説明

辞書機能を備えた電子機器、辞書機能を備えた電子機器における検索文字の入力方法およびプログラム

【課題】辞書機能を備えた電子機器において、効率よく手書きの文字を入力することを可能にする。
【解決手段】手書き入力部16とタッチパネル式表示部17とを有する辞書機能を備えた電子機器であって、タッチパネル式表示部17には辞書検索のための検索文字が入力される入力画面が表示され、手書き入力部16にてユーザ操作により文字が手書き入力されると、文字認識された文字が検索文字としてタッチパネル式表示部17の入力画面及び手書き入力部16に表示される。タッチパネル式表示部17の入力画面および手書き入力部16の両方に表示された検索文字のうち何れか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定されると、指定された文字の文字認識候補が手書き部に表示されて、候補の1つが選択されることで入力された検索文字が訂正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き入力部とタッチパネル付き表示部とを有し、入力された文字に対応して辞書の検索を行う辞書機能を備えた電子機器、辞書機能を備えた電子機器における検索文字の入力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キー入力表示された文字(列)をキーワード(検索文字(列))として辞書の見出し語を検索し、その意味内容を表示させるようにした電子辞書装置が実用されている。
【0003】
そして、前記辞書検索のためのキーワードを入力するために、キー入力部(キーボード)だけでなく手書き入力部も備え、ユーザが読めない漢字などもこの手書き入力部にて手書き入力して文字認識させ、前記キーワードとして入力し、辞書検索表示させるようにした手書き入力機能付きの電子辞書装置も考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−165533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電子辞書装置に収録される辞書コンテンツの数はメモリ容量の飛躍的向上から急増しており、複数の異なる言語をそれぞれ見出し語とする複数種類の辞書コンテンツを1つの電子辞書装置に収録したものもある。
【0006】
前記従来の手書き入力機能付きの電子辞書装置において、その手書き部における文字入力枠の大きさは当該手書き部の広さに応じた制限を受けるが、枠数を多くして小さく区切った場合には、漢字などの複雑な文字を正しく手書き入力するのが難しくなり、また逆に枠数を少なくして大きく区切った場合には、英単語などスペル1文字ずつの字画は単純ながらも一連の文字列を効率よく手書き入力するのが難しくなる。
【0007】
本発明の目的は、効率よく手書きの文字を入力することが可能な辞書機能を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の辞書機能を備えた電子機器は、
手書き入力部とタッチパネル式表示部とを有する辞書機能を備えた電子機器であって、
複数の見出し語と当該見出し語の説明情報とが対応付けられた辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、
辞書検索のための検索文字が入力される入力画面を前記タッチパネル式表示部に表示する入力画面表示手段と、
前記手書き入力部にてユーザ操作により入力された手書き文字を文字認識する文字認識手段と、
この文字認識手段で文字認識された文字を検索文字として前記タッチパネル式表示部の入力画面及び前記手書き入力部に表示させる認識文字表示制御手段と、
この認識文字表示制御手段により前記タッチパネル式表示部の入力画面および前記手書き入力部の両方に表示された検索文字のうち何れか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定された場合に、当該指定された文字を訂正する認識文字訂正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器は、前記請求項1に記載の辞書機能を備えた電子機器において、前記認識文字訂正手段は、前記手書き入力部に前記指定された文字について前記文字認識手段で得られた他の認識候補を表示し、ユーザに選択させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の辞書機能を備えた電子機器は、前記請求項1または請求項2に記載の辞書機能を備えた電子機器において、
前記辞書記憶手段は、複数種類の辞書情報を記憶し、
前記辞書記憶手段に記憶された辞書情報の1つを選択する辞書選択手段と、
この辞書選択手段により選択された辞書に応じた手書き文字認識用の入力枠を前記手書き入力部に表示させる手書き入力枠表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の検索文字の入力方法は、手書き入力部とタッチパネル式表示部とを有する辞書機能を備えた電子機器における検索文字の入力方法であって、
