説明

送信器

【課題】所望の送信出力電力に応じて、混合器と周波数分周器の双方の低消費電力化を行うことで、従来の送信器よりも平均的な消費電力が小さい送信器を提供する。
【解決手段】並列に配置されたK個(Kは2以上の自然数)の混合器セルからなり、このK個の混合器セルにベースバンド信号が入力される混合器(5、5’)と、K個の混合器セルに高周波信号を出力し、N個(NはK≧Nの自然数)の周波数分周器セルからなる周波数分周器(50)と、混合器(5、5’)と周波数分周器(50)の動作状態を設定するための制御信号を出力する制御回路(5000)と、を含み、制御回路(5000)は、互いに接続された混合器セルと周波数分周器セルとを独立して動作状態を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信器の低消費電力化に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表される携帯型の通信端末装置(以下、「携帯端末」という)の送信器において、送信出力信号の出力電力(以下、「送信出力電力」という)は、広い可変幅と、低消費電力であることが求められる。低消費電力であることは、携帯端末のバッテリーを長持ちさせることに不可欠であり、時々刻々と変化する携帯端末の使用状態において、その平均的な消費電力を低く抑える事が重要である。また、消費電力は、消費電流と電源電圧との積であるため、消費電流を低減させることは、すなわち消費電力を低減させることになる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の送信器は、電力調整型の送信器である。この送信器では、消費電流を低減させるための手段として、入力されるベースバンド信号の振幅を変化させなくとも、並列に配置された複数個の変調器を、動作もしくは非動作させることで、所望の送信出力電力を実現している。所望の送信出力電力を実現するためにベースバンド信号の振幅を変化させる方法では、混合器に流れる電流を減らすことはできないが、特許文献1の送信出力電力の調整方法によれば、少ない電流消費で送信出力電力の調整を行うことができる。これにより、電源電圧と消費電流との積で求められる消費電力も低減できることになる。
【0004】
ところで、特許文献1に記載の送信器は、ベースバンド部、IQ直交変調器、バンドパスフィルター、パワーアンプ(PA)、アンテナ、電力検出器、インターフェース回路から構成される。ベースバンド部は、デジタル信号処理部と、デジタル/アナログ変換器(DA変換器)と、ローパスフィルターと、アナログ/デジタル変換器(AD変換器)とからなる。また、IQ直交変調器は、電圧制御発振回路(VCO)と、周波数分周器と、2つの混合器と、加算ノードとからなる。
【0005】
また、2つの混合器は、それぞれ以下のような構成となっている。すなわち、ベースバンド部のローパスフィルターからの信号は、IQ直交変調器の有効信号入力部を介して、混合器の並列に接続された4つの混合器セルに入力される。そして、各混合器セルから出力される電流の総和は、カレントミラーを介して、局所発振器入力部からの局所発振器信号を他方の入力とする4つのトランジスタに供給される。また、この4つのトランジスタの出力は、2つの高周波数出力部から出力される。
【0006】
ここで、特許文献1の混合器では、制御入力部からの信号に応じて、4つの混合器セル間を接続しているスイッチによって各混合器セル間を接続または切断することで、送信出力電力を調整できる。これにより、ベースバンド信号の振幅を変化させて送信出力電力を調整する方法よりも、少ない電流消費で送信出力電力の調整を行うことができる。すなわち、混合器自体の平均的な消費電力を低く抑えることが可能である。
【0007】
次に、特許文献1における2つの混合器を駆動する周波数分周器の電力消費に関して説明する。周波数分周器は、高周波回路において多くの場合、CML(Current Mode Logic)回路で実現される。図4は、2分周器をCML回路で実現した場合の具体例である。図4に示されるCML回路は、N型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ901、902、903と、負荷抵抗904と、定電流源900とから構成されている。このCML回路は、キャリア波周波数の2倍の周波数の高周波差動信号LOP、LONを入力とし、キャリア波周波数と同じ周波数の差動出力LOIP、LOINと、これらの差動出力と各々90度位相の異なる差動出力LOQP、LOQNを出力する。
