通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定設定管理方法
【課題】移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合に、設定された測定設定情報を再利用可能な通信システム及び測定設定管理方法を提供する。
【解決手段】基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて基地局装置と接続して通信を行なう通信システムであって、基地局装置2は、第1のセルの周波数帯域または第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバー指示メッセージS5を移動局装置1に送信し、移動局装置1は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報S1を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いる。
【解決手段】基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて基地局装置と接続して通信を行なう通信システムであって、基地局装置2は、第1のセルの周波数帯域または第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバー指示メッセージS5を移動局装置1に送信し、移動局装置1は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報S1を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定方法に関し、特に、移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合の周波数帯域の測定設定管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)通信方式やリソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)が検討され、更にその発展形であるAdvanced EUTRA(LTE-Advancedとも称される)の検討が進められている。
【0003】
Advanced EUTRAでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、より高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation)と称させる技術が提案されている。キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる周波数帯域(キャリア周波数、コンポーネントキャリア(Component Carrier)とも称する)のセルからそれぞれ送信された送信装置のデータを、異なる周波数帯域に対応する受信装置において受信することで、データレートを向上させる技術である。なお、以後は下りリンク送信における受信装置のことを移動局装置、下りリンク送信における送信装置のことを基地局装置と記載し、上りリンク送信における受信装置のことを基地局装置、上りリンク送信における送信装置のことを移動局装置と記載するが、本発明の適用範囲はこれらの装置に限定する必要は無い。
【0004】
Advanced EUTRAの移動局装置(以後、移動局装置と称する)は、移動管理(mobility control)に必要となる測定報告(measurement report)を行なうために、複数のコンポーネントキャリアの受信及び測定を行なう必要があり、EUTRAよりも複雑な測定設定管理方法が要求される。
【0005】
例えば、EUTRAの移動局装置は、ハンドオーバー時において、ハンドオーバー前のセル(ソースセル、在圏セル)の周波数帯域の測定設定情報を、ハンドオーバー後のセル(ターゲットセル、周辺セル)の周波数帯域に対して再利用(link)するように構成されている(非特許文献1)。測定設定情報は、周波数帯域に対して設定されるものであり、測定IDと、測定対象周波数(measurement object)と測定対象周波数ID、検出する測定イベント(measurement event)を含んだ報告設定(reporting configuration)と報告設定IDとで構成される。すなわち、ハンドオーバー前のセルの周波数帯域に関連する測定IDは、ハンドオーバー後のセルの周波数帯域に関連する測定IDと交換(swap)される。
【0006】
しかしながら、キャリア・アグリゲーション中の移動局装置に対して上述した方法を適用しようとした場合、移動局装置は、ハンドオーバー前とハンドオーバー後の両方で複数のセルが設定されている状態であり、EUTRAの場合と異なり、どの周波数帯域の測定設定情報を再利用するかについて判断する必要があるため、EUTRAの方法をそのまま援用することが出来ない。
【0007】
非特許文献2から非特許文献5には、この問題に対処するために、ハンドオーバー前とハンドオーバー後の各セルに設定される測定設定情報の再利用方法について記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】R2−085558,NTT DOCOMO,INC,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #63bis,Praque,Czech Republic,29 Sep−3 Oct 2008
【非特許文献2】R2−102870,Qualcomm Incorporated,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【非特許文献3】R2−103089,Ericsson,ST−Ericsson,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【非特許文献4】R2−102864,Huawei,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【非特許文献5】R2−103065,NTT DOCOMO,INC.,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した非特許文献2から非特許文献5には、それぞれ以下に示す課題がある。
【0010】
非特許文献2及び3には、ハンドオーバー後にソースセルの周波数帯域とターゲットセルの周波数帯域の測定設定情報を交換して再利用する測定設定管理方法が提案されている。しかしながら、非特許文献2及び3に示す方法は、ソースセルの周波数帯域がキャリア・アグリゲーションの対象外の周波数帯域になる場合における周波数内イベントのように、設定されている測定イベントの内容によって交換可能なものと交換可能でないものを区別しておらず、その具体的な交換方法について考慮していないという問題がある。
【0011】
これに対し、非特許文献4は、ハンドオーバー後のソースセルの周波数帯域の測定設定情報が交換可能であれば交換し、交換可能できない場合は当該測定イベントを削除する測定設定管理方法が提案されている。しかしながら、非特許文献4に示す方法は、交換可能かどうかの判定を必要とするため、管理方法が複雑になるという問題がある。
【0012】
また、非特許文献5は、ターゲットセルの周波数帯域に設定されている測定設定情報を全て削除する方法が提案されている。しかしながら、非特許文献5に示す方法は、実際に利用可能な測定イベントまで削除してしまうという問題がある。
【0013】
上記の課題を鑑みて、本発明は、移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合に、簡易な方法で設定された測定設定情報を再利用可能な通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定設定管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通信システムは、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムであって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記基地局装置は、前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、前記移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0015】
(2)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0016】
(3)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0017】
(4)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0018】
(5)また、本発明の通信システムにおいて、前記識別子は、測定ID、測定対象周波数ID、セルIDまたはコンポーネントキャリア識別子であることを特徴とする。
【0019】
(6)また、本発明の通信システムにおいて、前記識別子は、周波数帯域毎に複数設定されることを特徴とする。
【0020】
(7)また、本発明の移動局装置は、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置であって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0021】
(8)また、本発明の移動局装置は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0022】
(9)また、本発明の移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0023】
(10)また、本発明の移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0024】
(11)また、本発明の基地局装置は、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける基地局装置であって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを前記移動局装置に判断させる測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0025】
(12)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置の測定設定管理方法であって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記移動局装置は、前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定するステップと、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信するステップと、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断するステップと、を備えることを特徴とする。
【0026】
(13)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする。
【0027】
(14)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする。
【0028】
(15)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合に、簡易な方法で設定された測定設定情報を再利用可能な通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定設定管理方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る移動局装置1の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局装置2の一例を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定された測定設定情報について説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための別の図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための別の図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための図である。
【図12】ハンドオーバー前後における、従来の移動局装置1ならびに基地局装置2の測定設定管理方法の一例を示したシーケンスチャート図である。
【図13】従来のハンドオーバー前の移動局装置1に設定される測定設定情報の一例を示した図である。
【図14】従来のハンドオーバー後の移動局装置1に設定される測定設定情報の一例を示した図である。
【図15】本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関する物理チャネル、ハンドオーバー時の測定設定管理方法、キャリア・アグリゲーションについて説明する。
【0032】
[物理チャネル]
EUTRA及びAdvanced EUTRAで使用される物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。物理チャネルは、基地局装置から移動局装置へ送信される下りリンクにおける下りリンクチャネルと、移動局装置から基地局装置へ送信される上りリンクにおける上りリンクチャネルとが存在する。物理チャネルは、EUTRA、及びAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造が変更される可能性もあるが、変更された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
【0033】
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(セルID、PCI; Physical Cell Identifier)と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。移動局装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルのセルIDを特定する。
【0034】
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報);System information)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、下りリンクデータチャネルを用いてレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)で送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、セルの周波数帯域幅や下りリンクと上りリンクの周波数帯域の対応関係などが通知される。
【0035】
下りリンクリファレンスシグナルは、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリンクリファレンスシグナルは、所定の規則に基づき周波数・時間位置で周期的に繰り返される既知の信号である。移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルと同時に送信される下りリンク制御チャネル、または下りリンクデータチャネルの復調のための参照用の信号としても下りリンクリファレンスシグナルを使用する。下りリンクリファレンスシグナルに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。なお、下りリンクリファレンスシグナルはセル固有RS(Cell-specific reference signals)と記載される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
【0036】
下りリンク制御チャネル(PDCCH; Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、移動局装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。移動局装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自局宛の下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自局宛の下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラントと呼ばれる無線リソース割当て情報を取得する必要がある。
【0037】
下りリンクデータチャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージとしてページングや報知情報を通知するためにも使用される。下りリンクデータチャネルの無線リソース割当て情報は、下りリンク制御チャネルで示される。
【0038】
上りリンクデータチャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、下りリンクと同様に上りリンクデータチャネルの無線リソース割当て情報は、下りリンク制御チャネルで示される。
【0039】
ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。ランダムアクセスチャネルは、移動局装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。移動局装置は、上りリンク制御チャネル未設定時の送信データのスケジューリング要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報の要求にランダムアクセスチャネルを用いる。送信タイミング調整情報を受信した移動局装置は、送信タイミング調整情報の有効時間を設定し、有効時間中は送信タイミング調整状態、有効期間外は、送信タイミング非調整状態として状態を管理する。基地局装置は、移動局装置に対して個別プリアンブル系列(Dedicated preamble)を割り当てて、ランダムアクセスを開始させることも可能である。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
【0040】
[ハンドオーバー時の測定設定管理方法]
図12は、EUTRAでのハンドオーバー前後における、移動局装置1ならびに基地局装置2の測定設定管理方法について説明するためのシーケンスチャート図である。
【0041】
図12の例において、基地局装置2は、自局が運用する周波数としてF1とF2という異なる2つの周波数を使用可能であるとし、移動局装置1と基地局装置2は、周波数F1において無線接続が確立された状態(無線リソース制御接続状態(Radio Resource Control Connected:RRC_Connected))である。ここで、基地局装置2は、移動局装置1に対して通信中のセル(在圏セル)並びにその他セル(周辺セル)の受信品質を測定させるために測定設定メッセージを送信する(ステップS1)。測定設定メッセージには、測定される周波数(周波数F1と周波数F2)毎に少なくとも一つの測定設定情報が含まれている。測定設定情報は、測定IDと、測定対象周波数(measurement object)と、測定対象周波数に対応する測定対象周波数IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。一つの測定対象周波数IDに対し複数の報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。同様に、複数の測定対象周波数IDに対して一つの報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。