辞書検索のための検索文字が入力される入力画面を前記タッチパネル式表示部に表示する入力画面表示ステップと、
前記手書き入力部にてユーザ操作により入力された手書き文字を文字認識する文字認識ステップと、
この文字認識ステップで文字認識された文字を検索文字として前記タッチパネル式表示部の入力画面及び前記手書き入力部に表示させる認識文字表示制御ステップと、
この認識文字表示制御ステップにより前記タッチパネル式表示部の入力画面および前記手書き入力部の両方に表示された検索文字のうち何れか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定された場合に、当該指定された文字を訂正する認識文字訂正ステップと、
からなることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載のプログラムは、
手書き入力部とタッチパネル式表示部とを有する辞書機能を備えた電子機器のコンピュータを、
複数の見出し語と当該見出し語の説明情報とが対応付けられた辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、
辞書検索のための検索文字が入力される入力画面を前記タッチパネル式表示部に表示する入力画面表示手段と、
前記手書き入力部にてユーザ操作により入力された手書き文字を文字認識する文字認識手段と、
この文字認識手段で文字認識された文字を検索文字として前記タッチパネル式表示部の入力画面及び前記手書き入力部に表示させる認識文字表示制御手段と、
この認識文字表示制御手段により前記タッチパネル式表示部の入力画面および前記手書き入力部の両方に表示された検索文字のうち何れか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定された場合に、当該指定された文字を訂正する認識文字訂正手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効率よく手書きの文字を入力することが可能な辞書機能を備えた電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の辞書機能を備えた電子機器の実施形態に係る手書き入力機能付き電子辞書装置10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10により手書き入力された文字から辞書検索を行うための手書き辞書検索処理を示すフローチャート。
【図4】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う辞書選択処理を示すフローチャート。
【図5】前記手書き入力機能を備えた電子辞書装置10の辞書選択処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図。
【図6】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う検索文字列入力処理を示すフローチャート。
【図7】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う指定見出し語の説明情報表示処理を示すフローチャート。
【図8】前記手書き入力機能を備えた電子辞書装置10の検索文字列入力・訂正処理および指定見出し語の説明情報表示処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図。
【図9】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う漢字系辞書での検索処理を示すフローチャート。
【図10】前記手書き入力機能を備えた電子辞書装置10の漢字系辞書での検索処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の辞書機能を備えた電子機器の実施形態に係る手書き入力機能付き電子辞書装置10の外観構成を示す正面図である。
【0016】
この電子辞書装置10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。この折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、文字入力キー14a、辞書指定キー14b、「訳/決定」キー14c、カーソルキー14d、スピーカ15L,15Rなどを備えたキー入力部(キーボード)14、および手書き入力部(副画面)16が備えられる。
【0017】
