説明

輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム

【課題】混信の問題を防止、或いは実用上問題がないレベルに抑制できる信頼性が高い輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムを提供する。
【解決手段】複数のデジタル無線受信機16と複数のデジタル無線マイクロフォン20とを含み、デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20の一方は複数の候補チャンネルの中から1種類のチャンネルを自動的に選択、設定するチャンネル主導設定部22を備え、他方はチャンネル主導設定部22の選択に追従してチャンネルを設定するチャンネル追従設定部24を備え、チャンネル主導設定部22は、チャンネルをランダムに選択し初期のチャンネルとして設定するチャンネル初期設定部26と、通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合に他のチャンネルを選択、設定するチャンネル自動変更部30と、設定チャンネル送信部32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は路線バス等の輸送機械に用いられるデジタル無線マイクロフォンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路線バス、電車等の輸送機械では例えば次の停留所や駅を乗務員が乗客に知らせるためにマイクロフォンシステムが使用されている(例えば、特許文献1参照)。路線バスでは主として有線のマイクロフォンシステムが使用されている。一方、近年、例えば高齢者や身体障害者の乗降の補助のために乗務員が運転席から離れて作業を行うことがある。このように運転席から離れた状況でも乗客に事情等を知らせるためにマイクロフォンシステムを使用したいという要望があり、無線マイクロフォンシステムに対するニーズが高まっている。
【0003】
しかしながら、路線バス等の輸送機械は所定の運行エリア内で多くの台数が運行されることが多く、無線マイクロフォンを使用する場合、混信が生じやすいという問題がある。
【0004】
これに対し、同一の通信エリア内で使用される複数の無線マイクロフォンにIDを割り当て、受信機が各IDに異なる周波数チャンネルを割り当てることにより混信を防止するようにした無線マイクロフォンシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
又、例えば隣接する複数の部屋毎に固定設置される複数の受信機の間で混信が生じないように各受信機に相互に異なるチャンネルを設定すると共に、移動可能で複数の部屋で使用されうる無線マイクロフォンのチャンネルを通信対象の受信機のチャンネルに容易に合わせられるように、無線マイクロフォンの充電のために各受信機に接続されている充電用アダプタを介して各受信機に設定されているチャンネルを無線マイクロフォンに送信し無線マイクロフォンのチャンネルを自動的に受信機のチャンネルに合わせるようにした無線マイクロフォンシステムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
しかしながら、無線通信では混信の防止のため法的に周波数帯域が制限されており、無線マイクロフォンシステムの場合、選択可能な周波数チャンネルはせいぜい数十種類程度に制限される。一方、所定の運行エリア内で運行される路線バス等の輸送機械の台数やこれらの輸送機械に乗務する乗務員の人数はこれよりも多いことがあり、混信を確実に防止できるだけの種類のチャンネルを輸送機械の台数分の台数の受信機や乗務員の人数分程度の個数の無線マイクロフォンに割り振ることが実際上困難な場合があった。
【0007】
これに対し、ノイズレベルを検出し混信等によりノイズレベルが基準を上回った場合に他のチャンネルのノイズレベルを検出し、ノイズレベルが基準を下回っている他のチャンネルにチャンネルを自動的に切り換えるようにした無線マイクロフォンシステムが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
又、Bluetooth(登録商標)と称される無線通信技術や携帯電話、一部の無線LANにおいては周波数ホッピングと称される方式や直接スペクトラム拡散と称される方式が採用されている。周波数ホッピングは複数のチャンネルを所定の順序で切替えながら通信を行うものであり、チャンネルの選択順序を異ならせることで複数の通信機器間の混信を抑制できる(例えば、特許文献5参照)。一方、直接スペクトラム拡散は、送信データに対して拡散符号による演算を行って送信データよりも広い帯域にエネルギーを拡散して送信し、受信側では逆拡散符号による演算を行って送信データを復元するものであり、拡散符号を異ならせることで複数の通信機器間の混信を抑制できる(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−8855号公報
【特許文献2】特開2003−143022号公報
【特許文献3】特開2004−207866号公報
【特許文献4】特開平6−326621号公報
【特許文献5】特開2010−278764号公報
