送信装置、送信方法およびプログラム
【課題】 受信装置とは異なる装置がCTS信号を送信する場合、CTS信号を送信する装置の位置によっては、隣接するBBSに属する装置までCTS信号が到達しない場合がある。この場合、隣接するBSSに属する装置はCTS信号を受信することができず、やはり受信装置において干渉が生じてしまう。
【解決手段】 本発明の送信装置は、受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信装置であって、前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出し、データの送信を抑制するための信号を、検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示し、前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する。
【解決手段】 本発明の送信装置は、受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信装置であって、前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出し、データの送信を抑制するための信号を、検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示し、前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを送信する送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11nに準拠した無線LAN(Local Area Network)が広く利用されている。また、802.11nよりも更に高速な通信を目指したIEEE802.11acも策定中である。これらのIEEE802.11シリーズでは、他の装置にデータ信号の送信を所定の期間、抑制させるためのCTS(Clear to Send)信号が規定されている。データの受信装置は、データ信号を受信する前にCTS信号を送信することで、受信装置における干渉を低減することができる。
【0003】
また、IEEE802.11nやacでは高速化のために、従来と比べ倍のチャネル帯域幅を利用した40MHzモードをサポートしている。40MHzモードでは、データ信号は40MHzのチャネル帯域幅を用いて通信される。しかしながら、40MHzモードであっても、ビーコンや上述したCTS信号などの制御信号は、基本チャネルと呼ばれる20MHzのチャネル帯域幅を用いて通信される。
【0004】
このような40MHzモードで通信する無線ネットワーク(Basic Service Set。以後、BSS)が隣接していると、受信装置がCTS信号を送信しても、受信装置において干渉が生じる場合がある。即ち、受信装置がCTS信号を送信するチャネルが、隣接するBSSの基本チャネルと異なる場合には、隣接するBSSに属する装置はCTS信号を受信することができず、データ信号を送信する可能性がある。ここで、このデータ信号は40MHz帯域幅で送信されるため、隣接するBBSに属する装置が送信するデータ信号のチャネルと、受信装置がデータ信号を受信するチャネルとが重複し、干渉が生じる場合がある。
【0005】
これを解決するために、受信装置がチャネルを切り替えてCTS信号を送信する方法が考えられるが、チャネルの切り替えに多くの時間を要してしまい効率的ではない。そこで、非特許文献1では、受信装置とは異なる装置が、隣接するBSSの基本チャネルにCTS信号を送信する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Jarkko Kneckt (Nokia) , “Reserving STA” , 18 Jan 2011、https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/11/11−11−0127−01−00ac−reserving−sta.ppt
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、受信装置とは異なる装置がCTS信号を送信する場合、CTS信号を送信する装置の位置によっては、隣接するBBSに属する装置までCTS信号が到達しない場合がある。この場合、隣接するBSSに属する装置はCTS信号を受信することができず、やはり受信装置において干渉が生じてしまう。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のネットワークの共通領域に存在する装置に、他の装置のデータ送信を抑制させる信号を送信させることで、受信装置における干渉を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の送信装置は、受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信装置であって、前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出し、データの送信を抑制するための信号を、検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示し、前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する。
【発明の効果】
【0009】
複数のネットワークの共通領域に存在する装置が、他の装置のデータ送信を抑制させる信号を送信するので、受信装置における干渉を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1、2におけるシステム構成図
【図2】実施形態1、2、3におけるAPの機能ブロック図
【図3】実施形態1、2、3におけるSTAの機能ブロック図
【図4】実施形態1、2、3におけるSTAのOBSS Scanのシーケンス図
【図5】実施形態1、2におけるOBSSレポートのフレーム構成図
【図6】実施形態1、2におけるOBSS通知STA管理データベースを示す図
【図7】実施形態1におけるAPが実現するフローチャート
【図8】実施形態1におけるシーケンスチャート
【図9】実施形態2におけるAPが実現するフローチャート
【図10】実施形態3におけるシステム構成図
【図11】実施形態3におけるOBSSレポートのフレーム構成図
【図12】実施形態3におけるOBSS通知STA管理データベースを示す図
【図13】実施形態3におけるAPが実現するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
図1に、IEEE802.11n規格に準拠した無線LANシステムの構成を示す。本実施形態では、AP101がBSS108に属する通信装置であるSTA(ステーション)103に対してデータを送信する際に、BSS109に属するAP106からの干渉を防ぐ例について述べる。
【0012】
AP101が構築するBSS108では、36ch(周波数チャネル)を基本チャネル、40chを非基本チャネルとして利用する。また、AP106が構築するBSS109では、基本チャネルを48ch、非基本チャネルを36ch、40ch、44chとして利用する。ここで、基本チャネルとは、制御信号(ビーコンやCTS信号)の送信のために利用されるチャネルである。また、非基本チャネルとは、各装置がデータ信号を送信するために、基本チャネルと共に利用されるチャネルである。
【0013】
図2(a)にAP101のハードウェア構成を示す。制御部201はCPU、MPUから構成され、記憶部202に記憶されたプログラムを実行することによりAP101全体を制御する。記憶部202はROM、RAMにより構成され、制御部201が実行するプログラムや、通信パラメータ等の各種情報を記憶する。後述するAP101の各種動作は、記憶部202に記憶されたプログラムを制御部201が実行することにより行われる。なお、記憶部202には、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。RF部203は、他の無線通信装置(STA)との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナや回路から構成される。
【0014】
