説明

逆止注出ノズルの取付装置

【課題】ノズル型取りフィルムが連続的に繰出し走行されると、間欠的に繰出し走行されるとの別なく、簡単にして小型な機構および、簡易な作動制御の下で、逆止注出ノズルの、包装袋用フィルムへの融着接合能率を大きく向上させることができる、逆止注出ノズルの取付装置を提供する。
【解決手段】引裂き誘導疵で型取りされた逆止注出ノズルの複数を形成したノズル型取りフィルム7を、外表面のシーラント層を介して、包装袋用フィルム10の一方の側部のシーラント層に融着接合させる一方で、ノズル型取りフィルム7の不要部分を切り離して除去する逆止注出ノズルの取付装置であって、走行中の包装袋用フィルム10に対し、ノズル型取りフィルム7の逆止注出ノズルを、等速走行下で押圧して融着接合させる一対の融着ローラ11を設ける共に、逆止注出ノズル位置に間欠的に押圧する突起14を有する貼付熱ローラ15とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調味料、ワイン、日本酒、スープ、ドレッシングその他の液状被包装物が充填包装される、逆止機能をもつ注出ノズル付きの包装袋を製造する際に用いられる装置であって、とくに、軟質フィルムからなる積層構造の包装袋用フィルムへ逆止注出ノズルを取付けるための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、袋内液状被包装物の注出を、該包装袋内に外気を身代わりに取り込むことなく注出する一方で、袋本体は収縮ないしは潰れ変形によって前記注出に対応するようになっている、軟質の包装袋本体に適用されるものであって、自身は、被包装物の注出の停止と同時に、その液状被包装物による濡れによって吐出口を自動的に密閉して、包装袋内への外気の侵入を確実に阻止するように機能する、セルフシール逆止機能を備えるフィルム状の液体注出ノズル、およびそれを用いた包装袋が開示されている。
この液体注出ノズルについては、包装袋本体に対し一体に構成する場合の他、そこへの事後的な融着接合の場合にあってもこの注出ノズルを、自動的に、かつ確実容易に行うことができるようにすることが求められる。
【0003】
逆止機能を示す前記注出ノズルは、軟質な包装袋本体の側部もしくは頂部で、その包装袋本体の内表面に、最外層のシーラント層によって基端部を融着接合させるものであって、熱可塑性の一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、それを挟んで積層したそれぞれのシーラント層とを具える、表裏のそれぞれの側の積層フィルム、たとえば、表裏二枚の積層フィルムまたは、中央部で表裏に折返してなる一枚の積層フィルムを、一方のシーラント層の相互の対向姿勢で、基端辺を除く周辺部分で相互に融着させてなるものである。
【0004】
そして特許文献2には、このような逆止機能を有するフィルム状の液体注出ノズルを、包装袋用の、多くは積層構造になる軟質包装用フィルムの適所(多くはフィルム側縁部)に、その包装用フィルムの連続走行下で、簡易にかつ能率良く取り付ける、包装用フィルムへの注出ノズルの取付け装置の基本的な考え方について記載されている。
【0005】
かかる注出ノズルの取付け装置は、多数の注出ノズルを予め形成したノズルフィルムの巻回ロールを支持する繰出し軸と、繰出し軸上の巻回ロールからノズルフィルムを所要の速度で連続的に引き出すフィードロールと、たとえば、充填包装機の、包装用フィルムの連続走行経路内に配置されて、多くは、積層構造になる包装用フィルムのベースフィルム層側に常時接触する熱ロールと、この熱ロールに対して進退変位されて、熱ロール上の包装用フィルムの表面のシーラント層に、ノズルフィルムの外表面のシーラント層を押圧して、注出ノズルをヒートシールによって包装用フィルムに接合させる圧着ロールと、注出ノズルを包装用フィルムも接合させた後の、ノズルフィルムの不要部部分をその注出ノズルから切り離す分離ロールと、ノズルフィルムの不要部分の巻取り軸とを具えてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−59958号公報
