説明

通信アドレス自動更新方法、通信アドレス自動更新処理システム及び通信端末装置

【課題】ユーザ端末からの通信アドレスリストと変更後の通信アドレスとに基づいて相手ユーザ端末の通信アドレスリスト内の通信アドレスの更新を行う。
【解決手段】通信アドレスを変更した第1の通信端末装置にアクセスして第1の通信端末装置から変更後の通信アドレスと第1の通信端末装置に登録済みの通信アドレスリストとを読み込む通信アドレス取得手段と、読み込まれた変更後の通信アドレスと通信アドレスリストとに基づいて、通信アドレスリスト内の変更前の通信アドレスでアクセスされる第2の通信先端末装置について登録されている変更前の通信アドレスを変更後の通信アドレスに更新するアドレス更新手段とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信アドレス自動更新方法、通信アドレス自動更新処理システム及び通信端末装置並びに通信アドレス更新プログラムに係り、詳しくは、メールアドレス等の更新に有用な通信アドレス自動更新方法、通信アドレス自動更新処理システム及び通信端末装置並びに通信アドレス更新プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機のメールアドレスの変更に係る第1の関連技術は、携帯電話機のメールアドレスを変更した場合、そのユーザがメールを送信するか、又は通信事業者が行っている電話帳をサーバにバックアップさせておくサービスを利用したメール一斉送信サービスにより、変更通知メールを送付する。そして、その通知を受け取った側において、その携帯電話機等で更新操作を行うことで、相手ユーザの電話帳に反映される。
【0003】
また、特許文献1には、携帯端末の電話帳の変更に係る第2の関連技術が記載されている。この第2の関連技術による電話帳情報変更装置は、データセンタに一括して保存管理されている電話帳を変更する技術であり、変更者又は携帯電話事業者からの電話番号変更通知指示に基づいて、データセンタのバックアップデータを検索して変更者の電話帳を取得する。そして、その電話帳に登録されている登録者の電話帳情報を得て登録者の電話帳情報の中の変更者の電話番号を変更するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−057798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、第1の関連技術において携帯電話のメールアドレスを変更した場合、ユーザがメールを送信するか、または通信事業者が行っている電話帳お預かりサービスを利用したメール一斉送信サービスにより、変更通知メールを送付していた。しかし、メールにて変更通知がなされる場合、通知を受け取った側において電話帳を更新する手間がかかる。
また、通知を受け取ったユーザが更新しなければ、受け取ったユーザの電話帳は更新されないので、更新されるまでに長時間を要する可能性がある。最悪の場合、更新することを忘れられる恐れがある。
通知を受け取った側が更新し忘れると、その後メールアドレスを変更したユーザ(アドレス変更ユーザ)にメールが送れなくなってしまう。あるいは、変更通知を受け取った側が電話帳に登録した相手以外からのメールの受信を拒否するように設定していた場合、受け取った側がアドレス変更ユーザのメールアドレスを新しいメールアドレスに更新するまで、アドレス変更ユーザからのメールを受けられなくなる。
【0006】
一方アドレス変更ユーザ側にとっては、「通知先の相手に手間を掛けてしまう」、「通知先の相手の更新忘れ」などを気にして、メールアドレス変更をし難い状況がある。ナンバーポータビリティを利用して他社携帯に機種変更する場合、携帯番号は変わらないがメールアドレスは変更しなければならない。メールアドレス変更をし難い状況は、他社携帯への機種変更の選択の幅が狭まる恐れがある。
【0007】
また、第2の関連技術によれば、或る変更者による電話番号の変更を登録者に反映させることはできるが、その手段は、上述のように、データセンタに、それに属する全ユーザの電話帳等を登録するバックアップデータを用意して初めて構成されるものである。この構成の下でその所期の目的が達成され、この目的を達成し得るそれ以外の構成への展望は、何ら、開示されていない。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、通信アドレスを変更した或る通信端末装置の変更後の通信アドレス及びアドレスリストを他の通信端末装置の通信アドレスの更新に利用する通信アドレス自動更新方法、通信アドレス自動更新処理システム及び通信端末装置並びに通信アドレス更新プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、通信アドレスの変更時のアドレス更新処理に特徴がある通信アドレス自動更新方法に係り、通信アドレスを変更した第1の通信端末装置にアクセスするステップと、上記第1の通信端末装置から、上記変更後の通信アドレスと上記第1の通信端末装置に登録済みの通信アドレスリストとを読み込むステップと、読み込まれた上記変更後の通信アドレスと上記通信アドレスリストとに基づいて、上記通信アドレスリスト内の上記変更前の通信アドレスでアクセスされる第2の通信先端末装置について登録されている、上記変更前の通信アドレスを上記変更後の上記通信アドレスに更新するステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
