説明

軽油代替燃料の製造装置

【課題】油脂とアルコールと触媒を入れて、エステル交換反応を行って得られた脂肪酸アルコールエステルからグリセリンを速やかに分離除去して軽油代替燃料を製造できる軽油代替燃料の製造装置を提供する。
【解決手段】容器1の底部にに超音波振動子2を装着し、超音波振動子2に発振器3を接続し、容器1に脂肪酸アルコールエステル4を入れ、発振器3からの出力で、超音波振動子2から周波数が40〜500KHzで、照射強度が0.5W・cm2以下の超音波を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸アルコールエステルからグリセリンを除去して軽油代替燃料を製造する軽油代替燃料の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物油は軽油より着火性が悪く、又、流動性も高いので、そのままでは軽油代替燃料としては適さないが、植物油を原料とし、アルコールとの反応で得られる脂肪酸アルコールエステルは、バイオディーゼル燃料油として、炭酸ガスを増やさないので、地球温暖化対策として有望視されており、このような脂肪酸アルコールエステルは、植物油とアルコールと触媒を混合すると、エステル交換反応が生じ、植物油の殆どが脂肪酸アルコールエステルに代わり、副生物としてグリセリンと脂肪酸石鹸ができるが、この製造技術では、副原料のアルコールや触媒を過剰に入れるので、エステルやグリセリンの純度が下がり、バイオディーゼル燃料としての燃焼性や排ガス組成に悪影響を及ぼし、実用化の障害になり、しかも、製品を精製するために、従来の精製技術をそのまま採用すると、多大なコストが係るという問題がある。
【0003】
この欠点を解消するために、エステル交換反応で生成された生成物に周波数が200〜3000KHz、照射強度を

の超音波を照射して、脂肪酸アルコールエステルとグリセリンを分離する技術が提案されている。
【0004】
しかしながら、このエステル交換反応で生成された生成物に周波数が200〜3000KHz、照射強度を

の超音波を照射した場合、脂肪酸アルコールエステルとグリセリンを分離するための時間がかかるという問題があった。
【特許文献1】特願2004−156022
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の脂肪酸アルコールエステルとグリセリンを分離する技術では、分離するための時間がかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、油脂とアルコールと触媒を入れて、エステル交換反応を行って得られた脂肪酸アルコールエステルを入れた容器と、該容器に装着され、周波数が40〜500KHzで、照射強度が

以下の超音波を照射する超音波振動子とからなり、前記容器の前記脂肪酸アルコールエステルからグリセリンを速やかに分離するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、周波数が40〜500KHzの超音波を脂肪酸アルコールエステルを入れた容器に照射することにより、脂肪酸アルコールエステルからグリセリンを速やかに分離することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、脂肪酸アルコールエステルからグリセリンを速やかに分離するために、周波数が40〜500KHzの超音波を脂肪酸アルコールエステルを入れた容器に照射するするものである。
【実施例】
【0009】
図1は本発明の実施例の軽油代替燃料の製造装置の断面図で、容器1の底部に超音波振動子2を装着し、超音波振動子2に発振器3を接続し、容器1に脂肪酸アルコールエステル4を入れ、発振器3からの出力で、超音波振動子2から周波数が40〜500KHzで、照射強度が

以下の超音波を照射する。
【0010】
このように構成した本実施例の軽油代替燃料の製造装置では、容器1に入れた脂肪酸アルコールエステル4に超音波振動子2から周波数が40〜500KHzで、照射強度が

以下の超音波を照射することにより、分離界面に脂肪酸アルコールエステル4からグリセリンを速やかにきれいに分離することができ、この分離時間は容器1に入れた脂肪酸アルコールエステル4の量で分離時間は僅かに数十分であった。
【0011】
上記実施例では、超音波振動子からの超音波の発振出力を間欠発振とすることにより、定在波に集められた分離物を速やかに沈降させることができ、又、超音波振動子2を容器1の側面に装着することにより、定在波に集められた分離物を速やかに沈降させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
上記実施例では、軽油代替燃料の製造において、製造工程の短縮に役立つものである 。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例の軽油代替燃料の製造装置の断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 容器
2 超音波振動子
3 発振器
4 脂肪酸アルコールエステル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂とアルコールと触媒を入れて、エステル交換反応を行って得られた脂肪酸アルコールエステルを入れた容器と、該容器に装着され、周波数が40〜500KHzで、照射強度が

以下の超音波を照射する超音波振動子とからなり、前記容器の前記脂肪酸アルコールエステルからグリセリンを速やかに分離することを特徴とする軽油代替燃料の製造装置。
【請求項2】
前記超音波振動子からの超音波の発振出力を間欠発振とすることを特徴とする請求項1記載の軽油代替燃料の製造装置。
【請求項3】
前記超音波振動子を前記容器の側面に装着することを特徴とする請求項1記載の軽油代替燃料の製造装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2008−266476(P2008−266476A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112243(P2007−112243)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】