送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラム
【課題】通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することを可能とするマルチキャリア伝送システムを提供する。
【解決手段】第1の通信装置(100)は、通信回線(300)と隣接する隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶部(104)に記憶する。そして、第1の通信装置(100)は、その記憶部(104)に記憶した周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力する。
【解決手段】第1の通信装置(100)は、通信回線(300)と隣接する隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶部(104)に記憶する。そして、第1の通信装置(100)は、その記憶部(104)に記憶した周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話線などのメタリックケーブルで数Mビット/秒の高速なデータ伝送を行うxDSL(x Digital Subscriber Line)(xは、A、H、S、V等の総称)に適用される送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
xDSLは、電話線などのメタリックケーブルを使用し、数Mビット/秒の高速なデータ伝送を可能にしている。なお、xDSLとしては、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line)、HDSL(High bit-rate Digital Subscriber Line)、VDSL(Very high bit-rate Digital Subscriber Line)等があり、伝送速度、速度の対称/非対称などの違いにより区分されている。なお、これらを総称してxDSLと称する。
【0003】
なお、xDSLは、ベストエフォート型サービスと呼ばれ、その伝送速度は、通信回線の伝送距離や雑音などの環境条件によって変化する。一般的に、通信回線の伝送距離が短く雑音も少ない環境条件では伝送速度が大きくなり、通信回線の伝送距離が長く雑音が大きい環境条件では伝送速度が小さくなる。
【0004】
また、xDSLは、変調方式としてDMT(Discrete Multi Tone)方式を採用しており、モデムが通信を始める前に初期化トレーニングを行い、通信回線の伝送距離や各キャリアのSNR(Signal to Noise Ratio)を測定し、該測定した各キャリアのSNRを基に各キャリアに配置するビットレートを算出し、該算出したビットレートを基に、最終的な伝送速度を決定している。
【0005】
例えば、キャリアナンバー:i(iは、任意の整数)のSNRをSNRiとし、キャリアナンバー:iがm番目〜n番目までの各キャリアに配置するビットレートの総和:Totalrateを、以下の(式1)により算出し、該算出したビットレートの総和:Totalrateを基に、最終的な伝送速度を決定することになる。
【0006】
【数1】
【0007】
但し、Sは、シンボルレートを示し、G.992.1準拠のADSLの場合には4kHzとなる。また、Γは、実効SNRギャップであり、エラーレートを10-7とした場合には、Γ=9.75dBとなる。
【0008】
また、xDSLにおける雑音として最も支配的なものは他回線からの漏話である。漏話には、図1に示すような近端漏話『NEXT』(漏話源と被漏話源とが逆方向)と、遠端漏話『FEXT』(漏話源と被漏話源とが同一方向)と、があり、一般的に遠端漏話『FEXT』の方が近端漏話『NEXT』よりも漏話の影響が小さい。以下、図1を参照しながら、近端漏話『NEXT』と、遠端漏話『FEXT』と、について詳細に説明する。
【0009】
図1に示す通信回線(1)を測定対象と仮定した場合、測定対象として着目する通信回線(1)と同一方向に信号が流れる通信回線(2)を『漏話源』とするものが遠端漏話『FEXT』となる。本来伝送すべき信号は伝送距離と共に減衰するので、伝送距離に応じてこの遠端漏話『FEXT』の漏話量も相対的に減衰することになる。
【0010】
また、測定対象として着目する通信回線(1)と逆方向に信号が流れる通信回線(3)を『漏話源』とするものが近端漏話『NEXT』となる。本来伝送すべき信号は伝送距離と共に減衰するのに対し、近端漏話『NEXT』は、本来伝送すべき信号の伝送先において漏話量が多くなる。このため、近端漏話『NEXT』の方が遠端漏話『FEXT』よりも漏話の影響が顕著となる。
【0011】
なお、従来のxDSLでは、図2に示すように、局側に設置される局設置xTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(10、11)は、同じ位置に存在していたが、現在、図3に示すように、リーモートターミナル(RT)設置のxDSLについての検討が進められている。
【0012】
リーモートターミナル(RT)設置のxDSLの場合は、図3に示すように、局側に設置されるxTU−C(10、11)の位置が異なることになる。このため、RT設置xDSLのxTU−C(11)の遠端漏話『FEXT』は、既存の局設置xDSLのxTU−C(10)の通信回線(30)の途中から発生することになり、結果として、RT設置xDSLのxTU−C(11)から発生する遠端漏話『FEXT』が、RT設置のxDSL(11、21)と隣接する既存の局設置xDSL(10、20)のxTU−R(XDSL Termination Unit-Remote side)(20)に対して大きな影響を及ぼすことになる。
【0013】
これは、局設置xDSLのxTU−C(10)から送信された信号が通信回線(30)の伝送距離に応じて減衰しているところに、RT設置xDSLのxTU−C(11)から高い送信出力レベルの信号が送信された際に、非常に大きな遠端漏話『FEXT』として既存の局設置xDSLのxTU−R(20)に妨害を与えることになるためである。
【0014】
このため、RT設置xDSLのxTU−C(11)からの遠端漏話『FEXT』による影響を軽減し、隣接する局設置xDSLの伝送速度の低下を回避することが必要視されることになる。
【0015】
なお、上述したRT設置xDSLの遠端漏話『FEXT』による影響を軽減する方法として、RT設置xDSLのxTU−C(11)から送信する信号の送信出力レベルを低下させるという方法が考えられる。
【0016】
例えば、VDSLの勧告であるITU−T勧告G.993.1には、隣接する局設置ADSLとの干渉低減のために、局設置VDSLの1.1MHz以下の送信出力を低下させる機能について規定されている。
【0017】
また、局設置VDSLの使用帯域と局設置ADSLの使用帯域とで重複する周波数帯域の送信出力を抑制し、局設置ADSLの伝送速度の低減を回避させることが提案されている。
【0018】
しかしながら、設置VDSLの使用帯域と局設置ADSLの使用帯域とで重複する周波数帯域の信号の送信出力を抑制しても、局設置ADSLの使用帯域よりも高い高周波数帯域において雑音が発生した場合には、局設置ADSLに対して折り返し雑音などが発生し、局設置ADSLのADSL信号のSNRを劣化させてしまう現象が発生し、結果的に、局設置ADSLの伝送速度を低減させてしまうことが判明した。
【0019】
このため、局設置ADSLの使用帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、局設置ADSLの伝送速度の低減を回避したいのが現状である。
【0020】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、隣接回線の使用状況に応じて、最適な電力スペクトルを用いてデータ通信を行う技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0021】
また、隣接する他の通信方式(例えば、ADSL)で使用する使用帯域と同一の周波数帯域の送信電力を抑制し、他の通信方式に対する干渉を抑制する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−14040号公報
【特許文献2】特開2006−115326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、上記特許文献1、2には、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することについては何ら考慮されたものではない。
【0023】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することを可能とする送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0025】
本発明にかかる送信出力制御装置は、通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置であって、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、通信装置の種別毎に周波数帯域を管理する干渉管理手段と、隣接回線に存在する通信装置の種別を特定する特定手段と、通信装置の種別に応じた周波数帯域を干渉管理手段から取得する取得手段と、を有し、記憶手段は、通信装置の種別に応じた周波数帯域を記憶することを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、取得手段は、特定手段により特定した通信装置の種別が複数の場合には、各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を干渉管理手段から取得し、記憶手段は、各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を記憶し、制御手段は、複数の周波数帯域を基に、送信出力を抑制する周波数帯域を決定し、該決定した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、制御手段は、複数の周波数帯域を包含した周波数帯域を、送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、制御手段は、複数の周波数帯域を所定の割合で包含した周波数帯域を、送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、所定の割合を設定する設定手段を有することを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、隣接回線の状態と、通信装置の種別と、を対応づけて管理する回線管理手段と、隣接回線の状態を特定する状態取得手段と、を有し、特定手段は、状態取得手段により特定した隣接回線の状態に対応する通信装置の種別を、回線管理手段の中から特定することを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、隣接回線の状態は、隣接回線に存在する局側の通信装置が設置されている場所に関する情報と、隣接回線に存在する宅側の通信装置に関する情報と、隣接回線に存在する通信装置が使用している使用周波数帯域及び伝送方式に関する情報と、の少なくとも1つであることを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、干渉管理手段は、送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、回線管理手段は、送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とするものである。
【0035】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、周波数帯域の信号の送信出力を抑制する抑制値を調整する調整手段を有することを特徴とするものである。
【0036】
また、本発明にかかるマルチキャリア伝送システムは、第1の通信装置と、第2の通信装置と、が通信回線を介して接続して構成されるマルチキャリア伝送システムであって、第1の通信装置は、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【0037】
また、本発明にかかる送信出力制御方法は、通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置で行う送信出力制御方法であって、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶工程と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御工程と、を、送信出力制御装置が行うことを特徴とするものである。
【0038】