【0008】
ここで、差動出力LOIP、LOINは2つの混合器のうちの一方の混合器に入力され、差動出力LOQP、LOQNは他方の混合器に入力される。周波数分周器を図4の2分周器で実現したとき、2分周器の出力LOIP、LOIN、LOQP、LOQNの各々の出力先である各混合器内のトランジスタの容量性負荷をCLとし、2分周器の負荷抵抗904の抵抗値をRとすると、CLとRとからなる時定数はR・CLとなる。混合器回路がMOSトランジスタで構成される場合、容量性負荷CLの支配要因は、MOSトランジスタのゲート酸化膜が形成するゲートの面積に比例する。なお、ここでは、図4のトランジスタ902のドレインの寄生容量、トランジスタ903のゲートの寄生容量、配線の寄生効果等は無視して数式を簡易化している。
【0009】
キャリア波の周波数をfcとするとき、時定数R・CLが周期1/2・π・fcよりも小さいことが必要であるとすると、抵抗値Rの選択範囲は以下の式(1)を満たす。
【0010】
【数1】

【0011】
次に、出力LOIP、LOIN、LOQP、LOQNの出力振幅が、シングルエンドのピーク・ピーク値でV0必要であるとすると、定電流源900の電流値I0は、上記式(1)を考慮すると、以下の式(2)を満たす。
【0012】
【数2】

【0013】
上記式(1)および式(2)より、2分周器での消費電流は、混合器内のトランジスタの容量性負荷CLに比例して増大することがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第4047274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、従来の送信器をCMOS(Complemetary Metal Oxide Semicondunctor)回路で実現した場合、混合器自体の平均的な電力消費を抑えることは可能であるが、混合器を駆動するためのキャリア波信号である高周波信号を生成する周波数分周器の電力消費は、送信出力電力とは無関係であり、その平均電力は高いままであるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、所望の送信出力電力に応じて、混合器と周波数分周器の双方の低消費電力化を行うことで、従来の送信器よりも平均的な消費電力が小さい送信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、並列に配置されたK個(Kは2以上の自然数)の混合器セルからなり、前記K個の混合器セルにベースバンド信号がそれぞれ入力される混合器と、前記K個の混合器セルにキャリア波信号を出力し、N個(NはK≧Nの自然数)の周波数分周器セルからなる周波数分周器と、前記混合器と前記周波数分周器の動作状態を設定するための制御信号を出力する制御回路と、を含み、前記制御回路は、互いに接続された前記混合器セルと前記周波数分周器セルとを独立して動作状態を設定することを特徴とする送信器である。
【0017】
この構成によれば、所望の送信出力電力に応じて、混合器と周波数分周器の双方の低消費電力化が可能である。
また、本発明の他の態様は、前記周波数分周器セルの個数Nと前記混合器セルの個数Kとが同一である場合には、前記K個の混合器セルと前記N個の周波数分周器セルは、1対1で接続されることを特徴とする送信器である。
また、本発明の他の態様は、前記周波数分周器セルの個数Nが前記混合器セルの個数Kよりも小さい場合には、前記K個の混合器セルと前記N個の周波数分周器セルは、1対1もしくは1対複数で接続されることを特徴とする送信器である。
【0018】
また、本発明の他の態様は、同相(I)ベースバンド信号が入力される前記混合器を有する第1混合器と、直交(Q)ベースバンド信号が入力される前記混合器を有する第2混合器と、前記第1混合器に入力される第1キャリア波信号と、前記第2混合器に入力され前記第1高周波信号と位相が90度異なる第2キャリア波信号と、を生成する前記周波数分周器を有するIQ周波数分周器と、前記第1混合器の出力信号と、前記第2混合器の出力信号と、を加算する加算部と、を含むことを特徴とする送信器である。
この構成によれば、所望の送信出力電力に応じて、混合器と周波数分周器の双方の低消費電力化が可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、送信出力電力を最大から下げる際に、混合器を構成する混合器セルと対となる周波数分周器セルを、混合器とともに非動作とすることで、所望の送信出力電力に応じて、周波数分周器での電力消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る混合器の回路図の一例である。