この発明の第2の構成は、通信アドレスの変更時のアドレス更新を行う通信アドレス自動更新処理システムに係り、通信アドレスを変更した第1の通信端末装置にアクセスして当該第1の通信端末装置から上記変更後の通信アドレスと上記第1の通信端末装置に登録済みの通信アドレスリストとを読み込む通信アドレス取得手段と、該通信アドレス取得手段によって読み込まれた上記変更後の通信アドレスと上記通信アドレスリストとに基づいて、上記通信アドレスリスト内の上記変更前の通信アドレスでアクセスされる第2の通信先端末装置について登録されている上記変更前の通信アドレスを上記変更後の上記通信アドレスに更新するアクセス更新手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
この発明の第3の構成は、通信に必要な通信アドレスの変更時におけるアドレス更新のためのアドレス更新プログラムに係り、コンピュータに、第1の構成に記載する通信アドレス自動更新方法を実行させるプログラムであることを特徴としている。
【0012】
この発明の第4の構成は、通信アドレスの変更時のアドレス更新のためのアドレス更新プログラムに係り、コンピュータを、第2の構成に記載する通信アドレス更新システムとして機能させるプログラムであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の構成によれば、通信アドレスの変更時に当該通信端末装置からアドレスリストを取得し、該アドレスリストに登録されている相手ユーザの通信端末装置を特定した後、相手ユーザの通信端末装置のアドレスリストを取得する。そして、相手ユーザのアドレスリストの中にアドレス変更ユーザに対応する変更前の通信アドレスがあるとき、当該通信アドレスを変更後の通信アドレスに更新するようにしているから、通信端末装置のアドレスリストを一括して管理することなしに、相手ユーザのアドレスリストにあるアドレス変更ユーザの通信アドレスを変更後の通信アドレスに更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施形態1であるメールアドレス自動更新処理システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同メールアドレス自動更新処理システムで用いる変更手続き画面及び自動更新方法選択画面を示す図である。
【図3】同メールアドレス自動更新処理システムのユーザ情報データベースに登録されるユーザ毎の、ユーザ名、電話番号、メールアドレス及び端末IDを示す図である。
【図4】同メールアドレス自動更新処理システムのメール履歴データベースに登録される送受信履歴を示す図である。
【図5】同メールアドレス自動更新処理システムでの通常自動更新選択時の更新処理シーケンスを示す図である。
【図6】同メールアドレス自動更新処理システムでのメール送受信回数順選択時の更新処理シーケンスを示す図である。
【図7】同メールアドレス自動更新処理システムでの相手ユーザをメール送受信回数でグループ分けした例を示す図である。
【図8】この発明の実施形態1であるメールアドレス自動更新処理システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】同メールアドレス自動更新処理システムの変更端末に配信されるメールの例を示す図である。
【図10】同メールアドレス自動更新処理システムでのメール配信シーケンスを示す図である。
【図11】同メールアドレス自動更新処理システムで用いる変更手続き及び自動更新方法の選択のほか、自動更新しない場合の選択画面を示す図である。
【図12】同メールアドレス自動更新処理システムでのグループ分け結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施形態1】
【0015】
