説明

透明ガスバリアフィルム、透明包装材料

【課題】基材フィルムの少なくとも一方の面にアンカーコート層、無機酸化物層を順次形成してなる透明ガスバリアフィルム、及びそれを用いた透明包装材料において、無機酸化物層の厚さを増大させることなくガスバリア性を確保するフィルムの提供。
【解決手段】アンカーコート層と無機酸化物層の界面における粗さ曲線に関して、その平均線から±1.5nmを超える凹凸の数が、全体の凹凸の数に占める比率が12%以下であり、且つ界面における粗さ曲線に関して平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満であり、且つ界面の粗さ曲線における平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満である透明ガスバリアフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面にアンカーコート層、無機酸化物層を順次形成してなるガスバリア性に優れた透明ガスバリアフィルム、およびそれを用いた透明包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品及び精密電子部品の包装には、ガスバリア性に優れた包装材料を使用することがある。例えば、高ガスバリア性包装材料で食品を包装した場合には、食品が含む蛋白質及び油脂の変質などを抑制し、風味や鮮度を長期に亘って維持することができる。また、高ガスバリア包装材料で医薬品を包装した場合には、有効成分の変質及び散逸などを防止でき、高ガスバリア包装材料で電子部品を包装した場合には、金属の腐食及び絶縁不良等を防止できる。
【0003】
高ガスバリア包装材料は、ガスバリア層を含んだ多層構造を有している。このガスバリア層としては、例えば、アルミニウム箔などの金属箔、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体けん化物(EVOH)層、及びメタキシレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応により得られるポリアミドであるナイロンMXD6からなる層が使用されている。これら高ガスバリア性包装材料は、比較的高いガスバリア性を示すものの、何らかの欠点を有している。
【0004】
例えば、金属箔を含んだ高ガスバリア包装材料は、温度及び湿度などの環境の如何に拘らず、優れたガスバリア性を示す。しかしながら、この包装材料を用いて形成した包装体には、内容物を視認できない、廃棄の際に不燃物として扱わなければならない、内容物を入れた後の異物検査に金属探知機を使用できないなどの欠点がある。また、この包装体で内容物を包装してなる包装品は、マイクロ波加熱には不向きである。
【0005】
例えば、PVDC層を含んだ高ガスバリア包装材料は、安価であり、比較的高いガスバリア性を有している。しかしながら、この包装材料は、焼却した際に有害ガスを発生する可能性がある。
【0006】
例えば、EVOH層又はナイロンMXD6層を含んだ高ガスバリア包装材料は、そのガスバリア性の環境依存度が大きい。特に、高温高湿度環境では、ガスバリア性が著しく劣化する。
【0007】
特許文献1及び2には、真空蒸着やスパッタリングなどの気相堆積法により、プラスチック基材フィルム上に、酸化珪素、酸化アルミニウム、又は酸化マグネシウムからなる無機酸化物層を形成してなるガスバリアフィルムが記載されている。このガスバリアフィルムは、透明に形成することができると共に、ガスバリア性に優れている。したがって、このガスバリアフィルムは、高ガスバリア包装材料として適している。
【0008】
ところで、プラスチック基材フィルム上に気相堆積法によって無機酸化物層を形成してガスバリアフィルムとする場合の問題点の一つとして、無機酸化物層を形成させる面の平滑性の問題が指摘されている。一般に、プラスチック基材フィルム上には微細な凹凸が存在しており、この上に気相堆積法によって無機酸化物層を形成した場合に、微細な凹凸の上に形成されたことに起因する欠陥が無機酸化物層内に発生し、ガスバリア性を低下させてしまう問題が指摘されている。また、プラスチック基材フィルムと無機酸化物層の密着力を向上させるために、プラスチック基材フィルムと無機酸化物層との間に、アンカーコ
ート層を形成することが行われており、この場合、アンカーコート層の塗工面の平滑性が重要となっている。
【0009】
このような状況を鑑み、気相堆積法によって形成される無機酸化物層を積層してなるガスバリアフィルムのガスバリア性の改善のために様々な改良が行われてきた。例えば、プラスチックフィルムにアンカーコートを施し、アンカーコート層表面の粗さを規定したもの(特許文献3、4,5など)、無機酸化物薄膜が積層される面のプラスチック基材表面の粗さを規定したもの(特許文献6、7,8など)、無機酸化物薄膜層の表面粗さを規定したもの(特許文献9など)、等が提案されている。
【特許文献1】米国特許第3442686号明細書
【特許文献2】特開昭49−041469号公報
【特許文献3】特開平11−216827号公報
【特許文献4】特開平10−244601号公報
【特許文献5】特許4014931号公報
【特許文献6】特許3953598号公報
【特許文献7】特開2001−310412号公報
【特許文献8】特開2002−321301号公報
【特許文献9】特許3675904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記改善を行ったフィルムにおいても、ガスバリアフィルムのガスバリア性能は必ずしも十分なものでないため、無機酸化物層の厚みを厚くする必要があった。無機酸化物層の厚さを厚くすると、薄膜のクラック発生、密着性低下、透明性低下、フィルムのカール及びコストの増大などにより、包装材料としての実用性が低下する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記諸課題を解決する為に鋭意検討した結果、無機酸化物層が形成された後の界面、すなわち基材フィルム上のアンカーコート層と無機酸化層との界面の表面粗さが優れたガスバリア性能を発現させるために、種々影響していることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
本発明の請求項1の発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面にアンカーコート層が形成され、さらにアンカーコート層上に気相堆積法によって形成された無機酸化物層を形成した透明ガスバリア性フィルムにおいて、前記アンカーコート層と無機酸化物層との界面について、連続傾斜TEM像(−60°〜+60°、1°ステップ)を撮影した後、Fiducial Marker法による画像位置補正を行うことで3次元再構成像を得た際の界面における粗さ曲線に関して、その平均線から高さ1.5nmを超える凹凸の数が、全体の凹凸の数に占める比率が12%以下であり、且つ界面の粗さ曲線における平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満であることを特徴とする透明ガスバリアフィルムである。
【0012】
本発明の請求項2の発明は、前記無機酸化物層が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫及びそれらの2以上を含んだ混合物からなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルムである。
【0013】
本発明の請求項3の発明は、前記基材フィルムが、プラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明ガスバリアフィルムである。
【0014】
本発明の請求項4の発明は、前記無機酸化物層上に形成され、透明樹脂と無機物とを含
んだ混合物からなるガスバリア性被膜層をさらに積層したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルムである。
【0015】
本発明の請求項5の発明は、前記ガスバリア性被膜層は、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有した溶液を前記無機酸化物層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項4に記載の透明ガスバリアフィルムである。
【0016】
本発明の請求項6の発明は、前記トリアルコキシシランの珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は疎水性有機官能基であることを特徴とする請求項5に記載の透明ガスバリアフィルムである。
【0017】
本発明の請求項7の発明は、前記ガスバリア性被膜層は、水と、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解生成物、及び塩化錫からなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを含有した溶液を前記無機酸化物層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項6に記載の透明ガスバリアフィルムである。
【0018】
本発明の請求項8の発明は、前記透明ガスバリアフィルムと、前記透明ガスバリアフィルムに貼り合わされると共に前記無機酸化物層を間に挟んで前記基材フィルムと向き合ったヒートシール性樹脂層とを具備したことを特徴とする透明包装材料である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基材フィルム上にアンカーコート層、無機酸化物層が順次形成された透明ガスバリアフィルムにおいて、無機酸化物層を形成後のアンカコート層と無機酸化物層との界面の表面粗さを特定の範囲に規定しているので、優れたガスバリア性能を発現させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の一態様に係る透明包装材料を概略的に示す断面図である。
【0022】
この透明包装材料20は、透明ガスバリアフィルム10と、接着剤層11と、ヒートシール性樹脂層12とを含んでいる。
【0023】
透明ガスバリアフィルム10は、基材フィルム1と、アンカーコート層2と、無機酸化物層3と、ガスバリア性被膜層4とを含んでいる。なお、用語「フィルム」と用語「シート」とは厚さに応じて使い分けることがあるが、ここでは、厚さの大小とは無関係に用語「フィルム」を使用している。