【図2】本発明の一実施形態に係る周波数分周器の回路図の一例である。
【図3】本発明の一実施形態に係るIQ直交変調型送信器の構成の一例を示す図である。
【図4】2分周器をCML回路で実現した場合の具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示す。
(第1の実施形態)
[回路構成]
図1は、本実施形態に係る混合器の回路図の一例である。本実施形態に係る混合器は、K+1(Kは2以上の自然数)個の混合器セル1600〜160Kを備えている。
混合器セル1600は、ベースバンド入力1100、1101のそれぞれを電圧から電流に変換するためのNMOS1010と、抵抗1000と、カスコードトランジスタ1020と、高周波差動入力1200、1300に応じて周波数変換を行うトランジスタ1030と、カスコードトランジスタ1020のゲート電圧を動作/非動作制御信号1500に応じてバイアス電圧Vbもしくはグランドに設定するためのトランジスタ1040と、反転論理素子1050とから構成される。
【0022】
動作/非動作制御信号1500は、図1の混合器の動作状態を設定するための制御信号であり、後述するように、外部の制御回路から混合器に入力される。動作/非動作制御信号1500が論理的にハイの場合、カスコードトランジスタ1020のゲートにはバイアス電圧Vbが入力され、混合器セル1600は適切にバイアスされた状態(動作状態)となる。一方、動作/非動作制御信号1500が論理的にローの場合、カスコードトランジスタ1020のゲートにはグランド電圧が入力され、抵抗1000とトランジスタ1010との接続点における電圧がグランド電圧に等しくなる。これにより、混合器セル1600に流れる電流がゼロとなり、その動作を停止(非動作)する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る周波数分周器の構成例を示す図である。図2の周波数分周器50は、図1の混合器を駆動するための高周波信号を生成する。
図2に示される周波数分周器50は、図4と同様に、N型MOSトランジスタ101、102、103と、負荷抵抗104と、定電流源100とを有する周波数分周器の構成に、図1と同様の、カスコードトランジスタ1020と、カスコードトランジスタ1020のゲート電圧を動作/非動作制御信号1500に応じてバイアス電圧Vbもしくはグランドに設定するためのトランジスタ1040と、反転論理素子1050とが付加されたものである。
【0024】
また、図2の周波数分周器50の差動出力LOIP、LOINは、図1の高周波差動入力1200、1300へと接続される。同様に、差動出力LOQP、LOQNも、図1の高周波差動入力1200、1300へと接続される。つまり、混合器セル1600と接続される周波数分周器50も、動作/非動作制御信号1500に応じて、その電源とグランド間に流れる電流をゼロとし、その動作を停止させる。具体的には、動作/非動作制御信号1500が論理的にハイの場合、定電流源100は所定の電流を流し、動作/非動作制御信号1500が論理的にローの場合、定電流源100の電流をゼロとすることで、動作もしくは非動作の設定が実現される。
【0025】
また、図1の混合器における混合器セル1601〜160Kは、混合器セル1600と同一の構造を有する。すなわち、混合器セル1601〜160Kは、抵抗1001〜100K、トランジスタ1011〜101K、1021〜102K、1031〜103K、1041〜104K、および反転論理素子1050から構成される。また、各々の混合器セル1600〜160Kに入力される動作/非動作制御信号1500〜150Kは、制御回路(図示しない)により独立に制御される。また、高周波差動入力1201〜120Kと、1301〜130Kは、N個の周波数分周器セルと1対1もしくは複数対1で接続される。ここでK≧Nである。また、N個の周波数分周器セルは、例えば図2の周波数分周器50をN個設置することで実現される。
【0026】
