説明

近接場光導波路装置、その製造方法、および近接場光変調器

【課題】近接場光の伝達効率の減少を可及的に防止することを可能にする。
【解決手段】金属と無機酸化物とが3次元的に共に連続的な構造の複合体からなる近接場光導波部4と、近接場光導波部の一端に近接場光を導入する近接場光励起部6と、近接場光導波部の他端から近接場光を出力する近接場光出力部8と、を備えている。近接場光導波部4は、金属/無機酸化物の複合体からなっており、良好な導波効率を得るためには、酸化物の割合a(vol%)、金属の割合をb(vol%)とした場合に、70≦a≦95,5≦b≦30の高密度な構造体であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接場光導波路装置、その製造方法、および近接場光変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理容量の増大および情報処理速度の高速化により、電子配線の情報遅延や発熱問題などが発生しており、これらの問題に対する解決策が求められている。その解決策として、チップ内光配線技術や、情報処理自体を光で行う技術が研究されている。情報処理を光で行う技術の1つとして、シリコンフォトニクス(例えば、高速シリコン光変調器)が知られている。また、半導体の技術ロードマップにおいては、チップ内の光配線技術の要求が示されている。
【0003】
光配線および光導波路も微細化が要求されているが、一般に光の回折限界により光機能素子の微細加工には限界が生じる。その対策として有効な技術が“近接場光”である。近接場光を用いた光スイッチやプラズモン導波路の研究は精力的に発表されている。また、チップ内の光配線などの微細な光配線も、近接場光の関連技術によって実現する可能性があるといわれている。
【0004】
従来、微小領域で光を制御するために、近接場光を用いる技術(微小ドット列)、プラズモンを用いる技術(例えば、特許文献1参照)、励起子を用いる技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−207667号公報
【特許文献2】特開2004−157326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、微小ドット列における近接場光の導波は表面積に対する金属部分の体積比が大きく導波ロスが大きいという問題がある。また、プラズモン導波のオンオフを制御する効率の良い変調器もない。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、近接場光の伝達効率の減少を可及的に防止することのできる近接場光導波路装置、その製造方法、および近接場光変調器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様による近接場導波路装置は、金属と無機酸化物とが3次元的に共に連続的な構造の複合体からなる近接場光導波部と、前記近接場光導波部の一端に近接場光を導入する近接場光励起部と、前記近接場光導波部の他端から近接場光を出力する近接場光出力部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の態様による近接場導波路装置の製造方法は、表面に導電層が設けられた基板上に、金属アルコキシドを酸あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル法を用いて、三次元的に連続した微細孔を有する酸化膜を形成する工程と、前記微細孔をめっきで金属を充填する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3の態様による近接場導波路装置の製造方法は、金属膜が設けられた基板上に、金属アルコキシドを酸あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル法を用いて、三次元的に連続した微細孔を有する酸化膜を形成する工程と、熱処理をすることにより、前記金属膜からの金属を前記微細孔に充填する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第4の態様による近接場光変調器は、第1の態様の近接場光導波路装置と、前記近接場光導波路装置に伝播光を入力する入力部と、前記近接場光導波路装置から伝播光を出力する出力部と、前記近接場光励起部が設けられた前記近接場光導波部の前記一端から前記近接場光出力部が設けられた前記近接場光導波部の前記他端に向かう方向と略直交する方向に、前記近接場光導波路装置の近接場光導波部に電流を供給する電流供給装置と、前記電流の供給を遮断するためのスイッチと、を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第5の態様による近接場光変調器は、第1の態様の近接場光導波路装置と、前記近接場光導波路装置に伝播光を入力する入力部と、前記近接場光導波路装置から伝播光を出力する出力部と、前記近接場光励起部が設けられた前記近接場光導波部の前記一端から前記近接