【0042】
測定イベントとは、例えば、在圏セルの受信品質が所定の閾値よりも下回った/上回ったとき、周辺セルの受信品質が在圏セルよりも下回ったとき、周辺セルの受信品質が所定の閾値よりも上回ったとき、などの条件と、当該条件を判定するために用いるパラメータから構成される情報である。パラメータには閾値や、オフセット値、測定イベントの成立に必要な時間などが設定される。
【0043】
移動局装置1は、ステップS2において、基地局装置2から設定された測定設定情報を内部情報として保存してから測定処理を開始する。具体的には、移動局装置1は測定IDと測定対象周波数IDと報告設定IDとを一つにリンクされるよう対応付けて管理し、各IDに対応する測定情報を基に測定を開始する。これらの3つのIDが一つにリンクされている場合、有効とみなして関連する測定を開始し、これらの3つのIDが一つにリンクされていない場合(いずれかのIDが設定されていない場合)、無効とみなして関連する測定は開始されない。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、移動局装置1は、ステップS3において測定設定完了メッセージを基地局装置2へ送信する。
【0044】
そして、移動局装置1において、設定された測定イベントのいずれかがパラメータに従い条件を満たした場合、当該測定イベントがトリガ(trigger)されたとして、測定報告メッセージを基地局装置2に対して送信する(ステップS4)。測定報告メッセージには、少なくともトリガされた測定イベントの報告設定IDにリンクした測定IDと、必要であれば関連するセルの測定結果が設定される。基地局装置2は測定IDがどの測定イベントの報告設定IDにリンクしているかを把握しているため、移動局装置1は測定報告メッセージで報告設定IDを通知する必要はない。
【0045】
基地局装置2は、移動局装置1からの測定報告メッセージやシステム負荷や干渉の状態などを考慮し、移動局装置1に対して異周波数ハンドオーバー(Inter−frequency handover)の実行を示すハンドオーバー指示メッセージを送信する(ステップS5)。図12では、基地局装置2の周波数F1から同じ基地局装置2の異なる周波数F2に対して異周波数ハンドオーバーする例を示しているが、移動局装置1は、異なる基地局装置2への異周波数ハンドオーバーであっても同様の制御手順を行う必要がある。移動局装置1は、受信したハンドオーバー指示メッセージによって異周波数ハンドオーバーが指示されていた場合、異周波数ハンドオーバーを実行すると共に測定設定変更を行なう(ステップS6)
【0046】
測定設定変更において、移動局装置1は、ハンドオーバー前の周波数帯域に関する測定IDとハンドオーバー後の周波数帯域に関する測定IDとを交換することで対応付けられたリンクを更新する。そして、異周波数ハンドオーバーが完了した場合、ハンドオーバー完了メッセージをハンドオーバー先の基地局装置2に対して送信し、ハンドオーバー手順を完了する(ステップS7)。
【0047】
図13及び図14は、図12に示したステップS6におけるEUTRAにおける異周波数ハンドオーバー時の移動局装置1ならびに基地局装置2の、測定設定情報の変更方法について説明するための図である。異周波数ハンドオーバー前のEUTRAの移動局装置に対し、図13に示す測定設定情報が設定されていた場合、異周波数ハンドオーバー後のEUTRAの移動局装置は、図14に示すように測定設定情報を変更すると共に再利用するように構成されている。
【0048】
より具体的には、図13に示すように移動局装置1は、周波数F1においてセルAとセルBとを測定しており、周波数F2においてセルCとセルDとを測定している。セルAは、移動局装置1の在圏セルであり、その他のセルは周辺セルである。ここで、移動局装置1は、在圏セルAと周波数F1の周辺セル(図の例ではセルB)とを比較する測定イベント(報告設定ID#1)が設定されており、当該測定イベントの報告設定IDは測定ID#1にリンクされている。周波数F1を示すIDを周波数ID#1とした場合、移動局装置1は、測定ID#1−周波数ID#1−報告設定ID#1をリンクして管理している。
【0049】
同様に、移動局装置1は、在圏セルAと周波数F2の周辺セル(図の例ではセルCとセルD)とを比較する測定イベント(報告設定ID#2)が設定されており、当該測定イベントの報告設定IDは測定ID#2にリンクされている。周波数F2を示すIDを周波数ID#2とした場合、移動局装置1は、測定ID#2−周波数ID#2−報告設定ID#2をリンクして管理している。
【0050】
続いて、移動局装置1が周波数F1のセルAから周波数F2のセルCに異周波数ハンドオーバーした場合における、変更後の測定設定情報について図14に示す。移動局装置1は、異周波数ハンドオーバー前の在圏セルの周波数F1に関する測定IDを異周波数ハンドオーバー後の在圏セルの周波数F2と交換して再利用する。すなわち、移動局装置1は、測定ID#1−周波数ID#2−報告設定ID#1と、測定ID#2−周波数ID#1−報告設定ID#2をリンクして管理することになる。
【0051】
[キャリア・アグリゲーション]
キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる上りリンクまたは下りリンクの周波数帯域(コンポーネントキャリア)を集約(アグリゲーション)して一つの周波数帯域のように扱う技術である。例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、移動局装置は100MHzの周波数帯域幅とみなしてアクセスすることが可能となる。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数帯域であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数帯域であってもよい。例えば、使用可能な周波数帯域が800MHz帯域、2.6GHz帯域、3.4GHz帯域である場合、ある一つのコンポーネントキャリアが800MHz帯域、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯域、さらに別のコンポーネントキャリアが3.4GHz帯域で送信されていてもよい。
【0052】
また、同一周波数帯域、例えば2.6GHz帯域内の連続または不連続のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は20MHzより狭い周波数帯域幅であっても良く、各々異なっていても良い。また、移動局装置は、コンポーネントキャリアそれぞれに対してアクセスすることが可能である。
【0053】
基地局装置は、移動局装置の送信データバッファ量や移動局装置の受信品質、セル内の負荷やQoSなどの種々の要因に基づいて、移動局装置に割り当てる(allocate、configure)上りリンクまたは下りリンクのコンポーネントキャリアの数を増減することができる。
【0054】
また、コンポーネントキャリアは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC;Primary Component Carrier)とセカンダリコンポーネントキャリア(SCC;Secondary Component Carrier)、非設定コンポーネントキャリア(NCC;Non−configured Component Carrier)の3つの種別に分類される。プライマリコンポーネントキャリアとは、典型的には報知情報で指定される一組の上りリンクコンポーネントキャリアと下りリンクコンポーネントキャリアから構成され、移動局装置が測定制御や下りリンクの無線リンク障害(Radio Link Failure)の検出、及び上りリンクの送信タイミングの基準となる周波数帯域である。また、上りリンク制御チャネルを用いて上り制御情報が送信される周波数帯域である。基地局装置は、プライマリコンポーネントキャリアを移動局装置毎に設定することも出来る。移動局装置は、プライマリコンポーネントキャリアのセルからセキュリティ情報を取得して設定することが出来る。
【0055】
セカンダリコンポーネントキャリアとは、プライマリコンポーネントキャリア以外の移動局装置に割り当てられた周波数帯域のことである。移動局装置は、セカンダリコンポーネントキャリアで無線リンク障害を検出する必要は無い。基地局装置は、移動局装置に対し、省電力化のために割り当てたセカンダリコンポーネントキャリアの活性化/不活性化(アクティベーション/ディアクティベーション)を指示することも出来る。移動局装置は、活性化されたセカンダリコンポーネントキャリアのセルにおいてのみ下りリンク制御チャネルを監視して下りリンクデータチャネルの受信を試み、不活性化されたセカンダリコンポーネントキャリアのセルでは、下りリンク制御チャネルを監視せずに受信品質の測定のみを行なうことも出来る。
【0056】
非設定コンポーネントキャリアとは、PCCでもSCCでもなく、設定されていないコンポーネントキャリアである。移動局装置は、非設定コンポーネントキャリアであっても、測定設定情報に基づき測定を行なうかもしれない。
【0057】
移動局装置に設定されたプライマリコンポーネントキャリアのセルは、プライマリサービングセル(Primary Serving Cell)であり、セカンダリコンポーネントキャリアのセルはセカンダリサービングセル(Secondary Serving Cell)である。すなわち、キャリア・アグリゲーションを行なう移動局装置は、プライマリサービングセルと一つまたは複数のセカンダリサービングセルとを介して基地局装置と接続される。
【0058】
また、キャリア・アグリゲーションを行なう移動局装置は、セルの状態を、(1)設定され活性化された状態、(2)設定されたが不活性の状態、(3)設定されていない状態、に分類して管理する。プライマリサービングセルは1の状態しか取りえず、不活性コンポーネントキャリアのセル(周辺セル)は、3の状態しか取りえない。セカンダリサービングセルは1または2の状態を取る。また、セカンダリサービングセルの活性化/不活性化という状態を省略することで、移動局装置は、単純にセカンダリサービングセルが設定されたか否かという2つの状態だけを管理するような構成であっても良い。
【0059】
[本発明の通信ネットワーク構成の例]
図15は、本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数の周波数帯域(コンポーネントキャリア)のセルを同時に用いて基地局装置2と無線接続することが可能な場合、通信ネットワーク構成としては、ある一つの基地局装置2が複数の周波数帯域毎に送信装置11〜13(及び図示しない受信装置21〜23)を備えており、各周波数帯域のセルの制御を一つの基地局装置2で行なう構成が制御の簡略化の観点から好適である。ただし、複数の周波数帯域が連続する周波数帯域であるなどの理由で、基地局装置2が一つの送信装置で複数の周波数帯域の送信を行なう構成であっても構わない。
【0060】
基地局装置2の送信装置によって制御される各周波数帯域の通信可能範囲はセルとしてみなされ、空間的に同一のエリアに存在する。このとき、各周波数帯域がカバーするエリア(セル)はそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。また、複数の基地局装置2でキャリア・アグリゲーションされる周波数帯域を管理し、上位の制御局装置が、複数の基地局装置2を管理する通信ネットワーク構成であっても良い。なお、移動局装置1は同じ周波数帯域の異なるセルを同時に測定できるが、同時に接続されることはない。
【0061】
なお、3GPPが規定する第3世代の基地局装置2はノードB(NodeB)と称され、EUTRA及びAdvanced EUTRAにおける基地局装置2はイーノードB(eNodeB)と称される。基地局装置2は移動局装置1が通信可能なエリアであるセルを管理し、セルは移動局装置1と通信可能なエリアの大きさに応じてフェムトセルやピコセル、ナノセルとも称される。また、移動局装置1がある基地局装置2と通信可能であるとき、その基地局装置2のセルは移動局装置1の在圏セルであり、その他の基地局装置2のセルは周辺セルと称される。
【0062】
後述する記載において、基地局装置2が形成するコンポーネントキャリアの周波数でカバーされるエリアのことをそれぞれセルと称して説明するが、これは実際に運用される通信システムにおけるセルの定義とは異なる可能性があることに注意する。例えば、ある通信システムでは、キャリア・アグリゲーションによって用いられるコンポーネントキャリアの一部のことを、セルではなく単なる追加の無線リソースと定義するかもしれない。本発明でコンポーネントキャリアをセルと称することで、実際に運用される通信システムにおけるセルの定義と異なる場合が発生したとしても、本発明の主旨には影響しない。なお、移動局装置1は、リレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置2と無線接続されても良い。
【0063】
更に、後述する記載において、コンポーネントキャリア、またはプライマリコンポーネントキャリア、セカンダリコンポーネントキャリア、非設定コンポーネントキャリアと記述された場合、特段の説明が無い場合、これらは全て下りリンクにおけるコンポーネントキャリアを示すことに注意する。移動局装置1が測定するコンポーネントキャリアは下りリンクコンポーネントキャリアであり、測定設定情報は下りリンクコンポーネントキャリアに対して設定される。
【0064】
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の説明において、本発明に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明瞭にすると判定される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0065】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。本実施形態は、キャリア・アグリゲーション中の移動局装置1が、ハンドオーバー後に設定された測定設定情報を交換することで再利用する測定設定管理方法に関する。
【0066】
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置1の一例を示すブロック図である。本移動局装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104、制御部105、ランダムアクセス処理部106、符号部107、変調部108、送信部109、上位レイヤ110から構成される。受信に先立ち、上位レイヤ110より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、受信に関する移動局装置制御情報が受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104へ適切に入力される。受信制御情報は、受信スケジュール情報として、復調情報、復号化情報、受信周波数帯域の情報、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
【0067】
受信信号は、一つ以上のアンテナ(図示せず)を介して受信部101において受信される。受信部101は、受信制御情報で通知された周波数帯域で信号を受信する。受信部101は受信信号のベースバンド処理部を含む。受信信号は復調部102へと入力される。復調部102は、受信信号を復調して復号部103へと受信信号を入力する。復号部103は、受信制御情報に基づき受信信号を正しく復号する。復号部103は、受信信号を下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ110へ入力する。また、復号部103は測定に関する復号した受信信号を測定処理部104へ入力する。測定処理部104は、セル毎の下りリンクリファレンスシグナルの受信品質の測定処理や、下りリンク制御チャネルまたは下りリンクデータチャネルの受信誤り率の測定処理を行ない、測定した受信品質をサンプル毎に平均化(フィルタリング)した下りリンク測定情報を生成し、下りリンク測定情報を上位レイヤ110へ出力する。また、測定処理部104は、得られた受信品質と下りリンク同期誤りの検出に用いる閾値(Qoutとも呼ばれる)とを比較し、必要に応じて下りリンク同期誤りを上位レイヤ110へ出力する。
【0068】
また、送信に先立ち、上位レイヤ110より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、送信に関する移動局装置制御情報が送信制御情報として、ランダムアクセス処理部106、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力される。送信制御情報は、送信信号の上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。ランダムアクセス処理部106には、上位レイヤ110からランダムアクセスに必要な無線リソース情報や最大送信回数などのランダムアクセスチャネルの送信に必要なランダムアクセス情報が入力される。
【0069】
また、ランダムアクセス処理部106は、ランダムアクセスチャネルの送信回数をカウントすることで、ランダムアクセス問題を検出した場合、ランダムアクセス問題が発生したことを示すランダムアクセス問題情報を上位レイヤ110へ通知する。符号部107には、上位レイヤ110より上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データ、ランダムアクセス処理部106からランダムアクセスデータとが上りリンクチャネルに応じて適切に入力される。符号部107は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部108に出力する。変調部108は、符号部107からの入力を変調する。
【0070】
送信部109は、変調部108の出力を周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。上りリンク制御データが配置される上りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を構成する。移動局装置1のRRCは上位レイヤ110の一部として存在する。また、ランダムアクセス処理部106は、移動局装置1のデータリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)の一部として存在する。後述するハンドオーバー処理や測定設定変更処理は、移動局装置1のRRCで行なわれる。図1において、その他の移動局装置1の構成要素は本実施形態に関係ないため省略してある。
【0071】
図2は、本発明の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置2は、受信部201、復調部202、復号部203、制御部204、符号部205、変調部206、送信部207、ネットワーク信号処理部208、周辺情報管理部209、上位レイヤ210から構成される。
【0072】
上位レイヤ210は、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データを符号部205へ入力する。符号部205は、入力された各データを符号化し、変調部206へ入力する。変調部206は、符号化した信号の変調を行なう。また、変調部206において、変調された信号に対して下りリンクリファレンスシグナルが多重され、周波数領域にマッピングされる。送信部207は、変調部206から出力された周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。下りリンク制御データが配置される下りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