図1は、この発明の実施形態1であるメールアドレス自動更新処理システムの電気的構成を示すブロック図、図2は、同メールアドレス自動更新処理システムで用いる変更手続き画面及び自動更新方法選択画面を示す図、図3は、同メールアドレス自動更新処理システムのユーザ情報データベースに登録されるユーザ毎の、ユーザ名、電話番号、メールアドレス及び端末IDを示す図、図4は、同メールアドレス自動更新処理システムのメール履歴データベースに登録される送受信履歴を示す図、図5は、同メールアドレス自動更新処理システムでの通常自動更新選択時の更新処理シーケンスを示す図、図6は、同メールアドレス自動更新処理システムでのメール送受信回数順選択時の更新処理シーケンスを示す図、また、図7は、同メールアドレス自動更新処理システムでの相手ユーザをメール送受信回数でグループ分けした例を示す図である。
【0016】
この実施形態のメールアドレス自動更新処理システム10は、或る携帯端末装置(以下、携帯端末という)でメールアドレスを変更したとき、他の携帯端末に登録済みの当該或る携帯端末の変更前のメールアドレスを変更後のメールアドレスに自動的に更新するシステムに係り、メールアドレス自動更新処理システム10(通信アドレス自動更新処理システムの一例)は、メールアドレス変更受付サーバ11と、電話帳お預かりサーバ12と、ユーザ情報データベース13と、メール履歴データベース14と、通信事業者のパソコン(通信事業者PC)15とから概略構成されている。このメールアドレス自動更新処理システム10に、複数の携帯端末(通信端末装置の一例)、例えば、携帯端末21、携帯端末22が接続される。
【0017】
メールアドレス変更受付サーバ11は、従来通りメールアドレス変更(変更通知)を、そのメールアドレスを変更した携帯端末(以下、変更携帯端末とも言い、変更携帯端末の所持者を、以下、単にアドレス変更ユーザという)、例えば、変更携帯端末21から受け付ける。そして、変更手続き画面、自動更新方法選択画面を携帯端末21に提供する。自動更新方法選択画面は、図2に示すように、通常自動更新とメール送受信回数順とからなる。
また、メールアドレス変更受付サーバ11は、携帯端末21から自動更新方法選択結果を受け取り、電話帳お預かりサーバ12に変更携帯端末、例えば、変更携帯端末21の電話帳(以下、アドレス変更ユーザの電話帳ともいう)を取得しにいくよう電話帳取得リクエストを電話帳お預かりサーバ12に送る。そのリクエストには、変更携帯端末の識別子(アドレス変更ユーザの電話番号、変更前のメールアドレス(変更前の通信アドレスの一例)、端末IDなどの変更携帯端末を特定できるもの)、変更後のアドレス(変更後の通信アドレスの一例)及び自動更新方法選択結果を含む。
電話帳お預かりサーバ12は、ユーザ情報データベース13にアクセスして携帯端末21を特定する。特定されたとき、変更携帯端末21から変更携帯端末21の電話帳(アドレスリストの一例)を取得して一時的に保存する。
【0018】
電話帳お預かりサーバ12は、アドレス変更ユーザが自動更新を選択した場合には、一時的に保存したアドレス変更ユーザの電話帳に登録されている携帯端末(以下、登録携帯端末という)の所持者(以下、単に、相手ユーザとも言い、相手ユーザが所持している携帯端末の電話帳を相手ユーザの電話帳ともいう)の電話番号とメールアドレスを基に、ユーザ情報データベース13をアクセスして自動更新対象の全部の携帯端末22を特定する。そして、電話帳お預かりサーバ12は、特定された携帯端末22の電話帳を取得してアドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスが登録されているか否かを検索した後、登録されているなら、携帯端末22の電話帳に登録されているアドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスを変更後のメールアドレスに更新し、更新後の電話帳を携帯端末22に返送する。自動更新終了後、携帯端末22の電話帳を削除する。その後に、電話帳お預かりサーバ12は、自動更新対象の残余の携帯端末22があるか否かを検索し、ない場合は、自動更新で利用した情報を削除する。
また、電話帳お預かりサーバ12は、アドレス変更ユーザがメールの送受信回数順の自動更新を選択した場合は、メール履歴データベース14からアドレス変更ユーザのメールアドレスを取得してアドレス変更ユーザの電話帳に登録されている相手ユーザをメール送受信回数順にグループ分けを行う。
【0019】
ユーザ情報データベース13は、携帯端末所有者(ユーザ)毎に、ユーザ名、そのユーザの電話番号、メールアドレス及び端末IDを保持(登録)している(図3参照)。
メール履歴データベース14は、ユーザ毎に、変更日から30日前までの期間内の、送受信履歴(送受信相手のアドレス)を保持(登録)している(図4)。
通信事業者のパソコン15は、電話帳お預かりサーバ12を管理し、自動更新実行時間を電話帳お預かりサーバ12に対して設定する。
メールアドレス変更受付サーバ11及び電話帳お預かりサーバ12で行われる図5及び図6に示す更新処理シーケンスは、図1に示さない記憶装置に記憶されるプログラムが図1に示さないプロセッサで実行されて行われるように構成されている。