また、本発明にかかる送信出力制御プログラムは、通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置において実行させる送信出力制御プログラムであって、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶処理と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御処理と、を、送信出力制御装置に実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めた周波数帯域の中で、その通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力することが可能となるため、隣接回線に存在する通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(本実施形態の特徴)
まず、本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムの特徴について説明する。
【0041】
本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、図4に示すように、第1の通信装置(xTU−C:100に該当)と、第2の通信装置(xTU−R:200に該当)と、が通信回線(300)を介して接続して構成されるマルチキャリア伝送システムである。
【0042】
そして、第1の通信装置(100)は、通信回線(300)と隣接する隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段(記憶部:104に該当)に記憶する。そして、第1の通信装置(100)は、その記憶手段(104)に記憶した周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力する。
【0043】
これにより、第1の通信装置(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めた周波数帯域の中で、その通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになるため、第1の通信装置(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置(500)の伝送速度の低減を回避することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムについて詳細に説明する。
【0044】
<マルチキャリア伝送システムのシステム構成>
まず、図4を参照しながら、本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムのシステム構成について説明する。
【0045】
本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、局側装置であるxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(100)と、宅内側装置であるxTU−R(XDSL Termination Unit-Remote side)(200)と、が通信回線(300)を介して接続して構成される。
【0046】
なお、局側装置であるxTU−C(100)は、モデムの種別を管理する回線情報管理サーバ(50)と、モデムに対して影響を及ぼす周波数帯域を管理する干渉情報管理サーバ(60)と、に接続している。
【0047】
回線情報管理サーバ(50)は、例えば、図5に示すように、『モデムの種別』毎に、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけて管理するデータベースを有して構成される。
【0048】
なお、『局情報』とは、隣接回線に存在する局側の通信装置が設置されている場所に関する情報を示す。また、『端末情報』とは、隣接回線に存在する宅内側の通信装置に関する情報を示す。また、『回線信号情報』とは、隣接回線に存在する通信装置が使用している使用周波数帯域及び伝送方式に関する情報を示す。
【0049】
干渉情報管理サーバ(60)は、例えば、図6に示すように、『モデムの種別』毎に、『周波数帯域』と、『信号電力』と、を対応づけて管理するデータベースを有して構成される。
【0050】
なお、『周波数帯域』とは、伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を示し、『信号電力』とは、伝送速度の低減に影響のある周波数帯域で使用する信号電力を示す。
【0051】
例えば、『モデムの種別』として『モデムA』を、隣接回線(400)のxTU−C(500)において使用した場合には、図7に示すように、『周波数帯域』:a11〜a1n(nは、任意の整数)、a21〜a2n、a31〜a3n、・・・、において伝送速度の低減に影響があることが判明したため、干渉情報管理サーバ(60)は、伝送速度の低減に影響がある『周波数帯域』:a11〜a1n、a21〜a2n、a31〜a3n、・・・、と、その各周波数帯域において使用する『信号電力』:a1、a2、a3、・・・と、を『モデムA』に対応づけてデータベースにて管理することになる。
【0052】
これにより、干渉情報管理サーバ(60)は、『モデムの種別』毎に、伝送速度の低減に影響のある『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を管理することが可能となる。
【0053】
<xTU−C:100の内部構成>
次に、局側装置であるxTU−C(100)の内部構成について説明する。
【0054】
本実施形態におけるxTU−C(100)は、送信部(101)と、受信部(102)と、送信出力制御部(103)と、記憶部(104)と、モデム識別部(105)と、を有して構成される。
【0055】
送信部(101)は、xTU−R(200)に信号を送信するものである。受信部(102)は、xTU−R(200)から送信された信号を受信するものである。
【0056】
送信出力制御部(103)は、xTU−C(100)から通信回線(300)に送信する信号の送信出力を制御するものである。
【0057】
記憶部(104)は、xTU−C(100)の通信時の制御に必要な情報を格納するものである。
【0058】
モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在する他のxDSLが使用しているモデムの種別を特定するものである。
【0059】
詳細には、モデム識別部(105)は、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』をxTU−C(100)の外部から取得し、その取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』に応じた『モデムの種別』を回線情報管理サーバ(50)から取得し、隣接回線(400)に存在するのxDSLが使用している『モデムの種別』を特定することになる。
【0060】
例えば、図5の場合では、回線情報管理サーバ(50)は、『モデムA』に対して、『局情報A』、『端末情報A』、『回線信号情報A』を対応づけてデータベースにて管理している。そして、モデム識別部(105)は、xTU−C(100)の外部から『局情報A』、『端末情報A』、『回線信号情報A』を取得した場合に、その取得した『局情報A』、『端末情報A』、『回線信号情報A』に応じた『モデムA』を回線情報管理サーバ(50)のデータベースから取得することになる。これにより、モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在するのxDSLが使用している『モデムA』を特定することが可能となる。
【0061】
なお、回線情報管理サーバ(50)がデータベースにて管理する図5に示すテーブル構成は、一例であり、モデム識別部(105)がxTU−C(100)の外部から取得した情報を基に、モデムの種別を特定することが可能であれば、あらゆる情報を『モデムの種別』と対応づけて回線情報管理サーバ(50)のデータベースにて管理することは可能であり、『モデムの種別』に対応づけて管理する『情報』が多ければ多い程、高精度にモデムの種別を特定することが可能となる。
【0062】
また、図5の場合では、回線情報管理サーバ(50)は、『モデムの種別』に対して、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけてデータベースにて管理することにしたが、『モデムの種別』に対して、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』の少なくとも1つの情報を対応付けてデータベースにて管理し、モデム識別部(105)がxTU−C(100)の外部から『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』の少なくとも1つの情報を取得し、その取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』の少なくとも1つの情報を基に、回線情報管理サーバ(50)のデータベースから『モデムの種別』を特定するように構築することも可能である。
【0063】
<xTU−R:200の内部構成>
次に、宅内側装置であるxTU−R(200)の内部構成について説明する。
【0064】
本実施形態におけるxTU−R(200)は、送信部(201)と、受信部(202)と、送信出力制御部(203)と、記憶部(204)と、モデム識別部(205)と、を有して構成される。
【0065】
送信部(201)は、xTU−C(100)に信号を送信するものである。受信部(202)は、xTU−C(100)から送信された信号を受信するものである。
【0066】
送信出力制御部(203)は、xTU−R(200)から通信回線(300)に送信する信号の送信出力を制御するものである。
【0067】
記憶部(204)は、xTU−R(200)の通信時の制御に必要な情報を格納するものである。
【0068】
モデム識別部(205)は、隣接回線(400)に存在する他のxDSLが使用しているモデムの種別を特定するものである。
【0069】
<処理動作>
次に、図8を参照しながら、xTU−C(100)が行う制御動作について説明する。なお、図8は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減を回避するための制御動作を示すフロチャートである。
【0070】
まず、モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)のモデムの種別を特定する(ステップS1)。
【0071】
例えば、モデム識別部(105)は、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』をxTU−C(100)の外部から取得する。そして、モデム識別部(105)は、回線情報管理サーバ(50)にアクセスし、回線情報管理サーバ(50)のデータベースにて管理されている図5に示すテーブルを参照し、xTU−C(100)の外部から取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』に対応する『モデムの種別』を回線情報管理サーバ(50)から取得し、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)のモデムの種別を特定する。
【0072】
次に、送信出力制御部(103)は、干渉情報管理サーバ(60)にアクセスし、干渉情報管理サーバ(60)のデータベースにて管理されている図6に示すテーブルを参照し、ステップS1にてモデム識別部(105)が特定した『モデムの種別』に対応する『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を干渉情報管理サーバ(60)から取得し(ステップS2)、その取得した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶することになる。
【0073】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶して管理することが可能となる。
【0074】
次に、送信出力制御部(103)は、記憶部(104)に記憶した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号電力を抑制したビット・ゲインテーブルを生成し(ステップS3)、該生成したビット・ゲインテーブルを基に、通信回線(300)に信号を出力する(ステップS4)。
【0075】
例えば、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が通信を行っていない状態時には、周波数帯域の信号電力を抑制する必要がないため、図9に示すような信号電力で通信回線(300)に信号を送出する。なお、図9は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が『ADSL通信』を行い、xTU−C(100)が『VDSL通信』を行う際に使用する『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』を示している。図9に示すように、『ADSL』は、『VDSL』よりも低い周波数帯域を使用しているのが判明する。