次に、図2(b)にAP101のソフトウェア機能ブロックを示す。本実施形態のソフトウェア機能ブロックは、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出すことで実現される。しかしこれに限らず、ソフトウェア機能ブロックの一部または全部をハードウェアで構成してもよい。また、複数のソフトウェア機能ブロックを纏めて1つのソフトウェア機能ブロックとして実現してもよいし、1つのソフトウェア機能ブロックを複数のソフトウェア機能ブロックとして実現するようにしてもよい。また、これらのソフトウェア機能ブロックは、制御部201、記憶部202のみならず、場合に応じてRF部203とも共働して機能を実現する。
【0015】
251は、AP101がデータ信号を送信する際に、Self−CTS信号の送信を要求するSTAを特定するSTA特定部である。ここで、Self−CTS信号とは、宛先を当該信号を送信したSTA自身に設定して送信するCTS信号のことである。
【0016】
252は、STA特定部251が特定したSTAがSelf−CTS信号を送信する際に利用する周波数チャネルを特定するチャネル特定部である。253は、IEEE802.11シリーズに準拠したPower Save中(省電力モード)であるSTAを起床させるSTA起床部である。254は、STA特定部251が特定したSTAに対して、Self−CTS信号を送信するように要求する要求部である。255は、データ信号を送信するデータ送信部である。
【0017】
256は、IEEE802.11シリーズに準拠したOBSS Scanに関する処理を行うOBSS部である。ここで、OBSS(Overlapping Basic Service Set)Scanとは、STAの周囲に存在する他の無線ネットワーク(ここでは、AP106が構築するBSS109)を探索するための処理である。257は、AP101とSTAが接続するための処理を行う接続部である。
【0018】
図3にSTA102のハードウェア構成を示す。なお、STA103、104、105も同様のハードウェア構成を有する。制御部301はCPU、MPUから構成され、記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによりSTA102全体を制御する。記憶部302はROM、RAMにより構成され、制御部301が実行するプログラムや、通信パラメータ等の各種情報を記憶する。後述するSTA102の各種動作は、記憶部302に記憶されたプログラムを制御部301が実行することにより行われる。なお、記憶部302には、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。RF部303は、他の無線通信装置(APやSTA)との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナや回路から構成される。
【0019】
図4に、STA103がAP101と接続し、OBSS Scanを実行する際の処理を示したシーケンスチャートを示す。なお、STA102、104、105も同様にしてOBSS Scanを実行する。
【0020】
まず、STA103はBSS108に参加するために、AP101に認証要求(Authentication)を送信する(S401)。AP101が認証要求を受信すると、接続部257は、認証を許可して認証応答(Authentication)を送信する(S402)。STA103は認証応答を受信すると、接続要求(Association Request)を送信する(S403)。AP101では接続要求(Association Request)の応答として、接続部257が、接続応答(Association Response)を送信する(S404)。このようにして、STA103はBSS108に参加(AP101と接続)することができる。なお、S404の後でWPAやWPA2に則った認証などを行ってもよい。
【0021】
S404における接続応答(Association Response)には、IEEE802.11n規格に準拠したOBSS Scan Parameter Information Element(探索パラメータ情報要素)が付与されている。この探索パラメータ情報要素にはOBSS Scanを行う周期に関する情報が含まれており、この情報に基づいて、STA103はBSS108に参加後、定期的にOBSS Scanを実行する(S405、S406)。
【0022】
OBSS Scanでは全チャネルのスキャンを実施して周囲のBSS(他の無線ネットワーク)を検索する。そして、周囲のBSSの中からBSS108が利用しているチャネルと同じチャネルを非基本チャネルとして利用しているBSSを発見する。ここでは、BSS108は36chおよび40chを利用しているので、36chおよび40chを非基本チャネルとして利用している他のBSSを検索する。これにより、ここでは、BSS109を構築するAP106が検出される。
【0023】
STA103はOBSS Scanを実行した後、当該Scanの探索結果を、IEEE802.11nに準拠したOBSS Channel Report Management frame(OBSSレポート)を用いてAP101に通知する(S407)。
【0024】
図5に、OBSSレポートのフレーム構成を示す。フレーム構成のうち、Number Of OBSS Channelには、OBSS Scanにより検出された他のBSSの数を記載する。また、OBSS Channel Reportには検出した他のBSSが利用している基本チャネル数を記載する。ここでは、Number of OBSS Channelには1、OBSS Channel ReportにはBSS109の基本チャネルである48が記載される。
【0025】
AP101はSTA103からOBSSレポートの通知を受信すると、OBSS部256は、図6に示すOBSS通知STA管理データベースを更新する(S408)。即ち、STA103から受信したOBSSレポートを解析して、BSS108利用しているチャネルと同じチャネルを非基本チャネルとして利用している他のBSSの基本チャネル及び、これを通知したSTAを記憶する。
【0026】
ここでは、STA103はBSS109の基本チャネルである48chを通知しているので、図6に示すデータベースのうち、STA103、48chに該当する項目にフラグとして1を記載する。一方で、STA103は48ch以外のチャネルを基本チャネルとしている他のBSSを検出していないので、該当する項目には0を記載する。
【0027】
同様にしてSTA102、STA104、STA105もOBSS Scanを実行する。ここでは、STA102は他のBSSを検出できず、STA104、105はBSS109を検出する。このようにして、図6に示すデータベースが構築される。これによると、STA103、104、105は48chを基本チャネルとしている他のBSSを検出しており、STA102は他のBSSを検出していないことがわかる。
【0028】
AP101はSTA103にデータを送信する際に、STA103において他のBSSからの干渉を防止するために、Self−CTS信号を送信するSTAの選択を行う。
【0029】
図7に、Self−CTS信号を送信するSTAの選択する際に、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出して実現するフローチャートを示す。
【0030】
AP101のチャネル特定部252はまず、Self−CTS信号を送信するチャネルを決定する(S701)。ここで、Self−CTS信号送信するチャネルとは、BSS108が利用している36ch、もしくは、40chを非基本チャネルとして利用している他のBSSにおける基本チャネルである。ここでは、図6に示すデータベースにおいて1が記載されているチャネルである、48chがSelf−CTS信号を送信するチャネルであると決定される。
【0031】
次に、STA特定部251は、48chをOBSS Scanの結果として通知したSTAを特定する(S702)。ここでは図6に示すデータベースを参照することで、STA103、STA104、STA105が特定される。次に、STA特定部251は、S702で特定したSTAの中から、データの送信先(ここでは、受信装置であるSTA103)以外のSTAが存在するかを確認する(S703)。ここで、データの送信先以外のSTAが存在しなかった場合は、Self−CTS信号を送信することなく、データ送信部255はSTA103に対してデータを送信する(S708)。 ここでは、データ送信先はSTA103であり、データ送信先以外のSTAとして、STA104、STA105が存在するのでS703からS704に進む。
