説明

逆止弁

【課題】 ゴミなどが絡まり難く、逆止機能の信頼性が高く、工具が使い易く、交換のし易い逆止弁を提供する。
【解決手段】 入水口11及び出水口12を有し、両口間に流路を有し、流路間に開口部15を有する弁本体1と、弁本体内に配置され、流路を遮断する逆止弁カートリッジ10とを具備する。逆止弁カートリッジは、シート3と、シートに先端部が固定されたカートリッジ本体4と、当該カートリッジ本体4に収納されたスプリング6と、当該スプリングに付勢されてシートに当接するディスク5と、カートリッジ本体の先端部と対向する側を嵌着する蓋2とからなり、入水口及び出水口間の水平軸線に対して出水口側に傾斜して開口部に固定される。弁本体に1つ以上のユニバーサル穴を有する場合、配管の分岐、統合、機能検査、各種機器の接続等が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道システムに使用される逆止弁の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道システムにおいて、例えば、公共水道管網で、本管バルブ操作や本管の破裂、大きな圧力変動(増設ポンプの停止や消火栓からの緊急取水などで配管系の一部に極端な水需要が生じた場合など)によって圧力低下が生じた時に、水道水が逆流することがある。この逆流によって、一度排出された水道水を水道管内に吸引してしまうことがあるが逆止弁は、この様な現象を防止するために水道水の流路に設置されるものである。
従来、流体の逆流を防止する逆止弁は、各種使用されているが、多くは、水道配管の途中に挿入して、適宜位置に取付けるように構成されている。逆止弁は、例えば、弁体と弁体を付勢するスプリングを備えたハウジングから構成されており、スプリングが流路中に配置されている(特許文献1参照)。また、従来技術を示す特許文献2には弁の軸線が入水口及び出水口間の水平軸線に対して傾斜するように構成された逆止弁が開示されている。
【特許文献1】特開昭59−37375号公報
【特許文献2】実公昭55−45944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水道システムにおいて、配管施工直後では、配管内に種々なゴミが存在しており、配管洗浄時などでは逆止弁にゴミ等が付着することがあった。また、配管の管内錆びや水垢等のゴミも経年により次第に存在するようになる。このようなゴミは、流路に配置された逆止弁のスプリングに絡み付いて逆止弁機能劣化を招いていた。このように逆止弁は、配管洗浄時や経年により機能が劣化する。従って逆止機能を維持するには、時折、部品を交換してその機能劣化を防ぐ必要がある。従来は、機能劣化を防ぐ方法として、弁本体の交換があったが、弁本体を水道配管から取り外して弁本体ごと交換をしなければならず、その作業は困難であった。
一方で、逆止弁には、逆止機能部のみを交換できるものも存在する(図4(b)参照)が、一般的に逆止弁と量水器とが設置されている量水器筐が設置される場所は、塀や家屋の間などの狭い環境にあり、このような場所に量水器と共に地下に埋設された逆止弁の逆止機能部の交換には、作業者の無理な姿勢に加えて、量水器筐内の量水器に締め工具が接触し、作業が非常に困難であるという問題があった(図4(b)参照)。
【0004】
また、従来の逆止機能部のみの交換においては、交換場所にて逆止機能部を組み込む作業のために、組み込み違い等の不具合が発生しても、交換時点では、不具合が判らないという問題もあった。
更に、弁本体には、機能検査ができる機能が無いために、弁本体を配管に接続した後に逆止機能を検査するには、多くの労力を必要としていた。また、弁本体の一次側にて複数の配管を合流させる場合や弁本体の二次側から複数の配管を分岐させるには継手を配管長手方向に接続せざるを得ないために、狭い量水器筐内では、これら合流や分岐などは、ほとんど出来ないという問題もあった。