【0076】
そして、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が通信を行うと判断した場合に、記憶部(104)に記憶した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号電力を抑制したビット・ゲインテーブルを生成し、該生成したビット・ゲインテーブルを基に、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0077】
これにより、例えば、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)のモデムの種別がモデムAの場合には、図7に示す周波数帯域:a11〜a1n、a21〜a2n、a31〜a3n、・・・、においてモデムAに対して影響を及ぼすことになるため、xTU−C(100)は、図7に示す『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、図10に示すように、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0078】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、xTU−C(500)の伝送速度の低減を回避することが可能となる。
【0079】
このように、本実施形態におけるxTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の『モデムの種別』を特定し、その特定した『モデムの種別』に対応する『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶する。そして、xTU−C(100)は、記憶部(104)に記憶した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0080】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めた周波数帯域の中で、そのxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになるため、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、xTU−C(500)の伝送速度の低減を回避することが可能となる。
【0081】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0082】
第1の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、隣接回線(400)に1つのモデムが存在することを想定し、モデム識別部(105)は、1つのモデムの種別を特定することにしたが、隣接回線(400)に複数のモデムが存在することも想定される。
【0083】
このため、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合に、モデム識別部(105)は、複数のモデムの種別を特定し、該特定した複数のモデムの種別に対応する『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶し、その記憶部(104)に記憶した複数の『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することを特徴とするものである。これにより、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合でも、その複数のモデムに適した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することが可能となる。以下、図11〜図13を参照しながら、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムについて説明する。なお、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムのシステム構成は、第1の実施形態と同様のシステム構成で構築することになる。
【0084】
まず、図11を参照しながら、xTU−C(100)が行う制御動作について説明する。なお、図11は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減を回避するための制御動作を示すフロチャートである。
【0085】
まず、モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の複数のモデムの種別を特定する(ステップS11)。
【0086】
例えば、モデム識別部(105)は、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』をxTU−C(100)の外部から取得する。そして、モデム識別部(105)は、回線情報管理サーバ(50)にアクセスし、回線情報管理サーバ(50)のデータベースにて管理されている図5に示すテーブルを参照し、xTU−C(100)の外部から取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』に対応する複数の『モデムの種別』を回線情報管理サーバ(50)から取得し、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の複数のモデムの種別を特定する。
【0087】
次に、送信出力制御部(103)は、干渉情報管理サーバ(60)にアクセスし、干渉情報管理サーバ(60)のデータベースにて管理されている図6に示すテーブルを参照し、ステップS11にてモデム識別部(105)が特定した複数の『モデムの種別』に対応する『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を干渉情報管理サーバ(60)から取得し(ステップS12)、その取得した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶することになる。
【0088】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある複数の『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶して管理することが可能となる。
【0089】
次に、送信出力制御部(103)は、記憶部(104)に記憶した複数の『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、各モデムの種別を包含した『周波数帯域』と、その『周波数帯域』で使用する『信号電力』と、を決定する(ステップS13)。
【0090】
例えば、送信出力制御部(103)は、ステップS12においてモデムAと、モデムBと、に対応する『周波数帯域』と、『信号電力』と、を取得した場合には、図12(a),(b)に示すように、モデムAに対して影響がある周波数帯域と、モデムBに対して影響がある周波数帯域と、を特定することが可能となる。なお、図12(a)は、モデムAに対して影響がある周波数帯域を示し、図12(b)は、モデムBに対して影響がある周波数帯域を示す。
【0091】
そして、送信出力制御部(103)は、図12(c)に示すように、モデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』とを包含した『周波数帯域』を決定することになる。これにより、隣接回線(400)に複数のモデムの種別が存在する場合でも、複数のモデムの種別を包含した『周波数帯域』を決定することが可能となる。
【0092】
なお、『信号電力』は、モデムAとモデムBとで最小の値の信号電力を決定することが好ましい。例えば、図12(c)においてモデムAとモデムBとを包含した周波数帯域となる『a21〜b2n』における『信号電力』は、『b2>a2』であるため、『a2』を選定する。
【0093】
また、モデムAとモデムBとを包含した『周波数帯域』を決定した際のモデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』との割合に応じて、そのモデムAとモデムBとを包含した『周波数帯域』において使用する信号電力を決定することも可能である。
【0094】
例えば、モデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』との割合が、モデムA:モデムB=7:3の場合には、モデムAとモデムBとを包含した『周波数帯域』で使用する信号電力:xは、x=(7a+3b)÷10で算出した信号電力とする。
【0095】
次に、送信出力制御部(103)は、図12(c)に示す複数のモデムの種別を包含した『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を基に、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号電力を抑制したビット・ゲインテーブルを生成し(ステップS14)、該生成したビット・ゲインテーブルを用いて通信回線(300)に信号を出力することになる(ステップS15)。
【0096】
これにより、xTU−C(100)は、図12(c)に示す周波数帯域と、信号電力と、を基に、図13に示すように、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0097】
このように、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合に、モデム識別部(105)は、複数のモデムの種別を特定し、該特定した複数のモデムの種別に対応する周波数帯域と、信号電力と、を記憶部(104)に記憶し、その記憶部(104)に記憶した複数の周波数帯域と、信号電力と、を基に、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力する。これにより、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合でも、その複数のモデムに適した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することが可能となる。
【0098】
なお、上述した第2の実施形態では、図12(c)に示すように、モデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』とを包含した『周波数帯域』を決定することにしたが、隣接回線(400)に存在するモデムの種別が多い場合には、そのモデムの種別の中で所定の割合だけ包含する『周波数帯域』を決定するように構築することも可能である。
【0099】
例えば、隣接回線(400)に存在するモデムの種類がモデムA、モデムB、モデムC、モデムDと仮定する。そして、各モデムに対して影響を及ぼす周波数帯域がモデムA:2〜5MHz、・・・、モデムB:3〜4MHz、・・・、モデムC:2〜6MHz、・・・、モデムD:3〜8MHz、・・・の場合には、モデムA〜Dを包含する周波数帯域は、2〜8MHzとなるが、モデムA〜Dの中で、5割以上で共通する周波数帯域となる2〜5MHzとするように構築することも可能である。なお、上述した所定の割合は、任意に設定変更するように構築することは可能である。
【0100】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0101】
例えば、本実施形態における送信出力の抑制制御を行うか否かの判断方法としては、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生していると判断した場合に行うことも可能である。
【0102】
例えば、図14に示すように、まず、xTU−C(100)は、隣接回線(400)の漏話雑音をスペクトルアナライザ等を用いて測定する(ステップS21)。
【0103】
次に、xTU−C(100)は、隣接回線(400)の漏話雑音を基に、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生しているか否かを判断する(ステップS22)。
【0104】
xTU−C(100)は、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生していないと判断した場合は(ステップS22/No)、送信出力制御不要と判断し、デフォルトの図9に示す所定の送信出力値で信号を送信する(ステップS23)。なお、所定の送信出力値としては、ITU−T勧告G.993.2、ITU−T勧告G.993.3等に開示されている最大送信出力値を適用することが可能である。
【0105】