【0032】
次に、STA特定部251は、S703で確認されたSTAの中に、IEEE802.11シリーズに準拠したPower Save中(省電力モード)であるSTAが存在するかどうかを確認する。ここで、確認されたSTAのうちのいずれかのSTAがPower Save中でなない場合にはS705に進み、いずれのSTAもPower Save中である場合には、S706に進む。なお、S704において通常モードであるSTAを検出するようにしても良い。この場合、通常モードであるSTAが検出された場合にはS705に進み、通常モードであるSTAが検出されなかった場合にはS706に進む。
【0033】
ここでは、STA104がPower Save中であり、STA105がPower Save中ではないものとして、S705以降の説明を行う。なお、STA104、STA105ともにPower Save中でなければ、いずれか任意のSTAを選択して、同様にS705以降の処理を行う。
【0034】
Power Save中でないSTAが存在した場合、要求部254は、Power Save中でないSTA(ここでは、STA105)にSelf−CTS信号の送信要求を行う(S705)。ここで、S701で特定した48chに対してSelf−CTS信号送信するように要求する。 要求部254がSTA105にSelf−CTS信号の送信要求を行った後に、データ送信部255はSTA103に対してデータの送信を行う(S708)。
【0035】
以上の処理をシーケンスチャートで表したものを図8に示す。
【0036】
まずAP101はSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する(S801)。これはS701〜S704の一連の処理に該当する。AP101はSelf−CTS信号を送信するSTAを選択すると、選択したSTA、すなわちSTA105にSelf−CTS信号の送信要求を送信する(S802)。
【0037】
AP101はSelf−CTS信号の送信要求後、STA103にデータを送信する(S803)。一方で、STA105はSelf−CTS信号の送信要求を受信すると、48chにSelf−CTS信号を送信する(S804)。48chに送信されたSelf−CTS信号は48chを基本チャネルとして動作しているAP106及びSTA107で受信される。AP106及びSTA107はSelf−CTS信号を受信すると、Self−CTS信号で指定された所定の期間(NAV期間)は、データの送信を抑制する。
【0038】
次に、STA104、STA105のいずれもがPower Save中である場合について説明する。この場合、STA104、STA105のいずれか任意のSTAをPower Save中から起床させ(S706)、起床させたSTAにSelf−CTS信号の送信要求を行う(S707)。その後、STA103に対してデータを送信する(S708)。このS707とS708の処理は、S704においてPower Save中のSTAが存在した場合のS705とS708と同様である。
【0039】
以上のようにして、AP101がSTA103にデータを送信する前に、BSS108とBSS109の共通エリア(AP101およびAP106)に存在するSTA104または105にSelf−CTS信号の送信させる。これにより、STA103において干渉が生じる可能性を低減することができる。
【0040】
また、Power Save中のSTAがいた場合、可能な限りPower Save中のSTAを起床させないようにするので、Power Save中のSTAの省電力動作を維持させたままで運用することができる。
【0041】
また、上述の実施形態では、S703において送信先以外のSTAが存在しなかった場合には、ネットワーク内のいずれの通信装置もSelf−CTSを送信することなく、APがデータを送信した。しかしこれに限らず、受信装置であるSTAがSelf−CTSを送信するようにしてもよい。これにより、データの受信までにタイムロスが発生するものの、受信装置において干渉する可能性をより低減させることができる。
【0042】
<実施形態2>
実施形態2では、実施形態1とは異なる方法でSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する。なお、実施形態1と同様である点についての説明は省略する。
【0043】
実施形態2において、AP101がSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する際に、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出して実現するフローチャートを図9に示す。
【0044】
まず、AP101がSTA102にデータを送信する場合について説明する。
【0045】
OBSS部256は、まずデータの送信先STA(ここではSTA102)が、OBSS Scanにより他のBSSを検出したか否かを確認する(S901)。ここで、図6に示すデータベースを参照すると、STA102は全てのチャネルにおいて0が記載されているので、STA102は他のBSSを検出していないことがわかる。
【0046】
このように、送信先STAが他のBSSを検出していない場合には、データ送信部255はSelf−CTS信号の送信要求を行うことなく、データの送信を行う(S906)。
【0047】
次に、AP101がSTA103にデータを送信する場合について説明する。
【0048】
OBSS256は同様に、送信先STA、すなわちSTA103がOBSS Scanにより他のBSSを検出したか否かを確認する(S901)。図6に示すデータベースにより、STA103は48chが1となっているので、他のBSSを検出していることがわかる。
【0049】
このように、送信先STAが他のBSSを検出している場合には、チャネル特定部252はSelf−CTS信号を送信するチャネルを特定する(S902)。S902、S903、S904の処理に関しては、実施例1におけるS701、S702、S703と同様であるので説明の詳細は省略する。ここでは、48chをSelf−CTS信号を送信するチャネルとして特定する。また、48chをOBSS Scanの結果として通知したSTAとして、STA103〜105を特定する。
【0050】
S904において、ここではSTA104、STA105が送信先以外のSTAに該当するので、要求部254は、いずれかのSTAにSelf−CTS信号の送信を要求する(S905)。そして、要求部254がSelf−CTS信号の送信要求を行った後に、データ送信部255はSTA103に対してデータを送信する。
【0051】
このように、他のBSSを検出していない、即ち、他のBSSとの間で干渉が生じる恐れの無いSTAに対してデータを送信する場合には、Self−CTS信号の送信を要求することなく、データを送信する。これにより、データ送信時におけるSelf−CTS信号の送信要求、および、Self−CTS信号を送信するオーバーヘッドを削減することができる。
【0052】
また、上述の実施形態では、S904において送信先以外のSTAが存在しなかった場合には、ネットワーク内のいずれの通信装置もSelf−CTSを送信することなく、APがデータを送信した。しかしこれに限らず、受信装置であるSTAがSelf−CTSを送信するようにしてもよい。これにより、データの受信までにタイムロスが発生するものの、受信装置において干渉する可能性をより低減させることができる。
【0053】
<実施形態3>
本実施形態では、実施形態1とは、STAが通知するOBSSレポート、AP101が管理するOBSS通知STA管理データベース、および、AP101におけるSelf−CTS信号を送信するSTAの選択処理が異なる。なお、実施形態1と同様である点の説明は省略する。
【0054】
本実施形態におけるシステム構成を図10に示す。
【0055】
