通信システム、制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法
【課題】 監視装置の負荷を分散できるようにし、これにより円滑な運用を促すことの可能な通信システムを提供すること。
【解決手段】 通信システムは基地局、制御装置、ネットワークデバイス、管理システムを具備する。ネットワークデバイスは、無線接続部と要求部とを備える。無線接続部は基地局に無線接続する。要求部は無線接続先の基地局とこの基地局を通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して管理システムに登録要求メッセージを送信する。管理システムは対応付け部、判定部、更新部を備える。対応付け部は登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを当該登録要求メッセージが経由した制御装置に対応付ける。判定部は複数の制御装置の個別の負荷を判定する。更新部は判定の結果に基づいてネットワークデバイスと制御装置との個別の対応付けを、負荷を基準として更新する。制御装置は管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する監視部を備える。
【解決手段】 通信システムは基地局、制御装置、ネットワークデバイス、管理システムを具備する。ネットワークデバイスは、無線接続部と要求部とを備える。無線接続部は基地局に無線接続する。要求部は無線接続先の基地局とこの基地局を通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して管理システムに登録要求メッセージを送信する。管理システムは対応付け部、判定部、更新部を備える。対応付け部は登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを当該登録要求メッセージが経由した制御装置に対応付ける。判定部は複数の制御装置の個別の負荷を判定する。更新部は判定の結果に基づいてネットワークデバイスと制御装置との個別の対応付けを、負荷を基準として更新する。制御装置は管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する監視部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数の基地局を備える通信システムとその制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の回線交換網はIP(Internet Protocol)ネットワークに置き換えられつつある。そのような技術トレンドにあって通信事業者は通信のIP化/光化を進めており、IP電話の加入者数も年々増加している。また、NGN(Next Generation Network)と呼ばれる次世代IP(Internet Protocol)ネットワーク技術も注目が集まっている。このような流れの中で、クラウド技術に代表されるように、ネットワークデバイスをIPネットワーク上に自由に分散配置したいという要望が高まってきている。
【0003】
ところで、通信ネットワークを円滑に運用するには、ネットワークに接続された機器(ネットワークデバイス)を監視し、各デバイスの状態を管理する必要がある。監視制御を担う装置(監視装置あるいは制御装置)と、監視制御の対象となる装置(被監視装置)との対応付けはその主な手順である。旧来はこの手順がネットワークオペレータのマニュアル操作で実施されていたので、これを自動化できるようにした発明がある。
【0004】
上記発明によれば、オペレータの負荷が軽減されることで分散配置通信システムの拡張が容易になるというメリットがある。その一方で、特定の監視装置の配下に多数の被監視装置が集中することが考えられる。特に都市部ではその傾向が強まることが予想される。そこで監視装置の負荷を低減することの可能な技術が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−199136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
監視装置と被監視装置との対応付けを自動化したシステムでは負荷が集中する監視装置が生じるケースがあるので予期せぬトラブルのおそれがあり、システムを円滑に運用するためにも何らかの対策が要望されている。
目的は、監視装置の負荷を分散できるようにし、これにより円滑な運用を促すことの可能な通信システム、制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、通信システムは、それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備する。複数のネットワークデバイスの各々は、無線接続部と、要求部とを備える。無線接続部は、無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続する。要求部は、無線接続先の基地局とこの基地局を通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して管理システムに登録要求メッセージを送信する。管理システムは、対応付け部と、判定部と、更新部とを備える。対応付け部は、登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、当該登録要求メッセージが経由した制御装置にデフォルトで対応付ける。判定部は、複数の制御装置の個別の負荷を判定する。更新部は、判定の結果に基づいて、複数のネットワークデバイスと複数の制御装置との個別の対応付けを、負荷を基準として更新する。複数の制御装置の各々は、監視部を備える。監視部は、管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係わる通信システムを示すシステム図。
【図2】図1に示されるネットワークデバイス501,502,503の一実施の形態を示す機能ブロック図。
【図3】図1に示される管理システム400の一実施の形態を示す機能ブロック図。
【図4】図3に示される管理テーブル44aの一例を示す図。
【図5】実施形態に係わる制御装置の一例を示す機能ブロック図。
【図6】図1に示される通信システムにおける管理の階層構造の一例を示す図。
【図7】図1に示される通信システムにおける管理の形態の一例を示す図。
【図8】ネットワークデバイス503がシステムに接続される際の手順の一例を示すシーケンス図。
【図9】基地局管理エリアと制御装置管理エリアとの関係を示す図。
【図10】制御装置間での負荷分散の一例を説明するための図。
【図11】制御装置G11,G12,G13の負荷の一例を示す図。
【図12】実施形態に係わる監視機能の負荷分散に際して実施されるシーケンス図。
【図13】監視機能の移転先となる制御装置を決定する手順の一例を説明するための図。
【図14】図14は、比較のため既存の管理手法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態につき説明する。この実施形態ではPHS(Personal Handy phone System)を想定して説明する。このほかいわゆる携帯電話システムとして知られるセルラフォンシステム、あるいは次世代PHSと称されるXGP(eXtended Global Platform)に対しても実施形態は適用可能である。
【0010】
図1は、実施形態に係わる通信システムを示すシステム図である。このシステムは通信ネットワーク100と、通信ネットワーク100に接続される制御装置G11,G12とを中核として形成される。通信ネットワーク100は例えばキャリアの私設網などであり、具体的にはIP(Internet Protocol)ネットワーク、IP−VPN(IP-Virtual Private Network)接続サービスなどのパケット通信網、あるいはISDN(Integrated Service Digital Network)などである。
【0011】
通信ネットワーク100はゲートウェイ200を介してインターネット300に接続されてもよい。また通信ネットワーク100には、制御装置G11,G12を遠隔からリモート制御したり、各種通信サービスを提供したりするための管理システム400が設けられる。また管理システム400は、データベース44を備え、システム内に存在する被監視装置を管理するための上位装置としての機能も担う。
【0012】
つまり管理システム400は制御装置G11,G12の上位階層に位置づけられ、制御装置G11,G12からの通知に基づいて通信システムを管理ないし監視制御する。その機能の一つには、例えば通信システム内の各機器における障害の発生状況を管理する、障害管理機能がある。なお図1のシステムに適用可能なネットワーク管理プロトコルとしてはCMIP(Common Management Information Protocol)あるいはSNMP(Simple Network Management Protocol)などがあるが、これらのプロトコルに限定されるものではない。
【0013】
制御装置G11は個別回線を介して基地局CS11に接続される。制御装置G12は別の個別回線を介して基地局CS21,CS22に接続される。すなわち基地局CS11は制御装置G11の配下にあり、基地局CS21,CS22は制御装置G12の配下にある。図示しないが各制御装置G11,G12は、さらに多くの基地局(符合をCSで統一する)に接続されることができる。いずれの制御装置G11,G12も、接続された基地局を通信ネットワーク100に接続する。また、制御装置の数も2個に限らず、それ以上であってよい。実施形態では制御装置に例えばG11,G12,およびG13(図10以降に表示)などの符号を付して示す。
【0014】
各基地局CS11,CS21,CS22はそれぞれ無線ゾーン(以下セルと称する)を形成し、このセルに在圏する移動端末PS(PS11,PS12)を無線チャネルを介して収容する。移動端末PS11,PS12はその移動に伴って各セル間をハンドオーバし、接続先の基地局CSを切り替える。
【0015】
制御装置G11,G12は通信ネットワーク100を介して相互間に通信リンクを形成することもでき、移動端末PS11,PS12はこのリンクを介して互いと通信することができる。さらには、ゲートウェイ200を介してインターネット300にアクセスすることも可能である。
【0016】
制御装置G11,G12は、通信端末間のエンド・ツウ・エンドの通信を実現するため、対向装置(ゲートウェイ200や通信相手方の制御装置など)間での交換処理あるいはプロトコル変換などの種々の制御を担う。また制御装置G11,G12は基地局CSを経由して通信される信号(音声データや映像、画像データなどのデジタル信号、各種サービスを行なうためのデータなど)を、通信ネットワーク100を経由して指定の通信種別に従って処理する。
【0017】
ところで、図1に示されるシステムは、通信ネットワーク100に有線または無線を介して接続されるネットワークデバイス501,502,503を備える。ネットワークデバイス501,502,503は通信ネットワーク100に分散配置され、システム管理の上では下層レイヤに位置づけられて被監視装置として機能する。
【0018】