場光出力部が設けられた前記近接場光導波部の前記他端に向かう方向と略直交する方向に、前記近接場光導波路装置の近接場光導波部に磁場を印加する磁場印加装置と、前記磁場の印加を遮断するためのスイッチと、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プラズモン導波に必要な金属表面構造を高密度に生成でき、また、プラズモン媒体である自由電子の挙動を電流あるいは電圧によって制御できるため、近接場光の伝達効率の減少を可及的に防止することの可能な近接場光導波路、その製造方法、および近接場光変調器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態による近接場光導波路装置の概要を示す図。
【図2】実施例1の製造工程を説明する断面図。
【図3】実施例4の製造工程を説明する断面図。
【図4】第2実施形態による近接場光変調器を示す図。
【図5】第2実施形態に係るプラズモン導波路を示す図。
【図6】第2実施形態による近接場光変調器内のプラズモン導波を説明する図。
【図7】第2実施形態による近接場光変調器内のプラズモン波の散乱を説明する図。
【図8】第3実施形態による近接場光変調器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による近接場光導波路装置を図1(a)、1(b)に示す。図1(a)は本実施形態の近接場光導波路装置の断面図を示し、図1(b)は図1(a)に示す近接場光導波部の拡大図を示す。この実施形態の近接場光導波路装置は、基板2上に設けられた近接場光導波部4と、この近接場光導波部4の一端に近接場光を導入する近接場光励起部6と、近接場光導波部4の他端から近接場光を出力する近接場光出力部8とを備えている。近接場光導波部4は、図1(b)に示すように、金属4aと無機酸化物4bとが3次元的にバイコンティニュアスな(共に連続的な)構造をとる金属/無機酸化物の複合体からなっている。この金属/無機酸化物の複合体からなる近接場導波部4において、良好な導波効率を得るためには、酸化物の割合をa(vol%)、金属の割合をb(vol%)とした場合に、70≦a≦95、5≦b≦30の高密度な構造体であることが好ましい。酸化物の割合が70vol%より少なくなると、近接場光が相互作用する距離を考慮した場合、金属領域間の距離が大きくなり、導波効率が悪くなる。また酸化物の割合が95vol%より多くなると、表面プラズモンとして考えた場合の吸収に関係する体積の対する表面積の割合が小さくなり、損失が増えることになり好ましくない。この範囲内において、金属充填率が12.5Vol%付近の領域が最も効率が良くなり好ましい。
【0017】
近接場光励起部6は光ファイバープローブからなっており、近接場光出力部8も光ファイバープローブからなっている。各光ファイバープローブは先端部を先鋭化し先端部の側面に金属膜をコーティングした構成となっている。
【0018】
一般に、近接場光システムの構築や、SoC内光配線では光源となるLD、LEDやあるいはシステム外部からファイバーや伝播光導波路との結合部では高い結合効率が必要となる。この結合部では、光ファイバーの出力端の開口径を小さくし、さらに金属で開口部以外を被覆することが行われている。
【0019】
本実施形態の近接場光導波路装置においても、そのような構造としても構わない。ただし、伝播光は回折限界があるが、一旦プラズモンに変化したエネルギーは回折限界を起こさない。したがって、プラズモンへエネルギーを移行した後に、導波路の幅を小さくすることが有効となる。このことから、例えば特開2007−148289号公報に示すような分散系を用いることができる。すなわち、回折限界以上の幅の導波路において伝播光からプラズモンに変換し、その後、プラズモン導波路のサイズを小さくする。プラズモン導波路、すなわち近接場光導波路は特開2007−148289号公報のようなシステムにも適用できる。
【0020】
また、伝播光導波路とプラズモン導波路との境界端面で反射が起こることが考えられる。このため、境界端面での反射率を小さくすることが重要である。金属の屈折率は可視、近赤外では一般に実部は1より小さく、虚部(消衰係数)が大きい。このような場合、エネルギーは物質内に入り込まず、反射される。金属では表面のみにエネルギーが移行する。この時は、エネルギー保存則と波数保存則(運動量保存則)が成り立つことが条件である。しかし、一般的にはこの二つの保存則は伝播光とプラズモンの分散関係が異なることから成り立ちにくく、また、エネルギー伝播の断面積が大きく異なることから変換効率が著しく低い。そこで、本実施形態の近接場光導波路装置のように、近接場光導波部として金属/無機酸化物複合体を用いることにより、導波断面積を同じにすることができるため、変換効率を上げることができる。さらに、近年盛んになっているサブ波長構造(Sub-wavelength structure)による反射防止も本実施形態の近接場光導波路に用いることができる。
【0021】
