軽水炉核燃料集合体(代替物)、軽水炉、及び核燃料集合体の燃料要素
本発明は、一般に、トリウムが燃料として用いられる軽水炉構造の分野に関し、具体的には、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)等の水冷水減速型原子炉の炉心を形成する17x17ジャケットレス核燃料集合体の構造に関する。この軽水炉核燃料集合体は、平面視で方形形状を有し、シード領域と、このシード領域を囲むブランケット領域と、シード領域の上部ノズル及び下部ノズルと、ブランケット領域下部ノズルとを含む。シード領域の燃料要素束は、方形座標グリッドの行及び列に配置され、燃料要素の長さ方向に沿ってらせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を有する。ブランケット領域は、濃縮ウランの添加物を含むトリウムから成る燃料要素の束が配置されるフレーム構造を含む。ブランケット領域の燃料要素は、方形座標グリッドの2つの行及び列に配置される。本発明の他の実施形態において、軽水炉核燃料集合体は、類似の構造を有しており、前記ブランケット領域燃料要素が方形座標グリッドの3つの行及び列に配置される。
本発明は、核燃料集合体及び核燃料集合体を用いるPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)において用いられる前記燃料要素の分野においても用いられる。
本発明は、核燃料集合体及び核燃料集合体を用いるPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)において用いられる前記燃料要素の分野においても用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、トリウムを燃料として用いる軽水炉の構造要素の分野に関し、具体的には、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)として知られる水冷水減速型原子炉の炉心を形成する方形のジャケットレス核燃料集合体の構造要素の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力は、世界中で、依然として重要なエネルギー源であり続けている。十分な化石燃料資源を産出しない国々の多くは、電力供給の多くを原子力発電に依存している。それ以外の多くの国においても、使用電力の多様性を増やすための競争力あるエネルギー源として原子力発電が利用されている。また、原子力発電は、化石燃料による汚染(酸性雨や地球温暖化等)を抑制し、将来世代のために化石燃料を節約するという目標の達成に大きく貢献している。
【0003】
原子炉の設計や運転において安全性は確かに重大な問題であるが、核兵器に使用される物質が拡散する危険も重大な問題である。この問題は、政権が不安定な国において特に懸念される。このような国による核兵器の保有は、世界の安全保障にとって大きな脅威である。それゆえ、原子力エネルギーは、核兵器の拡散や核兵器使用の危険を生じることのないように生成され、使用されなければならない。
【0004】
現存するすべての原子炉では、いわゆる原子炉級プルトニウムと呼ばれる物質が大量に生成されている。例えば、一般的な1000MW原子炉では、毎年200〜300kg程度の原子炉級プルトニウムが生成されている。このような原子炉級プルトニウムは、核兵器製造に用いられる可能性がある。したがって、従来の原子炉の炉心から排出される核燃料は極めて拡散しやすい物質であり、権限の無い者による廃棄核燃料の入手を阻止するための予防的対策が必要である。米国及び旧ソビエト連邦が核兵器を廃棄したときに生じる兵器級プルトニウムが大量に貯蔵されており、安全保障面で同様の問題がある。
【0005】
従来の原子炉においては、長期間に亘って放射能を放出する放射性廃棄物を廃棄する必要がある。また、天然ウラン鉱の供給が世界的に急激に減少していることも問題である。
【0006】
このような問題に対処するため、比較的少量の非拡散性濃縮ウラン(この濃縮ウランは濃縮度20%以下のU−235成分を有する。)を使用し、プルトニウムのような拡散性物質を大量に生じることのない原子炉の開発が進められている。このような原子炉の例が、国際公開第WO85/01826号公報及び国際公開第WO93/16477号公報に開示されている。これらの公報には、シード領域及び増殖領域を含むシード・増殖炉心(seed-and-breeding
core)を備える原子炉が開示されている。この原子炉は、トリウム燃料を備えるブランケット領域から出力の多くを取り出す。この増殖領域は、非拡散性濃縮ウランの燃料棒が配置されたシード領域を取り囲んでいる。シード領域燃料棒のウランから放出された中性子が増殖領域のトリウムに捕獲されることによって核分裂性のU−233が生成され、このU−233がin situで燃焼して原子力発電プラント用の熱を発生させる。
【0007】
世界におけるトリウムの埋蔵量はウランの埋蔵量を大きく上回っているため、原子炉用核燃料としてトリウムが有望視されている。また、上記の原子炉は、装着された当初の核燃料と各燃料サイクルの最後に排出される核燃料のいずれもが核兵器製造に適したものではないという点で「非拡散的」である。このような非拡散性は、非拡散性の濃縮ウランのみをシード核燃料として用い、プルトニウムの生成量を最小にするような減速材対燃料体積比を選択することによって実現される。また、ブランケットサイクルの終了時にU−238成分と残留物U−233とが均一に混合されている増殖領域に少量の非拡散性濃縮ウランを添加し、U−233を「変性させる」(つまり、U−233の特性を変える)ことで、その成分が核兵器の製造に適さないものとなる。
【0008】
残念ながら、上述したタイプの原子炉はいずれも、真の意味で「非拡散的」ではない。特に、上述した構造の原子炉のいずれにおいても、下限を超える拡散性のあるプルトニウムがシード領域に生じることが分かった。内側又は中央の増殖領域と外側の外周増殖領域とを有する環状シードを使用すると、シード領域の「光学的厚さ」もシード領域の薄さに対応して薄くなってしまうため、内側増殖領域及び外側増殖領域の非常に硬いスペクトルが(中性子の)シード領域スペクトルによって支配されるので、「非拡散的」原子炉として運転されることが保証されない。この結果、シード領域において、熱外中性子の割合が高くなり、下限よりも多くの拡散性のプルトニウムが製造されることになる。
【0009】
また、上述したタイプの原子炉は、運転時のパラメータの観点から最適化されたものではない。例えば、シード領域におけるプルトニウムの量を最小限に抑え、シード領域の燃料棒から十分な熱を発生させ、増殖領域においてトリウムがU−233に最適に転換されるようにするためには、シード領域及び増殖領域における減速材対燃料体積比が極めて重要である。上述した国際出願で望ましいとされている減速材対燃料比の値は、シード領域では高すぎ、増殖領域では低すぎることが研究から分かった。
【0010】
また、上述したタイプの炉心は効率的なものではなく、この非効率性はシード領域燃料要素において非拡散性濃縮ウランが用いられる場合に特に顕著であった。そのために、各シード領域燃料サイクルの終了時に排出される燃料ロッドは、別の炉心での再利用のために再処理しなければならない大量の残留ウランを含む。
【0011】
また、国際公開第WO93/16477号公報に開示されている原子炉は、複雑な原子炉制御システムを必要とするため、従来の原子炉の炉心に再装着するのに適さない。同様に、国際公開第WO85/01826号公報に開示されている原子炉の炉心は、その設計パラメータが従来の炉心のパラメータに適合しないために、従来の炉心に転用することは容易ではない。
【0012】
最後に、上述の原子炉はトリウムと一緒に非拡散濃縮ウランを燃焼するように設計されているので、大量のプルトニウムを使用するには不適当である。したがって、これらのいずれの設計も貯蔵されているプルトニウムの問題を解決できない。
【0013】
ロシア連邦特許2176826号において、一組のシードブランケット領域を有する炉心を備えた原子炉であって、そのシードブランケット領域の各々が中央シード領域を含むものが開示されている。全てのシード領域は、ウラン−235及びウラン−238を含む核分裂可能な物質からなるシード領域燃料要素を含む。また、この原子炉は、主としてトリウムと体積比10%以下の濃縮ウランとを含む増殖領域の増殖燃料要素、減速材の核燃料に対する体積比が2.5から5.0の範囲にあるシード領域減速材、及び、減速材の核燃料に対する体積比が1.5から2.0の範囲にある増殖領域減速材を含む。シード領域燃料要素の各々はウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金を含み、シード領域は各シードブランケット領域の全体積の25〜40%を占める。
【0014】
公知の原子炉は、経済性の観点から最適な運転を行っており「拡散的」ではない。このような原子炉を用いることにより、拡散性のある廃棄物を生成することなく、トリウムとともに大量のプルトニウムを消費することができる。この原子炉は、高レベル放射性廃棄物をほとんど生成しないので、長期にわたって廃棄物を貯蔵する場所を確保する必要性が減少する。
【0015】
しかしながら、この原子炉で用いられるシードブランケット領域は、上述した既存のPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)での利用には適さないものである。
【0016】
ロシア連邦特許2176826号において、上述した原子炉と同様の軽水炉核燃料集合体が開示されている。この核燃料集合体は、具体的には、四角形の断面形状を有し、これによりシードブランケット領域で構成されている核燃料集合体を既存の軽水炉へ装着することを可能にしている。
【0017】
しかしながら、上述した特許は、集合体の断面形状以外には、原子炉の設計を変更せずに既存のPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)へ集合体を装着するための集合体の構成の変更について何ら開示していない。
【0018】
ロシア連邦特許2294570号においては、燃料要素束、スペーサグリッドに収容されたガイド管、下部ノズル、及び上部ノズルを含む軽水炉核燃料集合体が開示されている。このスペーサグリッドは、核燃料集合体の長さ方向に沿って配置された部材によって下部ノズルに接続されている。上部ノズルは、互いに接続された上部プレート及び下部プレート、これらのプレート間に配置された被覆リング、及びバネアッセンブリを含む。この上部ノズル被覆リングは、外部リブ、リムによって接続された突起部、及び有孔プレートによって接続された下部部材を備える。
【0019】
この公知の核燃料集合体は、ジャケットレス核燃料集合体型に分類される。この型の核燃料集合体は、VVER−1000型等の水冷水減速型の炉心を構成し、剛性に優れるとともに上部ノズルの長さが短縮されており、燃料棒束と下部ノズルとの間の空間が拡張され、これらと同時に燃料棒の長さを長くすることができるため、運転特性を向上させることができる。この型の核燃料集合体によって、核燃料集合体への高燃焼率核燃料の搭載量を増加させ、これにより炉心出力及び核燃料集合体のライフサイクルを増加させることができる。
【0020】
しかしながら、この集合体のすべての燃料要素は、軽水炉において従来から利用されている核分裂性物質からなるため、この種の集合体にとって上述の欠点は内在的なものであり、原子炉級プルトニウムが大量に生成されてしまう。また、主要集合体は、VVER−1000型の原子炉に用いられている。すなわち、その集合体は、六角形型の断面を有しており、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)において用いられる核燃料集合体の形状と一致しない。
【0021】
本発明の目的は、トリウムを燃料として含む増殖領域において出力の相当部分を生成するとともに使用中に拡散性の廃棄物を生成せず、その一方でその構造に実質的な変更を加えることなくPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)に搭載可能な核燃料集合体を形成することである。
【発明の概要】
【0022】
本発明の一実施形態に従って、上記の目的は、平面視方形の形状を有する軽水炉核燃料集合体が、方形座標グリッドの行及び列に断面的に配置されたシード燃料要素の束を含むシード領域を備えることによって達成される。シード燃料要素の各々は、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルと、前記シード領域を囲み、増殖燃料要素の束を含むブランケット領域とを備える。増殖燃料要素の各々は、セラミックトリウムを含む。この例において、増殖燃料要素は、2つの方形形状リング内にある方形座標グリッドの2つの行及び列に断面的に配置される。
【0023】
核燃料集合体は、PWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に配置されたガイド管を含み、これにより互換性を確保できる。具体的には、PWR型原子炉の17x17の核燃料集合体制御棒の24のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に24のガイド管を含むことにより互換性を確保する
【0024】
一組のシード燃料要素の各々は、らせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を備える。