ネットワークデバイス501,503は例えばユーザ宅600に設けられるアクセスポイントなどであり、ネットワークデバイス502は例えばワイヤレス通信機能を備えるノートパソコンに備わる無線ボードなどである。要するにネットワークデバイスは通信ネットワーク100に直接的あるいは間接的に接続可能な機器である。ネットワークデバイス501,502,503は無線チャネルを介して基地局CSに接続する機能を備え、接続先の基地局を介して通信ネットワーク100と通信することができる。
【0019】
このほか図1のシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)や固定電話機(TEL)を制御装置G11,G12に接続するための中継ユニット700を備える。中継ユニット700もネットワークデバイスである。この種の装置はターミナルアダプタ(Terminal Adapter:TA)と称されることもある。PCに音声通話ソフトウェアをインストールすれば電話機として利用することも可能である。さらに、無線LAN(Local Area Network)規格に準拠するアクセスポイント(図示せず)が制御装置G11,G12に接続されることもある。
【0020】
図2は、図1に示されるネットワークデバイス501,502,503の一実施の形態を示す機能ブロック図である。ネットワークデバイス501,502,503は、通信ネットワーク100に接続されるネットワークインタフェース部51、制御部52、および無線部53を備える。無線部53は、アンテナ54を介して在圏先の基地局CSとの間に個別の無線チャネルを形成し、当該基地局CSに無線接続する。
【0021】
ところで、制御部52は、この実施形態に係わる処理機能として、要求部52aと応答部52bを備える。要求部52aは、接続先の基地局CSとこの基地局CSを通信ネットワーク100に接続する制御装置とを経由して、管理システム400に登録要求メッセージを送信する。例えばネットワークデバイス503から送出された登録要求メッセージは、基地局CS22から制御装置G12を経由して管理システム400に達する。
応答部52bは、制御装置から送信された生存確認メッセージ(KeepAlive メッセージあるいはPingによる問い合わせメッセージなど)に対する応答メッセージを、当該生存確認メッセージの送信元の制御装置に返信する。
【0022】
図3は、図1に示される管理システム400の一実施の形態を示す機能ブロック図である。管理システム400は、ネットワークインタフェース部41、表示部42、入出力部43、データベース部44、および、主制御部45を備える。インタフェース部41は通信ネットワーク100との通信に係わるインタフェース処理を担う。
【0023】
表示部42は入出力部43とともにユーザインタフェースを提供し、GUI(Graphical User Interface)環境を構築する。データベース部44はハードディスクドライブなどのストレージデバイスであり、管理テーブル44aを記憶する。
【0024】
ところで、主制御部45は、この実施形態に係わる処理機能として対応付け部45a、判定部45b、更新部45c、取得部45d、設定部45e、および、指示部45fを備える。
対応付け部45aは、個々のネットワークデバイスがどの制御装置の監視下にはいるのかを決定する。この決定は、ネットワークデバイスから送出された登録要求メッセージが管理システム400に到達したことを契機として実施される。具体的には、対応付け部45aは登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、この登録要求メッセージが経由した制御装置の管理下として、デフォルトで対応付ける。この対応付けは管理テーブル44aにおいて一元管理される。
【0025】
判定部45bは、複数の制御装置の個別の負荷を、例えばポーリングメッセージなどを用いた通信の結果に基づいて判定する。更新部45cは、判定部45bによる負荷の判定の結果に基づいて、ネットワークデバイスと制御装置との個別の対応付けを更新する。すなわち更新部45cは、例えば計測された制御装置の負荷を基準として、登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、この登録要求メッセージが経由した制御装置以外の制御装置の管理下として、対応付け直す。これに伴って管理テーブル44aの内容は更新される。
【0026】
例えば更新部45cは、負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、負荷が既定値以下である制御装置に対応付け直す。また例えば更新部45cは、負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、人口希薄地域を受け持つ制御装置に対応付け直す。
【0027】
人口希薄地域とは例えば農村、漁村、山村あるいは通信インフラが十分でない地域などが想定される。このような地域では人口密集地域に比べてネットワークデバイスの数が少なく、制御装置の負荷も高くないことが考えられる。このような想定のもとに、更新部45cは制御装置あるいはネットワークデバイスの位置情報に基づいて対応付けを更新するようにしてもよい。あるいは更新部45cは、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定値以下である制御装置に対応付け直すようにしてもよい。
【0028】
さらには、制御装置の各々のCPU(Central Processing Unit)リソースを計測し、例えばCPU使用率などを指標として、更新部45cは、使用率が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、CPUの使用率が既定値以下である制御装置に対応付け直すようにしてもよい。
【0029】
取得部45dは、制御装置の各々が受け持つ地域の位置情報を取得する。位置情報の取得にあたっては、例えばネットワークデバイスの位置登録に係わる情報を参照してもよいし、あるいは直接的にGPS(Global Positioning System)などを用いてもよい。
設定部45eは、例えばオペレータにGUI(Graphical User Interface)環境を提供し、管理テーブル44aの更新に使用される上記閾値および規定値の少なくとも一方を、複数の制御装置ごとに個別に設定するために用いられる。
【0030】
指示部45fは、更新部45cによるネットワークデバイスと制御装置との対応付けの更新を受けて、制御装置によるネットワークデバイスの監視権限を移転するための処理を実行する。すなわち指示部45fは、更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を、更新前にそのネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から、更新後にそのネットワークデバイスに対応付けられた制御装置(ここでは受け渡し先の制御装置と称する)に移転するための指示メッセージを、更新に係わる制御装置に送信する。実施形態では、指示メッセージは管理システム400から、まず受け渡し先の制御装置に送信されるとする。
【0031】
図4は、図3に示される管理テーブル44aの一例を示す図である。この管理テーブル44aは、制御装置ごとに、その監視対象である基地局と、監視対象であるネットワークデバイスとの対応付けを示すものである。例えばネットワークデバイス501は制御装置G12の監視対象であることが示される。また、基地局CS11は制御装置G11により監視され、基地局CS21,CS22は制御装置G12により監視されることが図4に示される。実施形態では、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けを、制御装置の例えば負荷に基づいて動的に可変するようにする。
【0032】
図5は、図1に示される制御装置G11,G12の一実施の形態を示す機能ブロック図である。後述する他の制御装置についても同様である。制御装置G11,G12はネットワークインタフェース部21、基地局インタフェース部22、およびCPU23を備える。ネットワークインタフェース部21は通信ネットワーク100に接続され、IPパケットなどの授受に係わるインタフェース処理を行う。基地局インタフェース部22は複数の基地局CSに接続され、各基地局CSとの通信に係わるインタフェース処理を担う。
【0033】
ところで、CPU23は、この実施形態に係わる処理機能として監視部23a、送信部23b、通知部23c、および移転部23dを備える。
監視部23aは、配下の基地局、および、管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視したり、管理したりする。すなわち監視部23aは、対象とするネットワークデバイスに生じた異常を検知し、管理システム400に障害情報を通知する。
送信部23bは、監視対象のネットワークデバイスに対し、生存確認に用いるための上記生存確認メッセージを例えば定期的に送信する。通知部23cは、生存確認メッセージを用いたネットワークデバイスの生存確認の結果を、管理システム400に通知する。
移転部23dは、管理システム400から送信された指示メッセージに応じて、関係するネットワークデバイスの監視権限を移転する。次に、この実施形態における作用を説明する。
【0034】
図6は、図1に示される通信システムにおける管理の階層構造の一例を示す図である。基地局CSは直接接続される制御装置により、それぞれその配下として監視される。各制御装置G11,G12の上位階層には管理システム400が位置する。管理システム400は、複数の制御装置を例えば地域ごとの単位で配下として監視する。
【0035】
図7は、図1に示される通信システムにおける管理の形態の一例を示す図である。図7において、基地局CS11は制御装置G11に接続され、基地局CS21は制御装置G12に接続されている。これは図1に対応する。無線を介して通信ネットワーク100に接続されたネットワークデバイスは、基地局CS11に無線接続されている。ここでネットワークデバイス503が例えば有線を介して通信ネットワーク100に結線され、スタートアップされたとする。そうするとネットワークデバイス503を通信システムに接続するための手順が開始される。
【0036】
図8は、ネットワークデバイス503がシステムに接続される際の手順の一例を示すシーケンス図である。ネットワークデバイス503は、例えば初期立ち上げの際に、在圏先の基地局CS22に対して通信要求を送信する(201)。これを受けた基地局CS22は通信確立応答をネットワークデバイス503に返送する(202)。ここまでの手順により、ネットワークデバイス503は基地局CS22に無線接続される。
【0037】
次にネットワークデバイス503は、登録要求メッセージすなわち管理登録要求を管理システム400宛てに送信する(203)。この管理登録要求は基地局CS22を経由し(204)、制御装置G12を経由して(205)、管理システム400に到達する。
管理登録要求を受けた管理システム400は、この管理登録要求の送信元であるネットワークデバイス503を、当該管理登録要求が経由した制御装置G12の監視対象としてデフォルトで対応付ける。この経由情報を示すために、経由した装置のID(識別情報)を記載するためのフィールドを管理登録要求に設けるようにしても良い。