本発明は、このような事情によりなされたものであり、流路内を流れるゴミなどがスプリングに絡まり難く、逆止機能部の交換時に締め工具が使い易く、逆止機能部を一体のユニット化して逆止機能の信頼性が高く、交換のし易い逆止弁を提供する。また、斯様な逆止弁において、逆止機能ユニット内のスプリングを収納する空間に存在する水を、容易に流路内に誘導してスプリング機能を十分に発揮させる逆止弁を提供する。また、斯様な逆止弁において、機能検査、配管の統合、分岐および各種機器の接続等が容易になる逆止弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の逆止弁は、一次側に設けられた入水口及び二次側に設けられた出水口を有し、前記入水口及び出水口間に流路を有し、且つ前記流路間に開口部を有する弁本体と、前記弁本体内に配置され、前記流路を遮断する逆止弁カートリッジとを具備し、前記逆止弁カートリッジは、シートと、当該シートに先端部が固定されたカートリッジ本体と、当該カートリッジ本体内に収納されたスプリングと、前記カートリッジ本体内に配置され前記スプリングに付勢されて前記シートに当接するディスクと、前記カートリッジ本体の前記先端部と対向する側と嵌着した蓋とから構成され、前記蓋は軸線が前記入水口及び出水口間の水平軸線に対して前記二次側に傾斜するように、前記開口部内の係止部に固定されていることを特徴としている。前記弁本体は少なくとも前記一次側もしくは二次側のいずれか一方もしくは双方に1つ以上のユニバーサル穴を有するようにしても良い。前記ディスク又は前記カートリッジ本体には少なくとも上面もしくは側面に前記スプリングを収納する空間の水を前記流路に誘導するガイドを1つ以上設けるようにしても良い。
前記カートリッジ本体及び前記カートリッジ本体に嵌着された前記蓋は、前記カートリッジ本体に設けられるか、あるいは前記カートリッジ本体と前記蓋との間に設けられた凸状部材に係合されて一体化され、前記蓋からの前記カートリッジ本体の離脱は、前記凸状部材の弾性力に抗することにより行われるようにしてもよい。前記蓋の内側には溝状部を形成するか、あるいは前記蓋の内側に設けられた別部材により溝状部を形成し、前記カートリッジ本体には嵌合部材を形成し、前記カートリッジ本体と前記蓋とは前記溝状部に前記嵌合部材を嵌合することにより一体化し、前記蓋からの前記カートリッジ本体の離脱は、前記嵌合部材を嵌合した前記溝状部に所定の形状に合わせることにより行われるようにしても良い。前記カートリッジ本体と前記蓋とは、前記カートリッジ本体に前記蓋をねじ込むか、前記カートリッジ本体と前記蓋とをねじ止めするか、或いは前記カートリッジ本体と前記蓋とを同じ材料で形成して一体化するようにしても良い。
【発明の効果】
【0006】
流路内を流れるゴミなどがスプリングに絡まり難く機能低下が起こり難い、また、逆止機能部の交換時に締め工具が使い易く、逆止機能部を一体のユニット化しているので逆止機能の信頼性が高く交換がし易い。また、ガイドを設けているので、スプリングを収納する空間に存在する水が容易に誘導され、スプリング機能を十分に発揮させ易い。また、ユニバーサル穴を用いることにより配管の分岐、統合、機能検査、各種機器の接続等が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、実施例を参照して発明の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、図1乃至図16を参照して実施例1を説明する。
図1は、この実施例の逆止弁の正面断面図、図2は、この実施例の逆止弁の通水状態を説明する正面断面図、図3は、この実施例の逆止弁の逆止状態を説明する正面断面図、図4は、この実施例及び従来例を説明する水道システムの配置図、図5及び図6は、逆止弁カートリッジの交換を説明する逆止弁の正面断面図、図7は、カートリッジ本体の交換を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図、図8及び図9は、蓋からカートリッジ本体を交換する手順を説明する逆止弁カートリッジの右側面図、図10は、ディスク作動時の水の流れを説明する逆止弁カートリッジの正面断面図及び右側面半断面図、図11は、ディスクの斜視図、正面図及びA−A線に沿う部分の断面図、図12は、カートリッジ本体の上面図、正面図及び側面図、図13は、蓋とカートリッジ本体の一体化を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図及びリングスプリング平面図、図14は、蓋とカートリッジ本体の一体化を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図及びA−A、B−Bに沿う部分の断面図、図15は、蓋とカートリッジ本体の一体化を説明するカートリッジ本体の正面断面図及び蓋の側面断面図、図16は、蓋とカートリッジ本体の一体化を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図である。
【0009】