【0024】
基材フィルム10は、透明なフィルムであれば公知なプラスチックが使用でき、延伸されたものでも、未延伸のものでもどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。る。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6ナイロン)、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂
、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0025】
基材フィルム1の厚さに制限はないが、基材フィルム1は、無機酸化物層を積層するための基材として十分な強度を達成し得る厚さを有している必要がある。また、基材フィルム1が厚い場合、透明包装材料20、透明ガスバリアフィルム10の柔軟性が不十分となることがある。基材フィルム1の厚さは、例えば5μm乃至100μmの範囲内とする。また、基材フィルム1は、基材フィルム1の製膜工程中に、基材フィルム1の少なくとも一方の面上にコーティング液を塗布し、この塗膜を乾燥させることによる製膜インラインコーティングによって、易接着コート層を形成した基材フィルム1を用いてもよい。
【0026】
このコーティング液は、基材フィルム1上に積層するアンカーコート層2との密着が良いものであれば特に限定ないが、たとえば、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタン、そのプレポリマー、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂、そのプレポリマー、又は、それらの2以上を含んだ混合物を主成分とし、これらポリマーの主鎖又は末端に、水酸基、カルボキシ基、又はアミノ基を導入したものや、芳香族カルボン酸と脂肪族カルボン酸とポリオールとイソシアネートとを調製したポリエステルウレタンを主成分としたコーティング液などが例示できる。コーティング液には、上述した成分に加え、さらに添加剤を含有していてもよい。
【0027】
この添加剤としては、例えば、帯電防止剤、滑剤、消泡剤、界面活性剤を使用することができる。また、上記コーティング液の基材フィルム1製膜時の塗布方法としては、例えば、グラビアロール法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、エアーナイフ法、マイヤーバーコート法、又はインバースロール法を利用することができる。
【0028】
アンカーコート層2は、基材フィルム1上に形成される透明な層である。アンカーコート層2は、基材フィルム1と無機酸化物層3との密着性の向上のために形成される層であり、双方に強固な密着力を示す材料を用いれば、特に制限はない。また、アンカーコート層2は、気相堆積法によって無機酸化物層3が形成される際に、平滑な表面性を保持するため、耐熱性を有していることが好ましい。このような例としては、ポリオールとイソシアネート化合物とを含んだ組成物の反応生成物が例示できる。更に詳しくは、この組成物は、例えば、アクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤又はその加水分解生成物とを含んでいる。
【0029】
シランカップリング剤又はその加水分解生成物は、典型的には、ポリオールの水酸基及び/又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する有機官能基を有している。そのようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及びγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート基を有している化合物、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基を有している化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有している化合物、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有している化合物、或いは、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニル基を有しているシランカップリング剤にアルコール等を作用させて水酸基等を付加してなる化合物を使用することができる。これら化合物は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
【0030】
このシランカップリング剤が含む官能基のうち珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は、ポリオールの水酸基及び/又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し、これにより、アンカーコート層2の凝集力を高める。また、このシランカップリング剤のアルコキシ基又はその加水分解によって生じたシラノール基は、無機酸化物層3が含んでいる金属や無機酸化物表面に存在している水酸基などの極性基と強い相互作用を形成し、これにより、アンカーコート層2と無機酸化物層3との密着性を高める。
【0031】
シランカップリング剤は、典型的には、アルコキシ基とそれ以外の有機官能基とが珪素原子に結合してなる化合物であるが、アルコキシ基がハロゲン基やアセトキシ基などで置換されたものを使用してもよい。すなわち、加水分解によりシラノール基を生じるものであればよい。なお、シランカップリング剤は、金属アルコキシドと共に、加水分解して使用してもよい。
【0032】
アクリルポリオールは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオール、又は、アクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーとを共重合させて得られるものである。アクリルポリオールとしては、例えば、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを重合させてなるアクリルポリオールや、このアクリル酸誘導体モノマーとスチレンなどのその他のモノマーとを共重合させてなるアクリルポリオールを使用することができる。
【0033】
アクリルポリオールは、イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させる。イソシアネート基との反応性及びシランカップリング剤との相溶性を考慮すると、アクリルポリオールとして、水酸基価が例えば20mgKOH/g乃至350mgKOH/gの範囲内にあるものを使用してもよい。
【0034】
アクリルポリオールとシランカップリング剤との配合比は、質量比で、例えば、2/1乃至100/1の範囲内とする。
【0035】
イソシアネート化合物は、アクリルポリオールと反応してウレタン結合を形成して、アンカーコート層2と無機酸化物層3との密着性に寄与すると共に、主に架橋剤又は硬化剤として作用する。このようなイソシアネート化合物は、芳香族又は脂肪族ジイソシアネート或いは3価以上のポリイソシアネートである。このイソシアネート化合物は、低分子化合物及び高分子化合物の何れであってもよい。
【0036】
イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、又はこれらの三量体を使用することができる。或いは、これらイソシアネート化合物の過剰量と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物、又は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリアミドなどの活性水素高分子化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物を使用してもよい。
【0037】
アクリルポリオールに対するイソシアネート化合物の配合比が小さいと、硬化不良を生じることがある。また、この配合比が大きいと、ブロッキング等を生じることがある。この配合比は、例えば、アクリルポリオールに由来する水酸基に対してイソシアネート化合
物に由来するイソシアネート基のモル比が50倍以下となるように、典型的には、それらイソシアネート基と水酸基とが当量となるように設定する。
【0038】
アンカーコート層2は、例えば、上述したアクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤とを含有したコーティング液を基材フィルム1上に塗布し、塗膜を乾燥硬化させることにより得られる。このコーティング液は、例えば、シランカップリング剤とアクリルポリオールとを混合し、この混合物に溶媒を加え、さらに、イソシアネート化合物と混合することにより得られる。或いは、シランカップリング剤とアクリルポリオールと溶媒とを混合してシランカップリング剤とアクリルポリオールとを反応させ、この混合液に溶媒を加え、さらに、この混合液とイソシアネート化合物とを混合することにより得られる。
【0039】
このコーティング液の溶媒としては、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチルなどのエステル、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールなどのアルコール、メチルエチルケトンなどのケトン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、又はそれらの混合物を使用することができる。シランカップリング剤を加水分解するために塩酸水溶液などの水溶液を使用する場合、共溶媒としてイソプロピルアルコールなどのアルコールと極性溶媒である酢酸エチルとの混合液を使用してもよい。
【0040】
このコーティング液は、添加剤をさらに含有することができる。この添加剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩などの硬化促進剤、フェノール系、硫黄系及びホスファイト系の酸化防止剤、レベリング剤、レオロジー調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤、又はそれらの混合物を使用することができる。