【0073】
また、受信部201は、移動局装置1からの受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換する。ディジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へ入力されて復号される。復号部203は、受信信号を上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ210へ入力する。
【0074】
これら各ブロックの制御に必要な基地局装置制御情報は、上位レイヤ210より制御部204へ入力され、制御部204より送信に関連する基地局装置制御情報は送信制御情報として、符号部205、変調部206、送信部207の各ブロックに、受信に関連する基地局装置制御情報は受信制御情報として、受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力される。
【0075】
一方、ネットワーク信号処理部208は、基地局装置2間(または制御局装置(MME)、ゲートウェイ装置(Gateway)、リレー局装置)と基地局装置2との間の制御メッセージの送信または受信を行なう。制御メッセージはネットワーク回線を経由して送受信される。周辺情報管理部209は、送信先または送信元の基地局装置2(または制御局装置、ゲートウェイ装置、リレー局装置)を特定するためのネットワーク情報を管理する。ネットワーク情報は、例えばトラッキングエリア識別子(TAI)、セルグローバル識別子(CGI)、セル識別子(PCI)、ネットワークカラーコード、インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)などの各装置のネットワーク上でのアドレスを特定可能な情報から構成される。
【0076】
また、基地局装置2(またはリレー局装置)との制御メッセージは、X2インターフェースと呼ばれる論理インターフェース上でやり取りされ、制御局装置(またはゲートウェイ装置)との制御メッセージは、S1インターフェースと呼ばれる論理インターフェース上でやり取りされる。ネットワーク回線は、典型的には有線回線であるが、例えばリレー局装置と通信する場合は無線回線であっても良い。
【0077】
周辺情報管理部209は、必要に応じてネットワーク信号処理部208にネットワーク情報を提供する。ネットワーク信号処理部208と周辺情報管理部209は上位レイヤが管理する。基地局装置2のRRCは、上位レイヤ210の一部として存在する。図2において、その他の基地局装置2の構成要素は本実施形態に関係ないため省略してある。
【0078】
続いて、本実施形態の移動局装置1が、ハンドオーバー後に設定された測定設定情報を交換することで再利用する測定設定管理方法について説明を行なう。以下に示す測定方法は、移動局装置1の上位レイヤ110(RRC)で行なわれる。
【0079】
第1の実施形態の移動局装置1と基地局装置2は、図12に示したシーケンス図を用いてハンドオーバーと測定設定変更処理を行う。ただし、基地局装置2で運用する周波数帯域は2つに制限する必要はない。図12に例示した各制御メッセージは、EUTRAで既存の制御メッセージを再利用しても良い。例えば、測定設定メッセージ及びハンドオーバー指示メッセージはRRC Connection Reconfigurationメッセージ、測定報告メッセージはMeasurement Reportメッセージ、測定設定完了メッセージおよびハンドオーバー完了メッセージはRRC Connection Reconfiguration Completeメッセージに必要なパラメータを追加するのみで再利用が可能である。
【0080】
図3は、本実施形態におけるハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に交換して再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。図3について以下に詳細に説明する。
【0081】
「No」(ナンバー)とは、説明の簡略化のために用いる発明と無関係の番号である。以下では、適宜、Noを使用して説明を行なう。
【0082】
「Source」は、移動局装置1がハンドオーバー前に割り当てられたコンポーネントキャリアであって、ハンドオーバー後に変更されるコンポーネントキャリアのハンドオーバー前の種別を示す。「PCC」はプライマリコンポーネントキャリアを示し、「SCC」はセカンダリコンポーネントキャリアを示す。また、「NCC」は、非設定コンポーネントキャリアを示す。
【0083】
「Measurement Event」は、基地局装置2から移動局装置1に設定された測定イベントの種別を示す。「Serving cell only event」は、プライマリサービングセルまたはセカンダリサービングセルの周波数帯域、すなわちPCCまたはSCCを対象とした測定イベントであり、NCCには設定されない。「Primary Serving cell comparison event」は、プライマリサービングセルと、その他のセルとの受信品質の比較を行なう測定イベントである。「Secondary Serving cell comparison event」は、セカンダリサービングセルと、SCCの周辺セルとの受信品質の比較を行なう測定イベントであり、PCC及びNCCには設定されない。Neighbouring cell only event」は、NCCを対象とした測定イベントであり、PCC及びSCCには設定されない。
【0084】
これらの測定イベントは、EUTRAの測定イベントに当てはめることが可能である。例えば、「Serving cell only event」は、サービングセルの品質が閾値よりも上回った/下回った場合の測定イベント(Event−A1またはEvent−A2)に対応する。「Primary Serving cell comparison event」は、周辺セルの品質がプライマリサービングセルの品質よりも上回った場合の測定イベント(Event−A3またはEvent−A3−PCC、Event−A5)に対応する。「Secondary Serving cell comparison event」は、周辺セルの品質がセカンダリサービングセルの品質よりも上回った場合の測定イベント(Event−A3−SCC)に対応する。「Neighbouring cell only event」は、周辺セルの品質が閾値よりも上回った/下回った場合の測定イベント(Event−A4)に対応する。
【0085】
「Target」は、移動局装置1が「Source」で割り当てられたコンポーネントキャリアのハンドオーバー後の種別を示す。
【0086】
「Action」は、「Source」で示されたコンポーネントキャリアに設定されていた「Measurement Event」を、「Target」で示されたコンポーネントキャリアに対してハンドオーバー後にどのように方法を用いて再利用するかについて示す。「swap」は、「Measurement Event」を交換することで再利用可能であることを示す。「delete」は、「Measurement Event」を削除して再利用しないことを示す。「remain」は、「Measurement Event」を交換せずに再利用することを示す。
【0087】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定された測定設定情報について説明するための図である。
【0088】
セルA〜セルFは、互いに異なる周波数F1〜周波数F3で運用されるセルである。セルAとセルBはプライマリコンポーネントキャリアPCCである周波数F1で運用され、セルAはプライマリサービングセルである。また、セルCとセルDはセカンダリコンポーネントキャリアSCCである周波数F2で運用され、セルCはセカンダリサービングセルである。また、セルEとセルFは、非設定コンポーネントキャリアNCCである周波数F3で運用される周辺セルである。すなわち、移動局装置1はキャリア・アグリゲーションを用いることで、セルAとセルCを介して基地局装置2と接続中である。
【0089】
ここで、移動局装置1には、測定ID#1〜7にリンクされた各種の測定イベントが各周波数(周波数帯域)に対して設定されているとする。測定ID#1は、「Serving cell only event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F1である。測定ID#2は、「Primary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F2である。測定ID#3は、「Secondary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F2である。
【0090】
測定ID#4は、「Neighboring cell only event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F3である。測定ID#5は、「Primary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F1である。測定ID#6は、「Serving cell only event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F2である。測定ID#7は、「Primary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F3である。
【0091】
このとき、周波数F1のPCCのセルAをソースセル、周波数F2のSCCのセルCをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法について図5を用いて説明する。
【0092】
移動局装置1は、図3に従い測定設定情報を管理する。図5の場合、セルAから見たターゲットセルはセルCであり、セルCから見たターゲットセルはセルAであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F1にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1(図3のNo1)、測定ID#5(図3のNo3))は、ターゲットである周波数F2に対して再リンクされる。同様に、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図3のNo9)、測定ID#3(図3のNo7)、測定ID#6(図3のNo5))は、ターゲットである周波数F1と再リンクされる。なお、移動局装置1は、セルAからセルDへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0093】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F3(NCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4、測定ID#7)はそのまま維持する。
【0094】
また、周波数F1のPCCのセルAをソースセル、周波数F3のNCCのセルEをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法について図6を用いて説明する。
【0095】
移動局装置1は、図3に従い測定設定情報を管理する。図6の場合、セルAから見たターゲットセルはセルEであり、セルEから見たターゲットセルはセルAであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F1にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1(図3のNo2)、測定ID#5(図3のNo4))は、ターゲットである周波数F3に対して再リンクされる。同様に、図4で周波数F3にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4(図3のNo11)、測定ID#7(図3のNo12))は、ターゲットである周波数F1と再リンクされる。なお、移動局装置1は、セルAからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0096】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F2(SCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2、測定ID#3、測定ID#6)はそのまま維持する。
【0097】
また、周波数F2のSCCのセルCをソースセル、周波数F3のNCCのセルEをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法について図7を用いて説明する。
【0098】
移動局装置1は、図3に従い測定設定情報を管理する。図7の場合、セルCから見たターゲットセルはセルEであり、セルEから見たターゲットセルはセルCであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図3のNo10)、測定ID#3(図3のNo8)、測定ID#6(図3のNo6)のうち、測定ID#3と測定ID#6は再リンクせずに削除される。また、測定ID#2は、再リンクせずに周波数F2とリンクしたままで変更しない。なお、移動局装置1は、セルCからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0099】
図5〜6と異なり、図7の場合に測定IDを交換しない理由は、セカンダリコンポーネントキャリアSCCは移動局装置1に対して複数設定されることがあり、その一部のみが変更される場合を考慮すると、移動局装置1がソースとなる周波数とターゲットとなる周波数の関係を知らなければ測定IDを交換することが出来ないためである。そのため、変更されないプライマリコンポーネントキャリアPCCとの比較を行なう測定イベントの報告設定IDは残し、それ以外の測定イベントの報告設定IDを削除することが管理の面から容易である。
【0100】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F1(PCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1、測定ID#5)はそのまま維持する。
【0101】
図5〜6に示す測定設定管理方法は、(1)ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されているか否かを判断し、(2)設定されている場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを当該ターゲットセルの周波数帯域に再リンクし、(3)同時にターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを当該ソースセルの周波数帯域に再リンクする、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。なお、ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されていない場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する。
【0102】
また、図7に示す測定設定管理方法は、維持する測定IDと削除する測定IDを測定対象周波数にリンクされた測定イベントに基づき決定する、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。このような単純な判断を加えるだけで、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって異なる種別の複数のセルを介して基地局装置2と接続しており、各セルに対して異なる測定設定情報が設定されている場合であっても、ハンドオーバー時において可能な限り設定済みの測定設定情報を再利用することが出来るようになるという利点がある。
【0103】
上述した測定設定管理方法は、移動局装置1と基地局装置2とでハンドオーバー時に実施されるため、基地局装置2は移動局装置1の測定設定情報について正確に把握することが出来る。そのため、基地局装置2はハンドオーバー後、必要に応じて移動局装置1の測定設定情報を更新してもよい。
【0104】
このように、第1の実施形態では、移動局装置1は、基地局装置2から異なる周波数帯域のコンポーネントキャリアを移動するハンドオーバーが指示された場合において、ハンドオーバー前のプライマリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ハンドオーバー後のプライマリコンポーネントキャリアに対しても再利用できるような測定設定管理を行なう。また、移動局装置1は、ハンドオーバー前のセカンダリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ターゲットとなる周波数帯域に応じて削除または維持するような測定設定管理を行なう。基地局装置2は、移動局装置1と同様の測定設定管理を行なうことで、移動局装置1の測定設定情報を正しく把握する。そして、必要であれば移動局装置1に対して測定設定情報の更新を行なう。
【0105】
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数のコンポーネントキャリアが設定されており、各コンポーネントキャリアに対して測定設定情報が設定されている場合に、ハンドオーバーによってコンポーネントキャリアの構成が変更される場合であっても、簡易な判断を加えるだけで、測定設定情報を可能な限り再利用することが出来る。そのため、移動局装置1は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を受信して再設定する必要がなく、処理が簡略化される。また、基地局装置2は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を移動局装置に対して送信する必要がなくなるため、無線リソースの消費量が削減される。
【0106】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。第1の実施形態は、SCCのセル(セカンダリサービングセル)を変更するときに、当該SCCに設定されていた測定設定情報を削除、または維持する判断を行なう必要があった。そこで、本発明の第2の実施形態は、ハンドオーバー時に、測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子を用いることにより、ハンドオーバー時に測定設定情報を再利用可能な測定設定管理方法を提供する。
【0107】
本実施形態の基地局装置2は、移動局装置1に対してハンドオーバーを指示する場合に、ハンドオーバー後に測定設定情報の再利用が可能な周波数帯域に対し、再利用させる測定設定情報が設定された周波数帯域を示す識別子を通知する。識別子は、例えばハンドオーバー前に移動局装置1に通知されていた測定ID、測定対象周波数ID、セルID、コンポーネントキャリアに対して割り振られるCC−ID(CompornentCarrier−ID、コンポーネントキャリア識別子)を利用することが出来る。
【0108】
図8は、本実施形態におけるハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に交換して再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。図8は、前述した図3と異なる部分のみを抜粋した図であり、No1〜4及びNo11〜12の場合の測定設定管理方法は、図3に従うことに注意する。
【0109】