【特許文献6】特開平11−298343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ノイズレベルを検出し混信等によりノイズレベルが基準を上回った場合に他のチャンネルのノイズレベルを検出し、ノイズレベルが基準を下回っている他のチャンネルにチャンネルを自動的に切り換える無線マイクロフォンシステムは、同じ構成の複数の対の無線受信機及び無線マイクロフォンが狭いエリアで使用される場合、初期のチャンネルの一致による混信が生じやすい。又、混信が生じた場合にノイズレベルが上昇して新たなチャンネルを選択しても、各受信機が新たなチャンネルとして同じチャンネルを選択し、新たに選択したチャンネルでも混信が生ずる可能性がある。従って、混信を充分に抑制できない可能性がある。又、使用中のチャンネルのノイズレベルが基準を上回っていると判定してからノイズレベルが基準を下回っている他のチャンネルを新たに選択するまでの間に他のチャンネルのノイズレベルを検出するステップが必要であるため、ノイズレベルを検出している間は通信を一時的に遮断するか、或いはノイズレベルが基準を上回っている(変更前の)チャンネルで通信を継続することとなりチャンネルの変更時に聞き苦しい事態が生じやすいという問題がある。
【0011】
又、周波数ホッピングや直接スペクトラム拡散と称される方式は制御等が複雑であり開発の負担が重くコストが高いという問題がある。これらの方式は携帯電話のような大規模な通信システムや大量生産される製品には適していても、所定の運行エリア内で運行されるような規模の輸送機械の無線マイクロフォンシステムのために周波数ホッピングや直接スペクトラム拡散のような方式を採用することはコスト等の面で問題がある。更に、周波数ホッピングや直接スペクトラム拡散のような複雑な制御は誤作動等が生じやすいという問題もあり、よりシンプルな制御の方が誤作動が少なく信頼性が高いという点で好ましい。
【0012】
又、例えば観光バスでは乗務時間が十数時間に及ぶことがあり、無線マイクロフォンの電池の消耗のために無線マイクロフォンを継続的に使用できないことが懸念される。尚、無線マイクロフォンに設置される電池が大きければ、それだけ無線マイクロフォンの継続使用時間を長くすることはできるが、例えばヘッドセットのような構成の無線マイクロフォンは乗務員の頭部、或いは耳に装着されるため大きく重い電池が設置された無線マイクロフォンは乗務員の負担を増大させるという問題がある。
【0013】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、比較的簡単な制御で混信の問題を防止、或いは実用上問題がないレベルに抑制できる信頼性が高い輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムを提供することを課題とする。又、長時間の継続使用が可能な輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、複数の輸送機械に備えられる複数のデジタル無線受信機と、輸送機械に乗務する複数の乗務員に使用される複数のデジタル無線マイクロフォンと、を含み、デジタル無線受信機及びデジタル無線マイクロフォンは複数の種類のチャンネルで通信可能であり、デジタル無線受信機及びデジタル無線マイクロフォンの一方は複数のチャンネルの一部又は全部の複数の候補チャンネルの中から1種類のチャンネルを自動的に選択し自身が使用するチャンネルとして設定するチャンネル主導設定部を備え、他方はチャンネル主導設定部に追従してチャンネル主導設定部が選択したチャンネルと同じチャンネルを自身が使用するチャンネルとして設定するチャンネル追従設定部を備え、チャンネル主導設定部は、候補チャンネルの中から1種類のチャンネルをランダムに選択し初期のチャンネルとして設定するチャンネル初期設定部と、通信品質を監視し通信品質が所定の基準から外れているか否かを判定する通信品質判定部と、通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部が判定した場合に候補チャンネルの中からそれまで使用していたチャンネルと異なる他のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するチャンネル自動変更部と、チャンネル初期設定部及びチャンネル自動変更部が選択したチャンネルをチャンネル追従設定部の側に送信する設定チャンネル送信部と、を備える輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムにより上記課題を解決したものである。
【0015】
更に、チャンネル主導設定部は候補チャンネルを構成する複数のチャンネルをランダムな順序で記憶しており、チャンネル初期設定部はランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちの最初のチャンネルを選択して初期のチャンネルとして設定するように構成され、チャンネル自動変更部はランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちそれまで使用していたチャンネルの次のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するように構成されていてもよい。
【0016】
更に、デジタル無線受信機及びデジタル無線マイクロフォンは音声情報の通信のための通常動作モードと音声情報の通信を休止するスタンバイモードとを選択可能であるように構成され、デジタル無線受信機にはスイッチボードが結線され、スイッチボード及びデジタル無線マイクロフォンの一方は通常動作モードとスタンバイモードとを選択するためのモード切替スイッチを備えていてもよい。
【0017】
更に、輸送機械に備えられデジタル無線マイクロフォンを保持しつつデジタル無線マイクロフォンに充電可能である充電器を更に含む構成としてもよい。
【0018】
又、輸送機械の運転席の近傍に備えられデジタル無線マイクロフォンに着脱自在の電線ケーブルを介してデジタル無線マイクロフォンに電気的に接続されてデジタル無線マイクロフォンに充電可能である充電器を更に含む構成としてもよい。
【0019】
