説明

農作業ロボット

【課題】栽培ベッド部まで床面走行して全自動で農作業を行う農作業ロボットにおいて、床面走行のための指標センサの検出精度を確保しつつ、栽培ベッド部の温湯管との干渉を招くことなく、栽培ベッド部に出入りすることができる農作業ロボットを提供する。
【解決手段】農作業ユニット(2)を搭載した支持機台(4)に、転舵可能に床面走行する走行輪(5)と、床面指標(M1,M2)を検出する検知センサ(6)と、栽培ベッド(B)部の温湯管(P)上を走行駆動する軌道輪(7)とを備えて構成され、上記支持機台(4)には、検知センサ(6)の検知部(6a)を上下動作可能に支持する支持アーム(11)を設け、この支持アーム(11)に上記温湯管(P)について追従可能に補助転輪(12)を設け、この補助転輪(12)は、検知部(6a)の位置より栽培ベッド(B)部に近い側に配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操舵走行可能な支持機台に農作業ユニットを搭載し、床面移動走行によって複数の水耕植生部における農作業を全自動で行う農作業ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の記載のように、走行輪を備えた支持機台に農作業ユニットを搭載し、床面移動走行によって複数の水耕植生による高設型栽培ベッドにおける農作業を全自動で行う農作業ロボットが知られている。詳細には、農作業ロボットは、床面指標を検出する指標センサを備えて床面上の走行用指標に沿って操舵可能に床面移動走行を行い、目的の水耕植生部においては、栽培ベッド間に配設されている温湯管を走行軌道として農作業ユニットにより農作業を行い、全自動で各水耕植生部について農作業を進めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−5587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、指標センサはコンクリート等の床面に設けた床面指標を検出するために低位置に配置する必要があり、その一方、植生ブロック間には床面から所定高さを有する温湯管が左右に連通することから、農作業ロボットが植生ブロック間に出入りする際に、低位置の指標センサが温湯管の左右連通部に干渉してセンサの破損を招くおそれがあり、干渉を回避するべく同指標センサを高位置に取付けた場合は、床面指標をの検出精度の低下によって安定走行が確保できないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、生育診断等の農作業ユニットを搭載した支持機台に走行輪を備え、床面配設の温湯管を走行軌道とする栽培ベッド部まで床面走行することによって全自動で農作業を行う農作業ロボットにおいて、床面走行のための指標センサの検出精度を確保しつつ、温湯管の左右連通部との干渉を招くことなく、栽培ベッド部に出入りすることができる農作業ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、生育診断等を行う農作業ユニットと機器制御部とを搭載した支持機台に、栽培ベッドに至る床面上を転舵可能に走行駆動する走行輪と、この走行輪の舵角制御によって直進と旋回を切替えるための区分を表す床面指標を検出する検知センサと、同床面上で栽培ベッド部に配設された左右連通の温湯管を走行軌道として走行駆動する軌道輪とを備える農作業ロボットにおいて、上記支持機台には、検知センサの検知部を上下動作可能に支持する支持アームを設け、この支持アームに上記温湯管について追従可能に補助転輪を設け、この補助転輪は、検知部の位置より栽培ベッド部に近い側に配置してなることを特徴とする。
【0007】
上記支持機台は、床面上を転舵可能に走行駆動する左右の走行輪の舵角制御により、検知センサの検知部が検出する床面指標の区分と対応して直進と旋回を切替えて床面の所要の位置に移動することができ、また、栽培ベッド部においては、左右の温湯管による走行軌道を軌道輪により走行駆動され、農作業ユニットにより温湯管に沿う所要の位置での農作業動作が可能となり、この場合において、検知部は、補助転輪によって温湯管について高さ追従しうる支持アームに支持されていることから、床面走行時は床面から一定の高さで床面指標を検出し、また、床面走行と温湯管による軌道走行との移行過程では、検知部が温湯管に近い側にある補助転輪により温湯管の高さに応じて上昇動作する。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記走行輪および軌道輪には、伝動無端帯によって共通に動力を受ける伝動回転体をそれぞれ設けるとともに、走行輪と軌道輪の踏面径寸法の差と両伝動回転体の伝動径寸法の差を等しく形成したことを特徴とする。
