説明

送受信装置及び電源線通信方法

【課題】電源線からの雑音放射を抑え、小型・安価なインダクタンス素子を使用する送受信装置及び電源線通信方法を提供すること。
【解決手段】送信回路13の電流制御発振器23は、スレーブ装置に送信する通信信号Scの搬送波を、変調パターンデータDmに基づいてFM変調して通信信号Scのキャリア周波数を偏移させる。受信回路14のFM復調回路43は、スレーブ装置から第1バンドパスフィルタ41を介し受信した受信信号Srを復調して周波数復調信号Sdを生成し、この周波数復調信号Sdを第2バンドパスフィルタ42に出力する。受信回路14の第2バンドパスフィルタ42は、入力された周波数復調信号Sdに応じて、受信信号Srを通過させる周波数帯域を、受信する通信信号Scのキャリア周波数に合わせるよう変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
送受信装置及び電源線通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器や自動車は多機能化が進み、様々な機能を有する機能ブロックを備えている。各機能ブロックは関連して動作し、各機能ブロック間で信号線を介して信号の送受信が行われている。このため、電子機器や自動車が有する信号線の数が増大している。例えば、自動車では、エンジン、トランスミッション、パワーウィンドウ、ランプ、ドアミラー等を制御するための電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)を搭載している。これに伴って、各ECU間で信号線を介して信号の送受信を行うため、自動車に搭載される信号線の数が増大している。
【0003】
上記の機能ブロック間では、機能ブロックが他の機能ブロックに電源線を介して電源を供給する場合がある。そこで、従来、各機能ブロック間で送受信される信号を電源に重畳して伝送する電源線通信を行うことで、信号線の数を削減している。電源線通信を行う機能ブロックにおいて、電源線は、電源を供給する経路と送受信回路への経路に分岐している。電源を供給する経路には、各機能ブロック間で送受信される信号を重畳した電源が電源として機能ブロックに供給されないよう、インダクタンス素子が挿入されている。一方、送受信回路への経路には、各機能ブロック間で送受信される信号を重畳した電源が送受信回路に送受信されるよう、インダクタンス素子が挿入されていない(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−264067号公報
【特許文献2】特開2006−108933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、電源を供給する経路にインダクタンス素子を挿入する場合、機能ブロックから他の機能ブロックに電源線を介して供給する電流が増大すると、許容電流の大きいインダクタンス素子を電源が供給される経路に挿入する必要がある。許容電流の大きいインダクタンス素子は、大型で高価である。
【0006】
また、小型・安価でインダクタンスが小さなインダクタンス素子を電源が供給される経路に挿入する場合、インピーダンスを大きくして電源に重畳される信号を減衰させるためにはキャリア周波数を高くする必要がある。従って、電源に重畳される信号によって雑音放射が大きくなり、ラジオ受信機やワンセグ受信機などの受信感度を低下させてしまう。
【0007】
この送受信装置及び電源線通信方法は、電源線からの雑音放射を抑え、小型・安価なインダクタンス素子を使用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、送受信装置は、複数の送受信装置間での信号を、電源線を介して送受信する電源線通信を行う送受信装置であって、前記信号の搬送波をFM変調して前記信号を送信する送信回路と、受信した前記信号をFM復調して復調信号を生成するFM復調回路と、前記復調信号に応じて、受信した前記信号を通過させる周波数帯域を変更する第1フィルタ回路とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、送受信装置及び電源線通信方法は、電源線からの雑音放射を抑え、小型・安価なインダクタンス素子を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態のネットワークシステムの概略図である。
【図2】第1実施形態のホスト装置及びスレーブ装置の説明図である。
【図3】第1実施形態のホスト装置のブロック回路図である。
【図4】第1実施形態の電流制御発振器の回路図である。
【図5】第1実施形態のASK変調回路の回路図である。
【図6】第1実施形態のASK変調回路の説明図である。
【図7】第1実施形態のFM復調回路のブロック回路図である。
【図8】(a)、(b)は第1実施形態のFM復調回路の説明図である。
【図9】第1実施形態の第2バンドパスフィルタの回路図である。
【図10】第1実施形態の電圧電流変換回路の回路図である。
【図11】第1実施形態の並列共振回路の説明図である。
【図12】第1実施形態のスレーブ装置のブロック回路図である。
【図13】第2実施形態のホスト装置のブロック回路図である。
【図14】第2実施形態のスレーブ装置のブロック回路図である。
【図15】別例のFM復調回路のブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1は、ホスト装置1とスレーブ装置2のシステム構成を示し、電源線通信にてデータ転送を行うネットワークシステムを概略的に示すブロック図である。ネットワークシステムは、ホスト装置1と、スレーブ装置2とが電源線LVを介して接続され、ホスト装置1からスレーブ装置2に電源線LVを介して電源VDDが供給されている。
【0012】
ホスト装置1は、スレーブ装置2に負荷3を駆動制御させるためのデータに基づいて搬送波を変調させた通信信号Scを電源VDDに重畳させてスレーブ装置2に送信する。
スレーブ装置2は、ホスト装置1からの通信信号Scを受信し、この通信信号Scから負荷3を駆動制御するためのデータに復調する。スレーブ装置2は、通信信号Scを復調したホスト装置1からの負荷3を駆動制御するためのデータに基づいて、負荷3を駆動する。また、スレーブ装置2は、ホスト装置1からの要求に応答して要求されたデータに基づいて搬送波を変調した通信信号Scを電源VDDに重畳させてホスト装置1に送信する。
【0013】
本実施形態では、図2に示すように、ホスト装置1とスレーブ装置2の間で行われる通信信号Scの送受信は、ホスト装置1からスレーブ装置2への通信信号Scの送信と、スレーブ装置2からホスト装置1への通信信号Scの送信を交互に繰り返している。
【0014】
このとき、ホスト装置1及びスレーブ装置2は、通信信号Scのキャリア周波数を予め設定された周波数範囲で上げ下げし送信している。具体的には、まず、ホスト装置1及びスレーブ装置2は、通信信号Scのキャリア周波数を徐々に上げて送信する。次に、ホスト装置1及びスレーブ装置2は、通信信号Scのキャリア周波数が予め設定された周波数になると徐々に下げる。さらに、ホスト装置1及びスレーブ装置2は、通信信号Scのキャリア周波数が予め設定された周波数になると徐々に上げて送信する。そして、ホスト装置1及びスレーブ装置2は、このように、三角波のようにキャリア周波数を上げ下げして通信信号Scを送信していく。
【0015】
例えば、上記のホスト装置1及びスレーブ装置2を有するネットワークシステムが自動車に設けられる場合には、負荷3はパワーウィンドウ、ドアミラー等の駆動モータ、ランプ等が考えられる。