又、輸送機械の運転席の近傍に備えられデジタル無線マイクロフォンに非接触又は無線で充電可能である充電器を更に含む構成としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、比較的簡単な制御で混信の問題を防止、或いは実用上問題がないレベルに抑制できる信頼性が高い輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムを実現できる。又、長時間の継続使用が可能な輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムの全体構成を示す模式図
【図2】同デジタル無線マイクロフォンシステムのデジタル無線受信機、スイッチボード及びデジタル無線マイクロフォンの構成を模式的に示すブロック図
【図3】同デジタル無線マイクロフォン及び充電器の構成を模式的に示す側面図
【図4】同デジタル無線マイクロフォンシステムによるチャンネルの選択方法の概要を示すフローチャート
【図5】同デジタル無線マイクロフォンシステムが使用される運行エリア内における輸送機械の配置の例を模式的に示す平面図
【図6】本発明の第2実施形態に係る輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムの充電器の構成を模式的に示す側面図
【図7】本発明の第3実施形態に係る輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステムの充電器の構成を模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1〜3に示されるように、本発明の第1実施形態に係る輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム10は、所定の運行エリア12内で運行される複数の輸送機械14に備えられるN個(複数)のデジタル無線受信機16と、輸送機械14に乗務する複数の乗務員18に使用されるM個(複数)のデジタル無線マイクロフォン20と、を有して構成されている。
【0024】
デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20はL種類(複数)のチャンネルで通信可能である。例えば8〜32種類のチャンネルで通信可能である。デジタル通信方式としては電波や赤外線を用いた通信方式を用いることができるが赤外線は各種ライトや日光により通信品質が低下することがあるので電波を用いたデジタル通信方式を用いることが好ましい。電波を用いたデジタル通信方式としては例えばZigBee(登録商標)等を用いることができる。デジタル無線マイクロフォン20への音声の入力とスピーカーからの音声の出力とのタイムラグを抑制するためにはZigBeeを用いることが好ましい。尚、ZigBeeでは2.4GHz帯域の周波数が用いられる。又、ZigBeeでは16種類のチャンネルを利用することができる。
【0025】
デジタル無線受信機16は通信可能なL種類の候補チャンネルの中から1種類のチャンネルを自動的に選択し自身が使用するチャンネルとして設定するチャンネル主導設定部22を備え、デジタル無線マイクロフォン20はチャンネル主導設定部22に追従してチャンネル主導設定部22が選択したチャンネルと同じチャンネルを自身が使用するチャンネルとして設定するチャンネル追従設定部24を備えている。チャンネル主導設定部22、チャンネル追従設定部24は、具体的にはコンピュータープログラムである。
【0026】
輸送機械14は、例えば路線バスである。運行エリア12内で運行される輸送機械14は例えば数十台であり、運行エリア12内で使用されるデジタル無線受信機16は例えば数十個である。又、運行エリア12内で使用されるデジタル無線マイクロフォン20も例えば数十個である。
【0027】
デジタル無線受信機16の個数Nはデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が通信可能なチャンネルの種類Lよりも多い。又、デジタル無線マイクロフォン20の個数Mも通信可能なチャンネルの種類Lよりも多い。尚、デジタル無線受信機16は1台の輸送機械14に1個ずつ備えられるが、デジタル無線マイクロフォン20は乗務員18に使用され、運行エリア12内で運行される輸送機械14に乗務する乗務員18の人数は運行エリア12内で運行される輸送機械14の台数と必ずしも一致しない。又、デジタル無線マイクロフォン20は必ずしも1人の乗務員18に1個ずつ割り当てられるわけではなく、例えば1個のデジタル無線マイクロフォン20を複数の乗務員18が、時間をずらして使用することもある。従って、デジタル無線受信機16の個数Nとデジタル無線マイクロフォン20の個数Mは一致することもあるが一致しないこともある。
【0028】
デジタル無線受信機16は、例えば輸送機械14の運転席の近傍に設置される。又、デジタル無線受信機16にはアンプ(図示省略)を介してスピーカー(図示省略)が接続される。
【0029】
チャンネル主導設定部22は、デジタル無線マイクロフォン20とのペアリングにおいて候補チャンネルの中から自動的に1種類のチャンネルをランダムに選択し初期のチャンネルとして設定するチャンネル初期設定部26と、デジタル無線マイクロフォン20との通信品質を監視し通信品質が所定の基準から外れているか否かを判定する通信品質判定部28と、通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合に候補チャンネルの中からそれまで使用していたチャンネルと異なる他のチャンネルを選択しデジタル無線マイクロフォン20との通信に使用する新たなチャンネルとして設定するチャンネル自動変更部30と、チャンネル初期設定部26及びチャンネル自動変更部30が選択したチャンネルをデジタル無線マイクロフォン20(チャンネル追従設定部24の側)に送信する設定チャンネル送信部32と、を備えている。