【0020】
次に、図1乃至図7を参照して、この実施形態の動作について説明する。
まず、アドレス変更ユーザが、携帯端末、例えば、携帯端末21から従来通り通信事業者のメールアドレス変更受付サイト(メールアドレス自動更新処理システム10のメールアドレス変更受付サーバ11)にアクセスし、新しいメールアドレスを入力して変更手続きを行う(図5のステップA1)。次に、メールアドレス変更受付サーバ11は、メールアドレス自動更新方法選択画面(図2)を変更携帯端末21に返す(図5のステップA2)。その画面には、通常自動更新とメール送受信回数順とが含まれる。その画面を受け取ったアドレス変更ユーザは、画面を見て更新方法を選択し、その選択結果がメールアドレス変更受付サーバ11に送る(図5のステップA3)。
【0021】
次に、メールアドレス自動更新方法選択結果を受け取ったメールアドレス変更受付サーバ11は、電話帳お預かりサーバ12へ電話帳取得リクエストを送る(図5のステップA4)。
リクエストを受け取った電話帳お預かりサーバ12は、アドレス変更ユーザの識別子に基づいてユーザ情報データベース13から変更携帯端末を特定する(図5のステップA5)。そして、電話帳お預かりサーバ12は、変更携帯端末にアクセスし、アドレス変更ユーザの電話帳を取得し一時保存する(図5のステップA6)。アドレス変更ユーザの電話帳を取得すると、電話帳お預かりサーバ12は、その電話帳に登録されている登録携帯端末、例えば、登録携帯端末22の電話番号、メールアドレスに基づいてユーザ情報データベース13から自動更新する全端末を特定する(図5のステップA7)。
【0022】
続いて、電話帳お預かりサーバ12は、以下に説明する処理に入る。
先ず、アドレス変更ユーザが、通常自動更新とメール送受信回数順とのどちらを選択したかを判定する(図5のステップA8)。通常自動更新である場合は、ステップA9に進む。メール送受信回数順を選択した場合はステップB1(後述)に進む。
先ず、上記判定が通常自動更新である場合について説明する。
上記判定が通常自動更新であるとき、自動更新する登録携帯端末22にアクセスし、登録携帯端末22の電話帳を取得し一時保存する(図5のステップA9)。
次に、電話帳お預かりサーバ12は、ステップA4で受け取ったアドレス変更ユーザの電話番号や変更前のメールアドレスを基に、ステップA9で取得した電話帳内から、アドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスを検索する(図5のステップA10)。検索した結果、アドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスが登録されていない場合は、更新は行われない。
【0023】
アドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスが見付かった場合、すなわち、相手ユーザの電話帳内にアドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスが登録されていた場合、そのアドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスをステップA4で受け取った変更後のメールアドレスに更新する(図5のステップA11)。
そして、電話帳お預かりサーバ12は、更新後の電話帳を登録携帯端末22に返送して反映させる、つまり登録携帯端末22の電話帳内の変更前のメールアドレスを上記変更があった後のメールアドレスに更新する(図5のステップA12)。
その後に、電話帳お預かりサーバ12に一時保存した登録携帯端末22の電話帳を含む、自動更新で利用した全情報を削除する(図A5のステップA13)。
【0024】
次に、アドレス変更ユーザが自動更新方法としてメール送受信回数順を選択しているとの判定結果となっている場合の動作を、主として、図6を参照して以下に説明する。
この場合の処理も、ステップA1からステップA8までは、自動更新方法として通常自動更新を選択している場合の処理と同じである。
電話帳お預かりサーバ12における判定(ステップA8)において、メール送受信回数順を選択しているとの判定が得られると、電話帳お預かりサーバ12は、メール履歴データベース14(以下、メール履歴DB14という)にアクセスして変更携帯端末についての30日前から変更日までのメール履歴を取得する(図6のステップB1)。
【0025】
こうしてメール履歴を取得した電話帳お預かりサーバ12は、その取得した変更携帯端末のメール履歴とステップA6で取得したアドレス変更ユーザの電話帳内の変更前のメールアドレスとを参照し、相手ユーザをメール送受信回数順にグループ分けを行う(図7参照)(図6のステップB2)。このグループ分け後に、電話帳お預かりサーバ12は、先ず、アドレス変更ユーザのメールの送受信回数が上位であったグループ1(図7)の登録携帯端末から電話帳を取得し一時的に保存する(図6のステップB3)。
