説明

送信器および機能設定方法

【課題】複数の信号を選択的に送信することができ、優れた操作性を有する送信器および簡単に機能を設定することのできる機能設定方法を提供すること。
【解決手段】送信器1は、複数の機能のうちから1つの機能を選択することのできる機能選択部2と、機能選択部2により選択された機能を記憶する記憶部3と、記憶部3に記憶された機能に対応する信号を送信する送信部4と、第1状態と第2状態とを選択する選択部5と、発電部6と、発電部6から電力を発生させる発電実行部7と、選択部5が第1状態のときには、機能選択部2により選択された機能を記憶部3に記憶し、選択部5が第2状態のときには、記憶部3に記憶された機能に対応する信号を送信部4から送信する制御部12とを有している。制御部12の駆動は、発電実行部7の操作によって発電部6から発生する電力を用いて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信器および機能設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来から、内蔵された発電機から発生した電力を用いて所望の信号を送信する送信器(リモコン)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の送信器は、照明器具の駆動ON/OFFを制御するものであり、送信器から1種類の信号を送信する度に、照明器具(電子機器)のON/OFFが切り替わるように構成されている。このように、特許文献1の送信器では、1種の信号しか送信できないため、例えば、照明の明るさ調節や、色合い調節といった制御を行う場合には、別途、明るさ調節用の送信器、色合い調節用の送信器を用意しなければならない。そのため、1台の照明器具(電子機器)に対して送信器の数が不必要に多くなり、操作の煩雑化を招いてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4582593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、複数の信号を選択的に送信することができ、優れた操作性を有する送信器および簡単に機能を設定することのできる機能設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1)複数の機能のうちから1つの機能を選択することのできる機能選択部と、
前記機能選択部により選択された機能を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記機能に対応する信号を送信する送信部と、
前記機能選択部により選択された機能を前記記憶部に記憶させることができる第1状態と、前記記憶部に記憶された機能に対応する前記信号を前記送信部から送信することができる第2状態とを選択する選択部と、
電力を発生させる発電部と、
前記発電部を駆動させ、前記発電部から電力を発生させる発電実行部と、
前記選択部が前記第1状態のときには、前記機能選択部により選択された機能を前記記憶部に記憶し、前記選択部が前記第2状態のときには、前記記憶部に記憶された機能に対応する前記信号を前記送信部から送信する制御部とを有し、
前記制御部による前記記憶部への前記機能の記憶および前記送信部からの前記信号の送信は、それぞれ、前記発電実行部の操作によって前記発電部から発生する電力を用いて行われることを特徴とする送信器。
【0007】
(2)前記機能選択部を操作することにより所望の機能を選択し、前記選択部を前記第1状態とした状態で前記発電実行部を操作すると、当該操作によって前記発電部から発生した電力により、前記機能選択部で選択された機能が前記記憶部に記憶され、
前記選択部を前記第2状態とした状態で前記発電実行部を操作すると、当該操作によって前記発電部から発生した電力によって、前記記憶部に記憶された機能に対応する信号が前記送信部から送信される上記(1)に記載の送信器。
【0008】
(3)前記選択部は、前記発電実行部と連動しており、
前記発電実行部の操作途中で前記第1状態から前記第2状態へ切り替わるように構成されている上記(1)に記載の送信器。
【0009】
(4)前記発電部は、固定子と、前記固定子に対して回転可能な回転子とを有し、前記発電実行部の操作によって前記回転子が前記固定子に対して回転することにより前記電力を発生させる上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の送信器。
【0010】
(5)前記発電部は、圧電素子または熱電変換素子を有している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の送信器。
【0011】
(6)前記記憶部は、不揮発性の記憶装置によって構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の送信器。
【0012】