【0030】
チャンネル主導設定部22は、デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が通信可能なL種類のチャンネルの全部を候補チャンネルとして記憶している。又、チャンネル主導設定部22は、候補チャンネルを構成する各チャンネルをランダムな順序で記憶している。例えば、チャンネル主導設定部22は、候補チャンネルを構成する各チャンネルを乱数列の順序で記憶している。尚、例えばペアリングを行う毎に、又は電源がオンになる毎に候補チャンネルを構成する各チャンネルの順序を他のランダムな順序に並べ替えるように構成してもよい。
【0031】
チャンネル初期設定部26は、ペアリングにおいて例えばチャンネル主導設定部22にランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちの最初のチャンネルを選択して初期のチャンネルとして設定するように構成されている。
【0032】
通信品質判定部28は、通信品質として例えば通信レベル(受信信号レベル)を監視し、通信レベルが基準通信レベルを下回るっているか否かを判定するように構成されている。又、通信品質判定部28は、使用中のチャンネルにおける通信レベルが他のチャンネルにおける通信レベルを下回っているか否かを判定するように構成されていてもよい。又、通信品質判定部28は、ノイズレベルを監視し、ノイズレベルが基準ノイズレベルを上回っているか否かを判定するように構成されていてもよい。通信品質判定部28は、通信品質が所定の基準から外れているか否かを例えば1秒間に数十回程度判定可能である。
【0033】
チャンネル自動変更部30は、通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合に、例えばデジタル無線受信機16にランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちそれまで使用していたチャンネルの次のチャンネルを選択しデジタル無線マイクロフォン20との通信に使用する新たなチャンネルとして設定するように構成されている。又、例えば通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合にまず無線通信の出力レベルを増大させ、これにより通信品質が所定の基準に収まるようになった場合には新たなチャンネルの設定は行わず、無線通信の出力レベルを増大させても通信品質が依然として所定の基準から外れている場合に新たなチャンネルの設定を行うようにしてもよい。
【0034】
デジタル無線マイクロフォン20は、ヘッドセットでありマイクロフォン部20Aとイヤフォン部20Bとを有している。デジタル無線マイクロフォン20は、マイクロフォン部20Aに入力された音声信号を電気信号に変換してデジタル無線受信機16に送信可能であると共に、デジタル無線受信機16から送信される電波を受信し音声信号に変換してイヤフォン部20Bから出力可能である。
【0035】
又、デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20は音声情報の通信のための通常動作モードと音声情報の通信を休止するスタンバイモードとを選択可能であるように構成されている。デジタル無線受信機16にはスイッチボード33が結線されており、スイッチボード33は通常動作モードとスタンバイモードとを選択するためのモード切替スイッチ34を備えている。一方、デジタル無線マイクロフォン20は主電源スイッチ36を備えている。尚、スイッチボード33も電源スイッチを備えていてもよい。
【0036】
又、デジタル無線マイクロフォンシステム10は、デジタル無線マイクロフォン20の充電のための充電器38を有している。充電器38は、輸送機械14に備えられデジタル無線マイクロフォン20を保持可能であり、デジタル無線マイクロフォン20を保持すると自動的にデジタル無線マイクロフォン20に直流電流を供給しデジタル無線マイクロフォン20に内蔵された電池を充電するように構成されている。又、充電器38は、輸送機械14のバッテリー電圧(例えば24V)をデジタル無線マイクロフォン20の充電のための所定の電圧に変換するように構成されている。
【0037】
次に、図4のフローチャートに沿って輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム10の使用方法について説明する。
【0038】
まず乗務員18は、輸送機械14に乗車し、デジタル無線マイクロフォン20の主電源スイッチ36をオンにする(S102)。又、スイッチボード33も電源スイッチを備えている場合、スイッチボード33の電源スイッチもオンにする。尚、スイッチボード33及びデジタル無線マイクロフォン20のいずれか一方の電源をオンにすることにより他方の電源も追従して自動的にオンとなる構成である場合は、乗務員18はいずれか一方の電源をオンにする操作のみを行う。
【0039】
これにより、デジタル無線受信機16とデジタル無線マイクロフォン20とのペアリングが開始され、デジタル無線受信機16のチャンネル初期設定部26はチャンネル主導設定部22にランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちの最初のチャンネルを選択して初期のチャンネルとして設定する(S104)。尚、ペアリングを行う毎に、又は電源がオンになる毎に候補チャンネルを構成する各チャンネルの順序を並べ替えるように構成されている場合は、新たに並べ替えられた最初のチャンネルを選択する。
【0040】