【0025】
主に、核燃料集合体の断面におけるブランケット領域の燃料要素は、19行・19列から成る方形座標グリッドの2つの最外部の行及び列に配置され、当該シード燃料要素が、13行・13列から成る方形座標グリッドの行及び列に配置される。
【0026】
また、前記核燃料集合体は、方形の断面形状を有するチャネルを含み、シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の燃料要素から分離する。シード領域の下部ノズルは、前記チャネルに接続される。このシード領域の前記下部ノズルには、前記シード燃料要素を固定するために、支持フレーム構造が固定される。また、ガイドグリッドは、前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に取り付けられる。
【0027】
主に、シード燃料要素の数は144であり、増殖燃料要素の数は132である。
【0028】
前記ブランケット領域は、ブランケット領域下部ノズル、縦長に配置されたアングル要素、及び複数の縦長に配置されたポールを含み、ブランケット領域の前記下部ノズルを前記アングル要素及びポールに固定することによって、ブランケット領域フレーム構造を形成する。この例において、主に、アングル要素の数は、ポールの数と同様に、4である。
【0029】
スペーサグリッドは、前記フレーム構造に固定される。前記グリッドの各々の中央領域に前記シード領域を収容する開口部が設けられている
【0030】
前記シードブランケット領域はロック機構により互いに連結され、これにより、原子炉の前記炉心へこれらのモジュールをまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができ、また、シードブランケット領域を分離することができる
【0031】
本発明の目的は、本発明の他の実施形態に従って、前記核燃料集合体において、上記の実施形態とは異なり、増殖燃料要素が3つの方形リング内にある方形座標グリッドの行及び列に断面的に配置されることにより達成される。
【0032】
また、ガイド管の一部が前記シード領域内に載置されるとともに、前記チャネルの残りのものが前記ブランケット領域に載置される。この例において、全ての前記ガイド管をPWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように配置することにより互換性を確保するようにした
【0033】
燃料チャネルの第2の実施形態に従って、前記シードブランケット領域の燃料要素は、断面的に17行・17列の方形座標グリッドに配置され、前記シード燃料要素は、11行・11列のグリッドの中央部に配置されている。
【0034】
本実施形態における核燃料集合体は、第1の実施形態における集合体と同様に、断面方形の形状を有し、前記シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の前記燃料要素から分離するチャネルを含む。ここで、PWR型原子炉用の17x17の核燃料集合体の24の制御棒と一致するように、16のガイド管を前記チャネルの内側に配置する一方、8のガイド管を前記チャネルの外側に配置することにより、互換性を確保するようにした。シード領域の下部ノズルは、前記チャネルに接続されている。このシード領域の前記下部ノズルには、前記シード燃料要素を固定するために、支持フレーム構造が取り付けられている。ガイドグリッドは、前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に取り付けられる。
【0035】
核燃料集合体のこの実施形態においては、上述の実施形態とは異なり、多数のシード燃料要素が、前記核燃料集合体の断面に配置されるとともに方形座標グリッドの中央部において9行・9列に配置された多数の第1のシード燃料要素と、方形座標グリッドの前記中央部の前記最外部の行及び列に配置された多数の第2のシード燃料要素とを含み、多数の第1のシード燃料要素の各々が、第2のシード燃料要素の対角幅よりも大きな対角幅を有する。また、第1のシード燃料要素の数は72であり、第2のシード燃料要素の数は36である。
【0036】
前記第2のシード燃料要素は、前記シード領域の断面における前記2つの行の各々及び2つの列の各々において、前記チャネルの中心方向に移動される。前記シード燃料要素の水平方向の動きを制限する装置が、前記シード燃料要素の水平方向の動きを妨げるために、2つの隣接する第2のシード燃料要素の間における前記チャネルの内面に配置される。これらの装置は、前記シード領域のチャネルに接した隆起エリアの形状に形成されてもよく、前記チャネル内に縦長に配置された棒形状に形成されてもよい。
【0037】
集合体の本実施形態における多数の増殖燃料要素は、前記核燃料集合体の断面において方形座標グリッドの3つの最外部の行及び列に配置された156の増殖燃料要素を含む。
【0038】
本実施形態におけるブランケット領域は、第1の実施形態と同様に、ブランケット領域下部ノズルを含む。しかしながら、本実施形態においては、この下部ノズルは、ブランケット領域フレーム構造を形成するために、前記ブランケット領域に配置されたガイド管に固定されている。スペーサグリッドも前記フレーム構造に固定されている。前記グリッドの各々の中央領域には、開口部が前記シード領域を収容するように形成されている。
【0039】
第1の実施形態に対応する集合体と同様に、前記シードブランケット領域は、ロック機構により互いに連結されており、これにより、原子炉の前記炉心へ前記シードブランケット領域をまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができ、また、前記シードブランケット領域を分離することができる。
【0040】
第1及び第2の実施形態の両方と対応する核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴は、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴と一致し、これにより、互換性が確保できる。
前記核燃料集合体の出力電力は、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体に代わって原子炉に設置されたときに、原子炉の構造に追加的な変更を行うことなく、従来の核燃料集合体とともに作動することが意図されている原子炉の設計範囲限度内に入る。
【0041】
本発明の目的は、本発明に従って、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルを備え、四葉の輪郭を有する原子炉核燃料集合体の燃料要素を利用することによっても実現される。前記カーネルに加えて、当該要素は、前記カーネルを取り囲む被覆材を備える。輪郭の葉は、らせん状のスペーサリブを形成する。前記らせん状のスペーサリブの軸方向の撚りピッチは、前記燃料要素長の5%から30%の範囲にある。前記被覆材はジルコニウム合金から成る。実質的に方形の断面形状を有する制御材は、前記カーネルの長軸に沿って配置される。前記制御材は、ジルコニウム又はジルコニウム合金から成る。前記カーネルは、ウランの割合が30%以下であってウラン−235同位体を用いたウランの濃縮度が20%以下であるウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金から成る。前記カーネルは、原子炉級プルトニウムの割合が30%以下であるプルトニウム-ジルコニウム(Pu-Zr)合金から成る。
【0042】
また、本発明の目的は、本発明に従って、多数の核燃料集合体を含む軽水炉において、前記核燃料集合体の少なくとも1つ又は全てが本発明又は他の実施形態に従って形成されることにより実現される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の特徴及び有利な効果は、添付図面を参照することにより、以下に示す好ましい実施形態の詳細な説明によって明らかとなる。
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体の全体図
【0045】
【図2】本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体の断面レイアウト図
【0046】
【図3】本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体の全体図
【0047】
【図4】本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体の断面レイアウト図
【0048】
【図5】本発明の第2の実施形態シード領域の周辺領域における燃料要素の配置を示すレイアウト図
【0049】
【図6】シード領域燃料要素の斜視レイアウト図
【0050】
【図7】シード領域燃料要素の断面レイアウト図
【0051】
【図8】シードブランケット領域下部ノズル接続部の一態様を示すレイアウト図
【0052】
【図9】スペーサグリッドにおけるブランケット領域燃料要素の配置を示すレイアウト図
【0053】
【図10】本発明に従って実施された核燃料集合体を含む炉心の断面レイアウト図
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1には、本発明の第1の実施形態に従って、集合物1として核燃料集合体が図示されている。核燃料集合体1は、シード領域2、ブランケット領域3、上部ノズル4、シード領域下部ノズル5、及びブランケット領域下部ノズル6を含む。図2に示すように、シード領域2は燃料要素束7を含む一方、ブランケット領域3は燃料要素束8を含む。束7における各燃料要素は、燃料要素の長さ方向に沿ってらせん状のスペーサリブ9(図6)を形成する四葉の輪郭を有し濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネル10(図7)、及び、このカーネルを取り囲みジルコニウム合金11から形成される被覆材を含む。制御材12は、カーネル10内に配置される。全ての燃料要素7は、らせん状のスペーサリブ9の接触点において、束7内の隣接する燃料要素の各々と接触している。らせん状のスペーサリブ9の接触点は、らせん線ピッチの25%の距離だけ軸方向に互いに離れている。
【0055】
燃料要素8の各々は、平面視で円形の形状を有しており、濃縮ウランが添加されたトリウムから成る。燃料要素モジュール7及び燃料要素モジュール8は、核燃料集合体が全体として平面視で方形の形状を有するように、断面視で方形の座標グリッドの行と列に配置されている。具体的には、燃料要素モジュール7は、13行・13列の方形座標グリッドの行と列に配置される一方、ブランケット領域8の燃料要素は、19行・19列の方形座標グリッドの最外部の2つの行と列に配置される。
【0056】
燃料要素束7の輪郭は、例えば、12.6ミリメートル(mm)の一定の対角幅を有する。燃料要素7の数は144である。燃料要素8は、例えば、8.6 ミリメートル(mm)の一定の直径を有し。方形座標グリッドの2つの行及び列に方形部分の側部に沿って配置される。燃料要素8の数は132である。
【0057】
管13は、シード領域2の中心に配置され、制御部を収容するガイドチャネルを形成する。ガイド管14は、シード領域2の境界に配置される。ガイド管14には、軸方向への移動が可能となるように上部ノズル4に配置された吸収棒及び安全棒が挿入される。吸収棒及び安全棒は、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16(図8)によって、シード領域2の下部ノズル5及びブランケット領域3の下部ノズル6にも接続される。
【0058】
シード領域2の燃料要素束7は、下部ノズル5に固定されたチャネル17によって囲まれている。シード領域2の燃料要素束7の下端部は、支持フレーム構造18内に配置されており、上端部は、ガイドグリッド19(図1)内に配置されている。シード領域2の燃料要素7は、複合成型技術(雌型による押し出し成型)を用いて単一の集合体ユニットに成型されてもよい。らせん状のスペーサリブ9のらせん線のピッチは、燃料要素の断面対角幅に等しい距離だけ離れている隣接する燃料要素7の軸の相互配置の条件に基づいて選択され、燃料要素長の5%から30%の幅がある。
【0059】
ブランケット領域3は、4つのアングル要素20及び下部ノズル6に接続される4つのポール21によって形成されるフレーム構造を含む。スペーサグリッド22は、燃料要素8が通過する孔部(図9)を通じてフレーム構造に固定される。スペーサグリッド22は、シード領域2を収容するために中央領域に開口を有する。
【0060】
図3には、集合物1′として示される本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体が図示されている。この集合体は、シード領域2′、ブランケット領域3′、上部ノズル4′、シード領域下部ノズル5′、及びブランケット領域下部ノズル6′を含む。図4に示されるように、シード領域2′は、燃料要素束7′を含み、ブランケット領域3′は燃料要素束8′を含む。
【0061】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、燃料要素7′の各々は、燃料要素の長さ方向に沿ってらせん状のスペーサリブ9(図6)を形成する四葉の輪郭を有し、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネル10(図7)と、当該カーネル10を囲むジルコニウム合金から形成された被覆材11とを含む。制御材12は、カーネル10内に配置される。燃料要素8′の各々は、平面視で円形の形状を有しており、トリウム及びウランの様々なセラミック配合から成る。