【0016】
ホスト装置1は、ユーザがパワーウィンドウ、ドアミラー、ランプ等を操作するスイッチに設けてられている。ホスト装置1は、ユーザがスイッチを操作する操作量に応じて、パワーウィンドウ、ドアミラー等の駆動モータ、ランプ等を駆動させるデータをスレーブ装置2に出力する。
【0017】
スレーブ装置2は、パワーウィンドウ、ドアミラー等の駆動モータ、ランプ等に設けられている。スレーブ装置2は、ホスト装置1からのパワーウィンドウ、ドアミラー等の駆動モータ、ランプ等を駆動制御させるデータに応じて、パワーウィンドウ、ドアミラー等の駆動モータ、ランプ等を駆動する。
(ホスト装置1)
このようなデータ転送を行うため、図3に示すように、ホスト装置1は、コントローラ11、通信制御回路12、送信回路13、受信回路14、電源回路部15を有している。
【0018】
コントローラ11は、通信信号Scをスレーブ装置2に送信させるためのHレベルの通信制御信号Se、及び、スレーブ装置2に送信するデータである送信データDtを通信制御回路12に出力する。コントローラ11は、ホスト装置1が通信信号Scをスレーブ装置2に送信すると、同スレーブ装置2に対してデータを要求するための送信データDtを通信制御回路12に出力する。そして、コントローラ11は、スレーブ装置2からの通信信号Scを受信させるためのLレベルの通信制御信号Seを通信制御回路12に出力する。次に、コントローラ11は、スレーブ装置2から受信するデータである受信データDrを入力する。
【0019】
通信制御回路12は、スレーブ装置2に対して通信信号Scを送信させるためのHレベルの通信制御信号Se、及び、スレーブ装置2に送信するデータである送信データDtがコントローラ11から入力される。そして、通信制御回路12は、通信信号Scをスレーブ装置2に送信させるためのHレベルの通信制御信号Seを送信回路13及び電源回路部15に出力する。また、通信制御回路12は、スレーブ装置2に送信するデータである送信データDtを送信回路13に出力する。
【0020】
さらに、通信制御回路12は、ホスト装置1がスレーブ装置2に対して通信信号Scを送信すると、コントローラ11からスレーブ装置2にデータを要求するための送信データDtが入力される。そして、通信制御回路12は、スレーブ装置2に対してこのデータを要求するための送信データDtを送信回路13に出力する。続いて、通信制御回路12は、スレーブ装置2からの通信信号Scを受信させるためのLレベルの通信制御信号Seをコントローラ11から入力する。次に、通信制御回路12は、スレーブ装置2から受信するデータである受信データDrを受信回路14から入力する。
【0021】
送信回路13は、変調パターン発生器21、D/A変換回路(D/Aコンバータ)22、電流制御発振器(ICO)23、ASK(Amplitude Shift Keying)変調回路24を含んでいる。
【0022】
変調パターン発生器21は、通信制御回路12から通信制御信号Seが入力される。変調パターン発生器21は、図2に示すように通信信号Scのキャリア周波数を三角波のように上げ下げして通信信号Scを送信するためパターンである変調パターンを内蔵されたメモリ(ROM)に記憶している。変調パターン発生器21は、Hレベルの通信制御信号Seを入力する度に、つまり、ホスト装置1がスレーブ装置2に通信信号Scを送信する度に、記憶された変調パターンを順番に変調パターンデータDmとしてD/A変換回路22に出力していく。
【0023】
D/A変換回路22は、変調パターン発生器21から変調パターンデータDmが入力される。D/A変換回路22は、入力されたデジタル値である変調パターンデータDmをアナログ値である電流値に変換して電流制御信号Siとして電流制御発振器23に出力する。
【0024】
図4に示すように、電流制御発振器23は、PチャネルMOSトランジスタよりなる第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3、NチャネルMOSトランジスタよりなる第4〜第6トランジスタTr4〜Tr6、タイミング容量CT、基準電圧生成回路30、第1及び第2コンパレータ回路31,32、RSフリップフロップ(RS−FF)回路33を含んでいる。
【0025】
第1トランジスタTr1は、そのドレイン及びゲートにD/A変換回路22から電流制御信号Siが入力され、そのソースに電源VDDが供給される。
第2トランジスタTr2は、そのドレインが第4トランジスタTr4のドレイン及びゲートに接続され、そのソースに電源VDDが供給される。第2トランジスタTr2は、そのゲートにD/A変換回路22から電流制御信号Siが入力される。
【0026】
第3トランジスタTr3は、そのドレインが第5トランジスタTr5のドレインに接続され、そのソースに電源VDDが供給される。第3トランジスタTr3は、そのゲートにD/A変換回路22から電流制御信号Siが入力される。
【0027】
このような構成により、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3はカレントミラーの構成になっている。例えば、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のサイズが同じ場合、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のドレイン電流I1〜I3は同じ電流値になる。
【0028】
すなわち、D/A変換回路22からの電流制御信号Siの電流値に応じて、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のドレイン電流I1〜I3が増減する。つまり、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のドレイン電流I1〜I3は、電流制御信号Siの電流値が大きいほどその電流値が大きくなる。反対に、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のドレイン電流I1〜I3は、電流制御信号Siの電流値が小さいほどその電流値が小さくなる。
【0029】
第4トランジスタTr4は、そのドレイン及びゲートが第5トランジスタTr5のゲートに接続され、そのソースがグランドに接続されている。第5トランジスタTr5は、そのソースがグランドに接続されている。
【0030】
このような構成により、第4及び第5トランジスタTr4,Tr5は、カレントミラーの構成をしている。本実施形態では、第4トランジスタTr4に対する第5トランジスタTr5のサイズ比は「2」となっている。従って、第4トランジスタTr4のドレイン電流I4は、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のドレイン電流I1〜I3と同じ電流値になり、第5トランジスタTr5のドレイン電流I5の半分の電流値になっている。
【0031】
すなわち、第1〜第3トランジスタTr1〜Tr3のドレイン電流I1〜I3と同様に、D/A変換回路22からの電流制御信号Siの電流値に応じて、第4及び第5トランジスタTr4〜Tr5のドレイン電流I4,I5が増減する。つまり、第4及び第5トランジスタTr4〜Tr5のドレイン電流I4,I5は、電流制御信号Siの電流値が大きいほどその電流値が大きくなり、反対に、第4及び第5トランジスタTr4〜Tr5のドレイン電流I4,I5は、電流制御信号Siの電流値が小さいほどその電流値が小さくなる。