【特許文献2】特開2008−55739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、特許文献2に記載された、注出ノズルの取付け装置の改良に係るものであり、その目的とするところは、ノズルフィルムが連続的に繰出し走行されると、間欠的に繰出し走行されるとの別なく、簡単にして小型の機構および、簡易な作動制御の下で、逆止注出ノズルの、包装用フィルムへの融着接合能率を大きく向上させることができる、逆止注出ノズルの取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の、逆止注出ノズルの取付装置は、引裂き誘導疵で型取り(囲繞)された逆止注出ノズルの複数を、所定のピッチで予め整列させて形成された軟質積層構造のノズル型取りフィルムを、連続走行される、これも多くは積層構造の包装袋用フィルムに対して、間欠的にまたは連続的に繰出し走行させて、各個の逆止注出ノズルの基部を、それの外表面のシーラント層で、包装袋用フィルムの一方の側部のシーラント層に融着接合させる一方で、ノズル部分型抜き後のノズル型取りフィルムの不要部分を、引裂き誘導疵に沿って各逆止注出ノズルから切り離して除去するものであって、
ノズル型取りフィルムの巻回ロールを支持する繰出軸を設けるとともに、包装袋用フィルムを隔てて対向配置され、相互に同期して逆向きに回動駆動されて、連続走行中の包装袋用フィルムに、繰出軸から繰り出されて包装袋用フィルムと等速で走行するノズル型取りフィルムの逆止注出ノズルを、押圧下で融着接合させる一対の融着ローラを設け、この融着ローラ対を、ノズル型取りフィルムを巻き掛けられて、包装袋用フィルムの走行経路側へ常時付勢される、ヒータ内蔵の加熱ローラと、包装袋用フィルムを、加熱ローラ上のノズル型取りフィルムの、逆止注出ノズル位置に間欠的に押圧する、これもヒータ内蔵の突起を有する貼付熱ローラとで構成してなるものである。
【0009】
かかる取付装置において、回転駆動される加熱ローラとの間にノズル型取りフィルムを挟み込む、たとえば弾性のニップローラを設けることは、ノズル型取りフィルムの、加熱ローラに対するスリップを防止して、そのノズル型取りフィルムを、加熱ローラの駆動周速と、確実に等速走行させる上で好ましい。
【0010】
また、ノズル型取りフィルムの、逆止注出ノズルから切り離した不要部分を巻取る、所要の速度で回転駆動される巻取軸を設けたときは、該ノズル型取りフィルムの不要部分を、巻取軸上に円滑に巻取り得ることはもちろん、このノズル型取りフィルムの繰出し走行速度との関連の下で、その走行をアシストさせ得る利点もある。
【0011】
そしてまた、繰出軸および巻取軸のそれぞれと、一対の融着ローラとの間のそれぞれに、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラを配設することは、一対の融着ローラの前後のそれぞれで、ノズル型取りフィルムを、蛇行、皺の発生等なしに、所期した通りに適正に走行させる上で好ましい。
【0012】
ところで、一対の融着ローラを隔てて位置する、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラのうち、融着ローラ対に最も近接して位置する各一本を、ノズル型取りフィルムの張力を調整するダンサーローラとしたときは、たとえば、対をなす融着ローラの周速、ひいては、ノズル型取りフィルムの走行速度を、そのノズル型取りフィルムが間欠的に繰出されると、連続的に繰出されるとにかかわらず、連続走行される包装袋用フィルムの速度と等速にするに当っての、また、巻取軸の速度を、ノズル型取りフィルムの走行速度に対したものとするに当っての、ノズル型取りフィルムの速度の早遅を、ダンサーローラの変位によって有効に吸収できる利点がある。
【0013】
ここで、一対の融着ローラに対し、繰出軸側および巻取軸側の少なくとも一方に、ノズル型取りフィルムを挟持下で回転駆動されるフィルム送りローラを配設したときは、ノズル型取りフィルムを巻き掛けた状態で回転駆動される加熱ローラに対する、該ノズル型取りフィルムのスリップのおそれをより有効に取り除いて、ノズル型取りフィルムの繰出し走行速度をより適正なものとすることができる。
【0014】