また、xTU−C(100)は、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生していると判断した場合には(ステップS23/Yes)、xTU−C(100)は、送信出力の抑制制御を行い、通信回線(300)に送信する信号の送信出力制御を行う。
【0106】
これにより、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生したか否かに応じて通信回線(300)に送信する信号の送信出力制御を行うか否かを判断することが可能となる。なお、隣接回線(400)の漏話雑音の測定方法は、スペクトルアナライザ等の測定方法に限定するものではなく、あらゆる方法を適用して隣接回線(400)の漏話雑音を測定することは可能であり、モデムを用いて測定することも可能である。
【0107】
また、上述した実施形態において隣接回線(400)に存在するモデムの種別を特定する際の特定方法は、特に限定するものではなく、例えば、モデムの種別を電話局舎にあるモデム管理ソフトウェアなどから情報を取得し、該取得した情報を基にモデムの種別を特定したり、または、宅内に設置されている情報を直接利用してモデムの種別を特定したり、もしくは、回線の信号や漏話雑音などを基にモデムの種別を特定したりするように構築することも可能である。
【0108】
また、上述した実施形態においては、図5、図6に示すように『モデムの種別』毎に管理したが、本発明の技術思想は、モデムの種別に限定するものではなく、通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を特定することが可能であれば、あらゆるものが適用可能である。
【0109】
また、上述した実施形態において、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制する抑制値は、任意に調整することは可能であり、例えば、モデムの種別に応じて送信出力の抑制値を任意に調整したり、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を完全に零にしたりすることも可能である。なお、送信出力を抑制する抑制値は、隣接回線(400)において発生する雑音に応じて調整するようにすることも可能である。
【0110】
また、上述した実施形態においては、回線情報管理サーバ(50)が、例えば、図5に示すように、『モデムの種別』毎に、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけて管理し、また、干渉情報管理サーバ(60)が、例えば、図6に示すように、『モデムの種別』毎に、『周波数帯域』と、『信号電力』と、を対応づけて管理することにしたが、回線情報管理サーバ(50)と、周波数帯域管理サーバ(60)と、が管理する上述した情報をxTU−C(100)が管理するように構築することも可能である。
【0111】
また、上述した実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、図15に示すようなシステムにも適用することは可能である。なお、図15に示すシステム構成は、ADSL局内装置(500)と、ADSL宅内装置(600)と、が通信回線(400)を介して接続されており、また、OLT(Optical Line Terminal)(700)と、遠隔複合装置(100)と、が通信回線(800)を介して接続されており、遠隔複合装置(100)と、VDSL宅内装置(200)と、が通信回線(300)を介して接続されているものである。なお、遠隔複合装置(100)は、ONU(Optical Network Unit)と、VDSL局側装置と、を有して構成されている。
【0112】
また、上述した実施形態におけるマルチキャリア伝送システムを構成するxTU−C(100)と、xTU−R(200)と、の通信装置における制御動作は、ハード構成ではなく、コンピュータプログラム等のソフトウェアにより実行することも可能であり、また、上記のプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録し、その記録媒体から上記プログラムを、通信装置に読み込ませることで、上述した制御動作を、通信装置において実行させることも可能である。また、所定のネットワークを介して接続されている外部機器から上記プログラムを通信装置に読み込ませることで、上述した制御動作を、通信装置において実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明にかかる送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラムは、電話線などのメタリックケーブルで数Mビット/秒の高速なデータ伝送を行うxDSL(x Digital Subscriber Line)(xは、A、H、S、V等の総称)に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】近端漏話『NEXT』と遠端漏話『FEXT』とを説明するための図である。
【図2】局側に設置されるxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(10、11)が同じ位置に存在して構成されるマルチキャリア伝送システムのシステム構成を示す図である。
【図3】局側に設置されるxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(10、11)が異なる位置に存在して構成されるリーモートターミナル(RT)設置のマルチキャリア伝送システムのシステム構成を示す図であり、RT設置xDSLのxTU−C(11)の遠端漏話『FEXT』を説明するための図である。
【図4】本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムのシステム構成を示す図である。
【図5】『モデムの種別』毎に、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけて管理するテーブル構成例を示す図である。
【図6】『モデムの種別』毎に、『周波数帯域』、『信号電力』を対応づけて管理するテーブル構成例を示す図である。
【図7】隣接回線(400)のxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある『周波数帯域』と、その『周波数帯域』で使用する『信号電力』を示す図である。
【図8】第1の実施形態のxTU−C(100)が行う制御動作を示すフロチャートである。
【図9】xTU−C(100)が送信出力制御を行わず、デフォルトの所定の送信出力値で信号を送信する状態を示す図である。
【図10】xTU−C(100)が送信出力制御を行い、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、信号を送信する状態を示す図である。
【図11】第2の実施形態のxTU−C(100)が行う制御動作を示すフロチャートである。
【図12】第2の実施形態のxTU−C(100)が行う制御動作を説明するための図である。
【図13】xTU−C(100)が送信出力制御を行い、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、信号を送信する状態を示す図である。
【図14】送信出力の抑制制御を行うか否かの判断方法を示すフロチャートである。
【図15】本実施形態のマルチキャリア伝送システムを構成する他のシステム構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
1、2、3 通信回線
10 局設置xDSLのxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)
11 局設置またはRT設置のxDSLのxTU−C
20 局設置xDSLのxTU−R(XDSL Termination Unit-Remote side)
21 局設置またはRT設置のxDSLのxTU−R
30、31 通信回線
50 回線情報管理サーバ(回線管理手段)
60 干渉情報管理サーバ(干渉管理手段)
100 xTU−C(遠隔複合装置、送信出力制御装置)
101 送信部
102 受信部
103 送信出力制御部
104 記憶部
105 モデム識別部
200 xTU−R(VDSL宅内装置)
201 送信部
202 受信部
203 送信出力制御部
204 記憶部
205 モデム識別部
300 通信回線
400 隣接回線(通信回線)
500 xTU−C(ADSL局内装置)
600 xTU−R(ADSL宅内装置)
700 OLT(Optical Line Terminal)
800 通信回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話線などのメタリックケーブルで数Mビット/秒の高速なデータ伝送を行うxDSL(x Digital Subscriber Line)(xは、A、H、S、V等の総称)に適用される送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
xDSLは、電話線などのメタリックケーブルを使用し、数Mビット/秒の高速なデータ伝送を可能にしている。なお、xDSLとしては、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line)、HDSL(High bit-rate Digital Subscriber Line)、VDSL(Very high bit-rate Digital Subscriber Line)等があり、伝送速度、速度の対称/非対称などの違いにより区分されている。なお、これらを総称してxDSLと称する。
【0003】
なお、xDSLは、ベストエフォート型サービスと呼ばれ、その伝送速度は、通信回線の伝送距離や雑音などの環境条件によって変化する。一般的に、通信回線の伝送距離が短く雑音も少ない環境条件では伝送速度が大きくなり、通信回線の伝送距離が長く雑音が大きい環境条件では伝送速度が小さくなる。
【0004】
また、xDSLは、変調方式としてDMT(Discrete Multi Tone)方式を採用しており、モデムが通信を始める前に初期化トレーニングを行い、通信回線の伝送距離や各キャリアのSNR(Signal to Noise Ratio)を測定し、該測定した各キャリアのSNRを基に各キャリアに配置するビットレートを算出し、該算出したビットレートを基に、最終的な伝送速度を決定している。
【0005】
例えば、キャリアナンバー:i(iは、任意の整数)のSNRをSNRiとし、キャリアナンバー:iがm番目〜n番目までの各キャリアに配置するビットレートの総和:Totalrateを、以下の(式1)により算出し、該算出したビットレートの総和:Totalrateを基に、最終的な伝送速度を決定することになる。
【0006】
【数1】
【0007】
但し、Sは、シンボルレートを示し、G.992.1準拠のADSLの場合には4kHzとなる。また、Γは、実効SNRギャップであり、エラーレートを10-7とした場合には、Γ=9.75dBとなる。
【0008】
また、xDSLにおける雑音として最も支配的なものは他回線からの漏話である。漏話には、図1に示すような近端漏話『NEXT』(漏話源と被漏話源とが逆方向)と、遠端漏話『FEXT』(漏話源と被漏話源とが同一方向)と、があり、一般的に遠端漏話『FEXT』の方が近端漏話『NEXT』よりも漏話の影響が小さい。以下、図1を参照しながら、近端漏話『NEXT』と、遠端漏話『FEXT』と、について詳細に説明する。
【0009】
図1に示す通信回線(1)を測定対象と仮定した場合、測定対象として着目する通信回線(1)と同一方向に信号が流れる通信回線(2)を『漏話源』とするものが遠端漏話『FEXT』となる。本来伝送すべき信号は伝送距離と共に減衰するので、伝送距離に応じてこの遠端漏話『FEXT』の漏話量も相対的に減衰することになる。
【0010】
また、測定対象として着目する通信回線(1)と逆方向に信号が流れる通信回線(3)を『漏話源』とするものが近端漏話『NEXT』となる。本来伝送すべき信号は伝送距離と共に減衰するのに対し、近端漏話『NEXT』は、本来伝送すべき信号の伝送先において漏話量が多くなる。このため、近端漏話『NEXT』の方が遠端漏話『FEXT』よりも漏話の影響が顕著となる。
【0011】
なお、従来のxDSLでは、図2に示すように、局側に設置される局設置xTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(10、11)は、同じ位置に存在していたが、現在、図3に示すように、リーモートターミナル(RT)設置のxDSLについての検討が進められている。
【0012】
リーモートターミナル(RT)設置のxDSLの場合は、図3に示すように、局側に設置されるxTU−C(10、11)の位置が異なることになる。このため、RT設置xDSLのxTU−C(11)の遠端漏話『FEXT』は、既存の局設置xDSLのxTU−C(10)の通信回線(30)の途中から発生することになり、結果として、RT設置xDSLのxTU−C(11)から発生する遠端漏話『FEXT』が、RT設置のxDSL(11、21)と隣接する既存の局設置xDSL(10、20)のxTU−R(XDSL Termination Unit-Remote side)(20)に対して大きな影響を及ぼすことになる。