この手書き入力部(副画面)16は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、キー入力部14の中央手前側において例えば256×64ドットの液晶表示画面16dに透明タッチパネル16tを重ねて構成される。この手書き入力部16の入力領域は、必要に応じて、手書き文字を入力するための手書き文字入力領域や各種機能のボタン入力領域、あるいは各入力領域が混在する領域に切り替えられる。
【0018】
そして、前記手書き入力部16が手書き文字入力領域に切り替えられた状態での手書き入力に伴う軌跡はその液晶表示画面にエコーバックして表示される。
【0019】
また蓋体ケース12の表面には、そのほぼ全面を対象に例えば480×320ドットのバックライト付きのタッチパネル式表示部(主画面)17が設けられる。このタッチパネル式表示部(主画面)17も、前記手書き入力部(副画面)16と同様に、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、その液晶表示画面17dに透明タッチパネル17tを重ねて構成される。
【0020】
図2は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
この電子辞書装置10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
【0022】
CPU21は、記憶装置(フラッシュROM)22内に予め記憶された装置制御用のシステムプログラム25に応じて、メモリ(RAM)23を作業領域として回路各部の動作を制御する。
【0023】
前記記憶装置22に記憶されたシステムプログラムは、キー入力部(キーボード)14や手書き入力部16、タッチパネル式表示部17からのユーザ操作に応じた入力信号に応じて起動される。
【0024】
前記CPU21には、前記キー入力部14、手書き入力部16、記憶装置22、メモリ23が接続される他に、タッチパネル式表示部17などが接続される。
【0025】
記憶装置22に記憶される装置制御用のシステムプログラム25としては、当該電子辞書装置10の全体の動作を司るシステムプログラムの他に、ユーザ選択された辞書の見出し語の使用言語(日本語,英語など)に応じて検索文字列の入力方式を切り替える辞書選択処理プログラム、手書き入力された検索文字列の認識・訂正・確定入力文字に応じた見出し語検索を行う検索文字列入力処理、指定の見出し語に対応した訳語・意味内容・例文(用例)などの各種説明情報の読み出し表示を行う説明情報表示処理プログラムなどが記憶される。
【0026】
そして前記記憶装置22内には、各種の辞書データ24a,24b,…が記憶される。この各種の辞書データ24a,24b,…としては、「国語辞典」「英和辞典」「和英辞典」「英英辞典」などと共に、「広○辞」、「漢○源」など、種類の異なる言語の辞書データが予め、あるいは追加入力されて記憶される。
【0027】
また、メモリ23には、前記手書き入力部16に表示すべきデータと前記タッチパネル式表示部17に表示すべきデータとが独立して記憶される表示メモリ26、前記手書き入力部16やタッチパネル式表示部17にて入力された手書き文字データを文字認識して得られる変換候補文字が記憶される文字認識変換候補バッファ27、また前記各種のプログラム(25)による処理に応じてCPU21に入出力される種々のデータを必要に応じて記憶する作業領域などが確保される。
【0028】
次に、前記構成の手書き入力機能付き電子辞書装置10の動作について説明する。
【0029】
図3は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10により手書き入力された文字から辞書検索を行うための手書き辞書検索処理を示すフローチャートである。
【0030】
この手書き辞書検索処理は、大別して辞書選択処理(ステップSA)と検索文字列の入力処理(ステップSB)と指定見出し語の説明情報表示処理(ステップSC)とに分けられる。
【0031】
前記辞書選択処理(ステップSA)では、ユーザ操作に応じて選択された辞書の見出し語の使用言語(日本語,英語など)に応じて、検索文字列を手書き入力する際の入力方式を切り替えて設定する。
【0032】
前記検索文字列の入力処理(ステップSB)では、前記辞書選択処理にて切り替え設定された入力方式に従い手書き入力された検索文字列を認識・訂正・確定する。そして、確定された検索文字列に応じて見出し語検索を行い一覧表示する。
【0033】
前記指定見出し語の説明情報表示処理(ステップSC)では、前記検索文字列の入力処理にて一覧表示された見出し語の中からユーザ操作に応じて指定された見出し語に対応した訳語・意味内容・例文(用例)などの各種説明情報を辞書データ24a,24b,…から読み出す。そして、指定の見出し語とその説明情報をタッチパネル式表示部17に全画面表示する。
【0034】
図4は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う辞書選択処理を示すフローチャートである。
【0035】