(7)前記発電部から発生した電力を整流する整流部と、前記整流部で整流された電力を蓄える蓄電部とを有している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の送信器。
【0013】
(8)複数の機能のうちから1つの機能を選択することのできる機能選択部と、
前記機能選択部により選択された機能を記憶する記憶部と、
少なくとも、前記機能選択部により選択された機能を前記記憶部に記憶させることができる第1状態をとり得る選択部と、
電力を発生させる発電部と、
前記発電部を駆動させ、前記発電部から電力を発生させる発電実行部とを有し、
前記記憶部への前記機能の記憶は、前記発電実行部の操作によって前記発電部から発生する電力を用いて行われ、
前記機能選択部を操作することにより所望の機能を選択し、前記選択部を前記第1状態とした状態で前記発電実行部を操作することにより、当該操作によって前記発電部から発生した電力によって、前記機能選択部で選択された機能が前記記憶部に記憶されることを特徴とする機能設定方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる送信器によれば、1つの装置で、複数の信号から所望の信号を選択的に送信することができるため、優れた操作性を発揮することができる。特に、選択部を選択するだけで、記憶部へ記憶する行為と、所望の信号を送信する行為とを選択することができるため、その操作性が優れている。また、1つの発電部によって記憶部への記憶と、信号の送信とを行うことができるため、装置の小型化を図ることができる。また、外部電源を必要としないため、環境に優しい装置となる。また、本発明にかかる送信器は、各種電子機器のリモコンとして好適に利用することができる。
【0015】
また、本発明の機能設定方法によれば、簡単に、記憶部に機能を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の送信器の第1実施形態を示す模式的斜視図である。
【図2】図1に示す送信器のブロック図である。
【図3】本発明の送信器の第2実施形態を示す模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の送信器および機能設定方法の好適な実施形態を説明する。なお、以下では、本発明の送信器を用いて電子機器のリモコン(リモートコントローラ)を構成した場合について説明する。
【0018】
<第1実施形態>
まず、本発明の送信器の第1実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の送信器の第1実施形態を示す模式的斜視図、図2は、図1に示す送信器のブロック図である。
【0020】
図1に示すリモコン(送信器)1は、外部機器である電子機器に対して所定の信号を無線送信するエネルギー自給式の装置である。電子機器としては、特に限定されず、例えば、テレビ、ビデオ、オーディオ、照明機器等が挙げられるが、以下では、照明機器を代表例に挙げて説明する。
【0021】
図2に示すように、リモコン1は、機能選択部2、記憶部3、送信部4、選択部5、発電部6、発電実行部7、整流部(整流回路)8、蓄電部9、変圧部10、放電部11および制御部12を有している。
【0022】
このようなリモコン1は、発電部6により発電された電力によって駆動する。そのため、リモコン1は、外部電源を必要とせず、環境に優しい装置となる。
【0023】
以下、これらについて順次、詳細に説明する。
(機能選択部2)
機能選択部2は、少なくとも1つのスイッチを備え、前記スイッチの状態によって複数の機能のうちから1つの機能を選択する機能を有している。図1に示すように、本実施形態の機能選択部2は、筐体100の外部に突出する2つのスイッチ21、22で構成されている。
【0024】
スイッチ21、22は、それぞれ、「0」状態と「1」状態とに切り替えることができるスイッチである。機能選択部2は、これらスイッチ21、22の状態を選択することにより、4つの機能から1つの機能を選択することができる。すなわち、スイッチ21、22の状態を切り替えることにより、(1)スイッチ21、22がともに「0」状態の第1機能選択状態、(2)スイッチ21が「0」状態でスイッチ22が「1」状態の第2機能選択状態、(3)スイッチ21が「1」状態でスイッチ22が「0」状態の第3機能選択状態、(4)スイッチ21、22がともに「1」状態の第4機能選択状態から1つの状態を選択することができる。
【0025】
4つの状態には、それぞれ、異なる機能が割り当てられており、操作者は、スイッチ21、22を目的の機能を発揮することのできる状態に操作する。第1〜第4機能としては、特に限定されないが、例えば、照明装置のON/OFFを行う機能、照明の明るさを明るくする機能、照明の明るさを暗くする機能、照明装置のタイマーを作動させる機能などが挙げられる。
【0026】