【0013】
これは、局設置xDSLのxTU−C(10)から送信された信号が通信回線(30)の伝送距離に応じて減衰しているところに、RT設置xDSLのxTU−C(11)から高い送信出力レベルの信号が送信された際に、非常に大きな遠端漏話『FEXT』として既存の局設置xDSLのxTU−R(20)に妨害を与えることになるためである。
【0014】
このため、RT設置xDSLのxTU−C(11)からの遠端漏話『FEXT』による影響を軽減し、隣接する局設置xDSLの伝送速度の低下を回避することが必要視されることになる。
【0015】
なお、上述したRT設置xDSLの遠端漏話『FEXT』による影響を軽減する方法として、RT設置xDSLのxTU−C(11)から送信する信号の送信出力レベルを低下させるという方法が考えられる。
【0016】
例えば、VDSLの勧告であるITU−T勧告G.993.1には、隣接する局設置ADSLとの干渉低減のために、局設置VDSLの1.1MHz以下の送信出力を低下させる機能について規定されている。
【0017】
また、局設置VDSLの使用帯域と局設置ADSLの使用帯域とで重複する周波数帯域の送信出力を抑制し、局設置ADSLの伝送速度の低減を回避させることが提案されている。
【0018】
しかしながら、設置VDSLの使用帯域と局設置ADSLの使用帯域とで重複する周波数帯域の信号の送信出力を抑制しても、局設置ADSLの使用帯域よりも高い高周波数帯域において雑音が発生した場合には、局設置ADSLに対して折り返し雑音などが発生し、局設置ADSLのADSL信号のSNRを劣化させてしまう現象が発生し、結果的に、局設置ADSLの伝送速度を低減させてしまうことが判明した。
【0019】
このため、局設置ADSLの使用帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、局設置ADSLの伝送速度の低減を回避したいのが現状である。
【0020】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、隣接回線の使用状況に応じて、最適な電力スペクトルを用いてデータ通信を行う技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0021】
また、隣接する他の通信方式(例えば、ADSL)で使用する使用帯域と同一の周波数帯域の送信電力を抑制し、他の通信方式に対する干渉を抑制する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−14040号公報
【特許文献2】特開2006−115326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、上記特許文献1、2には、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することについては何ら考慮されたものではない。
【0023】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することを可能とする送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0025】
本発明にかかる送信出力制御装置は、通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置であって、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、通信装置の種別毎に周波数帯域を管理する干渉管理手段と、隣接回線に存在する通信装置の種別を特定する特定手段と、通信装置の種別に応じた周波数帯域を干渉管理手段から取得する取得手段と、を有し、記憶手段は、通信装置の種別に応じた周波数帯域を記憶することを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、取得手段は、特定手段により特定した通信装置の種別が複数の場合には、各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を干渉管理手段から取得し、記憶手段は、各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を記憶し、制御手段は、複数の周波数帯域を基に、送信出力を抑制する周波数帯域を決定し、該決定した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、制御手段は、複数の周波数帯域を包含した周波数帯域を、送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、制御手段は、複数の周波数帯域を所定の割合で包含した周波数帯域を、送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、所定の割合を設定する設定手段を有することを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、隣接回線の状態と、通信装置の種別と、を対応づけて管理する回線管理手段と、隣接回線の状態を特定する状態取得手段と、を有し、特定手段は、状態取得手段により特定した隣接回線の状態に対応する通信装置の種別を、回線管理手段の中から特定することを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、隣接回線の状態は、隣接回線に存在する局側の通信装置が設置されている場所に関する情報と、隣接回線に存在する宅側の通信装置に関する情報と、隣接回線に存在する通信装置が使用している使用周波数帯域及び伝送方式に関する情報と、の少なくとも1つであることを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、干渉管理手段は、送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明にかかる送信出力制御装置において、回線管理手段は、送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とするものである。
【0035】
また、本発明にかかる送信出力制御装置は、周波数帯域の信号の送信出力を抑制する抑制値を調整する調整手段を有することを特徴とするものである。
【0036】
また、本発明にかかるマルチキャリア伝送システムは、第1の通信装置と、第2の通信装置と、が通信回線を介して接続して構成されるマルチキャリア伝送システムであって、第1の通信装置は、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【0037】
また、本発明にかかる送信出力制御方法は、通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置で行う送信出力制御方法であって、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶工程と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御工程と、を、送信出力制御装置が行うことを特徴とするものである。
【0038】
また、本発明にかかる送信出力制御プログラムは、通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置において実行させる送信出力制御プログラムであって、通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶処理と、周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力する制御処理と、を、送信出力制御装置に実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めた周波数帯域の中で、その通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線に信号を出力することが可能となるため、隣接回線に存在する通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置の伝送速度の低減を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(本実施形態の特徴)
まず、本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムの特徴について説明する。
【0041】
本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、図4に示すように、第1の通信装置(xTU−C:100に該当)と、第2の通信装置(xTU−R:200に該当)と、が通信回線(300)を介して接続して構成されるマルチキャリア伝送システムである。
【0042】
そして、第1の通信装置(100)は、通信回線(300)と隣接する隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段(記憶部:104に該当)に記憶する。そして、第1の通信装置(100)は、その記憶手段(104)に記憶した周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力する。
【0043】
これにより、第1の通信装置(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めた周波数帯域の中で、その通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになるため、第1の通信装置(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、通信装置(500)の伝送速度の低減を回避することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムについて詳細に説明する。
【0044】
<マルチキャリア伝送システムのシステム構成>
まず、図4を参照しながら、本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムのシステム構成について説明する。
【0045】
本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、局側装置であるxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(100)と、宅内側装置であるxTU−R(XDSL Termination Unit-Remote side)(200)と、が通信回線(300)を介して接続して構成される。
【0046】
なお、局側装置であるxTU−C(100)は、モデムの種別を管理する回線情報管理サーバ(50)と、モデムに対して影響を及ぼす周波数帯域を管理する干渉情報管理サーバ(60)と、に接続している。
【0047】
回線情報管理サーバ(50)は、例えば、図5に示すように、『モデムの種別』毎に、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけて管理するデータベースを有して構成される。
【0048】
なお、『局情報』とは、隣接回線に存在する局側の通信装置が設置されている場所に関する情報を示す。また、『端末情報』とは、隣接回線に存在する宅内側の通信装置に関する情報を示す。また、『回線信号情報』とは、隣接回線に存在する通信装置が使用している使用周波数帯域及び伝送方式に関する情報を示す。
【0049】
干渉情報管理サーバ(60)は、例えば、図6に示すように、『モデムの種別』毎に、『周波数帯域』と、『信号電力』と、を対応づけて管理するデータベースを有して構成される。
【0050】
なお、『周波数帯域』とは、伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を示し、『信号電力』とは、伝送速度の低減に影響のある周波数帯域で使用する信号電力を示す。
【0051】
例えば、『モデムの種別』として『モデムA』を、隣接回線(400)のxTU−C(500)において使用した場合には、図7に示すように、『周波数帯域』:a11〜a1n(nは、任意の整数)、a21〜a2n、a31〜a3n、・・・、において伝送速度の低減に影響があることが判明したため、干渉情報管理サーバ(60)は、伝送速度の低減に影響がある『周波数帯域』:a11〜a1n、a21〜a2n、a31〜a3n、・・・、と、その各周波数帯域において使用する『信号電力』:a1、a2、a3、・・・と、を『モデムA』に対応づけてデータベースにて管理することになる。
【0052】
これにより、干渉情報管理サーバ(60)は、『モデムの種別』毎に、伝送速度の低減に影響のある『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を管理することが可能となる。