上記両伝動回転体の伝動径寸法の差と走行輪と軌道輪の踏面径寸法の差を等しく形成し、共通の伝動無端帯によって回転動力を伝動することにより、走行輪で床面を走行する走行速度と軌道輪で温湯管による走行軌道上を走行する走行速度が同速となる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1の構成において、前記検知センサは、前後に延びる所定幅の1本線による床面指標の左右の位置ずれを検出可能な左右並置の検知部によって構成し、上記1本線指標について、その片側検出時に検出側への転舵制御によって走行輪によって直進走行する走行区分とし、上記1本線指標と交わる直交線指標について、その同時検出時に走行輪の相互逆転制御によって所定角度まで旋回する走行区分として走行制御する制御処理を機器制御部に設けたことを特徴とする。
上記検知センサは、左右の検知部により、床面指標が所定幅の1本線の場合と直交線が横断する場合とを区別し、この床面指標の区別に応じて器制御部が直進と旋回の走行制御を行うことから、温湯管の配置と対応して床面指標を設けることにより、温湯管のある作業位置に農作業ロボットが確実に到達して農作業ユニットによる作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明により、その支持機台は、床面上を転舵可能に走行駆動する左右の走行輪の舵角制御により、検知センサの検知部が検出する床面指標の区分と対応して直進と旋回を切替えて床面の所要の位置に移動することができ、また、栽培ベッド部においては、左右の温湯管による走行軌道を軌道輪により走行駆動され、農作業ユニットにより温湯管に沿う所要の位置での農作業動作が可能となり、この場合において、検知部は、補助転輪によって温湯管について高さ追従しうる支持アームに支持されていることから、床面走行時は床面から一定の高さで床面指標を検出し、また、床面走行と温湯管による軌道走行との移行過程では、検知部が温湯管に近い側にある補助転輪により温湯管の高さに応じて上昇動作する。
【0011】
したがって、床面走行時は検知部が低位置で床面指標を検知できるので、生育診断ロボットの確実な直進と旋回の動作が可能となり、また、床面走行と軌道走行との移行過程では、温湯管に追従する補助転輪による支持アームの上昇と共に温湯管から離れた位置で検知部が上昇するので、栽培ベッド部との出入りの際に低位置の検知部と左右連通の温湯管との接触が回避され、温湯管上における作物の生育診断作業や収穫作業等の農作業の無人運転が可能となる。
【0012】
請求項2の発明により、請求項1の効果に加え、両伝動回転体の伝動径寸法の差と走行輪と軌道輪の踏面径寸法の差を等しく形成し、共通の伝動無端帯によって回転動力を伝動することにより、走行輪で床面を走行する走行速度と軌道輪で温湯管による走行軌道上を走行する走行速度が同速となることから、農作業ロボットは床面走行から温湯管走行に移動した際にバランスを崩すことが防止され、煩雑な速度制御を要することなく、安定して作業を継続することができ、また、一つの伝動無端帯で走行輪と軌道輪を駆動させることができるので、別々の伝動経路を構成する必要が無く、機体構成が簡潔になるとともに部品点数が削減される。
【0013】
請求項3の発明により、請求項1の効果に加え、検知センサは、左右の検知部により、床面指標が所定幅の1本線の場合と直交線が横断する場合とを区別し、この床面指標の区別に応じて器制御部が直進と旋回の走行制御を行うことから、温湯管の配置と対応して床面指標を設けることにより、温湯管のある作業位置に農作業ロボットが確実に到達して農作業ユニットによる作業を行うことができる。
【0014】
したがって、所定位置で農作業ロボットが旋回せず作業漏れが生じる事態が防止され、また、旋回位置でない場所で旋回し、農作業ロボットが障害物や作物の植生場所に衝突して破損することや作物が傷付くことを防止できるとともに、農作業ロボットが所定外の位置で旋回してその場から動けなくなることを防止できるので、人手で位置を修正し直す必要がなく、作業者の労力が軽減されると共に、作物の生育診断作業や収穫作業等の農作業の無人化が図られ、作業者の労力が大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】農作業ロボットの走行部の側面図