以上、機能選択部2について説明したが、機能選択部2の構成は、本実施形態に限定されない。例えば、スイッチの数は、本実施形態の2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、各スイッチは、2つの状態を切り替えることができるものに限定されず、3つ以上の状態を切り替えることができるものであってもよい。スイッチの数等は、設定する機能の数に応じて適宜選択することができる。例えば、8つの機能を設定したい場合には、2つの状態を切り替えることができるスイッチを3つ設ければよい。
【0027】
(記憶部3)
記憶部3は、機能選択部2によって選択された機能(情報)を記憶する機能を有している。具体的には、発電実行部7が有する後述するボタン71を操作したときに、機能選択部2によって選択されている機能を記憶する。なお、記憶部3への機能の書き込みは、発電部6で発電された電力を用いて行われる。
【0028】
このような記憶部3は、不揮発性の記憶装置で構成されており、記憶部3への電力供給を停止しても、記憶部3に記憶されている機能が消去されることがない。なお、不揮発性の記憶装置としては、特に限定されず、フラッシュメモリ、EEPROM等の公知の不揮発性メモリを用いることができる。
【0029】
なお、記憶部3には、新しく選択した機能を、その前に選択した機能に上書き保存してもよいし、既に機能を保存している領域とは異なる領域に順次保存してもよい(すなわち、インクリメントして書き込んでもよい)。これにより、記憶部3への機能の記憶を繰り返し行うことができる。
【0030】
また、機能選択部2により選択され、記憶部3に新たに記憶される機能が、その前(直前)に記憶された機能と同じ場合には、選択された新たな機能の記憶部3への記憶を行わなくてもよい。これにより、記憶部3の容量を小さくすることができ、また、記憶部3の書き込み寿命の延命を図ることができる。
【0031】
(送信部4)
送信部4は、RFコントローラ41と、RFコントローラ41に接続されたアンテナ42とを有している。
【0032】
RFコントローラ41は、制御部12の制御により、記憶部3に記憶された最新の機能に対応する信号を所定の周波数の信号として発振する。RFコントローラ41から発振された信号は、アンテナ42を介して照明機器に無線送信される。このような送信は、発電部6が発電した電力によって行われる。
【0033】
(選択部5)
選択部5は、機能選択部2により選択された機能を記憶部3に記憶させることができる設定可能状態(第1状態)と、記憶部3に記憶された最新の機能に対応する信号を送信部4から送信することができる送信可能状態(第2状態)とを選択する機能を有している。
【0034】
図1に示すように、本実施形態の選択部5は、筐体100の外部に突出し、2つの状態を切り替えることのできるスイッチ51を有している。このスイッチ51を操作することにより、設定可能状態と、送信可能状態とを選択することができるようになっている。これにより、選択部5の構成が簡単となる。
【0035】
(発電部6)
発電部6は、筐体100に収容されている。発電部6は、自己発電により交流電力を発生させることが可能であり、例えば、外から力(物理的な力、磁力等)が付与された際に前記電力を発生することができる。したがって、この発電部6は、連続してではなく、一過性(一時的)に電力を発生させる。かかる発電部6を用いることにより、リモコン1の小型化を図ることができるとともに、環境に優しい発電(環境発電)が可能となる。
【0036】
発電部6は、図示しない固定子(ステータ)と、固定子に対して回転可能な図示しない回転子(ロータ)とを有しており、外力によって、回転子を固定子に対して回転させることにより発電する。このような発電部6としては、例えば、ステッピングモータ、DCモータ等の各種モータを用いることができる。
【0037】
発電部6の1回の発電量は、特に限定されないが、500〜1500μJ/5〜20msec程度であるのが好ましい。
【0038】
(発電実行部7)
発電実行部7は、発電部6を駆動させ、発電部6から電力を発生させる機能を有している。図1に示すように、本実施形態の発電実行部7は、筐体100の外部に突出するプッシュ型のボタン71を有している。このボタン71は、発電部6の回転子に接続されており、ボタン71を押し込むことにより、回転子が固定子に対して回転し、発電部6から電力が発生する。
【0039】
(整流部8)
整流部(整流回路)8は、発電部6に接続されている。整流部8は、発電部6により発生した交流電力を直流電力に整流する機能を有している。整流部8の構成としては、このような機能を発揮することができる限り、特に限定されず、公知の整流回路を用いることができる。
【0040】
(蓄電部9)
蓄電部9は、整流部8に接続されている。蓄電部9は、例えば、コンデンサ等で構成されており、所定の容量の電力を蓄電することができる。これにより、発電部6により発生した電力を蓄えることができ、制御部12に安定的に電力を供給することができる。なお、蓄電部9の容量としては、特に限定されないが、50〜80μF程度とすることができる。