図5は、前記手書き入力機能を備えた電子辞書装置10の辞書選択処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図である。
【0036】
キー入力部(キーボード)14の「メニュー」キーがユーザ操作に応じて入力されると(ステップA1(Yes))、辞書データ24a,24b,…の何れかを検索の対象辞書として選択するための辞書選択画面がタッチパネル式表示部(主画面)17に表示される(ステップA2)。
【0037】
このタッチパネル式表示部(主画面)17に表示された辞書選択画面において、ユーザ所望の辞書の表示項目が選択的にタッチされて入力されると(ステップA3(Yes))、当該選択された辞書データに対応した検索文字列の入力画面G(図5参照)が同タッチパネル式表示部(主画面)17に表示される(ステップA4)。
【0038】
ここで、前記検索文字列の入力画面Gは、ユーザ操作に応じて入力された文字が表示される検索文字入力エリアMkと、当該検索文字入力エリアMkに入力表示された検索文字(列)に先頭一致する見出し語が検索されて一覧表示される見出し語一覧エリアLmと、この見出し語一覧エリアLmにおいて反転カーソルChにより指定された見出し語に対応した説明情報が読み出されてプレビュー表示される説明情報プレビューエリアVpからなる。
【0039】
そして、前記ユーザ選択された辞書データが、例えば図5(A)に示すように、見出し語の文字がアルファベットである英語系の辞書データ(英和辞典)24bであると判断された場合には(ステップA6(Yes))、手書き入力部(副画面)16においてその横方向を5分割してなる5枡の英語用手書き文字入力枠16e1〜16e5が表示されると共に、当該手書き文字入力枠16e1〜16e5に沿った直上に、認識された文字が順次入力表示される英語用認識文字表示エリア16en、および直前1文字の書き直しを指示する「書き直し」ボタン16rが表示される(ステップA7)。
【0040】
なお、前記手書き入力部16には、その上端部に沿って「認識」ボタン16b1、「決定」ボタン16b2、「戻る」ボタン16b3、「見出しメモ」ボタン16b4が、動作中常時表示される。
【0041】
また、前記ユーザ選択された辞書データが、例えば図5(B)に示すように、見出し語の文字が漢字やひらがなである国語(漢字)系の辞書データ(国語辞典)24aであると判断された場合には(ステップA5(Yes))、手書き入力部(副画面)16においてその横方向を3分割してなる右側の2枡に国語用手書き文字入力枠16k1,16k2が表示されると共に、左側の1枡に、認識された文字が順次入力表示される国語用認識文字表示エリア16kn、および直前1文字の書き直しを指示する「書き直し」ボタン16rが表示される(ステップA8)。
【0042】
すなわち、英語系辞書の場合には、その検索文字列は全て単純な字画のアルファベットにより入力されるので、前記英語用手書き文字入力枠16e1〜16e5の1文字当たりの入力枠領域が小さくても確実な手書き文字を入力することができ、しかもその入力枠数が多いほど一連の手書き文字(単語スペルなど)を検索文字列として効率的に入力することができる。
【0043】
また、国語(漢字)系辞書の場合には、その検索文字列は複雑な字画の漢字やひらがなにより入力されるので、前記国語用手書き文字入力枠16k1,16k2のその枠数が少なくても1文字当たりの入力枠領域が大きいことで正確に手書き文字を入力することができ、漢字を含む熟語などの検索文字列を効率的に入力することができる。
【0044】
さらに、前記ユーザ選択された辞書データが、前記国語(漢字)系の辞書データ(国語辞典)24aや英語(アルファベット)系の辞書データ(英和辞典)24bではない、他の言語系の辞書データであると判断された場合には(ステップA6(No))、その辞書に応じた操作メニューが表示されるか、あるいは当該他の言語の検索文字列を手書き入力するのに適した枠数と大きさの手書き文字入力枠が手書き入力部(副画面)16に表示される(ステップA9)。
【0045】
図6は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う検索文字列入力処理を示すフローチャートである。
【0046】
図7は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う指定見出し語の説明情報表示処理を示すフローチャートである。
【0047】
例えば前記図5(A)で示したように、英語系の辞書データ(英和辞典)24bが選択されたことで手書き入力部16に5枡の英語用手書き文字入力枠16e1〜16e5が表示された状態で、当該文字入力枠16e1〜16e5に手書き文字「h」「o」「b」「b」「y」を入力して行くと(ステップB1)、順次次の入力枠に手書き文字を入力する毎にその直前の入力枠に入力された手書き文字が文字認識され、この文字認識された変換候補文字がメモリ23内の文字認識変換候補バッファ27に記憶されて行く(ステップB2)。