【0053】
<xTU−C:100の内部構成>
次に、局側装置であるxTU−C(100)の内部構成について説明する。
【0054】
本実施形態におけるxTU−C(100)は、送信部(101)と、受信部(102)と、送信出力制御部(103)と、記憶部(104)と、モデム識別部(105)と、を有して構成される。
【0055】
送信部(101)は、xTU−R(200)に信号を送信するものである。受信部(102)は、xTU−R(200)から送信された信号を受信するものである。
【0056】
送信出力制御部(103)は、xTU−C(100)から通信回線(300)に送信する信号の送信出力を制御するものである。
【0057】
記憶部(104)は、xTU−C(100)の通信時の制御に必要な情報を格納するものである。
【0058】
モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在する他のxDSLが使用しているモデムの種別を特定するものである。
【0059】
詳細には、モデム識別部(105)は、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』をxTU−C(100)の外部から取得し、その取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』に応じた『モデムの種別』を回線情報管理サーバ(50)から取得し、隣接回線(400)に存在するのxDSLが使用している『モデムの種別』を特定することになる。
【0060】
例えば、図5の場合では、回線情報管理サーバ(50)は、『モデムA』に対して、『局情報A』、『端末情報A』、『回線信号情報A』を対応づけてデータベースにて管理している。そして、モデム識別部(105)は、xTU−C(100)の外部から『局情報A』、『端末情報A』、『回線信号情報A』を取得した場合に、その取得した『局情報A』、『端末情報A』、『回線信号情報A』に応じた『モデムA』を回線情報管理サーバ(50)のデータベースから取得することになる。これにより、モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在するのxDSLが使用している『モデムA』を特定することが可能となる。
【0061】
なお、回線情報管理サーバ(50)がデータベースにて管理する図5に示すテーブル構成は、一例であり、モデム識別部(105)がxTU−C(100)の外部から取得した情報を基に、モデムの種別を特定することが可能であれば、あらゆる情報を『モデムの種別』と対応づけて回線情報管理サーバ(50)のデータベースにて管理することは可能であり、『モデムの種別』に対応づけて管理する『情報』が多ければ多い程、高精度にモデムの種別を特定することが可能となる。
【0062】
また、図5の場合では、回線情報管理サーバ(50)は、『モデムの種別』に対して、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけてデータベースにて管理することにしたが、『モデムの種別』に対して、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』の少なくとも1つの情報を対応付けてデータベースにて管理し、モデム識別部(105)がxTU−C(100)の外部から『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』の少なくとも1つの情報を取得し、その取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』の少なくとも1つの情報を基に、回線情報管理サーバ(50)のデータベースから『モデムの種別』を特定するように構築することも可能である。
【0063】
<xTU−R:200の内部構成>
次に、宅内側装置であるxTU−R(200)の内部構成について説明する。
【0064】
本実施形態におけるxTU−R(200)は、送信部(201)と、受信部(202)と、送信出力制御部(203)と、記憶部(204)と、モデム識別部(205)と、を有して構成される。
【0065】
送信部(201)は、xTU−C(100)に信号を送信するものである。受信部(202)は、xTU−C(100)から送信された信号を受信するものである。
【0066】
送信出力制御部(203)は、xTU−R(200)から通信回線(300)に送信する信号の送信出力を制御するものである。
【0067】
記憶部(204)は、xTU−R(200)の通信時の制御に必要な情報を格納するものである。
【0068】
モデム識別部(205)は、隣接回線(400)に存在する他のxDSLが使用しているモデムの種別を特定するものである。
【0069】
<処理動作>
次に、図8を参照しながら、xTU−C(100)が行う制御動作について説明する。なお、図8は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減を回避するための制御動作を示すフロチャートである。
【0070】
まず、モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)のモデムの種別を特定する(ステップS1)。
【0071】
例えば、モデム識別部(105)は、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』をxTU−C(100)の外部から取得する。そして、モデム識別部(105)は、回線情報管理サーバ(50)にアクセスし、回線情報管理サーバ(50)のデータベースにて管理されている図5に示すテーブルを参照し、xTU−C(100)の外部から取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』に対応する『モデムの種別』を回線情報管理サーバ(50)から取得し、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)のモデムの種別を特定する。
【0072】
次に、送信出力制御部(103)は、干渉情報管理サーバ(60)にアクセスし、干渉情報管理サーバ(60)のデータベースにて管理されている図6に示すテーブルを参照し、ステップS1にてモデム識別部(105)が特定した『モデムの種別』に対応する『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を干渉情報管理サーバ(60)から取得し(ステップS2)、その取得した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶することになる。
【0073】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶して管理することが可能となる。
【0074】
次に、送信出力制御部(103)は、記憶部(104)に記憶した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号電力を抑制したビット・ゲインテーブルを生成し(ステップS3)、該生成したビット・ゲインテーブルを基に、通信回線(300)に信号を出力する(ステップS4)。
【0075】
例えば、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が通信を行っていない状態時には、周波数帯域の信号電力を抑制する必要がないため、図9に示すような信号電力で通信回線(300)に信号を送出する。なお、図9は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が『ADSL通信』を行い、xTU−C(100)が『VDSL通信』を行う際に使用する『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』を示している。図9に示すように、『ADSL』は、『VDSL』よりも低い周波数帯域を使用しているのが判明する。
【0076】
そして、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が通信を行うと判断した場合に、記憶部(104)に記憶した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号電力を抑制したビット・ゲインテーブルを生成し、該生成したビット・ゲインテーブルを基に、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0077】
これにより、例えば、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)のモデムの種別がモデムAの場合には、図7に示す周波数帯域:a11〜a1n、a21〜a2n、a31〜a3n、・・・、においてモデムAに対して影響を及ぼすことになるため、xTU−C(100)は、図7に示す『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、図10に示すように、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0078】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、xTU−C(500)の伝送速度の低減を回避することが可能となる。
【0079】
このように、本実施形態におけるxTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の『モデムの種別』を特定し、その特定した『モデムの種別』に対応する『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶する。そして、xTU−C(100)は、記憶部(104)に記憶した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0080】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めた周波数帯域の中で、そのxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになるため、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域での雑音の発生を防止し、xTU−C(500)の伝送速度の低減を回避することが可能となる。
【0081】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0082】
第1の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、隣接回線(400)に1つのモデムが存在することを想定し、モデム識別部(105)は、1つのモデムの種別を特定することにしたが、隣接回線(400)に複数のモデムが存在することも想定される。
【0083】
このため、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合に、モデム識別部(105)は、複数のモデムの種別を特定し、該特定した複数のモデムの種別に対応する『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶し、その記憶部(104)に記憶した複数の『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することを特徴とするものである。これにより、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合でも、その複数のモデムに適した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することが可能となる。以下、図11〜図13を参照しながら、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムについて説明する。なお、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムのシステム構成は、第1の実施形態と同様のシステム構成で構築することになる。
【0084】
まず、図11を参照しながら、xTU−C(100)が行う制御動作について説明する。なお、図11は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減を回避するための制御動作を示すフロチャートである。
【0085】
まず、モデム識別部(105)は、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の複数のモデムの種別を特定する(ステップS11)。
【0086】
例えば、モデム識別部(105)は、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』をxTU−C(100)の外部から取得する。そして、モデム識別部(105)は、回線情報管理サーバ(50)にアクセスし、回線情報管理サーバ(50)のデータベースにて管理されている図5に示すテーブルを参照し、xTU−C(100)の外部から取得した『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』に対応する複数の『モデムの種別』を回線情報管理サーバ(50)から取得し、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の複数のモデムの種別を特定する。