【0041】
(変圧部10)
変圧部(DC/DCコンバータ)10は、整流部8および蓄電部9にそれぞれ接続されている。変圧部10は、整流部8から入力された直流電力を所定の電圧値に調整する機能を有している。このような変圧部10から出力された直流電力は、制御部12に供給され、これにより、制御部12が作動する。変圧部10によって調整すべき電圧値は、特に限定されないが、2〜3V程度とされる。
【0042】
(放電部11)
放電部11は、蓄電部9および制御部12に接続されている。このような放電部11は、前述のようなアンテナ42からの信号の送信を終え、制御部12へのそれ以上の電力供給が必要なくなった後に、蓄電部9に蓄電された電力を放電する。なお、このような放電部11は、必要に応じて設ければよく、例えば、発電部6から発生した電力のほぼ全部が、制御部12の駆動に用いられるような場合には省略してもよい。
【0043】
(制御部12)
制御部12は、変圧部10に接続されている。制御部12は、例えば、マイクロコントローラ(マイコン)で構成されている。このような制御部12は、発電部6で発電された電力によって作動する。
【0044】
また、制御部12は、機能選択部2、記憶部3、送信部4、選択部5および放電部11に接続されており、選択部5が有するスイッチ51の状態に応じて、機能選択部2のスイッチ21、22の状態(選択された機能)を検知し、その状態(機能)を記憶部3に記憶したり、記憶部3に記憶された最新の機能に対応する信号を送信部4から送信したりする機能を有している。
【0045】
具体的には、制御部12は、スイッチ51の状態を検知し、スイッチ51が設定可能状態であった場合には、機能選択部2によって選択されている機能(スイッチ21、22の状態に対応した機能)を記憶部3に記憶する。一方、スイッチ51の状態を検知し、スイッチ51が送信可能状態であった場合には、記憶部3に記憶された最新の機能を読み出し、読み出した機能に対応する信号を送信部4から送信する。このような構成とすることにより、リモコン1の操作がより簡単となる。
以上、リモコン1の構成について詳細に説明した。
【0046】
次いで、リモコン1の操作手順(本発明の機能設定方法)について説明する。なお、以下では、スイッチ21、22の状態と機能との組み合わせを、(0、0):照明のON/OFFを行う第1機能、(0、1):照明を明るくする第2機能、(1、0):照明を暗くする第3機能、(1、1):タイマーを作動させる第4機能とした場合について代表して説明する。
【0047】
(照明装置のON/OFF)
まず、選択部5のスイッチ51を操作し、設定可能状態とする。次いで、機能選択部2のスイッチ21、22を操作し、スイッチ21、22をともに「0」状態とする。これにより、記憶部3に照明のON/OFFを行う第1機能を記憶できる状態となる。なお、スイッチ51の操作と、スイッチ21、22の操作の順番は、これに限定されず、まず、スイッチ21、22を操作し、その次に、スイッチ51を操作してもよい(他の機能を設定する場合も同様)。
【0048】
次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が選択可能状態であることを検知し、その後、スイッチ21、22の状態を検知する。次いで、制御部12は、スイッチ21、22の状態に対応した機能(第1機能)を記憶部3に記憶する。
【0049】
以上により、記憶部3への第1機能の記憶が完了する。なお、直前に記憶部3に記憶した機能が第1機能である場合には、上記の手順を省略することができる(他の機能を設定する場合も同様)。
【0050】
次いで、選択部5のスイッチ51を操作し、送信可能状態とする。次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が送信可能状態であることを検知し、記憶部3に記憶された最新の機能(第1機能)を読み込み、読み込んだ機能に対応する信号を送信部4から照明装置に送信する。これにより、照明装置のON/OFFを行うことができる。
【0051】
なお、記憶部3に記憶した機能を変更しない限り、すなわち、記憶部3に記憶されている最新の機能が第1機能である限り、スイッチ51を押す度に、照明装置のONとOFFが繰り返されることとなる。
【0052】
(照明を明るくする)
まず、選択部5のスイッチ51を操作し、設定可能状態とする。次いで、機能選択部2のスイッチ21、22を操作し、スイッチ21を「0」状態とし、スイッチ22を「1」状態とする。これにより、記憶部3に照明装置の明るさを明るくする第2機能を記憶できる状態となる。
【0053】
次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が選択可能状態であることを検知し、その後、スイッチ21、22の状態を検知する。次いで、制御部12は、スイッチ21、22の状態に対応した機能(第2機能)を記憶部3に記憶する。