次に、近接場光導波部4である金属/無機酸化物の複合体は、3次元的に微細な連続空孔を有する酸化物を形成し、その微細孔に対し、電解めっきを施し、空孔部を金属で充填することによって形成される。ここで、本実施形態において用いられる多孔質体は、多孔質体の表面に開口部を有する連続空孔を有するものが良く、連続空孔は三次元網目状に形成されていることが好ましい。三次元網目状に連続空孔が形成されていることによって、めっきにより空孔内に金属を充填することが可能となる。連続空孔の平均空孔径は、1nm〜100nmの範囲で設定されることが好ましく、さらには3nm〜50nmの範囲であることが望ましい。あまり空孔径が小さすぎる場合には、めっき液などが充分多孔質体の内部まで浸透しないおそれがある。一方、空孔径が大きすぎる場合には、金属の表面積に対する体積の割合が大きくなりすぎて、最早プラズモン導波路として機能しなくなる。
【0022】
本実施形態において用いられる多孔質体内の空孔率は均一であることが望まれる。空孔率が小さすぎる場合には、めっき液などが充分浸透せず、結果として金属が充填できなくなる問題を生じるおそれがある。一方、空孔率が大きすぎる場合には、上述した通り、プラズモン導波路として機能しなくなる。空孔は連続で、多孔質体の外部に通ずる開口部を有することが好ましい。開口部をもたない独立空孔内にはめっき液が浸透しにくいため、めっきを行うことが難しい。多孔質体の全空孔に対する独立空孔の割合は、好ましくは50体積%以下、さらには10体積%以下である。
【0023】
また、本実施形態において用いられる多孔質体として、多孔質酸化物であるSiOであることが望ましいが、SiOに限らず、B、Al、TiO、ZrO、NaO、CaO、SrO等の酸化物を、可視光に対して透明なマトリックスとして適用できる。これらを得る方法として、ポリマーの多孔質体を形成後、これらを鋳型として使用することも可能である。すなわちポリマー多孔質シートの空孔内に、セラミック前躯体溶液を充填し、焼成により除去する手法もとることができる。その場合、具体的にはポリマー材料などのシートに三次元連続空孔が形成された多孔質シートや、ポリマー繊維やセラミックス繊維を三次元網目状に絡めたクロスや不織布などが用いられる。
【0024】
ポリマー多孔質シートの製法は特に限定されず、例えばポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの結晶性ポリマーのシートを延伸して、作製することができる。また、ポリマーのスピノーダル分解やミクロ相分離などの相分離現象を利用して形成された多孔質シートを用いることもできる。さらに、界面活性剤を用いたエマルジョンテンプレーティング法によって形成された多孔質シートを用いてもよい。また、シリカやポリマーのビーズの集積体の空隙に、ポリマーやセラミックスを充填して硬化させた後に、ビーズを除去して作製された多孔質シートを用いることもできる。こうした多孔質シートは、Y.A.Vlasovら(Adv.Mater.11, No.2,165,1999)やS.A.Johnsonら(Science Vol.283,963,1999)が報告している。さらには、例えばS.H.Parkら(Adv.Mater.10,No.13,1045,1998)や、S.A.Jenekheら(Science Vol.283,372,1999)が報告しているようにビーズの代わりに気泡や液泡の集積体を用いて作製された多孔質体でもよい。あるいはB.H.Cumpstonら(Nature,vol.398,51,1999)や、M.Campbellら(Nature,vol.404,53,2000)が報告しているような三次元光造形法を用いて作製してもよい。
【0025】
そして、これら多孔質シートに対して、金属アルコキシドを、酸あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル溶液を充填し、所望の多孔質酸化物膜を形成する。多孔質酸化物膜を得る際に、ナノメートルレベルの微細孔を容易に形成する手法としては、基板上に、金属アルコキシドを酸、あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル法で、3次元的に連続な微細孔を有する酸化膜を形成する手法が最も望ましい。
【0026】
以下、本実施形態の金属ナノ粒子と酸化物の複合体からなる近接場光導波部4の製造方法について、まず、金属アルコキシドがオルガノシランであるTEOS(Tetra-ethoxy-silane)であり、酸化膜がSiO膜であり、金属がAuである場合を例にとって説明する。
【0027】
例えば、表面に金属等の導電部を備えた石英ガラスやSi(シリコン)の基板を準備する。この基板の上に、HCl等の酸触媒を用いたゾルゲルSiOからなる酸化膜の形成を行う。これら前駆体溶液の成膜は、ディップコートやスピンコート等で行うことができる。触媒は塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等が挙げられる。ここで、酸触媒を用いると、単量体が完全に加水分解を受ける前に重縮合が起こるために、線状の高分子が生じ易く、成膜後の状態としては、緻密なSiO膜の構造が得られやすい。