【0032】
第6トランジスタTr6は、そのドレインが第4及び第5トランジスタTr4,Tr5のゲートに接続され、そのソースがグランドに接続されている。第6トランジスタTr6は、そのゲートにRS−FF回路33から周波数変調信号Sfが入力される。そして、第6トランジスタTr6は、周波数変調信号Sfに応じてオンオフする。
【0033】
第6トランジスタTr6は、Hレベルの周波数変調信号Sfを入力すると、オンして第4及び第5トランジスタTr4,Tr5のゲートがグランドに接続される。これにより、第4及び第5トランジスタTr4,Tr5は、オフしてそのドレイン電流I4,I5は流れなくなる。反対に、第6トランジスタTr6は、Lレベルの周波数変調信号Sfを入力すると、オフして第4及び第5トランジスタTr4,Tr5のゲートがグランドに接続されない。これにより、第4及び第5トランジスタTr4,Tr5はオンしてそのドレイン電流I4,I5は流れる。
【0034】
タイミング容量CTは、一端が第3及び第4トランジスタTr3,Tr5の接続点(第1ノードN1)に接続され、他端がグランドに接続されている。すなわち、第6トランジスタTr6がオンオフすることで、第3トランジスタTr3のドレイン電流I3と第5トランジスタTr5のドレイン電流I5の差である充放電電流Icがタイミング容量CTに充放電される。具体的には、第6トランジスタTr6がオフすると、タイミング容量CTから充放電電流Icを放電し、反対に、第6トランジスタTr6がオンすると、タイミング容量CTに充放電電流Icを充電する。
【0035】
換言すると、タイミング容量CTに充放電される充放電電流Icは、D/A変換回路22からの電流制御信号Siの電流値に応じて増減する。つまり、電流制御信号Siの電流値が大きいほど、タイミング容量CTに充放電される充放電電流Icは大きくなり、第1ノードN1側のタイミング容量CTの充電電圧Vcを上昇・下降する速度が速くなる。反対に、電流制御信号Siの電流値が小さいほど、タイミング容量CTに充放電される充放電電流Icは小さくなり、第1ノードN1側のタイミング容量CTの充電電圧Vcを上昇・下降する速度が遅くなる。
【0036】
基準電圧生成回路30は、第1〜第3抵抗R1〜R3の直列回路より構成され、その直列回路が電源VDDとグランド間に接続されている。第1及び第2抵抗R1,R2の接続点(第2ノードN2)は、第1コンパレータ回路31の反転入力端子に接続され、その第2ノードN2の分圧電圧を第1基準電圧Vk1として同反転入力端子に出力している。第2及び第3抵抗R2,R3の接続点(第3ノードN3)は、第2コンパレータ回路32の非反転入力端子に接続され、その第3ノードN3の分圧電圧を第2基準電圧Vk2として同反転入力端子に出力している。
【0037】
第1コンパレータ回路31は、その非反転力端子が第1ノードN1に接続されている。第1コンパレータ回路31は、タイミング容量CTの充電電圧Vcと基準電圧生成回路30の第1基準電圧Vk1を比較し、その比較結果に応じた第1比較信号Sh1をRS−FF回路33のリセット入力端子Rに出力する。つまり、第1コンパレータ回路31は、充電電圧Vcが第1基準電圧Vk1より小さいとLレベルの第1比較信号Sh1をRS−FF回路33に出力する。反対に、第1コンパレータ回路31は、充電電圧Vcが第1基準電圧Vk1以上の場合、Hレベルの第1比較信号Sh1をRS−FF回路33に出力する。
【0038】
第2コンパレータ回路32は、反転入力端子に第1ノードN1が接続されている。第2コンパレータ回路32は、タイミング容量CTの充電電圧Vcと基準電圧生成回路30の第2基準電圧Vk2を比較し、その比較結果に応じた第2比較信号Sh2をRS−FF回路33のセット入力端子Sに出力する。第2コンパレータ回路32は、第2基準電圧Vk2が充電電圧Vcより小さいとHレベルの第2比較信号Sh2を出力する。反対に、第2コンパレータ回路32は、第2基準電圧Vk2が充電電圧Vc以上の場合、Lレベルの第2比較信号Sh2を出力する。
【0039】
RS−FF回路33は、リセット入力端子Rに第1コンパレータ回路31から第1比較信号Sh1が入力され、セット入力端子Sに第2コンパレータ回路32から第2比較信号Sh2が入力される。RS−FF回路33は、出力端子Qから周波数変調信号Sfを第6トランジスタTr6のゲート及びASK変調回路24に出力する。
【0040】
RS−FF回路33は、セット入力端子Sに入力される第2比較信号Sh2がLレベルからHレベルに立ち上がると、セットして出力端子QからHレベルの周波数変調信号Sfを出力する。この状態で、RS−FF回路33は、リセット入力端子Rに入力される第1比較信号Sh1がLレベルからHレベルに立ち上がると、リセットして出力端子QからLレベルの周波数変調信号Sfを出力する。さらに、この状態から、RS−FF回路33は、第2比較信号Sh2がLレベルからHレベルに立ち上がると、セットしてHレベルの周波数変調信号Sfを出力する。
【0041】
このような構成により、例えば、RS−FF回路33がセットしてHレベルの周波数変調信号Sfを出力すると、第6トランジスタTr6がオンして充放電電流Icによりタイミング容量CTが充電される。第1ノードN1側のタイミング容量CTの充電電圧Vcが上昇して第1基準電圧Vk1と等しくなると、第1コンパレータ回路31は、Hレベルの第1比較信号Sh1をRS−FF回路33に出力する。Hレベルの第1比較信号Sh1を入力すると、RS−FF回路33は、リセットして周波数変調信号SfをHレベルからLレベルに遷移させる。
【0042】
そして、RS−FF回路33がリセットしてLレベルの周波数変調信号Sfを出力すると、第6トランジスタTr6がオフしてタイミング容量CTから充放電電流Icが放電される。これにより、第1ノードN1側のタイミング容量CTの充電電圧Vcが下降して第2基準電圧Vk2と等しくなると、第2コンパレータ回路32は、Hレベルの第2比較信号Sh2をRS−FF回路33のセット入力端子に出力する。Hレベルの第1比較信号Sh1を入力すると、RS−FF回路33は、セットして周波数変調信号SfをLレベルからHレベルに遷移させる。そして、RS−FF回路33は、上記のようにHレベルとLレベルの周波数変調信号Sfを繰り返し出力していく。
【0043】
従って、RS−FF回路33は、D/A変換回路22からの電流制御信号Siの電流値に応じて、周波数変調信号Sfのオンオフする周期を変更する。つまり、RS−FF回路33は、電流制御信号Siの電流値が大きいほど、周波数変調信号Sfのオンオフする周期が短くする。反対に、RS−FF回路33は、電流制御信号Siの電流値が小さいほど、周波数変調信号Sfのオンオフする周期が長くする。
【0044】
すなわち、電流制御発振器23は、変調パターン発生器21の変調パターンに応じて周波数変調信号Sfの周期を変更している。言い換えると、電流制御発振器23は、変調パターン発生器21の変調パターンに応じた周波数の周波数変調信号Sfを生成している。
【0045】
図5に示すように、ASK変調回路24は、PチャネルMOSトランジスタよりなる第7及び第8トランジスタTr7,Tr8、第4〜第7抵抗R4〜R7、第1及び第2コンデンサC1,C2、NチャネルMOSトランジスタよりなる第9〜第11トランジスタTr9〜Tr11、第1及び第2電流源A1,A2、インバータ回路37を有している。
【0046】