図1に示す様に、この実施例に係る逆止弁は、一次側に設けられた入水口11及び二次側に設けられた出水口12を有し、入水口11及び出水口12間に図2の様に矢印に示す流路(水の流れ)を有する弁本体1を有している。弁本体1は、入水口11及び出水口12の他に両者間上部に第3の開口である開口部15(図6参照)を有している。弁本体1内には、逆止弁カートリッジ10を有し、逆止弁カートリッジ10は、流路を遮断し、止水と通水とを可能にするディスク5と、ディスク5を付勢するスプリング6と、スプリング6を支持するカートリッジ本体4と、カートリッジ本体4の先端に嵌合し固定されたシート3と、カートリッジ本体4のシート3が嵌合された側と対向する側に嵌合されて固定された蓋2を有している。弁本体1には逆止弁カートリッジ10を収める逆止弁カートリッジ収納部14を備え、逆止弁カートリッジ収納部14は、逆止弁カートリッジ10を載置する係止部13及び開口部15を有している。逆止弁カートリッジ10は、軸線bが前記入水口11及び出水口12間の水平軸線aに対して二次側(出水口側)に傾斜するように、蓋2により開口部15に螺合固定されている(図6参照)。
【0010】
次に、図2及び図3を参照して実施例1の逆止弁の動作について説明する。
図1に示す状態の逆止弁を水道管等に接続する。入水口11から通水すると、流路(図2の矢印に示す水の流れ)に沿って水はディスク5を押し上げ、流路に従って出水口12から出水していく。このとき、ディスク5は、スプリング6の付勢力に抗して動水圧によりシート3から離れる(図2)。
図3は、逆止弁が通水時(図2)に、入水口11より前の一次側にて逆流要因(負圧)を生じた時に、逆止弁カートリッジが作動した状態を示している。例えば、水道本管に破裂等による断水の異常が発生した時には、出水口12(二次側)から入水口11(一次側)へ水が逆流する逆流要因(負圧)が発生する。この逆流要因(負圧)とスプリング6の付勢力によりディスク5に装着されたOリングパッキン7がシート3に当接密着して逆流を防止する。
【0011】
次に、図5乃至図9を参照して逆止弁カートリッジ10の交換方法を説明する。
逆止弁カートリッジ10は、弁本体1に設けられた逆止弁カートリッジ収納部14の係止部13に搭載され、Oリングパッキン8によりシート3が係止されている。開口部15の内側及び蓋2の外側にはネジが切られており、両者を合わせ、蓋2を回すことにより、逆止弁カートリッジ10を逆止弁カートリッジ収納部14に収納固定し、収納固定時の反対側に蓋2を回すことにより、逆止弁カートリッジ10を逆止弁カートリッジ収納部14より離脱する。したがって、蓋2の外観は、締め工具を用いることが出来る様になっている。逆止弁カートリッジ10の交換方法は、まず蓋2を締め工具により緩めてから、蓋2と一体化した逆止弁カートリッジ10を、弁本体1の逆止弁カートリッジ収納部14より抜き出す。抜き出した蓋2と一体化した逆止弁カートリッジ10を蓋2と分離する。新しい逆止弁カートリッジ10を蓋2と一体化する。次に、新しい蓋2と一体化した逆止弁カートリッジ10を開口部15から弁本体1の逆止弁カートリッジ収納部14に挿入し、蓋2を締め工具を用いて締めて固定する。
【0012】
逆止弁カートリッジ10は、カートリッジ本体4を蓋2に嵌着して両者を一体化する。このようにして、逆止弁カートリッジ10を弁本体1から抜き易くしてその交換作業を容易にする。この実施例では、カートリッジ本体4のシート3が取り付けられた端部とは反対側の端部近傍にツメ(凸状部材)16を2つ形成する。カートリッジ本体4は弾性材料からなり、ツメ16は、カートリッジ本体4の側面方向から押された場合内側に収縮する。一方蓋2内部の頭部近傍に幅広部17を形成する。幅広部17の、隣接下部分に段差が形成されている。蓋2にカートリッジ本体4をツメ16が形成されている側の端部から挿入すると、ツメ16の外側は蓋2の隣接下部分によって規制され、内側に収縮しながら摺動し、さらに突き当たるまで挿入すると、ツメ16は蓋2の幅広部17に達する。このとき、ツメ16の外側は規制から外れ、ツメ16の弾性力により元の形態に戻る。また、幅広部17と隣接下部分の段差によりツメ16が係止されて、カートリッジ本体4と蓋2が一体化する(図7)。
カートリッジ本体4を蓋2から取り外すには、カートリッジ本体4の蓋2で覆われた部分の近傍に工具19が挿入できる切り欠き部18を設けておき、その切り欠き部18に工具19を差し込み、これを回転させてカートリッジ本体4のツメ16の外側を隣接下部分によって規制される位置まで移動させる(図8)。その後、カートリッジ本体4をツメ16の弾性力に抗して蓋2から離脱させる。(図9)。
【0013】
次に、図4を参照して、地下での実施例の逆止弁の交換を説明する。