AP1001はIEEE802.11acに準拠した20MHzモードでBSS1007を構成しており、基本チャネルとして36chを使用している。STA1002、STA1003、STA1004はIEEE802.11acに準拠したSTAであり、AP1001が構成するBSS1007に参加している。
【0056】
AP1005はIEEE802.11acに準拠した80MHzモードでBSS1008を構成しており、基本チャネルは48ch、非基本チャネルとして44ch、40ch、36chを使用している。BSSIDは1である。
【0057】
AP1006はIEEE802.11acに準拠した80MHzモードでBSS1009を構成しており、基本チャネルは48ch、非基本チャネルとして44ch、40ch、36chを使用している。BSSIDは2である。
【0058】
AP1001、STA1002、STA1003、STA1004は、互いの通信範囲内に存在するものとする。STA1002、STA1003、AP1006も同様に互いの通信範囲内に存在する。STA1004、AP1005も同様に互いの通信範囲内に存在する。一方で、その以外の装置同士は互いの通信範囲内には存在していない。例えば、AP1001とAP1006、およびSTA1002とAP1005は互いに通信することはできない。
【0059】
本実施形態では、AP1001がSTA1002にデータを送信する場合に、STA1002において他のBSSからの干渉を低減させる。
【0060】
まず、STA1002、STA1003、STA1004がOBSS Scanを実施するが、この際の処理は図4に示すシーケンスチャートと同様である。ただし、S407で送信されるOBSSレポートのフレーム構成が異なる。
【0061】
本実施形態におけるOBSSレポートのフレーム構成を図11に示す。OBSS BSSIDには、BSS1007が動作しているチャネルと同じチャネルを非基本チャネルとして利用している他のBSSのBSSIDが記載される。また、当該他のBSSが基本チャネルとして利用しているチャネルをOBSS Channelに記載する。また、複数の他のBSSを発見した場合には、それぞれのBSSIDに対してOBSS BSSIDおよびOBSS Channelを対にして格納する。
【0062】
図12に、AP1001がSTA1002、STA1003、STA1004からOBSSレポートを受信した後に管理するOBSS通知STA管理データベースを示す。本実施形態のデータベースでは、他のBSSの基本チャネルの他、各STAが通知したBSSIDも格納する。STA1002は、48chを基本チャネルとするAP1006を検出可能であるので、STA1002、48chの項目にはAP1006のBSSIDである2が格納される。
【0063】
同様にしてSTA1003はAP1006が検出可能であるので、AP1006のBSSIDである2が格納されている。STA1004はAP1005が検出可能であるので、STA1004のBSSIDである1が格納されている。
【0064】
図13にAP1001がSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する処理のフローチャートを示す。
【0065】
チャネル特定部252はSelf−CTS信号を送信するチャネルを、データの送信先(即ち、受信装置であるSTA1002)と図12に示すデータベースとに基づいて特定する(S1301)。ここでは、STA1002が通知したチャネル及びBSSIDは図12より、48ch及び2であるので、当該チャネル及びBSSIDをSelf−CTS信号を送信するチャネル情報とする。
【0066】
次に、STA特定部251は、特定したチャネルおよびBSSIDに基づいて、同様のOBSSレポートを通知したSTAを特定する(S1302)。ここでは、チャネル48ch、BSSID2を通知したSTAであるSTA1002、STA1003が特定される。
【0067】
そして、STA特定部251は、S1302において特定されたSTAのうち、送信先(ここではSTA1002)以外のSTAが存在するかを確認する(S1303)。このとき送信先以外のSTAが存在しなかった場合には、Self−CTS信号を送信することなくデータ送信部255はSTA1002に対してデータを送信する(S1305)。ここでは、STA1003が送信先以外のSTAとして存在するのでS1304に進む。
【0068】
そして、S1302において特定されたSTAのうち、送信先以外のSTA(ここでは、STA1003)に対して、要求部254はSelf−CTS信号送信を要求をする(S1304)。このSelf−CTS信号の送信要求では、48chにSelf−CTS信号を送信することを要求する。該要求後、データ送信部255はSTA1002に対してデータを送信する(S1305)。
【0069】
本実施例により、データ送信先のSTAにおいて干渉を生じさせる可能性の高い、他のBSSの通信範囲内に存在する他のSTAに、Self−CTS信号を送信させることができる。例えば、STA1002はAP1001にBSS1009の存在を通知し、一方でBSS1008は検出できていない。そのため、STA1002において干渉を生じさせる可能性の高いBSS1009の通信範囲内に存在する他のSTAにSelf−CTS信号を送信させる。即ち、受信装置において、より干渉が生じる可能性の高い他のネットワークに対してCTS信号を送信できる装置を判別し、当該装置にCTS信号を送信させるので、受信装置における干渉の可能性を低減させることができる。
【0070】
上述の実施形態1〜3では、他の装置にデータの送信を抑制させるための信号として、Self−CTS信号を用いたが、これに限らず、IEEE802.11シリーズで規定されたRTS信号を用いるようにしてもよい。なお、RTSとは、Request to Sendの略である。
【符号の説明】
【0071】
101、106、1001、1005、1006 AP
102、103、104、105、107、1002、1003、1004 STA
108、109 BSS
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを送信する送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11nに準拠した無線LAN(Local Area Network)が広く利用されている。また、802.11nよりも更に高速な通信を目指したIEEE802.11acも策定中である。これらのIEEE802.11シリーズでは、他の装置にデータ信号の送信を所定の期間、抑制させるためのCTS(Clear to Send)信号が規定されている。データの受信装置は、データ信号を受信する前にCTS信号を送信することで、受信装置における干渉を低減することができる。
【0003】
また、IEEE802.11nやacでは高速化のために、従来と比べ倍のチャネル帯域幅を利用した40MHzモードをサポートしている。40MHzモードでは、データ信号は40MHzのチャネル帯域幅を用いて通信される。しかしながら、40MHzモードであっても、ビーコンや上述したCTS信号などの制御信号は、基本チャネルと呼ばれる20MHzのチャネル帯域幅を用いて通信される。
【0004】
このような40MHzモードで通信する無線ネットワーク(Basic Service Set。以後、BSS)が隣接していると、受信装置がCTS信号を送信しても、受信装置において干渉が生じる場合がある。即ち、受信装置がCTS信号を送信するチャネルが、隣接するBSSの基本チャネルと異なる場合には、隣接するBSSに属する装置はCTS信号を受信することができず、データ信号を送信する可能性がある。ここで、このデータ信号は40MHz帯域幅で送信されるため、隣接するBBSに属する装置が送信するデータ信号のチャネルと、受信装置がデータ信号を受信するチャネルとが重複し、干渉が生じる場合がある。
【0005】
これを解決するために、受信装置がチャネルを切り替えてCTS信号を送信する方法が考えられるが、チャネルの切り替えに多くの時間を要してしまい効率的ではない。そこで、非特許文献1では、受信装置とは異なる装置が、隣接するBSSの基本チャネルにCTS信号を送信する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Jarkko Kneckt (Nokia) , “Reserving STA” , 18 Jan 2011、https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/11/11−11−0127−01−00ac−reserving−sta.ppt