以上のような装置において、一対の融着ローラを構成する加熱ローラおよび貼付熱ローラはいずれも、所要に応じて間欠的もしくは連続的に回転駆動されるローラとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の逆止注出ノズルの取付装置では、とくに、回転駆動下で、ノズル型取りフィルムの逆止注出ノズルを、包装袋用フィルムの側部に、押圧下で融着接合させる一対の融着ローラを、ノズル型取りフィルムを包装袋用フィルムの走行経路側へ、たとえばシリンダーによって常時付勢される加熱ローラと、回転駆動下で包装袋用フィルムを、加熱ローラ上のノズル型取りフィルムの、逆止注出ノズル位置に間欠的に押圧する突起を有する貼付熱ローラとで構成している。このことにより、本発明では、従来技術で採用されているところの、包装袋用フィルムに常時接触する長尺の熱ロールを設けるとともに、その長尺熱ロールを熱絶縁構造部分と、非熱絶縁構造部分とに区分し、しかも、ノズル型取りフィルムをその非熱絶縁構造部分に対応させて走行させる必要がなく、装置の小型化と構造の簡素化を実現することができる。
【0016】
また、本発明によれば、一定速度で連続走行される包装袋用フィルムに対し、ノズル型取りフィルムを、タイミングを合わせて進退変位させて、該ノズル型取りフィルムの型抜きされる逆止注出ノズルを、包装袋用フィルムの所定位置に融着接合させる圧着ロールが不要となり、装置の作動制御を簡易なものにすることができ、装置構造を一層簡単なものとすることができる。さらに、本発明によれば、ともに回転駆動される一対の融着ローラの回転速度の制御下で、各逆止注出ノズルを、包装袋用フィルムの所定位置に融着接合させることで、その注出ノズルの所要の融着接合能率を大きく向上させることができる。
【0017】
このようなノズル取付装置において、回転駆動される融着ローラ対の、加熱ローラとの間にノズル型取りフィルムを挟み込む、たとえば、弾性ニップローラを設けた場合は、該ノズル型取りフィルムの、加熱ローラに対するスリップをより有効に防止して、ノズルフィルムの走行速度を、加熱ローラの駆動周速と確実に等速にすることができる。
【0018】
また、本発明によればノズル型取りフィルムの、逆止注出ノズルから切り離した不要部分を巻取る、所要の速度で回転駆動される巻取軸を設けた場合は、該ノズル型取りフィルムの不要部分を、融着ローラ対が間欠的に回動されると、連続的に回転されるとの別なく、所期した張力の作用下で、巻取軸上に円滑に巻取ることができる。また、その巻取軸を、加熱ローラ等の周速と等しい速度で回転駆動するときは、ノズル型取りフィルムの繰出し走行をアシストすることもできる。
【0019】
この場合、繰出軸および巻取軸のそれぞれと、一対の融着ローラとの間のそれぞれに、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラを配設した場合は、融着ローラ対の前後のそれぞれで、ノズル型取りフィルムの蛇行を有効に防止するとともに、ノズル型取りフィルムへの皺の発生を防止することができる。
【0020】
そしてまた、一対の融着ローラを隔てて位置する、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラのうち、融着ローラに最も近接して位置する各一本を、ノズル型取りフィルムの張力を調整するダンサーローラとした場合は、ノズル型取りフィルムが間欠的または連続的に繰出されると否とにかかわらず、一対の融着ローラの駆動周速に由来するノズル型取りフィルムの繰出し速度を、一定速度で連続走行される包装袋用フィルムの走行速度と等速にするに当っての、該ノズル型取りフィルムの走行速度の早遅を、ダンサーローラの変位をもって十分円滑に、かつ迅速に吸収することができる。
【0021】
ところで、一対の融着ローラに対し、繰出軸側および巻取軸側の少なくとも一方に、ノズル型取りフィルムの挟持下で、たとえば、融着ローラの周速と等速で回転駆動されるフィルム送りローラを設けた場合は、ノズル型取りフィルムの、加熱ローラ等に対するスリップのおそれをより効果的に取り除くことができ、ノズル型取りフィルムの繰出し走行速度を、加熱ローラ周速により正確に対応させることができる。