【0028】
一方、アンモニア等の塩基触媒を用いた場合、初期の加水分解反応速度は遅いものの、一旦加水分解が起こると、重縮合反応に比べ、加水分解反応が優先的に起こり、結果として、微細なSiO前躯体コロイドができ易い。これらをスピンコート等することにより、SiO前躯体の多粒子層が形成され、これらを焼結することにより、結果的に多孔質な酸化膜を得ることが可能となる。
【0029】
本実施形態においては、どちらの触媒を用いても差し支えないが、HClを用いる場合、TEOSに対して、モル比として、HCl/TEOS=0.01/1〜10/1に設定することが望ましい。HClの量がTEOSに対して、0.01未満であると、重縮合反応が十分でなく良好な酸化膜が得られず、10より多い場合には、反応が急激に進み、薄膜化が不可能となり好ましくない。アンモニアを触媒として用いる場合は、アンモニア/TEOS=0.001/1〜1/1の範囲で設定することが望ましい。アンモニアの量がTEOSに対して、0.001未満であると、反応が十分に起こらず、SiO膜の形成は困難となり、1より多い場合には、コロイドの成長が大きく、こちらも所望の膜を得ることが困難となる。
【0030】
そして、形成されたSiO膜中の微細孔の孔径が500nm以下、望ましくは50nm以下であり、かつ、この微細孔がネットワーク状に発達していることが望ましい。このような微細孔を有することにより、より微細な金属部を、マトリックス中に均一に充填させることが可能だからである。
【0031】
このように、本実施形態における3次元的に連続した空孔を有する多孔質酸化膜の形成方法は、金属アルコキシドを酸、あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル法で行うことが望ましいものの、特にそれには限定されない。
【0032】
次に、これらの3次元的に連続した空孔を有する多孔質酸化膜に対して、電解めっきを用いて、ボトムアップ的に金属を充填する。電解めっきは空孔に高充填されやすく、プラズモン導波効率が高い10Vol%程度を達成しやすい。この時、用いられる金属は、めっきが可能であればいずれの金属でもよく、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Cr、Sn、Pdの群から選択された一種類の金属、またはこれらの合金を用いることが可能である。
【0033】
または、これらの3次元的に連続した空孔を有する多孔質酸化膜に対して、金属をボトムアップ的に充填する。上記酸化物からなる多孔質構造体は、基板上に金属膜の上に形成する。基板上への金属膜の形成は、蒸着法、スパッタ法などのドライプロセス、電解めっき、無電解めっき等のウェットプロセス等、如何なる方法を用いても構わない。これら金属膜が設けられた基板上に多孔質構造体膜を形成後、空孔内に金属を充填する方法は、熱処理のみで、近接する多孔質構造体の空孔内に毛管力によって容易に充填することが可能なことを、本発明者達は見出した。比較的低融点なIn、Sn、Zn、Alなどは、その融点付近の加熱でよく、あるいは金属膜をアモルファス状に製膜すれば、比較的低温の加熱によるアニールで結晶粒成長が起こる際、金属原子が凝集、拡散し、擬似溶融状態になる。この時、近接した部分に微細孔が存在していれば、毛管力により空孔内に充填していく。金属がAgまたはCuの場合においては、特にこの傾向は顕著である。ここで用いられる金属は、特に問わないが、近接場光導波路として用いる場合には、Ag、Cu、およびAlの群から選択された一種類の金属、またはこれらの合金を用いることが望ましい。
【0034】
(実施例1)
次に、本実施形態の実施例1による近接場光導波路装置を、図2(a)乃至図2(d)を参照して説明する。図2(a)乃至図2(d)は、実施例1による近接場光導波路装置に係る近接場光導波部の製造方法を示す断面図である。
【0035】
まず、50nm厚のCr層22が表面に形成された石英ガラス基板20を用意し、この石英ガラス基板20の上に酸触媒を用いてSiO膜24を形成する(図2(a))。このSiO膜24は次のようにして形成される。まず、セパラブル・フラスコ(図示せず)に、エタノール100ml、イオン交換水20ml、1mol/lの塩酸水溶液10mlを加え、30℃に保持して30分程度混合する。続いてTEOSを21g添加し、更に3時間程度、混合する。50nm厚のCr層22が表面に形成された20mm×50mm×1mmの石英ガラス基板20は、水、エタノール、アセトンで洗浄した後、UV(紫外線)ドライ洗浄を行い、実験に供する。スピナーを使い、2000rpm×30sで調製した前駆体溶液を石英ガラス基板20に塗布する。その後、室温で24時間保持し、加水分解及び縮重合反応を起こさせる(図2(b))。このSiO膜24のIR測定をしたところ、3400cm−1近傍および950cm−1近傍にOH基に起因するピークが認められた。蛍光X線による組成分析を行ったところ、SiO/Cl=63/1の値を得た。
【0036】
このSiO膜24を、アルゴンガス気流下、400℃で1時間の熱処理に供する。このようにして、300nmの厚みを有する多孔質酸化物膜24aを得た。