逆止弁は、量水器の二次側に取り付けられている。締め工具を用いて逆止弁の六角ナット状頭部(図7の蓋2)を回して逆止弁カートリッジを取り外す。このとき、六角ナット状の頭部は二次側に傾斜しているので、締め工具が量水器に当たることはない(図4(a))。これに反して、従来の逆止弁は、頭部が傾斜していないので、工具を用いると量水器に当たる可能性がある(図4(b))。
【0014】
次に、図10及至図12を参照して、ディスク作動時の水の流れを説明する。ディスク5やスプリング6が収納されている逆止弁カートリッジ10内部は、カートリッジ本体4とディスク5とスプリング6との間隔が狭く、ディスク5の稼動が、この間に内在する水に阻害され、スプリング機能が十分発揮できないという問題がある。そこで、この問題を解消するために、図11では、ディスク5の側面にディスク軸線に沿って4つのガイド20を形成する。また、図12では、カートリッジ本体4の上部側面に2つのガイド21を形成する。このガイド20、21により、図10の矢印(水の流れ)に示すように、カートリッジ本体4とディスク5とスプリング6の間に内在する水を流路に容易に誘導させることができるので、ディスク5のスムーズな稼動が可能になりスプリング機能を十分発揮できるようになる。ガイドの位置及び数は、逆止弁カートリッジ10内部の状態によって適宜決めることが出来る。
【0015】
次に、図13乃至図16を参照して、カートリッジ本体と蓋の一体化を説明する。逆止弁カートリッジを構成するカートリッジ本体と蓋の一体化は、図7の示す通りカートリッジ本体4のツメ16(凸状部材)と蓋2の幅広部との係合により達成される。
しかし、この実施例で説明される一体化にのみに限定されるものではなく、図13乃至図16に示す一体化手順も適用が可能である。
図13は、図7と同様に、カートリッジ本体4及び蓋2は、カートリッジ本体4に設けられるか、カートリッジ本体4と蓋2との間に設けられた凸状部材に係合されて一体化され、蓋2からのカートリッジ本体4の離脱は、凸状部材の弾性力に抗することにより行われる構成である。図13(a)で説明する逆止弁カートリッジは、カートリッジ本体4の上部側面に溝を形成してリングスプリング22(凸状部材)を配置し、この状態で蓋2にカートリッジ本体4を嵌めて固定する。図13(c)で説明する逆止弁カートリッジは、カートリッジ本体4の上部側面及び蓋2側面に溝を形成してこれらにOリング23(凸状部材)を配置し、この状態で蓋2にカートリッジ本体4を嵌めて固定する。
【0016】
図14及び図15は、蓋2の内側に溝状部を形成するか、あるいは蓋2の内側に設けられた別部材により溝状部を形成し、カートリッジ本体4には嵌合部材を形成し、カートリッジ本体4と蓋2とはこの溝状部に嵌合部材を嵌合することにより一体化し、蓋2からの前記カートリッジ本体4の離脱は、嵌合部材を嵌合した溝状部に所定の形状に合わせることにより行われる構成である。図14で説明する逆止弁カートリッジは、カートリッジ本体4端部に突出する嵌合部材24及び蓋2内側に設けた嵌合溝25を用いて一体化する。突起を有する鍵穴状嵌合部材24を部分的に同じ形状の嵌合溝25に嵌込み、嵌合部材24の突起部分を嵌合溝25の他の部分に移動させて、嵌合部材24と嵌合溝25とを係止する。
図15で説明する逆止弁カートリッジは、カートリッジ本体4側面外周に突出する嵌合部材26及び蓋2内側の側面に設けた嵌合溝27を用いて一体化する。嵌合溝27は、嵌合溝と同じ形状(図15(c)に示す様に横長部と縦長部をT字状に組み合わせた形状)に切り抜いた部分を有する板状部材28を蓋2の内側に貼付け、ネジ29で固定することにより形成する。嵌合部材26を部分的に同じ形状の嵌合溝27の縦長部に嵌込み、嵌合部材26の突起部分を嵌合溝27の他の部分(横長部)に移動させて、嵌合部材26と嵌合溝27とを固定する。
【0017】
図16は、カートリッジ本体4と蓋2とは、カートリッジ本体4に蓋2をねじ込むか、カートリッジ本体4と蓋2とをねじ止めするか、あるいはカートリッジ本体4と蓋2とを同じ材料で形成する構成である。図16(a)で説明する逆止弁カートリッジは、蓋2とカートリッジ本体4とをカートリッジ本体4に蓋2をねじ込むことにより一体化される。カートリッジ本体4外側面の一端周辺に螺旋溝31を形成し、この螺旋溝31に蓋2内面に形成した螺旋溝に合わせてこれをネジ込むことにより達成される。図16(b)で説明する逆止弁カートリッジは、蓋2とカートリッジ本体4とをネジ30により固定することにより一体化される。