【0022】
なお、ノズル型取りフィルムの繰出し走行速度を、所要の時点で融着ローラ対の周速に高精度に対応させて、ノズル型取りフィルムの走行速度を包装袋用フィルムの連続走行速度に確実に等速にできる場合は、一対の融着ローラの加熱ローラおよび貼付熱ローラのそれぞれの回転は、間欠的および連続的のいずれともすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態を示す略線正面図である。
【図2】包装袋用フィルムへの逆止注出ノズルの融着接合様式を模式的に示す図である。
【図3】他の実施形態を示す略線正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、この発明の実施形態を示す略線正面図であり、この逆止注出ノズルの取付装置1は、ベースプレート2の、図の左端部で既存の自動充填包装機に付設することができる。
【0025】
図中の3は、ブレーキの作用下で、軟質積層構造のノズル型取りフィルムの巻回ロールを支持して、その巻回ロールからのノズル型取りフィルムを繰出し走行を許容する繰出軸を、図中の4は、駆動モータによって回転駆動されて、ノズル型取りフィルムに整列姿勢で形成した逆止注出ノズルの基部を、連続走行される、通常は積層構造になる包装袋用フィルムの所要個所に融着接合させた後にノズル型取りフィルムの不要部分を各逆止注出ノズルから切り離した状態で巻取る巻取軸を、それぞれ示す。
図中の5は、逆止注出ノズルの複数を、整列姿勢で予め形成したノズル型取りフィルムの巻回ロールを、そして6は、包装袋用フィルムの一方の側面で、所定の個所に各個の逆止注出ノズルを融着接合させた後の、ノズル型取りフィルムの、不要部分巻回ロールを、それぞれ示す。
【0026】
ここで、繰出軸3上の巻回ロール5から繰出し走行される、軟質積層構造のノズル型取りフィルム7は、図2に模式的に示すように、背景技術で述べたと同様に機能する逆止抽出ノズル8の複数を、予め整列姿勢で形成され、また、各個の逆止注出ノズル8の周りを囲繞する、たとえばミシン目状に形成した引裂き誘導疵9を有してなる。
【0027】
そして、ノズル型取りフィルム7に引裂き誘導疵によって等間隔に型取り囲繞されて形成された各逆止注出ノズル8は、一定速度で連続走行される、積層構造の包装袋用フィルム10との等速走行時点で、その包装袋用フィルム10の一方の側部に、ノズル基部を、ノズル外表面と、包装袋用フィルム10のそれぞれのシーラント層の、たとえばヒートシールによる融着によって、図に斜線を施して示すように接合され、ノズル型取りフィルム7の残余の不要部分(フィルム本体)は、引裂き誘導疵9に沿って各逆止注出ノズル8から切り離され、巻取軸4の回転駆動等に基いて、その巻取軸4上に巻取られて不要部分巻回ロール6とされる。
なおこの場合、巻取軸4は、ノズル型取りフィルム7の繰出し走行速度とほぼ等速となる周速で回転駆動されることとなる。
【0028】
また、図1に示す装置では、一定速度で連続走行される包装袋用フィルム10を隔てて対向配置された、ヒータを内蔵した一対の融着ローラ11を設ける。この融着ローラ11は、相互に同期して、間欠的もしくは連続的に、相互に等速で回転駆動されるものであって、走行中の包装袋用フィルム10に対し、繰出軸3から繰出されて包装袋用フィルムと等速で走行するノズル型取りフィルム7の逆止注出ノズル8のみを、押圧下に、たとえば、幅(a)3〜50mm、長さ(b)20〜150mmで融着接合させるものである。なお、包装袋用フィルム10の接合間隔は包装袋の大きさに従って50mm〜500mm程度とする。
【0029】
ここで、この融着ローラ対11はまた、ノズル型取りフィルム7が巻き掛けられて、包装袋用フィルム10の走行経路側へ、たとえばシリンダ12によって常時付勢されている、ヒータ内蔵の加熱ローラ13と、包装袋用フィルム10を、加熱ローラ13上のノズル型取りフィルム7の、逆止注出ノズル8の位置に間欠的に押圧する突起14を有する、ヒータ内蔵の貼付熱ローラ15とで構成さている。なお、ノズル型取りフィルル7から型抜きされた逆止注出ノズル8および包装袋用フィルム10は、それぞれの相互に対向するシーラント層を介して、前記加熱ローラ13および貼付熱ローラ15からの供給熱量と、突起14の押圧力とによって融着接合される。