【0062】
燃料要素モジュール7′及び燃料要素モジュール8′は、核燃料集合体が全体として平面視で方形形状を有するように、断面視で方形の座標グリッドの行及び列の形状に配置される。具体的には、シード領域7′及びブランケット領域8′の燃料要素は、17行・17列の方形座標グリッドに沿って配置され、燃料要素7′は、グリッドの中央部分に11行・11列に配置される。
【0063】
方形座標グリッドの行及び列の最外部に配置された燃料要素7′の輪郭は、例えば10.3 mmの同一の対角幅を有する。残りの燃料要素7′の輪郭は、例えば12.6 mmのより大きな対角幅を有し、この対角幅は一定である。方形座標グリッドの最外部の行及び列に配置される燃料要素7′の数は、36であり(方形座標グリッドの最外部の行及び列にそれぞれに9つ)、残りの燃料要素7′の数は72である。燃料要素8′は、例えば9.5 mmの一定の直径を有し、方形座標グリッドの3つの行及び列に配置される。燃料要素8′の数は156である。
【0064】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、管13は、シード領域2′の中心に配置され、制御部を収容するガイドチャネルを形成する。ガイド管14の一部は、シード領域2′の境界に配置され、軸方向への移動が可能となるように上部ノズル4に配置された吸収棒及び安全棒が挿入される。吸収棒及び安全棒は、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16(図8)によって、シード領域2′の下部ノズル5′にも接続されている。残りの周辺ガイド管14′は、ブランケット領域3′の境界に配置されており、軸方向への移動が可能となるように上部ノズル4に設置され、コレット固定具16(図8)のねじ継ぎ手15によって、ブランケット領域3′の下部ノズル6に接続される。
【0065】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、シード領域2′の燃料要素束7は、チャネル17′によって囲まれており、下部ノズル5′に固定されている。シード領域2′の燃料要素7′の下端部は、支持フレーム構造18内に配置されており、上端部は、ガイドグリッド19(図3)内に配置されている。
【0066】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、ブランケット領域3′は、軸方向に移動可能にするために、上部ノズル4に設置される吸収棒及び安全棒を挿入するための周辺ガイド管14′によって構成されるフレーム構造を含む。スペーサグリッド22は、燃料要素8′(図9)が通過する開口部を通じてフレーム構造に取り付けられる。スペーサグリッド22は、シード領域2′を受け入れるために中央領域に開口を有する。
【0067】
シード領域2′のチャネル17′及びブランケット領域3′のフレーム構造は、図3に示されるように、核燃料集合体1′の上部に配置されたデタントによって結合される。ボールデタント23は、シェルリング24と接触し、ブランケット領域3′のフレーム構造に固定される。
【0068】
上述され、また、図4に図示されているように、シード領域2′の方形座標グリッドの最外部の行及び列にある燃料要素7′は、シード領域2′の残りの燃料要素7′よりも小さな対角幅を有する。チャネル17′内における燃料要素7′の相対位置を安定させるために、燃料要素7′の水平方向の移動を制限するための装置が内部面に配置される。
【0069】
図5には、本発明の第2の実施形態に従ったシード領域の周辺領域における燃料要素の配置が示されている。全ての燃料要素7′は、らせん状のスペーサリブ9の接線位置で、束7′内の隣接する燃料要素の各々と接触している。このらせん状のスペーサリブ9の接触位置は、らせん線ピッチの25%の距離だけ軸方向に互いに離れている。燃料要素7′は、図5の右側に示されているように、隆起エリア25(チャネル17′が変形して形成されたエリア)において、シード領域2′のチャネル17′と接触してもよい。図5の上部に示されているスペーサロッド26は、代替手段として用いられるものであり、軸方向に配置され、下部ノズル6′に取り付けられる。図5の実線及び破線は、接触点の位置を示すために、異なる断面における燃料要素7′の四葉の輪郭を表す。
【0070】
本発明に従った核燃料集合体は、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネル10を有するシード領域の燃料要素を備える。カーネル10は、主にウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金から成る。燃料化合物のうちウランの割合は30%以下であり、濃縮度20%以下のウラン−235同位体を有する。あるいは、カーネル10は、プルトニウムの割合が30%以下であるプルトニウム・ジルコニウム(Pu-Zr)合金から成る。制御材12は、カーネル10の長軸に沿って配置され、実質的に正方形の断面形状を有する。らせん状のスペーサリブ9のらせん線のピッチは、燃料要素長の5%から30%である。
【0071】
この炉心は、従来のPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)と同じ幾何学的構成及び寸法を有している。したがって、この原子炉は、この種の集合体に再装着可能である。また、炉心は、必要な数の核燃料集合体から構成することができる。図10に、全体として円形の断面と各々が正方形の断面を有する複数の核燃料集合体を備える軽水炉炉心27の例を示す。
【0072】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体1は、以下の手順で実施される。燃料要素7、管13、及びガイド管14が、シード領域2の下部支持フレーム構造18に配置される。支持フレーム構造18が、シード領域2の下部ノズル5に固定される。燃料要素7の上端、管13、及びガイド管14が、上部ガイドグリッド19内に配置される。その後、チャネル17が燃料要素束の上から滑り落ちて、下部ノズル5及びガイドグリッド19に固定される。上部ノズル4が、管13の上端及びガイド管14の上端に設置され、管13及びガイド管14が、軸方向への移動を可能にする上部ノズル4内で固定される。
【0073】
アングル要素20及びポール21によって形成されスペーサグリッド22が配置される支持フレーム構造は、ブランケット領域3の下部ノズル6に固定される。ブランケット領域3の燃料要素8は、スペーサグリッド22に配置される。その後、燃料要素7を含み、管13及びガイド管14によって上部ノズルに接続された上部ノズル4及びシード領域2が、スペーサグリッド22の開口部に挿入される。この開口部を、管13及び周辺ガイド管14の下部がブランケット領域下部ノズル6を通って通過し、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16を用いて固定される。このようにして、シード領域2及びブランケット領域3は互いに接続される。
【0074】
密集した核燃料集合体1が、炉心27内に設置される。
【0075】
核燃料集合体1′が炉心27から除去された後、核燃料集合体1が逆の手順で分解される。
【0076】
本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体1′は、シード領域2′及びブランケット領域3′を相対的に固着するために用いられる方法に応じて異なる方法で実施される。
【0077】
1.ボールデタント23が用いられる場合には、そのボールデタント23がチャネル17′に固定される。また、シード領域2′は、本発明の第1の実施形態におけるシード領域2と同様の方法で設置される。燃料要素束7′、管13、及びガイド管14は、シード領域2′の下部支持フレーム構造18に配置される。支持フレーム構造18は、シード領域2′の下部ノズル5′に固定される。燃料要素束7′、管13、及びガイド管14の上端は、上部ガイドグリッド19内に配置される。その後、チャネル17′は、燃料要素束の上から滑り落ちて、下部ノズル5′及びガイドグリッド19に固定される。上部ノズル4は、管13の上端及びガイド管14の上端に設置される。管13及びガイド管14は、軸方向への移動が可能となるように固定される。
【0078】
周辺ガイド管14′は、ブランケット領域3′及びスペーサグリッド22の下部ノズル6に設置され、ガイド管14′に固定される。グリッド22は、ブランケット領域3′のフレーム構造を形成する。ブランケット領域3′の燃料要素8 は、スペーサグリッド22及びシェルリング24内に配置される。
【0079】
その後、燃料要素7′を含み、管13及び周辺ガイド管14′ によって上部ノズルに接続された上部ノズル4及びシード領域2′は、スペーサグリッド22の開口部に挿入され、ガイド管14′が上部ノズル4内で軸方向への移動が可能となるように固定される。ボールデタント23によって、シード領域2′及びブランケット領域3′のフレーム構造を相対的に固着することができる。
【0080】
密集した核燃料集合体1が炉心27に設置される。
【0081】
核燃料集合体1′が炉心27から除去された後、核燃料集合体1′は逆の手順で分解される。
【0082】
2.ねじ継ぎ手又はコレット固定具が用いられる場合には、核燃料集合体1′は、本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体が組み立てられ分解されたのと類似の方法で、組み立てられ分解される。すなわち、シード領域2′の下部ノズル5及びブランケット領域3′の下部ノズル6は、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16によって接続される。
【0083】
炉心27において、核燃料集合体1及び核燃料集合体1′は、公知のPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)と同様の方法で機能する。
【0084】
本発明を利用することにより、核燃料集合体の構造中にトリウムの部材(ブランケット領域)が存在するので、天然ウランを節約することができる。これは、トリウムが分裂の過程でウラン−233の形で2次的な核燃料を蓄積し、この燃料を燃焼させることにより当該核燃料集合体を有する原子炉炉心の出力に大きく貢献するためである。これによって、従来のPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)用の従来の2次的核燃料(核兵器製造にも用いることができる原子炉級プルトニウム)の蓄積が大きく減少(80%減少)し、新たな2次的核燃料であるウラン−233(より正確には、トリウムブランケット領域内で「in situ」で燃焼された後に残された部分)は、ウラン−232同位体及びプルトニウム同位体が混入していて核兵器製造に用いることができないため、非拡散特性を向上させることができ、使用済核燃料集合体の取り扱いの問題を簡素化することができる。使用済核燃料集合体の取り扱いに関する問題は、廃棄物の量を減らし、核燃料の特定のライフサイクルを増加させ、排出された核燃料に含まれる長寿命の放射性毒物を有する同位体の含有量を減少させることで、簡素化することができる。
【0085】
本発明に係る核燃料集合体の構造は、機械的、水力学的、及び中性子の側面から見て、標準的な核燃料集合体の構造と互換性があるため、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)において本発明に係る核燃料集合体を使用することが可能となる。
【0086】
PWR原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)の標準的な核燃料集合体との機械的互換性は以下に掲げるものにより確保される。
− 長期運転が行われ高燃料熱焼損が存在する場合に耐変形性を可能にする耐力フレーム構造の存在及び同一の接続寸法、
− 標準的な核燃料集合体の類似部分と互換性のある下部ノズル、上部ノズル、及び耐力フレーム構造の使用、及び
− 標準的な制御機構及び再充填装置と互換性があるシード領域構造。
【0087】
共通の供給(排出)・回収上部ノズルによって連結されるシードブランケット領域によって形成された2つの平行なチャネルを含むシステムが存在するため、本発明に係る核燃料集合体の水力特性の全ては、標準的な核燃料集合体の特性と実質的に一致する。シードブランケット領域は、下部吸入部及び上部排出部において水力学的に接続される。この核燃料集合体を実施することにより、本発明に係る核燃料集合体を備えたPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)の炉心の耐久性を標準的な値に維持することができる。したがって、本発明に係る核燃料集合体をPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)に搭載しても、原子炉の主ループにおける冷却液流速に変化は生じない。集合体の吸入部、ブランケット領域の中心部、及び集合体の排出部との間の水力学的耐久度は、本発明に係る核燃料集合体と標準的な核燃料集合体とで同程度であり、これによって、本発明に係る核燃料集合体と標準的な核燃料集合体との水力学的互換性が確保され、これらの間で新たな(追加的な)冷却液の不足も起こらない。これにより、本発明に係る核燃料集合体の一部を、原子炉用の標準的な核燃料集合体と同時に、原子炉において使用することができる。