周波数F2のSCCのセルCをソースセル、周波数F3のNCCのセルEをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法の方法について図9を用いて説明する。このとき、基地局装置2は、移動局装置1に対して、周波数F3のNCCのセルEへのハンドオーバーを指示する際に、周波数F2のSCCのセルCで使用されていた識別子のいずれかをハンドオーバー指示メッセージに含めて通知する。なお、移動局装置1は、基地局装置2が識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なう。すなわち、測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子が含まれたハンドオーバー指示メッセージを受信した移動局装置1は、No8およびNo10の関係にある測定設定情報については「swap」を行い、測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子を受信しなかった場合は、No8およびNo10の関係にある測定設定情報についてはそれぞれ「delete」及び「remain」を行なう。
【0110】
また、移動局装置1は、基地局装置2が当該識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図8と同様の測定設定管理方法を行ない、基地局装置2が当該識別子を含めてハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なうようにしても良い。
【0111】
移動局装置1は、図8に従い測定設定情報を管理する。図9の場合、セルCから見たターゲットセルはセルEであり、セルEから見たターゲットセルはセルCであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図8のNo10)、測定ID#3(図8のNo8)、測定ID#6(図8のNo6)のうち、測定ID#6は再リンクせずに削除される。また、測定ID#2と測定ID#3は、ターゲットである周波数F3に対して再リンクされる。同様に、図4で周波数F3にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4(図3のNo11)、測定ID#7(図3のNo12))は、ターゲットである周波数F2と再リンクされる。なお、移動局装置1は、セルCからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0112】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F1(PCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1、測定ID#5)はそのまま維持する。
【0113】
なお、ハンドオーバー指示メッセージに含まれる識別子は、移動局装置1に対し、図8に示した変更可能な項目毎(つまり、No8及びNo10)に「Action」を変更できるように構成されても良く、変更可能な項目について一括して「Action」を変更できるように構成されても良い。
【0114】
図9に示す測定設定管理方法は、(1)ソースセルの周波数帯域を示す識別子がハンドオーバー指示メッセージに設定されているか否かを判断し、(2)設定されている場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDをターゲットセルの周波数帯域に再リンクし、(3)同時にターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを当該ソースセルの周波数帯域に再リンクする、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。なお、ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されていない場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する。
【0115】
第1の実施形態の判断に加え、ハンドオーバー指示メッセージにリンク先を示す識別子を加えるだけで、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって異なる種別の複数のセルを介して基地局装置2と接続しており、各セルに対して異なる測定設定情報が設定されている場合であっても、ハンドオーバー時において可能な限り設定済みの測定設定情報を再利用することが出来るようになるという利点がある。
【0116】
上述した測定設定管理方法は、移動局装置1と基地局装置2とでハンドオーバー時に実施されるため、基地局装置2は移動局装置1の測定設定情報について正確に把握することが出来る。そのため、基地局装置2はハンドオーバー後、必要に応じて移動局装置1の測定設定情報を更新してもよい。
【0117】
このように、第2の実施形態では、移動局装置1は、ハンドオーバー前のセカンダリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ハンドオーバー指示メッセージに含まれるソースセルの周波数帯域を示す識別子の有無に応じて、ハンドオーバー後のセカンダリコンポーネントキャリアに対しても再利用できるような測定設定管理、または削除または維持するような測定設定管理を行なう。基地局装置2は、移動局装置1に対してセカンダリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を再利用するか否かの判断に用いる識別子をハンドオーバー指示メッセージに含めて送信する。また、基地局装置2は、移動局装置1と同様の測定設定管理を行なうことで、移動局装置1の測定設定情報を正しく把握する。そして、必要であれば移動局装置1に対して測定設定情報の更新を行なう。
【0118】
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数のコンポーネントキャリアが設定されており、各コンポーネントキャリアに対して測定設定情報が設定されている場合に、ハンドオーバーによってコンポーネントキャリアの構成が変更される場合であっても、ソースセルの周波数帯域を示す識別子を確認するだけで、測定設定情報を可能な限り再利用することが出来る。そのため、移動局装置1は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を受信して再設定する必要がなく、処理が簡略化される。また、基地局装置2は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を移動局装置に対して送信する必要がなくなるため、無線リソースの消費量が削減される。
【0119】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について以下に説明する。第1の実施形態では、ソースセルの種別がNCCとなったときに、ターゲットセルの測定設定情報が再利用可能であるかどうかを判断する必要があった。本実施形態では、ハンドオーバー時に、ターゲットセルの測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子を用いることにより、ハンドオーバー時に測定設定情報を再利用可能な測定設定管理方法を提供する。
【0120】
本実施形態の基地局装置2は、移動局装置1に対してハンドオーバーを指示する場合に、ハンドオーバー後に測定設定情報の再利用が可能な周波数帯域に対し、再利用させない測定設定情報が設定された周波数帯域を示す識別子を通知する。識別子は、例えばハンドオーバー前に移動局装置1に通知されていた測定ID、測定対象周波数ID、セルID、コンポーネントキャリアに対して割り振られるCC−ID(CompornentCarrier−ID、コンポーネントキャリア識別子)を利用することが出来る。
【0121】
図10は、本実施形態におけるハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に交換して再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。図10は、前述した図3と異なる部分のみを抜粋した図であり、No1〜4及びNo11〜12の場合の測定設定管理方法は、図3に従うことに注意する。
【0122】
周波数F1のPCCのセルAをソースセル、周波数F2のSCCのセルCをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法の別の方法について図11を用いて説明する。このとき、基地局装置2は、移動局装置1に対して、周波数F2のSCCのセルCへのハンドオーバーを指示する際に、周波数F1のPCCのセルAで使用されていた識別子のいずれかをハンドオーバー指示メッセージに含めて通知する。なお、移動局装置1は、基地局装置2が当該識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なう。すなわち、測定設定情報の交換が不可能であることを示す識別子が含まれたハンドオーバー指示メッセージを受信した移動局装置1は、No5、No7、No9の関係にある測定設定情報については「delete」を行い、測定設定情報の交換が不可能であることを示す識別子を受信しなかった場合は、No5、No7、No9の関係にある測定設定情報については「swap」を行なう。
【0123】
また、移動局装置1は、基地局装置2が当該識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図10と同様の測定設定管理方法を行ない、基地局装置2が当該識別子を含めてハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なうようにしても良い。
【0124】
移動局装置1は、図10に従い測定設定情報を管理する。図11の場合、セルAから見たターゲットセルはセルCであり、セルCから見たターゲットセルはセルAであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F1にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1(図3のNo2)、測定ID#5(図3のNo4))は、ターゲットである周波数F2に対して再リンクされる。一方、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図8のNo10)、測定ID#3(図8のNo8)、測定ID#6(図8のNo6))は削除される。なお、移動局装置1は、セルCからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0125】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F3(NCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4、測定ID#7)はそのまま維持する。
【0126】
なお、ハンドオーバー指示メッセージに含まれる識別子は、移動局装置1に対し、図11に示した変更可能な項目毎(つまり、No5、No7、No9)に「Action」を変更できるように構成されても良く、変更可能な全ての項目について一括して「Action」を変更できるように構成されても良い。
【0127】
図11に示す測定設定管理方法は、(1)ソースセルの周波数帯域を示す識別子が設定されているか否かを判断し、(2)設定されている場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDをターゲットセルの周波数帯域に再リンクし、(3)同時にターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。なお、ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されていない場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する。
【0128】
第1の実施形態の判断に加え、ハンドオーバー指示メッセージにリンク先を示す識別子を加えるだけで、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって異なる種別の複数のセルを介して基地局装置2と接続しており、各セルに対して異なる測定設定情報が設定されている場合であっても、ハンドオーバー後のソースセルの種別に関係なく基地局装置2の指示に基づき測定設定情報を削除または交換するだけでよいため、測定設定情報の管理が管理になるという利点がある。
【0129】
上述した測定設定管理方法は、移動局装置1と基地局装置2とでハンドオーバー時に実施されるため、基地局装置2は移動局装置1の測定設定情報について正確に把握することが出来る。そのため、基地局装置2はハンドオーバー後、必要に応じて移動局装置1の測定設定情報を更新してもよい。
【0130】
このように、第3の実施形態では、移動局装置1は、ハンドオーバー前のターゲットセルのコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ハンドオーバー指示メッセージに含まれるソースセルの周波数帯域を示す識別子の有無に応じて、ハンドオーバー後のソースセルのコンポーネントキャリアに対しても再利用できるような測定設定管理、または削除するような測定設定管理を行なう。基地局装置2は、移動局装置1に対してターゲットセルのコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を再利用するか否かの判断に用いる識別子をハンドオーバー指示メッセージに含めて送信する。また、基地局装置2は、移動局装置1と同様の測定設定管理を行なうことで、移動局装置1の測定設定情報を正しく把握する。そして、必要であれば移動局装置1に対して測定設定情報の更新を行なう。
【0131】
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数のコンポーネントキャリアが設定されており、各コンポーネントキャリアに対して測定設定情報が設定されている場合に、ハンドオーバーによってコンポーネントキャリアの構成が変更される場合であっても、ソースセルの周波数帯域を示す識別子を確認するだけで、測定設定情報を再利用可能であるかどうかを判断することが出来るため、処理が簡略化される。
【0132】
また、第2の実施形態で示した測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子と第3の実施形態で示した測定設定情報の交換が不可能であることを示す識別子は、ハンドオーバー指示メッセージに同時に含めて送信することも出来る。
【0133】
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。
【0134】
また、説明の便宜上、各実施形態の移動局装置1及び基地局装置2を機能的なブロック図を用いて説明したが、移動局装置1及び基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置や基地局装置の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0135】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0136】
また、上記各実施形態に用いた移動局装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、典型的にはIC(集積回路)であるLSIを含む回路内で構成されてもよい。その場合、LSIの集積密度はどのような密度で実現されていても良い。各機能ブロックおよび諸特徴は個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0137】
以上、本発明の実施形態について特定の具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これら特定の具体例に限定されないことは明らかである。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明に対して何ら制限を加えるものではない。
【符号の説明】
【0138】
1…移動局装置
2…基地局装置
11〜13…送信装置
21〜23…受信装置
101、201…受信部
102、202…復調部
103、203…復号部
104…測定処理部
105、204…制御部
106…ランダムアクセス処理部
107、205…符号部
108、206…変調部
109、207…送信部
110、210…上位レイヤ
208…ネットワーク信号処理部
209…周辺情報管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定方法に関し、特に、移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合の周波数帯域の測定設定管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)通信方式やリソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)が検討され、更にその発展形であるAdvanced EUTRA(LTE-Advancedとも称される)の検討が進められている。
【0003】
Advanced EUTRAでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、より高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation)と称させる技術が提案されている。キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる周波数帯域(キャリア周波数、コンポーネントキャリア(Component Carrier)とも称する)のセルからそれぞれ送信された送信装置のデータを、異なる周波数帯域に対応する受信装置において受信することで、データレートを向上させる技術である。なお、以後は下りリンク送信における受信装置のことを移動局装置、下りリンク送信における送信装置のことを基地局装置と記載し、上りリンク送信における受信装置のことを基地局装置、上りリンク送信における送信装置のことを移動局装置と記載するが、本発明の適用範囲はこれらの装置に限定する必要は無い。
【0004】
Advanced EUTRAの移動局装置(以後、移動局装置と称する)は、移動管理(mobility control)に必要となる測定報告(measurement report)を行なうために、複数のコンポーネントキャリアの受信及び測定を行なう必要があり、EUTRAよりも複雑な測定設定管理方法が要求される。
【0005】
例えば、EUTRAの移動局装置は、ハンドオーバー時において、ハンドオーバー前のセル(ソースセル、在圏セル)の周波数帯域の測定設定情報を、ハンドオーバー後のセル(ターゲットセル、周辺セル)の周波数帯域に対して再利用(link)するように構成されている(非特許文献1)。測定設定情報は、周波数帯域に対して設定されるものであり、測定IDと、測定対象周波数(measurement object)と測定対象周波数ID、検出する測定イベント(measurement event)を含んだ報告設定(reporting configuration)と報告設定IDとで構成される。すなわち、ハンドオーバー前のセルの周波数帯域に関連する測定IDは、ハンドオーバー後のセルの周波数帯域に関連する測定IDと交換(swap)される。
【0006】
しかしながら、キャリア・アグリゲーション中の移動局装置に対して上述した方法を適用しようとした場合、移動局装置は、ハンドオーバー前とハンドオーバー後の両方で複数のセルが設定されている状態であり、EUTRAの場合と異なり、どの周波数帯域の測定設定情報を再利用するかについて判断する必要があるため、EUTRAの方法をそのまま援用することが出来ない。
【0007】