【0030】
従って、貼付熱ローラ15の突起14は、包装袋用フィルム10への逆止注出ノズル8の接合個所以外の領域に対しては、包装袋用フィルム10から離隔して位置することになる。
【0031】
また図1に示す装置では、融着ローラ対11の加熱ローラ13に、ノズル型取りフィルム7を、たとえば弾性的に押圧して挟み込み、加熱ローラ13に対するノズル型取りフィルム7のスリップを防止するニップローラ16を設ける。
【0032】
そしてまた、図示の装置では、繰出軸3および巻取軸4のそれぞれと、一対の融着ローラ11との間のそれぞれに、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラ17、18および19、20を配設して、走行されるノズル型取りフィルム7の蛇行、そこへの皺の発生等を防止する。
【0033】
ところで、これらのノズルフィルムガイドローラ17,18および19,20のうち、融着ローラ対11に最も近接して位置する各一本のガイドローラ18、20を、シリンダ21、22、ばね手段等に連結されてノズル型取りフィルム7の張力を調整するダンサーローラとすることが、ノズル型取りフィルム7の、加熱ローラ13への追従走行性を高める上で好ましい。
【0034】
以上に述べたところにおいてより好ましくは、一対の融着ローラ11の繰出軸側および巻取軸側の少なくとも一方、図では双方に、回転駆動されてノズル型取りフィルム7を挟持するフィルム送りローラ23、24を設けて、繰出されるノズル型取りフィルム7の、加熱ローラ13への追従走行性をより一層高める。
【0035】
このような装置によって、ノズル型取りフィルム7に形成した逆止注出ノズル8を、連続的に定常走行される包装袋用フィルム10に融着接合させるに当っては、ノズル型取りフィルム7を各種のローラに、図に実線で示すように、巻き掛けた状態で、そのノズル型取りフィルム7を巻回ロール5から連続的もしくは間欠的に繰出し走行させて、たとえば、包装袋用フィルム10の、注出ノズル接合個所の所定位置への到達を、フィルムマークセンサ25によって検知したときは、融着ローラ対11の周速を、包装袋用フィルム10の走行速度まで次第に増加させて、包装袋用フィルム10のノズル接合個所が融着ローラ対11に達したときに、その包装袋用フィルム10と等速で走行されているノズル型取りフィルム7の逆止注出ノズル8に、貼付熱ローラ15の突起14によって、包装袋用フィルム10を押圧するとともに加熱して、包装袋用フィルム10の一方の側部のシーラント層を、逆止注出ノズル8の一方の外表面に、図2に斜線を施して示すように融着させる。
【0036】
逆止注出ノズル8の、包装袋用フィルム10へのこのような融着接合の後は、ノズル型取りフィルム7の不要部分を巻取軸4上に巻取るべく、そのノズル型取りフィルム7の走行経路を、包装袋用フィルム10の走行経路から離隔させることで、ノズル型取りフィルム7は、引裂き誘導疵9に沿って逆止注出ノズル8から切り離されて、巻取軸4上に、不要部分巻回ロール6を形成する。
この一方で、包装袋用フィルム10に接合された逆止注出ノズル8は、自動重点包装機内を、包装袋用フィルム10と一体的に走行する。
【0037】
ここにおいて、ニップローラ16、ダンサーローラ18、20および、回転駆動されるフィルム送りローラ23、24はともに、ノズル型取りフィルム7の、融着ローラ11への追従走行性を高めるべく機能することは前述した通りである。
【0038】
なお、図1に示すところでは、それぞれのフィルム送りローラ23、24をともに、ノズル型取りフィルム7を挟持するべく、対をなすローラにて構成することとしているが、各フィルム送りローラは、ノズル型取りフィルム7に対して大きな摩擦力を発生できる、単一の回転駆動ゴムローラ等によって構成することも可能である。
【0039】
図3は、フィルム送りローラ23、24のそれぞれを、回転駆動される各一本のゴムローラにて構成するとともに、ノズル型取りフィルム7の繰出しおよび巻取り回転方向を図1に示すところとは逆とし、そして、そのフィルム7を繰出し側のフィルム送りローラ23に巻き掛けることなく延在させたものである。