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、受信装置とは異なる装置がCTS信号を送信する場合、CTS信号を送信する装置の位置によっては、隣接するBBSに属する装置までCTS信号が到達しない場合がある。この場合、隣接するBSSに属する装置はCTS信号を受信することができず、やはり受信装置において干渉が生じてしまう。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のネットワークの共通領域に存在する装置に、他の装置のデータ送信を抑制させる信号を送信させることで、受信装置における干渉を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の送信装置は、受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信装置であって、前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出し、データの送信を抑制するための信号を、検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示し、前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する。
【発明の効果】
【0009】
複数のネットワークの共通領域に存在する装置が、他の装置のデータ送信を抑制させる信号を送信するので、受信装置における干渉を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1、2におけるシステム構成図
【図2】実施形態1、2、3におけるAPの機能ブロック図
【図3】実施形態1、2、3におけるSTAの機能ブロック図
【図4】実施形態1、2、3におけるSTAのOBSS Scanのシーケンス図
【図5】実施形態1、2におけるOBSSレポートのフレーム構成図
【図6】実施形態1、2におけるOBSS通知STA管理データベースを示す図
【図7】実施形態1におけるAPが実現するフローチャート
【図8】実施形態1におけるシーケンスチャート
【図9】実施形態2におけるAPが実現するフローチャート
【図10】実施形態3におけるシステム構成図
【図11】実施形態3におけるOBSSレポートのフレーム構成図
【図12】実施形態3におけるOBSS通知STA管理データベースを示す図
【図13】実施形態3におけるAPが実現するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
図1に、IEEE802.11n規格に準拠した無線LANシステムの構成を示す。本実施形態では、AP101がBSS108に属する通信装置であるSTA(ステーション)103に対してデータを送信する際に、BSS109に属するAP106からの干渉を防ぐ例について述べる。
【0012】
AP101が構築するBSS108では、36ch(周波数チャネル)を基本チャネル、40chを非基本チャネルとして利用する。また、AP106が構築するBSS109では、基本チャネルを48ch、非基本チャネルを36ch、40ch、44chとして利用する。ここで、基本チャネルとは、制御信号(ビーコンやCTS信号)の送信のために利用されるチャネルである。また、非基本チャネルとは、各装置がデータ信号を送信するために、基本チャネルと共に利用されるチャネルである。
【0013】
図2(a)にAP101のハードウェア構成を示す。制御部201はCPU、MPUから構成され、記憶部202に記憶されたプログラムを実行することによりAP101全体を制御する。記憶部202はROM、RAMにより構成され、制御部201が実行するプログラムや、通信パラメータ等の各種情報を記憶する。後述するAP101の各種動作は、記憶部202に記憶されたプログラムを制御部201が実行することにより行われる。なお、記憶部202には、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。RF部203は、他の無線通信装置(STA)との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナや回路から構成される。
【0014】
次に、図2(b)にAP101のソフトウェア機能ブロックを示す。本実施形態のソフトウェア機能ブロックは、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出すことで実現される。しかしこれに限らず、ソフトウェア機能ブロックの一部または全部をハードウェアで構成してもよい。また、複数のソフトウェア機能ブロックを纏めて1つのソフトウェア機能ブロックとして実現してもよいし、1つのソフトウェア機能ブロックを複数のソフトウェア機能ブロックとして実現するようにしてもよい。また、これらのソフトウェア機能ブロックは、制御部201、記憶部202のみならず、場合に応じてRF部203とも共働して機能を実現する。
【0015】
251は、AP101がデータ信号を送信する際に、Self−CTS信号の送信を要求するSTAを特定するSTA特定部である。ここで、Self−CTS信号とは、宛先を当該信号を送信したSTA自身に設定して送信するCTS信号のことである。
【0016】
252は、STA特定部251が特定したSTAがSelf−CTS信号を送信する際に利用する周波数チャネルを特定するチャネル特定部である。253は、IEEE802.11シリーズに準拠したPower Save中(省電力モード)であるSTAを起床させるSTA起床部である。254は、STA特定部251が特定したSTAに対して、Self−CTS信号を送信するように要求する要求部である。255は、データ信号を送信するデータ送信部である。
【0017】
256は、IEEE802.11シリーズに準拠したOBSS Scanに関する処理を行うOBSS部である。ここで、OBSS(Overlapping Basic Service Set)Scanとは、STAの周囲に存在する他の無線ネットワーク(ここでは、AP106が構築するBSS109)を探索するための処理である。257は、AP101とSTAが接続するための処理を行う接続部である。
【0018】
図3にSTA102のハードウェア構成を示す。なお、STA103、104、105も同様のハードウェア構成を有する。制御部301はCPU、MPUから構成され、記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによりSTA102全体を制御する。記憶部302はROM、RAMにより構成され、制御部301が実行するプログラムや、通信パラメータ等の各種情報を記憶する。後述するSTA102の各種動作は、記憶部302に記憶されたプログラムを制御部301が実行することにより行われる。なお、記憶部302には、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。RF部303は、他の無線通信装置(APやSTA)との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナや回路から構成される。
【0019】
図4に、STA103がAP101と接続し、OBSS Scanを実行する際の処理を示したシーケンスチャートを示す。なお、STA102、104、105も同様にしてOBSS Scanを実行する。
【0020】
まず、STA103はBSS108に参加するために、AP101に認証要求(Authentication)を送信する(S401)。AP101が認証要求を受信すると、接続部257は、認証を許可して認証応答(Authentication)を送信する(S402)。STA103は認証応答を受信すると、接続要求(Association Request)を送信する(S403)。AP101では接続要求(Association Request)の応答として、接続部257が、接続応答(Association Response)を送信する(S404)。このようにして、STA103はBSS108に参加(AP101と接続)することができる。なお、S404の後でWPAやWPA2に則った認証などを行ってもよい。
【0021】
