通信コネクタ
端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備えるコネクタで使用する接触要素と機構。接触要素と機構は、可撓性の誘電性基板と、基板の第1の面上の第1の導電片と、を備える。プラグがソケットに挿入されたとき、端子接触子が導電片に接触する。多数の端子接触子を有するケーブルプラグと相互接続する補正コネクタを提供する。コネクタは、ケーブルプラグを受承するソケットと、ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が導電片を有する接触要素と、多数の補正要素を有する補正回路と、を備える。個々の補正要素は、接触要素の一つに隣接して配置されている。プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子が導電片の所定の一つと接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信コネクタ、特に、接触点において補正要素を有する多数の接触点を備えた通信コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願に関する相互参照)
本発明は、2004年4月19日に出願され、出願番号60/562,992号が割り当てられ、発明の名称が”コネクタ”である通常の仮出願の利益を主張する。仮出願の全内容は参照することによってこの明細書に組み込まれている。
【0003】
コネクタ又はコネクタジャックは、通信ケーブルと設備を相互接続するために、プラグを受容するようになっている。良い例として、RJ−45規格に適合するコネクタとプラグがある。この分野において周知であるように、プラグはコネクタに挿入されるので、プラグのエッジに沿って露出している端子接触子列は、コネクタハウジングに配置された対応する一連の接触要素と接触する。個々の接触要素は、ニッケルや金めっきされた鋼や同種の金属などの導電性材料から作られた高剛性の櫛歯状の歯の部分を形成する。個々の歯は、互いに離れて支持された状態に取り付けられ、撓み可能な部分を含んでいる。端子接触子が接触要素と接触し、接触要素は相互接続性を向上するために反力を生じつつ退避する。
【0004】
データ通信システムにおいて、伝送帯域幅や伝送速度が増加するとき、クロストークノイズの補正がより一層重要になる。ワイヤ及びケーブルの構造及び構成が、これらのデータ通信技術の低いノイズ要求を満たすために改良されるとき、コネクタ終端の伝送線もまた同じ要求を満たさなければならない。
【0005】
周知のRJ−45規格に適合するコネクタは、このコネクタ内の導体ペアが、全てのペアの組み合わせに関して対照的に構成されていないため、隣接する導体ペア間でクロストークノイズ(NEXT:近端クロストーク、FEXT:遠端クロストーク)を受けるコネクタの良い例である。このようなプラグ/コネクタのインターフェースを介する信号伝送において、発生する共通モード及び差動モードのクロストークノイズに関し、十分な補正をするために、言い換えると、最適バランスモードで動作するための上記コネクタに関し、各ペアの全ての導体間のリアクタンスが等しくなければならない。現在、ピン3−6と4−5によって特定されたペアは、ペア間で共通モード及び差動モードのために十分な補正を与える従来のプラグ及びコネクタにおいて非常に良くバランスが保たれている。他方、ペア1−2と3−6及びペア3−6と7−8間の静電結合は、特に、ペア(例えば、共通モードNEXTに対する差動モード、逆に、差動モードに対する共通モードNEXT)間のモード変換ノイズ又はクロストークに生じる全ての導体に関して等しくなく、より一層厳しい業界標準に応じるために試みるとき重要な問題である。
【0006】
従来例は、ペア間のモード変換ノイズ又はクロストークに関し、種々の補正回路及び補正方法を明らかにする。しかしながら、これらの従来例の一つの欠点は、誘導性又は容量性である補正要素が、プラグの端子接触子とコネクタの接触要素間の接触点から離れて配置されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、端子接触子を有するケーブルプラグを受容するために適合されたソケットを備えるコネクタで使用するための接触要素を提供することによって、上記欠点及び他の欠点に対処する。接触要素は、可撓性の誘電性基板と、基板の第1の面上に形成された導電片と、を備える。
【0008】
さらに、複数の端子接触子を有するプラグを受容するようになっているソケットを備えるコネクタで使用するための接触機構が設けられている。機構は、可撓性の誘電性基板と、基板の第1の面上に配置された多数の第1の導電片とを備え、プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は、任意の導電片と接触する。
【0009】
多数の端子接触子を備えるケーブルプラグと相互接続するためのコネクタが提供される。コネクタは、プラグを受容するようになっているソケットと、ソケットに配置された多数の接触要素と、を備える。個々の接触要素は、可撓性の誘電性基板の第1の面上で導電片を備える。ケーブルプラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は任意の導電片と接触する。
【0010】
さらに、多数の端子接触子を備えるケーブルプラグと相互接続するための補正コネクタが提供される。コネクタは、プラグを受容するようになっているソケットと、ソケットに配置された多数の接触要素と、を備える。個々の接触要素は、導電片と、多数の補正要素を有する補正回路とを備える。補正要素は、接触要素の一つに隣接して配置されている。プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は任意の導電片と接触する。
【0011】
また、端子接触子を有するケーブルを受容するようになっているソケットを備える補正コネクタで使用するための接触要素が提供される。接触要素は、誘電体サポートと、サポートの面上で導電片を有する補正要素と、を備える。プラグがソケットに挿入されたとき、端子接触子は導電片と接触する。
【0012】
さらに、ペアを組んで配置された多数の導体を有する通信ケーブルの終端を電気的に処理するケーブルプラグと相互接続するための補正コネクタが提供される。プラグは、任意の導体の終端を電気的に処理する多数の端子接触子を備えている。コネクタは、プラグを受容するソケットを備え、ソケットには多数の接触要素が配置され、個々の接触要素は、導電片と、多数の補正要素を有する補正回路と、を備えている。個々の補正要素は、接触要素の一つに隣接して配置されている。プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は導電片の任意の一つと接触する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に示すように、符号10で示されるコネクタの実施形態が説明される。この技術分野で周知であるように、符号12で示されるユーザ設備は、多数のツイストペアの導体(図示しない)から構成されたネットワークケーブル14を介してローカルエリアネットワーク(LAN)や同種のネットワーク(図示せず)にアクセスする。ネットワークケーブル14は、コネクタ10に対する挿入(及びコネクタからの取り外し)のために適合されるプラグ16によって終端が電気的に処理されている。コネクタ10は、反対側の端部で、スイッチ、ハブ、ルータ、リピータ及び同種の他のネットワーク装置(全て図示しない)によって終端が電気的に処理される通信ケーブル18を電気的に終端処理する。ネットワークケーブル14と通信ケーブル18の両方は、一般的に、符号20で示される導体と同数のツイストペアで構成されている。