第7トランジスタTr7は、そのドレインが第4抵抗R4を介して第9トランジスタTr9のドレインに接続され、そのソースに電源VDDが供給される。第7トランジスタTr7は、そのゲートに通信制御回路12から送信データDtが入力される。第8トランジスタTr8は、そのドレインが第5抵抗R5を介して第10トランジスタTr10のドレインに接続され、そのソースに電源VDDが供給される。第8トランジスタTr8は、そのゲートに通信制御回路12から送信データDtが入力される。
【0047】
第9トランジスタTr9は、第6抵抗R6を介して電源VDDが供給され、そのドレインが第1電流源A1を介してグランドに接続されている。第9トランジスタTr9は、そのゲートに電流制御発振器23から周波数変調信号Sfがインバータ回路37を介して反転周波数変調信号BSfとして入力される。
【0048】
第10トランジスタTr10は、そのソースが第7抵抗R7を介して電源VDDが供給され、そのドレインが第1電流源A1を介してグランドに接続されている。第10トランジスタTr10は、そのゲートに電流制御発振器23から周波数変調信号Sfが入力される。
【0049】
すなわち、第7及び第8トランジスタTr7,Tr8のゲートにHレベルの送信データDtが入力されると、第7及び第8トランジスタTr7,Tr8はオフする。これにより、第9及び第10トランジスタTr9,Tr10と電源VDDの間には、第6及び第7抵抗R6,R7がそれぞれ接続される。反対に、第7及び第8トランジスタTr7,Tr8のゲートにLレベルの送信データDtが入力されると、第7及び第8トランジスタTr7,Tr8はオンする。これにより、第9及び第10トランジスタTr9,Tr10と電源VDDの間には、並列接続された第4及び第6抵抗R4,R6、及び、並列接続された第5及び第7抵抗R5,R7がそれぞれ接続される。
【0050】
例えば、第4〜第7抵抗R4〜R7の抵抗値が同じ場合、第9及び第10トランジスタTr9,Tr10と電源VDDの間には、Hレベルの送信データDtが入力されるとき、Lレベルの送信データDtが入力されるときと比較して2倍の抵抗値の抵抗が接続される。
【0051】
また、第9トランジスタTr9のドレインと第10トランジスタTr10のドレインの間には第1コンデンサC1が接続されている。第1コンデンサC1は、第4〜第7抵抗R4〜R7とともに第3フィルタ回路としてのローパスフィルタを構成し、通信信号Scの高調波を低減している。
【0052】
第11トランジスタTr11は、そのドレインに電源VDDが供給され、そのゲートが第5及び第7抵抗R5,R7と第10トランジスタTr10の接続点(第4ノードN4)に接続されている。第11トランジスタTr11は、そのソースに第2電流源A2を介してグランドが接続されるとともに、そのソースから第2コンデンサC2を介して通信信号Scをスレーブ装置2に電源線LVを介して出力する。すなわち、ASK変調回路24の出力段である第11トランジスタTr11及び第2電流源A2は、ソースフォロアの構成になっている。
【0053】
このような構成により、ASK変調回路24は、送信データDtに応じて周波数変調信号Sfの振幅を変更して通信信号Scとして生成している。具体的には、図6に示すように、ASK変調回路24は、第9及び第10トランジスタTr9,Tr10と電源VDDの間に接続される抵抗の抵抗値に応じて、通信信号Scの振幅を変更している。すなわち、ASK変調回路24は、Hレベルの送信データDtを入力すると、Lレベルの送信データDtを入力するときより第9及び第10トランジスタTr9,Tr10と電源VDDの間に接続される抵抗の抵抗値が大きくなる。従って、ASK変調回路24は、Hレベルの送信データDtを入力するとき、Lレベルの送信データDtを入力するときと比較して通信信号Scの振幅を大きくする。この結果、ASK変調回路24は、通信制御回路12からの送信データDtに基づいて、搬送波としての電流制御発振器23からの周波数変調信号SfをASK変調している。
【0054】
図3に示すように、受信回路14は、第1及び第2バンドパスフィルタ41,42、FM(Frequency Modulation)復調回路43、ASK復調回路44を有している。なお、本実施形態では、第1バンドパスフィルタ41は広帯域のバンドパスフィルタ、第2バンドパスフィルタ42は狭帯域のバンドパスフィルタになっている。
【0055】
第1バンドパスフィルタ41は、スレーブ装置2から電源線LVを介して通信信号Scが入力される。第1バンドパスフィルタ41は、入力された通信信号Scに含まれる所定帯域の周波数成分を有する受信信号Srを第2バンドパスフィルタ42及びFM復調回路43に出力する。
【0056】
図7に示すように、FM復調回路43は、制限振幅器(リミッティングアンプ)45、モノマルチ回路(ワンショット・マルチバイブレータともいう)46、ローパスフィルタ47を有している。
【0057】
制限振幅器45は、第1バンドパスフィルタ41から受信信号Srが入力される。制限振幅器45は、入力された受信信号Srを所定の振幅(例えば、フル振幅)にそろえて制限受信信号LSrとしてモノマルチ回路46に出力する。すなわち、制限受信信号LSrは、スレーブ装置2から電源線LVを介して入力されるため、その電源線LVの区間でノイズや他の信号からの影響により振幅が変化している。このため、制限振幅器45は、入力された受信信号Srを所定の振幅にそろえた制限受信信号LSrを生成している。
【0058】
モノマルチ回路46は、制限振幅器45から制限受信信号LSrが入力される。モノマルチ回路46は、Hレベルの制限受信信号LSrが入力されると、セット状態になり、Hレベルのパルス信号Spをローパスフィルタ47に所定時間出力する。そして、所定時間が経過すると、モノマルチ回路46は、リセット状態に戻り、Lレベルのパルス信号Spをローパスフィルタ47に出力する。すなわち、モノマルチ回路46は、Hレベルの制限受信信号LSrに応答して所定パルス幅のオンパルス(Hレベルのパルス信号Sp)をローパスフィルタ47に出力するパルス発生器である。
【0059】
つまり、モノマルチ回路46は、図8(a)に示す送信回路13にてFM変調されて周波数が偏移している制限受信信号LSrを、図8(b)に示す制限受信信号LSrの周期毎に所定パルス幅のオンパルス(Hレベルのパルス信号Sp)にしてローパスフィルタ47に出力している。
【0060】
ローパスフィルタ47は、モノマルチ回路46からパルス信号Spが入力される。ローパスフィルタ47は、図8(b)に示すように、入力されたパルス信号Spを平滑化して周波数復調信号Sdとして第2バンドパスフィルタ42及び電源回路部15に出力する。
【0061】
換言すると、ローパスフィルタ47は、パルス信号Spの周期に応じて、周波数復調信号Sdの電圧値を変更している。つまり、ローパスフィルタ47は、パルス信号Spの周期が長いほど、周波数復調信号Sdの電圧値を低くする。反対に、ローパスフィルタ47は、パルス信号Spの周期が短いほど、周波数復調信号Sdの電圧値を高くする。
【0062】
言い換えると、ローパスフィルタ47は、通信信号Scのキャリア周波数が低いほど、周波数復調信号Sdの電圧値を低くする。反対に、ローパスフィルタ47は、通信信号Scのキャリア周波数が高いほど、周波数復調信号Sdの電圧値を高くする。
【0063】
従って、FM復調回路43は、スレーブ装置2にてFM変調された通信信号ScをFM復調し、通信信号Scの周波数を周波数復調信号Sdの電圧値に変換している。
第2バンドパスフィルタ42はgm−Cバンドパスフィルタであり、図9に示すように、第1及び第2電圧電流変換回路(トランスコンダクタンスアンプ、または、Operational Transcondauctance Amplifier:OTAともいう)51,52、及び、第3及び第4コンデンサC3,C4を有している。