【0038】
この対応付けが完了すると、ネットワークデバイス503と制御装置G12との対応関係が管理テーブル44aに新たに記載される。図4の点線囲み箇所にそのことを示す。続いて管理システム400は、管理登録を受け付けた旨を示す管理登録応答をネットワークデバイス503宛てに返信する(206)。この管理登録応答には、ネットワークデバイス503と制御装置G12との組み合わせを示すパラメータが記載される。この管理登録応答は逆のルートを辿り、すなわち制御装置G12を経由し(207)、基地局CS22を経由して(208)、ネットワークデバイス503に到達する。ここまでの手順が完了すると、制御装置G12によるネットワークデバイス503の監視が開始される(209)。
なおネットワークデバイス502が管理登録要求を送信した場合には、この要求は制御装置G11の配下の基地局CS11を経由して管理システム400に到達するので、ネットワークデバイス502は制御装置G11の配下としてデフォルトで登録される。
【0039】
制御装置によるネットワークデバイスの監視の一つに、生存確認がある。すなわち制御装置G12は配下のネットワークデバイスに生存確認メッセージを送信する。これを受けたネットワークデバイス503は、応答メッセージを制御装置G12に返信する。この応答メッセージが制御装置G12により正常に受信されれば、制御装置G12はネットワークデバイス503が正常な状態であると判定する。これに対し、応答メッセージが制御装置G12により正常に受信されなければ、制御装置G12はネットワークデバイス503に障害が発生したと判定し、その旨を管理システム400に通知する。これを受けた管理システム400はアラームの発報など必要な手順を実施する。
【0040】
図9は、基地局管理エリアと制御装置管理エリアとの関係を示す図である。基地局はモバイル端末の通信をサポートすべく満遍なく配置されており、制御装置は或るエリアの基地局を管理する。基地局の送信電波が届く範囲が基地局管理エリアとなる。また、制御装置が管理する基地局の送信電波の範囲を統合したエリアが、制御装置管理エリアとなる。
【0041】
従ってネットワークデバイスが接続した基地局の識別情報、あるいは当該基地局を管理する制御装置の識別情報をもとに、ネットワークデバイスが設置されたエリアを推測することができる。管理システム400の取得部45dはこのような情報を参照して、制御装置の各々が受け持つ地域の位置情報を取得する。
【0042】
ネットワークデバイスは初期設置時に周囲の基地局を検索し、最も通信状況の良い基地局と接続して管理登録を実行する。その際、制御装置は、ネットワークデバイスからの管理登録要求に、当該ネットワークデバイスが接続した基地局の情報、あるいは制御装置自身の情報を付加して管理システムに転送する。
【0043】
管理登録要求を受信した管理システムは、メッセージ内に含まれる基地局情報、又は制御装置情報をもとに、自身が保持する無線通信システムのデータベースからそれぞれのカバーエリアを特定し、ネットワークデバイスの位置情報として登録する。この位置情報は、管理システム400の更新部45cによる、ネットワークデバイスと制御装置との対応付けの更新にあたり参照される。
【0044】
図10は、制御装置間での負荷分散の一例を説明するための図である。以下では、例えば3つの制御装置G11,G12,G13の間での制御につき説明する。図10において、制御装置G11が5個、制御装置G12が9個、制御装置G13が3個のネットワークデバイスをそれぞれ監視対象としているとする。この状態から制御装置G12の配下に、新たにネットワークデバイスが登録されたとする。
【0045】
図11は、制御装置G11,G12,G13の負荷の一例を示す図である。管理システム400は複数の制御装置を統合的に管理し、各制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの数を制御装置情報として保持する。ネットワークデバイスの管理登録のたびに、管理システム400は、管理登録を実施した制御装置にデフォルトで監視機能を割り当てる。
【0046】
その際、管理システム400は、制御装置が監視するネットワークデバイスの数と、管理システムに設定された閾値とを比較する。そうして、ネットワークデバイスの数が閾値以上、あるいは閾値を超える既定数であれば、管理システム400は高負荷状態と判断し、監視機能の受け渡し先の制御装置を決定したのち、指示メッセージにより負荷分散を指示する。この処理は、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けの更新を受けて実施される。
【0047】
図11においては制御装置G12の監視対象装置数が9台から10台へと変化しているので、閾値(10)以上となったことが管理システム400において検知され、監視負荷分散が実施される。このとき、CPU使用率を参照することもできる。
制御装置の負荷状況を判断するための閾値および規定値は、システムの立ち上げ時に初期設定として管理システム400に与えられる。これらの値はシステム運用中も設定部45eの機能を用いて任意に変更である。またこれらの値は制御装置ごとに設定することも可能である。例えば都市部の制御装置と農村部の制御装置とで異なる閾値、規定値を持つようにしても良い。
CPU使用率を参照する場合には、管理システム400は各制御装置のCPU使用率を定期的に取得する。そうして管理システム400は、CPU使用率が閾値以上となった制御装置に対して、監視機能の受け渡し先、すなわち監視権限の移転先の制御装置を決定して負荷分散を指示する。
【0048】
ここで、高負荷の制御装置から監視機能を他の制御装置に受け渡すネットワークデバイスの数nは、設定により任意に変更可能である。例えば、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けの更新に際して、1個ずつのネットワークデバイスを対象としても良いし、2個、3個、あるいはそれ以上のネットワークデバイスをまとめて他の制御装置に委譲しても良い。
【0049】
図12は、実施形態に係わる監視機能の負荷分散に際して実施されるシーケンス図である。図12において、監視負荷を分散するための処理は、新規監視対象ネットワークデバイス(ここではネットワークデバイス503とする)の管理登録時、あるいは制御装置のCPU使用率取得時に実施される(S301)。管理システム400は個々の制御装置の負荷状況を判定する(S302)。例えば制御装置G12の負荷が高いと判断したとすると、制御装置G12の配下の少なくとも一部のネットワークデバイスに対する監視権限を移転する制御装置を決定する。ここでは移転先(受け渡し先)の制御装置としてG21が選択されたとする。
【0050】
そうすると管理システム400は、指示メッセージとして受け渡し準備要求を制御装置G21に送信する(S303)。ネットワークデバイス503の受け入れが可能であれば、制御装置G21は受け渡し準備応答を管理システム400に返信する(S304)。管理システム400は、制御装置G21の情報を含む負荷分散指示を制御装置G12に送信する(S305)。
【0051】
これを受けた制御装置G12は、制御装置G21に対して、ネットワークデバイス503の情報を含む監視機能受け渡し要求を送信する(S306)。この要求に対する制御装置G21からの監視機能受け渡し応答を受信すると、制御装置G12は、ネットワークデバイス503に向け監視装置変更通知を送信する(S308、S309)。ここまでのシーケンスが完了すると、受け渡し先制御装置G21とネットワークデバイス503との間で監視機能に係わる動作が開始される(S310)。
【0052】
図13は、監視機能の移転先となる制御装置を決定する手順の一例を説明するための図である。以下、例として(1)〜(3)の手順を説明する。
(1) 管理システム400は、高負荷制御装置(G12)に地理的に近い制御装置のうち例えば負荷が最小の制御装置(G21)を検出し、この制御装置G21を監視権限の移転先として決定する。そして、監視対象ネットワークデバイスについての監視機能の制御装置G22への移転を、高負荷の制御装置G12に指示する。以上の手順によれば、ネットワークデバイスに近い制御装置に監視機能を移転させることが可能になる。また、次のような手順もある。
【0053】
(2) 管理システム400は、基地局を管理せず監視機能のみを備える監視専用制御装置G22を検出し、この制御装置G22を監視権限の移転先として決定する。そして、監視対象ネットワークデバイスについての監視機能の制御装置G22への移転を制御装置G12に指示する。以上の手順によれば、監視機能を監視専用制御装置に移転させることにより負荷分散シーケンスの頻発化を抑えることができるようになる。これは、特に都市部に設置された制御装置間では有効である。さらには、次のような手順もある。
【0054】
(3) 管理システム400は、農村部の低負荷制御装置(G23)を検出し、この制御装置G23を監視権限の移転先として決定する。そして、監視対象ネットワークデバイスについての監視機能の制御装置G23への移転を制御装置G12に指示する。以上の手順によれば、新規のネットワークデバイスの管理登録が少ないと予想される農村部に監視権限を移転させることで、負荷分散シーケンスの頻発化を抑えることが可能になる。
【0055】
実施形態では、管理システム400は、(1)〜(3)のいずれかの手順、または各手順の組み合わせにより、監視権限の移転先の制御装置を決定する。そして、移転先制御装置の情報を含む負荷分散指示を高負荷制御装置(G12)に送信する。
【0056】
以上説明したようにこの実施形態では、ネットワークデバイスが在圏先の基地局に接続されたのち、ネットワークデバイスから管理登録要求を管理システム宛に送信する。管理登録要求は基地局から制御装置を経由して管理システムに達する。これを受けた管理システムは、登録要求元のネットワークデバイスと、管理登録要求の経由した制御装置とをデフォルトで対応付ける。この対応関係のもとで、制御装置は、監視対象として登録されたネットワークデバイスに対する監視を開始する。
【0057】
さらに実施形態では各制御装置の負荷を監視し、負荷の高まった制御装置に対しては、その配下のネットワークデバイスの一部に対する監視権限を、負荷の低い他の制御装置に移転すべく指示を与える。これを受けて関係する制御装置およびネットワークデバイスは、メッセージを授受し合って監視権限を移転するための処理を実行する。
【0058】
図14は、比較のため既存の管理手法を説明するための図である。既存の通信システムでは、どのネットワークデバイスを監視するのかを制御装置が管理システムに問い合わせる必要がある。その際、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けをオペレータのマニュアル操作により設定しなくてはならず、オペレータの負担が大きく、またネットワークデバイスをシステム内に自由に配置することが困難であった。また、基地局のカバーエリアにネットワークデバイスが集中すると、制御装置の監視負荷が増大してしまうという不具合もある。
【0059】