【0088】
標準的な核燃料集合体との中性子物理的な互換性は、以下のものによって提供される。
− 特定の核燃料組成及び可燃吸収剤を有する組成を用いることによる、バーンアウトが起こるまでの特定の寿命が実現される。
− シードブランケット領域燃料組成において特定の燃料充填内容物を用いることにより、核燃料集合体の標準的な出力が実現される。
− シード領域燃料要素の様々な列における特定の燃料充填内容物及びブランケット領域における特定の燃料充填内容物を用いることにより、エネルギー放出プロファイルの不均一さを支配する要件が満たされる。
− 標準的な核燃料集合体における一般的な範囲内での反応度効果は、特定の燃料組成物特性を用いることによって維持される。
− 制御部を収容する2つの部分から成る核燃料集合体構造が制御部を収容する標準的な燃料チャネル(管)配置と互換性を有することによって、標準的な制御による出力レベルの規制及び電力放出が可能となる。
【0089】
本発明の他の効果は、本発明に係る2つの部分から成る核燃料集合体が取り外し可能であるため、シード領域の独立なモジュール式充填が可能となることである。シード領域のモジュール式充填をより頻繁に行うことにより、集合体のブランケット領域に載置されたトリウムにとってより望ましい環境(中性子バランス及び照射時間について)を形成することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、トリウムを燃料として用いる軽水炉の構造要素の分野に関し、具体的には、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)として知られる水冷水減速型原子炉の炉心を形成する方形のジャケットレス核燃料集合体の構造要素の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力は、世界中で、依然として重要なエネルギー源であり続けている。十分な化石燃料資源を産出しない国々の多くは、電力供給の多くを原子力発電に依存している。それ以外の多くの国においても、使用電力の多様性を増やすための競争力あるエネルギー源として原子力発電が利用されている。また、原子力発電は、化石燃料による汚染(酸性雨や地球温暖化等)を抑制し、将来世代のために化石燃料を節約するという目標の達成に大きく貢献している。
【0003】
原子炉の設計や運転において安全性は確かに重大な問題であるが、核兵器に使用される物質が拡散する危険も重大な問題である。この問題は、政権が不安定な国において特に懸念される。このような国による核兵器の保有は、世界の安全保障にとって大きな脅威である。それゆえ、原子力エネルギーは、核兵器の拡散や核兵器使用の危険を生じることのないように生成され、使用されなければならない。
【0004】
現存するすべての原子炉では、いわゆる原子炉級プルトニウムと呼ばれる物質が大量に生成されている。例えば、一般的な1000MW原子炉では、毎年200〜300kg程度の原子炉級プルトニウムが生成されている。このような原子炉級プルトニウムは、核兵器製造に用いられる可能性がある。したがって、従来の原子炉の炉心から排出される核燃料は極めて拡散しやすい物質であり、権限の無い者による廃棄核燃料の入手を阻止するための予防的対策が必要である。米国及び旧ソビエト連邦が核兵器を廃棄したときに生じる兵器級プルトニウムが大量に貯蔵されており、安全保障面で同様の問題がある。
【0005】
従来の原子炉においては、長期間に亘って放射能を放出する放射性廃棄物を廃棄する必要がある。また、天然ウラン鉱の供給が世界的に急激に減少していることも問題である。
【0006】
このような問題に対処するため、比較的少量の非拡散性濃縮ウラン(この濃縮ウランは濃縮度20%以下のU−235成分を有する。)を使用し、プルトニウムのような拡散性物質を大量に生じることのない原子炉の開発が進められている。このような原子炉の例が、国際公開第WO85/01826号公報及び国際公開第WO93/16477号公報に開示されている。これらの公報には、シード領域及び増殖領域を含むシード・増殖炉心(seed-and-breeding
core)を備える原子炉が開示されている。この原子炉は、トリウム燃料を備えるブランケット領域から出力の多くを取り出す。この増殖領域は、非拡散性濃縮ウランの燃料棒が配置されたシード領域を取り囲んでいる。シード領域燃料棒のウランから放出された中性子が増殖領域のトリウムに捕獲されることによって核分裂性のU−233が生成され、このU−233がin situで燃焼して原子力発電プラント用の熱を発生させる。
【0007】
世界におけるトリウムの埋蔵量はウランの埋蔵量を大きく上回っているため、原子炉用核燃料としてトリウムが有望視されている。また、上記の原子炉は、装着された当初の核燃料と各燃料サイクルの最後に排出される核燃料のいずれもが核兵器製造に適したものではないという点で「非拡散的」である。このような非拡散性は、非拡散性の濃縮ウランのみをシード核燃料として用い、プルトニウムの生成量を最小にするような減速材対燃料体積比を選択することによって実現される。また、ブランケットサイクルの終了時にU−238成分と残留物U−233とが均一に混合されている増殖領域に少量の非拡散性濃縮ウランを添加し、U−233を「変性させる」(つまり、U−233の特性を変える)ことで、その成分が核兵器の製造に適さないものとなる。
【0008】
残念ながら、上述したタイプの原子炉はいずれも、真の意味で「非拡散的」ではない。特に、上述した構造の原子炉のいずれにおいても、下限を超える拡散性のあるプルトニウムがシード領域に生じることが分かった。内側又は中央の増殖領域と外側の外周増殖領域とを有する環状シードを使用すると、シード領域の「光学的厚さ」もシード領域の薄さに対応して薄くなってしまうため、内側増殖領域及び外側増殖領域の非常に硬いスペクトルが(中性子の)シード領域スペクトルによって支配されるので、「非拡散的」原子炉として運転されることが保証されない。この結果、シード領域において、熱外中性子の割合が高くなり、下限よりも多くの拡散性のプルトニウムが製造されることになる。
【0009】
また、上述したタイプの原子炉は、運転時のパラメータの観点から最適化されたものではない。例えば、シード領域におけるプルトニウムの量を最小限に抑え、シード領域の燃料棒から十分な熱を発生させ、増殖領域においてトリウムがU−233に最適に転換されるようにするためには、シード領域及び増殖領域における減速材対燃料体積比が極めて重要である。上述した国際出願で望ましいとされている減速材対燃料比の値は、シード領域では高すぎ、増殖領域では低すぎることが研究から分かった。
【0010】
また、上述したタイプの炉心は効率的なものではなく、この非効率性はシード領域燃料要素において非拡散性濃縮ウランが用いられる場合に特に顕著であった。そのために、各シード領域燃料サイクルの終了時に排出される燃料ロッドは、別の炉心での再利用のために再処理しなければならない大量の残留ウランを含む。
【0011】
また、国際公開第WO93/16477号公報に開示されている原子炉は、複雑な原子炉制御システムを必要とするため、従来の原子炉の炉心に再装着するのに適さない。同様に、国際公開第WO85/01826号公報に開示されている原子炉の炉心は、その設計パラメータが従来の炉心のパラメータに適合しないために、従来の炉心に転用することは容易ではない。
【0012】
最後に、上述の原子炉はトリウムと一緒に非拡散濃縮ウランを燃焼するように設計されているので、大量のプルトニウムを使用するには不適当である。したがって、これらのいずれの設計も貯蔵されているプルトニウムの問題を解決できない。
【0013】
ロシア連邦特許2176826号において、一組のシードブランケット領域を有する炉心を備えた原子炉であって、そのシードブランケット領域の各々が中央シード領域を含むものが開示されている。全てのシード領域は、ウラン−235及びウラン−238を含む核分裂可能な物質からなるシード領域燃料要素を含む。また、この原子炉は、主としてトリウムと体積比10%以下の濃縮ウランとを含む増殖領域の増殖燃料要素、減速材の核燃料に対する体積比が2.5から5.0の範囲にあるシード領域減速材、及び、減速材の核燃料に対する体積比が1.5から2.0の範囲にある増殖領域減速材を含む。シード領域燃料要素の各々はウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金を含み、シード領域は各シードブランケット領域の全体積の25〜40%を占める。
【0014】
公知の原子炉は、経済性の観点から最適な運転を行っており「拡散的」ではない。このような原子炉を用いることにより、拡散性のある廃棄物を生成することなく、トリウムとともに大量のプルトニウムを消費することができる。この原子炉は、高レベル放射性廃棄物をほとんど生成しないので、長期にわたって廃棄物を貯蔵する場所を確保する必要性が減少する。
【0015】
しかしながら、この原子炉で用いられるシードブランケット領域は、上述した既存のPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)での利用には適さないものである。
【0016】
ロシア連邦特許2176826号において、上述した原子炉と同様の軽水炉核燃料集合体が開示されている。この核燃料集合体は、具体的には、四角形の断面形状を有し、これによりシードブランケット領域で構成されている核燃料集合体を既存の軽水炉へ装着することを可能にしている。
【0017】
しかしながら、上述した特許は、集合体の断面形状以外には、原子炉の設計を変更せずに既存のPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)へ集合体を装着するための集合体の構成の変更について何ら開示していない。
【0018】
ロシア連邦特許2294570号においては、燃料要素束、スペーサグリッドに収容されたガイド管、下部ノズル、及び上部ノズルを含む軽水炉核燃料集合体が開示されている。このスペーサグリッドは、核燃料集合体の長さ方向に沿って配置された部材によって下部ノズルに接続されている。上部ノズルは、互いに接続された上部プレート及び下部プレート、これらのプレート間に配置された被覆リング、及びバネアッセンブリを含む。この上部ノズル被覆リングは、外部リブ、リムによって接続された突起部、及び有孔プレートによって接続された下部部材を備える。
【0019】
この公知の核燃料集合体は、ジャケットレス核燃料集合体型に分類される。この型の核燃料集合体は、VVER−1000型等の水冷水減速型の炉心を構成し、剛性に優れるとともに上部ノズルの長さが短縮されており、燃料棒束と下部ノズルとの間の空間が拡張され、これらと同時に燃料棒の長さを長くすることができるため、運転特性を向上させることができる。この型の核燃料集合体によって、核燃料集合体への高燃焼率核燃料の搭載量を増加させ、これにより炉心出力及び核燃料集合体のライフサイクルを増加させることができる。
【0020】
しかしながら、この集合体のすべての燃料要素は、軽水炉において従来から利用されている核分裂性物質からなるため、この種の集合体にとって上述の欠点は内在的なものであり、原子炉級プルトニウムが大量に生成されてしまう。また、主要集合体は、VVER−1000型の原子炉に用いられている。すなわち、その集合体は、六角形型の断面を有しており、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)において用いられる核燃料集合体の形状と一致しない。
【0021】
本発明の目的は、トリウムを燃料として含む増殖領域において出力の相当部分を生成するとともに使用中に拡散性の廃棄物を生成せず、その一方でその構造に実質的な変更を加えることなくPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)に搭載可能な核燃料集合体を形成することである。
【発明の概要】
【0022】
本発明の一実施形態に従って、上記の目的は、平面視方形の形状を有する軽水炉核燃料集合体が、方形座標グリッドの行及び列に断面的に配置されたシード燃料要素の束を含むシード領域を備えることによって達成される。シード燃料要素の各々は、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルと、前記シード領域を囲み、増殖燃料要素の束を含むブランケット領域とを備える。増殖燃料要素の各々は、セラミックトリウムを含む。この例において、増殖燃料要素は、2つの方形形状リング内にある方形座標グリッドの2つの行及び列に断面的に配置される。
【0023】
核燃料集合体は、PWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に配置されたガイド管を含み、これにより互換性を確保できる。具体的には、PWR型原子炉の17x17の核燃料集合体制御棒の24のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に24のガイド管を含むことにより互換性を確保する
【0024】
一組のシード燃料要素の各々は、らせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を備える。
【0025】
主に、核燃料集合体の断面におけるブランケット領域の燃料要素は、19行・19列から成る方形座標グリッドの2つの最外部の行及び列に配置され、当該シード燃料要素が、13行・13列から成る方形座標グリッドの行及び列に配置される。