チャンネル初期設定部26が初期のチャンネルを設定すると、設定チャンネル送信部32はチャンネル初期設定部26が設定したチャンネルをデジタル無線マイクロフォン20に送信する(S106)。
【0041】
デジタル無線マイクロフォン20のチャンネル追従設定部24は、設定チャンネル送信部32が送信したチャンネルに追従してチャンネル主導設定部22が選択したチャンネルと同じチャンネルを自身がデジタル無線受信機16との通信に使用するチャンネルとして設定する(S108)。これによりチャンネル初期設定部26が選択したチャンネルでデジタル無線受信機16とデジタル無線マイクロフォン20とが通信可能となりペアリングが完了する。
【0042】
乗務員18は、所定のルートで輸送機械14を運行し、乗客等に情報を伝達する場合、スイッチボード33のモード切替スイッチ34を操作して通常動作モードを選択する(S110)。
【0043】
デジタル無線受信機16とデジタル無線マイクロフォン20との通信が開始されると、デジタル無線受信機16の通信品質判定部28は通信品質を監視し通信品質が所定の基準から外れているか否かを判定する(S112)。通信品質判定部28は、通信品質が所定の基準から外れているか否かを例えば1秒間に数十回程度判定する。通信品質が所定の基準から外れていないと通信品質判定部28が判定した場合、通信品質判定部28は、通信品質の監視、及び通信品質が所定の基準から外れているか否かの判定を繰り返す。
【0044】
一方、混信等により通信品質が低下し、通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合、チャンネル主導設定部22のチャンネル自動変更部30は、候補チャンネルの中からそれまで使用していたチャンネルと異なる他のチャンネルを選択しデジタル無線マイクロフォン20との通信に使用する新たなチャンネルとして設定する(S114)。チャンネル自動変更部30は、例えばデジタル無線受信機16にランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちそれまで使用していたチャンネルの次のチャンネルを選択しデジタル無線マイクロフォン20との通信に使用する新たなチャンネルとして設定する。又、チャンネル主導設定部22は、例えば通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合にまず自動的に無線通信の出力レベルを増大させる出力レベル調整部を備え、出力レベルの増大により通信品質が所定の基準に収まるようになった場合には新たなチャンネルの設定は行わず、無線通信の出力レベルを増大させても通信品質が所定の基準から外れている場合に新たなチャンネルの設定を行うようにしてもよい。
【0045】
チャンネル自動変更部30が新たなチャンネルを設定すると、設定チャンネル送信部32はチャンネル自動変更部30が新たに設定したチャンネルをデジタル無線マイクロフォン20に送信する(S116)。
【0046】
デジタル無線マイクロフォン20のチャンネル追従設定部24は、設定チャンネル送信部32が送信したチャンネルに追従してデジタル無線受信機16との通信に使用するチャンネルを設定する(S118)。これによりチャンネル自動変更部30が選択した新たなチャンネルでデジタル無線受信機16とデジタル無線マイクロフォン20とが通信を開始する。以後、通信品質判定部28による通信品質の判定(S112)が再開され、必要に応じてチャンネル自動変更部30によるチャンネルの変更(S114)、チャンネル自動変更部30による新たなチャンネルの送信(S116)、チャンネル追従設定部24によるチャンネルの追従設定(S118)を繰り返し行う。
【0047】
乗務員18は、乗客等への情報の伝達を一旦休止する場合、スイッチボード33のモード切替スイッチ34を操作して通常動作モードからスタンバイモードに切替える(S120)。又、乗客等への情報の伝達を再開する場合、スイッチボード33のモード切替スイッチ34を操作して通常動作モードを選択する。
【0048】
所定の運行が終了すると、乗務員18は、デジタル無線マイクロフォン20の電源をオフにする(S122)。又、スイッチボード33も電源スイッチを備えている場合、スイッチボード33の電源スイッチもオフにする。尚、スイッチボード33及びデジタル無線マイクロフォン20のいずれか一方の電源をオフにすることにより他方の電源も追従して自動的にオフとなる構成である場合は、乗務員18はいずれか一方の電源をオフにする操作のみを行う。
【0049】
新たな運行等のためにデジタル無線マイクロフォンシステム10を再度使用する場合は、以上のステップを繰り返す。
【0050】
所定の運行と次の運行との間等においてデジタル無線マイクロフォン20を使用する必要がない場合、乗務員18は必要に応じてデジタル無線マイクロフォン20を充電器38に載置する。充電器38は、デジタル無線マイクロフォン20を保持すると自動的にデジタル無線マイクロフォン20に直流電流を供給しデジタル無線マイクロフォン20に内蔵された電池を充電する。
【0051】
デジタル無線マイクロフォンシステム10は、デジタル方式を採用しているので、アナログ方式よりも選択可能なチャンネルの種類が多くそれだけ混信が生じにくい。
【0052】