これに対し実施形態では、ネットワークデバイスが基地局に無線接続されたのち直上の制御装置を経由して管理システム400への登録要求が実施され、その際、管理システム400においてどの制御装置の管理下に入るのかが自動的に決定される。実施形態では、ネットワークデバイスは、その接続先の基地局を監視する制御装置の監視対象としてデフォルトで決定される。このようにしたのでオペレータの負担を軽減でき、また、ネットワークデバイスを通信システム上に、自由に、分散配置させることが可能になる。すなわちシステムの拡張が容易になり、例えばクラウドシステムへの応用にあたってはメリットが大きい。
【0060】
また実施形態では、各制御装置が管理するネットワークデバイスの数、あるいは各制御装置のCPU使用率などを管理システム400が把握し、負荷が大きくなったと判断した制御装置については、他の制御装置へネットワークデバイスの監視権限の受け渡しを指示するようにしている。従って、ネットワークデバイスをネットワーク上に自由に配置した場合でも、制御装置とネットワークデバイスとの組み合わせが自律的に決定されるのに加え、ネットワークデバイスの数が増加した場合でも監視装置の負荷が分散される。これによりシステムパフォーマンス低下を防ぐことが可能となる。このことによってもネットワークデバイスをネットワーク上に自由に分散配置することができ、システムの拡張がさらに容易になる。
これらのことから、監視装置の負荷を分散できるようになり、円滑な運用を促すことの可能な通信システム、制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法を提供することが可能になる。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
100…通信ネットワーク、G11,G12…制御装置、200…ゲートウェイ、300…インターネット、400…管理システム、44…データベース、CS(CS11,CS12,CS22)…基地局、PS(PS11,PS12)…移動端末、501,502,503…ネットワークデバイス、PC…パーソナルコンピュータ、TEL…固定電話機、600…ユーザ宅、700…中継ユニット、51…ネットワークインタフェース部、52…制御部、52a…要求部、52b…応答部、53…無線部、54…アンテナ、41…ネットワークインタフェース部、42…表示部、43…入出力部、44…データベース部、44a…管理テーブル、45…主制御部、45a…対応付け部、45b…判定部、45c…更新部、45d…取得部、45e…設定部、45f…指示部、21…ネットワークインタフェース部、22…基地局インタフェース部、23…CPU、23a…監視部、23b…送信部、23c…通知部、23d…移転部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数の基地局を備える通信システムとその制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の回線交換網はIP(Internet Protocol)ネットワークに置き換えられつつある。そのような技術トレンドにあって通信事業者は通信のIP化/光化を進めており、IP電話の加入者数も年々増加している。また、NGN(Next Generation Network)と呼ばれる次世代IP(Internet Protocol)ネットワーク技術も注目が集まっている。このような流れの中で、クラウド技術に代表されるように、ネットワークデバイスをIPネットワーク上に自由に分散配置したいという要望が高まってきている。
【0003】
ところで、通信ネットワークを円滑に運用するには、ネットワークに接続された機器(ネットワークデバイス)を監視し、各デバイスの状態を管理する必要がある。監視制御を担う装置(監視装置あるいは制御装置)と、監視制御の対象となる装置(被監視装置)との対応付けはその主な手順である。旧来はこの手順がネットワークオペレータのマニュアル操作で実施されていたので、これを自動化できるようにした発明がある。
【0004】
上記発明によれば、オペレータの負荷が軽減されることで分散配置通信システムの拡張が容易になるというメリットがある。その一方で、特定の監視装置の配下に多数の被監視装置が集中することが考えられる。特に都市部ではその傾向が強まることが予想される。そこで監視装置の負荷を低減することの可能な技術が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−199136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
監視装置と被監視装置との対応付けを自動化したシステムでは負荷が集中する監視装置が生じるケースがあるので予期せぬトラブルのおそれがあり、システムを円滑に運用するためにも何らかの対策が要望されている。
目的は、監視装置の負荷を分散できるようにし、これにより円滑な運用を促すことの可能な通信システム、制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、通信システムは、それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備する。複数のネットワークデバイスの各々は、無線接続部と、要求部とを備える。無線接続部は、無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続する。要求部は、無線接続先の基地局とこの基地局を通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して管理システムに登録要求メッセージを送信する。管理システムは、対応付け部と、判定部と、更新部とを備える。対応付け部は、登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、当該登録要求メッセージが経由した制御装置にデフォルトで対応付ける。判定部は、複数の制御装置の個別の負荷を判定する。更新部は、判定の結果に基づいて、複数のネットワークデバイスと複数の制御装置との個別の対応付けを、負荷を基準として更新する。複数の制御装置の各々は、監視部を備える。監視部は、管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係わる通信システムを示すシステム図。
【図2】図1に示されるネットワークデバイス501,502,503の一実施の形態を示す機能ブロック図。
【図3】図1に示される管理システム400の一実施の形態を示す機能ブロック図。
【図4】図3に示される管理テーブル44aの一例を示す図。
【図5】実施形態に係わる制御装置の一例を示す機能ブロック図。
【図6】図1に示される通信システムにおける管理の階層構造の一例を示す図。
【図7】図1に示される通信システムにおける管理の形態の一例を示す図。
【図8】ネットワークデバイス503がシステムに接続される際の手順の一例を示すシーケンス図。
【図9】基地局管理エリアと制御装置管理エリアとの関係を示す図。
【図10】制御装置間での負荷分散の一例を説明するための図。
【図11】制御装置G11,G12,G13の負荷の一例を示す図。
【図12】実施形態に係わる監視機能の負荷分散に際して実施されるシーケンス図。
【図13】監視機能の移転先となる制御装置を決定する手順の一例を説明するための図。
【図14】図14は、比較のため既存の管理手法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態につき説明する。この実施形態ではPHS(Personal Handy phone System)を想定して説明する。このほかいわゆる携帯電話システムとして知られるセルラフォンシステム、あるいは次世代PHSと称されるXGP(eXtended Global Platform)に対しても実施形態は適用可能である。
【0010】
図1は、実施形態に係わる通信システムを示すシステム図である。このシステムは通信ネットワーク100と、通信ネットワーク100に接続される制御装置G11,G12とを中核として形成される。通信ネットワーク100は例えばキャリアの私設網などであり、具体的にはIP(Internet Protocol)ネットワーク、IP−VPN(IP-Virtual Private Network)接続サービスなどのパケット通信網、あるいはISDN(Integrated Service Digital Network)などである。
【0011】
通信ネットワーク100はゲートウェイ200を介してインターネット300に接続されてもよい。また通信ネットワーク100には、制御装置G11,G12を遠隔からリモート制御したり、各種通信サービスを提供したりするための管理システム400が設けられる。また管理システム400は、データベース44を備え、システム内に存在する被監視装置を管理するための上位装置としての機能も担う。
【0012】
つまり管理システム400は制御装置G11,G12の上位階層に位置づけられ、制御装置G11,G12からの通知に基づいて通信システムを管理ないし監視制御する。その機能の一つには、例えば通信システム内の各機器における障害の発生状況を管理する、障害管理機能がある。なお図1のシステムに適用可能なネットワーク管理プロトコルとしてはCMIP(Common Management Information Protocol)あるいはSNMP(Simple Network Management Protocol)などがあるが、これらのプロトコルに限定されるものではない。
【0013】
制御装置G11は個別回線を介して基地局CS11に接続される。制御装置G12は別の個別回線を介して基地局CS21,CS22に接続される。すなわち基地局CS11は制御装置G11の配下にあり、基地局CS21,CS22は制御装置G12の配下にある。図示しないが各制御装置G11,G12は、さらに多くの基地局(符合をCSで統一する)に接続されることができる。いずれの制御装置G11,G12も、接続された基地局を通信ネットワーク100に接続する。また、制御装置の数も2個に限らず、それ以上であってよい。実施形態では制御装置に例えばG11,G12,およびG13(図10以降に表示)などの符号を付して示す。
【0014】
各基地局CS11,CS21,CS22はそれぞれ無線ゾーン(以下セルと称する)を形成し、このセルに在圏する移動端末PS(PS11,PS12)を無線チャネルを介して収容する。移動端末PS11,PS12はその移動に伴って各セル間をハンドオーバし、接続先の基地局CSを切り替える。
【0015】
制御装置G11,G12は通信ネットワーク100を介して相互間に通信リンクを形成することもでき、移動端末PS11,PS12はこのリンクを介して互いと通信することができる。さらには、ゲートウェイ200を介してインターネット300にアクセスすることも可能である。
【0016】
制御装置G11,G12は、通信端末間のエンド・ツウ・エンドの通信を実現するため、対向装置(ゲートウェイ200や通信相手方の制御装置など)間での交換処理あるいはプロトコル変換などの種々の制御を担う。また制御装置G11,G12は基地局CSを経由して通信される信号(音声データや映像、画像データなどのデジタル信号、各種サービスを行なうためのデータなど)を、通信ネットワーク100を経由して指定の通信種別に従って処理する。