【0026】
また、前記核燃料集合体は、方形の断面形状を有するチャネルを含み、シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の燃料要素から分離する。シード領域の下部ノズルは、前記チャネルに接続される。このシード領域の前記下部ノズルには、前記シード燃料要素を固定するために、支持フレーム構造が固定される。また、ガイドグリッドは、前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に取り付けられる。
【0027】
主に、シード燃料要素の数は144であり、増殖燃料要素の数は132である。
【0028】
前記ブランケット領域は、ブランケット領域下部ノズル、縦長に配置されたアングル要素、及び複数の縦長に配置されたポールを含み、ブランケット領域の前記下部ノズルを前記アングル要素及びポールに固定することによって、ブランケット領域フレーム構造を形成する。この例において、主に、アングル要素の数は、ポールの数と同様に、4である。
【0029】
スペーサグリッドは、前記フレーム構造に固定される。前記グリッドの各々の中央領域に前記シード領域を収容する開口部が設けられている
【0030】
前記シードブランケット領域はロック機構により互いに連結され、これにより、原子炉の前記炉心へこれらのモジュールをまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができ、また、シードブランケット領域を分離することができる
【0031】
本発明の目的は、本発明の他の実施形態に従って、前記核燃料集合体において、上記の実施形態とは異なり、増殖燃料要素が3つの方形リング内にある方形座標グリッドの行及び列に断面的に配置されることにより達成される。
【0032】
また、ガイド管の一部が前記シード領域内に載置されるとともに、前記チャネルの残りのものが前記ブランケット領域に載置される。この例において、全ての前記ガイド管をPWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように配置することにより互換性を確保するようにした
【0033】
燃料チャネルの第2の実施形態に従って、前記シードブランケット領域の燃料要素は、断面的に17行・17列の方形座標グリッドに配置され、前記シード燃料要素は、11行・11列のグリッドの中央部に配置されている。
【0034】
本実施形態における核燃料集合体は、第1の実施形態における集合体と同様に、断面方形の形状を有し、前記シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の前記燃料要素から分離するチャネルを含む。ここで、PWR型原子炉用の17x17の核燃料集合体の24の制御棒と一致するように、16のガイド管を前記チャネルの内側に配置する一方、8のガイド管を前記チャネルの外側に配置することにより、互換性を確保するようにした。シード領域の下部ノズルは、前記チャネルに接続されている。このシード領域の前記下部ノズルには、前記シード燃料要素を固定するために、支持フレーム構造が取り付けられている。ガイドグリッドは、前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に取り付けられる。
【0035】
核燃料集合体のこの実施形態においては、上述の実施形態とは異なり、多数のシード燃料要素が、前記核燃料集合体の断面に配置されるとともに方形座標グリッドの中央部において9行・9列に配置された多数の第1のシード燃料要素と、方形座標グリッドの前記中央部の前記最外部の行及び列に配置された多数の第2のシード燃料要素とを含み、多数の第1のシード燃料要素の各々が、第2のシード燃料要素の対角幅よりも大きな対角幅を有する。また、第1のシード燃料要素の数は72であり、第2のシード燃料要素の数は36である。
【0036】
前記第2のシード燃料要素は、前記シード領域の断面における前記2つの行の各々及び2つの列の各々において、前記チャネルの中心方向に移動される。前記シード燃料要素の水平方向の動きを制限する装置が、前記シード燃料要素の水平方向の動きを妨げるために、2つの隣接する第2のシード燃料要素の間における前記チャネルの内面に配置される。これらの装置は、前記シード領域のチャネルに接した隆起エリアの形状に形成されてもよく、前記チャネル内に縦長に配置された棒形状に形成されてもよい。
【0037】
集合体の本実施形態における多数の増殖燃料要素は、前記核燃料集合体の断面において方形座標グリッドの3つの最外部の行及び列に配置された156の増殖燃料要素を含む。
【0038】
本実施形態におけるブランケット領域は、第1の実施形態と同様に、ブランケット領域下部ノズルを含む。しかしながら、本実施形態においては、この下部ノズルは、ブランケット領域フレーム構造を形成するために、前記ブランケット領域に配置されたガイド管に固定されている。スペーサグリッドも前記フレーム構造に固定されている。前記グリッドの各々の中央領域には、開口部が前記シード領域を収容するように形成されている。
【0039】
第1の実施形態に対応する集合体と同様に、前記シードブランケット領域は、ロック機構により互いに連結されており、これにより、原子炉の前記炉心へ前記シードブランケット領域をまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができ、また、前記シードブランケット領域を分離することができる。
【0040】
第1及び第2の実施形態の両方と対応する核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴は、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴と一致し、これにより、互換性が確保できる。
前記核燃料集合体の出力電力は、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体に代わって原子炉に設置されたときに、原子炉の構造に追加的な変更を行うことなく、従来の核燃料集合体とともに作動することが意図されている原子炉の設計範囲限度内に入る。
【0041】
本発明の目的は、本発明に従って、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルを備え、四葉の輪郭を有する原子炉核燃料集合体の燃料要素を利用することによっても実現される。前記カーネルに加えて、当該要素は、前記カーネルを取り囲む被覆材を備える。輪郭の葉は、らせん状のスペーサリブを形成する。前記らせん状のスペーサリブの軸方向の撚りピッチは、前記燃料要素長の5%から30%の範囲にある。前記被覆材はジルコニウム合金から成る。実質的に方形の断面形状を有する制御材は、前記カーネルの長軸に沿って配置される。前記制御材は、ジルコニウム又はジルコニウム合金から成る。前記カーネルは、ウランの割合が30%以下であってウラン−235同位体を用いたウランの濃縮度が20%以下であるウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金から成る。前記カーネルは、原子炉級プルトニウムの割合が30%以下であるプルトニウム-ジルコニウム(Pu-Zr)合金から成る。
【0042】
また、本発明の目的は、本発明に従って、多数の核燃料集合体を含む軽水炉において、前記核燃料集合体の少なくとも1つ又は全てが本発明又は他の実施形態に従って形成されることにより実現される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の特徴及び有利な効果は、添付図面を参照することにより、以下に示す好ましい実施形態の詳細な説明によって明らかとなる。
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体の全体図
【0045】
【図2】本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体の断面レイアウト図
【0046】
【図3】本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体の全体図
【0047】
【図4】本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体の断面レイアウト図
【0048】
【図5】本発明の第2の実施形態シード領域の周辺領域における燃料要素の配置を示すレイアウト図
【0049】
【図6】シード領域燃料要素の斜視レイアウト図
【0050】
【図7】シード領域燃料要素の断面レイアウト図
【0051】
【図8】シードブランケット領域下部ノズル接続部の一態様を示すレイアウト図
【0052】
【図9】スペーサグリッドにおけるブランケット領域燃料要素の配置を示すレイアウト図
【0053】
【図10】本発明に従って実施された核燃料集合体を含む炉心の断面レイアウト図
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1には、本発明の第1の実施形態に従って、集合物1として核燃料集合体が図示されている。核燃料集合体1は、シード領域2、ブランケット領域3、上部ノズル4、シード領域下部ノズル5、及びブランケット領域下部ノズル6を含む。図2に示すように、シード領域2は燃料要素束7を含む一方、ブランケット領域3は燃料要素束8を含む。束7における各燃料要素は、燃料要素の長さ方向に沿ってらせん状のスペーサリブ9(図6)を形成する四葉の輪郭を有し濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネル10(図7)、及び、このカーネルを取り囲みジルコニウム合金11から形成される被覆材を含む。制御材12は、カーネル10内に配置される。全ての燃料要素7は、らせん状のスペーサリブ9の接触点において、束7内の隣接する燃料要素の各々と接触している。らせん状のスペーサリブ9の接触点は、らせん線ピッチの25%の距離だけ軸方向に互いに離れている。
【0055】
燃料要素8の各々は、平面視で円形の形状を有しており、濃縮ウランが添加されたトリウムから成る。燃料要素モジュール7及び燃料要素モジュール8は、核燃料集合体が全体として平面視で方形の形状を有するように、断面視で方形の座標グリッドの行と列に配置されている。具体的には、燃料要素モジュール7は、13行・13列の方形座標グリッドの行と列に配置される一方、ブランケット領域8の燃料要素は、19行・19列の方形座標グリッドの最外部の2つの行と列に配置される。
【0056】
燃料要素束7の輪郭は、例えば、12.6ミリメートル(mm)の一定の対角幅を有する。燃料要素7の数は144である。燃料要素8は、例えば、8.6 ミリメートル(mm)の一定の直径を有し。方形座標グリッドの2つの行及び列に方形部分の側部に沿って配置される。燃料要素8の数は132である。
【0057】
管13は、シード領域2の中心に配置され、制御部を収容するガイドチャネルを形成する。ガイド管14は、シード領域2の境界に配置される。ガイド管14には、軸方向への移動が可能となるように上部ノズル4に配置された吸収棒及び安全棒が挿入される。吸収棒及び安全棒は、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16(図8)によって、シード領域2の下部ノズル5及びブランケット領域3の下部ノズル6にも接続される。
【0058】
シード領域2の燃料要素束7は、下部ノズル5に固定されたチャネル17によって囲まれている。シード領域2の燃料要素束7の下端部は、支持フレーム構造18内に配置されており、上端部は、ガイドグリッド19(図1)内に配置されている。シード領域2の燃料要素7は、複合成型技術(雌型による押し出し成型)を用いて単一の集合体ユニットに成型されてもよい。らせん状のスペーサリブ9のらせん線のピッチは、燃料要素の断面対角幅に等しい距離だけ離れている隣接する燃料要素7の軸の相互配置の条件に基づいて選択され、燃料要素長の5%から30%の幅がある。
【0059】
ブランケット領域3は、4つのアングル要素20及び下部ノズル6に接続される4つのポール21によって形成されるフレーム構造を含む。スペーサグリッド22は、燃料要素8が通過する孔部(図9)を通じてフレーム構造に固定される。スペーサグリッド22は、シード領域2を収容するために中央領域に開口を有する。
【0060】
図3には、集合物1′として示される本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体が図示されている。この集合体は、シード領域2′、ブランケット領域3′、上部ノズル4′、シード領域下部ノズル5′、及びブランケット領域下部ノズル6′を含む。図4に示されるように、シード領域2′は、燃料要素束7′を含み、ブランケット領域3′は燃料要素束8′を含む。
【0061】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、燃料要素7′の各々は、燃料要素の長さ方向に沿ってらせん状のスペーサリブ9(図6)を形成する四葉の輪郭を有し、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネル10(図7)と、当該カーネル10を囲むジルコニウム合金から形成された被覆材11とを含む。制御材12は、カーネル10内に配置される。燃料要素8′の各々は、平面視で円形の形状を有しており、トリウム及びウランの様々なセラミック配合から成る。
【0062】