【0064】
第1電圧電流変換回路51は、その反転入力端子が第2電圧電流変換回路52の反転入力端子及び出力端子に接続されている。第1電圧電流変換回路51は、その非反転入力端子がグランドに接続されている。また、第1電圧電流変換回路51は、FM復調回路43から周波数復調信号Sdが入力される。
【0065】
第2電圧電流変換回路52は、その非反転入力端子が第1電圧電流変換回路51の出力端子に接続されるとともに第3コンデンサC3を介して第1バンドパスフィルタ41から受信信号Srが入力される。また、第2電圧電流変換回路52は、FM復調回路43から周波数復調信号Sdが入力される。
【0066】
このような構成により、第2バンドパスフィルタ42は、周波数復調信号Sdに応じて、通信信号Scのキャリア周波数を通過させる周波数帯域を選択する。第2バンドパスフィルタ42は、通信信号Scに含まれる選択した周波数帯域を第2出力信号So2としてASK復調回路44に出力する。
【0067】
具体的には、第2バンドパスフィルタ42は、周波数復調信号Sdの電圧値が高いほど通過させる周波数帯域を高くし、反対に、第2バンドパスフィルタ42は、周波数復調信号Sdの電圧値が低いほど通過させる周波数帯域を低くする。言い換えると、第2バンドパスフィルタ42は、通信信号Scのキャリア周波数が高いほど通過させる周波数帯域を高くし、反対に、第2バンドパスフィルタ42は、通信信号Scのキャリア周波数が低いほど通過させる周波数帯域を低くする。
【0068】
すなわち、第2バンドパスフィルタ42は、通過させる周波数帯域を通信信号Scのキャリア周波数にトラッキングし、トラッキングバンドパスフィルタとして動作している。
次に、上記の第1電圧電流変換回路51の回路構成について図10に従って説明する。第2電圧電流変換回路52は、第1電圧電流変換回路51と同じ回路構成になっている。このため、第2電圧電流変換回路52の回路構成は、説明の便宜上、その説明を省略する。
【0069】
図10に示すように、第1電圧電流変換回路51は、npnバイポーラトランジスタよりなる第12〜第17トランジスタTr12〜Tr17、第4〜第7電流源A4〜A7、第8抵抗R8を有している。
【0070】
第12トランジスタTr12は、そのエミッタが第4電流源A4を介してグランドに接続されるとともに第8抵抗R8を介して第13トランジスタTr13のエミッタに接続されている。第12トランジスタTr12は、そのコレクタが第14トランジスタTr14のエミッタに接続され、そのベースに反転入力端子Tmを介して第2出力信号So2が入力される。
【0071】
第13トランジスタTr13は、そのエミッタが第5電流源A5を介してグランドに接続され、そのコレクタが第15トランジスタTr15のエミッタに接続されている。第13トランジスタTr13は、そのベースが非反転入力端子Tpを介して基準電圧Vr(例えばVDD/2)が供給されている。なお、第4及び第5電流源A4,A5は、流す電流の電流値が同じになっている。
【0072】
第14トランジスタTr14は、そのベース及びコレクタが接続されるとともに電源VDDが供給される。第15トランジスタTr15は、そのベース及びコレクタが接続されるとともに電源VDDが供給される。
【0073】
第16トランジスタTr16は、そのエミッタが第6電流源A6を介してグランドに接続され、そのベースが第5ノードN5に接続されている。第16トランジスタTr16は、そのコレクタに第7電流源A7を介して電源VDDが供給されるとともに、そのコレクタから出力端子Toを介して第1出力信号So1を第2電圧電流変換回路52の非反転入力端子に出力する。
【0074】
第6電流源A6は、第7電流源A7の2倍の電流値の電流を流すように設定されている。第6及び第7電流源A6,A7は、FM復調回路43から周波数復調信号Sdが入力される。第6及び第7電流源A6,A7は、入力された周波数復調信号Sdに応じて、第6電流源A6と第7電流源A7との比を保ちながら電流値を増減する。換言すると、第6及び第7電流源A6,A7は、周波数復調信号Sdの電圧値が高いほど、流す電流の電流値を大きくする。反対に、第6及び第7電流源A6,A7は、周波数復調信号Sdの電圧値が低いほど、流す電流の電流値を小さくする。第17トランジスタTr17は、そのエミッタが第6電流源A6を介してグランドに接続され、そのコレクタに電源VDDが供給される。第17トランジスタTr17は、そのベースが第6ノードN6に接続されている。
【0075】
このような構成により、第1電圧電流変換回路51の出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値ISo1は、
ISo1=(IA7/IA)×[Vin/(R8+2×re)]
となる。
【0076】
ここで、上記の式において、「IA7」は第7電流源A7の電流値、「IA」は第4及び第5電流源A4,A5の電流値、「Vin」は第2出力信号So2の電圧値と基準電圧Vrの電圧差、「re」は、第12及び第13トランジスタTr12,Tr13の小信号エミッタ抵抗の抵抗値を表している。
【0077】
つまり、第1電圧電流変換回路51のトランスコンダクタンスgmは、
gm=(IA7/IA)×[1/(R8+2×re)]
となる。
【0078】
すなわち、第1電圧電流変換回路51は、第2出力信号So2の電圧値と基準電圧Vrの電圧差に応じて、出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値を変更している。すなわち、第1電圧電流変換回路51は、第2出力信号So2の電圧値と基準電圧Vrの電圧差が大きいほど、出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値を大きくする。反対に、第1電圧電流変換回路51は、第2出力信号So2の電圧値と基準電圧Vrの電圧差が小さいほど、出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値が小さくなる。
【0079】
さらに、第1電圧電流変換回路51は、FM復調回路43からの周波数復調信号Sdに応じて、出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値を変更する。すなわち、第1電圧電流変換回路51は、周波数復調信号Sdの電圧値が大きいほど、出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値を大きくする。反対に、第1電圧電流変換回路51は、周波数復調信号Sdの電圧値が小さいほど、出力端子Toから出力される第1出力信号So1の電流値を小さくする。
【0080】
上記の第1及び第2バンドパスフィルタ41,42の構成により、受信回路14は、まず、第1バンドパスフィルタ41は、スレーブ装置2が通信信号ScをFM変調して偏移させた周波数帯域を全て通過させる。そして、第2バンドパスフィルタ42は、偏移する通信信号Scのキャリア周波数に合わせて通過させる周波数帯域を変更し、偏移する通信信号Scのキャリア周波数のみを通過させている。そして、FM復調回路43は、第1バンドパスフィルタ41からの受信信号SrをFM復調している。つまり、FM復調回路43は、通信信号Scを精度良くFM復調するために、第1バンドパスフィルタ41にてスレーブ装置2が通信信号ScをFM変調して偏移させた周波数帯域を通過させた通信信号Scである受信信号SrをFM復調している。
【0081】