【0017】
ところで、図1に示されるシステムは、通信ネットワーク100に有線または無線を介して接続されるネットワークデバイス501,502,503を備える。ネットワークデバイス501,502,503は通信ネットワーク100に分散配置され、システム管理の上では下層レイヤに位置づけられて被監視装置として機能する。
【0018】
ネットワークデバイス501,503は例えばユーザ宅600に設けられるアクセスポイントなどであり、ネットワークデバイス502は例えばワイヤレス通信機能を備えるノートパソコンに備わる無線ボードなどである。要するにネットワークデバイスは通信ネットワーク100に直接的あるいは間接的に接続可能な機器である。ネットワークデバイス501,502,503は無線チャネルを介して基地局CSに接続する機能を備え、接続先の基地局を介して通信ネットワーク100と通信することができる。
【0019】
このほか図1のシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)や固定電話機(TEL)を制御装置G11,G12に接続するための中継ユニット700を備える。中継ユニット700もネットワークデバイスである。この種の装置はターミナルアダプタ(Terminal Adapter:TA)と称されることもある。PCに音声通話ソフトウェアをインストールすれば電話機として利用することも可能である。さらに、無線LAN(Local Area Network)規格に準拠するアクセスポイント(図示せず)が制御装置G11,G12に接続されることもある。
【0020】
図2は、図1に示されるネットワークデバイス501,502,503の一実施の形態を示す機能ブロック図である。ネットワークデバイス501,502,503は、通信ネットワーク100に接続されるネットワークインタフェース部51、制御部52、および無線部53を備える。無線部53は、アンテナ54を介して在圏先の基地局CSとの間に個別の無線チャネルを形成し、当該基地局CSに無線接続する。
【0021】
ところで、制御部52は、この実施形態に係わる処理機能として、要求部52aと応答部52bを備える。要求部52aは、接続先の基地局CSとこの基地局CSを通信ネットワーク100に接続する制御装置とを経由して、管理システム400に登録要求メッセージを送信する。例えばネットワークデバイス503から送出された登録要求メッセージは、基地局CS22から制御装置G12を経由して管理システム400に達する。
応答部52bは、制御装置から送信された生存確認メッセージ(KeepAlive メッセージあるいはPingによる問い合わせメッセージなど)に対する応答メッセージを、当該生存確認メッセージの送信元の制御装置に返信する。
【0022】
図3は、図1に示される管理システム400の一実施の形態を示す機能ブロック図である。管理システム400は、ネットワークインタフェース部41、表示部42、入出力部43、データベース部44、および、主制御部45を備える。インタフェース部41は通信ネットワーク100との通信に係わるインタフェース処理を担う。
【0023】
表示部42は入出力部43とともにユーザインタフェースを提供し、GUI(Graphical User Interface)環境を構築する。データベース部44はハードディスクドライブなどのストレージデバイスであり、管理テーブル44aを記憶する。
【0024】
ところで、主制御部45は、この実施形態に係わる処理機能として対応付け部45a、判定部45b、更新部45c、取得部45d、設定部45e、および、指示部45fを備える。
対応付け部45aは、個々のネットワークデバイスがどの制御装置の監視下にはいるのかを決定する。この決定は、ネットワークデバイスから送出された登録要求メッセージが管理システム400に到達したことを契機として実施される。具体的には、対応付け部45aは登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、この登録要求メッセージが経由した制御装置の管理下として、デフォルトで対応付ける。この対応付けは管理テーブル44aにおいて一元管理される。
【0025】
判定部45bは、複数の制御装置の個別の負荷を、例えばポーリングメッセージなどを用いた通信の結果に基づいて判定する。更新部45cは、判定部45bによる負荷の判定の結果に基づいて、ネットワークデバイスと制御装置との個別の対応付けを更新する。すなわち更新部45cは、例えば計測された制御装置の負荷を基準として、登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、この登録要求メッセージが経由した制御装置以外の制御装置の管理下として、対応付け直す。これに伴って管理テーブル44aの内容は更新される。
【0026】
例えば更新部45cは、負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、負荷が既定値以下である制御装置に対応付け直す。また例えば更新部45cは、負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、人口希薄地域を受け持つ制御装置に対応付け直す。
【0027】
人口希薄地域とは例えば農村、漁村、山村あるいは通信インフラが十分でない地域などが想定される。このような地域では人口密集地域に比べてネットワークデバイスの数が少なく、制御装置の負荷も高くないことが考えられる。このような想定のもとに、更新部45cは制御装置あるいはネットワークデバイスの位置情報に基づいて対応付けを更新するようにしてもよい。あるいは更新部45cは、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定値以下である制御装置に対応付け直すようにしてもよい。
【0028】
さらには、制御装置の各々のCPU(Central Processing Unit)リソースを計測し、例えばCPU使用率などを指標として、更新部45cは、使用率が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの少なくとも一部を、CPUの使用率が既定値以下である制御装置に対応付け直すようにしてもよい。
【0029】
取得部45dは、制御装置の各々が受け持つ地域の位置情報を取得する。位置情報の取得にあたっては、例えばネットワークデバイスの位置登録に係わる情報を参照してもよいし、あるいは直接的にGPS(Global Positioning System)などを用いてもよい。
設定部45eは、例えばオペレータにGUI(Graphical User Interface)環境を提供し、管理テーブル44aの更新に使用される上記閾値および規定値の少なくとも一方を、複数の制御装置ごとに個別に設定するために用いられる。
【0030】
指示部45fは、更新部45cによるネットワークデバイスと制御装置との対応付けの更新を受けて、制御装置によるネットワークデバイスの監視権限を移転するための処理を実行する。すなわち指示部45fは、更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を、更新前にそのネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から、更新後にそのネットワークデバイスに対応付けられた制御装置(ここでは受け渡し先の制御装置と称する)に移転するための指示メッセージを、更新に係わる制御装置に送信する。実施形態では、指示メッセージは管理システム400から、まず受け渡し先の制御装置に送信されるとする。
【0031】
図4は、図3に示される管理テーブル44aの一例を示す図である。この管理テーブル44aは、制御装置ごとに、その監視対象である基地局と、監視対象であるネットワークデバイスとの対応付けを示すものである。例えばネットワークデバイス501は制御装置G12の監視対象であることが示される。また、基地局CS11は制御装置G11により監視され、基地局CS21,CS22は制御装置G12により監視されることが図4に示される。実施形態では、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けを、制御装置の例えば負荷に基づいて動的に可変するようにする。
【0032】
図5は、図1に示される制御装置G11,G12の一実施の形態を示す機能ブロック図である。後述する他の制御装置についても同様である。制御装置G11,G12はネットワークインタフェース部21、基地局インタフェース部22、およびCPU23を備える。ネットワークインタフェース部21は通信ネットワーク100に接続され、IPパケットなどの授受に係わるインタフェース処理を行う。基地局インタフェース部22は複数の基地局CSに接続され、各基地局CSとの通信に係わるインタフェース処理を担う。
【0033】
ところで、CPU23は、この実施形態に係わる処理機能として監視部23a、送信部23b、通知部23c、および移転部23dを備える。
監視部23aは、配下の基地局、および、管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視したり、管理したりする。すなわち監視部23aは、対象とするネットワークデバイスに生じた異常を検知し、管理システム400に障害情報を通知する。
送信部23bは、監視対象のネットワークデバイスに対し、生存確認に用いるための上記生存確認メッセージを例えば定期的に送信する。通知部23cは、生存確認メッセージを用いたネットワークデバイスの生存確認の結果を、管理システム400に通知する。
移転部23dは、管理システム400から送信された指示メッセージに応じて、関係するネットワークデバイスの監視権限を移転する。次に、この実施形態における作用を説明する。
【0034】
図6は、図1に示される通信システムにおける管理の階層構造の一例を示す図である。基地局CSは直接接続される制御装置により、それぞれその配下として監視される。各制御装置G11,G12の上位階層には管理システム400が位置する。管理システム400は、複数の制御装置を例えば地域ごとの単位で配下として監視する。
【0035】
図7は、図1に示される通信システムにおける管理の形態の一例を示す図である。図7において、基地局CS11は制御装置G11に接続され、基地局CS21は制御装置G12に接続されている。これは図1に対応する。無線を介して通信ネットワーク100に接続されたネットワークデバイスは、基地局CS11に無線接続されている。ここでネットワークデバイス503が例えば有線を介して通信ネットワーク100に結線され、スタートアップされたとする。そうするとネットワークデバイス503を通信システムに接続するための手順が開始される。
【0036】
図8は、ネットワークデバイス503がシステムに接続される際の手順の一例を示すシーケンス図である。ネットワークデバイス503は、例えば初期立ち上げの際に、在圏先の基地局CS22に対して通信要求を送信する(201)。これを受けた基地局CS22は通信確立応答をネットワークデバイス503に返送する(202)。ここまでの手順により、ネットワークデバイス503は基地局CS22に無線接続される。
【0037】