【0041】
このコーティング液の基材フィルム1への塗布には、一般的な方法を利用することができる。例えば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、又はグラビアオフセット法を利用することができる。コーティング液を塗布乾燥させる際には、塗布面に高い平滑性が得られるように、塗工方式、乾燥方式をコーティング液に応じて適宜選択すればよい。
【0042】
また、コーティング液の塗布に先立ち、例えば濡れ性及び/又は密着性を改善するために、基材フィルム1の表面にコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による前処理を施しておいてもよい。
【0043】
アンカーコート層2が薄い場合、アンカーコート層2を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、平滑な表面が得られないため、十分なバリア性や密着性が得られないことがある。アンカーコート層2が厚い場合は、柔軟性が低く、透明ガスバリア性フィルム10を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性があり、実用性に欠ける。アンカーコート層2の厚さは、例えば0.005μm乃至1μmの範囲内とし、典型的には0.01μm乃至0.5μmの範囲内とする。
【0044】
無機酸化物層3は、アンカーコート層2上に気相堆積法によって形成されたガスバリア性を有する透明な層である。無機酸化物層3を構成する材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、又はこれらの混合物を使用することができる。
【0045】
無機酸化物層3の形成には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はプラズマ化学気相堆積法を利用することができる。真空蒸着法を利用する場合、蒸発材料の加熱には、例えば、電子線加熱、抵抗加熱、又は誘導加熱を利用することができる。電子線加熱を利用した場合、蒸発材料の選択の自由度が大きい。蒸着にプラズマアシスト法又はイオンビームアシスト法を利用すると、より緻密な無機酸化物層3を形成することができる。また、蒸着の際に酸素などのガスを吹き込む反応蒸着を利用すると、透明性に優れた無機酸化物層3を形成することができる。
【0046】
無機酸化物層3が薄い場合、無機酸化物層3を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、また、十分なガスバリア性が得られない。厚い無機酸化物層3は柔軟性が低く、透明ガスバリア性フィルム10を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性がある。また、気相堆積法は、経済的観点で厚膜の形成には適していない。無機酸化物層3の厚さは、例えば5nm乃至500nmの範囲内とする。無機酸化物層3を形成後における、前記アンカーコート層2と無機酸化物層3との界面を、連続傾斜TEM像(−60°〜+60°、1°ステップ)を撮影後、Fiducial Marker法による画像位置補正を行うことにより3次元再構成像を得た際の界面における粗さ曲線に関して、その平均線から±1.5nmを超える凹凸の数が、全体の凹凸の数に占める比率が12%以下であり、且つ界面における粗さ曲線に関して平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満である。
【0047】
全体の凹凸の数に対して、平均線から±1.5nmを超える凹凸の数が占める比率が12%を超えると、さらにまた、アンカーコート層/無機酸化物層の界面の粗さ曲線における、平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0を超えると、無機酸化物層3の薄膜層がアンカーコート層2に対して平滑に積層することができておらず、高いガスバリア性を得ることができない。一般的に、無機酸化物層3を形成する前のアンカーコート層2の表面粗さの測定や、無機酸化物層3を形成後の無機酸化物層3の表面粗さを測定することが行なわれているが、前者では無機酸化物層3が形成後にアンカーコート層2の表面性に変化が生じる可能性があった場合に適切な表面状態を表わしていない。後者は、無機酸化物層3がアンカーコート層2の上に堆積した後の表面を観測しているため、積層された厚みによって表面状態に違いが見られることになる。
【0048】
このように、従来の表面粗さの測定方法では、ガスバリア性を向上と表面粗さの相関をみるには不十分な点があったが、アンカーコート層2に上に無機酸化物層3が形成された後の界面の粗さを分析測定しているケースはなかった。本発明では、このアンカーコート層2と無機酸化物層3の界面の表面粗さに着目して、鋭意検討した結果、界面における粗さ曲線に関して、その平均線から±1.5nmを超える凹凸の数が、全体の凹凸の数に占める比率が12%以下であり、且つ界面における粗さ曲線に関して平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満とすることで、ガスバリア性を高められることができたものである。
【0049】
ガスバリア性被膜層4は、無機酸化物層3上に形成された透明な層である。ガスバリア性被膜層4は、透明樹脂と無機酸化物などの無機物とを含んだ混合物からなる。ガスバリア性被膜層4は、省略することも可能であるが、ガスバリア性被膜層4を設けることで、より高いガスバリア性を有する透明包装材料20を得ることができる。
【0050】
ガスバリア性被膜層4は、例えば、無機酸化物層3上に、水溶性高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水とを含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を加熱して乾燥させることにより得られる。或いは、ガスバリア性被膜層4は、例えば、無機酸化物層3上に、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を加熱して乾燥させることにより得られる。或いは、ガスバリア性被膜層4は、例えば、無機酸化物層3上に、水溶性高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解生
成物と塩化錫とを水とを含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を加熱して乾燥させることにより得られる。なお、このコーティング液の溶媒としては、例えば、水又は水とアルコールとの混合液を使用することができる。
【0051】
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、又はそれらの混合物を使用することができる。特に、PVAを使用した場合、最もガスバリア性に優れたガスバリア性被膜層4を形成することができる。なお、ここでいうPVAは、典型的には、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られるものである。このPVAとしては、アセチル基が数10%残存している部分けん化PVAからアセチル基が数%しか残存していない完全けん化PVAまで様々なけん化PVAを使用することができる。PVAの分子量に制限はなく、例えば、重合度が300乃至数千の範囲内にあるものを使用することができる。なお、一般に、けん化度が高く且つ重合度が高い高分子量のPVAは、優れた耐水性を達成する。
【0052】
金属アルコキシドは、一般式M(OR)nで表される化合物である。ここで、Mは、チタン、アルミニウム、及びジルコニウムなどの金属又は珪素を示し、Rは、CH3基及びC25基などのアルキル基を示している。また、nは、元素Mの価数を示している。
【0053】
金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC254]又はトリイソプロポキシアルミニウム[Al(OCH(CH323]を使用することができる。テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムの加水分解生成物は、水を含んだ溶液中で比較的安定に存在することができる。
【0054】
金属アルコキシドとしてアルコキシシランを使用する場合、このアルコキシシランとしては、例えば、一般式Si(OR1)4又はR2Si(OR3)3で表される化合物或いはそれらの混合物を使用することができる。ここで、R1及びR3は、CH3基、C35基、及びC24OCH3基などの加水分解性基を示し、R2は、有機官能基を示している。
【0055】
なお、金属アルコキシドを加水分解及び縮合させることにより得られる金属酸化物膜は硬いため、外力や縮合時の体積縮小によるひずみに起因してクラックが生じ易い。それゆえ、クラックなどを生じることなく、この金属酸化物膜を均一な厚さに形成することは、非常に困難である。
【0056】
これに対し、高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水とを含有したコーティング液を用いて形成した膜は、金属酸化物膜と比較して柔軟性が高いため、クラックを発生し難い。但し、この膜は、微視的には金属酸化物が均一に分散しておらず、高いガスバリア性が得られないことがある。
【0057】
この高分子として水溶性高分子を使用した場合には、高分子の水酸基と金属アルコキシドの加水分解物の水酸基との強い水素結合を利用して、縮合の際に金属酸化物を高分子中に均一に分散させることができる。それゆえ、金属酸化物膜に近いガスバリア性を達成できる。したがって、このようなガスバリア性被膜層4を無機酸化物層3上に形成すると、それらを単独で使用した場合と比較して、遥かに高いガスバリア性を達成できる。
【0058】
上述した金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水酸基を有する水溶性樹脂と水とを含有したコーティング液を用いて得られるガスバリア性被膜層4は、水素結合を形成しているため、苛酷な環境で使用した場合に、水の浸入により膨潤して、最終的には溶解を生じることがある。そのため、このガスバリア性被膜層4は、無機酸化物層3とガスバリア性被膜層4とを積層することにより高いガスバリア性を達成できたとしても、多
湿環境などの苛酷な条件下では、密着性やガスバリア性が容易に劣化する可能性がある。
【0059】