そして、電話帳お預かりサーバ12は、ステップA4で受け取ったアドレス変更ユーザの電話番号や変更前のメールアドレスを基に、ステップB3で取得した電話帳内から、アドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスを検索する(図6のステップB4)。
【0026】
検索した結果、アドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスが登録されていない場合は、更新は行われない。相手ユーザの電話帳内にアドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスが登録されていた場合、電話帳お預かりサーバ12は、当該アドレス変更ユーザの変更前のメールアドレスをステップA4で受け取った変更後のメールアドレスに更新する(図6のステップB5)。電話帳お預かりサーバ12は、更新した電話帳を登録携帯端末22に返送して反映させる、すなわち、電話帳の更新を行う(図6のステップB6)。そして、電話帳お預かりサーバ12に一時保存したグループ1の相手ユーザの電話帳を削除する(図6のステップB7)。
続いて、自動更新を行う残余のグループを検索する(図6のステップB8)。残っていれば、ステップB3に戻り、アドレス変更ユーザのメール送受信回数が次に多かったグループ2の自動更新に進み、自動更新が指定された時間30分後に開始される。残っていなければ、自動更新に利用した全情報を削除し終了となる。
【0027】
このように、ステップB3からステップB8をアドレス変更ユーザのメール送受信回数が多いグループ順に順次行う。自動更新が完了するまで、アドレス変更ユーザの情報、メール送受信ソート結果、相手ユーザの情報は保持される。また、グループ毎に更新する時間帯は、電話帳お預かりサーバ12に自動更新時間として設定される。この自動更新時間の設定は、通信事業者側において、通信量等を考慮して行われる。
【0028】
このように、この実施形態の構成によれば、管轄する携帯端末すべての電話帳を電話帳お預かりサーバで一括管理することなく、電話帳お預かりサーバがアドレス変更ユーザの電話帳を取得する仕組みを採用し、アドレス変更ユーザの変更後のメールアドレス(以下、変更メールアドレスという)を電話帳お預かりサーバが一時保持して登録携帯端末に登録済みのアドレス変更ユーザ対応のメールアドレスを変更メールアドレスに更新するようにしているから、変更携帯端末からの電話帳の取得に基づいて変更メールアドレスを相手ユーザの電話帳に確実に反映させ、変更後も変更前と変わりなくメール連絡を取ることが可能になる。
また、電話帳をサーバに保存していないユーザであっても、自動更新を実施させることができる、又は自動更新を受けることができる。これにより、常に最新の電話帳に対して更新することも可能となる。
【0029】
また、登録携帯端末での相手ユーザによる更新手続きを要することなく、変更携帯端末で変更したメールアドレスの更新を登録携帯端末に反映させることができるから、登録携帯端末における相手ユーザの手間や相手ユーザの更新忘れを気にせず気軽にメールアドレスを変更できる。したがって、メールアドレスを頻繁に変更するユーザにとってはより効果的である。また、ナンバーポータビリティでの機種変更の際も効果的である。
また、メールアドレスの変更時に自動更新方法としてメール送受信回数順を用いれば、一度の自動更新に要する処理量が削減され、かつメール送受信回数が多いグループから自動更新されるから、メール連絡を頻繁に取る相手の電話帳に対してより早く更新できる。
【実施形態2】
【0030】
図8は、この発明の実施形態2であるメールアドレス自動更新処理システムの電気的構成を示すブロック図、図9は、同メールアドレス自動更新処理システムの非自動更新端末に配信されるメールの例を示す図、図10は、同メールアドレス自動更新処理システムでのメール配信シーケンスを示す図、図11は、同メールアドレス自動更新処理システムで用いる変更手続き及び自動更新方法の選択のほか、自動更新しない場合の選択画面を示す図、図12は、同メールアドレス自動更新処理システムでのグループ分け結果を示す図である。
【0031】
この実施形態の実施形態1と異なるところは、メール送受の頻度が高い変更携帯端末の自動更新を行わないようにした点である。
この実施形態のメールアドレス自動更新処理システム10Aは、図8に示すように、実施形態1の電話帳お預かりサーバ12に以下に説明する自動更新切り分け機能(分別処理手段)を付加して電話帳お預かりサーバ12Aとすると共に、電話帳お預かりサーバ12Aにメール配信サーバ16を接続して構成したことにその特徴部分がある。