S404における接続応答(Association Response)には、IEEE802.11n規格に準拠したOBSS Scan Parameter Information Element(探索パラメータ情報要素)が付与されている。この探索パラメータ情報要素にはOBSS Scanを行う周期に関する情報が含まれており、この情報に基づいて、STA103はBSS108に参加後、定期的にOBSS Scanを実行する(S405、S406)。
【0022】
OBSS Scanでは全チャネルのスキャンを実施して周囲のBSS(他の無線ネットワーク)を検索する。そして、周囲のBSSの中からBSS108が利用しているチャネルと同じチャネルを非基本チャネルとして利用しているBSSを発見する。ここでは、BSS108は36chおよび40chを利用しているので、36chおよび40chを非基本チャネルとして利用している他のBSSを検索する。これにより、ここでは、BSS109を構築するAP106が検出される。
【0023】
STA103はOBSS Scanを実行した後、当該Scanの探索結果を、IEEE802.11nに準拠したOBSS Channel Report Management frame(OBSSレポート)を用いてAP101に通知する(S407)。
【0024】
図5に、OBSSレポートのフレーム構成を示す。フレーム構成のうち、Number Of OBSS Channelには、OBSS Scanにより検出された他のBSSの数を記載する。また、OBSS Channel Reportには検出した他のBSSが利用している基本チャネル数を記載する。ここでは、Number of OBSS Channelには1、OBSS Channel ReportにはBSS109の基本チャネルである48が記載される。
【0025】
AP101はSTA103からOBSSレポートの通知を受信すると、OBSS部256は、図6に示すOBSS通知STA管理データベースを更新する(S408)。即ち、STA103から受信したOBSSレポートを解析して、BSS108利用しているチャネルと同じチャネルを非基本チャネルとして利用している他のBSSの基本チャネル及び、これを通知したSTAを記憶する。
【0026】
ここでは、STA103はBSS109の基本チャネルである48chを通知しているので、図6に示すデータベースのうち、STA103、48chに該当する項目にフラグとして1を記載する。一方で、STA103は48ch以外のチャネルを基本チャネルとしている他のBSSを検出していないので、該当する項目には0を記載する。
【0027】
同様にしてSTA102、STA104、STA105もOBSS Scanを実行する。ここでは、STA102は他のBSSを検出できず、STA104、105はBSS109を検出する。このようにして、図6に示すデータベースが構築される。これによると、STA103、104、105は48chを基本チャネルとしている他のBSSを検出しており、STA102は他のBSSを検出していないことがわかる。
【0028】
AP101はSTA103にデータを送信する際に、STA103において他のBSSからの干渉を防止するために、Self−CTS信号を送信するSTAの選択を行う。
【0029】
図7に、Self−CTS信号を送信するSTAの選択する際に、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出して実現するフローチャートを示す。
【0030】
AP101のチャネル特定部252はまず、Self−CTS信号を送信するチャネルを決定する(S701)。ここで、Self−CTS信号送信するチャネルとは、BSS108が利用している36ch、もしくは、40chを非基本チャネルとして利用している他のBSSにおける基本チャネルである。ここでは、図6に示すデータベースにおいて1が記載されているチャネルである、48chがSelf−CTS信号を送信するチャネルであると決定される。
【0031】
次に、STA特定部251は、48chをOBSS Scanの結果として通知したSTAを特定する(S702)。ここでは図6に示すデータベースを参照することで、STA103、STA104、STA105が特定される。次に、STA特定部251は、S702で特定したSTAの中から、データの送信先(ここでは、受信装置であるSTA103)以外のSTAが存在するかを確認する(S703)。ここで、データの送信先以外のSTAが存在しなかった場合は、Self−CTS信号を送信することなく、データ送信部255はSTA103に対してデータを送信する(S708)。 ここでは、データ送信先はSTA103であり、データ送信先以外のSTAとして、STA104、STA105が存在するのでS703からS704に進む。
【0032】
次に、STA特定部251は、S703で確認されたSTAの中に、IEEE802.11シリーズに準拠したPower Save中(省電力モード)であるSTAが存在するかどうかを確認する。ここで、確認されたSTAのうちのいずれかのSTAがPower Save中でなない場合にはS705に進み、いずれのSTAもPower Save中である場合には、S706に進む。なお、S704において通常モードであるSTAを検出するようにしても良い。この場合、通常モードであるSTAが検出された場合にはS705に進み、通常モードであるSTAが検出されなかった場合にはS706に進む。
【0033】
ここでは、STA104がPower Save中であり、STA105がPower Save中ではないものとして、S705以降の説明を行う。なお、STA104、STA105ともにPower Save中でなければ、いずれか任意のSTAを選択して、同様にS705以降の処理を行う。
【0034】
Power Save中でないSTAが存在した場合、要求部254は、Power Save中でないSTA(ここでは、STA105)にSelf−CTS信号の送信要求を行う(S705)。ここで、S701で特定した48chに対してSelf−CTS信号送信するように要求する。 要求部254がSTA105にSelf−CTS信号の送信要求を行った後に、データ送信部255はSTA103に対してデータの送信を行う(S708)。
【0035】
以上の処理をシーケンスチャートで表したものを図8に示す。
【0036】
まずAP101はSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する(S801)。これはS701〜S704の一連の処理に該当する。AP101はSelf−CTS信号を送信するSTAを選択すると、選択したSTA、すなわちSTA105にSelf−CTS信号の送信要求を送信する(S802)。
【0037】
AP101はSelf−CTS信号の送信要求後、STA103にデータを送信する(S803)。一方で、STA105はSelf−CTS信号の送信要求を受信すると、48chにSelf−CTS信号を送信する(S804)。48chに送信されたSelf−CTS信号は48chを基本チャネルとして動作しているAP106及びSTA107で受信される。AP106及びSTA107はSelf−CTS信号を受信すると、Self−CTS信号で指定された所定の期間(NAV期間)は、データの送信を抑制する。
【0038】
次に、STA104、STA105のいずれもがPower Save中である場合について説明する。この場合、STA104、STA105のいずれか任意のSTAをPower Save中から起床させ(S706)、起床させたSTAにSelf−CTS信号の送信要求を行う(S707)。その後、STA103に対してデータを送信する(S708)。このS707とS708の処理は、S704においてPower Save中のSTAが存在した場合のS705とS708と同様である。
【0039】
以上のようにして、AP101がSTA103にデータを送信する前に、BSS108とBSS109の共通エリア(AP101およびAP106)に存在するSTA104または105にSelf−CTS信号の送信させる。これにより、STA103において干渉が生じる可能性を低減することができる。
【0040】
また、Power Save中のSTAがいた場合、可能な限りPower Save中のSTAを起床させないようにするので、Power Save中のSTAの省電力動作を維持させたままで運用することができる。