金属アルコキシドとして、例えば、一般式R2Si(OR3)3で示されるアルコキシシランを使用すると、水が浸入した場合でも膨潤し難い,すなわち、耐水性に優れた,ガスバリア性被膜層4を得ることができる。特に、有機官能基R2が、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、及びイソシアネート基などの非水溶性官能基である場合、より高い耐水性を達成できる。
【0060】
有機官能基R2は、イソシアネート基が重合してなるイソシアヌレート基であってもよい。一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランであって有機官能基R2としてイソシアヌレート基を有する化合物は、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランが重合してヌレート体になったものであり、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートである。1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、イソシアヌレート部に化学的反応性を有していないが、ヌレート部の極性に起因してあたかも化学的反応性を有しているかの如く振舞うことが知られている。1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、一般的には、イソシアネートアルキルアルコキシシランと同様に接着剤などに添加され、接着性向上剤として利用されている。それゆえ、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートと一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと水酸基を有する水溶性高分子と水とを含有したコーティング液を使用することにより、水素結合に起因した膨潤を生じ難く、耐水性に優れたガスバリア性被膜層4が得られる。
【0061】
また、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランは、反応性が高く、水溶液中での安定性が低い。他方、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、ヌレート部は水溶性ではないが、その極性に起因して水系液中に分散し易く、液の粘度を安定に保つことができる。そして、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランと同等の耐水性を実現する。加えて、ヌレート部は耐水性に寄与するだけでなく、その極性に起因して、ガスバリア性被膜層4にガスバリアの孔が生じるのを抑制する。
【0062】
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランの熱縮合により製造することができる。1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、未反応の3−イソシアネートアルキルアルコキシシランを含有していてもよい。
【0063】
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートとして、例えば、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシシリルプロピル)イソシアヌレートなどの1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを使用してもよい。1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートは、比較的安価に入手可能である。1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートは、比較的安価に入手可能であるのに加え、加水分解速度が速い。
【0064】
金属アルコキシドが一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランであって有機官能基R2がビニル基又はメタクリロキシ基である場合、その製造過程で紫外線及び電子線などの電離放射線の照射が必要であるため、設備及び製造コストが高くなる傾向にある。有機官能基R2がウレイド基であるアルコキシシランは、特有の臭気がある。有機官能基R2がイソシアネート基であるアルコキシシランは、ポットライフが短く、他のアルコキシシランと比較してハンドリング性の観点で劣る。以上のような見地から、有機官
能基R2がイソシアヌレート基であるアルコキシシランは、他のアルコキシシランと比較して優れている。
【0065】
金属アルコキシドとして一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとの混合物を使用する場合、これらアルコキシシランの比は、例えば、R2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量とSi(OR1)4のSiO2換算質量との和に対するR2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量の割合が1%乃至50%の範囲内となるように設定してもよい。この割合を小さくすると、耐水性が低くなる。また、この割合を大きくすると、有機官能基R2がガスバリアの孔となり、ガスバリア性が低下する。
【0066】
一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとの混合比は、先の割合が5乃至30%の範囲内となるように設定してもよい。この場合、高温多湿環境中で長期保存するのに十分な耐水性及びハイバリア性を達成できる。
【0067】
Si(OR1)4のSiO2換算質量をM1とし、R2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量をM2とし、水溶性高分子の質量をM3とした場合、比M1/(M2/M3)は、例えば、100/100乃至100/30の範囲内に設定してもよい。この場合、長期保存や煮沸処理に十分なバリア性が得られるのに加え、柔軟性に優れたガスバリア性被膜層4が得られる。それゆえ、柔軟性に優れた包装材料10を得るうえで有利である。
【0068】
一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランのうち、テトラエトキシシランは、加水分解生成物が水系溶媒中で比較的安定に存在し得る。したがって、これを使用した場合、製造条件の制御が比較的容易である。
【0069】
金属アルコキシドとしてテトラエトキシシシランを使用し、水溶性高分子としてPVAを使用する場合、テトラエトキシシランのSiO2換算質量と水溶性高分子の質量との比は、例えば、100/10乃至100/100の範囲内とする。この比を大きくすると、ガスバリア性被膜層4が硬くなり、ひび割れを生じ易くなる。また、この比を小さくすると、耐水性が低下する。
【0070】
金属アルコキシドとして一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとの混合物を使用する場合、これらアルコキシドと水溶性高分子とは、どのような順番で混合してもよい。例えば、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとを別々に加水分解し、その後、水溶性高分子を含んだ溶液中にこれらを添加してもよい。この方法は、シリコン酸化物の分散性や加水分解の効率の点で優れている。
【0071】
ガスバリア性被膜層4を形成するためのコーティング液には、ガスバリア性被膜層4のインキ又は接着剤に対する濡れ性向上、ガスバリア性被膜層4とインキ層又は接着剤層との密着性向上、ガスバリア性被膜層4の収縮によるクラック発生の防止などを考慮して、添加剤を添加してもよい。この添加剤としては、例えば、イソシアネート化合物、コロイダルシリカ、スメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、レオロジー調整剤、及びそれらの混合物を使用することができる。
【0072】
ガスバリア性被膜層4が薄い場合、ガスバリア性被膜層4を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、また、十分なガスバリア性が得られない。厚いガスバリア性被膜層4は亀裂を生じ易い。ガスバリア性被膜層4の厚さは、例えば0.01μm乃至10μmの範囲内とする。
【0073】
ガスバリア性被膜層4を形成するためのコーティング液は、例えば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、又はグラビアオフセット法により塗布することができる。このコーティング液を塗布してなる塗膜は、例えば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、紫外線照射法、又はそれらの組み合わせにより乾燥させることができる。
【0074】
接着剤層5は、ガスバリア性被膜層4を被覆した透明な層である。接着剤層5の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリブタジエン、ワックス、カゼイン、又はそれらの混合物を主成分として含有した、無溶剤型、溶剤型、水性型、又は熱溶融型接着剤を使用することができる。
【0075】
この接着剤をガスバリア性被膜層4上へ塗布するには、例えば、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法、ロールコート法、ディップコート法、ナイフコート法、スプレーコート法、又はフォンテンコート法を利用することができる。接着剤は、例えば、乾燥状態で塗布量が0.1g/m2乃至8g/m2の範囲内となるように塗布する。
【0076】
ヒートシール性樹脂層6は、接着剤層5を介して透明ガスバリアフィルム10に貼り合わされた透明な層である。ヒートシール性樹脂層6は、アンカーコート2と無機酸化物層3とガスバリア性被膜層4と接着剤層5とを間に挟んで基材フィルム1と向き合っている。
【0077】
ヒートシール性樹脂層6は、ヒートシール性を有している透明な樹脂層である。ヒートシール性樹脂層6の材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、これらの金属架橋物、又はポリ乳酸樹脂などの生分解性樹脂を使用することができる。あるいは、上述した樹脂の単体又は2種以上からなるブレンド物でもかまわない。