制御回路によりK個の混合器セルの内の一部を非動作状態に設定することで、ベースバンド信号の振幅を変化させることなく、所望の送信出力電力を実現することが出来る。所望の送信出力電力を実現するためにベースバンド信号の振幅を変化させる方法では、混合器に流れる電流を減らすことはできないが、本実施形態のように、ベースバンド信号の振幅を変化させずに送信出力電力を調整する方法であれば、少ない電流消費で送信出力電力の調整を行うことができる。
さらに、非動作に設定された混合器セルへ接続された周波数分周器セルを、非動作となるように制御することで、周波数分周器セルで不要に消費される電流を削減することができる。よって、電源電圧と消費電流の積で求められる消費電力も低減できる。
【0027】
[周波数分周器における電力消費]
次に、本実施形態の周波数分周器50における電力消費に関して説明する。ここでは説明の簡単のため、周波数分周器セルの個数Nは、混合器セルの個数Kと同一とした。図2の周波数分周器50から高周波信号が入力される図1のトランジスタ1030〜103Kは、特許文献1に記載の局所発振器入力部からの局所発振器信号を入力とする4つのトランジスタに相当する。
【0028】
本実施形態に係る図1の混合器と、特許文献1に記載の混合器とにおいて、同じ電流を出力する場合、特許文献1においてカレントミラーを介して各混合器セルからの電流の総和が入力される4つのトランジスタのゲート面積の総和をS0とすると、図1の1030〜130Kのゲート面積の総和はS0となる。
なお、ここでは、全てのMOSトランジスタは、同じ種類かつ、ゲート長を全て同一としており、また、高周波信号の周波数も同一であるとした。また、特許文献1では、カレントミラーと、これに接続される4つのトランジスタとがグランドから2段で構成されている一方、本実施形態に係る図1の混合器では抵抗1000と、トランジスタ1010、1020、1030から多段接続で構成されている。しかし、簡単のため、消費電力に関してはこの点は考慮していない。
【0029】
ここで、混合器セル1600〜160Kが同一であるとすると、トランジスタ1030の面積はS0/Kで示される。これは、特許文献1の4つのトランジスタのゲートの容量性負荷の値CLに対し、本実施形態に係る図1のトランジスタ1030の容量性負荷の値がCL/Kとなることを示す。このとき、図1の混合器セル1600と1対1の関係で図2の2分周器が接続されるとすると、その定電流源100の電流値I0xは、以下の式(3)で示される。
【0030】
【数3】

【0031】
ここで、2分周器出力の高周波信号出力振幅はシングルエンドのピーク・ピーク値でV0必要であるとし、送信キャリア波の周波数をfcとした。また、特許文献1の混合器を駆動する2分周器の定電流源の電流値I0と、電流値I0xとの間には、I0=K・I0xの関係が成り立っている。
【0032】
本実施形態では、混合器セルの動作/非動作に合わせて2分周器も動作/非動作となる。そのため、K個の混合器セルとK個の周波数分周器セルとが動作する際の送信出力電力が最大の場合、本実施形態では、2分周器の定電流源100の電流値は特許文献1の場合と同一である。一方、送信出力電力が非常に小さく、図1のK個の混合器セルのうちの1つのみが動作し、K個の周波数分周器セルのうちの1つのみが動作するような状況では、定電流源100の電流値はI0xとなる。特許文献1と比較して、1/Kの消費電流となり、すなわち、1/Kの消費電力となる。
【0033】
上記説明したように、本実施形態においては、所望の送信出力電力に応じて、混合器と周波数分周器の低消費電力化が可能である。
図1に記載の混合器の代わりに、高周波入力用のトランジスタとベースバンド入力用トランジスタを混合器セルごとに設置し、さらに混合器セルを独立に動作/非動作制御可能な他の混合器を使用してもよい。この場合も同様に、送信器の平均的な消費電力を低減することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態に係るIQ直交変調型送信器の構成例を示す図である。図3に示されるIQ直交変調型送信器は、ベースバンド部20と、IQ直交変調器30と、バンドパスフィルター9と、パワーアンプ10(PA)と、アンテナ11と、電力検出器12と、インターフェース回路14とから構成される。また、ベースバンド部20は、デジタル信号処理部1と、デジタル/アナログ変換器3(DA変換器)と、ローパスフィルター4と、アナログ/デジタル変換器13(AD変換器)とから構成される。
【0035】
IQ直交変調器30は、電圧制御発振回路7(VCO)と、周波数分周器50と、2つの混合器5,5’と、加算ノード8から構成される。図3の混合器5、5’は、それぞれ、第1の実施形態に係る混合器(図1)であり、周波数分周器50は、第1の実施形態で例示した周波数分周器50(図2)である。