以上により、記憶部3への第2機能の記憶が完了する。
【0054】
次いで、選択部5のスイッチ51を操作し、送信可能状態とする。次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が送信可能状態であることを検知し、記憶部3に記憶された最新の機能(第2機能)を読み込み、読み込んだ機能に対応する信号を送信部4から照明装置に送信する。これにより、照明装置の明るさが明るくなる。
【0055】
なお、照明装置の明るさを多段階で調節できる場合には、スイッチ51を送信可能状態としたまま、ボタン71を複数回操作することにより、照明装置の明るさを段階的に明るくすることができる。ボタン71を操作する度に、記憶部3に記憶された最新の機能(第2機能)が照明装置に送信されるため、このような操作が可能となる。
【0056】
(照明を暗くする)
まず、選択部5のスイッチ51を操作し、設定可能状態とする。次いで、機能選択部2のスイッチ21、22を操作し、スイッチ21を「1」状態とし、スイッチ22を「0」状態とする。これにより、記憶部3に照明装置の明るさを暗くする第3機能を記憶できる状態となる。
【0057】
次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が選択可能状態であることを検知し、その後、スイッチ21、22の状態を検知する。次いで、制御部12は、スイッチ21、22の状態に対応した機能(第3機能)を記憶部3に記憶する。
以上により、記憶部3への第3機能の記憶が完了する。
【0058】
次いで、選択部5のスイッチ51を操作し、送信可能状態とする。次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が送信可能状態であることを検知し、記憶部3に記憶された最新の機能(第3機能)を読み込み、読み込んだ機能に対応する信号を送信部4から照明装置に送信する。これにより、照明装置の明るさが暗くなる。
【0059】
なお、照明装置の明るさを多段階で調節できる場合には、スイッチ51を送信可能状態としたまま、ボタン71を複数回操作することにより、照明装置の明るさを段階的に暗くすることができる。ボタン71を操作する度に、記憶部3に記憶された最新の機能(第3機能)が照明装置に送信されるため、このような操作が可能となる。
【0060】
(タイマーを設定する)
まず、選択部5のスイッチ51を操作し、設定可能状態とする。次いで、機能選択部2のスイッチ21、22を操作し、スイッチ21、22をともに「1」状態とする。これにより、記憶部3に照明装置のタイマーを作動させる第4機能を記憶できる状態となる。
【0061】
次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が選択可能状態であることを検知し、その後、スイッチ21、22の状態を検知する。次いで、制御部12は、スイッチ21、22の状態に対応した機能(第4機能)を記憶部3に記憶する。
以上により、記憶部3への第4機能の記憶が完了する。
【0062】
次いで、選択部5のスイッチ51を操作し、送信可能状態とする。次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が送信可能状態であることを検知し、記憶部3に記憶された最新の機能(第4機能)を読み込み、読み込んだ機能に対応する信号を送信部4から照明装置に送信する。これにより、照明装置のタイマーが作動する。
以上、リモコン1およびその操作手順(機能設定方法)について説明した。
【0063】
このようなリモコン1によれば、1つの装置で、複数の信号から所望の信号を選択的に送信することができるため、優れた操作性を発揮することができる。特に、選択部5を選択するだけで、記憶部3へ機能を記憶する行為と、送信部4から所望の信号を送信する行為とを選択することができるため、その操作性が優れている。また、1つの発電部6によって記憶部3への記憶と、送信部4からの信号の送信とを行うことができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0064】
ここで、リモコン1は、第4機能を「タイマーを作動させる」機能に変えて、「チャンネルを変更する」機能としてもよい。この機能は、無線送信用のチャンネルを切り替える機能である。以下、当該機能について具体的に説明する。
【0065】
まず、選択部5のスイッチ51を操作し、設定可能状態とする。次いで、機能選択部2のスイッチ21、22を操作し、スイッチ21、22をともに「1」状態とする。これにより、記憶部3にチャンネルを変更(選択)する第4機能を記憶できる状態となる。
【0066】