【図2】農作業ロボットの走行部の平面図
【図3】機体旋回の動作説明図
【図4】農作業ユニットの正面図(a)および側面図(b)
【図5】生育診断パネルの拡大平面図
【図6】機体前端部の要部拡大側面図
【図7】機体前端部の要部拡大平面図
【図8】機体端部の要部拡大正面図
【図9】別構成例の駆動系の平面図
【図10】安全ガードの分解斜視図
【図11】安全ガード装着状態の側面図
【図12】安全ガード装着状態の平面図
【図13】サイドガードの分解斜視図
【図14】サイドガード装着状態の側面図
【図15】サイドガード装着状態の平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1および図2は、それぞれ農作業ロボットの走行部の側面図、平面図である。
農作業ロボット1は、生育診断等を行う農作業ユニット2と機器制御部3とを搭載した支持機台4に、高設型栽培ベッドBに至る床面F上を転舵可能に左右独立に走行駆動するゴム製の走行輪5およびその前後を従動支持するキャスタ5a,5aと、この走行輪5の舵角制御によって直進と旋回を切替えるための区分を表す床面指標M1,M2を検出する近接センサ6と、同床面F上で栽培ベッドB,B間に配設された左右連通の温湯管Pを床面より上位Hの走行軌道として前側で駆動支持する軌道輪7と後側で従動支持する軌道輪7aとを備えて構成される。また、機体の前後端位置には案内輪8,8を配置して機体の最外側で走行案内可能に構成する。
【0017】
支持機台4には、左右並置の検知部6a,6aからなる近接センサ6を備え、床面上の略20mmの高さ位置を下限として上下動作可能に支持アーム11によって支持する。この支持アーム11の下端をゴム製の補助転輪12によって支持するとともに付勢バネ13を連結して床面より高い走行路に対して追従可能に構成する。この補助転輪12の位置は、検知部6a,6aの前側、すなわち、栽培ベッドBに近い側で同検知部6a,6aが温湯管Pを回避しうる範囲に定める。
【0018】
上記構成の農作業ロボット1は、床面F上を転舵可能に走行駆動する走行輪5の舵角制御により、検知部6a,6aが検出する床面指標M1,M2の区分と対応して直進と旋回を切替えて床面Fの所要の位置に移動することができ、また、栽培ベッドBの位置においては、左右連通の温湯管Pによる走行軌道を軌道輪7により走行駆動され、農作業ユニット2により温湯管Pに沿う所要の位置での農作業が可能となる。
【0019】
この場合において、検知部6a,6aは、床面走行時は床面Fから一定の高さで床面指標を検出し、また、床面走行と温湯管Pに沿う軌道走行との間の移行過程においては、補助転輪12によって床面Fより上位の路面高さに追従する支持アーム11に支持されていることから、検知部6a,6aが機体前側の温湯管Pの側にある補助転輪12により走行路面高さに応じて上昇動作する。
【0020】
したがって、床面走行時は検知部6a,6aが床面上の一定高さで床面指標を検知することによって確実に直進と旋回の動作が可能となり、走行によって補助転輪12が温湯管Pに関わると、同温湯管Pから離れた低位置にある検知部6a,6aが支持アーム11の上昇と共に上昇し、低位置の検知部6a,6aと左右連通の温湯管Pとの接触が回避される。この回避動作は、栽培ベッドBからの退出についても同様であることから、検知部6a,6aの自動回避動作により、床面走行に続く温湯管上における作物の生育診断作業や収穫作業等の農作業の無人化が可能となり、作業者の労力が大幅に軽減される。
【0021】
また、上記走行輪5と軌道輪7は、相互の支持高さについて温湯管Pによるレール高さHの差を設けることにより、両者間の移行のためのスロープ等の特段の移行部材を要することなく、機体高さを一定に維持したまま安定して相互間を移行走行することができる。
【0022】
走行輪5および軌道輪7の駆動系については、左右独立の走行輪5にそれぞれ伝動回転体であるスプロケット15,15を設けて左右の系統別の電動機14,14により伝動無端帯であるチェーン14a,14bで伝動し、一方のチェーン14aは、回転動力を受ける伝動回転体であるスプロケット16を軌道輪7に設けて共通に伝動するとともに、両スプロケット15,16の伝動径寸法の差と走行輪5と軌道輪7の踏面径寸法の差を等しく構成し、他方のチェーン14bは走行輪5の左右を相互逆転制御により機体を一点旋回動作可能に構成する。
【0023】