図16(c)で説明する逆止弁カートリッジは、カートリッジ本体4が蓋2と同じ材料で形成されて一体化される。逆止弁カートリッジ4の一端には蓋部分32が設けられている。蓋部分32の外観は、実施例の他の例と同じように、ナット状の六角形状をしている。また、蓋部分32の外周には、実施例の他の例と同様に、螺旋溝が形成されており、逆止弁カートリッジを弁本体を装着する際に、この螺旋溝を逆止弁カートリッジ収納部14の開口部15の周辺に設けた螺旋溝に合わせてねじ込んで逆止弁カートリッジ10を固着することが出来る(図5参照)。
【0018】
以上、この実施例では、流路内を流れるゴミなどがスプリングに絡まり難く機能低下が起こり難い。また、逆止機能部の交換時に工具が使い易く、逆止機能部を一体のユニット化しているので逆止機能の信頼性が高く交換がし易い。また、ガイドを設けているのでスプリングを収納する空間に存在する水が流路に容易に誘導される。
【実施例2】
【0019】
次に、図17乃至図21を参照して実施例2を説明する。
図17は、この実施例の逆止弁正面断面図、図18は、この実施例の逆止弁正面図、図19は、この実施例の逆止弁を配設した水道システムの配置図、図20は、この実施例に継手を取り付けた逆止弁の正面図、図21は、この実施例に継手を取り付けた逆止弁の右側面図及び継手正面図である。なお、実施例1で説明された逆止弁カートリッジの一体化手法やガイドを形成する例はこの実施例にも適用される。
【0020】
図17及び図18に示すこの実施例に係る逆止弁は、図1と同様に、一次側に設けられた入水口11及び二次側に設けられた出水口12を有し、入水口11及び出水口12間に流路(水の流れ)を有する弁本体1を有している。弁本体1は、入水口11及び出水口12の他に両者間上部に第3の開口である開口部を有している。弁本体1内には、逆止弁カートリッジ10を有し、逆止弁カートリッジ10は、流路を遮断し、止水と通水とを可能にするディスク5と、ディスク5を付勢するスプリング6と、スプリング6を支持するカートリッジ本体4と、カートリッジ本体4の先端に嵌合し固定されたシート3と、カートリッジ本体4のシート3が嵌合された側と対向する側に嵌合されて固定された蓋2を有している。弁本体1には逆止弁カートリッジ10を収める逆止弁カートリッジ収納部14を備え、逆止弁カートリッジ収納部14は、逆止弁カートリッジ10を載置する係止部13及び開口部15を有している。
【0021】
この実施例の特徴は、実施例1において説明した逆止弁弁本体1の一次側もしくは二次側の少なくとも一方に少なくとも1つ以上のユニバーサル穴を有することである。図17に示す逆止弁は、入水口11側(一次側)に2つのユニバーサル穴33a、33b及び出水口12側(二次側)に2つのユニバーサル穴34a、34bを有しており、それらはねじ止めにより封止されている。
図19に示すように、この実施例の逆止弁は、地下に設置されている。逆止弁は、量水器の二次側に取り付けられている。逆止弁交換の際、締め工具を用いて逆止弁の頭部を回して逆止弁カートリッジを取り外す。このとき、頭部は二次側に傾斜しているので、締め工具が量水器に当たることはない。
図20、21では、弁本体1の出水口12側の1つのユニバーサル穴34aを封止していたネジを外し、継手36を取り付ける。
以上、この実施例は、実施例1の作用効果と共にユニバーサル穴を用いることにより配管の分岐、統合、機能検査、各種機器の接続等を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1の逆止弁の正面断面図。
【図2】実施例1の逆止弁の通水状態を説明する正面断面図。
【図3】実施例1の逆止弁の逆止状態を説明する正面断面図。
【図4】実施例1及び従来例を説明する水道システムの配置図。
【図5】実施例1の逆止弁カートリッジの交換を説明する逆止弁の正面断面図。
【図6】実施例1の逆止弁カートリッジの交換を説明する逆止弁の正面断面図。
【図7】実施例1のカートリッジ本体の交換を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図。
【図8】実施例1の蓋からカートリッジ本体を交換する手順を説明する逆止弁カートリッジの右側面図。
【図9】実施例1の蓋からカートリッジ本体を交換する手順を説明する逆止弁カートリッジの右側面図。
【図10】実施例1のディスク作動時の水の流れを説明する逆止弁カートリッジの正面断面図及び右側側面半断面図。
【図11】実施例1のディスクの斜視図、正面図及びA−A線に沿う部分の断面図
【図12】実施例1のカートリッジ本体の上面図、正面図及び側面図。
【図13】実施例1の蓋とカートリッジ本体の一体化を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図及びリングスプリング平面図。