【0048】
そして、前記文字認識された第1候補の文字が、前記タッチパネル式表示部(主画面)17における検索文字列入力画面Gの検索文字入力エリアMkと前記手書き入力部(副画面)16の英語用認識文字表示エリア16enとの両方に順次追加で入力表示される(ステップB3)。
【0049】
すると、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の検索文字入力エリアMkに順次入力表示されて行く検索文字列「hobb…」に先頭一致する見出し語「Hobbes」「hobble」…が辞書データ(英和辞典)24bから検索され(ステップB4)、同タッチパネル式表示部(主画面)17の見出し語一覧エリアLmに一覧表示される(ステップB5)。
【0050】
この際、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の見出し語一覧エリアLmに一覧表示された各見出し語のうち、先頭の見出し語「Hobbes」が反転カーソルChによりデフォルトで指定され、当該指定の見出し語「Hobbes」に対応する説明情報が前記辞書データ(英和辞典)24bから読み出され、同タッチパネル式表示部(主画面)17の説明情報プレビューエリアVpにプレビュー表示される。
【0051】
また、例えば前記図5(B)で示したように、国語系の辞書データ(国語辞典)24aが選択されたことで手書き入力部16に2枡の国語用手書き文字入力枠16k1,16k2が表示された状態で、当該文字入力枠16k1,16k2に手書き文字「生」「業」を入力して行くと(ステップB1)、順次次の入力枠に手書き文字を入力する毎にその直前の入力枠に入力された手書き文字が文字認識され、この文字認識された変換候補文字がメモリ23内の文字認識変換候補バッファ27に記憶されて行く(ステップB2)。
【0052】
そして、前記文字認識された第1候補の文字が、前記タッチパネル式表示部(主画面)17における検索文字列入力画面Gの検索文字入力エリアMkと前記手書き入力部(副画面)16の国語用認識文字表示エリア16knとの両方に順次追加で入力表示される(ステップB3)。
【0053】
すると、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の検索文字入力エリアMkに順次入力表示されて行く検索文字列「生…」に先頭一致する見出し語「行く[生]」「うぶ[産・生・初]」…が辞書データ(国語辞典)24aから検索され(ステップB4)、同タッチパネル式表示部(主画面)17の見出し語一覧エリアLmに一覧表示される(ステップB5)。
【0054】
この際、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の見出し語一覧エリアLmに一覧表示された各見出し語のうち、先頭の見出し語「行く[生]」が反転カーソルChによりデフォルトで指定され、当該指定の見出し語「行く[生]」に対応する説明情報が前記辞書データ(国語辞典)24aから読み出され、同タッチパネル式表示部(主画面)17の説明情報プレビューエリアVpにプレビュー表示される。
【0055】
なお、前記手書き入力部16の手書き文字入力枠16e1〜16e5(16k1,16k2)に入力して行く最後の手書き文字「y」(「業」)についての文字認識処理(ステップB2)は、当該最後の手書き文字の入力(ステップB1)に伴い当該手書き入力部16の「認識」ボタン16b1をタッチ入力することで実行される。
【0056】
ここで、前記手書き入力部16の手書き文字入力枠16e1〜16e5(16k1,16k2)に対する手書き文字の入力およびその文字認識に伴い、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の検索文字入力エリアMkと当該手書き入力部(副画面)16の認識文字表示エリア16en(16kn)との両方に入力表示された検索文字の訂正処理について説明する。
【0057】
図8は、前記手書き入力機能を備えた電子辞書装置10の検索文字列入力・訂正処理および指定見出し語の説明情報表示処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図である。
【0058】
例えば図8(A)に示すように、国語系の辞書データ(国語辞典)24aが選択されたことで手書き入力部16に表示された2枡の国語用手書き文字入力枠16k1,16k2に応じて、所望の検索文字列「生業」を手書き入力して文字認識させる(ステップB1〜B8(No)→B10(No)→B1,B2)。
【0059】
ここで、図8(B)に示すように、所望の検索文字列「生業」のうち末尾の手書き文字「業」について、誤って認識された候補文字「葉」が、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の検索文字入力エリアMkと手書き入力部(副画面)16の認識文字表示エリア16knとの両方に追加で入力表示された場合に(ステップB3〜B5)、ユーザは、当該検索文字入力エリア(主画面)Mkまたは認識文字表示エリア(副画面)16knの何れかにて前記誤った候補文字「葉」をタッチして指定する(ステップB6→B7(Yes)またはB8(Yes))。