【0032】
電話帳お預かりサーバ12Aの自動更新切り分け機能は、変更携帯端末についてのメール履歴から、メール送受信回数が多い所定数、例えば、30名の相手ユーザを割り出し、その相手ユーザを自動更新対象外者とする。また、上記自動更新切り分け機能は、自動更新実施判定を行い、自動更新対象外者であれば、その対象外になった所定数の相手ユーザ名およびその相手ユーザのメールアドレス情報を含むメールをアドレス変更ユーザに配信するようメール配信サーバ16にリクエストする。
メール配信サーバ16は、電話帳お預かりサーバ12Aから上述した自動更新対象外の相手ユーザに対してメールを配信されたいとのリクエストを受け取り、変更携帯端末にメールを配信する。
メールアドレス変更受付サーバ11及び電話帳お預かりサーバ12Aで行われる図10に示すメール配信シーケンスは、図8に示さない記憶装置に記憶されるプログラムが図8に示さないプロセッサで実行されて行われるように構成されている。
この実施形態のその他の構成は、実施形態1の構成と同じであるので、その構成についての逐一の説明は省略する。
【0033】
次に、図8乃至図12を参照して、この実施形態の動作を説明する。
先ず、アドレス変更ユーザが携帯端末から従来通り通信事業者のメールアドレス変更受付サイト(メールアドレス変更受付サーバ)11にアクセスし、新しいメールアドレスを入力し変更手続きを行う(図10のステップC1)。
変更手続きを受け取ったメールアドレス変更受付サーバ11は、メールアドレス自動更新方法選択画面を変更携帯端末に返す(図10のステップC2)。この場合の画面は、図11に示すように、実施形態1での通常自動更新及びメール送受信回数順に、メール送受信回数が多い上位の相手ユーザには自動更新を行わず、アドレス変更ユーザ自身がメールで変更通知を出すようにできる選択肢を追加して形成されている。
【0034】
メールアドレス自動更新方法選択画面を受け取ったアドレス変更ユーザは、その画面を見て更新方法を選択し、その選択結果をメールアドレス変更受付サーバ11に返送する(図10のステップC3)。メールアドレス自動更新方法選択結果を受け取ったメールアドレス変更受付サーバ11は、電話帳お預かりサーバ12Aへ電話帳取得リクエストを送る(図10のステップC4)。そのリクエストには、変更携帯端末の識別子(アドレス変更ユーザの電話番号や変更前のメールアドレス、端末IDなどの変更携帯端末を特定できるもの)、変更後のメールアドレス及び自動更新方法選択結果を含む。上記選択では、アドレス変更ユーザが「メール送受信回数ランキング上位30名には自動更新は行わない」を選択したとする。
【0035】
上記リクエストを受け取った電話帳お預かりサーバ12Aは、変更携帯端末の識別子を基にユーザ情報データベース13から変更携帯端末21を特定する(図10のステップC5)。そして、電話帳お預かりサーバ12Aは、変更携帯端末21にアクセスし、電話帳を取得し一時保存する(図10のステップC6)。次いで、電話帳お預かりサーバ12Aは、メール履歴DB14にアクセスして変更携帯端末についての30日前から変更日までのメール履歴を取得する(図10のステップC7)。アドレス変更ユーザの電話帳及びメール履歴の取得後、電話帳お預かりサーバ12Aは、取得したアドレス変更ユーザのメール履歴と取得したアドレス変更ユーザの電話帳内のアドレスとを参照して相手ユーザをメール送受信回数順にグループ分けを行い、上位30名を割り出す、すなわち自動更新対象外者を割り出す(図10のステップC8)。このときの、グループ分け結果の例は、図12に示す通りとなる。
【0036】
電話帳お預かりサーバ12Aは、続いて、ステップC8の結果から自動更新を実施するか否かを判定する(図10のステップC9)。自動更新対象者の場合は、実施形態1でのステップA7と同様の処理を実施し、その後実施形態1でのステップA9からステップA13と同様の処理を実施する。自動更新対象外者の場合は図10のステップC10に進む。このステップにおいて、電話帳お預かりサーバ12Aは、自動更新対象外者にメールを送付するようリクエストをメール配信サーバ16に送る。
リクエストを受け取るメール配信サーバ16は、変更携帯端末にメールを送る(図10のステップC11)。アドレス変更ユーザは、受け取ったメールに記載されている、自動更新対象外者のアドレスをクリックすれば、メール作成画面に移り、アドレス変更ユーザはクリックしたアドレス宛にメールを作成することができる。
【0037】
このように、この実施形態の構成によれば、頻繁にメール連絡を取っている相手ユーザに対しては、自動更新せず、アドレス変更ユーザ自身にその相手ユーザに対してメールアドレスの更新メールを送る仕組みを採用しているので、自動更新対象外の相手ユーザに対しては、アドレス変更ユーザ自身がメールでメールアドレス変更の連絡ができる。これにより、アドレス変更ユーザは自由に文面を作成しメールでアドレス変更ユーザの思いも一緒に伝えられる。メール連絡を頻繁に取っている相手ユーザはより親しい確率が高く、親しい相手ユーザには自らが、メールアドレスを変更した旨の連絡を行いたいアドレス変更ユーザの希望を適えることができる。