次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が選択可能状態であることを検知し、その後、スイッチ21、22の状態を検知する。スイッチ21、22がともに「1」の場合には、ボタン71が押し込まれる度に、チャンネルがch1、ch2、ch3、‥‥chN、ch1、ch2、‥‥と順番に切り替わりながら、そのチャンネルが記憶部3に記憶(上書き保存)される。すなわち、操作者は、ボタン71を所定回数連続して押し込むことにより、所望のチャンネルを選択する。以上により、記憶部3への第4機能の記憶が完了する。
【0067】
次いで、選択部5のスイッチ51を操作し、送信可能状態とする。次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が送信可能状態であることを検知し、記憶部3に記憶された最新の機能(第4機能)を読み込み、読み込んだチャンネルにて無線の送信を行う。
【0068】
チャンネルの設定方法としては、上記の方法のほか、下記の方法を用いてもよい。すなわち、制御部12には、複数のチャンネルがテーブルとして記憶されており、スイッチ21、22が共に「1」の状態にて、ボタン71が押し込まれると、その押し込み回数が記憶部3に、例えば、index1、index2、‥‥indexNといったインデックスとして記憶される。次いで、選択部5のスイッチ51を操作し、送信可能状態とする。次いで、ボタン71を押し込む。これにより、発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。作動した制御部12は、選択部5のスイッチ51が送信可能状態であることを検知し、記憶部3に記憶された最新のインデックスに応じたチャンネルを前記テーブルから選択し、選択したチャンネルにて無線の送信を行う。
【0069】
<第2実施形態>
次に、本発明の送信器の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の送信器の第2実施形態を示す模式的側面図である。
【0070】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0071】
本実施形態の送信器は、選択部が発電実行部と連動している以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0072】
本実施形態のリモコン1は、選択部5が有するスイッチ51が、発電実行部7が有するボタン71と連動している。具体的には、スイッチ51を押し込むと、その途中でスイッチ51が設定可能状態から送信可能状態へ切り替わるように構成されている。このような構成としては、例えば、図3に示すような構成とすることができる。
【0073】
図3に示すように、ボタン71にはピニオンギアが形成されており、回転子に形成されたラックギアに歯合している。そのため、ボタン71を押し込むと回転子が回転し、発電部6が駆動する。また、ボタン71と並んでスイッチ51が設けられている。スイッチ51は、ボタン71を押し込んでいる途中(すなわち、ボタン71の上死点と下死点と間)にてボタン71と接触し(図3(b)参照)、さらにボタン71によって押し込まれることにより、その状態が切り替わる(図3(c)参照)。
【0074】
具体的には、スイッチ51は、ボタン71と接触していない状態(初期状態:図3(a)の状態)では、設定可能状態となっており、ボタン71と接触し、ボタン71によって押し込まれることにより、送信可能状態に切り替わる(図3(c)の状態)。
【0075】
また、本実施形態のリモコン1では、スイッチ51が設定可能状態から送信可能状態へ切り替わると、それとほぼ同時に、放電部11が蓄電部9に蓄えられた電力を放電するように構成されている。
【0076】
このような構成では、ボタン71を押し込むと発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が作動する。スイッチ51の初期状態は、設定可能状態であるため、制御部12は、機能選択部2の状態を検知し、その状態に対応する機能を記憶部3に記憶する。ボタン71をさらに押し込むと、スイッチ51の状態が送信可能状態に切り替わるとともに、放電部11によって蓄電部9に蓄えられた電力が放電され、制御部12の作動が停止する。ボタン71をさらに押し込むと発電部6から電力が発生し、この電力によって制御部12が再び作動する。この際、スイッチ51は、送信可能状態であるため、制御部12は、記憶部3に記憶された最新の機能を読み出して、その機能に対応する信号を送信部4から送信する。
【0077】
以上のように本実施形態のリモコン1によれば、ボタン71を1回操作するだけで、記憶部3への機能の書き込みと、送信部4からの信号の送信とを行うことができる。そのため、リモコン1の操作性がより向上する。
【0078】
以上、本発明の送信器および機能設定方法について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の送信器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0079】
