試験に有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 車両
2 走行路
3 車両検知器
4 撮像カメラ
5 計測装置本体
6 上位装置
9 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測するとともに、計測精度の判定が可能な軸重計測装置であって、
前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別する識別手段と、
前記試験車両の前記既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データを記憶する記憶手段と、
前記識別手段により識別した試験車両に対して、前記荷重センサの出力に基づいて計測した軸重を含む計測データ、前記記憶手段が記憶している試験車両の前記既知データおよび前記判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定手段と、
を備えていることを特徴とする軸重計測装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、前記試験車両の車両ナンバーが、前記既知データおよび前記判定用データに対応付けて記憶され、
前記識別手段は、前記走行路を走行する車両のナンバープレートを撮像する撮像手段と、この撮像手段の撮像信号に基づいて、車両ナンバーを読み取る車両ナンバー読み取り手段とを備え、
前記車両ナンバー読み取り手段により読み取った車両ナンバーが、前記記憶手段に記憶されている試験車両の車両ナンバーに含まれているか否かに基づいて、試験車両を識別する請求項1に記載の軸重計測装置。
【請求項3】
前記既知データは、前記試験車両の既知の軸重と既知の車両総重量とを含み、
前記計測データは、前記荷重センサの出力に基づいて計測される試験車両の軸重と総重量とを含み、
前記判定用データは、前記既知の軸重と前記計測の軸重との誤差である軸重誤差の許容範囲、および、前記既知の車両総重量と前記計測の車両総重量との誤差である車両総重量誤差の許容範囲を含み、
前記判定手段は、前記既知の軸重と前記計測の軸重との誤差が、前記軸重誤差の許容範囲内であるか否か、および、前記既知の車両総重量と前記計測の車両総重量との誤差が、前記車両総重量誤差の許容範囲内であるか否かに基づいて、計測精度を判定する請求項1または2に記載の軸重計測装置。
【請求項4】
車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測する軸重計測装置と、該軸重計測装置が送信するデータを受信する上位装置とを備え、前記軸重計測装置の計測精度を確認するシステムであって、
前記軸重計測装置は、
前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別する識別手段と、前記識別手段によって識別される試験車両について、前記荷重センサの出力に基づいて計測される軸重を含む計測データを前記上位装置に送信する送信手段とを備え、
前記上位装置は、
前記試験車両の前記既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データが記憶される記憶手段と、前記軸重計測装置からの前記計測データを受信する受信手段と、受信した前記計測データ、記憶手段に記憶される試験車両の前記既知データおよび前記判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定手段とを備える、
ことを特徴とする軸重計測装置の計測精度確認システム。
【請求項5】
車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測する軸重計測装置と、該軸重計測装置が送信するデータを受信する上位装置とを備え、前記軸重計測装置の計測精度を確認するシステムであって、
前記軸重計測装置は、
前記走行路を走行する車両の中から軸重が既知である試験車両を識別する識別手段と、前記試験車両の前記既知の軸重を含む既知データおよび計測精度の判定に用いる判定用データを記憶する記憶手段と、前記識別手段により識別した試験車両について、前記荷重センサの出力に基づいて計測した軸重を含む計測データ、前記記憶手段に記憶している試験車両の前記既知データおよび前記判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を、前記上位装置に送信する送信手段とを備え、
前記上位装置は、
前記判定結果を受信する受信手段と、受信した判定結果を出力する出力手段とを備える、
ことを特徴とする軸重計測装置の計測精度確認システム。
【請求項6】
車両の走行路に設置した荷重センサの出力に基づいて、車両の軸重を計測する軸重計測装置の計測精度を確認する方法であって、
軸重が既知である試験車両を識別するための識別用データ、前記試験車両の既知の軸重を含む既知データ、および計測精度の判定に用いる判定用データを記憶する記憶ステップと、
前記走行路を走行する車両の中から前記識別用データを用いて、前記試験車両を識別する識別ステップと、
前記試験車両の軸重を計測する計測ステップと、
計測した試験車両の軸重を含む計測データ、試験車両の前記既知データおよび判定用データに基づいて、計測精度を判定する判定ステップと、
を含むことを特徴する軸重計測装置の計測精度確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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