燃料要素モジュール7′及び燃料要素モジュール8′は、核燃料集合体が全体として平面視で方形形状を有するように、断面視で方形の座標グリッドの行及び列の形状に配置される。具体的には、シード領域7′及びブランケット領域8′の燃料要素は、17行・17列の方形座標グリッドに沿って配置され、燃料要素7′は、グリッドの中央部分に11行・11列に配置される。
【0063】
方形座標グリッドの行及び列の最外部に配置された燃料要素7′の輪郭は、例えば10.3 mmの同一の対角幅を有する。残りの燃料要素7′の輪郭は、例えば12.6 mmのより大きな対角幅を有し、この対角幅は一定である。方形座標グリッドの最外部の行及び列に配置される燃料要素7′の数は、36であり(方形座標グリッドの最外部の行及び列にそれぞれに9つ)、残りの燃料要素7′の数は72である。燃料要素8′は、例えば9.5 mmの一定の直径を有し、方形座標グリッドの3つの行及び列に配置される。燃料要素8′の数は156である。
【0064】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、管13は、シード領域2′の中心に配置され、制御部を収容するガイドチャネルを形成する。ガイド管14の一部は、シード領域2′の境界に配置され、軸方向への移動が可能となるように上部ノズル4に配置された吸収棒及び安全棒が挿入される。吸収棒及び安全棒は、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16(図8)によって、シード領域2′の下部ノズル5′にも接続されている。残りの周辺ガイド管14′は、ブランケット領域3′の境界に配置されており、軸方向への移動が可能となるように上部ノズル4に設置され、コレット固定具16(図8)のねじ継ぎ手15によって、ブランケット領域3′の下部ノズル6に接続される。
【0065】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、シード領域2′の燃料要素束7は、チャネル17′によって囲まれており、下部ノズル5′に固定されている。シード領域2′の燃料要素7′の下端部は、支持フレーム構造18内に配置されており、上端部は、ガイドグリッド19(図3)内に配置されている。
【0066】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体と同様に、ブランケット領域3′は、軸方向に移動可能にするために、上部ノズル4に設置される吸収棒及び安全棒を挿入するための周辺ガイド管14′によって構成されるフレーム構造を含む。スペーサグリッド22は、燃料要素8′(図9)が通過する開口部を通じてフレーム構造に取り付けられる。スペーサグリッド22は、シード領域2′を受け入れるために中央領域に開口を有する。
【0067】
シード領域2′のチャネル17′及びブランケット領域3′のフレーム構造は、図3に示されるように、核燃料集合体1′の上部に配置されたデタントによって結合される。ボールデタント23は、シェルリング24と接触し、ブランケット領域3′のフレーム構造に固定される。
【0068】
上述され、また、図4に図示されているように、シード領域2′の方形座標グリッドの最外部の行及び列にある燃料要素7′は、シード領域2′の残りの燃料要素7′よりも小さな対角幅を有する。チャネル17′内における燃料要素7′の相対位置を安定させるために、燃料要素7′の水平方向の移動を制限するための装置が内部面に配置される。
【0069】
図5には、本発明の第2の実施形態に従ったシード領域の周辺領域における燃料要素の配置が示されている。全ての燃料要素7′は、らせん状のスペーサリブ9の接線位置で、束7′内の隣接する燃料要素の各々と接触している。このらせん状のスペーサリブ9の接触位置は、らせん線ピッチの25%の距離だけ軸方向に互いに離れている。燃料要素7′は、図5の右側に示されているように、隆起エリア25(チャネル17′が変形して形成されたエリア)において、シード領域2′のチャネル17′と接触してもよい。図5の上部に示されているスペーサロッド26は、代替手段として用いられるものであり、軸方向に配置され、下部ノズル6′に取り付けられる。図5の実線及び破線は、接触点の位置を示すために、異なる断面における燃料要素7′の四葉の輪郭を表す。
【0070】
本発明に従った核燃料集合体は、濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネル10を有するシード領域の燃料要素を備える。カーネル10は、主にウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金から成る。燃料化合物のうちウランの割合は30%以下であり、濃縮度20%以下のウラン−235同位体を有する。あるいは、カーネル10は、プルトニウムの割合が30%以下であるプルトニウム・ジルコニウム(Pu-Zr)合金から成る。制御材12は、カーネル10の長軸に沿って配置され、実質的に正方形の断面形状を有する。らせん状のスペーサリブ9のらせん線のピッチは、燃料要素長の5%から30%である。
【0071】
この炉心は、従来のPWR型軽水炉(例えば、AP−1000、EPR等)と同じ幾何学的構成及び寸法を有している。したがって、この原子炉は、この種の集合体に再装着可能である。また、炉心は、必要な数の核燃料集合体から構成することができる。図10に、全体として円形の断面と各々が正方形の断面を有する複数の核燃料集合体を備える軽水炉炉心27の例を示す。
【0072】
本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体1は、以下の手順で実施される。燃料要素7、管13、及びガイド管14が、シード領域2の下部支持フレーム構造18に配置される。支持フレーム構造18が、シード領域2の下部ノズル5に固定される。燃料要素7の上端、管13、及びガイド管14が、上部ガイドグリッド19内に配置される。その後、チャネル17が燃料要素束の上から滑り落ちて、下部ノズル5及びガイドグリッド19に固定される。上部ノズル4が、管13の上端及びガイド管14の上端に設置され、管13及びガイド管14が、軸方向への移動を可能にする上部ノズル4内で固定される。
【0073】
アングル要素20及びポール21によって形成されスペーサグリッド22が配置される支持フレーム構造は、ブランケット領域3の下部ノズル6に固定される。ブランケット領域3の燃料要素8は、スペーサグリッド22に配置される。その後、燃料要素7を含み、管13及びガイド管14によって上部ノズルに接続された上部ノズル4及びシード領域2が、スペーサグリッド22の開口部に挿入される。この開口部を、管13及び周辺ガイド管14の下部がブランケット領域下部ノズル6を通って通過し、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16を用いて固定される。このようにして、シード領域2及びブランケット領域3は互いに接続される。
【0074】
密集した核燃料集合体1が、炉心27内に設置される。
【0075】
核燃料集合体1′が炉心27から除去された後、核燃料集合体1が逆の手順で分解される。
【0076】
本発明の第2の実施形態に従った核燃料集合体1′は、シード領域2′及びブランケット領域3′を相対的に固着するために用いられる方法に応じて異なる方法で実施される。
【0077】
1.ボールデタント23が用いられる場合には、そのボールデタント23がチャネル17′に固定される。また、シード領域2′は、本発明の第1の実施形態におけるシード領域2と同様の方法で設置される。燃料要素束7′、管13、及びガイド管14は、シード領域2′の下部支持フレーム構造18に配置される。支持フレーム構造18は、シード領域2′の下部ノズル5′に固定される。燃料要素束7′、管13、及びガイド管14の上端は、上部ガイドグリッド19内に配置される。その後、チャネル17′は、燃料要素束の上から滑り落ちて、下部ノズル5′及びガイドグリッド19に固定される。上部ノズル4は、管13の上端及びガイド管14の上端に設置される。管13及びガイド管14は、軸方向への移動が可能となるように固定される。
【0078】
周辺ガイド管14′は、ブランケット領域3′及びスペーサグリッド22の下部ノズル6に設置され、ガイド管14′に固定される。グリッド22は、ブランケット領域3′のフレーム構造を形成する。ブランケット領域3′の燃料要素8 は、スペーサグリッド22及びシェルリング24内に配置される。
【0079】
その後、燃料要素7′を含み、管13及び周辺ガイド管14′ によって上部ノズルに接続された上部ノズル4及びシード領域2′は、スペーサグリッド22の開口部に挿入され、ガイド管14′が上部ノズル4内で軸方向への移動が可能となるように固定される。ボールデタント23によって、シード領域2′及びブランケット領域3′のフレーム構造を相対的に固着することができる。
【0080】
密集した核燃料集合体1が炉心27に設置される。
【0081】
核燃料集合体1′が炉心27から除去された後、核燃料集合体1′は逆の手順で分解される。
【0082】
2.ねじ継ぎ手又はコレット固定具が用いられる場合には、核燃料集合体1′は、本発明の第1の実施形態に従った核燃料集合体が組み立てられ分解されたのと類似の方法で、組み立てられ分解される。すなわち、シード領域2′の下部ノズル5及びブランケット領域3′の下部ノズル6は、ねじ継ぎ手15又はコレット固定具16によって接続される。
【0083】
炉心27において、核燃料集合体1及び核燃料集合体1′は、公知のPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)と同様の方法で機能する。
【0084】
本発明を利用することにより、核燃料集合体の構造中にトリウムの部材(ブランケット領域)が存在するので、天然ウランを節約することができる。これは、トリウムが分裂の過程でウラン−233の形で2次的な核燃料を蓄積し、この燃料を燃焼させることにより当該核燃料集合体を有する原子炉炉心の出力に大きく貢献するためである。これによって、従来のPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)用の従来の2次的核燃料(核兵器製造にも用いることができる原子炉級プルトニウム)の蓄積が大きく減少(80%減少)し、新たな2次的核燃料であるウラン−233(より正確には、トリウムブランケット領域内で「in situ」で燃焼された後に残された部分)は、ウラン−232同位体及びプルトニウム同位体が混入していて核兵器製造に用いることができないため、非拡散特性を向上させることができ、使用済核燃料集合体の取り扱いの問題を簡素化することができる。使用済核燃料集合体の取り扱いに関する問題は、廃棄物の量を減らし、核燃料の特定のライフサイクルを増加させ、排出された核燃料に含まれる長寿命の放射性毒物を有する同位体の含有量を減少させることで、簡素化することができる。
【0085】
本発明に係る核燃料集合体の構造は、機械的、水力学的、及び中性子の側面から見て、標準的な核燃料集合体の構造と互換性があるため、PWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)において本発明に係る核燃料集合体を使用することが可能となる。
【0086】
PWR原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)の標準的な核燃料集合体との機械的互換性は以下に掲げるものにより確保される。
− 長期運転が行われ高燃料熱焼損が存在する場合に耐変形性を可能にする耐力フレーム構造の存在及び同一の接続寸法、
− 標準的な核燃料集合体の類似部分と互換性のある下部ノズル、上部ノズル、及び耐力フレーム構造の使用、及び
− 標準的な制御機構及び再充填装置と互換性があるシード領域構造。
【0087】
共通の供給(排出)・回収上部ノズルによって連結されるシードブランケット領域によって形成された2つの平行なチャネルを含むシステムが存在するため、本発明に係る核燃料集合体の水力特性の全ては、標準的な核燃料集合体の特性と実質的に一致する。シードブランケット領域は、下部吸入部及び上部排出部において水力学的に接続される。この核燃料集合体を実施することにより、本発明に係る核燃料集合体を備えたPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)の炉心の耐久性を標準的な値に維持することができる。したがって、本発明に係る核燃料集合体をPWR型原子炉(例えば、AP−1000、EPR等)に搭載しても、原子炉の主ループにおける冷却液流速に変化は生じない。集合体の吸入部、ブランケット領域の中心部、及び集合体の排出部との間の水力学的耐久度は、本発明に係る核燃料集合体と標準的な核燃料集合体とで同程度であり、これによって、本発明に係る核燃料集合体と標準的な核燃料集合体との水力学的互換性が確保され、これらの間で新たな(追加的な)冷却液の不足も起こらない。これにより、本発明に係る核燃料集合体の一部を、原子炉用の標準的な核燃料集合体と同時に、原子炉において使用することができる。
【0088】
標準的な核燃料集合体との中性子物理的な互換性は、以下のものによって提供される。
− 特定の核燃料組成及び可燃吸収剤を有する組成を用いることによる、バーンアウトが起こるまでの特定の寿命が実現される。
− シードブランケット領域燃料組成において特定の燃料充填内容物を用いることにより、核燃料集合体の標準的な出力が実現される。