【0014】
また、図1に示すように、通信ケーブル18が隠される後ろの壁又は同種のものと同一平面に取り付けられるコネクタ10は、面板22に挿入される。そこで、面板22に成型された同種の係合部26に係合するコネクタ10の外面に成型され又は形成された一対のタブ24によって、コネクタ10がしっかり保持される。
【0015】
RJ−45に適合するジャックとプラグに関し、8個の接触片(図示せず)が、通信ケーブル18の導体20のツイストペアを電気的に終端処理するコネクタ10の内側に配置されている。同様に、ケーブル14の8本の導体は、プラグ14の前面30に沿って露出し、符号28で示す8個の端子接触子によって個々に終端処理されている。プラグ16がコネクタ10に挿入されたとき、コネクタ10の接触片は、プラグ16の端子接触子28と接触し、それによって、プラグ16とコネクタ10間で導体経路を提供し、その結果、ケーブル14の導体と通信ケーブル18の導体が相互接続する。
【0016】
図2に示すように、一般的に、符号10で示されるコネクタは、モジュラーであり、切り取られた一つ以上の32で示されるコネクタレセプタクルが設けられた面板(又はパネル)22にスナップ嵌合したり、大きな回路アセンブリの部分としてのプリント回路体又は同種のもの(図示せず)に直接に取り付けたりするために設計されている。具体的には、コネクタ10は、プラスチックなどの適度に硬い非導電性材料から製造された前側部分34と後側部分36からなる二つのハウジングで構成されている。接触片40から構成される接触要素38のA列は、ハウジングの中に配置され、前側部分34が後側部分36に組み立てられたとき、そこに収容される。接触片列40は、非導電体(誘電体)でポリイミドのカプトン(登録商標)などの可撓性材料から作られたプリント回路体(PCB)44の第1の面42上でエッチングされ、接触部を形成するために銅又はアルミニウムなどの導電性材料で被覆されている。技術分野で知られているように、リソグラフィ技術は、非導電性材料によって支持された導電性のトレースを残しているPCBから導電性材料の接触層を選択的に除去するために使用されることができる。露出した接触片列40は、通常、金などの高い酸化電位を有する導電性材料で被覆されている。
【0017】
技術分野における当業者にとって明らかであるように、ケーブルプラグ(図示せず)は、プラグ開口46に挿入されるので、ケーブルプラグ内の個々の接触子は、接触片列40の相補的な一つに対して押圧する。PCB44が可撓性を有するので、接触片列40は、ケーブルプラグから離れるように撓む。良好な接触がプラグ内に配置された接触子と接触片列40の間で確実に維持されるために、例えば、プラスチックなどの非導電体材料から作られたリジッド支持構造48が、可撓性のPCB44が包まれている周囲に設けられている。符号50で示されている制限された可撓性を有するブレードを支持する非導電体列は、支持構造48の第1の端部52に取り付けられている。個々のブレード50は、接触片列40の各一つ下に配置されている。ブレード50は、ケーブルプラグの接触子に向かって、接触片列40を付勢する独立の対抗力を与え、それによって、ケーブルプラグがアッセンブリー10に挿入されたとき、接触信頼性を確実にする。さらに、互いに対する接触片列40の可撓性を改良するために、隣接する接触片40の間の材料は、PCB40の製造中に除去される。
【0018】
図3に示すように、接触片列40の個々の接触片は、符号54で示される圧接コネクタ(IDC)の端子と接触した状態にある。技術分野で示されるように、符号56の小さいゲージ絶縁ワイヤは、IDC端子54の二股の導電ブレード58,60の間に挿入される。裂け目が、導電ブレード58,60がワイヤ56の導体64と接触するように、ワイヤ56の絶縁層62に作られる。
【0019】
本実施形態では、IDC端子の使用を開示するが、IDC端子が端子の他のタイプ、例えば、リジッド接触ピンに変更されることができ、それによって、PCB又は同種のもの(図示せず)に直接にろう付けされるコネクタ10を許容するということに留意されたい。
【0020】
図4A及び4Bに示すように、可撓性の接触アセンブリ66について説明される。接触片列40は、PCB44の第1の面72及び第2の面74にエッチングされた70で示されるトレース列を介して、IDC端子(図3の54)の68で示される接触パッドに相互接続する。さらに、選択的に補正された容量性の補正要素列を備えた補正回路76が、提供される。
【0021】
図4A及び4Bに加えて、図1に示すように、14及び18で示されるケーブル内のツイストペア導体の層を調整することによって、ツイストペア導体間のシールドを提供する場合に、14及び18で示されるケーブルの設計は、導体間のクロストークを最小にするために最適化される。しかしながら、技術分野で示されるように、コネクタ10,ケーブル14,18、プラグ16などの要素は、信号伝送路に寄生リアクタンスをもたらすことによってこの最適化を妨げ、それによって、これらの要素が部分を形成する通信システムの性能に悪影響をもたらすクロストークや雑音排除性に関して不均衡な挙動を生じる。さらに、ツイストペアと、コネクタ10及びプラグ14の境界部に存在する金属端子を捻らないことは、この最適化を妨げ、高速伝送が維持される場合に処理されなければならない浮遊又は寄生リアクタンスをもたらす。また、隣接する導体は、ある程度は互いに対をなし、この場合、クロストークは、通信信号に生じる。補正回路76は、選択的に、これらの寄生リアクタンスを補正する誘導性及び容量性リアクタンスの発生によって、ツイストペア導体と対をなす(図1の符号20)。それによって、特に、高周波数で、クロストークの減少、ノイズの減少などに関して、性能を改善する。技術分野で知られているように、このような補正回路は、容量性補正要素及び/又は誘導性補正要素の結合によって形成されることができる。
【0022】
図4Cに示すように、個々の容量性補正要素78は、PCB44の第1の面72にエッチングされた接触片40によって提供された第1の接触板と、PCB44の第2の面74にエッチングされた第2の接触板82から構成されている。当業者によって理解されるように、接触片40と第2の接触板82との間に挟まれたPCB44の誘電体材料の組み合わせは、容量性補正要素78を提供する。この構成の一つの大きな効果は、符号78で示される補正要素がコネクタ10と、補正回路76の高周波数挙動を改善するプラグ(図示せず)との間の接触点に配置されているということである。
【0023】