ASK復調回路44は、第2バンドパスフィルタ42から第2出力信号So2が入力される。ASK復調回路44は、入力された第2出力信号So2をASK復調してスレーブ装置2からの送信データDtを通信制御回路12に出力する。
【0082】
電源回路部15は、電源回路55、A/D変換回路56、選択回路57、並列共振回路58を有している。
電源回路55は、並列共振回路58を介してスレーブ装置2に電源VDDを供給する。
【0083】
A/D変換回路56は、受信回路14(FM復調回路43)から周波数復調信号Sdが入力される。A/D変換回路56は、入力されたアナログ値である周波数復調信号Sdをデジタル値である周波数復調データDdに変換して選択回路57に出力する。
【0084】
選択回路57は、A/D変換回路56から周波数復調データDd、変調パターン発生器21から変調パターンデータDm、通信制御回路12から通信制御信号Seが入力される。選択回路57は、入力された通信制御信号Seに応じて、周波数復調データDd及び変調パターンデータDmを選択して周波数制御信号Ssとして並列共振回路58に出力する。つまり、Hレベルの通信制御信号Se(ホスト装置1が送信)を入力すると、選択回路57は、変調パターン発生器21からの変調パターンデータDmを選択して周波数制御信号Ssとして並列共振回路58に出力する。反対に、Lレベルの通信制御信号Se(ホスト装置1が受信)を入力すると、選択回路57は、A/D変換回路56からの周波数復調データDdを選択して周波数制御信号Ssとして並列共振回路58に出力する。
【0085】
並列共振回路58は、コイルL1及び可変容量CLよりなる並列回路にて構成されている。図11の実線59に示すように、並列共振回路58は、共振周波数foで最もインピーダンスが大きくなり、共振周波数foから離れるほどインピーダンスが小さくなる。因みに、図11の破線60に示すように、コイル単体では、周波数に比例してインピーダンスが大きくなる。従って、並列共振回路58は、コイル単体よりも小さなコイルで所定のインピーダンスにすることができる。
【0086】
並列共振回路58は、選択回路57から周波数制御信号Ssが入力される。並列共振回路58は、入力された周波数制御信号Ssに応じて、共振周波数foを変更している。つまり、ホスト装置1の送信時において、並列共振回路58は、周波数制御信号Ssとしての変調パターンデータDmに応じて、ホスト装置1が送信する通信信号Scのキャリア周波数に共振周波数foを合わせている。一方、ホスト装置1の受信時において、並列共振回路58は、周波数制御信号Ssとしての周波数復調データDdに応じて、ホスト装置1が受信する通信信号Scのキャリア周波数に共振周波数foを合わせている。
【0087】
すなわち、並列共振回路58は、ホスト装置1が送受信する通信信号Scのキャリア周波数に共振周波数foを合わせることにより、通信信号Scのキャリア周波数でそのインピーダンスが最も高くなっている。従って、並列共振回路58は、電源線LVを介して電源回路55に入力される通信信号Scのキャリア周波数の振幅を低減している。さらに、並列共振回路58は、通信信号Scのキャリア周波数の偏移に合わせて共振周波数foを変更するため、通信信号Scのキャリア周波数が偏移しても電源線LVを介して入力される通信信号Scのキャリア周波数の振幅を低減することができる。
(スレーブ装置2)
図12に示すように、スレーブ装置2は、ホスト装置1の構成からコントローラ11、電源回路55を削除し、負荷3を駆動制御するための電源制御回路61、電源線LVの電圧変動を低減させるための第5コンデンサC5を追加した構成になっている。また、スレーブ装置2は、その通信制御回路12aの動作がホスト装置1の通信制御回路12の動作と異なる。その他の構成はホスト装置1と同じ構成のため、先の図3に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号にサフィックス「a」を付して示し、それら各要素については説明を省略する。
【0088】
電源制御回路61は、電源VDDがホスト装置1から供給されている。電源制御回路61は、ホスト装置1から受信したデータである受信データDrが通信制御回路12aを介して入力される。電源制御回路61は、入力された受信データDrに応じて負荷3を駆動制御する。次に、電源制御回路61は、ホスト装置1からデータを要求される受信データDrが通信制御回路12aを介して入力される。そして、電源制御回路61は、受信データDrに基づいて、ホスト装置1から要求されたデータを含む送信データDtを通信制御回路12aに対して出力する。
【0089】
通信制御回路12aは、初期設定としてホスト装置1から通信信号Scを受信するためのLレベルの通信制御信号Seを送信回路13a及び電源回路部15aに出力している。通信制御回路12aは、ホスト装置1から受信するデータである受信データDrを受信回路14aから入力する。通信制御回路12aは、入力された受信データDrを電源制御回路61に出力する。
【0090】
次に、通信制御回路12aは、電源制御回路61からホスト装置1に送信するデータである送信データDtを入力する。そして、通信制御回路12aは、送信回路13aに対して、通信信号Scをホスト装置1に送信させるためのHレベルの通信制御信号Se、及び、ホスト装置1に送信するデータである送信データDtを出力する。また、通信制御回路12aは、電源回路部15aに対して通信信号Scをホスト装置1に送信させるためのHレベルの通信制御信号Seを電源回路部15aに出力する。
【0091】
続いて、通信制御回路12aは、初期設定に戻り、ホスト装置1から通信信号Scを受信するためのLレベルの通信制御信号Seを送信回路13a及び電源回路部15aに対して出力する。つまり、スレーブ装置2は、通常動作としてホスト装置1から通信信号Scを受信する状態になっている。
【0092】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)電流制御発振器23,23aは、変調パターン発生器21に記憶されている変調パターンに基づいて、通信信号Scの搬送波をFM変調した。電源回路部15,15aの並列共振回路58,58aは、通信信号Scのキャリア周波数の偏移に合わせて、その共振周波数foを変更した。
【0093】
従って、通信信号Scのキャリア周波数が偏移するため、電源線LVからの通信信号Scによる雑音放射のノイズレベルを低減することができる。また、並列共振回路58,58aのインピーダンスを通信信号Scのキャリア周波数で最も大きくすることができる。これにより、並列共振回路58,58aのコイルL1は、小さなインダクタンス値でもキャリア周波数の通信信号Scを所定の電圧レベルまで低減することができる。
【0094】
(2)第2バンドパスフィルタ42,42aは、通信信号Scのキャリア周波数の偏移に合わせて、受信信号Srを通過させる周波数帯域を変更するようにした。従って、上記のように通信信号Scのキャリア周波数を偏移させても、第2バンドパスフィルタ42,42aは、通信信号Scのキャリア周波数を通過させることができる。
【0095】
(3)FM復調回路43,43aは、第1バンドパスフィルタ41,41aからの受信信号Srを入力し、その受信信号SrをFM復調して周波数復調信号Sdを生成した。従って、FM復調回路43,43aは、第1バンドパスフィルタ41,41aにて通信信号Scの偏移する周波数帯域だけを通過させた受信信号SrをFM復調しているため、精度良くFM復調することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を図13及び図14に従って説明する。