非特許文献2から非特許文献5には、この問題に対処するために、ハンドオーバー前とハンドオーバー後の各セルに設定される測定設定情報の再利用方法について記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】R2−085558,NTT DOCOMO,INC,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #63bis,Praque,Czech Republic,29 Sep−3 Oct 2008
【非特許文献2】R2−102870,Qualcomm Incorporated,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【非特許文献3】R2−103089,Ericsson,ST−Ericsson,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【非特許文献4】R2−102864,Huawei,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【非特許文献5】R2−103065,NTT DOCOMO,INC.,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #70,Montreal,Canada,10th−14th May 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した非特許文献2から非特許文献5には、それぞれ以下に示す課題がある。
【0010】
非特許文献2及び3には、ハンドオーバー後にソースセルの周波数帯域とターゲットセルの周波数帯域の測定設定情報を交換して再利用する測定設定管理方法が提案されている。しかしながら、非特許文献2及び3に示す方法は、ソースセルの周波数帯域がキャリア・アグリゲーションの対象外の周波数帯域になる場合における周波数内イベントのように、設定されている測定イベントの内容によって交換可能なものと交換可能でないものを区別しておらず、その具体的な交換方法について考慮していないという問題がある。
【0011】
これに対し、非特許文献4は、ハンドオーバー後のソースセルの周波数帯域の測定設定情報が交換可能であれば交換し、交換可能できない場合は当該測定イベントを削除する測定設定管理方法が提案されている。しかしながら、非特許文献4に示す方法は、交換可能かどうかの判定を必要とするため、管理方法が複雑になるという問題がある。
【0012】
また、非特許文献5は、ターゲットセルの周波数帯域に設定されている測定設定情報を全て削除する方法が提案されている。しかしながら、非特許文献5に示す方法は、実際に利用可能な測定イベントまで削除してしまうという問題がある。
【0013】
上記の課題を鑑みて、本発明は、移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合に、簡易な方法で設定された測定設定情報を再利用可能な通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定設定管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通信システムは、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムであって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記基地局装置は、前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、前記移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0015】
(2)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0016】
(3)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0017】
(4)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0018】
(5)また、本発明の通信システムにおいて、前記識別子は、測定ID、測定対象周波数ID、セルIDまたはコンポーネントキャリア識別子であることを特徴とする。
【0019】
(6)また、本発明の通信システムにおいて、前記識別子は、周波数帯域毎に複数設定されることを特徴とする。
【0020】
(7)また、本発明の移動局装置は、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置であって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0021】
(8)また、本発明の移動局装置は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0022】
(9)また、本発明の移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0023】
(10)また、本発明の移動局装置は、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0024】
(11)また、本発明の基地局装置は、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける基地局装置であって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを前記移動局装置に判断させる測定設定管理方法を用いることを特徴とする。
【0025】
(12)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置の測定設定管理方法であって、前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、前記移動局装置は、前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定するステップと、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信するステップと、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断するステップと、を備えることを特徴とする。
【0026】
(13)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする。
【0027】
(14)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする。
【0028】
(15)また、本発明の移動局装置の測定設定管理方法は、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、移動局装置が複数の周波数帯域のセルを用いて基地局装置と無線接続している場合に、簡易な方法で設定された測定設定情報を再利用可能な通信システム、移動局装置、基地局装置及び測定設定管理方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る移動局装置1の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局装置2の一例を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定された測定設定情報について説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための別の図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための別の図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置1に設定されたハンドオーバー後の測定設定情報について説明するための図である。
【図12】ハンドオーバー前後における、従来の移動局装置1ならびに基地局装置2の測定設定管理方法の一例を示したシーケンスチャート図である。
【図13】従来のハンドオーバー前の移動局装置1に設定される測定設定情報の一例を示した図である。
【図14】従来のハンドオーバー後の移動局装置1に設定される測定設定情報の一例を示した図である。
【図15】本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関する物理チャネル、ハンドオーバー時の測定設定管理方法、キャリア・アグリゲーションについて説明する。
【0032】
[物理チャネル]
EUTRA及びAdvanced EUTRAで使用される物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。物理チャネルは、基地局装置から移動局装置へ送信される下りリンクにおける下りリンクチャネルと、移動局装置から基地局装置へ送信される上りリンクにおける上りリンクチャネルとが存在する。物理チャネルは、EUTRA、及びAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造が変更される可能性もあるが、変更された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
【0033】
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(セルID、PCI; Physical Cell Identifier)と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。移動局装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルのセルIDを特定する。
【0034】
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報);System information)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、下りリンクデータチャネルを用いてレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)で送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、セルの周波数帯域幅や下りリンクと上りリンクの周波数帯域の対応関係などが通知される。
【0035】
下りリンクリファレンスシグナルは、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリンクリファレンスシグナルは、所定の規則に基づき周波数・時間位置で周期的に繰り返される既知の信号である。移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルと同時に送信される下りリンク制御チャネル、または下りリンクデータチャネルの復調のための参照用の信号としても下りリンクリファレンスシグナルを使用する。下りリンクリファレンスシグナルに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。なお、下りリンクリファレンスシグナルはセル固有RS(Cell-specific reference signals)と記載される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
【0036】
下りリンク制御チャネル(PDCCH; Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、移動局装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。移動局装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自局宛の下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自局宛の下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラントと呼ばれる無線リソース割当て情報を取得する必要がある。
【0037】
下りリンクデータチャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージとしてページングや報知情報を通知するためにも使用される。下りリンクデータチャネルの無線リソース割当て情報は、下りリンク制御チャネルで示される。
【0038】
上りリンクデータチャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、下りリンクと同様に上りリンクデータチャネルの無線リソース割当て情報は、下りリンク制御チャネルで示される。
【0039】
ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。ランダムアクセスチャネルは、移動局装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。移動局装置は、上りリンク制御チャネル未設定時の送信データのスケジューリング要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報の要求にランダムアクセスチャネルを用いる。送信タイミング調整情報を受信した移動局装置は、送信タイミング調整情報の有効時間を設定し、有効時間中は送信タイミング調整状態、有効期間外は、送信タイミング非調整状態として状態を管理する。基地局装置は、移動局装置に対して個別プリアンブル系列(Dedicated preamble)を割り当てて、ランダムアクセスを開始させることも可能である。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
【0040】
[ハンドオーバー時の測定設定管理方法]
図12は、EUTRAでのハンドオーバー前後における、移動局装置1ならびに基地局装置2の測定設定管理方法について説明するためのシーケンスチャート図である。
【0041】
図12の例において、基地局装置2は、自局が運用する周波数としてF1とF2という異なる2つの周波数を使用可能であるとし、移動局装置1と基地局装置2は、周波数F1において無線接続が確立された状態(無線リソース制御接続状態(Radio Resource Control Connected:RRC_Connected))である。ここで、基地局装置2は、移動局装置1に対して通信中のセル(在圏セル)並びにその他セル(周辺セル)の受信品質を測定させるために測定設定メッセージを送信する(ステップS1)。測定設定メッセージには、測定される周波数(周波数F1と周波数F2)毎に少なくとも一つの測定設定情報が含まれている。測定設定情報は、測定IDと、測定対象周波数(measurement object)と、測定対象周波数に対応する測定対象周波数IDと、測定イベントを含んだ報告設定と、報告設定に対応する報告設定IDとで構成される。一つの測定対象周波数IDに対し複数の報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。同様に、複数の測定対象周波数IDに対して一つの報告設定IDがリンクされるように構成されていても良い。
【0042】
測定イベントとは、例えば、在圏セルの受信品質が所定の閾値よりも下回った/上回ったとき、周辺セルの受信品質が在圏セルよりも下回ったとき、周辺セルの受信品質が所定の閾値よりも上回ったとき、などの条件と、当該条件を判定するために用いるパラメータから構成される情報である。パラメータには閾値や、オフセット値、測定イベントの成立に必要な時間などが設定される。
【0043】
移動局装置1は、ステップS2において、基地局装置2から設定された測定設定情報を内部情報として保存してから測定処理を開始する。具体的には、移動局装置1は測定IDと測定対象周波数IDと報告設定IDとを一つにリンクされるよう対応付けて管理し、各IDに対応する測定情報を基に測定を開始する。これらの3つのIDが一つにリンクされている場合、有効とみなして関連する測定を開始し、これらの3つのIDが一つにリンクされていない場合(いずれかのIDが設定されていない場合)、無効とみなして関連する測定は開始されない。そして、誤り無く測定設定情報を設定できた場合、移動局装置1は、ステップS3において測定設定完了メッセージを基地局装置2へ送信する。
【0044】
そして、移動局装置1において、設定された測定イベントのいずれかがパラメータに従い条件を満たした場合、当該測定イベントがトリガ(trigger)されたとして、測定報告メッセージを基地局装置2に対して送信する(ステップS4)。測定報告メッセージには、少なくともトリガされた測定イベントの報告設定IDにリンクした測定IDと、必要であれば関連するセルの測定結果が設定される。基地局装置2は測定IDがどの測定イベントの報告設定IDにリンクしているかを把握しているため、移動局装置1は測定報告メッセージで報告設定IDを通知する必要はない。
【0045】
基地局装置2は、移動局装置1からの測定報告メッセージやシステム負荷や干渉の状態などを考慮し、移動局装置1に対して異周波数ハンドオーバー(Inter−frequency handover)の実行を示すハンドオーバー指示メッセージを送信する(ステップS5)。図12では、基地局装置2の周波数F1から同じ基地局装置2の異なる周波数F2に対して異周波数ハンドオーバーする例を示しているが、移動局装置1は、異なる基地局装置2への異周波数ハンドオーバーであっても同様の制御手順を行う必要がある。移動局装置1は、受信したハンドオーバー指示メッセージによって異周波数ハンドオーバーが指示されていた場合、異周波数ハンドオーバーを実行すると共に測定設定変更を行なう(ステップS6)
【0046】
測定設定変更において、移動局装置1は、ハンドオーバー前の周波数帯域に関する測定IDとハンドオーバー後の周波数帯域に関する測定IDとを交換することで対応付けられたリンクを更新する。そして、異周波数ハンドオーバーが完了した場合、ハンドオーバー完了メッセージをハンドオーバー先の基地局装置2に対して送信し、ハンドオーバー手順を完了する(ステップS7)。
【0047】
図13及び図14は、図12に示したステップS6におけるEUTRAにおける異周波数ハンドオーバー時の移動局装置1ならびに基地局装置2の、測定設定情報の変更方法について説明するための図である。異周波数ハンドオーバー前のEUTRAの移動局装置に対し、図13に示す測定設定情報が設定されていた場合、異周波数ハンドオーバー後のEUTRAの移動局装置は、図14に示すように測定設定情報を変更すると共に再利用するように構成されている。
【0048】
より具体的には、図13に示すように移動局装置1は、周波数F1においてセルAとセルBとを測定しており、周波数F2においてセルCとセルDとを測定している。セルAは、移動局装置1の在圏セルであり、その他のセルは周辺セルである。ここで、移動局装置1は、在圏セルAと周波数F1の周辺セル(図の例ではセルB)とを比較する測定イベント(報告設定ID#1)が設定されており、当該測定イベントの報告設定IDは測定ID#1にリンクされている。周波数F1を示すIDを周波数ID#1とした場合、移動局装置1は、測定ID#1−周波数ID#1−報告設定ID#1をリンクして管理している。
【0049】
同様に、移動局装置1は、在圏セルAと周波数F2の周辺セル(図の例ではセルCとセルD)とを比較する測定イベント(報告設定ID#2)が設定されており、当該測定イベントの報告設定IDは測定ID#2にリンクされている。周波数F2を示すIDを周波数ID#2とした場合、移動局装置1は、測定ID#2−周波数ID#2−報告設定ID#2をリンクして管理している。
【0050】
続いて、移動局装置1が周波数F1のセルAから周波数F2のセルCに異周波数ハンドオーバーした場合における、変更後の測定設定情報について図14に示す。移動局装置1は、異周波数ハンドオーバー前の在圏セルの周波数F1に関する測定IDを異周波数ハンドオーバー後の在圏セルの周波数F2と交換して再利用する。すなわち、移動局装置1は、測定ID#1−周波数ID#2−報告設定ID#1と、測定ID#2−周波数ID#1−報告設定ID#2をリンクして管理することになる。