図4A、4Bに示すように、誘導性補正要素を提供するために、重なる誘導ループがセットアップされる必要がある。当業者によって明らかであるように、誘導性カップリングのカップリング量は、重なる誘導ループの間の重なる作用領域の部分である。さらに、誘導性カップリングは、両ループで流れる電流の方向に依存して、前方又は逆のどちらにもすることができる。図4A,4Bに加えて、図1に示すように、プラグ16がコネクタ10に挿入されたとき、端子接触子28は、接触領域84にある接触片40の所定のものと接触する。特に、伝送路は、スルーホール接触子86とトレース703を介して、接触片(又はピン)3(参照符号403)と、それに一体化された接触パッド683との間にセットされる。トレース703の伝送路が、接触片(又はピン)5(図4Aの参照符号405)の上にあるということに注目すべきである。同様に、伝送路は、スルーホール接触子88とトレース706を介して、接触片(又はピン)6(参照符号406)と、それに一体化された接触パッド686との間にセットされる。トレース706の伝送路が、接触片(又はピン)4(図4Aの参照符号404)の上にあるということに注目すべきである。このように一対の誘導ループは、ペア3−6と、ピン4(参照符号404)とピン5(参照符号405)との間のスペースに比例する誘導性カップリングを生じるペア4〜5との間にセットされる。同様の誘導性カップリングは、ピンペア4−5(参照符号404,405)のトレース704,705と、波線ボックスによって示されたPCボード上の領域90にあるピンペア3−6(参照符号403,406)のトレース703,706との間にセットされる。しかしながら、この第2の場合において、誘導ループは反対である。
【0024】
本実施形態は、誘電体材料によって分離された二つの導電層を有する可撓性PCB44を説明するが、当業者は、多数の導電層が多数の誘電体材料によって分離されている、多層のPCBが使用できるということを理解することができる。
【0025】
RJ−45仕様による、コネクタ、ケーブル、プラグのアセンブリにおいて、8本の導体が、通信システムで幅広く使用されているツイストペアを形成するために互いに捻られているペアを作って配置されている。図5に示すように、RJ−45プラグは、導体列94を電気的に終端処理する符号92で示される端子接触子列として、符号96で示される寄生静電容量列の間で作られている。プラグ16がコネクタ10に挿入されたとき、符号92で示される端子接触子列は、容量性補正要素78の第1の接触板を作る符号40で示される接触片と接触する。上述したように、補正要素78は、寄生静電容量96に生じる悪影響を補正又は均衡するように設計されている補正回路76として配置されている。これに関し、図5に示すように、容量性補正要素列781は、差動寄生静電容量96のために補正している。さらに、容量性補正要素(782,783,784)は、任意的に、寄生静電容量96と補正要素781とによって生じる共通モードノイズ信号を補正するために設けられている。なお、容量性補正要素の他の構成は、可能であることに留意されたい。さらに、上述した誘導性補正要素は、説明したように、補正回路76に適当な変更をして、容量性補正要素と共に使用されることもできる。
【0026】
コネクタ10とプラグ16の境界をバランスするために、補正(均衡)要素が、導入された寄生静電容量96に対抗する補正回路76を形成するためにコネクタ10に一体化されることができる。このような補正回路76は、一つ以上の容量性要素を含む補正要素78の組み合わせから作られることができる。本実施形態における補正要素78の全ては、約360±15フェムトファラドの範囲の値を有する静電容量である。必然的に、前記寄生静電容量96の点(すなわち、端子接触子92とコネクタ接触片40の間の接触点)の近くに補正要素78を置き換えることによって、補正が改良されることができる(伝送信号に対する時間移動補正が必要な点から必ず遅れるため、訂正信号において望ましくないずれを生じる)。
【0027】
図2に加えて図6に示すように、組み立て中、PCB44は支持構造48を嵌合するために形成される。図7に示すように、しかしながら、支持構造48の他の構造において、同様のコネクタ10がPCB44を大きく曲げることなしに組み立てられることができる。これは、例えば、より一層リジッドなPCB構造、FR4(Flame Retardant Type 4)エポキシ積層板の薄いシートから製造されるPCBの使用を許容する。図7のPCB44は、接触片列40とIDC端子54の間の相互接続トレース(図示せず)がやや短くされるという効果がある。
【0028】
図8に示すように、第2の実施形態において、図2の非導電性の支持ブレード50は金属すずの列98に置き換えることができる。すず98は、このすず98とPCB44の間を適切に分離する誘電体を備えて、図4A,4BのPCB44を支持するために使用されることができる。他に、補正要素78は、例えば、非導電性の接着剤(図示せず)を使用して、すず98に直接に形成されることができる。これに関し、すず98は、第2の接触板82とすず98との間で適切な誘電体を備えて、補正要素78の第1の接触板を提供する(例えば、誘電体材料の一片が、すず98の面と第2の接触板82との間に配置する)。補正要素78の第2の接触板82は、補正回路を形成するために、小さいゲージ線100を使用して、すず98によって形成された第1の接触板と相互接続する。
【0029】
図9に示すように、可撓性PCB44の使用は、IDC端子54がPCB44に対する如何なる変更をすることなしに配置される方法において、変更を許容する。これは、例えば、ケーブル102の改良された終端に関し、許容する。例えば、量を減少することによって、ツイストペアの個々のワイヤ56が、IDC端子54の二股の導体ブレード58,60の間にワイヤ56を挿入する前に解されなければならない。ケーブル102とコネクタ10との間の相互接続の改良は、改良された性能をもたらす。
【0030】
本発明は、その実施形態によって説明されているが、これらの実施形態は、発明の精神及び性質から逸脱することなく、随意に、変更が成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の図示する実施形態にしたがって組み立てられたRJ−45のソケット及ぶプラグの斜視図である。
【図2】本発明の図示する実施形態にしたがう拡大図である。
【図3】本発明の図示する実施形態にしたがって取り付けられた可撓性PCBを有する支持構造の斜視図である。
【図4A】本発明の図示する実施形態にしたがうPCBの上面でトレースを詳細に示す可撓性PCBの平面図である。
【図4B】本発明の図示する実施形態にしたがうPCBの下面でトレースを詳細に示す図4Aの可撓性PCBの平面図である。
【図4C】図4Aの4Cに沿う断面図である。
【図5】本発明の図示する実施形態にしたがうプラグと補正回路の概要図である。
【図6】本発明の図示する実施形態にしたがう可撓性PCBの斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態にしたがって取り付けられたPCBを有する支持構造の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にしたがうプ接触子アセンブリと補正ネットワークの斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態にコネクタの斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信コネクタ、特に、接触点において補正要素を有する多数の接触点を備えた通信コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願に関する相互参照)
本発明は、2004年4月19日に出願され、出願番号60/562,992号が割り当てられ、発明の名称が”コネクタ”である通常の仮出願の利益を主張する。仮出願の全内容は参照することによってこの明細書に組み込まれている。