走行輪5および軌道輪7のの踏面径寸法の差と両スプロケット15,16の伝動径寸法の差を等しく形成し、共通のチェーン14aによって伝動することにより、走行輪5で床面Fを走行する走行速度と軌道輪7で温湯管P上を走行する走行速度が同速となることから、農作業ロボット1は床面走行から温湯管走行に移動した際にバランスを崩すことが防止され、煩雑な速度制御を要することなく、安定して作業を継続することができ、また、一つの伝動無端帯で走行輪と軌道輪を駆動させることができるので、別々の伝動経路を構成する必要が無く、機体構成が簡潔になるとともに部品点数が削減される。
【0024】
検知部6a,6aは、前後に延びるステンレステープ等による所定幅の1本線による床面指標M1の左右の位置ずれを検出可能に配置し、床面の1本線指標M1について、その片側検出と対応して検出側に転舵制御することによって直進する走行区分とし、また、図3の機体旋回の動作説明図に示すように、1本線指標M1を横断する直交線指標M2について、その直交位置を機体旋回点とするべく、直交線指標M2の同時検出時に左右の走行輪の相互逆転制御によってその延長上の直交線指標M2を挟んで左右同時オフとなる角度まで機体を旋回する走行区分として走行制御する制御処理を機器制御部に設ける。
【0025】
上記左右の検知部6a,6aにより、所定幅の1本線と直交線とによる床面指標M1,M2を検出し、この床面指標に応じて器制御部が直進と旋回の走行制御を行うことから、温湯管Pの配置と対応して床面指標を設けることにより、温湯管のある作業位置に農作業ロボットが確実に到達して農作業ユニット2による作業を行うことができる。また、機体の前後に検知部6a,6aを設けて両者が左右同時オフとなる条件を加重することにより、狭い場所における旋回精度を上げて機体を正確に栽培ベッドBの方向に向けることができる。
【0026】
このようにして、農作業ロボット1が所定位置で旋回せず作業漏れが生じる事態が防止され、また、旋回位置でない場所で旋回し、農作業ロボットが障害物や作物の植生場所に衝突して破損したり作物が傷付くことを防止できるとともに、農作業ロボットが所定外の位置で旋回してその場から動けなくなることを防止できるので、人手で位置を修正し直す必要がなく、作業者の労力が軽減されると共に、作物の生育診断作業や収穫作業等の農作業の無人化が図られ、作業者の労力が大幅に軽減される。なお、床面指標は1本線に限らず、一定距離を離間した平行2本線とし、その両外側位置に左右の検知部6a,6aを配置する構成としてもよい。
【0027】
(農作業ユニット)
次に、農作業ロボット1の農作業ユニット2について説明する。
農作業ユニット2は、図4の正面図(a)および側面図(b)に示すように、機器制御部3を搭載した支持機台4上に支持フレーム21を立設し、この支持フレーム21に左右のガイドロッド22,22を平行に起立固定し、このガイドロッド22,22に沿って、生育診断パネル23等の作業パネルを上下動作可能に取付け、その昇降駆動用のスクリュー軸24を作業パネル23の片面側でガイドロッド22,22の中央に設ける。また、作業パネル23を下限位置に下降した際に計器類を備えた機器制御部3のスペースを確保するために、作業パネル23の下端部を門型Cにくり抜いて構成する。
【0028】
作業パネルについて説明すると、例えば、生育診断パネル23は、その両面にそれぞれCCDカメラを取付けたカメラ設置部31,31と、LED光を照射するLED基板取付部32,32とを備える。その配置は、図5の拡大平面図に示すように、片面の中央配置のスクリュー軸24がカメラ視界およびLED光照射を遮らないように、カメラ設置部31,31とLED基板取付部32,32を左右対称にスクリュー軸24を中央に挟んで配置する。
【0029】
温湯管Pの軌道終端で機体走行を後退モードに切替えるために、
(走行部)
機体の前端部には、要部拡大側面図および平面図を図6、図7にそれぞれ示すように、温湯管Pの軌道終端の検出のためのマイクロスイッチ41とそのアクチュエータ41aを設ける。温湯管Pの軌道終端には既存の防除ロボット等と共用の温湯管終端プレートQが固定されており、機体前部中央で温湯管終端プレートQがバンパ42をくぐり抜け、マイクロスイッチ41のアクチュエータ41aを押す高さに設けることにより、マイクロスイッチ41自体はバンパ42で保護でき、かつ温湯管終端プレートQの検出が可能となるので、機体の先端に配置した場合に障害物に干渉して破損するリスクを抑えることができる。
【0030】