【0037】
次に、この多孔質酸化膜24aの形成基板20を陰極とし、希塩酸溶液に10分間浸漬洗浄を行った後、二シアノ金(I)酸カリウム、5.84g、クエン酸50g、クエン酸三カリウム80gを溶解した溶液をめっき液とし、3mA/cmの電解密度にて10分間めっき処理を行い、多孔質の空孔内に金属の充填を行い、金属とSiOとが3次元的にバイコンティニュアスな構造をとる金属/無機酸化物の複合体25を形成する。
【0038】
このようにして得られた金属/無機酸化物の複合体25に対し、リソグラフィープロセスによって、幅500nm、長さ5μmの細線構造の近接場光導波部を形成した。この近接場光導波部の一端(入力端)と他端(出力端)の外側に、それぞれ5nmの間隔を隔てて1対の電極(図示せず)を形成した。
【0039】
その後、図1(a)に示すように、近接場光導波部の入力端の上方に近接場光励起部として光ファイバープローブを配置し、出力端の上方に近接場光出力部として光ファイバープローブを配置し、近接場光導波路装置を形成した。各光ファイバープローブは先端部を先鋭化し先端部の側面に金属膜をコーティングしたものである。
【0040】
このようにして形成された本実施例の近接場光導波路装置において、近接場光励起部から波長532nmの近接場光を励起し続けた場合、近接場光出力部で近接場光の出力が観測された。
【0041】
(実施例2)
実施例2は、塩基触媒を用いてSiO膜を形成することにより近接場光導波部を形成する方法である。セパラブル・フラスコに、エタノール100ml、25%アンモニア水10mlを加え、30℃で30分程度混合し、ついでTEOSを3.5g添加し、3時間程度混合した。これ以外は、実施例1と同様の方法によって、金属と無機酸化物とが3次元的にバイコンティニュアスな構造をとる金属/無機酸化物の複合体からなる近接場光導波部を形成し、その後実施例1と同様にして、電極を形成するとともに、近接場光励起部および近接場光出力部を形成して近接場光導波路装置を完成し、導波を確認したところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0042】
(実施例3)
ポリマー多孔質前躯体シートを作製するため、まずポリアミド酸の16重量%N,N−ジメチルアセトアミド溶液を実施例1と同様の基板上に塗布し、直ちにメタノール中に浸漬してスピノーダル分解により多孔質化した後、溶媒を除去し、窒素中350℃で加熱処理してイミド化することにより作製した。ポリアミド酸溶液は、等当量の3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と2,2’−ビス[4−(p−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンとをN,N−ジメチルアセトアミド中で反応させて調製した。得られた多孔質シートに対し、UV洗浄処理を施した後、実施例1と同組成のTEOS溶液をディップにより浸漬させ、1昼夜室温にて放置した。その後、100℃で1時間→400℃で2時間→600℃で1時間の熱処理を施したサンプルをCOの超臨界洗浄装置に投入し、空孔内の残渣を除去してSiOの多孔質膜を作製した。その後は、実施例1と同様の方法にて金属としてAuの充填を行って、Auと無機酸化物とが3次元的にバイコンティニュアスな構造をとる金属/無機酸化物の複合体を形成する。続いて、細線構造の近接場光導波部を形成し、その後、実施例1と同様にして、電極を形成するとともに、近接場光励起部および近接場光出力部を形成して近接場光導波路装置を完成する。さらに、実施例1、2と同様に、近接場光の導波を確認することができた。
【0043】
(実施例4)
次に、本実施形態の実施例4による近接場光導波路装置を、図3(a)乃至図3(d)を参照して説明する。図3(a)乃至図3(d)は、実施例4による近接場光導波路装置に係る近接場光導波部の製造方法を示す断面図である。
【0044】
まず、図3(a)、3(b)に示すように、100nm厚のCu層26がEB(Electron Beam)蒸着により表面に形成された石英ガラス基板20の上に酸触媒を用いてSiO膜28を形成する。具体的には、次のように形成される。セパラブル・フラスコに、エタノール100ml、イオン交換水20ml、1mol/l塩酸水溶液10mlを加え、30℃に保持して30分程度混合した。次にTEOSを21g添加して、更に3時間程度、混合した。20×50×1mmの石英ガラス基板は、水、エタノール、アセトンで洗浄した後、UVドライ洗浄を行い、実験に供した。スピナーを使い、1500rpm×30秒で調製した前駆体溶液を石英ガラス基板に塗布した。その後、室温で24時間保持し、加水分解及び縮重合反応を起こさせた(図3(b))。
【0045】
本実施例のSiO膜28のIR測定をしたところ、3400cm−1近傍および950cm−1近傍にOH基に起因するピークが認められた。蛍光X線による組成分析を行ったところ、SiO/Cl=63/1の値を得た。その後、このSiO膜28を、アルゴンガス気流下、400℃で1時間の熱処理に供する。このようにして、400nmの厚みを有する多孔質酸化物膜28aを得た(図3(c))。