【0078】
ヒートシール性樹脂層6の厚さは、例えば、透明包装材料20の用途に応じて設定する。通常、ヒートシール性樹脂層6の厚さは、10μm乃至200μmの範囲内とする。
【0079】
ヒートシール性樹脂層6と透明ガスバリアフィルム10との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層5は省略することができる。
【0080】
透明ガスバリアフィルム10とヒートシール性樹脂層6との間には、接着剤層5以外の層を介在させてもよい。例えば、それらの間に、印刷層及び/又は他の基材フィルムなどを介在させてもよい。
【実施例】
【0081】
以下、本発明の実施例を説明する。実施例及び比較例に示した透明ガスバリアフィルム、透明包装材料の諸物性の評価法は次の通りである。これらの諸物性の評価結果は、透明ガスバリアフィルムの結果を表1、表3、表5、表7に、透明包装材料の結果を表2、表4、表6、表8にまとめて示した。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
【表3】

【0085】
【表4】

【0086】
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
【表7】

【0089】
【表8】

<界面の凹凸比率、および凹凸の標準偏差>
透明バリアフィルムについて、FIB−マイクロサンプリング法(装置 日立製FB−2100、加速電圧 40kV)により断面薄膜試料(再構成用のマーカーとして金粒子を付着)を作成した。その後、連続傾斜TEM像(装置 透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製 H−7650、加速電圧 100kV、観察倍率50万倍、傾斜角度 −60°〜+60°、傾斜ステップ 1°)を撮影した。次に、Finducial Marker法により画像位置補正を行い、断面薄膜試料の3次元再構成像(再構成用ソフト IMOD3.9.3、表示用ソフト Mercury Computer Systems,Amira)を得た。得られた3次元再構成像より、250nm×50nmの範囲を抽出し、アンカーコート層/無機酸化物層の界面における粗さ曲線より、その平均線から±1.5nmを超える凹凸の数を求め、全体の凹凸の数に占める比率を下式1により算出する。
【0090】
式1=(±1.5nmを超える凹凸の数)÷(全体の凹凸の数)×100
さらに、上記より抽出されたアンカーコート層/無機酸化物層の界面の粗さ曲線に関して、平均線を引いた際の全ての凹凸の高さを用いて、標準偏差を算出した。
【0091】
<酸素透過度の測定>
日本工業規格 JIS K7126−1987「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」で規定されているB法(等圧法)に従って酸素透過度を測定した。この測定は、温度が30℃であり相対湿度が70%の環境中で、Modern Control社製のOxtran2/21を使用して行った。
【0092】
<水蒸気透過度の測定>
日本工業規格 JIS K7129−2008「プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法)」で規定されているB法(赤外線センサ法)に従って水蒸気透過度を測定した。この測定は、温度が40℃であり相対湿度が90%の環境中で、Modern Control社製のPermatran3/33を使用して行った。
【0093】
〈アンカーコート層のアンカーコーティング液Aの調整〉
希釈溶媒中で、2−(エポキシシクロヘキサン)エチルトリメチルシラン(以下EETMSとする)にアクリルポリオールを2.5倍量(重量比)を混合し、さらに塩化錫/メタノ−ル溶液(0.003mol/g)をEETMSに対して1/135molとなるように添加し、次いでトリレンジイソシアネートを前記アクリルポリオールのOH基に対して、NCO基が等量になるように混合し、アンカーコート液Aを調整した。以下、このようにして得られた溶液を「アンカーコーティング液A」と呼ぶ。
【0094】
〈アンカーコート層のアンカーコーティング液Bの調整〉
水酸基価が140mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%の濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と0.5gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して固形分濃度を20質量%とした。この溶液を7g計量し、これに、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した1.5gの混合物を混合した。次いで、この溶液を、固形分濃度が2質量%となるように酢酸エチルで希釈し、さらに、10分間攪拌した。以下、このようにして得られた溶液を、「アンカーコーティング液B」と呼ぶ。
【0095】
〈アンカーコート層のアンカーコーティング液Cの調整〉
数平均分子量が約40000であり、酸価が20mg KOH/gのポリエステル樹脂を含有した分散液に、硬化剤としてトリレンジイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートとを添加し、固形分濃度が5%となるようにメチルエチルケトン/トルエン混合溶媒で希釈し、10分間攪拌した。以下、このようにして得られた溶液を、「アンカーコーティング液C」と呼ぶ。
【0096】
〈アンカーコート層のアンカーコーティング液Dの調整〉
水酸基価が140mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%の濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と0.5gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して固形分濃度を2質量%とし、10分間攪拌した。すなわち、アンカーコーティング液Bについて、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した混合物を混合しないで、固形分濃度が2質量%となるように酢酸エチルで希釈した。以下、このようにして得られた溶液を、「アンカーコーティング液D」と呼ぶ。
【0097】
<ガスバリア性被膜層のバリアコーティング液Eの調製>
10gのテトラエトキシシランに、90gの0.1N塩酸水溶液を添加した。次いで、この混合液を30分間攪拌して、テトラエトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、SiO2換算で固形分を3質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。次に、PVAと水とイソプロピルアルコールとを混合して、65gのPVA溶液を調製した。水とイソプロピルアルコールとの質量比は90:10とした。また、このPVA溶液のPVA濃度は、4質量%とした。
【0098】
次に、これら加水分解溶液とPVA溶液とを混合して、30分間攪拌して溶液を調製した。以下、このようにして得られた溶液を、「バリアコーティング液E」と呼ぶ。
【0099】
<ガスバリア性被膜層のバリアコーティング液Fの調製>
17.9gのテトラエトキシシランと10gのメタノールと72.1gの0.1N塩酸水溶液とを混合した。次いで、この混合液を30分間攪拌して、テトラエトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、SiO2換算で固形分を5質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を、「溶液S1」と呼ぶ。さらに、PVA
と水とイソプロピルアルコールとを混合して、PVA溶液を調製した。水とイソプロピルアルコールとの質量比は95:5とした。また、このPVA溶液の固形分濃度,すなわち、PVA濃度,は、5質量%とした。以下、このPVA溶液を、「溶液S2」と呼ぶ。さらには、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートと水とイソプロピルアルコールとを混合した。水とイソプロピルアルコールとの質量比は50:50とした。また、この混合液における1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートの濃度は、R2Si(OH)3換算濃度で5質量%とした。次いで、この混合液を30分間攪拌して、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートの加水分解を生じさせた。これにより、R2Si(OH)3換算で固形分を5質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を、「溶液S3」と呼ぶ。その後、溶液S1と溶液S2と溶液S3とを、それらの固形分の質量比が70:20:10となるように混合した。以下、このようにして得られた溶液を、「バリアコーティング液F」と呼ぶ。
【0100】
<実施例1>
PETフィルムの製膜において、周速度が異なる加熱ローラ間に通して3.0倍に縦延伸した。次に、PETフィルムの一方の主面上に、マイヤーバーコート法により芳香族カルボン酸と脂肪族カルボン酸とポリオールとイソシアネートとを調製したポリエステルウレタンを主成分としたコーティング液を塗布した。この塗膜を予熱部で塗膜を乾燥させ、続いて、横方向に3.1倍に延伸した。さらに、220℃の温度でヒートセット処理を行った。次に、コロナ放電処理を易接着コート層面に対して行った。このようにして、基材フィルムとするPETフィルムの厚さを12μmとすると共に、その上に厚さが0.03μmで表面にコロナ放電処理がなされた易接着コート層が形成された易接着PETフィルムを作製した。
【0101】
その後、易接着PETフィルムの易接着コート層上に、グラビアコート法によりアンカーコーティング液Aを塗布し、この塗膜を乾燥させることで、厚さが0.04μmのアンカーコート層を得た。続いて、誘導加熱方式を用いた真空蒸着装置により、アンカーコート層上に、酸化珪素からなる厚さが25nmの無機酸化物層を形成した。次に、グラビアコート法により、無機酸化物層上に、バリアコーティング液Eを塗布し、この塗膜を加熱乾燥させることで、厚さが0.5μmのガスバリア性被膜層を得た。 以上のようにして、透明ガスバリアフィルムを完成した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF1」と呼ぶ。