− シード領域燃料要素の様々な列における特定の燃料充填内容物及びブランケット領域における特定の燃料充填内容物を用いることにより、エネルギー放出プロファイルの不均一さを支配する要件が満たされる。
− 標準的な核燃料集合体における一般的な範囲内での反応度効果は、特定の燃料組成物特性を用いることによって維持される。
− 制御部を収容する2つの部分から成る核燃料集合体構造が制御部を収容する標準的な燃料チャネル(管)配置と互換性を有することによって、標準的な制御による出力レベルの規制及び電力放出が可能となる。
【0089】
本発明の他の効果は、本発明に係る2つの部分から成る核燃料集合体が取り外し可能であるため、シード領域の独立なモジュール式充填が可能となることである。シード領域のモジュール式充填をより頻繁に行うことにより、集合体のブランケット領域に載置されたトリウムにとってより望ましい環境(中性子バランス及び照射時間について)を形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されたシード燃料要素の束を含むシード領域であって、シード燃料要素の各々が濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルを有するものと、
前記シード領域を囲み、増殖燃料要素の束を含むブランケット領域であって、増殖燃料要素の束の各々がセラミックトリウムを含み、前記増殖燃料要素が、2つの方形形状リング内にある断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されている、
平面視で方形形状を有する軽水炉用の核燃料集合体。
【請求項2】
PWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に配置されたガイドチャネルを含むことにより互換性を確保するようにした請求項1の核燃料集合体。
【請求項3】
PWR型原子炉の17x17の核燃料集合体制御棒の24のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に24のガイドチャネルを含むことにより互換性を確保するようにした請求項2の核燃料集合体。
【請求項4】
前記一組のシード燃料要素が、らせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を備えた請求項1の核燃料集合体。
【請求項5】
前記核燃料集合体の断面においてブランケット領域の燃料要素が、19行・19列から成る方形座標グリッドの2つの最外部の行及び列に配置され、前記シード燃料要素が、13行・13列から成る方形座標グリッドの行及び列に配置される請求項4の核燃料集合体。
【請求項6】
方形の断面形状を有するチャネルを含み、シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の燃料要素から分離する請求項5の核燃料集合体。
【請求項7】
前記チャネルに接続されたシード領域の下部ノズルを含む請求項6の核燃料集合体。
【請求項8】
前記シード燃料要素を固定するために、シード領域の前記下部ノズルに固定された支持フレーム構造を含む請求項7の核燃料集合体。
【請求項9】
前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に固定されたガイドグリッドを含む請求項6の核燃料集合体。
【請求項10】
シード燃料要素の数が144である請求項5の核燃料集合体。
【請求項11】
増殖燃料要素の数が132である請求項5の核燃料集合体。
【請求項12】
前記ブランケット領域が、ブランケット領域下部ノズル、縦長に配置されたアングル要素、及び複数の縦長に配置されたポールを含み、ブランケット領域の前記下部ノズルを前記アングル要素及びポールに固定することによって、ブランケット領域フレーム構造を形成する請求項1の核燃料集合体。
【請求項13】
アングル要素の数は4である請求項12の核燃料集合体。
【請求項14】
ポールの数は4である請求項13の核燃料集合体。
【請求項15】
スペーサグリッドの前記フレーム構造に固定されるスペーサグリッドを含み、前記グリッドの各々の中央領域に前記シード領域を収容する開口部が設けられている請求項12の核燃料集合体。
【請求項16】
原子炉の前記炉心へ前記シードブランケット領域をまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができるようにするために、前記シードブランケット領域を連結する装置を含む請求項1の核燃料集合体。
【請求項17】
前記シードブランケット領域を分離することができるように、前記シードブランケット領域を連結する装置が取り外し可能に形成されている請求項16の核燃料集合体。
【請求項18】
寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴が、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴と一致することにより、互換性を確保するようにした請求項1の核燃料集合体。
【請求項19】
原子炉に設置されたときに、原子炉の構造に追加的な変更を行うことなく、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体に代わって従来の核燃料集合体とともに作動することが意図されている原子炉の設計範囲限度内に出力電力が入る請求項18の核燃料集合体。
【請求項20】
断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されたシード燃料要素の束を含むシード領域であって、シード燃料要素の各々が濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルを備えるものと、
前記シード領域を囲み、増殖燃料要素の束を含むブランケット領域であって、増殖燃料要素の束の各々がセラミックトリウムを含み、前記増殖燃料要素が、3つの方形形状リング内にある断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されている、
平面視方形形状を有する軽水炉用の核燃料集合体。
【請求項21】
一部のチャネルが前記シード領域内に載置されるとともに残りのチャネルが前記ブランケット領域内に載置されたガイドチャネルを含み、PWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように全ての前記ガイド管を配置することにより互換性を確保するようにした請求項20の核燃料集合体。
【請求項22】
一部のチャネルが前記シード領域内に載置されるとともに残りのチャネルが前記ブランケット領域内に載置されたガイドチャネルを含み、PWR型原子炉の17x17の核燃料集合体制御棒の24の制御棒と一致するように24のガイド管の全てを配置することにより互換性を確保するようにした請求項21の核燃料集合体。
【請求項23】
多数のシード燃料要素の各々が、らせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を有する請求項20の核燃料集合体。
【請求項24】
前記核燃料集合体の断面におけるシードブランケット領域の前記燃料要素が、17行・17列の方形座標グリッドに配置され、前記シード燃料要素が、当該グリッドの中央部において11行・11列に配置されている請求項23の核燃料集合体。
【請求項25】
断面方形の形状を有し、前記シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の前記燃料要素から分離するチャネルを含む請求項24の核燃料集合体。
【請求項26】
24のガイドチャネルを含み、PWR型原子炉用の17x17の核燃料集合体の前記24の制御棒と一致するように、そのうち16のガイドチャネルを前記チャネルの内側に配置し、8のガイドチャネルを前記チャネルの外側に配置することにより、互換性を確保するようにした請求項25の核燃料集合体。
【請求項27】
前記チャネルに接続されたシード領域の下部ノズルを含む請求項25の核燃料集合体。
【請求項28】
前記シード燃料要素を固定するために、シード領域の前記下部ノズルに固定された支持フレーム構造を含む請求項27の核燃料集合体。
【請求項29】
前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に固定されたガイドグリッドを含む請求項28の核燃料集合体。
【請求項30】
前記多数のシード燃料要素が、前記核燃料集合体の断面に配置されるとともに方形座標グリッドの中央部において9行・9列に配置された多数の第1のシード燃料要素と、方形座標グリッドの前記中央部の前記最外部の行及び列に配置された多数の第2のシード燃料要素とを含み、多数の第1のシード燃料要素の各々が、第2のシード燃料要素の対角幅よりも大きな対角幅を有する請求項25の燃料要素。
【請求項31】
第1のシード燃料要素の数は72であり、第2のシード燃料要素の数は36である請求項30の核燃料集合体。
【請求項32】
前記第2のシード燃料要素が、前記シード領域の断面における前記2つの行の各々及び2つの列の各々において、前記チャネルの中心方向に移動される請求項31の燃料要素。
【請求項33】
前記シード燃料要素の動きを制限する装置が、2つの隣接する第2のシード燃料要素の間で前記チャネルの内面に配置された請求項32の核燃料集合体。
【請求項34】
前記シード燃料要素の水平方向の動きを制限する前記装置が、前記シード領域のチャネルに接した隆起エリアの形状に形成される請求項33の核燃料集合体。
【請求項35】
前記シード燃料要素の水平方向の動きを制限する前記装置が、前記チャネル内に縦長に配置された棒形状に形成される請求項33の核燃料集合体。
【請求項36】
前記一組の増殖燃料要素が、前記核燃料集合体の断面において方形座標グリッドの3つの最外部の行及び列に配置された156の増殖燃料要素を含む請求項24の核燃料集合体。
【請求項37】
前記ブランケット領域が、前記ブランケット領域に配置され、ガイドチャネルに固定されたブランケット領域下部ノズルを含むことにより、ブランケット領域フレーム構造を形成する請求項21の核燃料集合体。
【請求項38】
前記フレーム構造に固定されたスペーサグリッドを含み、前記グリッドの各々の中央領域において、開口部が前記シード領域を収容するように形成されている請求項37の核燃料集合体。
【請求項39】
原子炉の前記炉心へ前記シードブランケット領域をまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができるようにするために、前記シードブランケット領域を連結する装置を含む請求項20の核燃料集合体。
【請求項40】
前記シードブランケット領域を分離することができるように、前記シードブランケット領域を連結する装置が取り外し可能に形成されている請求項39の核燃料集合体。
【請求項41】
寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴が、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴と一致することにより、互換性を確保するようにした請求項20の核燃料集合体。
【請求項42】
PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体に代わって原子炉に設置されたときに、原子炉の構造に追加的な変更を行うことなく、その出力電力が、従来の核燃料集合体とともに作動することが意図されている原子炉の設計範囲限度内に入る請求項41の核燃料集合体。
【請求項43】
濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルと、
前記カーネルを取り囲む被覆材と、を含む、
軽水炉用の四葉の輪郭を有する核燃料集合体燃料要素。
【請求項44】
前記輪郭の葉がらせん状のスペーサリブを形成する請求項43の燃料要素。
【請求項45】
前記らせん状のスペーサリブの軸方向の撚りピッチが前記燃料要素長の5%から30%の範囲にある請求項44の燃料要素。
【請求項46】
前記被覆材がジルコニウム合金から成る請求項43の燃料要素。
【請求項47】
前記カーネルの長軸に沿って配置され、実質的に方形の断面形状を有する制御材を含む請求項43の燃料要素。
【請求項48】
前記制御材がジルコニウム又はジルコニウム合金から成る請求項47の燃料要素。
【請求項49】
前記カーネルが、ウランの割合が30%以下であってウラン−235同位体を用いたウランの濃縮度が20%以下であるウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金から成る請求項43の燃料要素。
【請求項50】
前記カーネルが原子炉級プルトニウムの割合が30%以下であるプルトニウム-ジルコニウム(Pu-Zr)合金から成ることを特徴とする請求項43の燃料要素。
【請求項51】
一組の核燃料集合体を含み、請求項1〜19の核燃料集合体を少なくとも1つ含むことを特徴とする軽水炉。
【請求項52】
全ての前記核燃料集合体が請求項1〜19の核燃料集合体であることを特徴とする請求項51の軽水炉。
【請求項53】
多数の核燃料集合体を含み、請求項20〜42の核燃料集合体を少なくとも1つ含むことを特徴とする軽水炉
【請求項54】
全ての核燃料集合体が請求項20〜42の核燃料集合体であることを特徴とする請求項53の軽水炉。
【請求項1】