【0003】
コネクタ又はコネクタジャックは、通信ケーブルと設備を相互接続するために、プラグを受容するようになっている。良い例として、RJ−45規格に適合するコネクタとプラグがある。この分野において周知であるように、プラグはコネクタに挿入されるので、プラグのエッジに沿って露出している端子接触子列は、コネクタハウジングに配置された対応する一連の接触要素と接触する。個々の接触要素は、ニッケルや金めっきされた鋼や同種の金属などの導電性材料から作られた高剛性の櫛歯状の歯の部分を形成する。個々の歯は、互いに離れて支持された状態に取り付けられ、撓み可能な部分を含んでいる。端子接触子が接触要素と接触し、接触要素は相互接続性を向上するために反力を生じつつ退避する。
【0004】
データ通信システムにおいて、伝送帯域幅や伝送速度が増加するとき、クロストークノイズの補正がより一層重要になる。ワイヤ及びケーブルの構造及び構成が、これらのデータ通信技術の低いノイズ要求を満たすために改良されるとき、コネクタ終端の伝送線もまた同じ要求を満たさなければならない。
【0005】
周知のRJ−45規格に適合するコネクタは、このコネクタ内の導体ペアが、全てのペアの組み合わせに関して対照的に構成されていないため、隣接する導体ペア間でクロストークノイズ(NEXT:近端クロストーク、FEXT:遠端クロストーク)を受けるコネクタの良い例である。このようなプラグ/コネクタのインターフェースを介する信号伝送において、発生する共通モード及び差動モードのクロストークノイズに関し、十分な補正をするために、言い換えると、最適バランスモードで動作するための上記コネクタに関し、各ペアの全ての導体間のリアクタンスが等しくなければならない。現在、ピン3−6と4−5によって特定されたペアは、ペア間で共通モード及び差動モードのために十分な補正を与える従来のプラグ及びコネクタにおいて非常に良くバランスが保たれている。他方、ペア1−2と3−6及びペア3−6と7−8間の静電結合は、特に、ペア(例えば、共通モードNEXTに対する差動モード、逆に、差動モードに対する共通モードNEXT)間のモード変換ノイズ又はクロストークに生じる全ての導体に関して等しくなく、より一層厳しい業界標準に応じるために試みるとき重要な問題である。
【0006】
従来例は、ペア間のモード変換ノイズ又はクロストークに関し、種々の補正回路及び補正方法を明らかにする。しかしながら、これらの従来例の一つの欠点は、誘導性又は容量性である補正要素が、プラグの端子接触子とコネクタの接触要素間の接触点から離れて配置されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、端子接触子を有するケーブルプラグを受容するために適合されたソケットを備えるコネクタで使用するための接触要素を提供することによって、上記欠点及び他の欠点に対処する。接触要素は、可撓性の誘電性基板と、基板の第1の面上に形成された導電片と、を備える。
【0008】
さらに、複数の端子接触子を有するプラグを受容するようになっているソケットを備えるコネクタで使用するための接触機構が設けられている。機構は、可撓性の誘電性基板と、基板の第1の面上に配置された多数の第1の導電片とを備え、プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は、任意の導電片と接触する。
【0009】
多数の端子接触子を備えるケーブルプラグと相互接続するためのコネクタが提供される。コネクタは、プラグを受容するようになっているソケットと、ソケットに配置された多数の接触要素と、を備える。個々の接触要素は、可撓性の誘電性基板の第1の面上で導電片を備える。ケーブルプラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は任意の導電片と接触する。
【0010】
さらに、多数の端子接触子を備えるケーブルプラグと相互接続するための補正コネクタが提供される。コネクタは、プラグを受容するようになっているソケットと、ソケットに配置された多数の接触要素と、を備える。個々の接触要素は、導電片と、多数の補正要素を有する補正回路とを備える。補正要素は、接触要素の一つに隣接して配置されている。プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は任意の導電片と接触する。
【0011】
また、端子接触子を有するケーブルを受容するようになっているソケットを備える補正コネクタで使用するための接触要素が提供される。接触要素は、誘電体サポートと、サポートの面上で導電片を有する補正要素と、を備える。プラグがソケットに挿入されたとき、端子接触子は導電片と接触する。
【0012】
さらに、ペアを組んで配置された多数の導体を有する通信ケーブルの終端を電気的に処理するケーブルプラグと相互接続するための補正コネクタが提供される。プラグは、任意の導体の終端を電気的に処理する多数の端子接触子を備えている。コネクタは、プラグを受容するソケットを備え、ソケットには多数の接触要素が配置され、個々の接触要素は、導電片と、多数の補正要素を有する補正回路と、を備えている。個々の補正要素は、接触要素の一つに隣接して配置されている。プラグがソケットに挿入されたとき、個々の端子接触子は導電片の任意の一つと接触する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に示すように、符号10で示されるコネクタの実施形態が説明される。この技術分野で周知であるように、符号12で示されるユーザ設備は、多数のツイストペアの導体(図示しない)から構成されたネットワークケーブル14を介してローカルエリアネットワーク(LAN)や同種のネットワーク(図示せず)にアクセスする。ネットワークケーブル14は、コネクタ10に対する挿入(及びコネクタからの取り外し)のために適合されるプラグ16によって終端が電気的に処理されている。コネクタ10は、反対側の端部で、スイッチ、ハブ、ルータ、リピータ及び同種の他のネットワーク装置(全て図示しない)によって終端が電気的に処理される通信ケーブル18を電気的に終端処理する。ネットワークケーブル14と通信ケーブル18の両方は、一般的に、符号20で示される導体と同数のツイストペアで構成されている。
【0014】
また、図1に示すように、通信ケーブル18が隠される後ろの壁又は同種のものと同一平面に取り付けられるコネクタ10は、面板22に挿入される。そこで、面板22に成型された同種の係合部26に係合するコネクタ10の外面に成型され又は形成された一対のタブ24によって、コネクタ10がしっかり保持される。
【0015】
RJ−45に適合するジャックとプラグに関し、8個の接触片(図示せず)が、通信ケーブル18の導体20のツイストペアを電気的に終端処理するコネクタ10の内側に配置されている。同様に、ケーブル14の8本の導体は、プラグ14の前面30に沿って露出し、符号28で示す8個の端子接触子によって個々に終端処理されている。プラグ16がコネクタ10に挿入されたとき、コネクタ10の接触片は、プラグ16の端子接触子28と接触し、それによって、プラグ16とコネクタ10間で導体経路を提供し、その結果、ケーブル14の導体と通信ケーブル18の導体が相互接続する。
【0016】
