説明

送信元ロケーション・アイデンティファイア、送信元ロケーションを識別する方法、およびそのアイデンティファイア、またはその方法を使用するシステム

【課題】本発明は、SMS(ショートメッセージ・サービス)で使用するための送信元ロケーション・アイデンティファイアを提供する。
【解決手段】一実施形態では、送信元ロケーション・アイデンティファイアは、移動電話機のロケーションに関連する一意指示子を提供するように構成されたメモリを含む。さらに、送信元ロケーション・アイデンティファイアは、そのメモリに結合され、SMSを使用する移動電話機のロケーションからのショートメッセージ伝送に、その一意指示子を付けるように構成された送信元識別ユニットも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通信システムを対象とし、より具体的には、送信元ロケーション・アイデンティファイア、送信元ロケーションを識別する方法、およびそのアイデンティファイア、またはその方法を使用する通信システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
最初、移動電話機は、ボイス・メッセージを通信するのに使用され、他のフィーチャのためのサポートを滅多に含んでいなかった。現在、移動電話機は、少し前には、想像されるだけであったフィーチャを有するポータブル情報交換システムおよびエンターテイメント・センタになっている。例えば、現在、利用可能な移動電話機は、ニュース、気象、スポーツ、およびエンターテイメント・ビデオの最新版を見ること、および最先端の3次元ゲームを行うことを可能にする。ビデオ・オンデマンドやオーディオ・オンデマンドなどのフィーチャは、ビデオ・クリップおよびオーディオ・クリップの再生を可能にする。映画ファンおよび音楽ファンは、ほんの数回のクリックで、鮮明さおよび明瞭さを有するコンテンツを、自身の移動電話機にダウンロードすることができる。ビデオ・メッセージングおよび静止画像が、記録されて、任意の電子メール・アドレスに送信されることが可能である。これらのフィーチャの多くは、相当な通信時間、または些少ではない、さらなる負担を要求する。
【0003】
SMS(ショートメッセージ・サービス)は、移動ネットワークを介してショートメッセージを配信する機構である。SMSは、ストア・アンド・フォワードで移動電話機へメッセージを送信する、または移動電話機からメッセージを送信する仕方である。各ショートメッセージは、英数字(テキスト)またはバイナリの非テキスト・ショートメッセージであることが可能な、160文字までを含むことが可能である。SMSは、ボイスメッセージングまたはビデオ・メッセージングの何分の1かの費用で、電子メールのような永久メッセージを提供し、基本的に、音声通信に通常、関連する中断なしに、送受信されることが可能であるため、急速に普及している。しかし、SMSが、他の拡張フィーチャを欠いていることは、現状を超えるSMSの有用性を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、当技術分野で必要とされているのは、SMSに関する拡張フィーチャ、特に、ショートメッセージを使用することに関連する有用性および価値を高めるフィーチャを提供する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
先行技術の前述した欠陥に対処するのに、本発明は、SMS(ショートメッセージ・サービス)で使用するための送信元ロケーション・アイデンティファイアを提供する。一実施形態では、送信元ロケーション・アイデンティファイアは、移動電話機のロケーションに関連する一意指示子を提供するように構成されたメモリを含む。さらに、送信元ロケーション・アイデンティファイアは、メモリに結合され、SMSを使用する移動電話機のロケーションからのショートメッセージ伝送に一意指示子を付けるように構成された送信元識別ユニットも含む。
【0006】
別の態様では、本発明は、SMS(ショートメッセージ・サービス)で使用するための送信元ロケーションを識別する方法を提供する。方法は、移動電話機のロケーションに関連する一意指示子を提供すること、およびSMSを使用する移動電話機のロケーションからのショートメッセージ伝送に一意指示子を付けることを含む。
【0007】