【0102】
次に、透明ガスバリアフィルムGF1とヒートシール性樹脂層とを、ヒートシール性樹脂層がガスバリア性被膜層と向き合うように、ドライラミネーション法により貼り合わせた。ヒートシール性樹脂層としては、厚さが60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製、TUX−TCS)を使用し、接着剤としては、二液硬化型ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三井化学ポリウレタン社製、A515/A50)を使用した。接着剤は、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が4.0g/m2となるようにガスバリア性被膜層上に塗布した その後、この積層体を、50℃の恒温室で5日間養生した。以上のようにして、透明包装材料を完成した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料HZ1」と呼ぶ。
【0103】
<実施例2>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Bを使用したこと以外は、実施例1における透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF2」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ2」と呼ぶ。
【0104】
<実施例3>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Cを使用し且つ、アンカーコート層の厚さを0.10μmとしたこと以外は、実施例1における透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF3」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ3」と呼ぶ。
【0105】
<実施例4>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティングFを使用し且つ、ガスバリア被覆層の厚さを0.30μmとしたこと以外は、実施例3における透明ガスバリアフィルムGF3、透明包装材料HZ3について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF4」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ4」と呼ぶ。
【0106】
<実施例5>
基材フィルムとして易接着PETフィルムの代わりに、易接着コート層を設けなかった厚み12μmのPETフィルムを使用したこと以外は、実施例1における透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF5」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ5」と呼ぶ。
【0107】
<実施例6>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Bを使用したこと以外は、実施例5における透明ガスバリアフィルムGF5、透明包装材料HZ5について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF6」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ6」と呼ぶ。
【0108】
<実施例7>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用したこと以外は、実施例6における透明ガスバリアフィルムGF6、透明包装材料HZ6について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF7」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ7」と呼ぶ。
【0109】
<実施例8>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Cを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.10μmとしたこと以外は、実施例7における透明ガスバリアフィルムGF7、透明包装材料HZ7について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF8」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ8」と呼ぶ。
【0110】
<実施例9>
誘導加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが25nmの無機酸化物層を形成する代わりに、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化アルミニウムからなる厚さが15nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、実施例1おける透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルムを製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF9」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ9」と呼ぶ。
【0111】
<実施例10>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Bを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.50μmとしたこと以外は、実施例9における透明ガスバリアフィルムGF9、透明包装材料HZ9について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF10」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ10」と呼ぶ。
【0112】
<実施例11>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.30μmとしたこと以外は、実施例10における透明ガスバリアフィルムGF10、透明包装材料HZ10について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF11」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ11」と呼ぶ。
【0113】
<実施例12>
基材フィルムとして易接着PETフィルムの代わりに、易接着コート層を設けなかった厚み12μmのPETフィルムを使用したこと以外は、実施例10における透明ガスバリアフィルムGF10、透明包装材料HZ10について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF12」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ12」と呼ぶ。
【0114】
<実施例13>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.30μmとしたこと以外は、実施例12における透明ガスバリアフィルムGF12、透明包装材料HZ12について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF13」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ13」と呼ぶ。
【0115】
<実施例14>
基材フィルムとして易接着PETフィルムの代わりに、易接着コート層を設けなかった厚み12μmのPETフィルムを使用し且つ、PETフィルムの一方の面にリアクティブイオンエッチング処理を施したものを使用した以外は、実施例10における透明ガスバリアフィルムGF10、透明包装材料HZ10について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF14」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ14」と呼ぶ。
【0116】
<実施例15>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.30μmとしたこと以外は、実施例14における透明ガスバリアフィルムGF14、透明包装材料HZ14について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF15」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ15」と呼ぶ。
【0117】
<実施例16>
誘導加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが25nmの無機酸化物層を形成する代わりに、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化マグネシウムからなる厚さが10nmの無機酸化物層を形成し且つ、アンカーコーティング液Aの代わ
りにアンカーコーティング液Bを使用した以外は、実施例1おける透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルムを製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF16」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ16」と呼ぶ。
【0118】
<実施例17>