図2に示すように、一般的に、符号10で示されるコネクタは、モジュラーであり、切り取られた一つ以上の32で示されるコネクタレセプタクルが設けられた面板(又はパネル)22にスナップ嵌合したり、大きな回路アセンブリの部分としてのプリント回路体又は同種のもの(図示せず)に直接に取り付けたりするために設計されている。具体的には、コネクタ10は、プラスチックなどの適度に硬い非導電性材料から製造された前側部分34と後側部分36からなる二つのハウジングで構成されている。接触片40から構成される接触要素38のA列は、ハウジングの中に配置され、前側部分34が後側部分36に組み立てられたとき、そこに収容される。接触片列40は、非導電体(誘電体)でポリイミドのカプトン(登録商標)などの可撓性材料から作られたプリント回路体(PCB)44の第1の面42上でエッチングされ、接触部を形成するために銅又はアルミニウムなどの導電性材料で被覆されている。技術分野で知られているように、リソグラフィ技術は、非導電性材料によって支持された導電性のトレースを残しているPCBから導電性材料の接触層を選択的に除去するために使用されることができる。露出した接触片列40は、通常、金などの高い酸化電位を有する導電性材料で被覆されている。
【0017】
技術分野における当業者にとって明らかであるように、ケーブルプラグ(図示せず)は、プラグ開口46に挿入されるので、ケーブルプラグ内の個々の接触子は、接触片列40の相補的な一つに対して押圧する。PCB44が可撓性を有するので、接触片列40は、ケーブルプラグから離れるように撓む。良好な接触がプラグ内に配置された接触子と接触片列40の間で確実に維持されるために、例えば、プラスチックなどの非導電体材料から作られたリジッド支持構造48が、可撓性のPCB44が包まれている周囲に設けられている。符号50で示されている制限された可撓性を有するブレードを支持する非導電体列は、支持構造48の第1の端部52に取り付けられている。個々のブレード50は、接触片列40の各一つ下に配置されている。ブレード50は、ケーブルプラグの接触子に向かって、接触片列40を付勢する独立の対抗力を与え、それによって、ケーブルプラグがアッセンブリー10に挿入されたとき、接触信頼性を確実にする。さらに、互いに対する接触片列40の可撓性を改良するために、隣接する接触片40の間の材料は、PCB40の製造中に除去される。
【0018】
図3に示すように、接触片列40の個々の接触片は、符号54で示される圧接コネクタ(IDC)の端子と接触した状態にある。技術分野で示されるように、符号56の小さいゲージ絶縁ワイヤは、IDC端子54の二股の導電ブレード58,60の間に挿入される。裂け目が、導電ブレード58,60がワイヤ56の導体64と接触するように、ワイヤ56の絶縁層62に作られる。
【0019】
本実施形態では、IDC端子の使用を開示するが、IDC端子が端子の他のタイプ、例えば、リジッド接触ピンに変更されることができ、それによって、PCB又は同種のもの(図示せず)に直接にろう付けされるコネクタ10を許容するということに留意されたい。
【0020】
図4A及び4Bに示すように、可撓性の接触アセンブリ66について説明される。接触片列40は、PCB44の第1の面72及び第2の面74にエッチングされた70で示されるトレース列を介して、IDC端子(図3の54)の68で示される接触パッドに相互接続する。さらに、選択的に補正された容量性の補正要素列を備えた補正回路76が、提供される。
【0021】
図4A及び4Bに加えて、図1に示すように、14及び18で示されるケーブル内のツイストペア導体の層を調整することによって、ツイストペア導体間のシールドを提供する場合に、14及び18で示されるケーブルの設計は、導体間のクロストークを最小にするために最適化される。しかしながら、技術分野で示されるように、コネクタ10,ケーブル14,18、プラグ16などの要素は、信号伝送路に寄生リアクタンスをもたらすことによってこの最適化を妨げ、それによって、これらの要素が部分を形成する通信システムの性能に悪影響をもたらすクロストークや雑音排除性に関して不均衡な挙動を生じる。さらに、ツイストペアと、コネクタ10及びプラグ14の境界部に存在する金属端子を捻らないことは、この最適化を妨げ、高速伝送が維持される場合に処理されなければならない浮遊又は寄生リアクタンスをもたらす。また、隣接する導体は、ある程度は互いに対をなし、この場合、クロストークは、通信信号に生じる。補正回路76は、選択的に、これらの寄生リアクタンスを補正する誘導性及び容量性リアクタンスの発生によって、ツイストペア導体と対をなす(図1の符号20)。それによって、特に、高周波数で、クロストークの減少、ノイズの減少などに関して、性能を改善する。技術分野で知られているように、このような補正回路は、容量性補正要素及び/又は誘導性補正要素の結合によって形成されることができる。
【0022】
図4Cに示すように、個々の容量性補正要素78は、PCB44の第1の面72にエッチングされた接触片40によって提供された第1の接触板と、PCB44の第2の面74にエッチングされた第2の接触板82から構成されている。当業者によって理解されるように、接触片40と第2の接触板82との間に挟まれたPCB44の誘電体材料の組み合わせは、容量性補正要素78を提供する。この構成の一つの大きな効果は、符号78で示される補正要素がコネクタ10と、補正回路76の高周波数挙動を改善するプラグ(図示せず)との間の接触点に配置されているということである。
【0023】
図4A、4Bに示すように、誘導性補正要素を提供するために、重なる誘導ループがセットアップされる必要がある。当業者によって明らかであるように、誘導性カップリングのカップリング量は、重なる誘導ループの間の重なる作用領域の部分である。さらに、誘導性カップリングは、両ループで流れる電流の方向に依存して、前方又は逆のどちらにもすることができる。図4A,4Bに加えて、図1に示すように、プラグ16がコネクタ10に挿入されたとき、端子接触子28は、接触領域84にある接触片40の所定のものと接触する。特に、伝送路は、スルーホール接触子86とトレース703を介して、接触片(又はピン)3(参照符号403)と、それに一体化された接触パッド683との間にセットされる。トレース703の伝送路が、接触片(又はピン)5(図4Aの参照符号405)の上にあるということに注目すべきである。同様に、伝送路は、スルーホール接触子88とトレース706を介して、接触片(又はピン)6(参照符号406)と、それに一体化された接触パッド686との間にセットされる。トレース706の伝送路が、接触片(又はピン)4(図4Aの参照符号404)の上にあるということに注目すべきである。このように一対の誘導ループは、ペア3−6と、ピン4(参照符号404)とピン5(参照符号405)との間のスペースに比例する誘導性カップリングを生じるペア4〜5との間にセットされる。同様の誘導性カップリングは、ピンペア4−5(参照符号404,405)のトレース704,705と、波線ボックスによって示されたPCボード上の領域90にあるピンペア3−6(参照符号403,406)のトレース703,706との間にセットされる。しかしながら、この第2の場合において、誘導ループは反対である。
【0024】
本実施形態は、誘電体材料によって分離された二つの導電層を有する可撓性PCB44を説明するが、当業者は、多数の導電層が多数の誘電体材料によって分離されている、多層のPCBが使用できるということを理解することができる。
【0025】