【0087】
次に、送信出力制御部(103)は、干渉情報管理サーバ(60)にアクセスし、干渉情報管理サーバ(60)のデータベースにて管理されている図6に示すテーブルを参照し、ステップS11にてモデム識別部(105)が特定した複数の『モデムの種別』に対応する『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を干渉情報管理サーバ(60)から取得し(ステップS12)、その取得した『周波数帯域』と、『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶することになる。
【0088】
これにより、xTU−C(100)は、隣接回線(400)に存在する通信装置(500)の伝送速度の低減に影響のある複数の『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を記憶部(104)に記憶して管理することが可能となる。
【0089】
次に、送信出力制御部(103)は、記憶部(104)に記憶した複数の『周波数帯域』と、『信号電力』と、を基に、各モデムの種別を包含した『周波数帯域』と、その『周波数帯域』で使用する『信号電力』と、を決定する(ステップS13)。
【0090】
例えば、送信出力制御部(103)は、ステップS12においてモデムAと、モデムBと、に対応する『周波数帯域』と、『信号電力』と、を取得した場合には、図12(a),(b)に示すように、モデムAに対して影響がある周波数帯域と、モデムBに対して影響がある周波数帯域と、を特定することが可能となる。なお、図12(a)は、モデムAに対して影響がある周波数帯域を示し、図12(b)は、モデムBに対して影響がある周波数帯域を示す。
【0091】
そして、送信出力制御部(103)は、図12(c)に示すように、モデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』とを包含した『周波数帯域』を決定することになる。これにより、隣接回線(400)に複数のモデムの種別が存在する場合でも、複数のモデムの種別を包含した『周波数帯域』を決定することが可能となる。
【0092】
なお、『信号電力』は、モデムAとモデムBとで最小の値の信号電力を決定することが好ましい。例えば、図12(c)においてモデムAとモデムBとを包含した周波数帯域となる『a21〜b2n』における『信号電力』は、『b2>a2』であるため、『a2』を選定する。
【0093】
また、モデムAとモデムBとを包含した『周波数帯域』を決定した際のモデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』との割合に応じて、そのモデムAとモデムBとを包含した『周波数帯域』において使用する信号電力を決定することも可能である。
【0094】
例えば、モデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』との割合が、モデムA:モデムB=7:3の場合には、モデムAとモデムBとを包含した『周波数帯域』で使用する信号電力:xは、x=(7a+3b)÷10で算出した信号電力とする。
【0095】
次に、送信出力制御部(103)は、図12(c)に示す複数のモデムの種別を包含した『周波数帯域』と、その周波数帯域で使用する『信号電力』と、を基に、隣接回線(400)に存在するxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号電力を抑制したビット・ゲインテーブルを生成し(ステップS14)、該生成したビット・ゲインテーブルを用いて通信回線(300)に信号を出力することになる(ステップS15)。
【0096】
これにより、xTU−C(100)は、図12(c)に示す周波数帯域と、信号電力と、を基に、図13に示すように、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力することになる。
【0097】
このように、第2の実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合に、モデム識別部(105)は、複数のモデムの種別を特定し、該特定した複数のモデムの種別に対応する周波数帯域と、信号電力と、を記憶部(104)に記憶し、その記憶部(104)に記憶した複数の周波数帯域と、信号電力と、を基に、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、通信回線(300)に信号を出力する。これにより、隣接回線(400)に複数のモデムが存在する場合でも、その複数のモデムに適した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することが可能となる。
【0098】
なお、上述した第2の実施形態では、図12(c)に示すように、モデムAの『周波数帯域』とモデムBの『周波数帯域』とを包含した『周波数帯域』を決定することにしたが、隣接回線(400)に存在するモデムの種別が多い場合には、そのモデムの種別の中で所定の割合だけ包含する『周波数帯域』を決定するように構築することも可能である。
【0099】
例えば、隣接回線(400)に存在するモデムの種類がモデムA、モデムB、モデムC、モデムDと仮定する。そして、各モデムに対して影響を及ぼす周波数帯域がモデムA:2〜5MHz、・・・、モデムB:3〜4MHz、・・・、モデムC:2〜6MHz、・・・、モデムD:3〜8MHz、・・・の場合には、モデムA〜Dを包含する周波数帯域は、2〜8MHzとなるが、モデムA〜Dの中で、5割以上で共通する周波数帯域となる2〜5MHzとするように構築することも可能である。なお、上述した所定の割合は、任意に設定変更するように構築することは可能である。
【0100】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0101】
例えば、本実施形態における送信出力の抑制制御を行うか否かの判断方法としては、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生していると判断した場合に行うことも可能である。
【0102】
例えば、図14に示すように、まず、xTU−C(100)は、隣接回線(400)の漏話雑音をスペクトルアナライザ等を用いて測定する(ステップS21)。
【0103】
次に、xTU−C(100)は、隣接回線(400)の漏話雑音を基に、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生しているか否かを判断する(ステップS22)。
【0104】
xTU−C(100)は、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生していないと判断した場合は(ステップS22/No)、送信出力制御不要と判断し、デフォルトの図9に示す所定の送信出力値で信号を送信する(ステップS23)。なお、所定の送信出力値としては、ITU−T勧告G.993.2、ITU−T勧告G.993.3等に開示されている最大送信出力値を適用することが可能である。
【0105】
また、xTU−C(100)は、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生していると判断した場合には(ステップS23/Yes)、xTU−C(100)は、送信出力の抑制制御を行い、通信回線(300)に送信する信号の送信出力制御を行う。
【0106】
これにより、隣接回線(400)において所定の閾値以上の雑音が発生したか否かに応じて通信回線(300)に送信する信号の送信出力制御を行うか否かを判断することが可能となる。なお、隣接回線(400)の漏話雑音の測定方法は、スペクトルアナライザ等の測定方法に限定するものではなく、あらゆる方法を適用して隣接回線(400)の漏話雑音を測定することは可能であり、モデムを用いて測定することも可能である。
【0107】
また、上述した実施形態において隣接回線(400)に存在するモデムの種別を特定する際の特定方法は、特に限定するものではなく、例えば、モデムの種別を電話局舎にあるモデム管理ソフトウェアなどから情報を取得し、該取得した情報を基にモデムの種別を特定したり、または、宅内に設置されている情報を直接利用してモデムの種別を特定したり、もしくは、回線の信号や漏話雑音などを基にモデムの種別を特定したりするように構築することも可能である。
【0108】
また、上述した実施形態においては、図5、図6に示すように『モデムの種別』毎に管理したが、本発明の技術思想は、モデムの種別に限定するものではなく、通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を特定することが可能であれば、あらゆるものが適用可能である。
【0109】
また、上述した実施形態において、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制する抑制値は、任意に調整することは可能であり、例えば、モデムの種別に応じて送信出力の抑制値を任意に調整したり、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を完全に零にしたりすることも可能である。なお、送信出力を抑制する抑制値は、隣接回線(400)において発生する雑音に応じて調整するようにすることも可能である。
【0110】
また、上述した実施形態においては、回線情報管理サーバ(50)が、例えば、図5に示すように、『モデムの種別』毎に、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけて管理し、また、干渉情報管理サーバ(60)が、例えば、図6に示すように、『モデムの種別』毎に、『周波数帯域』と、『信号電力』と、を対応づけて管理することにしたが、回線情報管理サーバ(50)と、周波数帯域管理サーバ(60)と、が管理する上述した情報をxTU−C(100)が管理するように構築することも可能である。
【0111】
また、上述した実施形態におけるマルチキャリア伝送システムは、図15に示すようなシステムにも適用することは可能である。なお、図15に示すシステム構成は、ADSL局内装置(500)と、ADSL宅内装置(600)と、が通信回線(400)を介して接続されており、また、OLT(Optical Line Terminal)(700)と、遠隔複合装置(100)と、が通信回線(800)を介して接続されており、遠隔複合装置(100)と、VDSL宅内装置(200)と、が通信回線(300)を介して接続されているものである。なお、遠隔複合装置(100)は、ONU(Optical Network Unit)と、VDSL局側装置と、を有して構成されている。
【0112】
また、上述した実施形態におけるマルチキャリア伝送システムを構成するxTU−C(100)と、xTU−R(200)と、の通信装置における制御動作は、ハード構成ではなく、コンピュータプログラム等のソフトウェアにより実行することも可能であり、また、上記のプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録し、その記録媒体から上記プログラムを、通信装置に読み込ませることで、上述した制御動作を、通信装置において実行させることも可能である。また、所定のネットワークを介して接続されている外部機器から上記プログラムを通信装置に読み込ませることで、上述した制御動作を、通信装置において実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明にかかる送信出力制御装置、マルチキャリア伝送システム、送信出力制御方法及び送信出力制御プログラムは、電話線などのメタリックケーブルで数Mビット/秒の高速なデータ伝送を行うxDSL(x Digital Subscriber Line)(xは、A、H、S、V等の総称)に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】近端漏話『NEXT』と遠端漏話『FEXT』とを説明するための図である。
【図2】局側に設置されるxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(10、11)が同じ位置に存在して構成されるマルチキャリア伝送システムのシステム構成を示す図である。
【図3】局側に設置されるxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)(10、11)が異なる位置に存在して構成されるリーモートターミナル(RT)設置のマルチキャリア伝送システムのシステム構成を示す図であり、RT設置xDSLのxTU−C(11)の遠端漏話『FEXT』を説明するための図である。