また、本発明は、さらに別の態様において、通信システムも提供する。通信システムは、SMS(ショートメッセージ・サービス)を提供する通信ネットワークと、その通信ネットワークに結合された送信側および受信側の移動電話機と、SMSで使用するための送信元ロケーション・アイデンティファイアとを含む。図示される実施形態では、送信元ロケーション・アイデンティファイアは、送信側移動電話機のロケーションに関連する一意指示子を提供するメモリと、SMSを使用する送信側移動電話機のロケーションからのショートメッセージ伝送に一意指示子を付ける、メモリに結合された送信元識別ユニットとを有する。また、送信元ロケーション・アイデンティファイアは、一意指示子に基づいて送信側移動電話機のロケーションを識別する、送信元識別ユニットに結合され、受信側移動電話機と通信ネットワークのいずれかに関連するロケーション識別ユニットも有する。
【0008】
以上は、後段の本発明の詳細な説明を当業者が、よりよく理解することができるように、本発明の好ましい特徴、および代替の特徴の概要を述べた。本発明の特許請求の範囲の主題を成す本発明のさらなる特徴を、以降に説明する。当業者は、開示される概念、および特定の実施形態を、本発明と同一の目的を実行するための他の構造を設計するため、または変更するための基礎として容易に使用できることが、当業者には理解されよう。また、そのような均等の構築物が、本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことも、当業者には認識されよう。
【0009】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面と併せて解釈される、以下の説明を次に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の原理に従って構築された通信システムの実施形態を示す系統図である。
【図2】本発明の原理に従って実行される送信元ロケーションを識別する方法の実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に図1を参照すると、例示されているのは、本発明の原理に従って構築された、全体的に100で示される、通信システムの実施形態の系統図である。通信システム100は、SMS(ショートメッセージ・サービス)を提供する通信ネットワーク105、第1の移動電話機110、および第2の移動電話機120、ならびにネットワーク・サーバ130を含み、電話機110、120、およびサーバ130はすべて、図示されるとおり、通信ネットワーク105に結合される。図示される実施形態では、ベルリンに位置する第1のユーザが、第1の移動電話機110を使用し、ミュンヘンに位置する第2のユーザが、第2の移動電話機120を使用する。
【0012】
第1の移動電話機110は、第1のディスプレイ111を使用し、第1のメモリ116と、第1の送信元識別ユニット117と、第1のロケーション識別ユニット118とを有する第1の送信元ロケーション・アイデンティファイア115を含む。第2の移動電話機120は、第2のディスプレイ121を使用し、第2のメモリ126と、第2の送信元識別ユニット127と、第2のロケーション識別ユニット128とを有する第2の送信元ロケーション・アイデンティファイア125を含む。図示される実施形態では、第1の送信元ロケーション・アイデンティファイア115、および第2の送信元ロケーション・アイデンティファイア125は、既存のハードウェア上に構築されて、有用性と価値の両方を追加することにより、実装済みの機器基盤の効率的な使用を可能にすることが可能なソフトウェア実施形態である。代替の実施形態では、第1の送信元ロケーション・アイデンティファイア115、および第2の送信元ロケーション・アイデンティファイア125は、ソフトウェアとハードウェアの混成の組み合わせであってもよく、あるいは、完全にハードウェア実施形態で作られてもよい。
【0013】
さらに、第1のロケーション識別ユニット118、および第2のロケーション識別ユニット128は、図1に示されるとおり、第1の移動電話機110、および第2の移動電話機120の代わりに、通信ネットワーク105に直接に関連付けられてもよい。このフィーチャは、ユーザ・ロケーションに関する情報が、よりセキュアな環境内に保持されることを可能にして、ロケーションデータの意図的な歪曲または破壊を減らす。
【0014】
最初、ベルリンに位置する第1のユーザが、第1の移動電話機110(送信側移動電話機)を使用して、通信ネットワーク105のSMSを使用して、第1のショートメッセージ伝送112としてテキスト・メッセージを、第2の移動電話機120(受信側移動電話機)に送信し、電話機120が、そのメッセージを第2のディスプレイ121上に表示する。第1の送信元ロケーション・アイデンティファイア115が、第1のメモリ116を使用して、第1の移動電話機110のベルリンロケーションに関連する第1の一意指示子を提供する。これに相応して、第1のメモリ116に結合された第1の送信元識別ユニット117が、その第1の一意指示子を、第1のショートメッセージ伝送112に付ける。第2のロケーション識別ユニット128は、第1の送信元識別ユニット117に結合され、この第1の一意指示子に基づき、第1の移動電話機110のロケーション(すなわち、ベルリン)を識別する。第2のディスプレイ121上で提供される第1の送信元ロケーション標識113により、第1のショートメッセージ伝送112が、ベルリンから送信されたことが示される。