RJ−45仕様による、コネクタ、ケーブル、プラグのアセンブリにおいて、8本の導体が、通信システムで幅広く使用されているツイストペアを形成するために互いに捻られているペアを作って配置されている。図5に示すように、RJ−45プラグは、導体列94を電気的に終端処理する符号92で示される端子接触子列として、符号96で示される寄生静電容量列の間で作られている。プラグ16がコネクタ10に挿入されたとき、符号92で示される端子接触子列は、容量性補正要素78の第1の接触板を作る符号40で示される接触片と接触する。上述したように、補正要素78は、寄生静電容量96に生じる悪影響を補正又は均衡するように設計されている補正回路76として配置されている。これに関し、図5に示すように、容量性補正要素列781は、差動寄生静電容量96のために補正している。さらに、容量性補正要素(782,783,784)は、任意的に、寄生静電容量96と補正要素781とによって生じる共通モードノイズ信号を補正するために設けられている。なお、容量性補正要素の他の構成は、可能であることに留意されたい。さらに、上述した誘導性補正要素は、説明したように、補正回路76に適当な変更をして、容量性補正要素と共に使用されることもできる。
【0026】
コネクタ10とプラグ16の境界をバランスするために、補正(均衡)要素が、導入された寄生静電容量96に対抗する補正回路76を形成するためにコネクタ10に一体化されることができる。このような補正回路76は、一つ以上の容量性要素を含む補正要素78の組み合わせから作られることができる。本実施形態における補正要素78の全ては、約360±15フェムトファラドの範囲の値を有する静電容量である。必然的に、前記寄生静電容量96の点(すなわち、端子接触子92とコネクタ接触片40の間の接触点)の近くに補正要素78を置き換えることによって、補正が改良されることができる(伝送信号に対する時間移動補正が必要な点から必ず遅れるため、訂正信号において望ましくないずれを生じる)。
【0027】
図2に加えて図6に示すように、組み立て中、PCB44は支持構造48を嵌合するために形成される。図7に示すように、しかしながら、支持構造48の他の構造において、同様のコネクタ10がPCB44を大きく曲げることなしに組み立てられることができる。これは、例えば、より一層リジッドなPCB構造、FR4(Flame Retardant Type 4)エポキシ積層板の薄いシートから製造されるPCBの使用を許容する。図7のPCB44は、接触片列40とIDC端子54の間の相互接続トレース(図示せず)がやや短くされるという効果がある。
【0028】
図8に示すように、第2の実施形態において、図2の非導電性の支持ブレード50は金属すずの列98に置き換えることができる。すず98は、このすず98とPCB44の間を適切に分離する誘電体を備えて、図4A,4BのPCB44を支持するために使用されることができる。他に、補正要素78は、例えば、非導電性の接着剤(図示せず)を使用して、すず98に直接に形成されることができる。これに関し、すず98は、第2の接触板82とすず98との間で適切な誘電体を備えて、補正要素78の第1の接触板を提供する(例えば、誘電体材料の一片が、すず98の面と第2の接触板82との間に配置する)。補正要素78の第2の接触板82は、補正回路を形成するために、小さいゲージ線100を使用して、すず98によって形成された第1の接触板と相互接続する。
【0029】
図9に示すように、可撓性PCB44の使用は、IDC端子54がPCB44に対する如何なる変更をすることなしに配置される方法において、変更を許容する。これは、例えば、ケーブル102の改良された終端に関し、許容する。例えば、量を減少することによって、ツイストペアの個々のワイヤ56が、IDC端子54の二股の導体ブレード58,60の間にワイヤ56を挿入する前に解されなければならない。ケーブル102とコネクタ10との間の相互接続の改良は、改良された性能をもたらす。
【0030】
本発明は、その実施形態によって説明されているが、これらの実施形態は、発明の精神及び性質から逸脱することなく、随意に、変更が成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の図示する実施形態にしたがって組み立てられたRJ−45のソケット及ぶプラグの斜視図である。
【図2】本発明の図示する実施形態にしたがう拡大図である。
【図3】本発明の図示する実施形態にしたがって取り付けられた可撓性PCBを有する支持構造の斜視図である。
【図4A】本発明の図示する実施形態にしたがうPCBの上面でトレースを詳細に示す可撓性PCBの平面図である。
【図4B】本発明の図示する実施形態にしたがうPCBの下面でトレースを詳細に示す図4Aの可撓性PCBの平面図である。
【図4C】図4Aの4Cに沿う断面図である。
【図5】本発明の図示する実施形態にしたがうプラグと補正回路の概要図である。
【図6】本発明の図示する実施形態にしたがう可撓性PCBの斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態にしたがって取り付けられたPCBを有する支持構造の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にしたがうプ接触子アセンブリと補正ネットワークの斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態にコネクタの斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備えるコネクタで使用する接触要素であって、
前記接触要素は、
可撓性の誘電性基板と、
前記基板の第1の面上の第1の導電片と、を備え、
前記プラグが前記ソケットに挿入されたとき、前記端子接触子が前記導電片に接触する接触要素。
【請求項2】
さらに、補正要素を備えた請求項1に記載の接触要素。
【請求項3】
前記補正要素は、キャパシタと誘導ループとを備え、前記導電片は前記キャパシタの接触板として作用し、前記誘導ループの少なくとも一部分が前記導電片を備えた請求項2に記載の接触要素。
【請求項4】
前記補正要素は前記キャパシタを備え、前記導電片は前記キャパシタの接触板として機能する請求項2に記載の接触要素。
【請求項5】
前記補正要素は誘導ループを備え、前記誘導ループの少なくとも一つの部分が前記導電片を備えた請求項2に記載の接触要素。
【請求項6】
前記基板が可撓性プリント回路体であり、前記第1の導電片が前記第1の面にエッチングされた請求項1に記載の接触要素。
【請求項7】
さらに、前記基板の第2の面に第2の導電片を備えた請求項1に記載の接触要素。
【請求項8】
さらに、前記第1の導電片を前記端子接触子に向かって付勢するための可撓性サポートを備えた請求項1に記載の接触要素。
【請求項9】
前記可撓性サポートは前記基板の第2の面と接触する請求項8に記載の接触要素。
【請求項10】
多数の端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備えるコネクタで使用する接触機構であって、
前記接触機構は、
可撓性の誘電性基板と、
前記基板の第1の面上に配置された多数の第1の導電片と、を備え、
前記プラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つに接触する接触機構。
【請求項11】