又、デジタル無線マイクロフォンシステム10は、デジタル無線受信機16がチャンネル主導設定部22を備え、デジタル無線マイクロフォン20がチャンネル追従設定部24を備え、チャンネル主導設定部22は、複数の候補チャンネルの中から自動的に1種類のチャンネルをランダムに選択し初期のチャンネルとして設定するチャンネル初期設定部26を備えているので、例えば図5に示されるように運行エリア12内で輸送機械14と他の輸送機械14とが接近し、複数の対のデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が狭いエリアで使用されても、初期のチャンネルとして同じチャンネルが設定される可能性が低い。更に、デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20は輸送機械14と共に移動するため相互に混信を生じさせるようなエリアに多数の対のデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が同時に存在する確率は低い。従って、混信を生じさせうるようなエリア内において複数の対のデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20の初期のチャンネルが一致する可能性は低く、初期のチャンネルで相互に混信が生じるような事態は生じにくい。尚、図5において二点差線は混信を生じさせうるエリアを模式的に示す。
【0053】
又、例えば車庫や駐車場において複数の輸送機械14が近接して配置され、万が一複数の対のデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20の間で混信が生じた場合でも、チャンネル主導設定部22は、通信品質が所定の基準から外れているか否かを判定する通信品質判定部28と、通信品質が所定の基準から外れたと通信品質判定部28が判定した場合に候補チャンネルの中からそれまで使用していたチャンネルと異なる他のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するチャンネル自動変更部30と、を備え、チャンネルが自動的に変更されるようになっているので混信は迅速に解消される。チャンネル主導設定部22はランダムな順序で候補チャンネルを記憶しているので、混信を生じさせうるエリア内において複数のデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20の変更後のチャンネルが一致して相互に混信を生じるような事態も生じにくい。従って、所定の運行エリア内で使用されるデジタル無線受信機の個数Nや乗務員の人数分程度の無線マイクロフォンの個数Mがチャンネルの種類Lよりも多くても、混信は防止、又は実用上問題がないレベルに抑制される。
【0054】
又、チャンネル自動変更部30は、チャンネル主導設定部22が記憶している候補チャンネルの順序に従って次のチャンネルを選択するので、通信品質が所定の基準から外れたと判定してから、それまで使用していたチャンネルと異なる他のチャンネルを選択するまでの間に、他のチャンネルのノイズレベルを検出するステップ等を実行する必要がない。従って、通信が一時的に遮断されるようなことがなく、チャンネルの変更を行っても聞き苦しいような事態は生じにくい。
【0055】
又、通信品質が所定の基準から外れるまでは1種類の周波数による通信が継続され周波数ホッピングや直接スペクトラム拡散と称される方式のような複雑な制御を行う必要がないので開発作業の負担の軽減やコスト低減に寄与する。更に、複雑な制御を行う必要がないので誤作動が少なく信頼性が高い。
【0056】
又、輸送機械14の運行時間に対し乗務員18が実際にデジタル無線マイクロフォンを使用する時間は著しく短いことが多いので、実際にデジタル無線マイクロフォン20を使用する時間以外の時間は乗務員18がスタンバイモードを選択することで、デジタル無線マイクロフォン20の電池の消耗を抑制しデジタル無線マイクロフォン20を長時間継続して使用することができる。
【0057】
又、例えば、路線バスの乗務員18が所定の運行と次の運行との間の時間に充電器38にデジタル無線マイクロフォン20を載置して充電を行ったり、観光バスの乗務員18が高速道路のサービスエリアの休憩等の際に充電器38にデジタル無線マイクロフォン20を載置して充電を行うことにより、デジタル無線マイクロフォン20を更に長時間継続して使用することができる。又、デジタル無線マイクロフォン20に備えられる電池は小さくて軽いもので足りるので乗務員18の負担を軽減できる。
【0058】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態の充電器38は、デジタル無線マイクロフォン20を保持しつつデジタル無線マイクロフォン20に充電可能である構成であるのに対し、図6に示されるように、本第2実施形態に係る充電器40は、輸送機械14の運転席の近傍に備えられデジタル無線マイクロフォン20に着脱自在の電線ケーブル42を介してデジタル無線マイクロフォン20に電気的に接続されてデジタル無線マイクロフォン20に充電可能である構成である。他の構成については前記第1実施形態と同じであるので同じ構成については図3と同一符号を用いることとして説明を省略する。
【0059】
この充電器40は、運転中でもデジタル無線マイクロフォン20に充電できるので、電池の消耗を抑制する効果が高い。尚、乗務員18が運転席から離れてデジタル無線マイクロフォン20を使用する場合は、電線ケーブル42をデジタル無線マイクロフォン20から取外せばよい。又、電線ケーブル42が充電器40に着脱自在である構成とし、乗務員18が運転席から離れてデジタル無線マイクロフォン20を使用する場合に、電線ケーブル42を充電器40から取外すようにしてもよい。又、電線ケーブル42がデジタル無線マイクロフォン20及び充電器40の両方に着脱自在である構成としてもよい。
【0060】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7に示されるように、本第3実施形態に係る充電器50は、輸送機械14の運転席の近傍に備えられデジタル無線マイクロフォン20に非接触又は無線で充電可能である構成である。他の構成については前記第1実施形態と同じであるので同じ構成については図3と同一符号を用いることとして説明を省略する。