また、前述した実施形態では、信号を無線で送信しているが、有線で送信してもよい。
また、前述した実施形態では、発電部としてモータを用いた形態を説明したが、発電部の構成は、電力を発生させることができれば特に限定されず、例えば、圧電素子を用い、この圧電素子を変形させることにより、電力を発生させるように構成されていてもよいし、ペルチェ素子等の熱電変換素子を用い、この熱電変換素子に温度差を与えることにより電力を発生させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1‥‥リモコン
2‥‥機能選択部
21‥‥スイッチ
22‥‥スイッチ
3‥‥記憶部
4‥‥送信部
41‥‥RFコントローラ
42‥‥アンテナ
5‥‥選択部
51‥‥スイッチ
6‥‥発電部
7‥‥発電実行部
71‥‥ボタン
8‥‥整流部(整流回路)
9‥‥蓄電部
10‥‥変圧部
11‥‥放電部
12‥‥制御部
100‥‥筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能のうちから1つの機能を選択することのできる機能選択部と、
前記機能選択部により選択された機能を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記機能に対応する信号を送信する送信部と、
前記機能選択部により選択された機能を前記記憶部に記憶させることができる第1状態と、前記記憶部に記憶された機能に対応する前記信号を前記送信部から送信することができる第2状態とを選択する選択部と、
電力を発生させる発電部と、
前記発電部を駆動させ、前記発電部から電力を発生させる発電実行部と、
前記選択部が前記第1状態のときには、前記機能選択部により選択された機能を前記記憶部に記憶し、前記選択部が前記第2状態のときには、前記記憶部に記憶された機能に対応する前記信号を前記送信部から送信する制御部とを有し、
前記制御部による前記記憶部への前記機能の記憶および前記送信部からの前記信号の送信は、それぞれ、前記発電実行部の操作によって前記発電部から発生する電力を用いて行われることを特徴とする送信器。
【請求項2】
前記機能選択部を操作することにより所望の機能を選択し、前記選択部を前記第1状態とした状態で前記発電実行部を操作すると、当該操作によって前記発電部から発生した電力により、前記機能選択部で選択された機能が前記記憶部に記憶され、
前記選択部を前記第2状態とした状態で前記発電実行部を操作すると、当該操作によって前記発電部から発生した電力によって、前記記憶部に記憶された機能に対応する信号が前記送信部から送信される請求項1に記載の送信器。
【請求項3】
前記選択部は、前記発電実行部と連動しており、
前記発電実行部の操作途中で前記第1状態から前記第2状態へ切り替わるように構成されている請求項1に記載の送信器。
【請求項4】
前記発電部は、固定子と、前記固定子に対して回転可能な回転子とを有し、前記発電実行部の操作によって前記回転子が前記固定子に対して回転することにより前記電力を発生させる請求項1ないし3のいずれかに記載の送信器。
【請求項5】
前記発電部は、圧電素子または熱電変換素子を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の送信器。
【請求項6】
前記記憶部は、不揮発性の記憶装置によって構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の送信器。
【請求項7】
前記発電部から発生した電力を整流する整流部と、前記整流部で整流された電力を蓄える蓄電部とを有している請求項1ないし6のいずれかに記載の送信器。
【請求項8】
複数の機能のうちから1つの機能を選択することのできる機能選択部と、
前記機能選択部により選択された機能を記憶する記憶部と、
少なくとも、前記機能選択部により選択された機能を前記記憶部に記憶させることができる第1状態をとり得る選択部と、
電力を発生させる発電部と、
前記発電部を駆動させ、前記発電部から電力を発生させる発電実行部とを有し、
前記記憶部への前記機能の記憶は、前記発電実行部の操作によって前記発電部から発生する電力を用いて行われ、
前記機能選択部を操作することにより所望の機能を選択し、前記選択部を前記第1状態とした状態で前記発電実行部を操作することにより、当該操作によって前記発電部から発生した電力によって、前記機能選択部で選択された機能が前記記憶部に記憶されることを特徴とする機能設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−239145(P2012−239145A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108551(P2011−108551)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】