前記誘電性基板が可撓性プリント回路基板である請求項10に記載の接触機構。
【請求項12】
さらに、前記誘電性基板の第2の面に少なくとも一つの第2の導電片を備えた請求項10に記載の接触機構。
【請求項13】
少なくとも一つの前記第1の導電片と少なくとも一つの前記第2の導電片の間の前記誘電性基板が、キャパシタとして機能する請求項12に記載の接触機構。
【請求項14】
さらに、多数の補正要素を有する補正回路を備えた請求項10に記載の接触機構。
【請求項15】
少なくとも一つの前記補正要素が容量性である請求項14に記載の接触機構。
【請求項16】
前記導電片が、細長く、かつ、互いに平行に配置された請求項14に記載の接触機構。
【請求項17】
さらに、隣接する前記導電片の間の前記誘電性支持にスロットを備えた請求項16に記載の接触機構。
【請求項18】
少なくとも一つの前記補正要素が誘導性である請求項14に記載の接触機構。
【請求項19】
多数の端子接触子を備えたケーブルプラグと相互接続するコネクタであって、
前記コネクタは、
前記ケーブルプラグを受承するソケットと、
前記ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が可撓性の誘電性基板の第1の面に導電片を有する多数の接触要素と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つと接触するコネクタ。
【請求項20】
前記コネクタは、多数の導体を有するケーブルの終端を電気的に処理し、前記導体の一つは、個々の前記接触要素によって終端が電気的に処理される請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記誘電性基板は可撓性のプリント回路体であり、前記導電片は前記回路体の第1の面でエッチングされた請求項19に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記導電片は均一に互いに平行に配置され、さらに、隣接する前記導電片の間の前記誘電性基板にスロットを備えた請求項21に記載のコネクタ。
【請求項23】
さらに、多数の独立の可撓性サポートを備え、前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、前記サポートが前記端子接触子に向かって前記導電片を付勢する請求項22に記載のコネクタ。
【請求項24】
個々の前記サポートが前記誘電性基板の第2の面と接触する請求項23に記載のコネクタ。
【請求項25】
多数の端子接触子を備えるケーブルプラグと相互接続する補正コネクタであって、
前記コネクタは、
前記ケーブルプラグを受承するソケットと、
前記ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が導電片を備える
多数の接触要素と、
多数の補正要素を有する補正回路であって、個々の補正要素が前記端子接触子の一つに隣接して配置された補正回路と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つと接触する補正コネクタ。
【請求項26】
少なくとも一つの前記補正要素がキャパシタである請求項25に記載の補正コネクタ。
【請求項27】
少なくとも一つの前記補正要素がインダクタである請求項25に記載の補正コネクタ。
【請求項28】
前記導電片の一つが個々の前記キャパシタに関して接触板として機能する請求項26に記載の補正コネクタ。
【請求項29】
さらに、多数の前記接触要素のそれぞれが誘電性基板を備え、前記導電片が前記誘電性基板の第1の面にある請求項25に記載の補正コネクタ。
【請求項30】
前記誘電性基板は可撓性のプリント回路体であり、個々の前記導電片が前記第1の面にエッチングされた請求項29に記載の補正コネクタ。
【請求項31】
端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備える補正コネクタに使用する接触要素であって、
前記接触要素は、
誘電性サポートと、
前記サポートの面にある導電片を有する補正要素と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、前記端子接触子が前記導電片と接触する接触要素。
【請求項32】
前記補正要素はキャパシタと誘導ループを備え、前記キャパシタの接触板は、前記導電片の少なくとも一部分を備え、前記導電ループの少なくとも一部分は前記導電片を備えた請求項31に記載の接触要素。
【請求項33】
前記補正要素はキャパシタを備え、前記キャパシタの接触板は、前記導電片の少なくとも一部分を備えた請求項31に記載の接触要素。
【請求項34】
前記補正要素は誘導ループを備え、前記導電ループの少なくとも一部分は前記導電片を備えた請求項31に記載の接触要素。
【請求項35】
前記誘電性サポートは可撓性である請求項31に記載の接触要素。
【請求項36】
前記サポートは可撓性のプリント回路体であり、前記導電片は前記第1の面にエッチングされた請求項35に記載の接触要素。
【請求項37】
ペアで配置された多数の導体を有する通信ケーブルを電気的に端末処理するケーブルプラグであって、前記導体の所定の一つを電気的に端末処理する多数の端子接触子を有するケーブルプラグと相互接続する補正コネクタであって、
前記補正コネクタは、
前記ケーブルプラグを受承するソケットと、
前記ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が導電片を備える
多数の接触要素と、
多数の補正要素を有する補正回路であって、個々の前記補正要素が前記接触要素の一つに隣接して配置されている補正回路と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つと接触する補正コネクタ。
【請求項1】
端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備えるコネクタで使用する接触要素であって、
前記接触要素は、
可撓性の誘電性基板と、
前記基板の第1の面上の第1の導電片と、を備え、
前記プラグが前記ソケットに挿入されたとき、前記端子接触子が前記導電片に接触する接触要素。
【請求項2】
さらに、補正要素を備えた請求項1に記載の接触要素。
【請求項3】
前記補正要素は、キャパシタと誘導ループとを備え、前記導電片は前記キャパシタの接触板として作用し、前記誘導ループの少なくとも一部分が前記導電片を備えた請求項2に記載の接触要素。
【請求項4】
前記補正要素は前記キャパシタを備え、前記導電片は前記キャパシタの接触板として機能する請求項2に記載の接触要素。
【請求項5】
前記補正要素は誘導ループを備え、前記誘導ループの少なくとも一つの部分が前記導電片を備えた請求項2に記載の接触要素。
【請求項6】
前記基板が可撓性プリント回路体であり、前記第1の導電片が前記第1の面にエッチングされた請求項1に記載の接触要素。
【請求項7】
さらに、前記基板の第2の面に第2の導電片を備えた請求項1に記載の接触要素。
【請求項8】
さらに、前記第1の導電片を前記端子接触子に向かって付勢するための可撓性サポートを備えた請求項1に記載の接触要素。
【請求項9】
前記可撓性サポートは前記基板の第2の面と接触する請求項8に記載の接触要素。
【請求項10】
多数の端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備えるコネクタで使用する接触機構であって、