次にネットワークデバイス503は、登録要求メッセージすなわち管理登録要求を管理システム400宛てに送信する(203)。この管理登録要求は基地局CS22を経由し(204)、制御装置G12を経由して(205)、管理システム400に到達する。
管理登録要求を受けた管理システム400は、この管理登録要求の送信元であるネットワークデバイス503を、当該管理登録要求が経由した制御装置G12の監視対象としてデフォルトで対応付ける。この経由情報を示すために、経由した装置のID(識別情報)を記載するためのフィールドを管理登録要求に設けるようにしても良い。
【0038】
この対応付けが完了すると、ネットワークデバイス503と制御装置G12との対応関係が管理テーブル44aに新たに記載される。図4の点線囲み箇所にそのことを示す。続いて管理システム400は、管理登録を受け付けた旨を示す管理登録応答をネットワークデバイス503宛てに返信する(206)。この管理登録応答には、ネットワークデバイス503と制御装置G12との組み合わせを示すパラメータが記載される。この管理登録応答は逆のルートを辿り、すなわち制御装置G12を経由し(207)、基地局CS22を経由して(208)、ネットワークデバイス503に到達する。ここまでの手順が完了すると、制御装置G12によるネットワークデバイス503の監視が開始される(209)。
なおネットワークデバイス502が管理登録要求を送信した場合には、この要求は制御装置G11の配下の基地局CS11を経由して管理システム400に到達するので、ネットワークデバイス502は制御装置G11の配下としてデフォルトで登録される。
【0039】
制御装置によるネットワークデバイスの監視の一つに、生存確認がある。すなわち制御装置G12は配下のネットワークデバイスに生存確認メッセージを送信する。これを受けたネットワークデバイス503は、応答メッセージを制御装置G12に返信する。この応答メッセージが制御装置G12により正常に受信されれば、制御装置G12はネットワークデバイス503が正常な状態であると判定する。これに対し、応答メッセージが制御装置G12により正常に受信されなければ、制御装置G12はネットワークデバイス503に障害が発生したと判定し、その旨を管理システム400に通知する。これを受けた管理システム400はアラームの発報など必要な手順を実施する。
【0040】
図9は、基地局管理エリアと制御装置管理エリアとの関係を示す図である。基地局はモバイル端末の通信をサポートすべく満遍なく配置されており、制御装置は或るエリアの基地局を管理する。基地局の送信電波が届く範囲が基地局管理エリアとなる。また、制御装置が管理する基地局の送信電波の範囲を統合したエリアが、制御装置管理エリアとなる。
【0041】
従ってネットワークデバイスが接続した基地局の識別情報、あるいは当該基地局を管理する制御装置の識別情報をもとに、ネットワークデバイスが設置されたエリアを推測することができる。管理システム400の取得部45dはこのような情報を参照して、制御装置の各々が受け持つ地域の位置情報を取得する。
【0042】
ネットワークデバイスは初期設置時に周囲の基地局を検索し、最も通信状況の良い基地局と接続して管理登録を実行する。その際、制御装置は、ネットワークデバイスからの管理登録要求に、当該ネットワークデバイスが接続した基地局の情報、あるいは制御装置自身の情報を付加して管理システムに転送する。
【0043】
管理登録要求を受信した管理システムは、メッセージ内に含まれる基地局情報、又は制御装置情報をもとに、自身が保持する無線通信システムのデータベースからそれぞれのカバーエリアを特定し、ネットワークデバイスの位置情報として登録する。この位置情報は、管理システム400の更新部45cによる、ネットワークデバイスと制御装置との対応付けの更新にあたり参照される。
【0044】
図10は、制御装置間での負荷分散の一例を説明するための図である。以下では、例えば3つの制御装置G11,G12,G13の間での制御につき説明する。図10において、制御装置G11が5個、制御装置G12が9個、制御装置G13が3個のネットワークデバイスをそれぞれ監視対象としているとする。この状態から制御装置G12の配下に、新たにネットワークデバイスが登録されたとする。
【0045】
図11は、制御装置G11,G12,G13の負荷の一例を示す図である。管理システム400は複数の制御装置を統合的に管理し、各制御装置に対応付けられたネットワークデバイスの数を制御装置情報として保持する。ネットワークデバイスの管理登録のたびに、管理システム400は、管理登録を実施した制御装置にデフォルトで監視機能を割り当てる。
【0046】
その際、管理システム400は、制御装置が監視するネットワークデバイスの数と、管理システムに設定された閾値とを比較する。そうして、ネットワークデバイスの数が閾値以上、あるいは閾値を超える既定数であれば、管理システム400は高負荷状態と判断し、監視機能の受け渡し先の制御装置を決定したのち、指示メッセージにより負荷分散を指示する。この処理は、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けの更新を受けて実施される。
【0047】
図11においては制御装置G12の監視対象装置数が9台から10台へと変化しているので、閾値(10)以上となったことが管理システム400において検知され、監視負荷分散が実施される。このとき、CPU使用率を参照することもできる。
制御装置の負荷状況を判断するための閾値および規定値は、システムの立ち上げ時に初期設定として管理システム400に与えられる。これらの値はシステム運用中も設定部45eの機能を用いて任意に変更である。またこれらの値は制御装置ごとに設定することも可能である。例えば都市部の制御装置と農村部の制御装置とで異なる閾値、規定値を持つようにしても良い。
CPU使用率を参照する場合には、管理システム400は各制御装置のCPU使用率を定期的に取得する。そうして管理システム400は、CPU使用率が閾値以上となった制御装置に対して、監視機能の受け渡し先、すなわち監視権限の移転先の制御装置を決定して負荷分散を指示する。
【0048】
ここで、高負荷の制御装置から監視機能を他の制御装置に受け渡すネットワークデバイスの数nは、設定により任意に変更可能である。例えば、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けの更新に際して、1個ずつのネットワークデバイスを対象としても良いし、2個、3個、あるいはそれ以上のネットワークデバイスをまとめて他の制御装置に委譲しても良い。
【0049】
図12は、実施形態に係わる監視機能の負荷分散に際して実施されるシーケンス図である。図12において、監視負荷を分散するための処理は、新規監視対象ネットワークデバイス(ここではネットワークデバイス503とする)の管理登録時、あるいは制御装置のCPU使用率取得時に実施される(S301)。管理システム400は個々の制御装置の負荷状況を判定する(S302)。例えば制御装置G12の負荷が高いと判断したとすると、制御装置G12の配下の少なくとも一部のネットワークデバイスに対する監視権限を移転する制御装置を決定する。ここでは移転先(受け渡し先)の制御装置としてG21が選択されたとする。
【0050】
そうすると管理システム400は、指示メッセージとして受け渡し準備要求を制御装置G21に送信する(S303)。ネットワークデバイス503の受け入れが可能であれば、制御装置G21は受け渡し準備応答を管理システム400に返信する(S304)。管理システム400は、制御装置G21の情報を含む負荷分散指示を制御装置G12に送信する(S305)。
【0051】
これを受けた制御装置G12は、制御装置G21に対して、ネットワークデバイス503の情報を含む監視機能受け渡し要求を送信する(S306)。この要求に対する制御装置G21からの監視機能受け渡し応答を受信すると、制御装置G12は、ネットワークデバイス503に向け監視装置変更通知を送信する(S308、S309)。ここまでのシーケンスが完了すると、受け渡し先制御装置G21とネットワークデバイス503との間で監視機能に係わる動作が開始される(S310)。
【0052】
図13は、監視機能の移転先となる制御装置を決定する手順の一例を説明するための図である。以下、例として(1)〜(3)の手順を説明する。
(1) 管理システム400は、高負荷制御装置(G12)に地理的に近い制御装置のうち例えば負荷が最小の制御装置(G21)を検出し、この制御装置G21を監視権限の移転先として決定する。そして、監視対象ネットワークデバイスについての監視機能の制御装置G22への移転を、高負荷の制御装置G12に指示する。以上の手順によれば、ネットワークデバイスに近い制御装置に監視機能を移転させることが可能になる。また、次のような手順もある。
【0053】
(2) 管理システム400は、基地局を管理せず監視機能のみを備える監視専用制御装置G22を検出し、この制御装置G22を監視権限の移転先として決定する。そして、監視対象ネットワークデバイスについての監視機能の制御装置G22への移転を制御装置G12に指示する。以上の手順によれば、監視機能を監視専用制御装置に移転させることにより負荷分散シーケンスの頻発化を抑えることができるようになる。これは、特に都市部に設置された制御装置間では有効である。さらには、次のような手順もある。
【0054】
(3) 管理システム400は、農村部の低負荷制御装置(G23)を検出し、この制御装置G23を監視権限の移転先として決定する。そして、監視対象ネットワークデバイスについての監視機能の制御装置G23への移転を制御装置G12に指示する。以上の手順によれば、新規のネットワークデバイスの管理登録が少ないと予想される農村部に監視権限を移転させることで、負荷分散シーケンスの頻発化を抑えることが可能になる。
【0055】
実施形態では、管理システム400は、(1)〜(3)のいずれかの手順、または各手順の組み合わせにより、監視権限の移転先の制御装置を決定する。そして、移転先制御装置の情報を含む負荷分散指示を高負荷制御装置(G12)に送信する。
【0056】
以上説明したようにこの実施形態では、ネットワークデバイスが在圏先の基地局に接続されたのち、ネットワークデバイスから管理登録要求を管理システム宛に送信する。管理登録要求は基地局から制御装置を経由して管理システムに達する。これを受けた管理システムは、登録要求元のネットワークデバイスと、管理登録要求の経由した制御装置とをデフォルトで対応付ける。この対応関係のもとで、制御装置は、監視対象として登録されたネットワークデバイスに対する監視を開始する。
【0057】
さらに実施形態では各制御装置の負荷を監視し、負荷の高まった制御装置に対しては、その配下のネットワークデバイスの一部に対する監視権限を、負荷の低い他の制御装置に移転すべく指示を与える。これを受けて関係する制御装置およびネットワークデバイスは、メッセージを授受し合って監視権限を移転するための処理を実行する。
【0058】
図14は、比較のため既存の管理手法を説明するための図である。既存の通信システムでは、どのネットワークデバイスを監視するのかを制御装置が管理システムに問い合わせる必要がある。その際、制御装置とネットワークデバイスとの対応付けをオペレータのマニュアル操作により設定しなくてはならず、オペレータの負担が大きく、またネットワークデバイスをシステム内に自由に配置することが困難であった。また、基地局のカバーエリアにネットワークデバイスが集中すると、制御装置の監視負荷が増大してしまうという不具合もある。