機体の前後端位置に配置の案内輪8,8は、栽培ベッド入口の固定ガイド部材Gに沿って機体を案内するとともに、要部拡大正面図を図8に示すように、栽培ベッド部に進入した位置で左右の温湯管Pの両外側に沿って機体を案内する位置に配置することにより、温湯管Pが機体重量で撓み、軌道幅(トレッド)が広がったり狭まったり変化しても、軌道輪7には、鍔部を設けたり、温湯管Pの直径より車輪幅を広くしたりする車輪脱落防止のための構成が不要となる。
【0031】
走行輪5の前後のキャスタ5a,5aは、走行輪5を挟んで等距離に配置し、走行時に進行前側が浮き上がり、進行後側が接地し、駆動支持の走行輪5が常に先行して4輪走行することから、走行輪5を左右独立に駆動制御することによって操舵性を確保することができる。また、駆動系については、別構成例の平面図を図9に示すように、走行輪5の内側に軌道輪7を同一軸51上に配置することにより、別々の伝動チェン等を要することなく、簡易に伝動系を構成することができる。
【0032】
(安全ガード)
次に、安全ガードについて説明する。植物工場内の温湯管走行の際に、施設内の電気コードや点滴チューブ等の一部Sが垂れ下がっているので、多数の車輪類を備えたロボット走行部に巻き込まれるおそれがあるので、図10の分解斜視図に示すように、安全ガード61を前後の部材61a,61bによる差込式に構成し、図11、図12の側面図および平面図に示すように、機体の前後のバンパ42,42に設けた支持部62,62に差込支持によって装着することにより、巻き込み防止が可能となる。
【0033】
また、図13の分解斜視図に示すように、左右のバンパ兼用のサイドガード63,63を構成し、図14、図15の側面図および平面図に示すように、支持機台4の側面の外側部に取付けるための支脚63a,63aを介して左右それぞれサイドガード63,63をボルト固定することにより、施設内の電気コードや点滴チューブ等の一部Sが垂れ下がっていても巻き込み防止が可能となる。
【符号の説明】
【0034】
1 農作業ロボット
2 農作業ユニット
3 機器制御部
4 支持機台
5 走行輪
6 近接センサ
6a 検知部
7 軌道輪
11 支持アーム
12 補助転輪
13 付勢バネ
14a チェーン(伝動無端体)
14b チェーン(伝動無端体)
15 スプロケット(伝動回転体)
16 スプロケット(伝動回転体)
B 栽培ベッド
F 床面
H 高さ
M1 1本線指標
M2 直交線指標
P 温湯管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生育診断等を行う農作業ユニット(2)と機器制御部(3)とを搭載した支持機台(4)に、栽培ベッド(B)に至る床面(F)上を転舵可能に走行駆動する走行輪(5)と、この走行輪(5)の舵角制御によって直進と旋回を切替えるための区分を表す床面指標(M1,M2)を検出する検知センサ(6)と、同床面(F)上で栽培ベッド(B)部に配設された左右連通の温湯管(P)を走行軌道として走行駆動する軌道輪(7)とを備える農作業ロボットにおいて、
上記支持機台(4)には、検知センサ(6)の検知部(6a)を上下動作可能に支持する支持アーム(11)を設け、この支持アーム(11)に上記温湯管(P)について追従可能に補助転輪(12)を設け、この補助転輪(12)は、検知部(6a)の位置より栽培ベッド(B)部に近い側に配置してなることを特徴とする農作業ロボット。
【請求項2】
前記走行輪(5)および軌道輪(7)には、伝動無端帯(14a)によって共通に動力を受ける伝動回転体(15,16)をそれぞれ設けるとともに、走行輪(5)と軌道輪(7)の踏面径寸法の差と両伝動回転体(15,16)の伝動径寸法の差を等しく形成したことを特徴とする請求項1記載の農作業ロボット。
【請求項3】
前記検知センサ(6)は、前後に延びる所定幅の1本線による床面指標(M1)の左右の位置ずれを検出可能な左右並置の検知部(6a)によって構成し、上記1本線指標(M1)について、その片側検出時に検出側への転舵制御によって走行輪(5)によって直進走行する走行区分とし、上記1本線指標(M1)と交わる直交線指標(M2)について、その同時検出時に走行輪(5)の相互逆転制御によって所定角度まで旋回する走行区分として走行制御する制御処理を機器制御部(3)に設けたことを特徴とする請求項1記載の農作業ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−80843(P2012−80843A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231527(P2010−231527)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】