前記接触機構は、
可撓性の誘電性基板と、
前記基板の第1の面上に配置された多数の第1の導電片と、を備え、
前記プラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つに接触する接触機構。
【請求項11】
前記誘電性基板が可撓性プリント回路基板である請求項10に記載の接触機構。
【請求項12】
さらに、前記誘電性基板の第2の面に少なくとも一つの第2の導電片を備えた請求項10に記載の接触機構。
【請求項13】
少なくとも一つの前記第1の導電片と少なくとも一つの前記第2の導電片の間の前記誘電性基板が、キャパシタとして機能する請求項12に記載の接触機構。
【請求項14】
さらに、多数の補正要素を有する補正回路を備えた請求項10に記載の接触機構。
【請求項15】
少なくとも一つの前記補正要素が容量性である請求項14に記載の接触機構。
【請求項16】
前記導電片が、細長く、かつ、互いに平行に配置された請求項14に記載の接触機構。
【請求項17】
さらに、隣接する前記導電片の間の前記誘電性支持にスロットを備えた請求項16に記載の接触機構。
【請求項18】
少なくとも一つの前記補正要素が誘導性である請求項14に記載の接触機構。
【請求項19】
多数の端子接触子を備えたケーブルプラグと相互接続するコネクタであって、
前記コネクタは、
前記ケーブルプラグを受承するソケットと、
前記ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が可撓性の誘電性基板の第1の面に導電片を有する多数の接触要素と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つと接触するコネクタ。
【請求項20】
前記コネクタは、多数の導体を有するケーブルの終端を電気的に処理し、前記導体の一つは、個々の前記接触要素によって終端が電気的に処理される請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記誘電性基板は可撓性のプリント回路体であり、前記導電片は前記回路体の第1の面でエッチングされた請求項19に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記導電片は均一に互いに平行に配置され、さらに、隣接する前記導電片の間の前記誘電性基板にスロットを備えた請求項21に記載のコネクタ。
【請求項23】
さらに、多数の独立の可撓性サポートを備え、前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、前記サポートが前記端子接触子に向かって前記導電片を付勢する請求項22に記載のコネクタ。
【請求項24】
個々の前記サポートが前記誘電性基板の第2の面と接触する請求項23に記載のコネクタ。
【請求項25】
多数の端子接触子を備えるケーブルプラグと相互接続する補正コネクタであって、
前記コネクタは、
前記ケーブルプラグを受承するソケットと、
前記ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が導電片を備える
多数の接触要素と、
多数の補正要素を有する補正回路であって、個々の補正要素が前記端子接触子の一つに隣接して配置された補正回路と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つと接触する補正コネクタ。
【請求項26】
少なくとも一つの前記補正要素がキャパシタである請求項25に記載の補正コネクタ。
【請求項27】
少なくとも一つの前記補正要素がインダクタである請求項25に記載の補正コネクタ。
【請求項28】
前記導電片の一つが個々の前記キャパシタに関して接触板として機能する請求項26に記載の補正コネクタ。
【請求項29】
さらに、多数の前記接触要素のそれぞれが誘電性基板を備え、前記導電片が前記誘電性基板の第1の面にある請求項25に記載の補正コネクタ。
【請求項30】
前記誘電性基板は可撓性のプリント回路体であり、個々の前記導電片が前記第1の面にエッチングされた請求項29に記載の補正コネクタ。
【請求項31】
端子接触子を有するケーブルプラグを受承するために適用されたソケットを備える補正コネクタに使用する接触要素であって、
前記接触要素は、
誘電性サポートと、
前記サポートの面にある導電片を有する補正要素と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、前記端子接触子が前記導電片と接触する接触要素。
【請求項32】
前記補正要素はキャパシタと誘導ループを備え、前記キャパシタの接触板は、前記導電片の少なくとも一部分を備え、前記導電ループの少なくとも一部分は前記導電片を備えた請求項31に記載の接触要素。
【請求項33】
前記補正要素はキャパシタを備え、前記キャパシタの接触板は、前記導電片の少なくとも一部分を備えた請求項31に記載の接触要素。
【請求項34】
前記補正要素は誘導ループを備え、前記導電ループの少なくとも一部分は前記導電片を備えた請求項31に記載の接触要素。
【請求項35】
前記誘電性サポートは可撓性である請求項31に記載の接触要素。
【請求項36】
前記サポートは可撓性のプリント回路体であり、前記導電片は前記第1の面にエッチングされた請求項35に記載の接触要素。
【請求項37】
ペアで配置された多数の導体を有する通信ケーブルを電気的に端末処理するケーブルプラグであって、前記導体の所定の一つを電気的に端末処理する多数の端子接触子を有するケーブルプラグと相互接続する補正コネクタであって、
前記補正コネクタは、
前記ケーブルプラグを受承するソケットと、
前記ソケットに配置された多数の接触要素であって、個々の接触要素が導電片を備える
多数の接触要素と、
多数の補正要素を有する補正回路であって、個々の前記補正要素が前記接触要素の一つに隣接して配置されている補正回路と、を備え、
前記ケーブルプラグが前記ソケットに挿入されたとき、個々の前記端子接触子が前記導電片の所定の一つと接触する補正コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2007−533110(P2007−533110A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508693(P2007−508693)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000588
【国際公開番号】WO2005/101579
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506349979)ベルデン シーディーティー(カナダ)インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000588
【国際公開番号】WO2005/101579
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506349979)ベルデン シーディーティー(カナダ)インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
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