【0051】
[キャリア・アグリゲーション]
キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる上りリンクまたは下りリンクの周波数帯域(コンポーネントキャリア)を集約(アグリゲーション)して一つの周波数帯域のように扱う技術である。例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、移動局装置は100MHzの周波数帯域幅とみなしてアクセスすることが可能となる。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数帯域であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数帯域であってもよい。例えば、使用可能な周波数帯域が800MHz帯域、2.6GHz帯域、3.4GHz帯域である場合、ある一つのコンポーネントキャリアが800MHz帯域、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯域、さらに別のコンポーネントキャリアが3.4GHz帯域で送信されていてもよい。
【0052】
また、同一周波数帯域、例えば2.6GHz帯域内の連続または不連続のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は20MHzより狭い周波数帯域幅であっても良く、各々異なっていても良い。また、移動局装置は、コンポーネントキャリアそれぞれに対してアクセスすることが可能である。
【0053】
基地局装置は、移動局装置の送信データバッファ量や移動局装置の受信品質、セル内の負荷やQoSなどの種々の要因に基づいて、移動局装置に割り当てる(allocate、configure)上りリンクまたは下りリンクのコンポーネントキャリアの数を増減することができる。
【0054】
また、コンポーネントキャリアは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC;Primary Component Carrier)とセカンダリコンポーネントキャリア(SCC;Secondary Component Carrier)、非設定コンポーネントキャリア(NCC;Non−configured Component Carrier)の3つの種別に分類される。プライマリコンポーネントキャリアとは、典型的には報知情報で指定される一組の上りリンクコンポーネントキャリアと下りリンクコンポーネントキャリアから構成され、移動局装置が測定制御や下りリンクの無線リンク障害(Radio Link Failure)の検出、及び上りリンクの送信タイミングの基準となる周波数帯域である。また、上りリンク制御チャネルを用いて上り制御情報が送信される周波数帯域である。基地局装置は、プライマリコンポーネントキャリアを移動局装置毎に設定することも出来る。移動局装置は、プライマリコンポーネントキャリアのセルからセキュリティ情報を取得して設定することが出来る。
【0055】
セカンダリコンポーネントキャリアとは、プライマリコンポーネントキャリア以外の移動局装置に割り当てられた周波数帯域のことである。移動局装置は、セカンダリコンポーネントキャリアで無線リンク障害を検出する必要は無い。基地局装置は、移動局装置に対し、省電力化のために割り当てたセカンダリコンポーネントキャリアの活性化/不活性化(アクティベーション/ディアクティベーション)を指示することも出来る。移動局装置は、活性化されたセカンダリコンポーネントキャリアのセルにおいてのみ下りリンク制御チャネルを監視して下りリンクデータチャネルの受信を試み、不活性化されたセカンダリコンポーネントキャリアのセルでは、下りリンク制御チャネルを監視せずに受信品質の測定のみを行なうことも出来る。
【0056】
非設定コンポーネントキャリアとは、PCCでもSCCでもなく、設定されていないコンポーネントキャリアである。移動局装置は、非設定コンポーネントキャリアであっても、測定設定情報に基づき測定を行なうかもしれない。
【0057】
移動局装置に設定されたプライマリコンポーネントキャリアのセルは、プライマリサービングセル(Primary Serving Cell)であり、セカンダリコンポーネントキャリアのセルはセカンダリサービングセル(Secondary Serving Cell)である。すなわち、キャリア・アグリゲーションを行なう移動局装置は、プライマリサービングセルと一つまたは複数のセカンダリサービングセルとを介して基地局装置と接続される。
【0058】
また、キャリア・アグリゲーションを行なう移動局装置は、セルの状態を、(1)設定され活性化された状態、(2)設定されたが不活性の状態、(3)設定されていない状態、に分類して管理する。プライマリサービングセルは1の状態しか取りえず、不活性コンポーネントキャリアのセル(周辺セル)は、3の状態しか取りえない。セカンダリサービングセルは1または2の状態を取る。また、セカンダリサービングセルの活性化/不活性化という状態を省略することで、移動局装置は、単純にセカンダリサービングセルが設定されたか否かという2つの状態だけを管理するような構成であっても良い。
【0059】
[本発明の通信ネットワーク構成の例]
図15は、本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数の周波数帯域(コンポーネントキャリア)のセルを同時に用いて基地局装置2と無線接続することが可能な場合、通信ネットワーク構成としては、ある一つの基地局装置2が複数の周波数帯域毎に送信装置11〜13(及び図示しない受信装置21〜23)を備えており、各周波数帯域のセルの制御を一つの基地局装置2で行なう構成が制御の簡略化の観点から好適である。ただし、複数の周波数帯域が連続する周波数帯域であるなどの理由で、基地局装置2が一つの送信装置で複数の周波数帯域の送信を行なう構成であっても構わない。
【0060】
基地局装置2の送信装置によって制御される各周波数帯域の通信可能範囲はセルとしてみなされ、空間的に同一のエリアに存在する。このとき、各周波数帯域がカバーするエリア(セル)はそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。また、複数の基地局装置2でキャリア・アグリゲーションされる周波数帯域を管理し、上位の制御局装置が、複数の基地局装置2を管理する通信ネットワーク構成であっても良い。なお、移動局装置1は同じ周波数帯域の異なるセルを同時に測定できるが、同時に接続されることはない。
【0061】
なお、3GPPが規定する第3世代の基地局装置2はノードB(NodeB)と称され、EUTRA及びAdvanced EUTRAにおける基地局装置2はイーノードB(eNodeB)と称される。基地局装置2は移動局装置1が通信可能なエリアであるセルを管理し、セルは移動局装置1と通信可能なエリアの大きさに応じてフェムトセルやピコセル、ナノセルとも称される。また、移動局装置1がある基地局装置2と通信可能であるとき、その基地局装置2のセルは移動局装置1の在圏セルであり、その他の基地局装置2のセルは周辺セルと称される。
【0062】
後述する記載において、基地局装置2が形成するコンポーネントキャリアの周波数でカバーされるエリアのことをそれぞれセルと称して説明するが、これは実際に運用される通信システムにおけるセルの定義とは異なる可能性があることに注意する。例えば、ある通信システムでは、キャリア・アグリゲーションによって用いられるコンポーネントキャリアの一部のことを、セルではなく単なる追加の無線リソースと定義するかもしれない。本発明でコンポーネントキャリアをセルと称することで、実際に運用される通信システムにおけるセルの定義と異なる場合が発生したとしても、本発明の主旨には影響しない。なお、移動局装置1は、リレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置2と無線接続されても良い。
【0063】
更に、後述する記載において、コンポーネントキャリア、またはプライマリコンポーネントキャリア、セカンダリコンポーネントキャリア、非設定コンポーネントキャリアと記述された場合、特段の説明が無い場合、これらは全て下りリンクにおけるコンポーネントキャリアを示すことに注意する。移動局装置1が測定するコンポーネントキャリアは下りリンクコンポーネントキャリアであり、測定設定情報は下りリンクコンポーネントキャリアに対して設定される。
【0064】
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の説明において、本発明に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明瞭にすると判定される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0065】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。本実施形態は、キャリア・アグリゲーション中の移動局装置1が、ハンドオーバー後に設定された測定設定情報を交換することで再利用する測定設定管理方法に関する。
【0066】
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置1の一例を示すブロック図である。本移動局装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104、制御部105、ランダムアクセス処理部106、符号部107、変調部108、送信部109、上位レイヤ110から構成される。受信に先立ち、上位レイヤ110より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、受信に関する移動局装置制御情報が受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104へ適切に入力される。受信制御情報は、受信スケジュール情報として、復調情報、復号化情報、受信周波数帯域の情報、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
【0067】
受信信号は、一つ以上のアンテナ(図示せず)を介して受信部101において受信される。受信部101は、受信制御情報で通知された周波数帯域で信号を受信する。受信部101は受信信号のベースバンド処理部を含む。受信信号は復調部102へと入力される。復調部102は、受信信号を復調して復号部103へと受信信号を入力する。復号部103は、受信制御情報に基づき受信信号を正しく復号する。復号部103は、受信信号を下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ110へ入力する。また、復号部103は測定に関する復号した受信信号を測定処理部104へ入力する。測定処理部104は、セル毎の下りリンクリファレンスシグナルの受信品質の測定処理や、下りリンク制御チャネルまたは下りリンクデータチャネルの受信誤り率の測定処理を行ない、測定した受信品質をサンプル毎に平均化(フィルタリング)した下りリンク測定情報を生成し、下りリンク測定情報を上位レイヤ110へ出力する。また、測定処理部104は、得られた受信品質と下りリンク同期誤りの検出に用いる閾値(Qoutとも呼ばれる)とを比較し、必要に応じて下りリンク同期誤りを上位レイヤ110へ出力する。
【0068】
また、送信に先立ち、上位レイヤ110より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、送信に関する移動局装置制御情報が送信制御情報として、ランダムアクセス処理部106、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力される。送信制御情報は、送信信号の上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。ランダムアクセス処理部106には、上位レイヤ110からランダムアクセスに必要な無線リソース情報や最大送信回数などのランダムアクセスチャネルの送信に必要なランダムアクセス情報が入力される。
【0069】
また、ランダムアクセス処理部106は、ランダムアクセスチャネルの送信回数をカウントすることで、ランダムアクセス問題を検出した場合、ランダムアクセス問題が発生したことを示すランダムアクセス問題情報を上位レイヤ110へ通知する。符号部107には、上位レイヤ110より上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データ、ランダムアクセス処理部106からランダムアクセスデータとが上りリンクチャネルに応じて適切に入力される。符号部107は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部108に出力する。変調部108は、符号部107からの入力を変調する。
【0070】
送信部109は、変調部108の出力を周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。上りリンク制御データが配置される上りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を構成する。移動局装置1のRRCは上位レイヤ110の一部として存在する。また、ランダムアクセス処理部106は、移動局装置1のデータリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)の一部として存在する。後述するハンドオーバー処理や測定設定変更処理は、移動局装置1のRRCで行なわれる。図1において、その他の移動局装置1の構成要素は本実施形態に関係ないため省略してある。
【0071】
図2は、本発明の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置2は、受信部201、復調部202、復号部203、制御部204、符号部205、変調部206、送信部207、ネットワーク信号処理部208、周辺情報管理部209、上位レイヤ210から構成される。
【0072】
上位レイヤ210は、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データを符号部205へ入力する。符号部205は、入力された各データを符号化し、変調部206へ入力する。変調部206は、符号化した信号の変調を行なう。また、変調部206において、変調された信号に対して下りリンクリファレンスシグナルが多重され、周波数領域にマッピングされる。送信部207は、変調部206から出力された周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。下りリンク制御データが配置される下りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
【0073】
また、受信部201は、移動局装置1からの受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換する。ディジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へ入力されて復号される。復号部203は、受信信号を上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ210へ入力する。
【0074】
これら各ブロックの制御に必要な基地局装置制御情報は、上位レイヤ210より制御部204へ入力され、制御部204より送信に関連する基地局装置制御情報は送信制御情報として、符号部205、変調部206、送信部207の各ブロックに、受信に関連する基地局装置制御情報は受信制御情報として、受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力される。
【0075】
一方、ネットワーク信号処理部208は、基地局装置2間(または制御局装置(MME)、ゲートウェイ装置(Gateway)、リレー局装置)と基地局装置2との間の制御メッセージの送信または受信を行なう。制御メッセージはネットワーク回線を経由して送受信される。周辺情報管理部209は、送信先または送信元の基地局装置2(または制御局装置、ゲートウェイ装置、リレー局装置)を特定するためのネットワーク情報を管理する。ネットワーク情報は、例えばトラッキングエリア識別子(TAI)、セルグローバル識別子(CGI)、セル識別子(PCI)、ネットワークカラーコード、インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)などの各装置のネットワーク上でのアドレスを特定可能な情報から構成される。
【0076】
また、基地局装置2(またはリレー局装置)との制御メッセージは、X2インターフェースと呼ばれる論理インターフェース上でやり取りされ、制御局装置(またはゲートウェイ装置)との制御メッセージは、S1インターフェースと呼ばれる論理インターフェース上でやり取りされる。ネットワーク回線は、典型的には有線回線であるが、例えばリレー局装置と通信する場合は無線回線であっても良い。
【0077】
周辺情報管理部209は、必要に応じてネットワーク信号処理部208にネットワーク情報を提供する。ネットワーク信号処理部208と周辺情報管理部209は上位レイヤが管理する。基地局装置2のRRCは、上位レイヤ210の一部として存在する。図2において、その他の基地局装置2の構成要素は本実施形態に関係ないため省略してある。
【0078】
続いて、本実施形態の移動局装置1が、ハンドオーバー後に設定された測定設定情報を交換することで再利用する測定設定管理方法について説明を行なう。以下に示す測定方法は、移動局装置1の上位レイヤ110(RRC)で行なわれる。
【0079】
第1の実施形態の移動局装置1と基地局装置2は、図12に示したシーケンス図を用いてハンドオーバーと測定設定変更処理を行う。ただし、基地局装置2で運用する周波数帯域は2つに制限する必要はない。図12に例示した各制御メッセージは、EUTRAで既存の制御メッセージを再利用しても良い。例えば、測定設定メッセージ及びハンドオーバー指示メッセージはRRC Connection Reconfigurationメッセージ、測定報告メッセージはMeasurement Reportメッセージ、測定設定完了メッセージおよびハンドオーバー完了メッセージはRRC Connection Reconfiguration Completeメッセージに必要なパラメータを追加するのみで再利用が可能である。
【0080】
図3は、本実施形態におけるハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に交換して再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。図3について以下に詳細に説明する。
【0081】
「No」(ナンバー)とは、説明の簡略化のために用いる発明と無関係の番号である。以下では、適宜、Noを使用して説明を行なう。
【0082】
「Source」は、移動局装置1がハンドオーバー前に割り当てられたコンポーネントキャリアであって、ハンドオーバー後に変更されるコンポーネントキャリアのハンドオーバー前の種別を示す。「PCC」はプライマリコンポーネントキャリアを示し、「SCC」はセカンダリコンポーネントキャリアを示す。また、「NCC」は、非設定コンポーネントキャリアを示す。
【0083】