電子線加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化マグネシウムからなる厚さが10nmの無機酸化物層を形成する代わりに、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化錫からなる厚さが30nmの無機酸化物層を形成した以外は、実施例16おける透明ガスバリアフィルムGF16、透明包装材料HZ16について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルムを製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF17」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ17」と呼ぶ。
【0119】
<比較例1>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例1における透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF101」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ101」と呼ぶ。
【0120】
<比較例2>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例5における透明ガスバリアフィルムGF5、透明包装材料HZ5について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF102」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ102」と呼ぶ。
【0121】
<比較例3>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例9における透明ガスバリアフィルムGF9、透明包装材料HZ9について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF103」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ103」と呼ぶ。
【0122】
<比較例4>
アンカーコーティング液Bの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例12における透明ガスバリアフィルムGF12、透明包装材料HZ12について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF104」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ104」と呼ぶ。
【0123】
<比較例5>
アンカーコーティング液Bの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例16における透明ガスバリアフィルムGF16、透明包装材料HZ16について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF105」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ105」と呼ぶ。
【0124】
<比較例6>
アンカーコーティング液Bの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は
、実施例17における透明ガスバリアフィルムGF17、透明包装材料HZ17について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF106」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ106」と呼ぶ。
【0125】
表1乃至表2に示すように、透明ガスバリアフィルムGF101乃至GF106は、アンカーコート層/無機酸化物層の界面に大きな凹凸が多いために、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性の低いものとなった。そして、透明包装材料HZ101乃至HZ106についても、同様に、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性は低い結果であった。
【0126】
これに対し、透明ガスバリアフィルムGF1乃至17並びに透明包装材料HZ1乃至HZ17は、透明ガスバリアフィルムGF101乃106至並びに透明包装材料HZ101乃至HZ106と比較して、酸素透過度、水蒸気透過度の数値が低く、高いガスバリア性能を示した。
【0127】
<実施例18>
バリアコーティング液Eを塗布しなかった以外は、実施例1における透明ガスバリアフィルムGF18、透明包装材料HZ18について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF18」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ18」と呼ぶ。
【0128】
<比較例7>
アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例18における透明ガスバリアフィルムGF18、透明包装材料HZ18について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF107」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ107」と呼ぶ。
表3乃至表4に示すように、透明ガスバリアフィルムGF107は、アンカーコート層/無機酸化物層の界面に大きな凹凸が多いために、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性の低いものとなった。そして、透明包装材料HZ107についても、同様に、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性は低い結果であった。
【0129】
これに対し、透明ガスバリアフィルムGF18並びに透明包装材料HZ18は、透明ガスバリアフィルムGF107並びに透明包装材料HZ107と比較して、酸素透過度、水蒸気透過度の数値が低く、高いガスバリア性能を示した。
【0130】
<実施例19>
基材フィルムとして易接着PETフィルムの代わりに、厚み15μmのナイロンフィルムを使用し且つ、アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Bを用いた以外は、実施例1における透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF19」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ19」と呼ぶ。
【0131】
<実施例20>
誘導加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが25nmの無機酸化物層を形成する代わりに、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化アルミニウム
からなる厚さが15nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、実施例19おける透明ガスバリアフィルムGF19、透明包装材料HZ19について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルムを製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF20」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ20」と呼ぶ。
【0132】
<実施例21>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.30μmとしたこと以外は、実施例20における透明ガスバリアフィルムGF20、透明包装材料HZ20について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF21」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ21」と呼ぶ。
【0133】
<実施例22>
ナイロンフィルムの製膜において、ナイロンフィルムの一方の主面上に、マイヤーバーコート法により水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂を塗布した。次に、縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍に同時二軸延伸した。さらに、210℃の温度でヒートセット処理を行った。このようにして、基材フィルムの厚さを15μmとすると共に、その上に厚さが0.05μmの易接着コート層を形成した。次に、コロナ放電処理を易接着コート層面に対して行った。このようにして、基材フィルムとしてナイロンフィルムの厚さを15μmとすると共に、その上に厚さが0.05μmで表面にコロナ放電処理がなされた易接着コート層を形成した易接着ナイロンフィルムを作製した。ナイロンフィルムの代わりに、この易接着ナイロンフィルムを使用した以外は、実施例19における透明ガスバリアフィルムGF19、透明包装材料HZ19について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF22」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ22」と呼ぶ。
【0134】
<実施例23>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.30μmとしたこと以外は、実施例22における透明ガスバリアフィルムGF22、透明包装材料HZ22について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF23」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ23」と呼ぶ。
【0135】
<実施例24>