【0060】
すると、図8(C)に示すように、前記検索文字入力エリア(主画面)Mkまたは認識文字表示エリア(副画面)16knにてタッチされ指定された候補文字「葉」と共にメモリ23内の文字認識変換候補バッファ27に記憶されている各変換候補文字が読み出され、手書き入力部16の文字入力枠16k1,16k2に替えた変換候補文字一覧エリア16Lに一覧表示される。そして、この変換候補文字一覧エリア16Lにて一覧表示された各変換候補文字の中から正しい候補文字「業」が選択されてタッチされると、図8(D)に示すように、当該選択された候補文字「業」が前記誤った候補文字「葉」に替えて、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の検索文字入力エリアMkと当該手書き入力部(副画面)16の認識文字表示エリア16en(16kn)との両方に入力表示され修正される(ステップB9)。
【0061】
すると、前記タッチパネル式表示部(主画面)17の検索文字入力エリアMkに入力表示された検索文字列「生業」に先頭一致する見出し語「すぎあい[生業]」「すぎわい[生業]」…が辞書データ(国語辞典)24aから検索され(ステップB4)、同タッチパネル式表示部(主画面)17の見出し語一覧エリアLmに一覧表示される(ステップB5)。
【0062】
ここで、前記見出し語一覧エリアLmに一覧表示された各見出し語のうち、ユーザ所望の見出し語「すぎあい[生業]」がペンタッチされて指定され、反転カーソルChにより識別表示された状態で、「訳/決定」キー14cが入力されると(ステップB6(Yes))、図7における説明情報表示処理に移行される。
【0063】
すると、前記指定の見出し語「すぎあい[生業]」に対応する説明情報が前記辞書データ(国語辞典)24aから読み出され(ステップC1)、図8(E)に示すように、タッチパネル式表示部(主画面)17の全画面に説明情報表示画面G1として表示される(ステップC2)。
【0064】
このようにタッチパネル式表示部(主画面)17の全画面に表示された説明情報表示画面G1において、当該画面上部から一定エリア内の上方部がタッチされて指定されると(ステップC3(Yes))、現在表示中の説明情報が上スクロールされて表示され、同説明情報の下に続く内容を見ることができる(ステップC4)。
【0065】
また一方、前記説明情報表示画面G1の画面下部から一定エリア内の下方部がタッチされて指定されると(ステップC5(Yes))、現在表示中の説明情報が下スクロールされて表示され、同説明情報の上に続く内容を見ることができる(ステップC6)。
【0066】
次に、前記図3,図4における辞書選択処理(ステップSA)において、分からない漢字を検索するための漢字系の辞書データ(漢字辞書)24cが選択された場合の、手書き文字による検索文字列の入力機能(ステップA1〜A6(No)→A9)について詳細に説明する。
【0067】
図9は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の手書き辞書検索処理に伴う漢字系辞書での検索処理を示すフローチャートである。
【0068】
図10は、前記手書き入力機能を備えた電子辞書装置10の漢字系辞書での検索処理に伴うユーザ操作に応じた表示動作を示す図である。
【0069】
「メニュー」キーのユーザ操作に応じてタッチパネル式表示部(主画面)17に表示された辞書選択画面において、漢字系の辞書データ(漢字辞書)24cが選択されると、図9における漢字系辞書での検索処理が起動される。すると、図10(A)に示すように、当該漢字辞書(24c)の初期画面となる検索方法の選択画面G2がタッチパネル式表示部17に表示される(ステップA9a)。
【0070】
この検索方法の選択画面G2において、「[A]単漢字/熟語を手書き入力から探す」の項目が選択されてタッチ入力され、反転カーソルChにより識別表示されると(ステップA9b,A9c(No))、前記図5(B)で示した国語辞典(24a)を選択した場合と同様に、図10(B)に示すように、手書き入力部(副画面)16においてその横方向を3分割してなる右側の2枡に、漢字用手書き文字入力枠16k1′,16k2′が表示されると共に、左側の1枡内に、認識された文字が順次入力表示される漢字用認識文字表示エリア16kn′、および直前1文字の書き直しを指示する「書き直し」ボタン16rが表示される(ステップA9d)。
【0071】
すなわち、漢字系辞書で単漢字または熟語を検索する場合には、前記漢字用手書き文字入力枠16k1′,16k2′のその枠数が少なくても、1文字当たりの枠領域が大きいことで正確に手書き文字を入力することができ、漢字、熟語の検索文字列を効率的に入力することができる。