「Measurement Event」は、基地局装置2から移動局装置1に設定された測定イベントの種別を示す。「Serving cell only event」は、プライマリサービングセルまたはセカンダリサービングセルの周波数帯域、すなわちPCCまたはSCCを対象とした測定イベントであり、NCCには設定されない。「Primary Serving cell comparison event」は、プライマリサービングセルと、その他のセルとの受信品質の比較を行なう測定イベントである。「Secondary Serving cell comparison event」は、セカンダリサービングセルと、SCCの周辺セルとの受信品質の比較を行なう測定イベントであり、PCC及びNCCには設定されない。Neighbouring cell only event」は、NCCを対象とした測定イベントであり、PCC及びSCCには設定されない。
【0084】
これらの測定イベントは、EUTRAの測定イベントに当てはめることが可能である。例えば、「Serving cell only event」は、サービングセルの品質が閾値よりも上回った/下回った場合の測定イベント(Event−A1またはEvent−A2)に対応する。「Primary Serving cell comparison event」は、周辺セルの品質がプライマリサービングセルの品質よりも上回った場合の測定イベント(Event−A3またはEvent−A3−PCC、Event−A5)に対応する。「Secondary Serving cell comparison event」は、周辺セルの品質がセカンダリサービングセルの品質よりも上回った場合の測定イベント(Event−A3−SCC)に対応する。「Neighbouring cell only event」は、周辺セルの品質が閾値よりも上回った/下回った場合の測定イベント(Event−A4)に対応する。
【0085】
「Target」は、移動局装置1が「Source」で割り当てられたコンポーネントキャリアのハンドオーバー後の種別を示す。
【0086】
「Action」は、「Source」で示されたコンポーネントキャリアに設定されていた「Measurement Event」を、「Target」で示されたコンポーネントキャリアに対してハンドオーバー後にどのように方法を用いて再利用するかについて示す。「swap」は、「Measurement Event」を交換することで再利用可能であることを示す。「delete」は、「Measurement Event」を削除して再利用しないことを示す。「remain」は、「Measurement Event」を交換せずに再利用することを示す。
【0087】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る移動局装置1に設定された測定設定情報について説明するための図である。
【0088】
セルA〜セルFは、互いに異なる周波数F1〜周波数F3で運用されるセルである。セルAとセルBはプライマリコンポーネントキャリアPCCである周波数F1で運用され、セルAはプライマリサービングセルである。また、セルCとセルDはセカンダリコンポーネントキャリアSCCである周波数F2で運用され、セルCはセカンダリサービングセルである。また、セルEとセルFは、非設定コンポーネントキャリアNCCである周波数F3で運用される周辺セルである。すなわち、移動局装置1はキャリア・アグリゲーションを用いることで、セルAとセルCを介して基地局装置2と接続中である。
【0089】
ここで、移動局装置1には、測定ID#1〜7にリンクされた各種の測定イベントが各周波数(周波数帯域)に対して設定されているとする。測定ID#1は、「Serving cell only event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F1である。測定ID#2は、「Primary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F2である。測定ID#3は、「Secondary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F2である。
【0090】
測定ID#4は、「Neighboring cell only event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F3である。測定ID#5は、「Primary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F1である。測定ID#6は、「Serving cell only event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F2である。測定ID#7は、「Primary Serving cell comparison event」にリンクしており、測定対象周波数は周波数F3である。
【0091】
このとき、周波数F1のPCCのセルAをソースセル、周波数F2のSCCのセルCをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法について図5を用いて説明する。
【0092】
移動局装置1は、図3に従い測定設定情報を管理する。図5の場合、セルAから見たターゲットセルはセルCであり、セルCから見たターゲットセルはセルAであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F1にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1(図3のNo1)、測定ID#5(図3のNo3))は、ターゲットである周波数F2に対して再リンクされる。同様に、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図3のNo9)、測定ID#3(図3のNo7)、測定ID#6(図3のNo5))は、ターゲットである周波数F1と再リンクされる。なお、移動局装置1は、セルAからセルDへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0093】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F3(NCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4、測定ID#7)はそのまま維持する。
【0094】
また、周波数F1のPCCのセルAをソースセル、周波数F3のNCCのセルEをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法について図6を用いて説明する。
【0095】
移動局装置1は、図3に従い測定設定情報を管理する。図6の場合、セルAから見たターゲットセルはセルEであり、セルEから見たターゲットセルはセルAであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F1にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1(図3のNo2)、測定ID#5(図3のNo4))は、ターゲットである周波数F3に対して再リンクされる。同様に、図4で周波数F3にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4(図3のNo11)、測定ID#7(図3のNo12))は、ターゲットである周波数F1と再リンクされる。なお、移動局装置1は、セルAからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0096】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F2(SCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2、測定ID#3、測定ID#6)はそのまま維持する。
【0097】
また、周波数F2のSCCのセルCをソースセル、周波数F3のNCCのセルEをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法について図7を用いて説明する。
【0098】
移動局装置1は、図3に従い測定設定情報を管理する。図7の場合、セルCから見たターゲットセルはセルEであり、セルEから見たターゲットセルはセルCであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図3のNo10)、測定ID#3(図3のNo8)、測定ID#6(図3のNo6)のうち、測定ID#3と測定ID#6は再リンクせずに削除される。また、測定ID#2は、再リンクせずに周波数F2とリンクしたままで変更しない。なお、移動局装置1は、セルCからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0099】
図5〜6と異なり、図7の場合に測定IDを交換しない理由は、セカンダリコンポーネントキャリアSCCは移動局装置1に対して複数設定されることがあり、その一部のみが変更される場合を考慮すると、移動局装置1がソースとなる周波数とターゲットとなる周波数の関係を知らなければ測定IDを交換することが出来ないためである。そのため、変更されないプライマリコンポーネントキャリアPCCとの比較を行なう測定イベントの報告設定IDは残し、それ以外の測定イベントの報告設定IDを削除することが管理の面から容易である。
【0100】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F1(PCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1、測定ID#5)はそのまま維持する。
【0101】
図5〜6に示す測定設定管理方法は、(1)ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されているか否かを判断し、(2)設定されている場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを当該ターゲットセルの周波数帯域に再リンクし、(3)同時にターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを当該ソースセルの周波数帯域に再リンクする、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。なお、ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されていない場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する。
【0102】
また、図7に示す測定設定管理方法は、維持する測定IDと削除する測定IDを測定対象周波数にリンクされた測定イベントに基づき決定する、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。このような単純な判断を加えるだけで、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって異なる種別の複数のセルを介して基地局装置2と接続しており、各セルに対して異なる測定設定情報が設定されている場合であっても、ハンドオーバー時において可能な限り設定済みの測定設定情報を再利用することが出来るようになるという利点がある。
【0103】
上述した測定設定管理方法は、移動局装置1と基地局装置2とでハンドオーバー時に実施されるため、基地局装置2は移動局装置1の測定設定情報について正確に把握することが出来る。そのため、基地局装置2はハンドオーバー後、必要に応じて移動局装置1の測定設定情報を更新してもよい。
【0104】
このように、第1の実施形態では、移動局装置1は、基地局装置2から異なる周波数帯域のコンポーネントキャリアを移動するハンドオーバーが指示された場合において、ハンドオーバー前のプライマリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ハンドオーバー後のプライマリコンポーネントキャリアに対しても再利用できるような測定設定管理を行なう。また、移動局装置1は、ハンドオーバー前のセカンダリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ターゲットとなる周波数帯域に応じて削除または維持するような測定設定管理を行なう。基地局装置2は、移動局装置1と同様の測定設定管理を行なうことで、移動局装置1の測定設定情報を正しく把握する。そして、必要であれば移動局装置1に対して測定設定情報の更新を行なう。
【0105】
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数のコンポーネントキャリアが設定されており、各コンポーネントキャリアに対して測定設定情報が設定されている場合に、ハンドオーバーによってコンポーネントキャリアの構成が変更される場合であっても、簡易な判断を加えるだけで、測定設定情報を可能な限り再利用することが出来る。そのため、移動局装置1は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を受信して再設定する必要がなく、処理が簡略化される。また、基地局装置2は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を移動局装置に対して送信する必要がなくなるため、無線リソースの消費量が削減される。
【0106】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。第1の実施形態は、SCCのセル(セカンダリサービングセル)を変更するときに、当該SCCに設定されていた測定設定情報を削除、または維持する判断を行なう必要があった。そこで、本発明の第2の実施形態は、ハンドオーバー時に、測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子を用いることにより、ハンドオーバー時に測定設定情報を再利用可能な測定設定管理方法を提供する。
【0107】
本実施形態の基地局装置2は、移動局装置1に対してハンドオーバーを指示する場合に、ハンドオーバー後に測定設定情報の再利用が可能な周波数帯域に対し、再利用させる測定設定情報が設定された周波数帯域を示す識別子を通知する。識別子は、例えばハンドオーバー前に移動局装置1に通知されていた測定ID、測定対象周波数ID、セルID、コンポーネントキャリアに対して割り振られるCC−ID(CompornentCarrier−ID、コンポーネントキャリア識別子)を利用することが出来る。
【0108】
図8は、本実施形態におけるハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に交換して再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。図8は、前述した図3と異なる部分のみを抜粋した図であり、No1〜4及びNo11〜12の場合の測定設定管理方法は、図3に従うことに注意する。
【0109】
周波数F2のSCCのセルCをソースセル、周波数F3のNCCのセルEをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法の方法について図9を用いて説明する。このとき、基地局装置2は、移動局装置1に対して、周波数F3のNCCのセルEへのハンドオーバーを指示する際に、周波数F2のSCCのセルCで使用されていた識別子のいずれかをハンドオーバー指示メッセージに含めて通知する。なお、移動局装置1は、基地局装置2が識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なう。すなわち、測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子が含まれたハンドオーバー指示メッセージを受信した移動局装置1は、No8およびNo10の関係にある測定設定情報については「swap」を行い、測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子を受信しなかった場合は、No8およびNo10の関係にある測定設定情報についてはそれぞれ「delete」及び「remain」を行なう。
【0110】
また、移動局装置1は、基地局装置2が当該識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図8と同様の測定設定管理方法を行ない、基地局装置2が当該識別子を含めてハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なうようにしても良い。
【0111】
移動局装置1は、図8に従い測定設定情報を管理する。図9の場合、セルCから見たターゲットセルはセルEであり、セルEから見たターゲットセルはセルCであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図8のNo10)、測定ID#3(図8のNo8)、測定ID#6(図8のNo6)のうち、測定ID#6は再リンクせずに削除される。また、測定ID#2と測定ID#3は、ターゲットである周波数F3に対して再リンクされる。同様に、図4で周波数F3にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4(図3のNo11)、測定ID#7(図3のNo12))は、ターゲットである周波数F2と再リンクされる。なお、移動局装置1は、セルCからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0112】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F1(PCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1、測定ID#5)はそのまま維持する。
【0113】
なお、ハンドオーバー指示メッセージに含まれる識別子は、移動局装置1に対し、図8に示した変更可能な項目毎(つまり、No8及びNo10)に「Action」を変更できるように構成されても良く、変更可能な項目について一括して「Action」を変更できるように構成されても良い。
【0114】
図9に示す測定設定管理方法は、(1)ソースセルの周波数帯域を示す識別子がハンドオーバー指示メッセージに設定されているか否かを判断し、(2)設定されている場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDをターゲットセルの周波数帯域に再リンクし、(3)同時にターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを当該ソースセルの周波数帯域に再リンクする、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。なお、ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されていない場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する。
【0115】
第1の実施形態の判断に加え、ハンドオーバー指示メッセージにリンク先を示す識別子を加えるだけで、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって異なる種別の複数のセルを介して基地局装置2と接続しており、各セルに対して異なる測定設定情報が設定されている場合であっても、ハンドオーバー時において可能な限り設定済みの測定設定情報を再利用することが出来るようになるという利点がある。
【0116】
上述した測定設定管理方法は、移動局装置1と基地局装置2とでハンドオーバー時に実施されるため、基地局装置2は移動局装置1の測定設定情報について正確に把握することが出来る。そのため、基地局装置2はハンドオーバー後、必要に応じて移動局装置1の測定設定情報を更新してもよい。
【0117】