誘導加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが25nmの無機酸化物層を形成する代わりに、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化アルミニウムからなる厚さが15nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、実施例22おける透明ガスバリアフィルムGF22、透明包装材料HZ22について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルムを製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF24」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ24」と呼ぶ。
【0136】
<実施例25>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.30μmとしたこと以外は、実施例24における透明ガスバリアフィルムGF24、透明包装材料HZ24について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF25」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ25」と呼ぶ。
【0137】
<実施例26>
アンカーコーティング液Bの代わりにアンカーコーティング液Cを使用し且つ、アンカーコート層の厚みを0.10μmとしたこと以外は、実施例24における透明ガスバリアフィルムGF24、透明包装材料HZ24について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF26」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ26」と呼ぶ。
【0138】
<比較例8>
アンカーコーティング液Bの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は、実施例19における透明ガスバリアフィルムGF19、透明包装材料HZ19について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF108」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ108」と呼ぶ。
【0139】
表5乃至表6に示すように、透明ガスバリアフィルムGF108は、アンカーコート層/無機酸化物層の界面に大きな凹凸が多いために、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性の低いものとなった。そして、透明包装材料HZ108についても、同様に、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性は低い結果であった。
【0140】
これに対し、透明ガスバリアフィルムGF19及至GF26並びに透明包装材料HZ19及至GF26は、透明ガスバリアフィルムGF108並びに透明包装材料HZ108と比較して、酸素透過度、水蒸気透過度の数値が低く、高いガスバリア性能を示した。
【0141】
<実施例27>
基材フィルムとして、易接着PETフィルムの代わりに厚み20μmのOPPフィルムを使用し且つ、アンカーコーティング液Aの代わりにアンカーコーティング液Bを使用し、アンカーコート層の厚みを1.00μmとしたこと以外は、実施例1おける透明ガスバリアフィルムGF1、透明包装材料HZ1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF27」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ27」と呼ぶ。
【0142】
<実施例28>
誘導加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが25nmの無機酸化物層を形成する代わりに、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化アルミニウムからなる厚さが15nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、実施例27おける透明ガスバリアフィルムGF27、透明包装材料HZ27について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルムを製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF28」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ28」と呼ぶ。
【0143】
<実施例29>
バリアコーティング液Eの代わりにバリアコーティング液Fを使用したこと以外は、実施例28における透明ガスバリアフィルムGF28、透明包装材料HZ28について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF29」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ29」と呼ぶ。
【0144】
<比較例9>
アンカーコーティング液Bの代わりにアンカーコーティング液Dを使用したこと以外は
、実施例27における透明ガスバリアフィルムGF27、透明包装材料HZ27について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリアフィルム、透明包装材料を製造した。以下、この透明ガスバリアフィルムを、「透明ガスバリアフィルムGF109」、透明包装材料を、「透明包装材料HZ109」と呼ぶ
表7乃至表8に示すように、透明ガスバリアフィルムGF109は、アンカーコート層/無機酸化物層の界面に大きな凹凸が多いために、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性の低いものとなった。そして、透明包装材料HZ109についても、同様に、酸素透過度並びに水蒸気透過度の数値が高く、ガスバリア性は低い結果であった。
【0145】
これに対し、透明ガスバリアフィルムGF27乃至29並びに透明包装材料HZ27乃至HZ29は、透明ガスバリアフィルムGF109並びに透明包装材料HZ109と比較して、酸素透過度、水蒸気透過度の数値が低く、高いガスバリア性能を示した。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の透明包装材料の一形態を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0147】
1…基材フィルム
2…アンカーコート層
3…無機酸化物層
4…ガスバリア性被膜層
5…接着剤層
6…ヒートシール性樹脂層
10…透明ガスバリアフィルム
20…透明包装材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムの少なくとも一方の面にアンカーコート層が形成され、さらにアンカーコート層上に気相堆積法によって形成された無機酸化物層を形成した透明ガスバリア性フィルムであって、前記アンカーコート層と無機酸化物層との界面について、連続傾斜TEM像(−60°〜+60°、1°ステップ)を撮影した後、Fiducial Marker法による画像位置補正を行うことで3次元再構成像を得た際の界面における粗さ曲線に関して、その平均線から±1.5nmを超える凹凸の数が、全体の凹凸の数に占める比率が12%以下であり、且つ界面における粗さ曲線に関して平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満であり、且つ界面の粗さ曲線における平均線からの全ての凹凸の高さの標準偏差が1.0未満であることを特徴とする透明ガスバリアフィルム。
【請求項2】
前記無機酸化物層が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫及びそれらの2以上を含んだ混合物からなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項3】
前記基材フィルムが、プラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項4】
前記無機酸化物層上に形成され、透明樹脂と無機物とを含んだ混合物からなるガスバリア性被膜層をさらに積層したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項5】
前記ガスバリア性被膜層は、水溶性高分子とテトラアルコキシシラン又はその加水分解生成物とトリアルコキシシラン又はその加水分解生成物とを含有した溶液を前記無機酸化物層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項4に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項6】
前記トリアルコキシシランの珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は疎水性有機官能基であることを特徴とする請求項5に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項7】
前記ガスバリア性被膜層は、水と、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解生成物、及び塩化錫からなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを含有した溶液を前記無機酸化物層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項6に記載の透明ガスバリアフィルム。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の透明ガスバリアフィルムと、前記透明ガスバリアフィルムに貼り合わされると共に前記無機酸化物層を間に挟んで前記基材フィルムと向き合ったヒートシール性樹脂層とを積層したことを特徴とする透明包装材料。

【図1】
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【公開番号】特開2010−18302(P2010−18302A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178907(P2008−178907)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】