【0072】
そして、前記手書き入力部16の漢字用手書き文字入力枠16k1′,16k2′に従い、所望の漢字を手書き入力すると、当該手書き文字が認識されてタッチパネル式表示部17の検索文字入力エリアMkと前記手書き入力部(副画面)16の漢字用認識文字表示エリア16kn′との両方に入力表示される。そして、前記検索文字入力エリアMkに入力表示された検索文字列に先頭一致する見出し語が、前記漢字系の辞書データ(漢字辞書)24cから検索され、例えば図5(B)で示したように、見出し語一覧エリアLmに一覧表示される(ステップA9f)。
【0073】
一方、前記図10(A)で示した検索方法の選択画面G2において(ステップA9a)、「[B]単漢字を大きな手書き入力から探す」の項目が選択されてタッチ入力され、反転カーソルChにより識別表示されると(ステップA9b,A9c(Yes))、図10(C)に示すように、タッチパネル式表示部(主画面)17において、その表示画面の右半分の大部分の領域を占める単漢字用手書き入力枠17kを有する単漢字入力画面G3が表示される。この単漢字入力画面G3の単漢字用手書き入力枠17kの上部には、当該手書き入力枠17kに入力した手書き文字の認識を指示する「認識」ボタン17b1、および同手書き文字の書き直しを指示する「書き直し」ボタン17rが表示される(ステップA9e)。
【0074】
すなわち、漢字系辞書で例えば字画が多く複雑な単漢字を検索する場合には、前記タッチパネル式表示部17の単漢字入力画面G3にて表示させた単漢字用手書き入力枠17kの入力枠領域が非常に大きいことで、正確に手書きの漢字を入力することができ、単漢字の検索文字を効率的に入力することができる。
【0075】
そして、前記タッチパネル式表示部17の単漢字用手書き入力枠17kに従い、所望の単漢字を手書き入力して「認識」ボタン17b1をタッチ入力すると、当該手書きの漢字が文字認識される。そして、その文字認識された第1候補文字が同タッチパネル式表示部17の単漢字入力画面G3と切り替えて表示される検索文字入力エリアMkと前記手書き入力部(副画面)16の漢字用認識文字表示エリア16kn′との両方に入力表示される。そして、前記検索文字入力エリアMkに入力表示された検索文字(単漢字)に先頭一致する見出し語が、前記漢字系の辞書データ(漢字辞書)24cから検索され、見出し語一覧エリアLmに一覧表示される(ステップA9f)。
【0076】
なお、前記タッチパネル式表示部17の見出し語一覧エリアLmに一覧表示された各見出し語の中から所望の見出し語を選択的に指定して、当該指定の見出し語とその説明情報からなる説明情報表示画面G1を表示させる処理(説明情報表示処理)は、前記図7で示した説明情報表示処理(ステップC1〜C6)と同様に実行されるため、その説明を省略する。
【0077】
また、前記構成の手書き入力機能付き電子辞書装置10によれば、前記手書き入力部16に表示させた英語用手書き文字入力枠16e1〜16e5や国語用手書き文字入力枠16k1,16k2にて手書き文字を入力した場合には、文字認識された第1候補文字が同手書き入力部16内の認識文字表示エリア16en(16kn)とタッチパネル式表示部17内の検索文字入力エリアMkとの両方に入力表示され、この検索文字入力エリアMkに入力表示された文字列に先頭一致する見出し語検索が行われる。この際、前記タッチパネル式表示部17の検索文字入力エリアMkに入力表示された候補文字か、または前記手書き入力部16の認識文字表示エリア16en(16kn)に入力表示された候補文字かの何れをタッチして指定しても、当該指定された候補文字を訂正するモードになり、同候補文字に対応する変換候補文字が手書き入力部16に一覧表示され訂正可能になる。このため、手書きで入力する検索文字列も非常に簡単に訂正しながら入力して行くことができる。
【0078】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0079】
10 …手書き入力機能付き電子辞書装置
11 …本体ケース
12 …蓋体ケース
13 …ヒンジ部
14 …キー入力部(キーボード)
14a…文字入力キー
14b…辞書指定キー
14c…「訳/決定」キー
14d…カーソルキー
15L,15R…スピーカ
16 …手書き入力部
16d…液晶表示部
16t…透明タッチパネル
16b1…「認識」ボタン
16b2…「決定」ボタン
16b3…「戻る」ボタン
16b4…「見出しメモ」ボタン
16e1〜16e5…英語用手書き文字入力枠
16en…英語用認識文字表示エリア
16k1,16k2…国語用手書き文字入力枠
16kn…国語用認識文字表示エリア
16k1′,16k2′…漢字用手書き文字入力枠
16kn′…漢字用認識文字表示エリア
16r…「書き直し」ボタン
16L…変換候補文字一覧エリア
17 …タッチパネル式表示部
17d…液晶表示部
17t…透明タッチパネル
17k…単漢字用手書き入力枠
17b1…単漢字「認識」ボタン