また、自動更新対象外者が誰であるかのメールをアドレス変更ユーザに配信する構成となっているから、アドレス変更ユーザは自動更新対象外となった相手ユーザが一覧で分かり、かつ、配信されたメールからその相手ユーザに対してメールを作成し得るから、時間短縮に繋がる。
【0038】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、実施形態では、アドレス変更ユーザからの自動更新についての応答に基づいて電話帳お預かりサーバ12がアドレス変更ユーザの電話帳の取得を行う例を説明したが、これに限らず、変更の頻度にもよるが、定期的(周期的)又は非定期的(非周期的)にアドレス変更ユーザの電話帳の取得を行う構成で、電話帳お預かりサーバ12を代替してもよい。
また、相手ユーザのメールアドレスの更新を電話帳お預かりサーバ12において相手ユーザから電話帳を取得して行う例を説明したが、電話帳お預かりサーバ12に相手ユーザの電話帳を保存しておき、その電話帳に基づいて相手ユーザのメールアドレスを更新して相手ユーザの電話帳に反映させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
ここに開示している通信アドレス自動更新方法、通信アドレス自動更新処理システム及び通信端末装置並びに通信アドレス更新プログラムは、通信アドレスの変更時に、その変更をした通信端末装置と交信のあった通信端末装置に登録済の上記変更前の通信アドレスの更新を必要とする各種の通信システムに利用し得る。
【符号の説明】
【0040】
10、10A メールアドレス自動更新処理システム(通信アドレス自動更新処理システム)
11 メールアドレス変更受付サーバ(通信アドレス取得手段の一部、送信手段、受信手段)
12、12A 電話帳お預かりサーバ(通信アドレス取得手段の一部、分別処理手段の一部)
13 ユーザ情報データベース(通信アドレス取得手段の残部)
14 メール履歴データベース(分別処理手段の残部)
16 メール配信サーバ(通知手段)
21、22 携帯端末(通信端末装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信アドレスを変更した第1の通信端末装置にアクセスするステップと、
前記第1の通信端末装置から、前記変更後の通信アドレスと前記第1の通信端末装置に登録済みの通信アドレスリストとを読み込むステップと、
読み込まれた前記変更後の通信アドレスと前記通信アドレスリストとに基づいて、前記通信アドレスリスト内の前記変更前の通信アドレスでアクセスされる第2の通信先端末装置について登録されている、前記変更前の通信アドレスを前記変更後の前記通信アドレスに更新するステップとを含むことを特徴とする通信アドレス自動更新方法。
【請求項2】
前記アクセス時に、自動更新方法選択情報を前記第1の通信端末装置に送信し、該第1の通信端末装置において前記自動更新方法選択情報に基づいて選択した自動更新方法を前記第1の通信端末装置から受信し、受信した前記自動更新方法に基づいて前記変更後の通信アドレスへの前記更新を行うことを特徴とする請求項1記載の通信アドレス自動更新方法。
【請求項3】
前記自動更新方法選択情報は、第2の通信先端末装置について登録されている通信アドレスリスト内に前記変更前の通信アドレスが検出されることを条件に、当該通信アドレスリスト内の前記変更前の通信アドレスの前記変更後の通信アドレスへの更新を行う自動更新方法又は前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間の通信回数の順位に基づいて前記第2の通信端末装置の前記通信アドレスリストの更新を行う自動更新方法のいずれか1つであることを特徴とする請求項2記載の通信アドレス自動更新方法。
【請求項4】
前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との通信回数に基づいて分けられるグループ毎の、前記第2の通信端末装置の前記通信アドレスリストの更新をグループ順位に基づいて行うことを特徴とする請求項3記載の通信アドレス自動更新方法。
【請求項5】
前記グループを、自動更新対象の前記第2の通信端末装置と非自動更新対象の前記第2の通信端末装置とに分ける分別処理を行い、アドレス更新時に、前記分別処理において前記非自動更新対象の第2の通信端末装置を判別したとき、当該非自動更新対象の前記第2の通信端末装置の前記通信アドレスを更新せず、前記当該非自動更新対象の前記第2の通信端末装置への通信を行う指示を前記第1の通信端末装置に送信することを特徴とする請求項4記載の通信アドレス自動更新方法。