【図4】本実施形態におけるマルチキャリア伝送システムのシステム構成を示す図である。
【図5】『モデムの種別』毎に、『局情報』、『端末情報』、『回線信号情報』を対応づけて管理するテーブル構成例を示す図である。
【図6】『モデムの種別』毎に、『周波数帯域』、『信号電力』を対応づけて管理するテーブル構成例を示す図である。
【図7】隣接回線(400)のxTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある『周波数帯域』と、その『周波数帯域』で使用する『信号電力』を示す図である。
【図8】第1の実施形態のxTU−C(100)が行う制御動作を示すフロチャートである。
【図9】xTU−C(100)が送信出力制御を行わず、デフォルトの所定の送信出力値で信号を送信する状態を示す図である。
【図10】xTU−C(100)が送信出力制御を行い、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、信号を送信する状態を示す図である。
【図11】第2の実施形態のxTU−C(100)が行う制御動作を示すフロチャートである。
【図12】第2の実施形態のxTU−C(100)が行う制御動作を説明するための図である。
【図13】xTU−C(100)が送信出力制御を行い、xTU−C(500)の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、信号を送信する状態を示す図である。
【図14】送信出力の抑制制御を行うか否かの判断方法を示すフロチャートである。
【図15】本実施形態のマルチキャリア伝送システムを構成する他のシステム構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
1、2、3 通信回線
10 局設置xDSLのxTU−C(XDSL Termination Unit-Center side)
11 局設置またはRT設置のxDSLのxTU−C
20 局設置xDSLのxTU−R(XDSL Termination Unit-Remote side)
21 局設置またはRT設置のxDSLのxTU−R
30、31 通信回線
50 回線情報管理サーバ(回線管理手段)
60 干渉情報管理サーバ(干渉管理手段)
100 xTU−C(遠隔複合装置、送信出力制御装置)
101 送信部
102 受信部
103 送信出力制御部
104 記憶部
105 モデム識別部
200 xTU−R(VDSL宅内装置)
201 送信部
202 受信部
203 送信出力制御部
204 記憶部
205 モデム識別部
300 通信回線
400 隣接回線(通信回線)
500 xTU−C(ADSL局内装置)
600 xTU−R(ADSL宅内装置)
700 OLT(Optical Line Terminal)
800 通信回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置であって、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御手段と、
を有することを特徴とする送信出力制御装置。
【請求項2】
前記通信装置の種別毎に前記周波数帯域を管理する干渉管理手段と、
前記隣接回線に存在する通信装置の種別を特定する特定手段と、
前記通信装置の種別に応じた前記周波数帯域を前記干渉管理手段から取得する取得手段と、
を有し、
前記記憶手段は、
前記通信装置の種別に応じた前記周波数帯域を記憶することを特徴とする請求項1記載の送信出力制御装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
前記特定手段により特定した通信装置の種別が複数の場合には、各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を前記干渉管理手段から取得し、
前記記憶手段は、
前記各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を記憶し、
前記制御手段は、
前記複数の周波数帯域を基に、送信出力を抑制する周波数帯域を決定し、該決定した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記複数の周波数帯域を包含した周波数帯域を、前記送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とする請求項3記載の送信出力制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記複数の周波数帯域を所定の割合で包含した周波数帯域を、前記送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とする請求項3記載の送信出力制御装置。
【請求項6】
前記所定の割合を設定する設定手段を有することを特徴とする請求項5記載の送信出力制御装置。
【請求項7】
前記隣接回線の状態と、前記通信装置の種別と、を対応づけて管理する回線管理手段と、
前記隣接回線の状態を特定する状態取得手段と、
を有し、
前記特定手段は、
前記状態取得手段により特定した隣接回線の状態に対応する前記通信装置の種別を、前記回線管理手段の中から特定することを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
【請求項8】
前記隣接回線の状態は、前記隣接回線に存在する局側の通信装置が設置されている場所に関する情報と、前記隣接回線に存在する宅内側の通信装置に関する情報と、前記隣接回線に存在する通信装置が使用している使用周波数帯域及び伝送方式に関する情報と、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項7記載の送信出力制御装置。
【請求項9】
前記干渉管理手段は、前記送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
【請求項10】
前記回線管理手段は、前記送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とする請求項7記載の送信出力制御装置。
【請求項11】
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制する抑制値を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の送信出力制御装置。
【請求項12】
第1の通信装置と、第2の通信装置と、が通信回線を介して接続して構成されるマルチキャリア伝送システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御手段と、
を有することを特徴とするマルチキャリア伝送システム。
【請求項13】
通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置で行う送信出力制御方法であって、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御工程と、
を、前記送信出力制御装置が行うことを特徴とする送信出力制御方法。
【請求項14】
通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置において実行させる送信出力制御プログラムであって、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶処理と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御処理と、
を、前記送信出力制御装置に実行させることを特徴とする送信出力制御プログラム。
【請求項1】
通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置であって、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御手段と、
を有することを特徴とする送信出力制御装置。
【請求項2】
前記通信装置の種別毎に前記周波数帯域を管理する干渉管理手段と、
前記隣接回線に存在する通信装置の種別を特定する特定手段と、
前記通信装置の種別に応じた前記周波数帯域を前記干渉管理手段から取得する取得手段と、
を有し、
前記記憶手段は、
前記通信装置の種別に応じた前記周波数帯域を記憶することを特徴とする請求項1記載の送信出力制御装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
前記特定手段により特定した通信装置の種別が複数の場合には、各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を前記干渉管理手段から取得し、
前記記憶手段は、
前記各々の通信装置の種別に応じた複数の周波数帯域を記憶し、
前記制御手段は、
前記複数の周波数帯域を基に、送信出力を抑制する周波数帯域を決定し、該決定した周波数帯域の信号の送信出力を抑制することを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記複数の周波数帯域を包含した周波数帯域を、前記送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とする請求項3記載の送信出力制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記複数の周波数帯域を所定の割合で包含した周波数帯域を、前記送信出力を抑制する周波数帯域として決定することを特徴とする請求項3記載の送信出力制御装置。
【請求項6】
前記所定の割合を設定する設定手段を有することを特徴とする請求項5記載の送信出力制御装置。
【請求項7】
前記隣接回線の状態と、前記通信装置の種別と、を対応づけて管理する回線管理手段と、
前記隣接回線の状態を特定する状態取得手段と、
を有し、
前記特定手段は、
前記状態取得手段により特定した隣接回線の状態に対応する前記通信装置の種別を、前記回線管理手段の中から特定することを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
【請求項8】
前記隣接回線の状態は、前記隣接回線に存在する局側の通信装置が設置されている場所に関する情報と、前記隣接回線に存在する宅内側の通信装置に関する情報と、前記隣接回線に存在する通信装置が使用している使用周波数帯域及び伝送方式に関する情報と、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項7記載の送信出力制御装置。
【請求項9】
前記干渉管理手段は、前記送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
【請求項10】
前記回線管理手段は、前記送信出力制御装置と分離独立して構成されていることを特徴とする請求項7記載の送信出力制御装置。
【請求項11】
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制する抑制値を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の送信出力制御装置。
【請求項12】
第1の通信装置と、第2の通信装置と、が通信回線を介して接続して構成されるマルチキャリア伝送システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶する記憶手段と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御手段と、
を有することを特徴とするマルチキャリア伝送システム。
【請求項13】
通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置で行う送信出力制御方法であって、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御工程と、
を、前記送信出力制御装置が行うことを特徴とする送信出力制御方法。
【請求項14】
通信回線に出力する信号の送信出力を制御する送信出力制御装置において実行させる送信出力制御プログラムであって、
前記通信回線と隣接する隣接回線に存在する通信装置の伝送速度の低減に影響のある周波数帯域を、前記通信装置が使用する使用周波数帯域よりも高い高周波数帯域を少なくとも含めて記憶手段に記憶する記憶処理と、
前記周波数帯域の信号の送信出力を抑制し、前記通信回線に信号を出力する制御処理と、
を、前記送信出力制御装置に実行させることを特徴とする送信出力制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−92275(P2008−92275A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270883(P2006−270883)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
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