【0015】
これに応答して、ミュンヘンに位置する第2のユーザが、第2の移動電話機120(現時点で、送信側移動電話機)から第1の移動電話機110(現時点で、受信側移動電話機)に第2のショートメッセージ伝送122を送信し、この伝送122が、図示されるとおり、第1のディスプレイ111上に表示される。これに相応するように、第2のメモリ126が、第2の移動電話機120のミュンヘン・ロケーションに関連する第2の一意指示子を提供する。第2のメモリ126に結合された第2の送信元識別ユニット127が、この第2の一意指示子を第2のショートメッセージ伝送122に付ける。第1のロケーション識別ユニット118が、第2の送信元識別ユニット127に結合され、その第2の一意指示子を使用して、その第2の一意指示子に基づき、第2の移動電話機のロケーションを識別する(すなわち、ミュンヘン)。第1のディスプレイ111上で提供される第2の送信元ロケーション指示子123により、第2のショートメッセージ伝送122が、ミュンヘンから送信されたことが示される。
【0016】
図示される実施形態では、第1の一意指示子、および第2の一意指示子は、第1のショートメッセージ伝送、および第2のショートメッセージ伝送に自動的に付けられる。代替の実施形態では、一意指示子の付加は、完全に不能にされてもよく、あるいはショートメッセージ送信元の起動時に限って達せられてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態では、通信ネットワーク105は、GMS/UMTS(Global System for Mobile Communications/Universal Mobile Telecommunications System)であり、第1の一意指示子、および第2の一意指示子は、第1の移動電話機110、および第2の移動電話機120にサービスを提供するGSMマストに関連する第1のセルID、および第2のセルIDである。各GSMマストは、そのマストのセルIDを送信して、GSMに関連する最も近いマストのセルIDを読み取ることを可能にする。これらのセルIDを、付随するロケーションとともに、セルIDデータベースの中に収集することにより、現在の物理的ロケーションの識別が可能になる。
【0018】
通信システム100において、移動電話機ロケーションの識別を可能にする、前述したセルIDなどの、一意指示子のコレクションを提供するネットワーク・データベースが、ネットワーク・サーバ130において保持される。このネットワーク・データベースが、第1のロケーション識別ユニット118、および第2のロケーション識別ユニット128によって調べられて、受信された一意指示子が、送信側移動電話機の物理的ロケーションと照合されることが可能である。代替として、第1のロケーション識別ユニット118、および第2のロケーション識別ユニット128は、第1の移動電話機110、および第2の移動電話機120のそれぞれの内部に配置されたローカル・データベースをそれぞれ使用することが可能である。これらのローカル・データベースは、定常的なソフトウェア・アップグレードを介して提供される、または通信ネットワーク105からダウンロードされることが可能である。第1のロケーション識別ユニット118、および第2のロケーション識別ユニット128は、ネットワークまたはローカル・データベースのいずれかを使用して、セルの一意指示子に基づいて特定のセルを記述するテキスト・ストリングを取得することができる。
【0019】
さらに、これらのデータベースは、インターネット上で利用可能な公開データベース(例えば、http://janus.liebregts.nl/cellid/NL/)であっても、プライベート・データベースであってもよい。ネットワーク事業者は、独自の完全なデータベースを提供しており、それらのデータベースを、ユーザのためのサービスとして提供することができる。これらのデータベースが、前述したとおり、ユーザの移動電話機にダウンロードされて、ローカルで使用されることが可能である。代替として、これらのデータベースには、インターネットを使用して、オンラインでアクセスが行われてもよい。
【0020】