【0046】
次に、この多孔質酸化膜の形成基板をAr雰囲気下、500℃で加熱し、膜29を得た(図3(d))。この膜29の断面のTEM観察から多孔質空孔内に金属(Cu)が充填していることを確認した。すなわち、膜29は、熱処理により、Cu層26からCuが毛管力により多孔質空孔内に充填された膜となる。
【0047】
続いて、細線構造の近接場光導波部を形成し、その後、実施例1と同様にして、電極を形成するとともに、近接場光励起部および近接場光出力部を形成して近接場光導波路装置を完成する。さらに、実施例1と同様に、近接場光の導波を確認することができた。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による近接場光変調器を、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の近接場光変調器を示す斜視図である。
【0049】
本実施形態の近接場光変調器は、相対する二枚の電極32a、32bと、この二枚の電極32a、32bに挟まれた、プラズモン導波路34と、プラズモン導波路34に伝播光を入力する光導波路入力部36と、プラズモン導波路34から伝播光を出力する光導波路出力部37と、電圧発生装置38と、スイッチ39とを備えている。なお、電圧発生装置38は、抵抗Rを介して二枚の電極32a、32b間に流す信号電流を供給するための電圧を発生する。すなわち、電圧発生装置38と、抵抗Rとは、電極32a、32b間に流す電流を供給する電流供給装置となる。
【0050】
本実施形態に用いられるプラズモン導波路34は、図5に示すように、誘電体34b、空気、または真空との界面を持ち格子欠陥35を有する金属連続体34aを有している。この金属連続体34aは、第1実施形態で説明した近接場光導波部4のように、金属と無機酸化物とが3次元的にバイコンティニュアスな構造をとる金属/無機酸化物の複合体であってもよい。また、金属連続体としては、金属(例えばAgやAu)中にナノメートルサイズの誘電体(例えばSiO)、空気、または真空の領域が均一に分散されたポーラス構造体であってもよい。いずれにしても、プラズモン導波路34は金属連続体を有している。なお、このプラズモン導波路34は、図1に示す第1実施形態の近接場光導波路装置であってもよい。この場合、電極32a、32bは、近接場光導波部4の対向する一対の面に設けられ、光導波路入力部36は近接場光励起部6に接続され、光導波路出力部37は近接場光出力部8に接続されるように設けられる。
【0051】
プラズモン導波路34の形状は六つの面を有する直方体乃至立方体構造を有している。このプラズモン導波路34の相対する一対の面はそれぞれ電極32a、32bと電気的に接触しており、これらの電極32a、32bはプラズモンが発生しにくい材料(例えばPt)が用いられる。プラズモン導波路34のもう一対の面の一方には光導波路入力部36が接続され、他方の面には、光導波路出力部37が接続される。光導波路入力部36は、近接場光変調器のプラズモン導波路中に、入射光と同位相のプラズモン波にカップリングするように設計しておく。そして、近接場光変調器のプラズモン波は、金属と、誘電体、空気、あるいは真空との界面を伝わり、伝播する。プラズモン波は、金属連続体内の自由電子を介在して伝播するので、プラズモン波と同位相の出射光が光導波路出力部37にカップリングするように設計しておく。
【0052】
金属連続体内の格子欠陥で自由電子が散乱される部分では近接場光変調器中のプラズモン波は消滅する。信号電流を発生させるための電場発生装置38に接続されたスイッチ39をオフにして上記電極32a、32b間に電流が流れない状態(オン状態)では、光導波路入力部36で発生されたプラズモン波は、プラズモン導波路34中の自由電子の散乱によりプラズモン波が消滅する場合もあるが、散乱のないパスを通ったプラズモン波は光導波路出力部37に到達する。すなわち、図6に示すように、プラズモン導波路34内を電場Exが伝播することにより、プラズモン波が光導波路出力部37に到達する。
【0053】
ここで、信号電流を発生させるための電場発生装置38に接続されたスイッチ39をオンにして、電極32a、32b間に電流が流れる状態(オフ状態)にすると、金属連続体内の自由電子は電流印可方向に平行移動し、プラズモン波も同様に平行移動する。この平行移動により、金属連続体内の自由電子は格子欠陥により散乱される確率が増え、結果的にプラズモン波は消滅し、プラズモン波は近接場光変調器の光導波路出力部37に到達しない。すなわち、図7に示すように、プラズモン導波路34内を電場Exが伝播せず、プラズモン波が光導波路出力部37に到達しない。
【0054】
以上説明したように、本実施形態においては、プラズモン変調を実現することができる。
ここで、電極32a、32b間の距離、あるいは界面から格子欠陥までの平均距離が金属連続体内自由電子の平均自由行程よりも短くてよい。これにより、電子の移動速度はバリスティック伝導(約数100km/sec)によって決まり、変調が高速になる。さらに、近接場光変調器も微細となる。