17r…単漢字「書き直し」ボタン
21 …CPU
22 …記憶装置
23 …メモリ
24a…国語辞典
24b…英和辞典
25 …システムプログラム
26 …表示メモリ
27 …文字認識変換候補バッファ
G …検索文字列入力画面
G1 …説明情報表示画面
G2 …検索方法選択画面
G3 …単漢字入力画面
Mk …検索文字入力エリア
Lm …見出し語一覧エリア
Ch …反転カーソル
Vp …説明情報プレビューエリアVp
P …ペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力部とタッチパネル式表示部とを有する辞書機能を備えた電子機器であって、
複数の見出し語と当該見出し語の説明情報とが対応付けられた辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、
辞書検索のための検索文字が入力される入力画面を前記タッチパネル式表示部に表示する入力画面表示手段と、
前記手書き入力部にてユーザ操作により入力された手書き文字を文字認識する文字認識手段と、
この文字認識手段で文字認識された文字を検索文字として前記タッチパネル式表示部の入力画面及び前記手書き入力部に表示させる認識文字表示制御手段と、
この認識文字表示制御手段により前記タッチパネル式表示部の入力画面および前記手書き入力部の両方に表示された検索文字のうちいずれか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定された場合に、当該指定された文字を訂正する認識文字訂正手段と、
を備えたことを特徴とする辞書機能を備えた電子機器。
【請求項2】
前記認識文字訂正手段は、前記手書き入力部に前記指定された文字について前記文字認識手段で得られた他の認識候補を表示し、ユーザに選択させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の辞書機能を備えた電子機器。
【請求項3】
前記辞書記憶手段は、複数種類の辞書情報を記憶し、
前記辞書記憶手段に記憶された辞書情報の1つを選択する辞書選択手段と、
この辞書選択手段により選択された辞書に応じた手書き文字認識用の入力枠を前記手書き入力部に表示させる手書き入力枠表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の辞書機能を備えた電子機器。
【請求項4】
手書き入力部とタッチパネル式表示部とを有する辞書機能を備えた電子機器における検索文字の入力方法であって、
辞書検索のための検索文字が入力される入力画面を前記タッチパネル式表示部に表示する入力画面表示ステップと、
前記手書き入力部にてユーザ操作により入力された手書き文字を文字認識する文字認識ステップと、
この文字認識ステップで文字認識された文字を検索文字として前記タッチパネル式表示部の入力画面及び前記手書き入力部に表示させる認識文字表示制御ステップと、
この認識文字表示制御ステップにより前記タッチパネル式表示部の入力画面および前記手書き入力部の両方に表示された検索文字のうち何れか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定された場合に、当該指定された文字を訂正する認識文字訂正ステップと、
からなる辞書機能を備えた電子機器における検索文字の入力方法。
【請求項5】
手書き入力部とタッチパネル式表示部とを有する辞書機能を備えた電子機器のコンピュータを、
複数の見出し語と当該見出し語の説明情報とが対応付けられた辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、
辞書検索のための検索文字が入力される入力画面を前記タッチパネル式表示部に表示する入力画面表示手段と、
前記手書き入力部にてユーザ操作により入力された手書き文字を文字認識する文字認識手段と、
この文字認識手段で文字認識された文字を検索文字として前記タッチパネル式表示部の入力画面及び前記手書き入力部に表示させる認識文字表示制御手段と、
この認識文字表示制御手段により前記タッチパネル式表示部の入力画面および前記手書き入力部の両方に表示された検索文字のうち何れか一方がユーザ操作に応じてタッチ指定された場合に、当該指定された文字を訂正する認識文字訂正手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−198911(P2012−198911A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−112225(P2012−112225)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【分割の表示】特願2007−328882(P2007−328882)の分割
【原出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】