【0041】
また、上述の実施形態では、S703において送信先以外のSTAが存在しなかった場合には、ネットワーク内のいずれの通信装置もSelf−CTSを送信することなく、APがデータを送信した。しかしこれに限らず、受信装置であるSTAがSelf−CTSを送信するようにしてもよい。これにより、データの受信までにタイムロスが発生するものの、受信装置において干渉する可能性をより低減させることができる。
【0042】
<実施形態2>
実施形態2では、実施形態1とは異なる方法でSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する。なお、実施形態1と同様である点についての説明は省略する。
【0043】
実施形態2において、AP101がSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する際に、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出して実現するフローチャートを図9に示す。
【0044】
まず、AP101がSTA102にデータを送信する場合について説明する。
【0045】
OBSS部256は、まずデータの送信先STA(ここではSTA102)が、OBSS Scanにより他のBSSを検出したか否かを確認する(S901)。ここで、図6に示すデータベースを参照すると、STA102は全てのチャネルにおいて0が記載されているので、STA102は他のBSSを検出していないことがわかる。
【0046】
このように、送信先STAが他のBSSを検出していない場合には、データ送信部255はSelf−CTS信号の送信要求を行うことなく、データの送信を行う(S906)。
【0047】
次に、AP101がSTA103にデータを送信する場合について説明する。
【0048】
OBSS256は同様に、送信先STA、すなわちSTA103がOBSS Scanにより他のBSSを検出したか否かを確認する(S901)。図6に示すデータベースにより、STA103は48chが1となっているので、他のBSSを検出していることがわかる。
【0049】
このように、送信先STAが他のBSSを検出している場合には、チャネル特定部252はSelf−CTS信号を送信するチャネルを特定する(S902)。S902、S903、S904の処理に関しては、実施例1におけるS701、S702、S703と同様であるので説明の詳細は省略する。ここでは、48chをSelf−CTS信号を送信するチャネルとして特定する。また、48chをOBSS Scanの結果として通知したSTAとして、STA103〜105を特定する。
【0050】
S904において、ここではSTA104、STA105が送信先以外のSTAに該当するので、要求部254は、いずれかのSTAにSelf−CTS信号の送信を要求する(S905)。そして、要求部254がSelf−CTS信号の送信要求を行った後に、データ送信部255はSTA103に対してデータを送信する。
【0051】
このように、他のBSSを検出していない、即ち、他のBSSとの間で干渉が生じる恐れの無いSTAに対してデータを送信する場合には、Self−CTS信号の送信を要求することなく、データを送信する。これにより、データ送信時におけるSelf−CTS信号の送信要求、および、Self−CTS信号を送信するオーバーヘッドを削減することができる。
【0052】
また、上述の実施形態では、S904において送信先以外のSTAが存在しなかった場合には、ネットワーク内のいずれの通信装置もSelf−CTSを送信することなく、APがデータを送信した。しかしこれに限らず、受信装置であるSTAがSelf−CTSを送信するようにしてもよい。これにより、データの受信までにタイムロスが発生するものの、受信装置において干渉する可能性をより低減させることができる。
【0053】
<実施形態3>
本実施形態では、実施形態1とは、STAが通知するOBSSレポート、AP101が管理するOBSS通知STA管理データベース、および、AP101におけるSelf−CTS信号を送信するSTAの選択処理が異なる。なお、実施形態1と同様である点の説明は省略する。
【0054】
本実施形態におけるシステム構成を図10に示す。
【0055】
AP1001はIEEE802.11acに準拠した20MHzモードでBSS1007を構成しており、基本チャネルとして36chを使用している。STA1002、STA1003、STA1004はIEEE802.11acに準拠したSTAであり、AP1001が構成するBSS1007に参加している。
【0056】
AP1005はIEEE802.11acに準拠した80MHzモードでBSS1008を構成しており、基本チャネルは48ch、非基本チャネルとして44ch、40ch、36chを使用している。BSSIDは1である。
【0057】
AP1006はIEEE802.11acに準拠した80MHzモードでBSS1009を構成しており、基本チャネルは48ch、非基本チャネルとして44ch、40ch、36chを使用している。BSSIDは2である。
【0058】
AP1001、STA1002、STA1003、STA1004は、互いの通信範囲内に存在するものとする。STA1002、STA1003、AP1006も同様に互いの通信範囲内に存在する。STA1004、AP1005も同様に互いの通信範囲内に存在する。一方で、その以外の装置同士は互いの通信範囲内には存在していない。例えば、AP1001とAP1006、およびSTA1002とAP1005は互いに通信することはできない。
【0059】
本実施形態では、AP1001がSTA1002にデータを送信する場合に、STA1002において他のBSSからの干渉を低減させる。
【0060】
まず、STA1002、STA1003、STA1004がOBSS Scanを実施するが、この際の処理は図4に示すシーケンスチャートと同様である。ただし、S407で送信されるOBSSレポートのフレーム構成が異なる。
【0061】
本実施形態におけるOBSSレポートのフレーム構成を図11に示す。OBSS BSSIDには、BSS1007が動作しているチャネルと同じチャネルを非基本チャネルとして利用している他のBSSのBSSIDが記載される。また、当該他のBSSが基本チャネルとして利用しているチャネルをOBSS Channelに記載する。また、複数の他のBSSを発見した場合には、それぞれのBSSIDに対してOBSS BSSIDおよびOBSS Channelを対にして格納する。
【0062】
図12に、AP1001がSTA1002、STA1003、STA1004からOBSSレポートを受信した後に管理するOBSS通知STA管理データベースを示す。本実施形態のデータベースでは、他のBSSの基本チャネルの他、各STAが通知したBSSIDも格納する。STA1002は、48chを基本チャネルとするAP1006を検出可能であるので、STA1002、48chの項目にはAP1006のBSSIDである2が格納される。
【0063】
同様にしてSTA1003はAP1006が検出可能であるので、AP1006のBSSIDである2が格納されている。STA1004はAP1005が検出可能であるので、STA1004のBSSIDである1が格納されている。
【0064】
図13にAP1001がSelf−CTS信号を送信するSTAを選択する処理のフローチャートを示す。
【0065】
チャネル特定部252はSelf−CTS信号を送信するチャネルを、データの送信先(即ち、受信装置であるSTA1002)と図12に示すデータベースとに基づいて特定する(S1301)。ここでは、STA1002が通知したチャネル及びBSSIDは図12より、48ch及び2であるので、当該チャネル及びBSSIDをSelf−CTS信号を送信するチャネル情報とする。
【0066】
次に、STA特定部251は、特定したチャネルおよびBSSIDに基づいて、同様のOBSSレポートを通知したSTAを特定する(S1302)。ここでは、チャネル48ch、BSSID2を通知したSTAであるSTA1002、STA1003が特定される。
【0067】
そして、STA特定部251は、S1302において特定されたSTAのうち、送信先(ここではSTA1002)以外のSTAが存在するかを確認する(S1303)。このとき送信先以外のSTAが存在しなかった場合には、Self−CTS信号を送信することなくデータ送信部255はSTA1002に対してデータを送信する(S1305)。ここでは、STA1003が送信先以外のSTAとして存在するのでS1304に進む。