【0061】
非接触又は無線で充電する方式としては、電磁誘導方式、電波方式、電磁界共鳴方式等を用いることができる。充電器50は、運転席のシートのヘッドレスト、或いはその近傍等に設置するとよい。
【0062】
この充電器50も運転中にデジタル無線マイクロフォン20に充電できるので、電池の消耗を抑制する効果が高い。又、乗務員18が運転席から離れてデジタル無線マイクロフォン20を使用する場合に電線ケーブルの取外しのような作業は不要なので使い勝手がよい。
【0063】
尚、前記第1〜第3実施形態において、デジタル無線マイクロフォン20はヘッドセットでありマイクロフォン部20Aとイヤフォン部20Bとを有しているが、デジタル無線マイクロフォンはイヤフォン部を備えておらずマイクロフォンのみからなる構成でもよい。この場合、デジタル無線マイクロフォンは例えば乗務員の胸部等に装着してもよい。
【0064】
又、前記第1〜第3実施形態において、デジタル無線受信機16に結線されたスイッチボード33が通常動作モードとスタンバイモードとを選択するためのモード切替スイッチ34を備えているが、デジタル無線マイクロフォン20が通常動作モードとスタンバイモードとを選択するためのモード切替スイッチを備えていてもよい。又、スイッチボード33及びデジタル無線受信機16の両方が通常動作モードとスタンバイモードとを選択するためのモード切替スイッチを備えていてもよい。
【0065】
又、前記第1〜第3実施形態において、デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20は音声情報の通信のための通常動作モードと音声情報の通信を休止するスタンバイモードとを選択可能であるように構成されているが、例えばデジタル無線マイクロフォン20の電池の消耗が問題とならないような場合にはデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20は常に通常動作モードで作動する構成としてもよい。
【0066】
又、前記第1〜第3実施形態において、デジタル無線マイクロフォンシステム10は、デジタル無線マイクロフォン20に充電可能である充電器38、40、50を備えているが、例えばデジタル無線マイクロフォン20の電池の消耗が問題とならないような場合には充電器を備えていなくてもよい。
【0067】
又、前記第1〜第3実施形態において、チャンネル主導設定部22は候補チャンネルを構成する複数のチャンネルをランダムな順序で記憶しており、チャンネル初期設定部26はペアリングにおいてランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちの最初のチャンネルを選択して初期のチャンネルとして設定するように構成され、チャンネル自動変更部30はランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちそれまで使用していたチャンネルの次のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するように構成されているが、複数の対のデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20のチャンネルが一致しにくいようにチャンネルをランダムに選択できれば、具体的なチャンネルの選択方法は特に限定されない。例えば、チャンネル主導設定部22は候補チャンネルを構成する複数のチャンネルを1、2、…Lのような順序、或いはその逆の順序で記憶しており、チャンネル初期設定部26はペアリングにおいてこれらの候補チャンネルのうちのいずれか1つのチャンネルをランダムに選択して初期のチャンネルとして設定するように構成され、チャンネル自動変更部30は上記の順序で記憶されている候補チャンネルのうちそれまで使用していたチャンネルの次のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するように構成されていてもよい。
【0068】
又、前記第1〜第3実施形態において、候補チャンネルはデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が通信可能であるL種類のチャンネルの全部であるが、候補チャンネルはデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が通信可能であるL種類のチャンネルの一部であってもよい。例えば、デジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20は16種類のチャンネルで通信可能であり、これらのうちから予め選択した8種類、或いは4種類のチャンネルを候補チャンネルとしてもよい。又、例えば定期的又は不定期に、通信可能なL種類のチャンネルをスキャンしてこれらのチャンネルのうち他で通信に使用されていないチャンネル(例えば自身における通信品質が良好なチャンネル)を候補チャンネルとして記憶するようにしてもよい。尚、例えば、通信が開始されたらスキャンは中止し通信終了後にスキャンを再開するようにしてもよい。
【0069】
又、前記第1〜第3実施形態において、デジタル無線受信機16がチャンネル主導設定部22を備えデジタル無線マイクロフォン20がチャンネル追従設定部24を備えているが、デジタル無線マイクロフォンがチャンネル主導設定部を備えデジタル無線受信機がチャンネル追従設定部を備える構成としてもよい。
【0070】