【0059】
これに対し実施形態では、ネットワークデバイスが基地局に無線接続されたのち直上の制御装置を経由して管理システム400への登録要求が実施され、その際、管理システム400においてどの制御装置の管理下に入るのかが自動的に決定される。実施形態では、ネットワークデバイスは、その接続先の基地局を監視する制御装置の監視対象としてデフォルトで決定される。このようにしたのでオペレータの負担を軽減でき、また、ネットワークデバイスを通信システム上に、自由に、分散配置させることが可能になる。すなわちシステムの拡張が容易になり、例えばクラウドシステムへの応用にあたってはメリットが大きい。
【0060】
また実施形態では、各制御装置が管理するネットワークデバイスの数、あるいは各制御装置のCPU使用率などを管理システム400が把握し、負荷が大きくなったと判断した制御装置については、他の制御装置へネットワークデバイスの監視権限の受け渡しを指示するようにしている。従って、ネットワークデバイスをネットワーク上に自由に配置した場合でも、制御装置とネットワークデバイスとの組み合わせが自律的に決定されるのに加え、ネットワークデバイスの数が増加した場合でも監視装置の負荷が分散される。これによりシステムパフォーマンス低下を防ぐことが可能となる。このことによってもネットワークデバイスをネットワーク上に自由に分散配置することができ、システムの拡張がさらに容易になる。
これらのことから、監視装置の負荷を分散できるようになり、円滑な運用を促すことの可能な通信システム、制御装置、ネットワークデバイスおよび管理方法を提供することが可能になる。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
100…通信ネットワーク、G11,G12…制御装置、200…ゲートウェイ、300…インターネット、400…管理システム、44…データベース、CS(CS11,CS12,CS22)…基地局、PS(PS11,PS12)…移動端末、501,502,503…ネットワークデバイス、PC…パーソナルコンピュータ、TEL…固定電話機、600…ユーザ宅、700…中継ユニット、51…ネットワークインタフェース部、52…制御部、52a…要求部、52b…応答部、53…無線部、54…アンテナ、41…ネットワークインタフェース部、42…表示部、43…入出力部、44…データベース部、44a…管理テーブル、45…主制御部、45a…対応付け部、45b…判定部、45c…更新部、45d…取得部、45e…設定部、45f…指示部、21…ネットワークインタフェース部、22…基地局インタフェース部、23…CPU、23a…監視部、23b…送信部、23c…通知部、23d…移転部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、
それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、
前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、
前記通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備し、
前記複数のネットワークデバイスの各々は、
前記無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続する無線接続部と、
無線接続先の基地局とこの基地局を前記通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して前記管理システムに登録要求メッセージを送信する要求部とを備え、
前記管理システムは、
前記登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、当該登録要求メッセージが経由した制御装置にデフォルトで対応付ける対応付け部と、
前記複数の制御装置の個別の負荷を判定する判定部と、
前記判定の結果に基づいて、前記複数のネットワークデバイスと前記複数の制御装置との個別の対応付けを、前記負荷を基準として更新する更新部とを備え、
前記複数の制御装置の各々は、
前記管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する監視部を備える、通信システム。
【請求項2】
前記管理システムは、さらに、
前記更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を当該更新前に当該ネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から前記更新後に当該ネットワークデバイスに対応付けられた制御装置に移転するための指示メッセージを、当該更新に係わる制御装置に送信する指示部を備え、
前記制御装置は、さらに、
前記指示メッセージに応じて前記監視権限を移転する移転部を備える、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記更新部は、前記負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、前記負荷が既定値以下である制御装置に対応付け直す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記更新部は、前記負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、人口希薄地域を受け持つ制御装置に対応付け直す、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記管理システムは、さらに、前記制御装置の各々が受け持つ地域の位置情報を取得する取得部を備え、
前記更新部は、前記取得部により取得された位置情報に基づいて前記対応付けを更新する、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記更新部は、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定値以下である制御装置に対応付け直す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記制御装置の各々は、CPU(Central Processing Unit)を備え、
前記更新部は、前記CPUの使用率が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、前記CPUの使用率が既定値以下である制御装置に対応付け直す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記閾値および前記規定値の少なくとも一方を、前記複数の制御装置ごとに個別に設定するための設定手段を具備する、請求項3乃至7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記制御装置の各々は、監視対象のネットワークデバイスに生存確認のための生存確認メッセージを送信する送信部を備え、
前記ネットワークデバイスの各々は、前記生存確認メッセージの送信元の制御装置に当該生存確認メッセージに対する応答メッセージを返信する応答部を備える、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
前記制御装置の各々は、前記生存確認の結果を前記管理システムに通知する通知部を備える、請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記管理システムは、
前記ネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを監視対象とする制御装置との対応付けを示す管理テーブルを備える、請求項1に記載の通信システム。
【請求項12】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、前記通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備する通信システムに備えられる前記制御装置において、
前記管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する監視部を備える、制御装置。
【請求項13】
さらに、前記管理システムから送信された、前記更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を当該更新前に当該ネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から前記更新後に当該ネットワークデバイスに対応付けられた制御装置に移転するための指示メッセージに応じて、前記監視権限を移転する移転部を備える、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
さらに、監視対象のネットワークデバイスに生存確認のための生存確認メッセージを送信する送信部を備える、請求項12に記載の制御装置。
【請求項15】
さらに、前記生存確認の結果を前記管理システムに通知する通知部を備える、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムとを具備する通信システムに備えられ、前記通信ネットワークに分散配置されるネットワークデバイスにおいて、
前記無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続する無線接続部と、
無線接続先の基地局とこの基地局を前記通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して前記管理システムに登録要求メッセージを送信する要求部とを備える、ネットワークデバイス。
【請求項17】
生存確認のための生存確認メッセージの送信元の制御装置に当該生存確認メッセージに対する応答メッセージを返信する応答部を備える、請求項16に記載のネットワークデバイス。
【請求項18】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、前記通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備する通信システムの管理方法であって、
前記ネットワークデバイスが、前記無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続し、
前記ネットワークデバイスが、無線接続先の基地局とこの基地局を前記通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して前記管理システムに登録要求メッセージを送信し、
前記管理システムが、前記登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、当該登録要求メッセージが経由した制御装置にデフォルトで対応付け、
前記管理システムが、前記複数の制御装置の個別の負荷を判定し、