【0055】
また、第2実施形態においては、プラズモン導波路として、第1実施形態の近接場光導波部と同じ構造を有しているので、第1実施形態と同様に、近接場光の伝達効率の減少を可及的に防止することができる。
【0056】
(実施例1)
次に、実施例1による近接場光変調器を説明する。本実施例の近接場光変調器は、第2実施形態の近接場光変調器において、プラズモン導波路34として、格子欠陥がない場合の、SiOポーラス構造を有する、幅50nm、長さ1.4μmの銀連続体を有する構成となっている。なお、電極32a、32bの材料として厚さ200nmのPtを用いた。
【0057】
この近接場光変調器に500nmの連続光を照射した時の、銀連続体内のプラズモン波の導波を観測した。すると、本変形例も第2実施形態の近接場光変調器と同様に、プラズモン変調を実現することができた。
【0058】
(実施例2)
次に、実施例2による近接場光変調器を説明する。本実施例の近接場光変調器は、実施例1の近接場光変調器において、プラズモン導波路34の銀連続体に格子欠陥が多く含まれるように構成した。この場合も、近接場光変調器に500nmの連続光を照射した時の、銀連続体内のプラズモン波の導波を観測した。その結果、近接場光変調器のプラズモン波が崩れ、プラズモン波が減衰することを確認した。これは、電極32a、32b間に電流が流れることにより、金属連続体内の自由電子が格子欠陥で散乱される確率が増え、それに伴いプラズモンの状態が消滅し、光導波路出力部へ伝播するプラズモン強度を弱まりプラズモンが変調された。尚、SiOポーラス構造を有する銀連続体の誘電率は、電流印可に伴い一定のままであった。
【0059】
第2実施形態の近接場光変調器における格子欠陥によるプラズモン波の消滅は、プラズモン励起による自由電子の集団的振動を、不純物を含む一次元の連成振動でモデル化することができる。プラズモン波の分散関係に不純物準位が形成され、電流を流すことにより自由電子が格子欠陥に衝突する確率が増えるに従い、プラズモン波に寄与する自由電子が、導波しない不純物準位での状態密度が増加し、同時にプラズモン波に寄与する自由電子が減衰することをシミュレーションにより確認した。プラズモン波に寄与する自由電子が減衰することにより、プラズモン波が消滅する。
【0060】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による近接場光変調器を、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態の近接場光変調器を示す斜視図である。
【0061】
本実施形態の近接場光変調器は、第2実施形態の近接場光変調器において、一対の電極32a、32b、電圧発生装置38、および抵抗Rを、一対の電磁石42a、42b、およびこれらの電磁石42a、42bに電流を供給して磁場を発生させる電流供給装置44に置き換えた構成となっている。一対の電磁石42a、42bは、光導波入力部36および光導波出力部37が設けられたプラズモン導波路34の一対の面と、略直交する一対の面に対向するように設けられる。すなわち、一対の電磁石42a、42bは、プラズモン導波路34を挟むように設けられる。一対の電磁石42a、42bと、プラズモン導波路34との間の距離は、数10nm程度であるある。なお、一対の電磁石42a、42bには、ハードディスクに用いられるような微細電磁石を用いても良い。
【0062】
スイッチ39をオフ状態にして電磁石42a、42b間のプラズモン導波路34に磁場を印加しない状態(オン状態)では、プラズモン導波路34を構成する金属連続体内の自由電子の散乱によりプラズモン波が消滅する場合もあるが、散乱のないパスを通ったプラズモン波は光導波路出力部37に到達する。ここで、スイッチ39をオン状態にして電流供給装置44から電流を電磁石42a、42bに供給してプラズモン導波路34に信号磁場を印加すると、金属連続体34内の自由電子は磁場印可方向に平行移動し、プラズモン波も同様に平行移動する。この平行移動により、金属連続体34内の自由電子は格子欠陥により散乱される確率が増え、結果的にプラズモン波は消滅し、プラズモン波は近接場光変調器の光導波路出力部に到達しない。これにより、プラズモン変調を実現することができる。
【0063】
なお、磁場による自由電子の移動は、微細金属細線におけるエッジ状態(edge state)へ移る機構と同様の現象が、電磁石に挟まれた金属連続体内で起き、その際、プラズモンの別なエネルギー状態への移動、乃至プラズモンの局在化によりプラズモン波が減衰すると考えられる。こうした現象はS.V. Iordanskiiら(JETP Lett.57,No.10,667,1993)らが報告している。
【0064】
ここで、電磁石に挟まれた金属連続体34の幅、あるいは界面から格子欠陥までの平均距離が金属連続体内自由電子の平均自由行程よりも短くてよい。これにより、電子の移動速度はバリスティック伝導(約数100km/sec)によって決まり、変調が高速になる。さらに、近接場光変調器も微細化することができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、磁場印可によるプラズモンの変調を行うことができる。