周波数分周器50の差動出力LOIP、LOINは、混合器5の高周波差動入力1200、1300へと接続される。同様に、周波数分周器50の差動出力LOQP、LOQNは、混合器5’の高周波差動入力1200、1300へと接続される。
【0036】
また、混合器5、5’と周波数分周器50に入力される動作/非動作制御信号は、制御回路5000により生成される。制御回路5000は、インターフェース回路14からの送信電力設定を受けて、分周器50内部の分周器セルと、混合器5、5’の混合器セル1600〜160Kの動作もしくは非動作を制御する。具体的には、制御回路5000は、あらかじめ設定された制御テーブルに従い、インターフェース回路14からの送信電力設定に応じて、動作もしくは非動作の制御信号1500〜150Kを混合器5、5’および分周器50に送信する。
【0037】
第1の実施形態で説明したように、本実施形態においても、所望の送信出力電力に応じて、混合器と周波数分周器の双方の低消費電力化が可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0038】
1 デジタル信号処理部
3 デジタル/アナログ変換器(DA変換器)
4 ローパスフィルター
5、5’ 混合器
7 電圧制御発振回路(VCO)
8 加算ノード
9 バンドパスフィルター
10 パワーアンプ
11 アンテナ
12 電力検出器
13 アナログ/デジタル変換器(AD変換器)
14 インターフェース回路
20 ベースバンド部
30 IQ直交変調器
50 周波数分周器
100 定電流源
101、102、103 トランジスタ
104 負荷抵抗
1000〜100K 抵抗
1010〜101K トランジスタ
1020〜102K カスコードトランジスタ
1030〜103K トランジスタ
1040〜104K トランジスタ
1050 反転論理素子
1100、1101 ベースバンド入力
1200〜120K 高周波差動入力
1500〜150K 動作/非動作制御信号
1600〜160K 混合器セル
5000 制御回路
900 定電流源
901、902、903 トランジスタ
904 負荷抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置されたK個(Kは2以上の自然数)の混合器セルからなり、前記K個の混合器セルにベースバンド信号がそれぞれ入力される混合器と、
前記K個の混合器セルにキャリア波信号を出力し、N個(NはK≧Nの自然数)の周波数分周器セルからなる周波数分周器と、
前記混合器と前記周波数分周器の動作状態を設定するための制御信号を出力する制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、互いに接続された前記混合器セルと前記周波数分周器セルとを独立して動作状態を設定することを特徴とする送信器。
【請求項2】
前記周波数分周器セルの個数Nと前記混合器セルの個数Kとが同一である場合には、前記K個の混合器セルと前記N個の周波数分周器セルは、1対1で接続されることを特徴とする請求項1に記載の送信器。
【請求項3】
前記周波数分周器セルの個数Nが前記混合器セルの個数Kよりも小さい場合には、前記K個の混合器セルと前記N個の周波数分周器セルは、1対1もしくは1対複数で接続されることを特徴とする請求項1に記載の送信器。
【請求項4】
同相(I)ベースバンド信号が入力される前記混合器を有する第1混合器と、
直交(Q)ベースバンド信号が入力される前記混合器を有する第2混合器と、
前記第1混合器に入力される第1キャリア波信号と、前記第2混合器に入力され前記第1キャリア波信号と位相が90度異なる第2キャリア波信号と、を生成する前記周波数分周器を有するIQ周波数分周器と、
前記第1混合器の出力信号と、前記第2混合器の出力信号と、を加算する加算部と、
を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の送信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−26834(P2013−26834A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159948(P2011−159948)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】