前記管理システムが、前記判定の結果に基づいて、前記複数のネットワークデバイスと前記複数の制御装置との個別の対応付けを、前記負荷を基準として更新し、
前記制御装置が、前記管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する、管理方法。
【請求項19】
さらに、前記管理システムが、前記更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を当該更新前に当該ネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から前記更新後に当該ネットワークデバイスに対応付けられた制御装置に移転するための指示メッセージを、当該更新に係わる制御装置に送信し、
さらに、前記制御装置が、前記指示メッセージに応じて前記監視権限を移転する、請求項18に記載の管理方法。
【請求項20】
前記制御装置は、監視対象のネットワークデバイスに生存確認のための生存確認メッセージを送信し、
前記ネットワークデバイスは、前記生存確認メッセージの送信元の制御装置に当該生存確認メッセージに対する応答メッセージを返信する、請求項18に記載の管理方法。
【請求項21】
前記制御装置は、前記生存確認の結果を前記管理システムに通知する、請求項20に記載の管理方法。
【請求項1】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、
それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、
前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、
前記通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備し、
前記複数のネットワークデバイスの各々は、
前記無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続する無線接続部と、
無線接続先の基地局とこの基地局を前記通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して前記管理システムに登録要求メッセージを送信する要求部とを備え、
前記管理システムは、
前記登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、当該登録要求メッセージが経由した制御装置にデフォルトで対応付ける対応付け部と、
前記複数の制御装置の個別の負荷を判定する判定部と、
前記判定の結果に基づいて、前記複数のネットワークデバイスと前記複数の制御装置との個別の対応付けを、前記負荷を基準として更新する更新部とを備え、
前記複数の制御装置の各々は、
前記管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する監視部を備える、通信システム。
【請求項2】
前記管理システムは、さらに、
前記更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を当該更新前に当該ネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から前記更新後に当該ネットワークデバイスに対応付けられた制御装置に移転するための指示メッセージを、当該更新に係わる制御装置に送信する指示部を備え、
前記制御装置は、さらに、
前記指示メッセージに応じて前記監視権限を移転する移転部を備える、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記更新部は、前記負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、前記負荷が既定値以下である制御装置に対応付け直す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記更新部は、前記負荷が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、人口希薄地域を受け持つ制御装置に対応付け直す、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記管理システムは、さらに、前記制御装置の各々が受け持つ地域の位置情報を取得する取得部を備え、
前記更新部は、前記取得部により取得された位置情報に基づいて前記対応付けを更新する、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記更新部は、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、対応付けられたネットワークデバイスの数が既定値以下である制御装置に対応付け直す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記制御装置の各々は、CPU(Central Processing Unit)を備え、
前記更新部は、前記CPUの使用率が既定の閾値以上である制御装置に対応付けられた前記ネットワークデバイスの少なくとも一部を、前記CPUの使用率が既定値以下である制御装置に対応付け直す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記閾値および前記規定値の少なくとも一方を、前記複数の制御装置ごとに個別に設定するための設定手段を具備する、請求項3乃至7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記制御装置の各々は、監視対象のネットワークデバイスに生存確認のための生存確認メッセージを送信する送信部を備え、
前記ネットワークデバイスの各々は、前記生存確認メッセージの送信元の制御装置に当該生存確認メッセージに対する応答メッセージを返信する応答部を備える、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
前記制御装置の各々は、前記生存確認の結果を前記管理システムに通知する通知部を備える、請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記管理システムは、
前記ネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを監視対象とする制御装置との対応付けを示す管理テーブルを備える、請求項1に記載の通信システム。
【請求項12】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、前記通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備する通信システムに備えられる前記制御装置において、
前記管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する監視部を備える、制御装置。
【請求項13】
さらに、前記管理システムから送信された、前記更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を当該更新前に当該ネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から前記更新後に当該ネットワークデバイスに対応付けられた制御装置に移転するための指示メッセージに応じて、前記監視権限を移転する移転部を備える、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
さらに、監視対象のネットワークデバイスに生存確認のための生存確認メッセージを送信する送信部を備える、請求項12に記載の制御装置。
【請求項15】
さらに、前記生存確認の結果を前記管理システムに通知する通知部を備える、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムとを具備する通信システムに備えられ、前記通信ネットワークに分散配置されるネットワークデバイスにおいて、
前記無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続する無線接続部と、
無線接続先の基地局とこの基地局を前記通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して前記管理システムに登録要求メッセージを送信する要求部とを備える、ネットワークデバイス。
【請求項17】
生存確認のための生存確認メッセージの送信元の制御装置に当該生存確認メッセージに対する応答メッセージを返信する応答部を備える、請求項16に記載のネットワークデバイス。
【請求項18】
それぞれ無線ゾーンを形成する複数の基地局と、それぞれ前記複数の基地局のいずれかに接続されて当該接続された基地局を通信ネットワークに接続する複数の制御装置と、前記複数の制御装置の上位階層に位置付けられる管理システムと、前記通信ネットワークに分散配置される複数のネットワークデバイスとを具備する通信システムの管理方法であって、
前記ネットワークデバイスが、前記無線ゾーン内において当該無線ゾーンを形成する基地局に無線接続し、
前記ネットワークデバイスが、無線接続先の基地局とこの基地局を前記通信ネットワークに接続する制御装置とを経由して前記管理システムに登録要求メッセージを送信し、
前記管理システムが、前記登録要求メッセージの送信元のネットワークデバイスを、当該登録要求メッセージが経由した制御装置にデフォルトで対応付け、
前記管理システムが、前記複数の制御装置の個別の負荷を判定し、
前記管理システムが、前記判定の結果に基づいて、前記複数のネットワークデバイスと前記複数の制御装置との個別の対応付けを、前記負荷を基準として更新し、
前記制御装置が、前記管理システムにより対応付けられたネットワークデバイスを監視する、管理方法。
【請求項19】
さらに、前記管理システムが、前記更新に係わるネットワークデバイスの監視権限を当該更新前に当該ネットワークデバイスに対応付けられていた制御装置から前記更新後に当該ネットワークデバイスに対応付けられた制御装置に移転するための指示メッセージを、当該更新に係わる制御装置に送信し、
さらに、前記制御装置が、前記指示メッセージに応じて前記監視権限を移転する、請求項18に記載の管理方法。
【請求項20】
前記制御装置は、監視対象のネットワークデバイスに生存確認のための生存確認メッセージを送信し、
前記ネットワークデバイスは、前記生存確認メッセージの送信元の制御装置に当該生存確認メッセージに対する応答メッセージを返信する、請求項18に記載の管理方法。
【請求項21】
前記制御装置は、前記生存確認の結果を前記管理システムに通知する、請求項20に記載の管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−235291(P2012−235291A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102120(P2011−102120)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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