【図14】実施例1の蓋とカートリッジ本体の一体化を説明する逆止弁カートリッジの正面断面図及びA−A、B−Bに沿う部分の断面図。
【図15】実施例1の蓋とカートリッジ本体の一体化を説明するカートリッジ本体正面断面図及び蓋側面断面図。
【図16】実施例1の蓋とカートリッジ本体の一体化を説明する逆止弁カートリッジ正面断面図。
【図17】実施例2の逆止弁正面断面図。
【図18】実施例2の逆止弁正面図。
【図19】実施例2の逆止弁を配設した水道システム配置図。
【図20】実施例2の逆止弁に継手を取り付けた逆止弁正面図。
【図21】実施例2の逆止弁に継手を取り付けた逆止弁右側面図及び継手正面図。
【符号の説明】
【0023】
1・・・弁本体 2・・・蓋 3・・・シート
4・・・カートリッジ本体 5・・・ディスク 6・・・スプリング
7、8、9・・・Oリングパッキン 10・・・逆止弁カートリッジ
11・・・入水口 12・・・出水口 13・・・係止部
14・・・逆止弁カートリッジ収納部 15・・・開口部
16・・・ツメ(凸状部材) 17・・・幅広部 18・・・切り欠き部
19・・・工具 20、21・・・ガイド
22・・・リングスプリング 23・・・Oリング
24、26・・・嵌合部材 25、27・・・嵌合溝
28・・・板状部材 29、30・・・ネジ 31・・・螺旋溝
32・・・蓋部分 33a、33b、34a、34b・・・ユニバーサル穴
36・・・継手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側に設けられた入水口及び二次側に設けられた出水口を有し、前記入水口及び出水口間に流路を有し、且つ前記流路間に開口部を有する弁本体と、前記弁本体内に配置され、前記流路を遮断する逆止弁カートリッジとを具備し、前記逆止弁カートリッジは、シートと、当該シートに先端部が固定されたカートリッジ本体と、当該カートリッジ本体内に収納されたスプリングと、前記カートリッジ本体内に配置され前記スプリングに付勢されて前記シートに当接するディスクと、前記カートリッジ本体の前記先端部と対向する側と嵌着した蓋とから構成され、前記蓋は軸線が前記入水口及び出水口間の水平軸線に対して前記二次側に傾斜するように、前記開口部に固定されていることを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
前記弁本体は少なくとも前記一次側もしくは二次側のいずれか一方もしくは双方に1つ以上のユニバーサル穴を有することを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
前記ディスク又は前記カートリッジ本体には少なくとも上面もしくは側面に前記スプリングを収納する空間の水を前記流路に誘導するガイドを1つ以上設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の逆止弁。
【請求項4】
前記カートリッジ本体及び前記カートリッジ本体に嵌着された前記蓋は、前記カートリッジ本体に設けられるか、あるいは前記カートリッジ本体と前記蓋との間に設けられた凸状部材に係合されて一体化され、前記蓋からの前記カートリッジ本体の離脱は、前記凸状部材の弾性力に抗することにより行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項5】
前記蓋の内側には溝状部を形成するか、あるいは前記蓋の内側に設けられた別部材により溝状部を形成し、前記カートリッジ本体には嵌合部材を形成し、前記カートリッジ本体と前記蓋とは前記溝状部に前記嵌合部材を嵌合することにより一体化し、前記蓋からの前記カートリッジ本体の離脱は、前記嵌合部材を嵌合した前記溝状部に所定の形状に合わせることにより行われることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項6】
前記カートリッジ本体と前記蓋とは、前記カートリッジ本体に前記蓋をねじ込むか、前記カートリッジ本体と前記蓋とをねじ止めするか、あるいは前記カートリッジ本体と前記蓋とを同じ材料で形成することにより一体化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の逆止弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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