【0068】
そして、S1302において特定されたSTAのうち、送信先以外のSTA(ここでは、STA1003)に対して、要求部254はSelf−CTS信号送信を要求をする(S1304)。このSelf−CTS信号の送信要求では、48chにSelf−CTS信号を送信することを要求する。該要求後、データ送信部255はSTA1002に対してデータを送信する(S1305)。
【0069】
本実施例により、データ送信先のSTAにおいて干渉を生じさせる可能性の高い、他のBSSの通信範囲内に存在する他のSTAに、Self−CTS信号を送信させることができる。例えば、STA1002はAP1001にBSS1009の存在を通知し、一方でBSS1008は検出できていない。そのため、STA1002において干渉を生じさせる可能性の高いBSS1009の通信範囲内に存在する他のSTAにSelf−CTS信号を送信させる。即ち、受信装置において、より干渉が生じる可能性の高い他のネットワークに対してCTS信号を送信できる装置を判別し、当該装置にCTS信号を送信させるので、受信装置における干渉の可能性を低減させることができる。
【0070】
上述の実施形態1〜3では、他の装置にデータの送信を抑制させるための信号として、Self−CTS信号を用いたが、これに限らず、IEEE802.11シリーズで規定されたRTS信号を用いるようにしてもよい。なお、RTSとは、Request to Sendの略である。
【符号の説明】
【0071】
101、106、1001、1005、1006 AP
102、103、104、105、107、1002、1003、1004 STA
108、109 BSS
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信装置であって、
前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出する検出手段と、
データの送信を抑制するための信号を、前記検出手段により検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示する指示手段と、
前記指示手段による前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記データの送信を抑制するための信号とは、IEEE802.11シリーズで規定されたCTS信号もしくはRTS信号であることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第2のチャネルは、前記受信装置が検出したネットワークが通信に利用している周波数チャネルであることを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記検出手段が複数の前記他の装置を検出した場合、前記検出手段により検出された数の前記他の装置のうち、通信に利用する消費電力を周期的に低減させる省電力モードでは動作していない前記他の装置を判定する判定手段を更に有し、
前記指示手段は、前記判定手段により前記省電力モードでは動作していないと判定された前記他の装置に対して、前記データの送信を抑制するための信号の送信を指示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記検出手段により、前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出できなかった場合、前記指示手段による前記指示を行わないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルは、それぞれ周波数チャネルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項7】
受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信方法、
前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出する検出工程と、
データの送信を抑制するための信号を、前記検出工程において検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示する指示工程と、
前記指示工程における前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する送信工程と、
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項8】
コンピュータを請求項1乃至6のいずれか1項に記載の送信装置として動作させるためのプログラム。
【請求項1】
受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信装置であって、
前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出する検出手段と、
データの送信を抑制するための信号を、前記検出手段により検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示する指示手段と、
前記指示手段による前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記データの送信を抑制するための信号とは、IEEE802.11シリーズで規定されたCTS信号もしくはRTS信号であることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第2のチャネルは、前記受信装置が検出したネットワークが通信に利用している周波数チャネルであることを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記検出手段が複数の前記他の装置を検出した場合、前記検出手段により検出された数の前記他の装置のうち、通信に利用する消費電力を周期的に低減させる省電力モードでは動作していない前記他の装置を判定する判定手段を更に有し、
前記指示手段は、前記判定手段により前記省電力モードでは動作していないと判定された前記他の装置に対して、前記データの送信を抑制するための信号の送信を指示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記検出手段により、前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出できなかった場合、前記指示手段による前記指示を行わないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルは、それぞれ周波数チャネルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項7】
受信装置に対して第1のチャネルを利用してデータを送信する送信方法、
前記第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを利用して通信するネットワークを検出した、前記受信装置とは異なる他の装置を検出する検出工程と、
データの送信を抑制するための信号を、前記検出工程において検出した前記他の装置が前記第2のチャネルを利用して送信するように指示する指示工程と、
前記指示工程における前記指示の後、前記受信装置に対して前記第1のチャネルを利用してデータを送信する送信工程と、
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項8】
コンピュータを請求項1乃至6のいずれか1項に記載の送信装置として動作させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−58836(P2013−58836A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194966(P2011−194966)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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