【0066】
なお、従来の場合は、外部磁場による誘電率変化や、電子数密度によるプラズモン変調が行なわれていたが、第2および第3実施形態の近接場光変調器においては、自由電子の格子欠陥への衝突確率の制御によりプラズモン変調を行うため、自由電子の移動距離は短くでき、近接場光変調器の高速化、および微細化が可能である。
【0067】
また、第3実施形態においては、プラズモン導波路として、第1実施形態の近接場光導波部と同じ構造を有しているので、第1実施形態と同様に、近接場光の伝達効率の減少を可及的に防止することができる。
【符号の説明】
【0068】
2 基板
4 近接場光導波部
4a 金属
4b 無機酸化物
6 近接場光励起部
8 近接場光出力部
20 基板
22 Cr層
24 SiO
24a 多孔質酸化物(多孔質SiO膜)
26 金属層
28 SiO
28a 多孔質酸化物(多孔質SiO膜)
29 空孔内にCuが充填された多孔質酸化物(多孔質SiO膜)
32a 電極
32b 電極
34 プラズモン導波路
34a 金属連続体
34b 誘電体
36 光導波路入力部
37 光導波路出力部
38 電圧発生装置
39 スイッチ
42a 電磁石
42b 電磁石
44 電流供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属と無機酸化物とが3次元的に共に連続的な構造の複合体からなる近接場光導波部と、
前記近接場光導波部の一端に近接場光を導入する近接場光励起部と、
前記近接場光導波部の他端から近接場光を出力する近接場光出力部と、
を備えていることを特徴とする近接場光導波路装置。
【請求項2】
前記近接場光導波部は、前記酸化物の割合をa(vol%)、前記金属の割合をb(vol%)とした場合に、70≦a≦95、5≦b≦30であることを特徴とする請求項1記載の近接場光導波路装置。
【請求項3】
前記金属は、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Co、Cr、Sn、Pdの群から選択された一種の金属、またはこれら合金からなることを特徴とする請求項1または2記載の近接場光導波路装置。
【請求項4】
前記無機酸化物が、SiOであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の近接場光導波路装置。
【請求項5】
表面に導電層が設けられた基板上に、金属アルコキシドを酸あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル法を用いて、三次元的に連続した微細孔を有する酸化膜を形成する工程と、
前記微細孔をめっきで金属を充填する工程と、
を備えていることを特徴とする近接場光導波路装置の製造方法。
【請求項6】
金属膜が設けられた基板上に、金属アルコキシドを酸あるいは塩基触媒の作用により部分加水分解するゾルゲル法を用いて、三次元的に連続した微細孔を有する酸化膜を形成する工程と、
熱処理をすることにより、前記金属膜からの金属を前記微細孔に充填する工程と、
を備えていることを特徴とする近接場光導波路装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載の近接場光導波路装置と、
前記近接場光導波路装置に伝播光を入力する入力部と、
前記近接場光導波路装置から伝播光を出力する出力部と、
前記近接場光励起部が設けられた前記近接場光導波部の前記一端から前記近接場光出力部が設けられた前記近接場光導波部の前記他端に向かう方向と略直交する方向に、前記近接場光導波路装置の近接場光導波部に電流を供給する電流供給装置と、
前記電流の供給を遮断するためのスイッチと、
を備えていることを特徴とする近接場光変調器。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかに記載の近接場光導波路装置と、
前記近接場光導波路装置に伝播光を入力する入力部と、
前記近接場光導波路装置から伝播光を出力する出力部と、
前記近接場光励起部が設けられた前記近接場光導波部の前記一端から前記近接場光出力部が設けられた前記近接場光導波部の前記他端に向かう方向と略直交する方向に、前記近接場光導波路装置の近接場光導波部に磁場を印加する磁場印加装置と、
前記磁場の印加を遮断するためのスイッチと、
を備えていることを特徴とする近接場光変調器。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−53531(P2011−53531A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203662(P2009−203662)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「低損失オプティカル新機能部材技術開発」産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】