次に図2を参照すると、例示されているのは、本発明の原理に従って実行される、200で全体的に示される送信元ロケーションを識別する方法の実施形態の流れ図である。方法200は、SMS(ショートメッセージ・サービス)で使用されるためのものであり、工程205で始まる。次に、工程210で、移動電話機のロケーションに関連する一意指示子が、提供される。一実施形態では、一意指示子は、移動電話機にサービスを提供している移動電話セルに関連するセルIDである。もちろん、既存のアプリケーション、または将来のアプリケーションに適切な、他の一意指示子が、使用されてもよい。
【0021】
工程215で、その一意指示子が、SMSを使用する移動電話機のロケーションからの、通常は、テキスト・メッセージであるショートメッセージ伝送に付けられる。ショートメッセージ伝送に一意指示子を付けることは、いくつかの付加モードの1つを使用することができる。例えば、一意指示子は、すべてのショートメッセージ伝送に、または選定されたグループのショートメッセージ伝送に自動的に付けられることが可能である。代替として、一意指示子は、ユーザが、一意指示子が付けられるべきことを手動で指定する、ユーザ主導の付加モードでショートメッセージ伝送に付けられてもよい。
【0022】
次に、工程220で、移動電話機のロケーションが、一意指示子に基づいて識別される。移動電話機のロケーションを識別することは、インターネットを使用する、公共であっても、プライベートであってもよい通信ネットワークを介して調べられるネットワーク・データベース、または別の通信媒体を使用する。さらに、ロケーションは、あらかじめプログラミングされている、または、そのような目的でダウンロードされているローカル・データベースを有する受信側移動電話機を使用して、ローカルで特定されてもよい。本発明の一実施形態では、ネットワーク・データベースおよびローカル・データベースは、コールIDデータベースを使用する。方法200は、工程225で終了する。
【0023】
本明細書で開示される方法は、特定の順序で実行される特定の工程に関連して説明され、図示されてきたが、本発明の教示を逸脱することなく、これらの工程が、組み合わされ、細分され、または並べ替えられて、同等の方法を形成してもよいことを理解されたい。したがって、本明細書で具体的に示されない限り、これらの工程の順序またはグループ分けは、本発明の限定ではない。
【0024】
要約すると、送信元ロケーション・アイデンティファイア、送信元ロケーションを識別する方法、ならびに、このアイデンティファイア、またはこの方法を使用する通信システムを使用する本発明の実施形態が、提示された。利点には、移動電話機の多くのユーザによって所望されるフィーチャである物理的ロケーションの自動的交換を可能にすることが含まれる。例えば、ユーザは、ユーザの大切な人々とSMSメッセージを交換すること、およびそれらの人々のおおよそのロケーションを特定することができることにより、それらの人々に「何事もないか確認する」ことができる。この能力は、ティーンエージャーの子供、または老齢の親の介護人と連絡をとる際、特に有益である。さらに、本発明の実施形態は、ソフトウェア変更を使用して、既存の実装済みの機器基盤に有用性と価値をともに追加することにより、通常、既存の通信ハードウェア上で実施されることが可能である。
【0025】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者は、本発明の最も広い形態における本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本発明に様々な変更、置換、および改変を行うことができることが、当業者には理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SMS(ショートメッセージ・サービス)で使用するための送信元ロケーション・アイデンティファイアであって、
移動電話機のロケーションに関連する一意指示子を提供するように構成されたメモリと、
前記メモリに結合され、前記SMSを使用する前記移動電話機の前記ロケーションからのショートメッセージ伝送に、前記一意指示子を付けるように構成された送信元識別ユニットとを含む、アイデンティファイア。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−114924(P2012−114924A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−285628(P2011−285628)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【分割の表示】特願2008−520365(P2008−520365)の分割
【原出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】