又、前記第1〜第3実施形態において、運行エリア12で使用されるデジタル無線受信機16の個数Nはデジタル無線受信機16及びデジタル無線マイクロフォン20が通信可能なチャンネルの種類Lよりも多く、デジタル無線マイクロフォン20の個数Mも通信可能なチャンネルの種類Lよりも多いが、所定の運行エリアで使用されるデジタル無線受信機の個数やデジタル無線マイクロフォンの個数が、デジタル無線受信機及びデジタル無線マイクロフォンが通信可能なチャンネルの種類よりも少ない場合にも本発明は適用可能である。
【0071】
又、前記第1〜第3実施形態において、輸送機械として路線バスや観光バスが例示されているが、例えば路面電車等の電車やディーゼル機関車、船舶等の他の種類の輸送機械にも本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、路線バス等の輸送機械に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
10…輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム
12…運行エリア
14…輸送機械
16…デジタル無線受信機
18…乗務員
20…デジタル無線マイクロフォン
22…チャンネル主導設定部
24…チャンネル追従設定部
26…チャンネル初期設定部
28…通信品質判定部
30…チャンネル自動変更部
32…設定チャンネル送信部
33…スイッチボード
34…モード切替スイッチ
38、40、50…充電器
42…電線ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の輸送機械に備えられる複数のデジタル無線受信機と、前記輸送機械に乗務する複数の乗務員に使用される複数のデジタル無線マイクロフォンと、を含み、
前記デジタル無線受信機及び前記デジタル無線マイクロフォンは複数の種類のチャンネルで通信可能であり、
前記デジタル無線受信機及び前記デジタル無線マイクロフォンの一方は前記複数のチャンネルの一部又は全部の複数の候補チャンネルの中から1種類のチャンネルを自動的に選択し自身が使用するチャンネルとして設定するチャンネル主導設定部を備え、他方は前記チャンネル主導設定部に追従して前記チャンネル主導設定部が選択したチャンネルと同じチャンネルを自身が使用するチャンネルとして設定するチャンネル追従設定部を備え、
前記チャンネル主導設定部は、前記候補チャンネルの中から1種類のチャンネルをランダムに選択し初期のチャンネルとして設定するチャンネル初期設定部と、通信品質を監視し前記通信品質が所定の基準から外れているか否かを判定する通信品質判定部と、前記通信品質が所定の基準から外れたと前記通信品質判定部が判定した場合に前記候補チャンネルの中からそれまで使用していたチャンネルと異なる他のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するチャンネル自動変更部と、前記チャンネル初期設定部及び前記チャンネル自動変更部が選択したチャンネルを前記チャンネル追従設定部の側に送信する設定チャンネル送信部と、を備えることを特徴とする輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記チャンネル主導設定部は前記候補チャンネルを構成する複数のチャンネルをランダムな順序で記憶しており、前記チャンネル初期設定部は前記ランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちの最初のチャンネルを選択して前記初期のチャンネルとして設定するように構成され、前記チャンネル自動変更部は前記ランダムな順序で記憶されている候補チャンネルのうちそれまで使用していたチャンネルの次のチャンネルを選択し新たなチャンネルとして設定するように構成されたことを特徴とする輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記デジタル無線受信機及び前記デジタル無線マイクロフォンは音声情報の通信のための通常動作モードと音声情報の通信を休止するスタンバイモードとを選択可能であるように構成され、前記デジタル無線受信機にはスイッチボードが結線され、前記スイッチボード及び前記デジタル無線マイクロフォンの一方は前記通常動作モードと前記スタンバイモードとを選択するためのモード切替スイッチを備えることを特徴とする輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記輸送機械に備えられ前記デジタル無線マイクロフォンを保持しつつ前記デジタル無線マイクロフォンに充電可能である充電器を更に含むことを特徴とする輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記輸送機械の運転席の近傍に備えられ前記デジタル無線マイクロフォンに着脱自在の電線ケーブルを介して前記デジタル無線マイクロフォンに電気的に接続されて前記デジタル無線マイクロフォンに充電可能である充電器を更に含むことを特徴とする輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記輸送機械の運転席の近傍に備えられ前記デジタル無線マイクロフォンに非接触又は無線で充電可能である充電器を更に含むことを特徴とする輸送機械のデジタル無線マイクロフォンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−191415(P2012−191415A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52813(P2011−52813)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(391008445)株式会社レゾナント・システムズ (2)
【Fターム(参考)】