【0040】
ノズル型取りフィルム7の走行速度を、加熱ロール13の回転周速に高精度に対応させ得る場合は、図3に示すフィルム通しによっても、またたとえば、図3に仮想線で示すように、フィルム送りローラ24への巻き掛けを省いても、ノズル型取りフィルム7を、包装袋用フィルム10に対して所期した通りに走行させて、その包装袋用フィルム10に、逆止注出ノズル8を、図2に示すように適正に融着接合させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 取付装置
2 ベースプレート
3 繰出軸
4 巻取軸
5 巻回ロール
6 不要部分巻回ロール
7 ノズル型取りフィルム
8 逆止注出ノズル
9 引裂き誘導疵
10 包装袋用フィルム
11 一対の融着ローラ
12 シリンダ
13 加熱ローラ
14 突起
15 貼付熱ローラ
16 ニップローラ
17、18、19、20 ノズルフィルムガイドローラ
(18、20 ダンサーローラ)
21、22 シリンダ
23、24 フィルム送りローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引裂き誘導疵で型取りされた逆止注出ノズルの複数を、予め整列姿勢で形成されたノズル型取りフィルムを、連続走行される包装袋用フィルムに対して繰出し走行させて、各個の逆止注出ノズルの基部を、それの外表面のシーラント層で、包装袋用フィルムの一方の側部のシーラント層に融着接合させる一方で、ノズル部分型抜き後のノズル型取りフィルムの不要部分を、引裂き誘導疵に沿って各逆止注出ノズルから切り離して除去する逆止注出ノズルの取付装置であって、
ノズル型取りフィルムの巻回ロールを支持する繰出軸を設けるとともに、包装袋用フィルムを隔てて対向配置され、相互に同期して回動駆動されて、走行中の包装袋用フィルムに、繰出軸から繰り出されて包装袋用フィルムと等速で走行するノズル型取りフィルムの逆止注出ノズルを、押圧下で融着接合させる一対の融着ローラを設け、この融着ローラ対を、ノズル型取りフィルムを巻き掛けられて、包装袋用フィルムの走行経路側へ常時付勢される加熱ローラと、包装袋用フィルムを、加熱ローラ上のノズル型取りフィルムの、逆止注出ノズル位置に間欠的に押圧する突起を有する貼付熱ローラとで構成してなる逆止注出ノズルの取付装置。
【請求項2】
加熱ローラとの間にノズル型取りフィルムを挟み込むニップローラを設けてなる請求項1に記載の逆止注出ノズルの取付装置。
【請求項3】
ノズル型取りフィルムの、逆止注出ノズルから切り離した不要部分を巻取る巻取軸を設けてなる請求項1もしくは2に記載の逆止注出ノズルの取付装置。
【請求項4】
繰出軸および巻取軸のそれぞれと、一対の融着ローラとの間のそれぞれに、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラを配設してなる請求項3に記載の逆止注出ノズルの取付装置。
【請求項5】
一対の融着ローラを隔てて位置する、ともに複数本のノズルフィルムガイドローラのうち、融着ローラ対に最も近接して位置する各一本を、ノズル型取りフィルムの張力を調整するダンサーローラとしてなる請求項4に記載の逆止注出ノズルの取付装置。
【請求項6】
一対の融着ローラに対し、繰出軸側および巻取軸側の少なくとも一方に、ノズル型取りフィルムを挟持するフィルム送りローラを配設してなる請求項3〜5のいずれかに記載の逆止注出ノズルの取付装置。
【請求項7】
一対の融着ローラを構成する加熱ローラおよび貼付熱ローラのそれぞれをともに、間欠的もしくは連続的に回転駆動されるローラとしてなる請求項1〜6のいずれかに記載の逆止注出ノズルの取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−849(P2011−849A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147440(P2009−147440)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(307028493)株式会社悠心 (31)
【Fターム(参考)】