【0096】
第1実施形態では、FM復調回路43,43aが、第1バンドパスフィルタ41,41aを介して受信した通信信号ScをFM復調した周波数復調信号Sdに基づいて通信信号Scのキャリア周波数を認識していた。
【0097】
第2実施形態では、ホスト装置1a及びスレーブ装置2aは、送信するデータとともに、送信する通信信号Scのキャリア周波数のデータも送信データDtとして送信するようになっている。
【0098】
以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図13に示す第2実施形態のホスト装置1aは、図3に示す第1実施形態のホスト装置1に対して、通信制御回路12の設定回路71を追加し、FM復調回路43を削除している。同様に、図14に示す第2実施形態のスレーブ装置2aは、図12に示す第1実施形態のスレーブ装置2に対して、通信制御回路12aの設定回路71aを追加し、FM復調回路43aを削除している。なお、先の図1〜図12に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素については説明の便宜上説明を省略する。
【0099】
図13に示すように、スレーブ装置2aに通信信号Scを送信する場合、通信制御回路12は、通信信号Scのキャリア周波数のデータとして変調パターン発生器21から変調パターンデータDmが入力される。通信制御回路12は、送信するデータとともに変調パターンデータDmも送信データDtとしてASK変調回路24に出力する。
【0100】
一方、スレーブ装置2aから通信信号Scを受信する場合、通信制御回路12の設定回路71は、スレーブ装置2aから受信した通信信号Scを復調して得た変調パターンデータDm、及び、初期値としての初期周波数データDiが入力される。設定回路71は、スレーブ装置2aから通信信号Scを最初に受信する場合、初期周波数データDiを周波数データDfとして第2バンドパスフィルタ42及び選択回路57に出力する。
【0101】
第2バンドパスフィルタ42は、入力された周波数データDfに応じて、受信信号Srを通過させる周波数帯域を通信信号Scのキャリア周波数に合うよう変更する。選択回路57は、入力された変調パターンデータDmを選択して周波数制御信号Ssとして並列共振回路58に出力する。並列共振回路58は、入力された周波数制御信号Ssに応じて、共振周波数foを通信信号Scのキャリア周波数に合うよう変更する。
【0102】
すなわち、スレーブ装置2aから通信信号Scを最初に受信する場合、第2バンドパスフィルタ42が受信信号Srを通過させる周波数帯域が、受信した通信信号Scのキャリア周波数と大きく離れていると、受信した通信信号Scを減衰させてしまう。これにより、受信回路14は、受信した通信信号Scを復調して変調パターンデータDmを得ることができない。また、並列共振回路58の共振周波数foが、受信した通信信号Scのキャリア周波数と大きく離れていると、電源回路55に電源線LVを介して通信信号Scが供給されてしまう。
【0103】
そこで、通信信号Scを最初に受信する場合、設定回路71は、初期値として予め設定された通信信号Scのキャリア周波数である初期周波数データDiを周波数データDfとして第2バンドパスフィルタ42及び選択回路57に出力している。
【0104】
そして、スレーブ装置2aから通信信号Scを最初に受信すると、設定回路71は、スレーブ装置2aから受信した通信信号Scを復調して得た変調パターンデータDmを周波数データDfとして第2バンドパスフィルタ42及び選択回路57に出力する。
【0105】
図14に示すように、スレーブ装置2aは、上記のホスト装置1aの変更と同様の変更を行っている。このため、先の図13に示した部材と同一の部材にそれぞれ同一の符号にサフィックス「a」を付して示し、それらの各要素について詳細な説明は省略する。
【0106】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ホスト装置1aは、送信する通信信号Scのキャリア周波数のデータを含む送信データDtをスレーブ装置2aに送信するようにした。また、スレーブ装置2aは、送信する通信信号Scのキャリア周波数のデータを含む送信データDtをホスト装置1aに送信するようにした。
【0107】
従って、ホスト装置1a及びスレーブ装置2aは、FM復調回路43,43aを用いずに、受信する通信信号Scのキャリア周波数を認識することができる。この結果、ホスト装置1a及びスレーブ装置2aは、FM復調回路43,43aの回路分、回路規模を削減することができる。
【0108】
尚、上記実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・本実施形態では、通信信号Scの搬送波を生成するために電流制御発振器23,23aを用いていた。これに限らず、変調パターン発生器21,21aに記憶されている変調パターンに基づいて、搬送波をFM変調することができれば、通信信号Scの搬送波を生成する回路は特に制限されない。
【0109】
例えば、CR発振器で容量値や抵抗値を制御することで搬送波をFM変調してもよく、また、ロジック回路で直接FM変調された搬送波を生成してもよい。
・本実施形態では、ASK変調回路24,24aは、第1コンデンサC1と第4〜第7抵抗R4〜R7にてローパスフィルタを構成して通信信号Scの高調波の電圧レベルを低減していた。これに限らず、通信信号Scのキャリア周波数の偏移に応じたカットオフ周波数になるように、第1コンデンサC1の容量値を変更してもよい。
【0110】
従って、通信信号Scのキャリア周波数が偏移しても、第1コンデンサC1と第4〜第7抵抗R4〜R7よりなるローパスフィルタによって、通信信号Scの高調波の電圧レベルを低減することができる。
【0111】
・本実施形態では、第2バンドパスフィルタ42,42aは、図9に示す回路を用いていた。これに限らず、第2バンドパスフィルタ42,42aは、第1実施形態では周波数復調信号Sdに応じて、また、第2実施形態では周波数データDfに応じて、受信信号Srを通過させる周波数帯域を変更可能なバンドパスフィルタ(例えば、アクティブフィルタやパッシブフィルタ)であれば特に制限されない。
【0112】
・本実施形態では、FM復調回路43,43aは、図4に示すような回路を用いていた。これに限らず、受信信号Srを復調することができれば、FM復調回路43,43aの回路構成は特に制限されない。
【0113】
例えば、FM復調回路43,43aは、図15に示すPLL方式のFM復調回路43bを用いてもよい。図15に示すように、FM復調回路43bは、制限振幅器(リミッティングアンプ)62、gm−Cオシレータ63、位相比較回路64、ローパスフィルタ65を有している。
【0114】
制限振幅器62は、第1バンドパスフィルタ41,41aから受信信号Srが入力される。制限振幅器62は、入力された受信信号Srを所定の振幅(例えば、フル振幅)にそろえて制限受信信号LSrとして位相比較回路64に出力する。gm−Cオシレータ63は、ローパスフィルタ65からの周波数復調信号Sdが入力される。gm−Cオシレータ63は、入力された周波数復調信号Sdに応じて、そのクロック信号CLKの周波数を変更する。
【0115】
位相比較回路64は、制限振幅器62から制限受信信号LSr及びgm−Cオシレータ63からクロック信号CLKが入力される。位相比較回路64は、入力された制限受信信号LSr及びクロック信号CLKを比較し、その比較結果をローパスフィルタ65を介して周波数復調信号Sdとして第2バンドパスフィルタ42,42a及びgm−Cオシレータ63に出力する。