【請求項6】
通信アドレスを変更した第1の通信端末装置にアクセスして当該第1の通信端末装置から前記変更後の通信アドレスと前記第1の通信端末装置に登録済みの通信アドレスリストとを読み込む通信アドレス取得手段と、
該通信アドレス取得手段によって読み込まれた前記変更後の通信アドレスと前記通信アドレスリストとに基づいて、前記通信アドレスリスト内の前記変更前の通信アドレスでアクセスされる第2の通信先端末装置について登録されている前記変更前の通信アドレスを前記変更後の前記通信アドレスに更新するアドレス更新手段とを備えることを特徴とする通信アドレス自動更新処理システム。
【請求項7】
前記通信アドレスリスト取得手段は、前記アクセス時に、自動更新方法選択情報を前記第1の通信端末装置に送信する送信手段と、該第1の通信端末装置において前記自動更新方法選択情報に基づいて選択した自動更新方法を前記第1の通信端末装置から受信する受信手段とを有し、前記アドレス更新手段は、受信した前記自動更新方法に基づいて前記変更前の通信アドレスの前記変更後の前記通信アドレスへの更新を行うことを特徴とする請求項6記載の通信アドレス自動更新処理システム。
【請求項8】
前記自動更新方法選択情報は、前記第2の通信先端末装置に登録されている通信アドレスリスト内に前記変更前の通信アドレスが検出されることを条件に、当該通信アドレスリスト内の前記変更前の通信アドレスの前記変更後の通信アドレスへの更新を行う自動更新方法又は前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間の通信回数の順位に基づいて前記第2の通信端末装置の前記通信アドレスリストの更新を行う自動更新方法のいずれか1つであることを特徴とする請求項4記載の通信アドレス自動更新処理システム。
【請求項9】
前記自動更新方法選択情報は、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間の通信回数に基づいてグループに分けられる前記第2の通信端末装置の順位情報を含み、前記アドレス更新手段は、前記通信アドレスリストの更新を、前記順位情報に基づいて行うことを特徴とする請求項8記載の通信アドレス更新処理システム。
【請求項10】
アドレス更新手段は、自動更新対象の前記第2の通信端末装置と非自動更新対象の前記第2の通信端末装置とに分ける分別処理手段を有すると共に、アドレス更新時に前記分別処理手段において前記非自動更新対象の第2の通信端末装置を判別したとき、当該非自動更新対象の第2の通信端末装置の前記通信アドレスを更新せず、前記当該非自動更新対象の第2の通信端末装置への通信を行う指示を前記第1の通信端末装置に送信する通知手段とを有することを特徴とする請求項9記載の通信アドレス更新処理システム。
【請求項11】
通信アドレスの変更時に、通信アドレス更新処理システムから自動更新方法選択情報を受信する受信手段と、
該受信手段で受信する自動更新方法選択情報に基づいて選択した自動更新方法を通信アドレス更新処理システムに返送する送信手段とを有することを特徴とする通信端末装置。
【請求項12】
前記自動更新方法選択情報は、通信相手となる通信端末装置のうちの一方の通信端末装置での通信アドレスの変更に基づいて前記変更後の通信アドレスに他方の通信端末装置の前記変更前の通信アドレスを更新する第1の自動更新方法又は前記一方の通信端末装置と前記他方の通信端末装置との間の通信回数の順位に基づいて前記他方の通信端末装置に登録されている通信アドレスリストを更新する第2の自動更新方法のいずれか1つであることを特徴とする請求項11記載の通信端末装置。
【請求項13】
前記自動更新方法選択情報は、通信相手となる通信端末装置間の通信回数で分けられるグループの順位情報を含むことを特徴とする請求項12記載の通信端末装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至5のうちのいずれか一に記載の通信アドレス自動更新方法を実行させることを特徴とする通信アドレス更新プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、請求項6乃至10のうちのいずれか一に記載の通信アドレス更新処理システムとして機能させることを特徴とする通信アドレス更新プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−114841(P2011−114841A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272359(P2009−272359)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】