断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されたシード燃料要素の束を含むシード領域であって、シード燃料要素の各々が濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルを有するものと、
前記シード領域を囲み、増殖燃料要素の束を含むブランケット領域であって、増殖燃料要素の束の各々がセラミックトリウムを含み、前記増殖燃料要素が、2つの方形形状リング内にある断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されている、
平面視で方形形状を有する軽水炉用の核燃料集合体。
【請求項2】
PWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に配置されたガイドチャネルを含むことにより互換性を確保するようにした請求項1の核燃料集合体。
【請求項3】
PWR型原子炉の17x17の核燃料集合体制御棒の24のガイド管の位置と一致するように前記シード領域内に24のガイドチャネルを含むことにより互換性を確保するようにした請求項2の核燃料集合体。
【請求項4】
前記一組のシード燃料要素が、らせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を備えた請求項1の核燃料集合体。
【請求項5】
前記核燃料集合体の断面においてブランケット領域の燃料要素が、19行・19列から成る方形座標グリッドの2つの最外部の行及び列に配置され、前記シード燃料要素が、13行・13列から成る方形座標グリッドの行及び列に配置される請求項4の核燃料集合体。
【請求項6】
方形の断面形状を有するチャネルを含み、シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の燃料要素から分離する請求項5の核燃料集合体。
【請求項7】
前記チャネルに接続されたシード領域の下部ノズルを含む請求項6の核燃料集合体。
【請求項8】
前記シード燃料要素を固定するために、シード領域の前記下部ノズルに固定された支持フレーム構造を含む請求項7の核燃料集合体。
【請求項9】
前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に固定されたガイドグリッドを含む請求項6の核燃料集合体。
【請求項10】
シード燃料要素の数が144である請求項5の核燃料集合体。
【請求項11】
増殖燃料要素の数が132である請求項5の核燃料集合体。
【請求項12】
前記ブランケット領域が、ブランケット領域下部ノズル、縦長に配置されたアングル要素、及び複数の縦長に配置されたポールを含み、ブランケット領域の前記下部ノズルを前記アングル要素及びポールに固定することによって、ブランケット領域フレーム構造を形成する請求項1の核燃料集合体。
【請求項13】
アングル要素の数は4である請求項12の核燃料集合体。
【請求項14】
ポールの数は4である請求項13の核燃料集合体。
【請求項15】
スペーサグリッドの前記フレーム構造に固定されるスペーサグリッドを含み、前記グリッドの各々の中央領域に前記シード領域を収容する開口部が設けられている請求項12の核燃料集合体。
【請求項16】
原子炉の前記炉心へ前記シードブランケット領域をまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができるようにするために、前記シードブランケット領域を連結する装置を含む請求項1の核燃料集合体。
【請求項17】
前記シードブランケット領域を分離することができるように、前記シードブランケット領域を連結する装置が取り外し可能に形成されている請求項16の核燃料集合体。
【請求項18】
寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴が、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴と一致することにより、互換性を確保するようにした請求項1の核燃料集合体。
【請求項19】
原子炉に設置されたときに、原子炉の構造に追加的な変更を行うことなく、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体に代わって従来の核燃料集合体とともに作動することが意図されている原子炉の設計範囲限度内に出力電力が入る請求項18の核燃料集合体。
【請求項20】
断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されたシード燃料要素の束を含むシード領域であって、シード燃料要素の各々が濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルを備えるものと、
前記シード領域を囲み、増殖燃料要素の束を含むブランケット領域であって、増殖燃料要素の束の各々がセラミックトリウムを含み、前記増殖燃料要素が、3つの方形形状リング内にある断面方形の座標グリッドの行及び列に配置されている、
平面視方形形状を有する軽水炉用の核燃料集合体。
【請求項21】
一部のチャネルが前記シード領域内に載置されるとともに残りのチャネルが前記ブランケット領域内に載置されたガイドチャネルを含み、PWR型原子炉の核燃料集合体制御棒用のガイド管の位置と一致するように全ての前記ガイド管を配置することにより互換性を確保するようにした請求項20の核燃料集合体。
【請求項22】
一部のチャネルが前記シード領域内に載置されるとともに残りのチャネルが前記ブランケット領域内に載置されたガイドチャネルを含み、PWR型原子炉の17x17の核燃料集合体制御棒の24の制御棒と一致するように24のガイド管の全てを配置することにより互換性を確保するようにした請求項21の核燃料集合体。
【請求項23】
多数のシード燃料要素の各々が、らせん状のスペーサリブを形成する四葉の輪郭を有する請求項20の核燃料集合体。
【請求項24】
前記核燃料集合体の断面におけるシードブランケット領域の前記燃料要素が、17行・17列の方形座標グリッドに配置され、前記シード燃料要素が、当該グリッドの中央部において11行・11列に配置されている請求項23の核燃料集合体。
【請求項25】
断面方形の形状を有し、前記シード領域の前記燃料要素を前記ブランケット領域の前記燃料要素から分離するチャネルを含む請求項24の核燃料集合体。
【請求項26】
24のガイドチャネルを含み、PWR型原子炉用の17x17の核燃料集合体の前記24の制御棒と一致するように、そのうち16のガイドチャネルを前記チャネルの内側に配置し、8のガイドチャネルを前記チャネルの外側に配置することにより、互換性を確保するようにした請求項25の核燃料集合体。
【請求項27】
前記チャネルに接続されたシード領域の下部ノズルを含む請求項25の核燃料集合体。
【請求項28】
前記シード燃料要素を固定するために、シード領域の前記下部ノズルに固定された支持フレーム構造を含む請求項27の核燃料集合体。
【請求項29】
前記シード燃料要素の載置を促進するために、軸方向に自由に移動できるように前記チャネルの上部に固定されたガイドグリッドを含む請求項28の核燃料集合体。
【請求項30】
前記多数のシード燃料要素が、前記核燃料集合体の断面に配置されるとともに方形座標グリッドの中央部において9行・9列に配置された多数の第1のシード燃料要素と、方形座標グリッドの前記中央部の前記最外部の行及び列に配置された多数の第2のシード燃料要素とを含み、多数の第1のシード燃料要素の各々が、第2のシード燃料要素の対角幅よりも大きな対角幅を有する請求項25の燃料要素。
【請求項31】
第1のシード燃料要素の数は72であり、第2のシード燃料要素の数は36である請求項30の核燃料集合体。
【請求項32】
前記第2のシード燃料要素が、前記シード領域の断面における前記2つの行の各々及び2つの列の各々において、前記チャネルの中心方向に移動される請求項31の燃料要素。
【請求項33】
前記シード燃料要素の動きを制限する装置が、2つの隣接する第2のシード燃料要素の間で前記チャネルの内面に配置された請求項32の核燃料集合体。
【請求項34】
前記シード燃料要素の水平方向の動きを制限する前記装置が、前記シード領域のチャネルに接した隆起エリアの形状に形成される請求項33の核燃料集合体。
【請求項35】
前記シード燃料要素の水平方向の動きを制限する前記装置が、前記チャネル内に縦長に配置された棒形状に形成される請求項33の核燃料集合体。
【請求項36】
前記一組の増殖燃料要素が、前記核燃料集合体の断面において方形座標グリッドの3つの最外部の行及び列に配置された156の増殖燃料要素を含む請求項24の核燃料集合体。
【請求項37】
前記ブランケット領域が、前記ブランケット領域に配置され、ガイドチャネルに固定されたブランケット領域下部ノズルを含むことにより、ブランケット領域フレーム構造を形成する請求項21の核燃料集合体。
【請求項38】
前記フレーム構造に固定されたスペーサグリッドを含み、前記グリッドの各々の中央領域において、開口部が前記シード領域を収容するように形成されている請求項37の核燃料集合体。
【請求項39】
原子炉の前記炉心へ前記シードブランケット領域をまとめて挿入し、前記炉心から単一のユニットとして抜き出すことができるようにするために、前記シードブランケット領域を連結する装置を含む請求項20の核燃料集合体。
【請求項40】
前記シードブランケット領域を分離することができるように、前記シードブランケット領域を連結する装置が取り外し可能に形成されている請求項39の核燃料集合体。
【請求項41】
寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴が、PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体の寸法及び形状並びに中性子及び熱水力学特徴と一致することにより、互換性を確保するようにした請求項20の核燃料集合体。
【請求項42】
PWR型原子炉用の従来の核燃料集合体に代わって原子炉に設置されたときに、原子炉の構造に追加的な変更を行うことなく、その出力電力が、従来の核燃料集合体とともに作動することが意図されている原子炉の設計範囲限度内に入る請求項41の核燃料集合体。
【請求項43】
濃縮ウラン又はプルトニウムを含むカーネルと、
前記カーネルを取り囲む被覆材と、を含む、
軽水炉用の四葉の輪郭を有する核燃料集合体燃料要素。
【請求項44】
前記輪郭の葉がらせん状のスペーサリブを形成する請求項43の燃料要素。
【請求項45】
前記らせん状のスペーサリブの軸方向の撚りピッチが前記燃料要素長の5%から30%の範囲にある請求項44の燃料要素。
【請求項46】
前記被覆材がジルコニウム合金から成る請求項43の燃料要素。
【請求項47】
前記カーネルの長軸に沿って配置され、実質的に方形の断面形状を有する制御材を含む請求項43の燃料要素。
【請求項48】
前記制御材がジルコニウム又はジルコニウム合金から成る請求項47の燃料要素。
【請求項49】
前記カーネルが、ウランの割合が30%以下であってウラン−235同位体を用いたウランの濃縮度が20%以下であるウラン・ジルコニウム(U-Zr)合金から成る請求項43の燃料要素。
【請求項50】
前記カーネルが原子炉級プルトニウムの割合が30%以下であるプルトニウム-ジルコニウム(Pu-Zr)合金から成ることを特徴とする請求項43の燃料要素。
【請求項51】
一組の核燃料集合体を含み、請求項1〜19の核燃料集合体を少なくとも1つ含むことを特徴とする軽水炉。
【請求項52】
全ての前記核燃料集合体が請求項1〜19の核燃料集合体であることを特徴とする請求項51の軽水炉。
【請求項53】
多数の核燃料集合体を含み、請求項20〜42の核燃料集合体を少なくとも1つ含むことを特徴とする軽水炉
【請求項54】
全ての核燃料集合体が請求項20〜42の核燃料集合体であることを特徴とする請求項53の軽水炉。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−514197(P2012−514197A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543460(P2011−543460)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際出願番号】PCT/RU2008/000801
【国際公開番号】WO2010/074592
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510161299)トリウム・パワー、インク (2)
【氏名又は名称原語表記】THORIUM POWER,INC.
【住所又は居所原語表記】1600 Tysons Boulevard Suite 550 McLean, VA 22101, United States of America
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際出願番号】PCT/RU2008/000801
【国際公開番号】WO2010/074592
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510161299)トリウム・パワー、インク (2)
【氏名又は名称原語表記】THORIUM POWER,INC.
【住所又は居所原語表記】1600 Tysons Boulevard Suite 550 McLean, VA 22101, United States of America
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