【0116】
このような構成により、gm−Cオシレータ63、位相比較回路64、ローパスフィルタ65よりなる制御ループは、制限受信信号LSr及びクロック信号CLKの周波数が一致するように制御する。
【0117】
すなわち、FM復調回路43bは、入力される受信信号Srの周波数に応じて周波数復調信号Sdの電圧値を変更することで、受信信号SrをFM復調している。
・第2実施形態では、ホスト装置1a及びスレーブ装置2aは、異なるキャリア周波数で通信信号Scを送信していた。これに限らず、スレーブ装置2aは、ホスト装置1aから受信した通信信号Scのキャリア周波数と同じキャリア周波数で、通信信号Scを送信してもよい。
【0118】
この変更に伴い、ホスト装置1aは、スレーブ装置2aから通信信号Scを受信する場合、第2バンドパスフィルタ42は、変調パターン発生器21から変調パターンデータDmが入力される。第2バンドパスフィルタ42は、入力された変調パターンデータDmに応じて、受信信号Srを通過させる周波数帯域を、受信した通信信号Scのキャリア周波数に合わせている。
【0119】
すなわち、ホスト装置1aは、スレーブ装置2aに送信した通信信号Scのキャリア周波数と同じキャリア周波数の通信信号Scをスレーブ装置2aから受信する。従って、第2バンドパスフィルタ42は、スレーブ装置2aに送信する通信信号Scのキャリア周波数を生成するためのデータである変調パターンデータDmに応じて、受信信号Srを通過させる周波数帯域を変更している。
【0120】
一方、スレーブ装置2aは、ホスト装置1aに通信信号Scを送信する場合、送信回路13aのD/A変換回路22aは、通信制御回路12aの設定回路71aから周波数データDfが入力される。つまり、スレーブ装置2aは、ホスト装置1aから受信した通信信号Scのキャリア周波数と同じキャリア周波数の通信信号Scをホスト装置1aに送信する。このため、送信回路13aは、ホスト装置1aから受信した通信信号Scのキャリア周波数を生成するための変調パターンデータDmに応じて、スレーブ装置2aに送信する通信信号Scの搬送波を生成している。
【0121】
従って、ホスト装置1aは、選択回路57及び設定回路71を削除することができる。また、スレーブ装置2aは、選択回路57a及び変調パターン発生器21aを削除することができる。この結果、ホスト装置1a及びスレーブ装置2aは、上記の削除した回路分、回路規模を削減することができる。
【0122】
・第2実施形態では、ホスト装置1a及びスレーブ装置2aは、そのときに送信する通信信号Scのキャリア周波数を生成するための変調パターンデータDmを含む送信データDtを送信していた。
【0123】
これに限らず、送信する通信信号Scのキャリア周波数のデータは、送信する通信信号Scのキャリア周波数と近い周波数であれば特に制限されない。例えば、次に送信する通信信号Scのキャリア周波数、又は、そのときに送信する通信信号Scのキャリア周波数と次に送信する通信信号Scのキャリア周波数との中間の周波数を生成する変調パターンデータDmを送信してもよい。
【0124】
・本実施形態では、図2に示すように、ホスト装置1,1a及びスレーブ装置2,2aは、送信する通信信号Scのキャリア周波数を三角波のように上げ下げしていた。これに限らず、送信する通信信号Scのキャリア周波数は、一定の周波数でなければ特に制限されない。例えば、送信する通信信号Scのキャリア周波数をのこぎり波のように上げ下げしてもよく、また、送信する通信信号Scのキャリア周波数をステップ上に上げ下げしてもよい。
【0125】
従って、ホスト装置1,1a及びスレーブ装置2,2aは、送信する通信信号Scのキャリア周波数を拡散させることで、本実施形態と同様に、通信信号Scの搬送波の電圧レベルを低減して雑音放射を抑制することができる。
【符号の説明】
【0126】
1,1a,2,2a 送受信装置(ホスト装置,スレーブ装置)
13,13a 送信回路
41,41a 第1フィルタ回路
42,42a 第2フィルタ回路
43,43a,43b FM復調回路
58,58a 共振回路(並列共振回路)
Df データ(送信データ)
fo 共振周波数
Sc 信号(通信信号)
Sd 復調信号(周波数復調信号)
Sf 搬送波(周波数変調信号)
LV 電源線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送受信装置間での信号を、電源線を介して送受信する電源線通信を行う送受信装置であって、
前記信号の搬送波をFM変調して前記信号を送信する送信回路と、
受信した前記信号をFM復調して復調信号を生成するFM復調回路と、
前記復調信号に応じて、受信した前記信号を通過させる周波数帯域を変更する第1フィルタ回路と
を有することを特徴とする送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送受信装置であって、
前記FM復調回路は、
前記第1フィルタ回路より通過させる周波数帯域が広帯域な第2フィルタ回路を介して受信した前記信号をFM変調して前記復調信号を生成することを特徴とする送受信装置。
【請求項3】
複数の送受信装置間での信号を、電源線を介して送受信する電源線通信を行う送受信装置であって、
搬送波をFM変調して前記信号を送信し、データとして前記FM変調した搬送波の周波数を送信する送信回路と、
受信した前記信号に含まれるFM変調した搬送波の周波数に応じて、受信した前記信号を通過させる周波数帯域を変更する第1フィルタ回路と
を有することを特徴とする送受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の送受信装置であって、
一方の送受信装置は、他方の送受信装置から受信した前記信号の搬送波と同じ周波数の搬送波で、前記信号を送信することを特徴とする送受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の送受信装置であって、
前記電源線は、電源を供給する経路と、前記信号を送受信する経路とに分岐され、
前記電源を供給する経路に、前記信号の搬送波の周波数と共振周波数を一致させる共振回路を挿入することを特徴とする送受信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の送受信装置であって、
前記第1フィルタ回路は、
予め設定された前記信号の送信を開始する周波数に応じて、前記信号を通過させる周波数帯域を変更し、
前記共振回路は、
予め設定された前記信号の送信を開始する周波数に応じて、前記共振周波数を変更することを特徴とする送受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の送受信装置であって、
前記送信回路は、
搬送波の周波数に応じてカットオフ周波数を変更する第3フィルタ回路を有することを特徴とする送受信装置。
【請求項8】
複数の送受信装置間で信号を電源線を介して送受信する電源線通信方法であって、
搬送波をFM変調して前記信号を送信する工程と、
受信した前記信号をFM復調して復調信号を生成する工程と、
前記復調信号に応じて受信した前記信号を通過させる周波数帯域を変更する工程と
を有することを特徴とする電源線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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