このように、第2の実施形態では、移動局装置1は、ハンドオーバー前のセカンダリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ハンドオーバー指示メッセージに含まれるソースセルの周波数帯域を示す識別子の有無に応じて、ハンドオーバー後のセカンダリコンポーネントキャリアに対しても再利用できるような測定設定管理、または削除または維持するような測定設定管理を行なう。基地局装置2は、移動局装置1に対してセカンダリコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を再利用するか否かの判断に用いる識別子をハンドオーバー指示メッセージに含めて送信する。また、基地局装置2は、移動局装置1と同様の測定設定管理を行なうことで、移動局装置1の測定設定情報を正しく把握する。そして、必要であれば移動局装置1に対して測定設定情報の更新を行なう。
【0118】
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数のコンポーネントキャリアが設定されており、各コンポーネントキャリアに対して測定設定情報が設定されている場合に、ハンドオーバーによってコンポーネントキャリアの構成が変更される場合であっても、ソースセルの周波数帯域を示す識別子を確認するだけで、測定設定情報を可能な限り再利用することが出来る。そのため、移動局装置1は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を受信して再設定する必要がなく、処理が簡略化される。また、基地局装置2は、ハンドオーバー後に再度測定設定情報を移動局装置に対して送信する必要がなくなるため、無線リソースの消費量が削減される。
【0119】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について以下に説明する。第1の実施形態では、ソースセルの種別がNCCとなったときに、ターゲットセルの測定設定情報が再利用可能であるかどうかを判断する必要があった。本実施形態では、ハンドオーバー時に、ターゲットセルの測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子を用いることにより、ハンドオーバー時に測定設定情報を再利用可能な測定設定管理方法を提供する。
【0120】
本実施形態の基地局装置2は、移動局装置1に対してハンドオーバーを指示する場合に、ハンドオーバー後に測定設定情報の再利用が可能な周波数帯域に対し、再利用させない測定設定情報が設定された周波数帯域を示す識別子を通知する。識別子は、例えばハンドオーバー前に移動局装置1に通知されていた測定ID、測定対象周波数ID、セルID、コンポーネントキャリアに対して割り振られるCC−ID(CompornentCarrier−ID、コンポーネントキャリア識別子)を利用することが出来る。
【0121】
図10は、本実施形態におけるハンドオーバー前の測定設定情報をハンドオーバー後に交換して再利用する場合の測定設定管理方法について示した図である。図10は、前述した図3と異なる部分のみを抜粋した図であり、No1〜4及びNo11〜12の場合の測定設定管理方法は、図3に従うことに注意する。
【0122】
周波数F1のPCCのセルAをソースセル、周波数F2のSCCのセルCをターゲットセルとしてハンドオーバーを行なった場合の測定設定管理方法の別の方法について図11を用いて説明する。このとき、基地局装置2は、移動局装置1に対して、周波数F2のSCCのセルCへのハンドオーバーを指示する際に、周波数F1のPCCのセルAで使用されていた識別子のいずれかをハンドオーバー指示メッセージに含めて通知する。なお、移動局装置1は、基地局装置2が当該識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なう。すなわち、測定設定情報の交換が不可能であることを示す識別子が含まれたハンドオーバー指示メッセージを受信した移動局装置1は、No5、No7、No9の関係にある測定設定情報については「delete」を行い、測定設定情報の交換が不可能であることを示す識別子を受信しなかった場合は、No5、No7、No9の関係にある測定設定情報については「swap」を行なう。
【0123】
また、移動局装置1は、基地局装置2が当該識別子を含めずにハンドオーバーを指示した場合、図10と同様の測定設定管理方法を行ない、基地局装置2が当該識別子を含めてハンドオーバーを指示した場合、図3と同様の測定設定管理方法を行なうようにしても良い。
【0124】
移動局装置1は、図10に従い測定設定情報を管理する。図11の場合、セルAから見たターゲットセルはセルCであり、セルCから見たターゲットセルはセルAであるとして、測定設定情報の再利用を行なう。つまり、移動局装置1は、図4で周波数F1にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#1(図3のNo2)、測定ID#5(図3のNo4))は、ターゲットである周波数F2に対して再リンクされる。一方、図4で周波数F2にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#2(図8のNo10)、測定ID#3(図8のNo8)、測定ID#6(図8のNo6))は削除される。なお、移動局装置1は、セルCからセルFへハンドオーバーする場合であっても同じ測定設定管理方法を用いることが出来る。
【0125】
移動局装置1は、ハンドオーバー前後で変更されない周波数F3(NCC)にリンクされた測定イベントに関する測定ID(測定ID#4、測定ID#7)はそのまま維持する。
【0126】
なお、ハンドオーバー指示メッセージに含まれる識別子は、移動局装置1に対し、図11に示した変更可能な項目毎(つまり、No5、No7、No9)に「Action」を変更できるように構成されても良く、変更可能な全ての項目について一括して「Action」を変更できるように構成されても良い。
【0127】
図11に示す測定設定管理方法は、(1)ソースセルの周波数帯域を示す識別子が設定されているか否かを判断し、(2)設定されている場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDをターゲットセルの周波数帯域に再リンクし、(3)同時にターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する、という判断を移動局装置1が行なっていると換言することが出来る。なお、ターゲットセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDが設定されていない場合は、ソースセルの周波数帯域を測定対象周波数とする測定IDを削除する。
【0128】
第1の実施形態の判断に加え、ハンドオーバー指示メッセージにリンク先を示す識別子を加えるだけで、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって異なる種別の複数のセルを介して基地局装置2と接続しており、各セルに対して異なる測定設定情報が設定されている場合であっても、ハンドオーバー後のソースセルの種別に関係なく基地局装置2の指示に基づき測定設定情報を削除または交換するだけでよいため、測定設定情報の管理が管理になるという利点がある。
【0129】
上述した測定設定管理方法は、移動局装置1と基地局装置2とでハンドオーバー時に実施されるため、基地局装置2は移動局装置1の測定設定情報について正確に把握することが出来る。そのため、基地局装置2はハンドオーバー後、必要に応じて移動局装置1の測定設定情報を更新してもよい。
【0130】
このように、第3の実施形態では、移動局装置1は、ハンドオーバー前のターゲットセルのコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を、ハンドオーバー指示メッセージに含まれるソースセルの周波数帯域を示す識別子の有無に応じて、ハンドオーバー後のソースセルのコンポーネントキャリアに対しても再利用できるような測定設定管理、または削除するような測定設定管理を行なう。基地局装置2は、移動局装置1に対してターゲットセルのコンポーネントキャリアに設定された測定設定情報を再利用するか否かの判断に用いる識別子をハンドオーバー指示メッセージに含めて送信する。また、基地局装置2は、移動局装置1と同様の測定設定管理を行なうことで、移動局装置1の測定設定情報を正しく把握する。そして、必要であれば移動局装置1に対して測定設定情報の更新を行なう。
【0131】
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数のコンポーネントキャリアが設定されており、各コンポーネントキャリアに対して測定設定情報が設定されている場合に、ハンドオーバーによってコンポーネントキャリアの構成が変更される場合であっても、ソースセルの周波数帯域を示す識別子を確認するだけで、測定設定情報を再利用可能であるかどうかを判断することが出来るため、処理が簡略化される。
【0132】
また、第2の実施形態で示した測定設定情報の交換が可能であることを示す識別子と第3の実施形態で示した測定設定情報の交換が不可能であることを示す識別子は、ハンドオーバー指示メッセージに同時に含めて送信することも出来る。
【0133】
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。
【0134】
また、説明の便宜上、各実施形態の移動局装置1及び基地局装置2を機能的なブロック図を用いて説明したが、移動局装置1及び基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置や基地局装置の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0135】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0136】
また、上記各実施形態に用いた移動局装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、典型的にはIC(集積回路)であるLSIを含む回路内で構成されてもよい。その場合、LSIの集積密度はどのような密度で実現されていても良い。各機能ブロックおよび諸特徴は個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0137】
以上、本発明の実施形態について特定の具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これら特定の具体例に限定されないことは明らかである。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明に対して何ら制限を加えるものではない。
【符号の説明】
【0138】
1…移動局装置
2…基地局装置
11〜13…送信装置
21〜23…受信装置
101、201…受信部
102、202…復調部
103、203…復号部
104…測定処理部
105、204…制御部
106…ランダムアクセス処理部
107、205…符号部
108、206…変調部
109、207…送信部
110、210…上位レイヤ
208…ネットワーク信号処理部
209…周辺情報管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムであって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記移動局装置は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記識別子は、測定ID、測定対象周波数ID、セルIDまたはコンポーネントキャリア識別子であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記識別子は、周波数帯域毎に複数設定されることを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置であって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする移動局装置。
【請求項8】
前記移動局装置は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項7に記載の移動局装置。
【請求項9】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項7に記載の移動局装置。
【請求項10】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項7に記載の移動局装置。
【請求項11】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける基地局装置であって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを前記移動局装置に判断させる測定設定管理方法を用いることを特徴とする基地局装置。
【請求項12】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置の測定設定管理方法であって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記移動局装置は、
前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定するステップと、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信するステップと、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断するステップと、を備えることを特徴とする測定設定管理方法。
【請求項13】
前記測定管理方法は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の測定設定管理方法。
【請求項14】
前記測定管理方法は、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の測定設定管理方法。
【請求項15】
前記測定管理方法は、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の測定設定管理方法。
【請求項1】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムであって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記基地局装置は、
前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記移動局装置は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記識別子は、測定ID、測定対象周波数ID、セルIDまたはコンポーネントキャリア識別子であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記識別子は、周波数帯域毎に複数設定されることを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置であって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断する測定設定管理方法を用いることを特徴とする移動局装置。
【請求項8】
前記移動局装置は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項7に記載の移動局装置。
【請求項9】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用し、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項7に記載の移動局装置。
【請求項10】
前記移動局装置は、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除し、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用する測定設定管理方法を用いることを特徴とする請求項7に記載の移動局装置。
【請求項11】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける基地局装置であって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記移動局装置に対し、前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定し、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを前記移動局装置に送信し、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを前記移動局装置に判断させる測定設定管理方法を用いることを特徴とする基地局装置。
【請求項12】
基地局装置が移動局装置に対して複数の周波数帯域のセルの測定に必要な測定設定情報を周波数帯域毎に設定し、前記移動局装置が前記複数の周波数帯域のセルを同時に用いて前記基地局装置と接続して通信を行なう通信システムにおける移動局装置の測定設定管理方法であって、
前記セルの種別は、常に活性化される第1のセルと、不活性化が可能な第2のセルと、それ以外の第3のセルとに分類され、
前記移動局装置は、
前記基地局装置から前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域の変更を指定するハンドオーバーの実行を決定するステップと、前記ハンドオーバーの実行を指示するハンドオーバー指示メッセージを受信するステップと、ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するか否かを判断するステップと、を備えることを特徴とする測定設定管理方法。
【請求項13】
前記測定管理方法は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に測定設定情報が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の測定設定管理方法。
【請求項14】
前記測定管理方法は、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、
前記ハンドオーバー指示メッセージに測定設定情報をターゲットセルの周波数帯域に対して交換可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の測定設定管理方法。
【請求項15】
前記測定管理方法は、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されている場合は、
ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に設定されていた測定設定情報を削除するステップと、
前記ハンドオーバー指示メッセージにターゲットセルの周波数帯域に設定される測定設定情報をソースセルの周波数帯域に対して交換不可能であることを示す識別子が設定されていない場合は、
ハンドオーバー後に前記第1のセルまたは前記第2のセルとして利用される周波数帯域に設定されていた測定設定情報を、ハンドオーバー前の前記第1のセルの周波数帯域または前記第2のセルの周波数帯域に対して利用するステップと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の測定設定管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−4767(P2012−4767A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136791(P2010−136791)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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